JPH11319841A - 電解式脱リン装置 - Google Patents

電解式脱リン装置

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JPH11319841A
JPH11319841A JP13370298A JP13370298A JPH11319841A JP H11319841 A JPH11319841 A JP H11319841A JP 13370298 A JP13370298 A JP 13370298A JP 13370298 A JP13370298 A JP 13370298A JP H11319841 A JPH11319841 A JP H11319841A
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JP
Japan
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anode
support
anode body
aluminum
iron
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Withdrawn
Application number
JP13370298A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Morikita
浩通 森北
Zenji Takahashi
善次 高橋
Masako Saimoto
雅子 才本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間に亘って陽極を交換する必要なく、安定
した脱リン性能を保持することができる電解式脱リン装
置を提供する。 【解決手段】水中に陽極1と陰極を浸漬し、陽極1と陰
極との間に通電して電気分解することによって、水中に
含まれるリン成分を水に難溶性の金属塩にして析出させ
るようにした電解式脱リン装置に関する。このような電
解式脱リン装置において、上記陽極1が、アルミニウム
又は鉄から形成される陽極体3と、アルミニウム又は鉄
よりイオン化傾向の低い金属、カーボン繊維、樹脂から
選択される材料で形成され陽極体3を支持する支持体4
とを具備する。電気分解を行なう際に、陽極1の陽極体
3を形成する金属の溶出で陽極体3に部分的に孔があい
て一部が分離されても、陽極体3は電気分解の際に溶出
しない材料で形成されている支持体4に支持されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に含まれるリ
ン成分を電気分解により除去するのに有用な電解式脱リ
ン装置、特に家庭排水等の汚水処理に使用される電解式
脱リン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題の一つに家庭排水があり、その
排水中に含まれる汚染物質のなかでも窒素成分やリン成
分は河川や湖の富栄養化の原因となっている。一般に家
庭排水の処理は、下水処理場を有する地域では、大規模
な浄化設備で一括して生物的方法や化学的方法で行なわ
れているが、下水処理設備のない地域においては各家庭
で浄化処理しなければ下水を通じてそのまま河川等に流
出することになる。このために、近年では、各家庭単位
で排水の浄化を行なうための技術開発が行なわれてい
る。
【0003】従来、家庭用の汚水処理装置では、一般
に、まず排水中に含まれる比較的大きな汚物等を前処理
槽で沈殿させて除去する前処理を行ない、次に活性汚泥
槽にて微生物の作用により汚染物質を分解し、汚泥とし
て沈殿させた後、その上澄み水を排出する方式が採用さ
れている。しかし、従来の家庭用レベルの汚水処理装置
では、リン成分に関して除去効果が乏しく、安定してリ
ンの除去をする機能を有するものが望まれている。
【0004】そこで近年、各家庭単位でこれらの窒素や
リンを浄化することができる技術の開発が行なわれてお
り、排水中のリン成分を電気分解法で除去する方法(特
開昭60−44090号公報等参照)が提供されてい
る。この電気分解法は、リン酸イオンと結合して水に難
溶性の金属リン酸塩を生成させる金属で陽極を形成し、
リン成分を含有する排水に陽極と陰極を浸漬し、陽極と
陰極の間に通電して電気分解を行なうようにした方法で
あり、陽極から上記の金属がイオン化して溶出し、排水
中のリン酸イオンと結合して水に難溶性の金属リン酸塩
となって析出するので、これを沈澱させたり、濾過した
りすることによって、リン成分を除去することができる
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のように
電気分解によりリン成分の除去を行なう方法を家庭用レ
ベルの汚水処理装置に適用する際の前提条件としては、
安定したリンの除去効果が得られること、維持管理がし
易いこと、寿命が長いこと等が挙げられる。具体的にい
うと、用いる陽極や陰極の交換が少なくとも半年以上必
要なく、それまではメンテナンスフリーで、初期状態と
変わらない安定した脱リン効果が得られることである。
【0006】しかし、上記のような排水中のリン成分を
電気分解法で除去する方法では、対峙させる一対の電極
板を陽極と陰極として通電して電気分解を行なうもので
あるが、この電気分解の際に、陽極から金属が金属イオ
ンとして溶出する。そして、排水の濃度の不均一などに
起因して陽極の表面からの溶出が不均一であると、部分
的に溶出が大きく発生して孔があいて陽極の一部が分離
され、この分離された陽極の一部が脱落したり、またこ
の分離された部分は断線状態になって通電をすることが
できなくなり、脱リン性能が低下する。従って、この場
合には陽極の交換等のメンテナンスを短い期間で行なう
必要が生じるものであった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、長期間に亘って陽極を交換する必要なく、安定し
た脱リン性能を保持することができる電解式脱リン装置
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水中に陽極1
と陰極2を浸漬し、陽極1と陰極2との間に通電して電
気分解することによって、水中に含まれるリン成分を水
に難溶性の金属塩にして析出させるようにした電解式脱
リン装置において、上記陽極1が、アルミニウム又は鉄
から形成される陽極体3と、アルミニウム又は鉄よりイ
オン化傾向の低い金属、カーボン繊維、樹脂から選択さ
れる材料で形成され陽極体3を支持する支持体4とを具
備して成ることを特徴とするものである。
【0009】また請求項2の発明は、陰極2側の面を陽
極体3、その背面側を支持体4で二層構造に接合して陽
極1を形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項3の発明は、支持体4を下片4
aと、下片4aの両側の側片4bとで上向き開口略コ字
型に形成し、陽極体3をこの支持体4内にはめ込んで取
り付けて陽極1を形成して成ることを特徴とするもので
ある。
【0011】また請求項4の発明は、陽極体3内に支持
体4を、支持体4の上端部が陽極体3の上端より上方へ
突出するように埋め込んで、陽極1を形成して成ること
を特徴とするものである。
【0012】また請求項5の発明は、支持体4をカーボ
ン繊維の不織布で形成し、支持体4の表面にアルミニウ
ム又は鉄をメッキして陽極体3を形成して成ることを特
徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】陽極1は陽極体3と支持体4を具備して形
成されるものであり、陽極体3はアルミニウム又は鉄か
ら形成してあると共に、支持体4はアルミニウム又は鉄
よりイオン化傾向の低い金属、カーボン繊維、樹脂から
選択される材料で形成してある。ここで、アルミニウム
又は鉄よりイオン化傾向の低い金属とは、陽極体3をア
ルミニウムで形成する場合にはアルミニウムよりイオン
化傾向の低い金属、陽極体3を鉄で形成する場合には鉄
よりイオン化傾向の低い金属、を意味するものであり、
例えばステンレスやニッケル、チタンなどを用いること
ができる。また樹脂としてはABS樹脂やアクリル樹脂
などを用いることができる。支持体2を形成するこれら
の材料は、電気分解の際に陽極体3の金属が溶出して
も、排水中に溶出することはない。
【0015】図1は請求項2の発明の実施の形態で使用
する陽極1の一例を示すものであり、陽極体3と支持体
4とをそれぞれほぼ同じ大きさの板状に形成し、陽極体
3と支持体4を重ねて全面に亘って接合させて一体化す
ることによって、二層構造に陽極1を作製することがで
きるものである。この請求項2の陽極1では、支持体4
はアルミニウム又は鉄よりイオン化傾向の低い金属又は
カーボン繊維のように導電性を有する材料で形成するの
が好ましい。また陽極体3と支持体4との一体化は、支
持体4を金属で形成する場合には半田付けなどで陽極体
3と支持体4を接合したり、支持体4をカーボン繊維で
形成する場合には導電性接着剤などで陽極体3と支持体
4を接合したりすることによって、陽極体3と支持体4
とを全面に亘って電気的に導通させた状態で行なうのが
好ましい。そして支持体4の上端に導線10が接続して
あり、導電性を有する支持体4を介して陽極体3に通電
することができるようにしてある。
【0016】図6は上記のように形成される陽極1を用
いた電解式脱リン装置を示すものであり、11は排水貯
蓄槽であって、排水供給口12から供給される排水を一
旦貯蓄すると共に比較的大きな汚物を沈殿させるように
してある。また13は電解槽であって、給水管14を通
じて排水貯蓄槽11から定量ポンプ15で排水が導入さ
れるようにしてある。この電解槽13には陽極1と陰極
2が排水に浸漬して配設してあり、陽極1は定電流直流
電源16のプラス側に、陰極2は定電流直流電源16の
マイナス側にそれぞれ接続してある。陰極2の金属は特
に限定されるものではなく、例えばアルミニウムあるい
は鉄あるいはステンレスで形成することができる。ま
た、陽極1は、その陽極体3が陰極2の側を向いて対峙
するように配置されるものである。電解槽13の底部に
は散気管20が設置してあり、電解槽13内の排水に散
気してバッキするようにしてある。電解槽13で電解処
理された排水は平膜フィルターなどのフィルター17に
通して、定量ポンプ18で排水管19から排出されるよ
うにしてある。
【0017】上記のように形成される電解式脱リン装置
にあって、陽極1と陰極2の間に直流電流が通電される
と、電気分解によって陽極1の陽極体3を形成する金属
から排水中に金属イオンが溶出され、この金属イオンが
排水中のリン成分と反応する。リン成分は一般にリン酸
イオンとして排水に溶解しているので、溶出された金属
イオンはリン酸イオンと反応して水に難溶性の金属リン
酸塩が生成される。例えば、陽極1の陽極体3が鉄で形
成されている場合には鉄イオンが溶出し、この鉄イオン
がリン酸イオンと反応して水に難溶性のリン酸鉄が生成
される。また陽極1の陽極体3がアルミニウムで形成さ
れている場合にはアルミニウムイオンが溶出し、このア
ルミニウムイオンがリン酸イオンと反応して水に難溶性
のリン酸アルミニウムが生成される。このように電気分
解を行なうことによって、排水中のリン成分は水に難溶
性の金属リン酸塩として析出するので、これを沈澱ある
いはフィルター17で濾過して除去することができ、リ
ン成分を除去した状態で排水を排水管19から排出する
ことができるものである。
【0018】ここで、上記のように電気分解を行なう際
に、陽極1の陽極体3を形成する金属が金属イオンとし
て排水中に溶出するが、その溶出部位は一様ではなく、
排水濃度の不均一などによって、部分的に溶出が大きく
発生して陽極体3の一部が部分的に溶解して孔があき、
このように部分的に孔があいて一部が分離されると、分
離された陽極体3の一部が脱落したり、またこの分離さ
れた部分に通電がなされなくなったりするおそれがある
が、図1に示すように、陽極体3は電気分解の際に溶出
しない材料で形成されている支持体4に接合されている
ため、陽極体3の分離された部分は支持体4に保持され
て脱落するようなことがないものであり、また支持体4
を通じて陽極体3に通電されているために、陽極体3の
分離された一部に通電されなくなるというようなことが
なくなるものである。従って、陽極1を長期間に亘って
交換するような必要なく、陽極1の陽極体3からアルミ
ニウムあるいは鉄を安定して溶出させることができ、安
定した脱リン性能を保持することができるものである。
尚、図1の実施の形態の陽極1は、構造がシンプルで比
較的簡単に製造することができ、また寿命が長いという
利点がある。
【0019】図2は請求項3の発明の実施の形態で使用
する陽極1の一例を示すものであり、支持体4を下片4
aと、下片4aの両側の側片4b,4bとで上向き開口
略コ字型に形成してある。また下片4aの上面から側片
4bの内面にかけて嵌合溝21が凹設してある。この支
持体4は、成形の容易性から、樹脂で形成するのが好ま
しい。一方、陽極体3は矩形板状に形成されるものであ
り、陽極体3の下端縁と両側縁を下片4aや側片4bの
嵌合溝21にはめ込んで、支持体4内に取り付けること
によって、陽極1を形成するようにしてある。陽極体3
の上端には導線10が接続してあり、導線10を通じて
陽極1の陽極体3に通電することができるようにしてあ
る。
【0020】このように形成される陽極1を既述の図6
の電解式脱リン装置に用いて、上記と同様にして電気分
解を行なって排水からリン成分を除去することができ
る。この図2の陽極1は支持体4で保持して電解槽13
内に設置されるものである。
【0021】そしてこのものにあって、電気分解を行な
う際に、陽極1の陽極体3を形成する金属が金属イオン
として排水中に溶出するが、その溶出部位は一様ではな
く、排水濃度の不均一などによって、部分的に溶出が大
きく発生して陽極体3の一部が部分的に溶解して孔があ
き、このように部分的に孔があいて一部が分離される
と、分離された陽極体3の一部が脱落したり、またこの
分離された部分に通電がなされなくなったりするおそれ
があるが、図2に示すように、陽極体3は電気分解の際
に溶出しない材料で形成されている支持体4に周りが嵌
合されているため、陽極体3の分離された部分は支持体
4に保持されて脱落するようなことがないものである。
また部分的に孔があいて一部が分離されても、その上の
部分が側片4bの嵌合溝21に沿って下がって分離され
た部分と接触し、陽極体3の分離された部分への通電が
維持されるものである。従って、陽極1を長期間に亘っ
て交換するような必要なく、陽極体3からアルミニウム
あるいは鉄を安定して溶出させることができ、安定した
脱リン性能を保持することができるものである。尚、こ
の図2の陽極1では、陽極体3は支持体4に脱着自在に
なっているので、陽極体3のみを交換すればよく、メン
テナンスが簡単であると共に経済的にも有利である。
【0022】図3は請求項4の発明の実施の形態で使用
する陽極1の一例を示すものであり、陽極体3内に支持
体4を埋め込んで陽極1を形成するようにしてある。支
持体4はアルミニウム又は鉄よりイオン化傾向の低い金
属又はカーボン繊維のように導電性を有する材料で形成
するのが好ましい。支持体4は縦の中央線部23aと中
央線部23aから枝分かれした横の支線部23bとで形
成してあり、中央線部23aの上端部を陽極体3の上端
面より上方へ突出させ、この部分で導線10を形成して
陽極1の陽極体3に通電することができるようにしてあ
る。陽極体3内に支持体4を埋め込むにあたっては、陽
極体3に穴をあけて支持体4を挿入したり、この穴に支
持体4を形成する金属を流し込んだりして行なうことが
できる。
【0023】このように形成される陽極1を既述の図6
の電解式脱リン装置に用いて、上記と同様にして電気分
解を行なって排水からリン成分を除去することができ
る。
【0024】そしてこのものにあって、電気分解を行な
う際に、陽極1の陽極体3を形成する金属が金属イオン
として排水中に溶出するが、その溶出部位は一様ではな
く、排水濃度の不均一などによって、部分的に溶出が大
きく発生して陽極体3の一部が部分的に溶解して孔があ
き、このように部分的に孔があいて一部が分離される
と、分離された陽極体3の一部が脱落したり、またこの
分離された部分に通電がなされなくなったりするおそれ
があるが、図3に示すように、陽極体3内には電気分解
の際に溶けない材料で形成された支持体4が埋入されて
いるため、陽極体3の分離された部分は支持体4に保持
されて脱落するようなことがないものであり、また支持
体4を通じて陽極体3に通電されているために、陽極体
3の分離された一部に通電されなくなるというようなこ
とがなくなるものである。従って、陽極1を長期間に亘
って交換するような必要なく、陽極1の陽極体3からア
ルミニウムあるいは鉄を安定して溶出させることがで
き、安定した脱リン性能を保持することができるもので
ある。尚、図3の実施の形態の陽極1は、支持体4自体
が導線10の役目をしているため、陽極体3に導線を接
続する場合のように接続部の保護のためにシリコン樹脂
等で被覆する必要がなく、接続部の腐食による断線の心
配がないという利点がある。
【0025】図4は請求項5の発明の実施の形態で使用
する陽極1の一例を示すものであり、支持体4の表面に
アルミニウム又は鉄をメッキして陽極体3を形成するこ
とによって、陽極1を作製するようにしてある。支持体
4はカーボン繊維の不織布で形成してあり、図5に示す
ように、支持体4の上端に導線10を接続すると共にこ
の支持体4をメッキ液25に浸漬し、導線10を通して
支持体4に通電することによって、支持体4の表面にア
ルミニウム又は鉄を析出させて陽極体3を形成すること
ができるものである。
【0026】このように形成される陽極1を既述の図6
の電解式脱リン装置に用いて、上記と同様にして電気分
解を行なって排水からリン成分を除去することができ
る。この陽極1にあって、支持体4の上端には導線10
が接続してあるので、導電性を有する支持体4を介して
陽極体3に通電することができるようにしてある。
【0027】そしてこのものにあって、電気分解を行な
う際に、陽極1の陽極体3を形成する金属が金属イオン
として排水中に溶出するが、その溶出部位は一様ではな
く、排水濃度の不均一などによって、部分的に溶出が大
きく発生して陽極体3の一部が部分的に溶解して孔があ
き、このように部分的に孔があいて一部が分離される
と、分離された陽極体3の一部が脱落したり、またこの
分離された部分に通電がなされなくなったりするおそれ
があるが、図4に示すように、陽極体3は電気分解の際
に溶出しない材料で形成されている支持体4の表面にメ
ッキして形成されているため、陽極体3の分離された部
分は支持体4に保持されて脱落するようなことがないも
のであり、また支持体4を通じて陽極体3に通電されて
いるために、陽極体3の分離された一部に通電されなく
なるというようなことがなくなるものである。従って、
陽極1を長期間に亘って交換するような必要なく、陽極
1の陽極体3からアルミニウムあるいは鉄を安定して溶
出させることができ、安定した脱リン性能を保持するこ
とができるものである。尚、図4の実施の形態の陽極1
では、陽極体3は支持体4の表面にメッキして形成され
ており、支持体4に対する陽極体3の結合が高いため、
陽極体3がはがれる恐れが小さく、寿命を一層長く維持
することができるものである。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0029】陽極体3をアルミニウムで形成して、図
1、図2、図3、図4の陽極1を作製し、図1の陽極1
を実施例1として、図2の陽極1を実施例2として、図
3の陽極1を実施例3として、図4の陽極1を実施例4
としてそれぞれ用いた。また比較のために、アルミニウ
ム板のみで作製した陽極1を比較例として用いた。各陽
極1のアルミニウムの大きさは、5cm×19cm×厚
み8mmであり、陰極2として5cm×19cm×厚み
1mmのステンレス板を用いた。
【0030】図6のように形成される電解槽13に実施
例1〜4及び比較例から選ばれた陽極1と陰極2を設
け、下水処理場から活性汚泥を約17リットル電解槽1
3に採取し、さらに電解槽13に総リン濃度が3〜5p
pmになるようにリン酸を添加された食堂排水を間欠的
に注ぎ込んだ。そして散気管20から散気してバッキし
ながら、定電流直流電源16から陽極1と陰極2に通電
して電気分解を行なった。電解槽13への食堂排水の注
入量は50リットル/日、電解電流は66mA(アルミ
ニウム/リンのモル比で1.5)、電解時間は12時間
/日の条件で電気分解を行ない、電解する前と電解1時
間後における孔径0.4μのフィルター17を通過後の
水中のリン総濃度をICP発光分析で1ヶ月ごとに4ヶ
月間測定し、リンの除去率を算出した。結果を表1に示
す。
【0031】
【表1】 表1にみられるように、比較例では3ヶ月目には陽極を
形成するアルミニウム板が導線から脱落して電解が殆ど
行なえなくなり、脱リン効果が殆ど認められなくなった
が、各実施例のものでは4ヶ月経過後も80%以上のリ
ン除去効果が認められた。このように、各実施例のもの
は、長期間に亘って排水中のリンを80%以上の除去率
で安定して除去することができることが確認される。
【0032】
【発明の効果】上記のように本発明は、水中に陽極と陰
極を浸漬し、陽極と陰極との間に通電して電気分解する
ことによって、水中に含まれるリン成分を水に難溶性の
金属塩にして析出させるようにした電解式脱リン装置に
おいて、上記陽極が、アルミニウム又は鉄から形成され
る陽極体と、アルミニウム又は鉄よりイオン化傾向の低
い金属、カーボン繊維、樹脂から選択される材料で形成
され陽極体を支持する支持体とを具備するので、電気分
解を行なう際に、陽極の陽極体を形成する金属の溶出で
陽極体に部分的に孔があいて一部が分離されても、陽極
体は電気分解の際に溶出しない材料で形成されている支
持体に支持されており、陽極体の分離された部分が脱落
するようなことがないものであり、また支持体を導電性
を有する材料で形成することによって、支持体を通じて
分離された陽極体にも通電することができ、陽極を長期
間に亘って交換するような必要なく、陽極の陽極体から
アルミニウムあるいは鉄を安定して溶出させて、安定し
た脱リン性能を保持することができるものである。
【0033】また請求項2の発明は、陰極側の面を陽極
体、その背面側を支持体で二層構造に接合して陽極を形
成してあるので、電気分解を行なう際に、陽極の陽極体
を形成する金属の溶出で陽極体に部分的に孔があいて一
部が分離されても、陽極体は電気分解の際に溶出しない
材料で形成されている支持体に接合されており、陽極体
の分離された部分が脱落するようなことがないものであ
り、また支持体を導電性を有する材料で形成することに
よって、支持体を通じて分離された陽極体にも通電する
ことができ、陽極を長期間に亘って交換するような必要
なく、陽極の陽極体からアルミニウムあるいは鉄を安定
して溶出させて、安定した脱リン性能を保持することが
できるものである。
【0034】また請求項3の発明は、支持体を下片と、
下片の両側の側片とで上向き開口略コ字型に形成し、陽
極体をこの支持体内にはめ込んで取り付けて陽極を形成
してあるので、電気分解を行なう際に、陽極の陽極体を
形成する金属の溶出で陽極体に部分的に孔があいて一部
が分離されても、陽極体の周囲は電気分解の際に溶出し
ない材料で形成されている支持体に接合されており、陽
極体の分離された部分が脱落するようなことがないもの
であり、陽極を長期間に亘って交換するような必要な
く、陽極の陽極体からアルミニウムあるいは鉄を安定し
て溶出させて、安定した脱リン性能を保持することがで
きるものである。
【0035】また請求項4の発明は。陽極体内に支持体
を、支持体の上端部が陽極体の上端より上方へ突出する
ように埋め込んで、陽極を形成してあるので、電気分解
を行なう際に、陽極の陽極体を形成する金属の溶出で陽
極体に部分的に孔があいて一部が分離されても、陽極体
内には電気分解の際に溶出しない材料で形成されている
支持体が埋入されており、陽極体の分離された部分が脱
落するようなことがないものであり、また支持体を導電
性を有する材料で形成することによって、支持体を通じ
て分離された陽極体にも通電することができ、陽極を長
期間に亘って交換するような必要なく、陽極の陽極体か
らアルミニウムあるいは鉄を安定して溶出させて、安定
した脱リン性能を保持することができるものである。
【0036】また請求項5の発明は、支持体をカーボン
繊維の不織布で形成し、支持体の表面にアルミニウム又
は鉄をメッキして陽極体を形成してあるので、電気分解
を行なう際に、陽極の陽極体を形成する金属の溶出で陽
極体に部分的に孔があいて一部が分離されても、陽極体
は電気分解の際に溶出しない材料で形成されている支持
体にメッキで形成されており、陽極体の分離された部分
が脱落するようなことがないものであり、また支持体を
導電性を有する材料で形成することによって、支持体を
通じて分離された陽極体にも通電することができ、陽極
を長期間に亘って交換するような必要なく、陽極の陽極
体からアルミニウムあるいは鉄を安定して溶出させて、
安定した脱リン性能を保持することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の発明で用いる陽極の実施の形態の一
例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は側面図
である。
【図2】請求項3の発明で用いる陽極の実施の形態の一
例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は平面図
である。
【図3】請求項4の発明で用いる陽極の実施の形態の一
例を示す斜視図である。
【図4】請求項5の発明で用いる陽極の実施の形態の一
例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は側面図
である。
【図5】同上の陽極の製造の一例を示す概略図である。
【図6】電解式脱リン装置を設けた汚水処理装置の一例
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 陽極 2 陰極 3 陽極体 4 支持体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に陽極と陰極を浸漬し、陽極と陰極
    との間に通電して電気分解することによって、水中に含
    まれるリン成分を水に難溶性の金属塩にして析出させる
    ようにした電解式脱リン装置において、上記陽極が、ア
    ルミニウム又は鉄から形成される陽極体と、アルミニウ
    ム又は鉄よりイオン化傾向の低い金属、カーボン繊維、
    樹脂から選択される材料で形成され陽極体を支持する支
    持体とを具備して成ることを特徴とする電解式脱リン装
    置。
  2. 【請求項2】 陰極側の面を陽極体、その背面側を支持
    体で二層構造に接合して陽極を形成して成ることを特徴
    とする請求項1に記載の電解式脱リン装置。
  3. 【請求項3】 支持体を下片と、下片の両側の側片とで
    上向き開口略コ字型に形成し、陽極体をこの支持体内に
    はめ込んで取り付けて陽極を形成して成ることを特徴と
    する請求項1に記載の電解式脱リン装置。
  4. 【請求項4】 陽極体内に支持体を、支持体の上端部が
    陽極体の上端より上方へ突出するように埋め込んで、陽
    極を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の電
    解式脱リン装置。
  5. 【請求項5】 支持体をカーボン繊維の不織布で形成
    し、支持体の表面にアルミニウム又は鉄をメッキして陽
    極体を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の
    電解式脱リン装置。
JP13370298A 1998-05-15 1998-05-15 電解式脱リン装置 Withdrawn JPH11319841A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011206730A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Ishii Shoji Kk 水質浄化材
CN102995068A (zh) * 2012-12-25 2013-03-27 林建洪 一种高效电解、电积的碳纤维阳极板

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JP2011206730A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Ishii Shoji Kk 水質浄化材
CN102995068A (zh) * 2012-12-25 2013-03-27 林建洪 一种高效电解、电积的碳纤维阳极板
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