JPH11319967A - 圧縮加工方法および圧縮工具 - Google Patents

圧縮加工方法および圧縮工具

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JPH11319967A
JPH11319967A JP10129040A JP12904098A JPH11319967A JP H11319967 A JPH11319967 A JP H11319967A JP 10129040 A JP10129040 A JP 10129040A JP 12904098 A JP12904098 A JP 12904098A JP H11319967 A JPH11319967 A JP H11319967A
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JP
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compression
cracks
pressing
processing
tool
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JP10129040A
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Atsushi Ogawa
淳 小川
Kenji Tamada
健二 玉田
Akihito Sato
章仁 佐藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】素材をプレス成形するに先立ち、その素材を局
部的に加工硬化させるために、素材を局部的に圧縮加工
する方法において、プレス成形時の素材割れを困難なく
抑制する。 【解決手段】その圧縮加工を、素材10のうちプレス成
形時に割れが発生し易いが割れが発生すべきでない第1
部位24においては弱く、プレス成形時に割れが発生し
てもよい第2部位26においては強く行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素材のプレス成形
に先立ってその素材を局部的に加工硬化させるためにそ
の素材を局部的に圧縮加工する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】その技術の一従来例が特開平8−117
879号公報に記載されている。これは、素材をプレス
成形するに先立ち、その素材のうちプレス成形時に割れ
が発生し易い部位を予定圧縮部位として、その表面に圧
縮工具をそれの平らな加工面において押圧することによ
り、その予定圧縮部位の表面を圧縮加工してその予定圧
縮部位を加工硬化させ、それにより、プレス成形時に素
材に割れが発生することを抑制する方法である。すなわ
ち、素材の材料的性質を加工硬化により局部的に向上さ
せることにより、プレス割れを抑制する方法なのであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび発明の効果】本発明者らは、その圧縮加工方法につ
いて研究を行い、その結果、次のような事実に気がつい
た。すなわち、素材には、プレス成形時に割れが発生す
べきでない部位の他に、割れが発生してもよい部位も存
在する場合があるという事実に気がついたのである。こ
の事実に基づき、本発明は、プレス成形時に素材に割れ
が発生する部位をそのプレス成形に先立つ圧縮加工によ
り制御することにより、割れが発生すべきでない部位に
割れが発生することを抑制することを課題としてなされ
たものである。その課題は、下記の本発明の各態様によ
って解決される。なお、以下の説明において、本発明の
各態様を、それぞれに項番号を付して請求項と同じ形式
で記載する。各項に記載の特徴を組み合わせて採用する
ことの可能性を明示するためであるが、ここに記載され
た組合せ以外の組合せを採用することを排除したり、こ
こに記載された特徴以外の特徴を組み合わせることを排
除するものではない。
【0004】(1) 素材をプレス成形するに先立ち、その
素材を局部的に加工硬化させるために、その素材に対し
て局部的に、素材のうちプレス成形時に割れが発生し易
いが割れが発生すべきでない第1部位においては弱い圧
縮加工を施し、プレス成形時に割れが発生してもよい第
2部位においては強い圧縮加工を施すことを特徴とする
圧縮加工方法〔請求項1〕。前述のように、素材には、
プレス成形時に割れが発生すべきでない部位の他に、割
れが発生してもよい部位も存在する場合がある。また、
プレス成形時にいずれかの部位において割れが発生し易
い素材をプレス成形時にいずれの部位においても割れが
発生しないように圧縮加工を行うことが困難である状況
において、プレス成形時に素材のいずれかの部位に割れ
が発生することを許容する一方で、割れが発生する部位
が適正化されるようにして圧縮加工を行うことは容易で
ある場合がある。一方、圧縮加工の強さを増せば、素材
が加工硬化させられる程度が増加し、その結果、素材の
材料的性質(例えば、降伏点)が向上してプレス割れが
発生し難くなる。しかし、圧縮加工の強さが限度を超え
ると、逆にプレス割れが発生し易くなる。素材が、局部
的に圧縮加工された部位において、応力集中により破断
し易くなるからである。このように、圧縮加工の強さと
プレス割れに対する効果との間には一定の関係があり、
この関係を利用すれば、割れを発生させたくない部位に
は弱い圧縮加工を、割れを発生させたい部位には強い圧
縮加工を行う技術を導くことができる。それらの知見に
基づき、本項に記載の方法においては、プレス成形に先
立つ圧縮加工が、素材のうちプレス成形時に割れが発生
し易いが割れが発生すべきでない第1部位においては弱
く、素材のうちプレス成形時に割れが発生してもよい第
2部位においては強く行われる。したがって、この方法
によれば、プレス成形時に割れが発生すべきでない部位
に割れが発生することを容易に抑制可能となる。ここに
「プレス成形」には例えば、絞り加工,しごき加工,バ
ルジ張出し加工,フランジ加工,曲げ加工,ねじり加工
等が含まれる。また「素材」には、板材のみならずブロ
ック材も含まれる。また「圧縮加工」の方式には、工具
をそれの加工面に形成された少なくとも一つの点状突起
において素材の表面に押圧する方式や、鋼球等、ショッ
トを少なくとも一つ、空気圧,遠心力等によって加速し
て素材の表面に衝突させる方式(吹付け加工)がある。
また「圧縮加工の強さ」については例えば、その圧縮加
工により予定圧縮部位に形成される凹み(例えば、ディ
ンプル)の深さを予定圧縮部位の原板厚で割った値によ
り、その値が大きいほど圧縮加工が強いと定義すること
ができる。また、予定圧縮部位をその圧縮加工により形
成される凹みを通過する一平面で切断した断面につき、
その凹みの断面積を予定圧縮部位の、凹み1個当たりの
原断面積で割った値により、その値が大きいほど圧縮加
工が強いと定義することもできる。また、その圧縮加工
により予定圧縮部位に形成される凹みの体積を予定圧縮
部位の、凹み1個当たりの原体積で割った値により、そ
の値が大きいほど圧縮加工の強さが強いと定義すること
もできる。また、その圧縮加工により予定圧縮部位に形
成される凹みが尖る程度により、その程度が大きいほど
圧縮加工が強いと定義することもできる。 (2) 前記第1部位と第2部位とが、互いに隣接して前記
素材に設定される(1)項に記載の圧縮加工方法〔請求項
2〕。プレス成形時に素材のある部位に割れが発生する
可能性がある場合に、その部位に周りから材料が流入し
易くなるようにする対策を事前に講ずれば、割れの発生
が抑制される。一方、素材において、プレス成形時に材
料の伸びが大きいために割れが発生し易い部位と、プレ
ス成形時に材料が伸びるとともに割れが発生してもよい
部位とが互いに隣接する場合がある。この場合、割れが
発生してもよい部位がほとんど伸びないうちにその部位
に割れが発生するようにすれば、その部位が伸びるため
に必要であった材料が、その部位に隣接する、割れが発
生すべきでない部位に流入可能となる。割れが発生して
もよい部位が、割れが発生すべきでない部位にとっての
材料供給源として作用するようになるのである。このよ
うな知見に基づき、本項に記載の方法においては、第1
部位と第2部位とが互いに隣接して素材に設定される。
したがって、この方法によれば、プレス成形時に割れが
発生すべきでない部位に割れが発生することを確実に抑
制可能となる。 (3) 前記素材が、前記プレス成形時またはプレス成形後
に不要部として切断される予定不要部を含むものであ
り、前記第2部位が、その予定不要部に設定される(1)
または(2) 項に記載の圧縮加工方法〔請求項3〕。この
方法によれば、プレス成形時に割れが、素材のうちプレ
ス製品として必要な必要部に発生せずに済む。 (4) 前記弱い圧縮加工と強い圧縮加工とがそれぞれ、前
記第1部位と第2部位との表面に複数のディンプルが形
成されるように行われる(1) ないし(3) 項のいずれかに
記載の圧縮加工方法〔請求項4〕。本発明者らの研究に
より、素材の予定圧縮部位をその表面に塑性変形により
複数のディンプルが形成されるように圧縮加工する場合
には、その予定圧縮部位の表面を圧縮工具の平らな加工
面により圧縮加工してその予定圧縮部位を加工硬化させ
る場合とほぼ同等のレベルで、場合によってはそれより
高いレベルで、プレス成形時における素材割れが抑制さ
れることが確認された。一方、予定圧縮部位の表面を複
数のディンプルが形成されるように圧縮加工する場合に
は、平らな加工面を有する圧縮工具により圧縮加工する
場合におけるより、圧縮加工に必要な力が小さくなるこ
とも確認された。そのような知見に基づいて本項に記載
の方法がなされたのであり、したがって、この方法によ
れば、平らな加工面を有する圧縮工具を使用する場合に
おけるより小さい力で圧縮加工を行うことができる上
に、平らな加工面を有する圧縮工具を使用する場合に比
べて劣らないレベルで、プレス成形時における素材割れ
を抑制できる。なお「圧縮加工」は例えば、素材の両面
の一方にのみディンプルが塑性変形により形成される一
方、それに起因した塑性変形が他方には生じないように
行うことができる。 (5) 前記弱い圧縮加工と強い圧縮加工とがそれぞれ、少
なくとも一つの点状突起が形成された加工面を有する圧
縮工具をそれの加工面において前記第1部位と第2部位
との表面に押圧することにより行われる(4) 項に記載の
圧縮加工方法。なお「点状突起」の形状には、角を有し
ない形状や、角を有する形状があり、また、角を有しな
い形状には、半球等があり、また、角を有する形状に
は、正多角錐,正多角錐台等がある。なお、この解釈は
他の項における「点状突起」についても妥当する。 (6) 前記弱い圧縮加工と強い圧縮加工とがそれぞれ、複
数の点状突起が形成された加工面を有する圧縮工具をそ
れの加工面において前記第1部位と第2部位との表面に
押圧することにより行われる(4) 項のいずれかに記載の
圧縮加工方法。この方法によれば、同じ圧縮工具に複数
の点状突起が形成されているため、同じ圧縮工具に点状
突起が一つしか形成されていない場合に比較して、圧縮
加工を能率よく行うことが可能となる。 (7) 前記加工面に、前記第1および第2部位の表面にそ
れぞれ押圧される第1および第2領域が一緒に形成され
た(6) 項に記載の圧縮加工方法。この方法によれば、圧
縮を第1部位と第2部位とについて互いに異なる加工面
により行う場合に比較して、それら第1および第2部位
を圧縮するのに必要な設備を容易に簡易化し得るととも
に、それに必要な時間を容易に短縮化し得る。 (8) 前記複数の点状突起が、前記第1領域においては疎
に、前記第2領域においては密に配置された(7) 項に記
載の圧縮加工方法。 (9) 前記複数の点状突起が前記加工面に、各点状突起の
高さが前記第1領域においては低く、前記第2領域にお
いては高くなるように形成された(7) 項に記載の圧縮加
工方法。 (10)素材の表面に局部的に押圧される加工面を有してそ
の素材を局部的に圧縮加工して加工硬化させる圧縮工具
において、前記加工面の形状を、前記圧縮工具が前記素
材を加工硬化させる程度が、加工面のうちその加工面に
設定された一方向における両側において互いに異なるも
のとしたことを特徴とする圧縮工具〔請求項5〕。この
圧縮工具によれば、素材への一回の押圧により、素材に
対する圧縮加工を、素材のうちプレス成形時に割れが発
生し易いが割れが発生すべきでない第1部位においては
弱く、プレス成形時に割れが発生してもよい第2部位に
おいては強く行うことが可能となり、圧縮加工を能率よ
く行い得る。 (11)前記加工面が、基礎面上に複数の点状突起が、前記
両側の一方においては疎に、他方においては密に配置さ
れるように形成されることにより構成された(10)項に記
載の圧縮工具。 (12)前記加工面が、基礎面上に複数の点状突起が、各点
状突起の高さが前記両側の一方においては低く、他方に
おいては高くなるように形成されることにより構成され
た(10)項に記載の圧縮工具。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な一
実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0006】図1には、本発明の一実施形態である圧縮
加工方法を含むプレス加工方法の内容が経時的に示され
ている。このプレス加工方法は、図2に示す板状の素材
10を成形して、製品としての、図7に示す自動車のリ
ヤドアパネルインナ20を製造するために行われる。
【0007】具体的には、このプレス加工方法において
は、図1に示すように、まず、素材10が図示しないプ
レス用鋼板から打ち抜かれる。打ち抜かれた素材10が
図2に示されている。このプレス加工方法においては、
同じプレス成形型によりリヤドアパネルインナ20が2
枚同時に成形されるようになっているため、1枚の素材
10が2枚のリヤドアパネルインナ20をプレス成形す
るのに必要な大きさおよび形状を有するように、プレス
用鋼板から打ち抜かれる。
【0008】この抜きと同時に、素材10のうちの予定
圧縮部位22に対して圧縮が行われる。図2に示すよう
に、予定圧縮部位22の表面に塑性変形により複数の圧
痕部としての複数のディンプル23が形成されるのであ
る。本実施形態においては、予定圧縮部位22が、図2
に示すように、弱い圧縮加工が行われる第1部位24
と、強い圧縮加工が行われる第2部位26とが互いに隣
接するように構成されている。第1部位24は、プレス
成形時に素材10に割れが発生し易い部位である破断危
険部位に設定されている。破断危険部位は、図6に示す
ように、素材10のうちリヤドアパネルインナ20のた
て壁部28に当たる部位に設定されている。これに対し
て、第2部位26は、同図に示すように、素材10に対
して後述の外形穴抜きが行われることによって生成され
るスクラップ29に当たる予定不要部に設定されてい
る。
【0009】図3には、上記の抜きと圧縮とを同時に行
う送り抜き型30が示されている。この送り抜き型30
は、ラム32とボルスタ34とを備えていて、ラム32
には上型36、ボルスタ34には下型38がそれぞれ固
定されている。送り抜き型30はさらに、素材10が送
られる経路上のうちの上流位置において、素材10を下
方から支持して案内するガイド40を備えている。素材
10は、上流位置において、プレス用鋼板が円筒状に巻
かれたコイル材41として保持される。送り抜き型30
はさらに、送られる素材10をそれの両側から小さい摩
擦抵抗で支持して案内するガイドローラ42も備えてい
る。上型36と下型38とには、素材10が送られる経
路上のある位置において、互いに共同して素材10をせ
ん断するための一対の切刃44,46がそれぞれ固定さ
れている。送り抜き型30にはさらに、一対の切刃4
4,46より下流側の位置においてシュート48が設け
られている。このシュート48により、せん断を受けた
素材10が自重によって下方に滑り落ち、その後、図示
しないプレス成形型に供給される。また、上型36に
は、下型38との衝撃を緩和するために、ウレタンゴム
製のクッション50が設けられている。
【0010】上型36には、圧縮工具60が取り付けら
れている。圧縮工具60は、上型36に直接にではな
く、駆動装置62を介して取り付けられている。駆動装
置62は、上型36またはラム32に固定の駆動源64
を備えている。駆動源64は例えば、エアシリンダ,油
圧シリンダ等、高圧の気体または液体により作動する圧
力作動装置である。駆動装置62はさらに、駆動源64
により駆動される駆動部材66を備えている。この駆動
部材66に圧縮工具60が取り付けられている。駆動装
置62は、圧縮工具60が素材10に押圧される力を適
正範囲に調整する押圧力調整装置68も備えている。押
圧力調整装置68は例えば、駆動源64としての圧力作
動装置に接続された電磁弁とその電磁弁を制御するコン
トローラとを含むように構成される。
【0011】これに対して、下型38には、圧縮工具6
0に対向する位置において、当て具70(バッキング部
材)が固定されている。この当て具70は、素材10を
下方から支持するとともに、圧縮工具60からの力を受
けて、圧縮工具60と共同して素材10を板厚方向(素
材10の表面と交差する方向)に圧縮するものである。
【0012】圧縮工具60は駆動装置62なしで直接に
上型36またはラム32である固定部材に固定すること
が可能である。しかし、圧縮工具60が素材10を押圧
する力に適正範囲があり、一方、その適正範囲が、素材
10をせん断する力の適正範囲と一致しない場合があ
る。そのような場合においても、せん断も圧縮も適正な
力で行い得るように、本実施形態においては、圧縮工具
60が駆動装置62を介して固定部材に装着されている
のである。また、圧縮工具60が素材10を押圧する力
を調整可能とすれば、素材10の板厚のばらつきにもか
かわらず、素材10に対して行われる圧縮加工の強さを
複数の素材間で安定化させ得る。
【0013】図4には、圧縮工具60が示されている。
圧縮工具60には加工面71が形成されている。加工面
71は、基礎面72上に各々半球状を成す複数の点状突
起74が並んで形成されることによって構成されてい
る。点状突起74の半径は例えば、約0.5mm〜約
2.0mmの範囲内の値とすることができる。複数の点
状突起74は加工面71上において、それの長手方向に
おける一端側においては疎、他端側においては密となる
ように配置されている。図において左側の部分において
は弱い圧縮加工を行い、右側の部分においては強い圧縮
加工を行うようになっているのである。なお、このよう
に点状突起74の密度分布を加工面71上の位置に応じ
て変化させる他にも、例えば、点状突起74の高さを加
工面71上の位置に応じて変化させることによっても、
圧縮工具60による一回の押圧により素材10に対して
弱い圧縮加工と強い圧縮加工とを行うことが可能であ
る。すなわち、圧縮加工は、予定圧縮部位22をマクロ
的に見た場合に、その圧縮加工により素材10が加工硬
化させられる程度が互いに異なる高い部分と低い部分と
が形成されるように行われるのである。
【0014】以上説明した送り抜き型30により抜きと
圧縮とが同時に行われた後、図1に示すように、前記プ
レス成形型によりプレス成形が行われる。このプレス成
形は、絞り工程と、外形穴抜き・曲げ工程と、寄穴抜き
・2等分工程とから構成されている。
【0015】絞り工程においては、図5に示すように、
素材10が成形され、それにより、素材10にたて壁部
28が形成される。この際、素材10は、第1部位24
と第2部位26との境界を通過する破断線80に沿って
破断する可能性が高い。素材10が加工硬化させられた
程度が第1部位24と第2部位26との境界において急
変しているからである。ただし、素材10は、第2部位
26上のうちその境界から外れた位置において破断する
可能性もある。第2部位26の全体に強い圧縮加工が施
されていて、プレス成形時にその第2部位26上のいず
れかの位置に応力が集中し易くなり、結局、破断し易く
なるからである。
【0016】外形穴抜き・曲げ工程においては、図6に
示すように、素材10が抜き線82に沿って必要な形状
に切断され、それにより、素材10からそれの外周部が
不要部として切断されるとともに、その不要部が複数の
スクラップカッタ86により複数のスクラップ88に細
断される。それら複数のスクラップ88のうちの一つが
前記スクラップ29である。そして、このスクラップ2
9においては、第2部位26と破断線80とが存在す
る。したがって、素材10のうち製品として必要な必要
部に割れが発生せずに済む。この外形抜き・曲げ工程に
おいては、さらに、素材10に対して必要な穴加工と曲
げとが行われる。さらに、この外形穴抜き・曲げ工程に
おいては、同図に示すように、素材10を2つ(2枚の
リヤドアパネルインナ20に対応する)に分離するのに
必要な穴90が予備的に打ち抜かれる。
【0017】寄穴抜き・2等分工程においては、プレス
方向と交差する方向に移動する寄せ型により、素材10
に対して必要な穴加工が行われる。例えば、素材10の
たて壁部28にドアロック穴が形成される。さらに、図
7に示すように、素材10が分離線92に沿って完全に
2つに分離される。
【0018】以上のようにして、1枚の素材10から2
枚のリヤドアパネルインナ20が製造される。
【0019】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、その他にも、特許請求の範囲を逸
脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,
改良を施した形態で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である圧縮加工方法を含む
プレス加工方法の内容を経時的に示すブロック図であ
る。
【図2】図1における抜き・圧縮工程を説明するための
平面図である。
【図3】上記圧縮加工方法を実施するのに好適な送り抜
き型を示す正面図である。
【図4】図3における圧縮工具を示す側面図および正面
図である。
【図5】図1におけるプレス成形の絞り工程を説明する
ための平面図である。
【図6】図1におけるプレス成形の外形穴抜き・曲げ工
程を説明するための平面図である。
【図7】図1におけるプレス成形の寄穴抜き・2等分工
程を説明するための平面図である。
【符号の説明】
10 素材 20 リヤドアパネルインナ 22 予定圧縮部位 23 ディンプル 24 第1部位 26 第2部位 28 たて壁部 29 スクラップ 30 送り抜き型 60 圧縮工具 74 点状突起 80 破断線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素材をプレス成形するに先立ち、その素材
    を局部的に加工硬化させるために、その素材に対して局
    部的に、素材のうちプレス成形時に割れが発生し易いが
    割れが発生すべきでない第1部位においては弱い圧縮加
    工を施し、プレス成形時に割れが発生してもよい第2部
    位においては強い圧縮加工を施すことを特徴とする圧縮
    加工方法。
  2. 【請求項2】前記第1部位と第2部位とが、互いに隣接
    して前記素材に設定される請求項1に記載の圧縮加工方
    法。
  3. 【請求項3】前記素材が、前記プレス成形時またはプレ
    ス成形後に不要部として切断される予定不要部を含むも
    のであり、前記第2部位が、その予定不要部に設定され
    る請求項1または2に記載の圧縮加工方法。
  4. 【請求項4】前記弱い圧縮加工と強い圧縮加工とがそれ
    ぞれ、前記第1部位と第2部位との表面に複数のディン
    プルが形成されるように行われる請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の圧縮加工方法。
  5. 【請求項5】素材の表面に局部的に押圧される加工面を
    有してその素材を局部的に圧縮加工して加工硬化させる
    圧縮工具において、 前記加工面の形状を、前記圧縮工具が前記素材を加工硬
    化させる程度が、加工面のうちその加工面に設定された
    一方向における両側において互いに異なるものとしたこ
    とを特徴とする圧縮工具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002178044A (ja) * 2000-12-13 2002-06-25 Hitachi Telecom Technol Ltd タレットパンチプレスの金型装置
JP2012121415A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Toyota Motor Corp 車両の骨格構造、骨格補強構造及びピラー構造

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