JPH11319581A - 排ガス処理用触媒ならびにその製造方法およびこれを用いた排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理用触媒ならびにその製造方法およびこれを用いた排ガス処理方法

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JPH11319581A
JPH11319581A JP10129045A JP12904598A JPH11319581A JP H11319581 A JPH11319581 A JP H11319581A JP 10129045 A JP10129045 A JP 10129045A JP 12904598 A JP12904598 A JP 12904598A JP H11319581 A JPH11319581 A JP H11319581A
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catalyst
exhaust gas
gas treatment
paste
shaped
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JP10129045A
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Toshifumi Mukai
利文 向井
Shigeru Tominaga
成 冨永
Katsuhiro Yashiro
克洋 矢代
Katsumi Okamoto
勝己 岡本
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒性能を低下させることなく、耐摩耗性を
向上させることができる、排ガス処理用触媒ならびにそ
の製造方法およびこれを用いた排ガス処理方法を提供す
ること。 【解決手段】 無機繊維5を含有する触媒ペーストを、
押出成形して格子状触媒とするか、または基材に塗布し
て板状触媒とする排ガス処理用触媒の製造方法におい
て、触媒ペーストに、球体部とこの球体部に続く尻尾部
とからなるしずく状ガラス粒子(ショット)4であって
球体部の直径が0.1〜1.0mmφのものを5〜15重
量パーセント添加した後、押出成形または基材に塗布し
て所定方向に配向したしずく状ガラス粒子4を含有する
格子状触媒または板状触媒とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス処理用触媒
ならびにその製造方法およびこれを用いた排ガス処理方
法に係り、例えば、石炭火力発電所の排ガス処理に使わ
れる排煙脱硝触媒であって、触媒活性を低下させること
なく耐摩耗性を向上させることができる、排ガス処理用
触媒ならびにその製造方法およびこれを用いた排ガス処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所や各種工場から排出される排
ガス中の窒素酸化物を除去する方法としては、前記窒素
酸化物を、例えば脱硝触媒の存在下にアンモニア等の還
元剤と反応させて無害化する方法が採用されている。脱
硝触媒としては、金属や無機クロス等の基材に触媒ペー
ストを塗り込んだ板状触媒、触媒ペーストを口金と押出
機によって成形したハニカム状(格子状)触媒、触媒粉
末を押固めた粒状触媒等が挙げられるが、低圧損化とダ
ストの詰まりを回避する等の必要があることから、現在
では板状またはハニカム状の触媒が主流となっている。
【0003】このような脱硝触媒には、脱硝性能はもと
より、石炭焚きボイラからの排ガスをはじめとするダー
ティガスに対する耐摩耗性が要求される。触媒が摩耗す
る主要影響因子としては、被処理ガスのガス速度があげ
られ、速度が大きくなるほど摩耗が顕著になるが、逆に
ガス速度が大きいほど触媒表面の境膜の拡散抵抗が小さ
くなって触媒性能が向上することが知られている。すな
わち、触媒の耐摩耗性が向上すれば処理ガス速度を大き
く設定することができるので、これに伴って触媒性能が
向上し、触媒反応器をよりコンパクト化することができ
る。このことから、触媒の耐摩耗性を向上させることは
触媒性能を向上させるうえで重要な要因となる。
【0004】ところで排ガス処理触媒において、反応活
性と機械的強度は概して相反する特性であるとして認識
されているが、従来、触媒活性を低下させることなく耐
摩耗性を向上させる試みがなされており、このような従
来技術としては、例えば、摩耗が厳しい触媒体の上流端
のみを局所的に強化処理する方法(例えば特開昭54−
62208号公報、特開昭61−311817号公報、
特開平01−264612号公報等)が挙げられる。し
かしながら、このような従来技術では、触媒の壊滅的な
摩耗は避けられるものの、平行平板の排ガス流路内にお
ける触媒の摩耗を皆無とできないこと、および強化処理
剤の施工、施工後の熱処理等、触媒製造時の工数が増加
するという問題があった。一方、触媒体の上流端のみで
なく、全体に強化処理を施す従来技術としては、例えば
特開昭58−185191号公報、特公昭61−175
43号公報等があげられるが、これらは触媒細孔の中で
も触媒活性への影響が小さく、主として強度を支配して
いるマクロ細孔に微粒子を充填するものであり、程度の
問題は別として触媒強度を確保するために、触媒性能を
犠牲にしなければならないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、触媒性能を低下させること
なく、耐摩耗性を向上させることができる、排ガス処理
用触媒ならびにその製造方法およびこれを用いた排ガス
処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、排ガス処理用触媒の耐摩耗性と、該触
媒に含まれる無機繊維の形状、大きさ等との関係につい
て鋭意研究した結果、触媒ペーストを、押出成形する格
子状触媒または基材に塗布する板状触媒において、前記
触媒ペーストに、球体部と該球体部に続く尻尾部とから
なるしずく状ガラス粒子を含有させることにより、前記
しずく状ガラス粒子が所定方向に配向した格子状または
板状の排ガス処理用触媒が得られること、および該排ガ
ス処理用触媒を所定方向に流通する被処理ガスと接触さ
せることにより、前記排ガス処理用触媒の耐摩耗性が著
しく向上することを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本願で特許請求する発明は以下
のとおりである。 (1)無機繊維含有触媒ペーストを、押出成形または基
材に塗布した格子状または板状の排ガス処理用触媒にお
いて、前記排ガス処理用触媒が、球体部と該球体部に続
く尻尾部とからなるしずく状ガラス粒子を含有すること
を特徴とする排ガス処理用触媒。 (2)前記しずく状ガラス粒子の球体部の直径が0.1
〜1.0mmφであることを特徴とする上記(1)に記載
の排ガス処理用触媒。 (3)前記しずく状ガラス粒子の含有量が、前記触媒ペ
ーストに対して5〜15重量パーセントであることを特
徴とする上記(1)または(2)に記載の排ガス処理用
触媒。 (4)上記触媒ペーストが、酸化チタンを主成分とする
脱硝触媒ペーストであることを特徴とする上記(1)〜
(3)の何れかに記載の排ガス処理用触媒。
【0008】(5)無機繊維含有触媒ペーストを、押出
成形して格子状触媒とするか、または基材に塗布して板
状触媒とする排ガス処理用触媒の製造方法において、前
記触媒ペーストに、球体部と該球体部に続く尻尾部とか
らなるしずく状ガラス粒子であって前記球体部の直径が
0.1〜1.0mmφのものを5〜15重量パーセント添
加したのち、押出成形または基材に塗布して所定方向に
配向した前記しずく状ガラス粒子を含有する格子状触媒
または板状触媒とすることを特徴とする排ガス処理用触
媒の製造方法。 (6)前記触媒ペーストが、酸化チタンを主成分とする
脱硝触媒ペーストであることを特徴とする上記(5)に
記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
【0009】(7)上記(1)〜(4)の何れかに記載
の排ガス処理用触媒または上記(5)または(6)で製
造した排ガス処理用触媒を用いた排ガス処理方法であっ
て、前記格子状触媒にあっては触媒ペーストの押し出し
方向と排ガス流通方向が、板状触媒にあっては触媒ペー
ストの塗布方向と排ガス流通方向がそれぞれ一致するよ
うに前記格子状触媒または板状触媒を被処理ガスと接触
させることを特徴とする排ガス処理方法。
【0010】本発明において、球体部と該球体部に続く
尻尾部とからなるしずく状ガラス粒子とは、例えばシリ
カ/アルミナ組成の溶融物を高速ガスで吹き飛ばすこと
によって得られる無機繊維であってショット(球体部)
を含有するもの、すなわち、ガラス状の溶融物が繊維化
過程の履歴を受けて球状ではなく、尾を引いてしずく状
になったものをいう。格子状または板状の排ガス処理用
触媒に、しずく状のガラス粒子を含有させることによ
り、触媒の耐摩耗性が向上する理由は、以下のように考
えられる。
【0011】すなわち、図1および図2は、本発明の原
理を示す説明図である。図1において、押し出し成形さ
れた格子状触媒の断面に排ガス中のフライアッシュが衝
突する状態が示されている。ショット4および無機繊維
5を含む格子状触媒3の上流端1には前記ショット4の
球体部が露出しており、排ガス中のフライアッシュ2が
主として前記ショット4の球体部に衝突している。従っ
てショット4のシャドーイング効果により、シャドウイ
ング部6の摩耗が防止される。また、図2において、触
媒ペーストを基材に塗布することによって調製された板
状触媒を所定間隔で積層してガス流路を形成した触媒構
造体における排ガス流路壁面(図中ガス流路を構成する
一方面のみを示した)に、排ガス中のフライアッシュが
衝突する状態が示されており、フライアッシュ2は、主
とし触媒表面に露出したショット4の球体部に衝突して
いる。従って、前記ショット4のシャドーイング効果に
より、シャドウイング部6の摩耗が効果的に防止され
る。
【0012】このように本発明は、触媒の耐摩耗性を向
上させる方法の1つである、触媒成形体に骨材を添加す
るシャドーイング効果を利用したものであり、シャドー
イング効果とは、例えばキャスタブル(キャスタブル耐
火物)がフライアッシュによって攻撃を受けた場合、キ
ャスタブル中に骨材が存在すると、該骨材の後流側では
前記フライアッシュの影響を受けにくくなる効果をい
う。シャドーイング効果は、フライアッシュの径に対す
る骨材径の比が大きいほど、また衝突角度が小さいほど
大きくなる傾向がある一方、マトリックス(連続相と分
散相が一体になった構造のもの)が徐々に減肉し骨材の
固定力が低下していくと、骨材は歯が抜けるように脱落
し、次の骨材が表面に現れるまでマトリックス部が攻撃
を受け、摩耗が進行するという特性があるが、本発明に
おける、前記骨材に相当するしずく状ガラス粒子は、球
体部と、該球体部に続く尻尾部とからなるガラス粒子
(以下、ショットということがある)であり、これを触
媒ペースト中に添加、分散させたのち、押出成形または
ロール等によって基板に塗布することにより、前記ショ
ットの球体部がペーストの流れ方向に対して下流側に向
くよう配向する。従って、前記触媒ペーストの流れ方向
と、排ガスの流通方向が同じ方向となるように触媒と被
処理排ガスを接触させれば、排ガス中のフライアッシ
ュがショットに衝突する場合には、必ずしずくの頭の部
分(球体部)に衝突するようになり、フライアッシュ
が、尾の部分のマトリックスがむき出しになった部分に
直接衝突する場合よりも耐摩耗性が高くなる。また例
え、ショットの球体部近傍の触媒が減肉された場合で
も、前記ショットの尻尾の部分がアンカーの役目を果た
すので、球状または単なる粒子状としてガラス粒子を添
加する場合と比べてシャドーイング効果が長時間維持さ
れて触媒体の耐摩耗性が増大する。このような作用効果
は、上記図1および図2に示したように、触媒上流端の
エッジ部分にも、ガス流路の内部表面にも共通に現れ
る。
【0013】本発明において、しずく状ガラス粒子(シ
ョット)は、均一な形状を呈している必要はないが、そ
の長さは数mmから数十mm、球体部の大きさ(軸を中心と
した円の径)は0.1mmφないし1mmφであることが好
ましい。0.1mmφ以下では、通常の無機繊維と同様の
はたらきとなり、衝突角度が若干深くなった場合の耐摩
耗性が確保できなくなる場合があるからである。一方、
径が大き過ぎるとハニカム成形用の口金に詰まり欠損等
を引き起こす場合がある。触媒ペーストに添加されたシ
ョットはそのままの長さで存在するのではなく、混練に
よって尾の部分が切断され、最終的な長さは約2mm程度
になるものと考えられる。
【0014】本発明においてショットの添加量は、5〜
15重量%、好ましくは7〜12重量%である。5重量
%よりも少ないと耐摩耗性向上効果が小さく、15重量
%を越えると無機繊維やショットの干渉が生じて強度や
耐摩耗性が低下する場合がある。なお、触媒の性状、形
状等によっては上記範囲以外であっても耐摩耗性が向上
する場合もある。また、本発明において、ショットのシ
ャドーイング効果によって触媒体と排ガスとの接触が不
十分となって触媒活性が低下することが懸念されるが、
フライアッシュは慣性力が大きいので、シャドーイング
効果の結果、残された触媒体の細部までガスが流動拡散
することになり、シャドーイング効果による触媒活性へ
の悪影響はほとんどない。
【0015】本発明において、無機繊維含有触媒ペース
トとは、成形性を確保するために無機繊維を含有させた
触媒ペーストであって、無機繊維の添加量は目的とする
触媒の性状や形状によっても異なるが、例えば繊維径
0.1mmφ以下の無機繊維を5重量%以上、20重量%
以下含有するものであることが好ましい。5重量%以上
の無機繊維を含有することにより、触媒の乾燥時のひび
割れが防止され、かつ所定の強度が確保される。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例によって詳細
に説明する。 実施例1 比表面積が約100m2/gの酸化チタンと酸化タングステ
ンの焼成粉末(ローヌプーラン製DT52)100kg
に、メタバナジン酸アンモニウム1.4kgと、メチルセ
ルロース3kgと、水45kgをニーダに投入し混練して触
媒ペーストを得た。次いで、得られた触媒ペーストに、
13μmφ×6mmL のEガラス繊維を10kg、および球
体部の径が約0.1mmから1mmで、長さが数mmの、ショ
ットが80%含まれているシリカ/アルミナ繊維を20
kg添加し、前記繊維が分散するまで混練し、成形可能な
触媒ペーストを得た。このペーストをスクリュー押出成
形機によって外形150mm角、セルピッチ7.4mmp 、
リブ厚さ1.4mmt のハニカムに成形し、約700mmL
に切断した成形体を通気性の治具にくるんで乾燥棚に入
れ、温度85℃、相対湿度70%の雰囲気で4日間処理
した。得られた乾燥体をガス炉によって全工程約30時
間、保持条件550℃×4時間で焼成し、ハニカム状の
脱硝触媒を得た。
【0017】本実施例において、Eガラス繊維とは、耐
アルカリ性のガラス繊維の一種であり、例えば表1に示
す組成および特性を有するものをいう(化学便覧、応用
化学編、第5版、日本化学会編、丸善株式会社)。
【0018】
【表1】 実施例2 ショットが50%含まれるシリカ/アルミナ繊維を15
kg、繊維径13μmφ×繊維長6mmL のEガラス繊維を
10kg添加した以外は、上記実施例1と同様にしてハニ
カム触媒を得た。 比較例1 ショットが80%含まれるシリカ/アルミナ繊維を30
kg、13μmφ×6mmL のEガラス繊維を10kg添加し
た以外は、上記実施例1と同様にしてハニカム触媒を得
た。 比較例2 ショットが50%含まれるシリカ/アルミナ繊維を10
kg、13μmφ×6mmL のEガラス繊維を10kg添加し
た以外は上記実施例1と同様にしてハニカム触媒を得
た。 比較例3 13μmφ×6mmL のEガラス繊維を10kg添加し、シ
リカ/アルミナのショットを添加しないこと以外は実施
例1と同様にしてハニカム触媒を得た。
【0019】実施例1〜2、比較例1〜3で得られた各
触媒について以下の条件で耐摩耗試験を行なった。 ・温度 : 室温 ・アッシュ濃度: 50g/m3 ・ガス速度 : 7m/s ・処理時間 : 24h ・試験片 : 150mm角×550mmL 、7.4mmp 、1.4mmt ・評価法 : 比較例3を基準として重量減少比で整理 また、上記各触媒について以下の条件で脱硝性能を評価
した。
【0020】・AV=51m/h ・ガス組成: NO:200ppm 、NH3 :240ppm 、CO2 :6
%、O2 :10%、H2 O:6% ・評価法:得られた脱硝率から見かけの反応速度定数を
求め、比較例3を基準とする反応速度比で示した。結果
をまとめて表2に示す。
【0021】
【表2】 表1において、実施例1〜3で得られた触媒は、比較例
1〜3の触媒に較べて触媒活性が低下することなく、耐
摩耗性が向上していることが分かり、特に、成形時の押
出し方向と被処理ガスの流通方向を一致させた場合にそ
の効果が顕著に現れることが分かる。
【0022】実施例3 Eガラス製のスクリーン(繊維数200本×7本、目数
10目/25.4mm)に無機粒子と無機微粒子と有機
バインダからなる液を含浸し、乾燥して強化スクリーン
を得た。この強化スクリーン2枚の間に、実施例1で調
製した触媒ペーストを挟み込み、サンドイッチ状に圧延
塗布した後、波状ローラと平金型の間に設置し、プレス
して波板に成形した。これを風乾し、最終的にガス炉に
よって550℃×4時間で焼成し、板状触媒を得た。得
られた板状触媒に対し、ガス流通方向を触媒ペースト塗
布方向と同一として上述の耐摩耗試験および脱硝性能試
験を行ったところ、上記表1の実施例1と同様の結果を
得た。このことから、しずく状のショットが配向するよ
うな成形法で調製した触媒であれば、ハニカム触媒であ
っても板状触媒であってもを、排ガス流通方向が、前記
触媒中の配向したショットに対向する向きとなるように
排ガスと接触させることにより、触媒の耐摩耗性が著し
く向上することが分かる。
【0023】実施例4 触媒成分として、Ti/Mo/Vを含む触媒ペーストを
用いた以外は実施例1と同様にして同様の触媒を得、同
様の試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得ら
れた。このことから、しずく状のショットを所定量含有
するものであれば、触媒組成に関係なく、耐摩耗性が向
上することが分かる。
【0024】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、格
子状または板状の排ガス処理用触媒に、球体部と該球体
部に続く尻尾部とからなるしずく状ガラス粒子を含有さ
せたことにより、排ガス処理用触媒の触媒活性を低下さ
せることなく、耐摩耗性を向上させることができる。
【0025】本願の請求項2記載の発明によれば、前記
しずく状ガラス粒子の球体部の直径を0.1〜1.0mm
φとしたことにより、上記発明の効果に加え、フライア
ッシュの衝突角度が若干深くなった場合であっても所定
の耐摩耗性を確保することができ、しかも成形時口金の
詰まり、欠損という問題を生じることもない。本願の請
求項3記載の発明によれば、前記しずく状ガラス粒子の
含有量を、触媒ペーストに対して5〜15重量パーセン
トとしたことにより、上記発明の効果に加え、無機繊維
とショットとの干渉による強度および耐摩耗性の低下を
回避することができる。
【0026】本願の請求項4記載の発明によれば、触媒
ペーストを、酸化チタンを主成分とする脱硝触媒ペース
トとしたことにより、上記発明の効果に加え、脱硝触媒
の耐摩耗性を著しく向上させることができる。本願の請
求項5記載の発明によれば、無機繊維含有ペーストに、
しずく状ガラス粒子を添加したのち、押出成形または基
材に塗布して格子状または板状の排ガス処理用触媒を調
製することにより、前記しずく状ガラス粒子が触媒ペー
ストの押出しまたは塗布方向に配向した、耐摩耗性に優
れた排ガス処理用触媒が得られる。
【0027】本願の請求項6記載の発明によれば、前記
触媒ペーストとして酸化チタンを主成分とする脱硝触媒
ペーストを用いたことにより、上記発明の効果に加え、
耐摩耗性に優れた脱硝触媒が得られる。本願の請求項7
記載の発明によれば、しずく状ガラス粒子が触媒ペース
トの押出しまたは塗布方向に配向した、排ガス処理用触
媒を前記押出しまたは塗布方向と同一方向に流通する被
処理ガスと接触させることにより、例えばフライアッシ
ュの衝突に対する前記しずく状ガラス粒子のシャドーイ
ング効果により、排ガス処理用触媒の耐摩耗性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す説明図。
【図2】本発明の原理を示す説明図。
【符号の説明】 1…触媒体上流端、2…フライアッシュ、3…触媒、4
…ショット(しずく状ガラス粒子)、5…無機繊維、6
…シャドーイング部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 勝己 広島県呉市宝町6番9号 バブ日立工業株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維含有触媒ペーストを、押出成形
    または基材に塗布した格子状または板状の排ガス処理用
    触媒において、前記排ガス処理用触媒が、球体部と該球
    体部に続く尻尾部とからなるしずく状ガラス粒子を含有
    することを特徴とする排ガス処理用触媒。
  2. 【請求項2】 前記しずく状ガラス粒子の球体部の直径
    が0.1〜1.0mmφであることを特徴とする請求項1
    に記載の排ガス処理用触媒。
  3. 【請求項3】 前記しずく状ガラス粒子の含有量が、前
    記触媒ペーストに対して5〜15重量パーセントである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理
    用触媒。
  4. 【請求項4】 上記触媒ペーストが、酸化チタンを主成
    分とする脱硝触媒ペーストであることを特徴とする請求
    項1〜3の何れかに記載の排ガス処理用触媒。
  5. 【請求項5】 無機繊維含有触媒ペーストを、押出成形
    して格子状触媒とするか、または基材に塗布して板状触
    媒とする排ガス処理用触媒の製造方法において、前記触
    媒ペーストに、球体部と該球体部に続く尻尾部とからな
    るしずく状ガラス粒子であって前記球体部の直径が0.
    1〜1.0mmφのものを5〜15重量パーセント添加し
    たのち、押出成形または基材に塗布して所定方向に配向
    した前記しずく状ガラス粒子を含有する格子状触媒また
    は板状触媒とすることを特徴とする排ガス処理用触媒の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記触媒ペーストが、酸化チタンを主成
    分とする脱硝触媒ペーストであることを特徴とする請求
    項5に記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4の何れかに記載の排ガス処
    理用触媒または請求項5または6で製造した排ガス処理
    用触媒を用いた排ガス処理方法であって、前記格子状触
    媒にあっては触媒ペーストの押し出し方向と排ガス流通
    方向が、板状触媒にあっては触媒ペーストの塗布方向と
    排ガス流通方向がそれぞれ一致するように前記格子状触
    媒または板状触媒を被処理ガスと接触させることを特徴
    とする排ガス処理方法。
JP10129045A 1998-05-12 1998-05-12 排ガス処理用触媒ならびにその製造方法およびこれを用いた排ガス処理方法 Pending JPH11319581A (ja)

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