JP3385914B2 - 電解式脱リン装置 - Google Patents

電解式脱リン装置

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JP3385914B2 JP13903297A JP13903297A JP3385914B2 JP 3385914 B2 JP3385914 B2 JP 3385914B2 JP 13903297 A JP13903297 A JP 13903297A JP 13903297 A JP13903297 A JP 13903297A JP 3385914 B2 JP3385914 B2 JP 3385914B2
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/463Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrocoagulation

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  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に含まれるリ
ン成分を電気分解により除去するのに有用な電解式脱リ
ン装置に関し、詳しくは家庭廃水等の汚水処理技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題の一つに家庭廃水があり、その
廃水中に含まれる汚染成分の中でも窒素成分や燐成分は
河川や湖の富栄養化の原因となっている。一般に家庭廃
水等の処理は、下水処理施設を有する地域では、大規模
な浄化設備にて一括して生物的方法や化学的方法等によ
り浄化されているが、下水処理施設のない地域において
は各家庭で浄化処理しなければ下水を通じてそのまま河
川等に流出することとなる。そのため、近年では各家庭
単位で廃水の浄化を行う技術開発が行われている。
【0003】従来、家庭用の汚水処理装置では、一般
に、まず廃水に含まれる比較的大きな汚物などを前処理
槽にて沈殿させて除去する前処理を行い、活性汚泥槽に
て微生物の作用により汚染物質を分解し汚泥として沈殿
させた後、その上澄み水を排出する方式が採用されてい
る。しかし、家庭用レベルの汚水処理装置では、リン成
分に関して除去効果が乏しく、安定して燐の除去をする
機能を有するものが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、近年では
家庭用レベルの汚水処理装置においてリン成分を除去す
る方法の技術開発が行われてきており、例えば汚水中に
含まれるリン成分を電気分解により除去する方法が有効
とされている。この方法について説明すると、リン酸イ
オンと結合して水に難溶性の金属塩を生成する金属から
なる電極を陽極として汚水中にて電気分解を行うことに
より、陽極から上記金属がイオン化して溶出しリン酸イ
オンと結合して難溶性の金属塩となって析出するもの
で、これを沈殿させたり濾過する等してリン成分が除去
されるものである。
【0005】この電気分解によりリン成分の除去を行う
方法を家庭用レベルの汚水処理技術に採用する場合の課
題としては、安定した除去効果が得られること、維持管
理がしやすいこと、寿命が長いこと等が挙げられる。具
体的にいうと、用いる電極板はその交換が少なくとも半
年以上必要なく、それまでメンテナンスフリーで、初期
状態と変わらない安定した脱リン効果が得られることが
望まれる。これに対し、従来の電解式脱リン装置では、
対峙する一対の電極板を陽極及び陰極として通電して電
気分解を行うものであるが、この際、陽極側から金属イ
オンが陽イオンとなって溶出し、陽極板がやがて消失し
て電解が行えなくなる、或いは、陰極板の表面に金属水
酸化物が徐々に析出して付着し、やがて表面を覆って電
圧が上昇し電解が行えなくなる、などの問題があり,電
極交換などのメンテナンスが比較的短い間隔で定期的に
必要となるものであった。
【0006】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、電気分解により水
中のリン酸イオンを難溶性金属塩にして除去するにあた
って、長期間安定した脱リン性能を保持することができ
る電解式脱リン装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電荷意識脱
リン装置は、電気分解により水中のリン成分を難溶性金
属塩にして析出させる電解式脱リン装置において、対峙
させて配列させた少なくとも3枚以上の電極板を備え、
これらのうち少なくとも陽極となる電極板を難溶性のリ
ン酸金属を生成させる金属により形成するとともに、こ
れら各電極板を電源とON/OFF自在に接続して、隣
り合う上記電極板同士が通電により互いに対峙する陽極
及び陰極となるように配置して、隣り合う1組の上記電
極板の一方又は他方の電極板をON状態に保ったままで
他方又は一方の電極板をOFFするとともにON状態の
電極板と対峙する別の他方又は一方の電極板をONする
操作を繰り返し行うことを特徴とするものである。
【0008】この電解式脱リン装置は、リン成分を除去
すべき水中に上記電極板を浸漬した状態で使用されるも
のであって、上記電極板に通電して電気分解を行うこと
により、陽極からその構成材料である金属が陽イオンと
なって水中に溶出し、水中に含まれるリン成分と反応し
て難溶性のリン酸金属塩となって析出する。このように
水中に溶けていたリン成分を析出させることで沈降や濾
過等の手段により除去可能となる。そして、本発明の電
解式脱リン装置では、各電極板が電源とON/OFF自
在に接続されていることから、上記電極板の中から通電
させて対峙する陽極及び陰極とするペアを選択可能であ
り、この選択した通電使用中の上記電極板のペアにおい
て電圧が上昇し電解困難な状態になってきたときに隣り
合う1組の上記電極板の一方又は他方の電極板をON状
態に保ったままで他方又は一方の電極板をOFFすると
ともにON状態の電極板と対峙する別の他方又は一方の
電極板をONする操作を繰り返し行うことで、長期間安
定した脱リン性能を保持することができる。通電する上
記電極板ペアの切り替え回数は、上記電極板の枚数を多
くすることで増すことができるものであり、その分、よ
り長期間に渡って安定した脱リン性能を保持することが
可能となる。
【0009】本発明に係る電解式脱リン装置において
は、上記電極板が通電により交互に陽極と陰極になるよ
うに配列されていると好ましいものである。この場合、
通電する上記電極板ペアの切り替えは、通電中の上記電
極板ペアの両方を通電OFFにして新たな電極板ペアを
選択し通電ONにするという操作をしなくても、陽極又
は陰極のいずれか一方を通電OFFとし、このとき通電
ONのままとする他方の電極板を挟んで反対側に位置す
る電極板を選択し通電ONにすることで行うことができ
るので、上記電極板を効率的に利用できる。すなわち、
陰極となる電極板に関しては、陽極から溶出した金属陽
イオンと陰極付近で生じる水酸化物イオンとが反応して
析出する金属水酸化物が付着するのが主に陽極との対峙
面なので、その反対面を利用することで電極板の両面を
有効利用できるものであり、一方、陽極となる電極板に
関しては、電解により上記金属イオンが溶出して目減り
していく金属材料をより効率的に利用できる。
【0010】本発明に係る電解式脱リン装置において、
上記電極板の配列形態は、直線状又は中心軸を有する環
状にすると好ましいものである。すなわち、上記電極板
が直線状に配列されている場合、電解槽等への収まりが
よく、特に上述したように、上記電極板が通電により交
互に陽極と陰極になるように配列されている場合には各
電極板の両面が使用可能となるので、これら電極板の集
合全体のコンパクト化に有効である。一方、上記電極板
が中心軸を有する環状に配列されている場合、例えば配
管内等に上記電極板を配置すると、該電極板の電解面に
沿って水を流しながら電解することができ、すなわち流
水式でリン成分除去が行える。
【0011】また、本発明に係る電解式脱リン装置にお
いては、上記電極板が全て難溶性のリン酸金属塩を生成
させる金属により形成されており、上記の各電極板が電
源とON/OFF自在に且つ陽極/陰極切り替え自在に
接続されていると好ましいものである。この場合、同じ
電極板を陽極及び陰極の両方に使用することができるの
で、上記電極板を効率的に利用できる。すなわち、上記
電極板においては、一方の電極面を難溶性の金属水酸化
物が付着する陰極用に使用した後、このとき上記金属水
酸化物が付着しにくい他方の電極面を陽極用に使用する
ことで、その両面を無駄なく利用できるからである。ま
た、配列される上記電極板として陽極用及び陰極用の2
種類を用意しなくても一種類のみ準備すればよい、とい
う部品都合上の利点もある。
【0012】本発明に係る電解式脱リン装置において
は、上記の難溶性のリン酸金属塩を生成させる金属とし
て、鉄とアルミニウム等が使用できるものである。これ
ら鉄やアルミニウムは入手容易で人体等に有害性がない
ことから有用な電極材料といえる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。ここで、図1は本発明の第1実施形態に係る
電解式脱リン装置を電解槽内に設置した状態を模式的に
示す概略図である。
【0014】第1実施形態に係る電解式脱リン装置は、
図1に示の如く、矩形に形成された10枚の電極板10〜
19が各々平行に対峙して直線状に配列されている。これ
ら電極板10〜19は、それぞれON/OFF自在なスイッ
チ20〜29を介して導線により直流電源30に接続されてい
る。これらのうち電極板10、12、14、16、18はスイッチ
20、22、24、26、28を介して直流電源30の正極に並列接
続されて陽極として使用されるようになっており、一
方、電極板11、13、15、17、19はスイッチ21、23、25、
27、29を介して直流電源30の負極に並列接続されて陰極
として使用されるようになっている。
【0015】電極板10〜19のうち少なくとも陽極、即ち
電極板10、12、14、16、18は、リン酸イオンと反応して
難溶性のリン酸金属塩を生成させる金属材料、例えば鉄
やアルミニウム等により形成されている。なお第1実施
形態では、陰極、すなわち電極板11、13、15、17、19を
構成する材料としては、導伝材料であれば特に限定され
ず一般に使用されている電極材料を用いることができ、
例えばステンレス等の耐腐食性に優れたものであると好
ましい。
【0016】第1実施形態において、電極板10〜19は給
水管43及び排水管42を備えた電解槽40中に配置されてい
る。この電解槽40にはリン成分を除去すべき汚水41が満
たされていて電極板10〜19はその中に浸漬されている。
給水管43からはリン成分を含む汚水41が供給されるよう
になっており、一方、電解槽40内の汚水41は排水管42か
ら排出されるようになっている。排水管42には途中に平
膜フィルター50が設けられていて、排出される汚水41
から汚物等を除去できるようになっている。
【0017】この第1実施形態に係る電解式脱リン装置
においては、例えば以下のように電解処理が行われる。
【0018】まず、スイッチ20、21のみをON状態にす
ると電極板10を陽極、電極板11を陰極として通電され電
解が行われる。これを電解処理の第1段階とすると、こ
のとき電解槽40内に満たされたリン成分を含む汚水41
は、電極板10、11間の電解によりリン成分が難溶性のリ
ン酸金属塩として析出され除去される。即ち、電解によ
り電極板10から金属イオンが溶出し、汚水42中のリン酸
イオンはこの金属イオンと結合して難溶性のリン酸金属
塩となり析出する。そして、生成した上記リン酸金属塩
の粒子は、槽底部に沈降したり又は排水管42からの排水
時に平膜フィルター50によりトラップされて除去され
る。その後、この電解処理を電極板10、11間にて行って
いくと、時間経過とともに徐々に陰極である電極板11に
おける電極板10との対峙面に、電極板10から溶出した金
属イオンと水酸化物イオンが結合して生成した金属水酸
化物が析出し付着してくる。すると、電解に要する電圧
が徐々に上昇して、やがて電解が有効に進まなくなる。
【0019】次に、第2段階として、スイッチ20をOF
Fにするとともに、スイッチ22をONにすると、電解は
電極板11を陰極とし、電極板12を陽極としてその間で行
われる。このとき、電極板11における電極板12との対峙
面には、先ほどの第一段階において上記金属水酸化物の
付着が極めて少ないことから、電極板11、12間での電解
は良好に行われる。しかし、この第2段階においても同
様に時間経過とともに上記金属水酸化物の付着に起因し
て、やがて電解が有効に進まなくなる。
【0020】この時さらに、第3段階として、スイッチ
21をOFFにするとともに、スイッチ23をONにするこ
とで、電極板12、13間で再び良好な電解処理を行うこと
ができる。以後、電解が有効に進まなってきたところ
で、スイッチを切り替えて使用する電極板を変更する操
作を繰り返し行う。
【0021】このように、電解が有効に進まなくなって
きた頃に、スイッチのON/OFF操作を行って電解を
行う電極板のペアを変更していくことで、一組の電極板
のペアだけを使って電解を行う場合に比べて、何倍もの
長期に渡って脱リン機能を維持することができるもので
ある。なお、この第1実施形態において、各スイッチの
切り替えを、時間経過とともに上昇する電解時の電圧等
を指標として、自動的に行えるように制御すると、長期
間にわたりメンテナンスフリーとすることができるので
好ましい。また、上記の電解処理方法のほかに、例え
ば、電解処理を行っている電極板のペアの両方の通電を
一度に切断して次段階にて電解処理を行うペアをランダ
ムに選択する事も可能であり、或いは、複数組の電極板
のペアを使って同時に電解処理する事もできる。さらに
該電解式脱リン装置では、電解槽40は内部に活性汚泥を
入れることで、浄化槽として併用することも可能であ
る。
【0022】図2は本発明の第2実施形態に係る電解式
脱リン装置を電解槽内に設置した状態を模式的に示す概
略図である。
【0023】この第2実施形態に係る電解式脱リン装置
は、図示の如く、第1実施形態において、電極板10〜19
が全て難溶性のリン酸金属塩を生成させる金属材料によ
り形成され、また、スイッチ20〜29が全て直流電源30に
対してON/OFF自在に且つ正極/負極の切り替え自
在に接続できるようになっている。
【0024】この第2実施形態に係る電解式脱リン装置
においては、第1実施形態の場合と同様の操作で電解処
理を行うこともできるが、その他、例えば以下のように
電解処理を行うこともできる。
【0025】まず、直流電源30に対してスイッチ20を正
極に接続するとともにスイッチ21を負極に接続し、その
ほかのスイッチはOFF状態にする。すると、電極板10
を陽極、電極板11を陰極として通電され電極板10、11間
で電解が行われる。この状態で電解処理を行っていく
と、上述した場合と同様に、負極となる電極板11におけ
る電極板10との対峙面には時間経過とともに金属水酸化
物が付着し、やがて電解が有効に進まなくなる。
【0026】このとき、スイッチ20をOFFにするとと
もにスイッチ21の接続を直流電源30の正極に切り替え、
同時にスイッチ22を直流電源30の負極に接続する。する
と、電極板11は今度は陽極になるとともに、電極板12が
陰極となって電極板11、12間で電解が行われる。この場
合、電極板11における電極板12との対峙面には上記金属
水酸化物の付着が極めて少なく、また電極板11も難溶性
のリン酸金属塩を生成させる金属材料により形成されて
いることから、電極板11から金属イオンが溶出して水中
のリン成分を難溶性のリン酸金属塩として析出させるの
である。このように、電解が有効に進まなくなるころ
に、上記と同様にスイッチのON/OFF及び接続切り
替え操作を繰り返し行うことで、長期に渡って脱リン機
能を維持することができるものであり、またこの場合、
全ての電極板10〜19を陽極として、即ちリン成分除去用
の材料として有効に利用できる。
【0027】図3は、本発明の第3実施形態に係る電解
式脱リン装置を配管内に設置した状態を模式的に示す概
略図である。
【0028】第3実施形態に係る電解式脱リン装置は、
図示の如く、電極支持用の中心軸60を備え、この中心軸
60の周囲には8枚の電極板10〜17が環状に配列され中心
軸60の周面に対し電極面を垂直にして放射状に立ち上っ
ている。ここで、中心軸60は絶縁材料で形成されてい
る。この第3実施形態では、環状に配列された電極板10
〜17は配管70内に挿入されている。また、これら電極板
10〜17は、図示しないが、各々ON/OFF自在に直流
電源に接続され、第1実施形態や第2実施形態等と同様
に電極板ペアを適宜切り替えて通電できるようになって
いる。この電極板10〜17が挿入される配管70としては、
例えば排水用配管などのように主に汚水を流して使用さ
れるものが例示され、この場合、配管70内を流れる汚水
を電解処理することができ、即ち流水式で脱リン処理を
行えるので、電解槽内に設置する場合に比べて装置全体
としてコンパクト化することが可能となる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例として実証し
た。
【0030】この実施例には、図1に示す上述の第1実
施形態の如く構成された電解式脱リン装置を用いて実験
を行った。ここで、実験は以下の条件で行った。即ち、
電極板10〜19としてはサイズ66×225mmのアルミ
ニウム板を用いた。電解槽40には給水管43から総リン濃
度が3〜5ppmとなるようにリン酸を添加した食堂廃
水を間欠的に注ぎ込んだ。この食堂廃水の注入量は13
L/日とした。また、電解は一定電流(1A)で行い、
電解時間は48分/日とした。以上の条件において、下
記の2通りの実験を行った。 (A)はじめに一組の電極板のペアを選んで電解を開始
し、電解に要する電圧が10Vを越えた時点で、電解に
使用する電極板の組み合わせが他のペアに切り替わるよ
うにスイッチのON/OFFを操作するようにした。 (B)電解時には全てのスイッチ20〜29がON状態とな
るようにした。
【0031】上記(A)及び(B)の場合について、そ
れぞれ排水管42から平膜フィルター50を通過して排出さ
れる廃水の総リン濃度を、電解する前と電解1時間後に
ついてICP発光分析で1ヶ月毎に期間を6ヶ月間とし
て測定した。そして、リン除去率を計算により求め、そ
の結果を表1に示した。
【0032】
【表1】 表1からわかるように、(A)の場合には実験初期から
6ヶ月後においても80%以上の脱リン効果が維持され
ているのに対し、電解時に全てのスイッチ20〜29がON
状態とした(B)では、はじめの1ヶ月は良好な脱リン
効果が認められたものの、2ヶ月目には陰極側の電極板
の表面が水酸化アルミニウムにより覆われ、以降、電解
は行得なくなり、脱リン効果もほとんど認められなくな
った。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電解
式脱リン装置によると、各電極板が電源とON/OFF
自在に接続されていることから、上記電極板の中から通
電させて対峙する陽極及び陰極とするペアを選択可能で
あり、この選択した通電使用中の上記電極板のペアにお
いて電圧が上昇し電解困難な状況になってきたときに、
隣り合う1組の上記電極板の一方又は他方の電極板をO
N状態に保ったままで他方又は一方の電極板をOFFす
るとともにON状態の電極板と対峙する別の他方又は一
方の電極板をONする操作を繰り返し行うことで、長期
間安定した脱リン性能を保持することができる。通電す
る上記電極板ペアの切り替え回数は、上記電極板の枚数
を多くすることで増やすことができるものであり、その
分、より長期間に渡って安定した脱リン性能を保持する
ことが可能となる。
【0034】本発明に係る電解式脱リン装置において
は、上記電極板が通電により交互に陽極と陰極になるよ
うに配列されていると、通電する上記電極板ペアの切り
替えは、通電中の上記電極板ペアの両方を通電OFFに
して新たな電極板ペアを選択し通電ONにするという操
作をしなくても、陽極又は陰極のいずれか一方を通電O
FFとし、このとき通電ONのままとする他方の電極板
を挟んで反対側に位置する電極板を選択し通電ONにす
ることで行うことができるので、上記電極板を効率的に
利用できる。
【0035】本発明に係る電解式脱リン装置において、
上記電極板が直線状に配列されている場合、電解槽等へ
の収まりがよく、特に上述したように、上記電極板が通
電により交互に陽極と陰極になるように配列されている
場合には各電極板の両面が使用可能となるので、これら
電極板の集合全体のコンパクト化に有効である。一方、
上記電極板が中心軸を有する環状に配列されている場
合、例えば配管内等に上記電極板を配置すると、該電極
板の電解面に沿って水を流しながら電解することがで
き、すなわち流水式でのリン成分除去が行える。
【0036】また、本発明に係る電解式脱リン装置にお
いては、上記電極板が全て難溶性のリン酸金属塩を生成
させる金属により形成されており、上記の各電極板が電
源とON/OFF自在に且つ陽極/陰極切り替え自在に
接続されていると、同じ電極板を陽極及び陰極の両方に
使用することができるので、上記電極板を効率的に利用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電解式脱リン装置
を電解槽内に設置した状態を模式的に示す概略図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態に係る電解式脱リン装置
を電解槽内に設置した状態を模式的に示す概略図であ
る。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電解式脱リン装置
を配管内に設置した状態を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
10〜19 電極板 20〜29 スイッチ 30 直流電源 40 電解槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−109757(JP,A) 特開 平6−154510(JP,A) 特開 昭61−161190(JP,A) 特開 平5−23673(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/461 C02F 1/58

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気分解により水中のリン成分を難溶性
    金属塩にして析出させる電解式脱リン装置において、対
    峙させて配列させた少なくとも3枚以上の電極板を備
    え、これらのうち少なくとも陽極となる電極板を難溶性
    のリン酸金属塩を生成させる金属により形成するととも
    に、これら各電極板を電源とON/OFF自在に接続し
    て、隣り合う上記電極板同士が通電により互いに対峙す
    る陽極及び陰極となるように配置して、隣り合う1組の
    上記電極板の一方又は他方の電極板をON状態に保った
    ままで他方又は一方の電極板をOFFするとともにON
    状態の電極板と対峙する別の他方又は一方の電極板をO
    Nする操作を繰り返し行うことを特徴とする電解式脱リ
    ン装置。
  2. 【請求項2】 上記電極板が通電により交互に陽極と陰
    極になるように配列されていることを特徴とする請求項
    1記載の電解式脱リン装置。
  3. 【請求項3】 上記電極板が直線状に配列されているこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電解式脱リ
    ン装置。
  4. 【請求項4】 上記電極板が中心軸を有する環状に配列
    されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    の電解式脱リン装置。
  5. 【請求項5】 上記電極板が全ての難溶性のリン酸金属
    塩を生成させる金属により形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3いずれか記載の電解式脱リン
    装置。
  6. 【請求項6】 上記の難溶性のリン酸金属塩を生成させ
    る金属が、鉄とアルミニウムから選ばれたものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれか記載の電
    解式脱リン装置。
JP13903297A 1997-05-29 1997-05-29 電解式脱リン装置 Expired - Fee Related JP3385914B2 (ja)

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