JPH11319968A - 圧縮加工方法および圧縮工具 - Google Patents

圧縮加工方法および圧縮工具

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JPH11319968A
JPH11319968A JP10129042A JP12904298A JPH11319968A JP H11319968 A JPH11319968 A JP H11319968A JP 10129042 A JP10129042 A JP 10129042A JP 12904298 A JP12904298 A JP 12904298A JP H11319968 A JPH11319968 A JP H11319968A
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JP
Japan
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compression
compression tool
tool
work
processing
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JP10129042A
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English (en)
Inventor
Atsushi Ogawa
淳 小川
Kenji Tamada
健二 玉田
Akihito Sato
章仁 佐藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】素材をプレス成形するに先立ち、その素材に局
部的に設定された予定圧縮部位を圧縮加工してその予定
加工部位を加工硬化させる方法において、プレス成形時
に素材がそれの加工硬化領域と非加工硬化領域との境界
において破断する可能性を低減する。 【解決手段】その圧縮加工を、素材が加工硬化させられ
る程度が、素材のうち加工硬化させられる加工硬化領域
の縁部の少なくとも一部においてそれに隣接した部分に
おけるより減少するように行う。例えば、圧縮加工を行
う圧縮工具40の加工面50の形状を、圧縮工具が素材
を加工硬化させる程度が加工面の縁部の少なくとも一部
においてそれに隣接した部分におけるより減少するもの
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素材を局部的に圧
縮加工して加工硬化させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】その技術の一従来例が特開平8−117
879号公報に記載されている。これは、素材をプレス
成形するに先立ち、その素材のうちプレス成形時に割れ
が発生し易い部位を予定圧縮部位として、その表面に圧
縮工具をそれの平らな加工面において押圧することによ
り、その予定圧縮部位を圧縮加工して加工硬化させ、そ
れにより、プレス成形時に素材に割れが発生することを
抑制する方法である。すなわち、素材の材料的性質を加
工硬化により局部的に向上させることにより、プレス割
れを抑制する方法なのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび発明の効果】本発明者らは、本発明に先立ち、上記
従来のプレス割れ抑制方法を実施するために、図13に
示す圧縮工具300を製造した。この圧縮工具300
は、平らな加工面302を有するとともに、その加工面
302の縁部にほぼ直角である角部304が形成されて
いる。
【0004】本発明者らは、さらに、その製造した圧縮
工具300を用いて素材を局部的に圧縮加工して加工硬
化させ、その後、その素材をプレス成形する実験を行
い、その結果、次のような事実を得た。すなわち、圧縮
工具300を使用する場合には、プレス成形時、すなわ
ち、素材に製品加工力が加えられるとき、図14に示す
ように、素材310において圧縮加工により加工硬化が
生じさせられた加工硬化領域316と生じさせられない
非加工硬化領域318との境界320において素材31
0が破断する可能性があるという事実を得たのである。
同図には、圧縮加工された素材310が断面図で示され
ている。この素材310においては、圧縮加工により形
成された凹み322の回りに加工硬化領域316が形成
されているが、素材310の材料的性質が、加工硬化領
域316と非加工硬化領域318との間において急変す
る。そのため、上記の破断可能性が生じたと推定され
る。
【0005】また、本発明者らは、素材をプレス成形す
るに先立ってその素材を局部的に圧縮加工する部位を適
当に設定すれば、プレス成形時に素材にしわが発生する
ことを抑制できることにも気がついた。
【0006】このような事情を背景として、本発明は、
素材が加工硬化させられる程度が変化する部位において
素材が破断する可能性を低減することを課題としてなさ
れたものである。その課題は、下記の本発明の各態様に
よって解決される。なお、以下の説明において、本発明
の各態様を、それぞれに項番号を付して請求項と同じ形
式で記載する。各項に記載の特徴を組み合わせて採用す
ることの可能性を明示するためであるが、ここに記載さ
れた組合せ以外の組合せを採用することを排除したり、
ここに記載された特徴以外の特徴を組み合わせることを
排除するものではない。
【0007】(1) 素材をプレス成形するに先立ち、その
素材に局部的に設定された予定圧縮部位を圧縮加工して
その予定圧縮部位を加工硬化させるとともに、その圧縮
加工を、素材が加工硬化させられる程度が、素材のうち
加工硬化させられる加工硬化領域の縁部の少なくとも一
部においてそれに隣接した部分におけるより減少するよ
うに行うことを特徴とする圧縮加工方法〔請求項1〕。
この方法によれば、素材の材料的性質が、素材の加工硬
化領域の縁部の少なくとも一部と非加工硬化領域との間
において、加工面が一平面で構成される場合におけると
は異なり、急変せずに済む。したがって、この方法によ
れば、圧縮加工を受けた素材がプレス成形時、加工硬化
領域と非加工硬化領域との境界において予定外に破断す
る可能性が低減される。ここに「素材」には、板材のみ
ならずブロック材も含まれる。また「プレス成形」には
例えば、絞り加工,しごき加工,バルジ張出し加工,フ
ランジ加工,曲げ加工,ねじり加工等が含まれる。また
「素材が加工硬化させられる程度の変化」は、段階的な
変化としたり、連続的な変化とすることができる。 (2) 前記圧縮加工が、圧縮工具をそれの加工面において
前記予定圧縮部位の表面に押圧することにより行われ、
その加工面の形状が、前記圧縮工具が前記素材を加工硬
化させる程度が、加工面の縁部の少なくとも一部におい
てそれに隣接した部分におけるより減少するものとされ
ている(1) 項に記載の圧縮加工方法。この方法によれ
ば、圧縮加工を行う圧縮工具の加工面の形状が、圧縮工
具が素材を加工硬化させる程度が加工面の縁部の少なく
とも一部においてそれに隣接した部分におけるより減少
するものとされることにより、圧縮加工を受けた素材が
プレス成形時、加工硬化領域と非加工硬化領域との境界
において予定外に破断する可能性が低減される。 (3) 前記圧縮予定圧縮部位が、前記素材のうちプレス成
形時に割れが発生し易い破断危険部位を含む(1) または
(2) 項に記載の圧縮加工方法。本発明者らの研究によ
り、予定圧縮部位を、素材のうちプレス成形時に割れが
発生し易い破断危険部位に選べば、プレス成形時にその
破断危険部位に割れが生じることが抑制されることが分
かった。このような知見に基づいて本項に記載の方法が
なされたのである。 (4) 前記予定圧縮部位が、プレス成形時に前記素材にし
わが発生し易いしわ危険部位またはその近傍の、そのし
わを発生させる原因となる引張力の作用線上において互
いに隔たった一対の部位を含む(1) または(2) 項に記載
の圧縮加工方法。本発明者らの研究により、予定圧縮部
位を、プレス成形時に素材にしわが発生し易いしわ危険
部位またはその近傍の、そのしわを発生させる原因とな
る引張力の作用線上において互いに隔たった一対の部位
に選べば、プレス成形時にそのしわ危険部位にしわが生
じることが抑制されることが分かった。このような知見
に基づいて本項に記載の方法がなされたのである。 (5) 素材の表面に局部的に押圧される加工面を有してそ
の素材を局部的に圧縮加工して加工硬化させる圧縮工具
において、前記加工面の形状を、前記圧縮工具が前記素
材を加工硬化させる程度が、加工面の縁部の少なくとも
一部においてそれに隣接した部分におけるより減少する
ものとしたことを特徴とする圧縮工具〔請求項2〕。こ
の方法によれば、圧縮加工を行う圧縮工具の加工面の形
状が、圧縮工具が素材を加工硬化させる程度が加工面の
縁部の少なくとも一部においてそれに隣接した部分にお
けるより減少するものとされることにより、圧縮加工を
受けた素材がその後、加工硬化領域と非加工硬化領域と
の境界において予定外に破断する可能性が低減される。
ここに「圧縮工具」は、素材の表面にプレス成形前に押
圧される形態で使用されるもののみならず、プレス成形
後に押圧される形態で使用されるものも含まれる。 (6) 前記加工面が、基礎面上に複数の点状突起が並んで
形成されるように構成された(5) 項に記載の圧縮工具。
この圧縮工具によれば、連続した加工面で素材を圧縮加
工する場合におけるより小さい力で圧縮加工を行い得
る。なお「点状突起」の形状には、角を有しない形状
や、角を有する形状があり、また、角を有しない形状に
は、半球等があり、また、角を有する形状には、正多角
錐,正多角錐台等がある。また「圧縮加工」は例えば、
素材の両面の一方にのみ複数のディンプルが塑性変形に
より形成される一方、それに起因した塑性変形が他方に
は生じないように行うことができる。 (7) 前記各点状突起の高さが、前記縁部において中央部
におけるより低くされている(6) 項に記載の圧縮工具。 (8) 前記各点状突起の、隣接する他の点状突起との距離
が、前記縁部において中央部におけるより長くされてい
る(6) 項に記載の圧縮工具。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】図1には、本発明の第1実施形態である圧
縮工具を用いた圧縮加工方法を含むプレス加工方法の内
容が経時的に示されている。図示の例においては、プレ
ス加工方法が、板状の素材10を成形して製品としての
自動車のドアパネルインナ20を製造するために行われ
る。
【0010】具体的には、このプレス加工方法において
は、まず、素材10を得るために、図示しないプレス用
鋼板を適当なサイズに切断するためのせん断が行われ
る。次に、切断された素材10のうちの予定圧縮部位2
2に対してディンプル圧縮が行われる。予定圧縮部位2
2の表面に塑性変形により複数の圧痕部としての複数の
ディンプルが形成されるのである。本実施形態において
は、予定圧縮部位22が、プレス成形時に素材10に割
れが発生し易い部位である破断危険部位24に設定され
ている。破断危険部位24は例えば、素材10のうち深
絞りによるポンチ肩破断が生じ易い部位としたり、張出
し破断が生じ易い部位としたり、伸びフランジ破断が生
じ易い部位とすることができる。予定圧縮部位22は、
それに対してディンプル圧縮が行われることにより、加
工硬化が生じさせられたディンプル圧縮部位26とな
る。ディンプル圧縮後に図示しないプレス成形型により
プレス成形が行われる。すなわち、このプレス加工方法
は、せん断工程と圧縮加工方法としてのディンプル圧縮
工程とプレス成形工程とを含むように構成されているの
である。
【0011】図2には、その圧縮加工方法を実施するの
に好適な圧縮加工装置30が示されている。この圧縮加
工装置30は基本的には、通常のプレス型(プレス成形
型を含む)と同じ構造を有している。具体的には、ラム
32とボルスタ34とを備えていて、ラム32には上型
36、ボルスタ34には下型38がそれぞれ固定されて
いる。上型36には、圧縮加工により素材10に複数の
ディンプルを形成するための圧縮工具40が取り付けら
れている。また、上型36には、下型38との衝撃を緩
和するために、ウレタンゴム製のクッション44が設置
されている。
【0012】図3の(a) および(b) には、圧縮工具40
が側面断面図および正面断面図でそれぞれ示されてい
る。圧縮工具40は加工面50を有する。この加工面5
0は、各々半球状を成す複数の点状突起52が、圧縮加
工すべき素材10の表面に平行にして平らな基礎面53
上において縦横にほぼ等間隔で配置されることによって
構成されている。点状突起52の半径は例えば、約0.
5mm〜約2.0mmの範囲内の値とすることができる
が、本実施形態においては、点状突起52の高さが、基
礎面53の縁部において、基礎面53の中央部から縁部
に向かうにつれて低くなるように変化する。
【0013】図2に示すように、圧縮工具40は上型3
6に、加工面50が下型38を向く姿勢で取り付けられ
ている。一方、下型38にその加工面50に対向する位
置において当て具(バッキング部材)60が取り付けら
れている。当て具60は、圧縮工具40に対向する平ら
な当て面62を有している。当て具60はその当て面6
2において素材10を下方から支持しており、ラム32
が圧縮工具40が当て具60に接近するように駆動され
ることにより、それら圧縮工具40と当て具60とで素
材10を挟み、圧縮工具40が加工面50において素材
10の表面に押圧され、それにより、素材10がそれの
板厚方向(素材10の表面と交差する方向)に局部的に
圧縮されて加工硬化させられる。
【0014】下型38には、当て具60から水平方向に
離れた位置において、素材10を下方から支持する複数
の支持部64が形成されている。素材10は、それら複
数の支持部64と上記当て具60とにより、下方から支
持されるとともに上下方向における位置が規制される。
下型38には、それの複数箇所においてゲージ68が取
り付けられている。複数のゲージ68は、素材10の水
平方向における位置を規制するために設けられている。
【0015】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、各点状突起52自体の高さが、加工面5
0の縁部において、その加工面50の中央部から縁部に
向かうにつれて低くされることにより、素材10の材料
的性質(例えば、降伏点)が、素材10における加工硬
化領域と非加工硬化領域との間において、急変すること
がないようにされ、その結果、プレス成形時に素材10
がそれの加工硬化領域と非加工硬化領域との境界におい
て破断する可能性が低減されているのである。
【0016】次に、本発明の第2実施形態である圧縮工
具を用いた圧縮加工方法を含むプレス加工方法を説明す
る。ただし、本実施形態は、第1実施形態と圧縮工具の
形状のみが異なるため、その要素のみを詳細に説明し、
他の要素については同一の符号を使用することによって
詳細な説明を省略する。
【0017】図4には、本実施形態における圧縮工具8
0が示されている。具体的には、同図の(a) には平面図
で示され、(b) ないし(g) にはそれぞれ、(a) における
I−I断面図,II−II断面図,III −III 断面図,IV−
IV断面図,V−V断面図およびVI−VI断面図で示されて
いる。圧縮工具80の加工面82は、第1実施形態にお
ける圧縮工具40の加工面50におけるとは異なり、複
数の点状突起52が基礎面53の全体にほぼ均一に分布
するように配置されているのではなく、基礎面53のう
ちそれの縁部においては疎、中央部においては密となる
ように配置されている。
【0018】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、互いに隣接した2つの点状突起52間の
距離(複数の点状突起52の密度に対応する)が、加工
面82の縁部において中央部におけるより長くされるこ
とにより、プレス成形時に、素材10がそれの加工硬化
領域と非加工硬化領域との境界において破断する可能性
が低減されているのである。
【0019】次に、本発明の第3実施形態である圧縮工
具を用いた圧縮加工方法を含むプレス加工方法を説明す
る。ただし、本実施形態は、第1実施形態と圧縮工具の
形状のみが異なるため、その要素のみを詳細に説明し、
他の要素については同一の符号を使用することによって
詳細な説明を省略する。
【0020】図5の(a) および(b) には、本実施形態に
おける圧縮工具90が側面断面図および正面断面図でそ
れぞれ示されている。圧縮工具90の加工面92は、複
数の点状突起52が基礎面94上に縦横にほぼ等間隔で
配置されて構成されているが、基礎面94は、圧縮加工
すべき素材10の表面に平行な平面96と、その平面9
6に対して中高に傾斜した斜面98とから成っている。
平面96は加工面92の中央部、斜面98は加工面92
の縁部にそれぞれ配置されている。複数の点状突起52
はそれら平面96と斜面98とから、互いに同じ高さで
突出させられている。すなわち、本実施形態において
は、複数の点状突起52自体の高さは互いに同じにされ
る一方、各点状突起52が突出させられる面の高さが変
化させられることにより、複数の点状突起52のみかけ
上の高さが、加工面82の中央部から縁部に向かうにつ
れて低くされ、それにより、プレス成形時に素材10が
それの加工硬化領域と非加工硬化領域との境界において
破断する可能性が低減されているのである。
【0021】次に、本発明の第4実施形態である圧縮工
具を用いた圧縮加工方法を含むプレス加工方法を説明す
る。ただし、本実施形態は、第1実施形態と圧縮工具の
形状のみが異なるため、その要素のみを詳細に説明し、
他の要素については同一の符号を使用することによって
詳細な説明を省略する。
【0022】図6の(a) および(b) には、本実施形態に
おける圧縮工具100が側面断面図および正面断面図で
それぞれ示されている。本実施形態においては、圧縮工
具100が、第1実施形態におけるとは異なり、複数の
点状突起52を有してはおらず、それの加工面102
が、圧縮加工すべき素材10の表面に平行な平面104
とそれに対して傾斜した斜面106とから構成されてい
る。加工面102の中央部に平面104が配置される一
方、加工面102の縁部に斜面106が配置されてい
る。
【0023】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、加工面102の、素材10の表面に接触
する角度が加工面102の中央部から縁部に向かうにつ
れて大きくされることにより、プレス成形時に素材10
がそれの加工硬化領域と非加工硬化領域との境界におい
て破断する可能性が低減されているのである。
【0024】次に、本発明の第5実施形態である圧縮工
具を用いた圧縮加工方法を含むプレス加工方法を説明す
る。ただし、本実施形態は、圧縮加工の目的,予定圧縮
部位および圧縮工具の形状については第1実施形態と共
通するが、他の点については共通するため、共通する点
に関連する要素については同一の符号を使用することに
よって詳細な説明を省略し、異なる点についてのみ詳細
に説明する。
【0025】第1実施形態においては、圧縮加工がプレ
ス割れ抑制のために行われるが、本実施形態において
は、プレスしわ抑制のために行われる。具体的には、本
実施形態においては、図7に示すように、まず、素材1
50を得るために、第1実施形態におけると同様にして
せん断が行われる。次に、切断された素材150のうち
の予定圧縮部位154に対して、第1実施形態における
と同様にして、前記圧縮加工装置30によりディンプル
圧縮が行われる。ただし、本実施形態においては、予定
圧縮部位154が、第1実施形態におけるとは異なり、
プレス成形時に素材150にしわが発生し易いしわ危険
部位156においてそのしわを発生させる原因となる引
張力の作用線上において最も隔たった一対の部位に設定
されている。このように設定した理由は後に詳述する。
予定圧縮部位154は、それに対してディンプル圧縮が
行われることにより、加工硬化が生じさせられたディン
プル圧縮部位158となる。ディンプル圧縮後に図示し
ないプレス成形型によりプレス成形が行われる。すなわ
ち、このプレス加工方法も、第1実施形態におけると同
様に、せん断工程とプレスしわ抑制方法としてのディン
プル圧縮工程とプレス成形工程とを含むように構成され
ているのである。
【0026】本実施形態においては、圧縮工具170が
図8に示すように、加工面172を2つ有する。各加工
面172には複数の点状突起52が縦横にほぼ等間隔で
配置されている。各加工面172において複数の点状突
起52は、加工面172の中央部から縁部に向かうにつ
れて高さが低くなるようにされている。図9には、それ
ら2つの加工面172が素材150の2つの予定圧縮部
位154の表面にそれぞれ押圧されることにより、素材
150の表面に複数のディンプル54が配置されるパタ
ーンが概念的に示されている。同図にはさらに、プレス
成形時に2つの予定圧縮部位154に、それらが相互に
離間する方向に引張力が作用する様子も概念的に示さ
れ、さらに、それら2つの予定圧縮部位154が、しわ
危険部位156上においてその引張力作用線上において
最も隔たった2点(後述の一対のしわ発生起点186,
186)に設定されている様子も示されている。
【0027】ところで、本発明者らは、予定圧縮部位1
54の位置とプレス成形時にしわが抑制される効果との
関係を把握するために実験を行った。
【0028】図10には、その実験に用いられた試験片
180が示されている。この試験片180は、冷間圧延
鋼板(SCGA相当)であり、板厚は0.65mmであ
る。この試験片180の形状および大きさは、一辺の長
さが100mmである正方形とされている。試験片18
0については、それの2本の対角線の一方が引張力作用
線とされており、試験片180の4つの頂点部のうちそ
の引張力作用線上に位置する2つの頂点部が図示しない
つかみ装置によりつかまれる一対のつかみ部182とさ
れている。各つかみ部182の形状および大きさは、底
辺が40mmである直角二等辺三角形とされている。
【0029】図11には、試験片150に対して圧縮加
工を行うことなく、試験片180を数%(約2ないし4
%)の塑性引張ひずみが生じるように引っ張った様子が
示されている。この場合には、試験片180に、引張力
作用線上において延びる領域にしわ184が発生した。
このしわ184が発生した領域において、引張力作用線
上において互いに最も隔たった2点を一対のしわ発生起
点186,186という。
【0030】図12には、試験片180のうちしわ18
4が発生する可能性がある部位であるしわ危険部位18
7の両端点である一対のしわ発生起点186,186に
一対の予定圧縮部位188,188を設定し、それら一
対の予定圧縮部位188,188に対して圧縮加工を行
った後に試験片180を数%(約2ないし4%)の塑性
引張ひずみが生じるように引っ張った様子が示されてい
る。この場合には、試験片180にしわが発生しなかっ
た。
【0031】このような実験結果を踏まえて、本実施形
態においては、素材150の2つの予定圧縮部位15
4,154が図9に示すように、各予定圧縮部位154
の中心点がしわ危険部位156の引張力作用方向におけ
る各端点に一致するように設定されているのであり、そ
の結果、プレス成形時にしわが素材150のしわ危険部
位156において発生せずに済む。
【0032】以上、本発明の実施形態のいくつかを図面
に基づいて詳細に説明したが、それらの他にも、特許請
求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて
種々の変形,改良を施した形態で本発明を実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である圧縮工具を用いた
圧縮加工方法を含むプレス加工方法の内容を経時的に示
す図である。
【図2】上記圧縮加工方法を実施するのに好適な圧縮加
工装置を示す正面図である。
【図3】図2における圧縮工具を示す正面断面図および
側面断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態である圧縮工具を示す正
面図,正面断面図および側面断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態である圧縮工具を示す正
面断面図および側面断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態である圧縮工具を示す正
面断面図および側面断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態である圧縮工具を用いた
圧縮加工方法を含むプレス加工方法の内容を経時的に示
す図である。
【図8】その圧縮工具を示す正面断面図である。
【図9】その圧縮工具により素材の表面に複数のディン
プルが形成される様子を示す平面図である。
【図10】予定圧縮部位の位置とプレスしわ抑制効果と
の関係を取得するための実験において用いられた試験片
を示す正面図である。
【図11】圧縮加工が加えられていない試験片を引っ張
った場合にその試験片にしわが発生する様子を説明する
ための正面図である。
【図12】圧縮加工が適正な予定圧縮部位に加えられた
試験片を引っ張った場合にその試験片にしわが発生しな
い様子を説明するための正面図である。
【図13】本発明者らが本発明に先立った提案した圧縮
工具を示す斜視図である。
【図14】その圧縮工具により圧縮加工された素材の一
部を示す断面図である。
【符号の説明】
10,150 素材 20 ドアパネルインナ 22,154,188 予定圧縮部位 24 破断危険部位 26,158 ディンプル圧縮部位 30 圧縮加工装置 40,80,90,100,170 圧縮工具 50,82,92,102,172 加工面 52 点状突起 53,94 基礎面 54 ディンプル 96,104 平面 98,106 斜面 156 しわ危険部位 160 製品 180 試験片 184 しわ 186 しわ発生起点

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素材をプレス成形するに先立ち、その素材
    に局部的に設定された予定圧縮部位を圧縮加工してその
    予定圧縮部位を加工硬化させるとともに、その圧縮加工
    を、素材が加工硬化させられる程度が、素材のうち加工
    硬化させられる加工硬化領域の縁部の少なくとも一部に
    おいてそれに隣接した部分におけるより減少するように
    行うことを特徴とする圧縮加工方法。
  2. 【請求項2】素材の表面に局部的に押圧される加工面を
    有してその素材を局部的に圧縮加工して加工硬化させる
    圧縮工具において、 前記加工面の形状を、前記圧縮工具が前記素材を加工硬
    化させる程度が、加工面の縁部の少なくとも一部におい
    てそれに隣接した部分におけるより減少するものとした
    ことを特徴とする圧縮工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102784831A (zh) * 2012-09-05 2012-11-21 成都中弘轨道交通环保产业股份有限公司 密盲孔板冲压成型装置
US10422027B2 (en) 2004-05-21 2019-09-24 Ati Properties Llc Metastable beta-titanium alloys and methods of processing the same by direct aging

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