JPH11319490A - 脱硝装置の制御方法 - Google Patents

脱硝装置の制御方法

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JPH11319490A
JPH11319490A JP10136191A JP13619198A JPH11319490A JP H11319490 A JPH11319490 A JP H11319490A JP 10136191 A JP10136191 A JP 10136191A JP 13619198 A JP13619198 A JP 13619198A JP H11319490 A JPH11319490 A JP H11319490A
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JP
Japan
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reducing agent
concentration
exhaust gas
amount
urea
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JP10136191A
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Masamichi Kuramoto
政道 倉元
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元剤注入量を最適に制御できるようにし
た。 【解決手段】 発電機負荷/排気ガス量と、発電機負荷
/NOX濃度との関係から排出NOX量をNOX量推定工
程41で推定する。この工程41における排出NOX
の推定に基づいてNOxの削減目標を目標NOX濃度
(範囲)として目標NOX濃度設定工程42で設定す
る。この工程42で求めた目標NOX濃度により還元剤
(尿素)初期注入量を、還元剤初期注入量算出工程43
で算出する。この工程43で求めた還元剤初期注入量に
基づいて還元剤初期注入を、還元剤初期注入工程44で
気化器から反応器に向けて行う。還元剤の注入後、脱硝
装置のNOXをNOX濃度計測工程45で計測し、NOX
が目標濃度(範囲)内か、否かをNOX濃度比較工程4
6で比較し、比較結果に応じて、還元剤注入量調整工程
47にて還元剤注入量を調整し、以後調整された量の還
元剤が注入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の排煙
等の窒素酸化物(NOX)含有ガスからNOXを除去する
脱硝装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からNOX処理技術は、種々の分野
で必要とされており、一般的処理方法としては、排煙脱
硝技術として実用化されている。この排煙脱硝技術は乾
式法と湿式法に大別される。現在では、乾式法の一つで
ある選択接触還元法が技術的に先行しており、有力な脱
硝方法として注目されている。この選択接触還元法の主
反応は次式で示される。
【0003】 4NO+4NH3+O2→4N2+6H20 ……(1) この(1)式の反応は、還元剤としてアンモニア、炭化
水素、一酸化炭素が使用され、特にアンモニアは、酸素
が共存しても選択的にNOXを除去するため、ディーゼ
ル機関等の排気ガス中に含まれているNOXの除去に用
いると有効である。この反応は、脱硝剤としてプラチナ
等の貴金属とか、アルミナ、チタニウム酸化物(TiO
2)を主成分とし、添加物としてバナジウム(V)、モ
リブデン(Mo)、タングステン(W)等の酸化物と
か、複塩を含有する触媒が使用される。
【0004】前記選択接触還元法は、簡単なシステムで
NOXを処理することができて、高脱硝率が得られ、し
かもNOXを無害な窒素ガス(N2)と水分(H2O)に
分解することができるので、廃液処理が不要であるとい
う利点がある。なお、還元剤としてアンモニアガスとか
アンモニア水が使用されているが、アンモニアは高価で
あるため、コストの面から尿素水が使用されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したアンモニアを
使用した脱硝装置は、前記(1)式のような理論反応に
近い比率で脱硝反応が起こるように、尿素やアンモニア
の注入量を制御しなければならない。これは、注入量が
少ない場合は、脱硝率が低下し、多すぎる場合はアンモ
ニアが、リークして悪臭を発する恐れがあるからであ
る。
【0006】通常行われている注入量制御方法として
は、ディーゼル機関により運転される発電機の出力に比
例してアンモニア(尿素)を注入制御する方法と、内燃
機関から排出される排気ガス中のNOX濃度を測定し
て、アンモニア(尿素)を注入制御する方法とが採用さ
れている。
【0007】しかし、ディーゼル内燃機関は、排気ガス
量、NOX濃度が外気条件等によって大きく変化するた
め、前記(1)式のNO量が大幅に変化してしまう。N
O量は、NO濃度と排気ガス量により求めることはでき
るが、ガス量測定は自動的に行えないため、実際にはN
Oの発生量を測定してアンモニア(尿素)の注入量を制
御することは不可能であった。
【0008】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、還元剤注入量を最適に制御できるようにした脱硝
装置の制御方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、第1発明は、内燃機関から排出され
配管内を流通する排気ガスに、還元剤を添加した後、脱
硝触媒と接触させることにより、排気ガス中のNOX
除去する脱硝装置の制御方法において、予めNOX除去
後のNOX濃度目標値を設定し、内燃機関の運転状態か
ら排出される排気ガス中のNOXを推定し、推定した量
のNOXを除去して目標値とするために必要な還元剤の
量を初期添加量として算出し、初期添加量の還元剤を排
気ガスに添加した後、脱硝触媒と接触させることにより
NOXの除去を実施した後、NOXを除去した排気ガス中
のNOX濃度を測定し、測定したNOX濃度とNOX濃度
目標値との比較を行い、その差に基づいて還元剤添加量
を増減調整して添加する工程を繰り返すようにしたこと
を特徴とするものである。
【0010】第2発明は、NOX濃度を測定し、測定し
たNOX濃度とNOX濃度目標値との比較を行い、その差
に基づいて還元剤添加量を増減調整して添加する工程
は、この工程に要する時間をおいて繰り返すことを特徴
とするものである。
【0011】第3発明は、還元剤としてアンモニア又は
尿素を用いたことを特徴とするものである。
【0012】上記の外、この発明では、還元剤として尿
素水を使用し、前記配管中に配置した気化器容器内に配
管外方より尿素水を注入して、排気ガスから供給される
熱で尿素をアンモニアに分解した後、気化器容器より排
出することによって還元剤を排気ガスに添加するように
しても良い。また、この発明では、気化器容器内の温度
を測定し、測定した温度に基づいて気化器容器内に配管
外方より水を供給することにより、気化器容器内の温度
が90℃以上162℃以下となるように調整するように
しても良く、さらに気化器容器内にステンレス線材、金
属メッシュ、ゼオライト粉末、ゼオライトハニカムの何
れかを充填しても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、
内燃機関としてディーゼルエンジン発電機のディーゼル
エンジンに脱硝装置を使用した場合を例にあげて説明す
る。
【0014】図1は本実施の形態の脱硝装置の概略構成
図で、11は密閉型の反応器、12は発電機20を駆動
する内燃機関(ディーゼルエンジン)である。11aは
内燃機関からの排気ガスGを配管21を介して反応器1
1に導入する導入部であり、11bは反応器11より排
気ガスGを排出する排出部である。配管21の途中に
は、排気ガスGに還元剤を添加する手段として気化器1
3が配置されている。
【0015】反応器11の内部には、ハニカム状に形成
された脱硝触媒14が積層配置されている。脱硝触媒1
4としては、主原料にゼオライト(ZSM−5)を用
い、ハニカム状に成形した後、焼成して触媒担体を作製
し、この触媒担体にイオン交換によってコバルトを担持
させたものを用いた。24は反応器11内の導入部11
aと対向する位置に配置された遮蔽板である。17は還
元剤の添加量の調整等脱硝装置を制御するための制御装
置であり、19は各種設定、操作を行うコントローラで
ある。
【0016】21はNOX計測器で、反応器11の排出
部11bに接続された煙道22内に配置したセンサ23
とで、脱硝処理された後の排気ガスG中のNOX濃度を
測定するものである。なお、15は水道管又は水を貯留
したタンク等に接続された水配管であり、16は還元剤
を貯留しておくためのタンクである。還元剤としてはア
ンモニアガス、アンモニア水、尿素等を便用することが
できるが、本実施の形態においては尿素水を用いてい
る。尿素水を還元剤として使用する場合には、尿素水を
加熱蒸発させることによって下記(2)式に示すように
分解し、発生したアンモニアを排気ガスに添加する方法
が採られる。
【0017】 (NH22CO+H20→NH3+C02 ……(2) しかしながら、尿素は分解条件によってはアンモニアに
分解せずに他の高融点物質(シアヌル酸、メラミン、イ
ソシアン酸等)に変化してしまい、分解効率が低下する
と共に有害な物質を生じてしまうことがある。
【0018】そこで、尿素の分解特性を調べてみたとこ
ろ、図2、図3に示す結果が得られた。図2は視差熱天
秤を使用して尿素を毎分50℃で急激に昇温した場合の
分解特性を示すグラフであり、線Aは尿素の熱重量変化
(TG、%)を示し、線Bは反応熱(DTA、熱電対の
測定値μvからの換算による)の変化を示している。尿
素の融点は135℃であり、線Bの136℃からの変化
は尿素の蒸発を表している。同じく線Bの263℃の変
化はメラミンの融点を表している。更に線Aの344℃
からの変化はシアヌル酸の分解を表している。温度範囲
Cは高融点物質の生成領域を示しており、162℃を超
えた温度で高融点物質の生成が確認された。なお、温度
範囲Dは高融点物質の分解領域を示している。そして線
Aから、尿素の約71.5%が熱により直接気化され、
約28.5%が高融点物質であるメラミン、シアヌル酸
に変化することが解る。
【0019】即ち、尿素の分解は90℃から始まること
から、尿素の熱分解は90℃から図2の結果から確認さ
れた高舳点物質の生成されない162℃の温度範囲で行
うことが好ましい。
【0020】また、ゼオライト粉末と尿素を混合した場
合の温度と熱重量変化(TG)について調べてみたとこ
ろ、その結果は図3のグラフに示す通りであった。ゼオ
ライトはアルミニウムとシリコンの酸化物を主体に構成
された物質で、5〜10Å(オングストローム)の細孔
が形成されているものである。図3中の線Eは尿素水の
みを毎分50℃で急激に昇温した場合の分解特性を示す
グラフであり、線Fは尿素水にゼオライト粉末を加えて
毎分2℃でゆっくりと昇温した場合の分解特性を示すグ
ラフであり、線Gは尿素水にゼオライト粉末を加えて毎
分50℃で急激に昇温した場合の分解特性を示すグラフ
である。
【0021】図3の結果から、ゼオライト粉末を共存さ
せることによって、尿素水を毎分50℃で急激に昇温し
ても高融点物質の生成割合が16%に低下し、ゼオライ
トが尿素の熟分解を促進する作用があることが確認され
た。これは尿素が極性の強い物質であるために、ゼオラ
イトの表面に吸着し、表面でアンモニアと炭酸ガスに分
解されるためであると考えられる。なお、尿素水のみを
毎分50℃で急激に昇温した場合の高融点物質の生成割
合は28.5%であった。
【0022】また、ゼオライト粉末に代えて、ステンレ
ス、銅、鉄、アルミニウム等の各種金属材料で、線状
(リボン状、線状、切屑状等)、メッシュ状、ベアリン
グボールのような小球状等の各種形状のものを用いて同
様の実験を試みたところ、ゼオライト粉末と同様に尿素
の熱分解を促進する作用があることが確認でき、尿素を
熱分解する際には、これらの物質(以下、熱分解促進剤
とする)を共存させることが好ましいことが確認でき
た。
【0023】更に、蒸留塔等の塔用充填物として岩尾磁
器工業から市販されている、図4に示すステンレス製充
填物(商品名:Pa11 Ring)を使用したところ、同様に
良好な結果が得られることが確認でき、これも熱分解促
進剤としての使用が可能である。そして、昇温速度を2
℃とした場合には、高融点物質の生成割合が6%とさら
に低下していることがわかる。これは、尿素の分解が終
了するまでの反応時間が確保でき、高融点物質の生成す
る温度になるまでに尿素が分解されたためと考えられ
る。
【0024】以上の結果から、尿素水を還元剤として使
用する場合には、90℃から162℃の温度範囲で、前
述何れかの熱分解促進剤を共存させた環境で尿素水の熱
分解を行い、発生したアンモニアを排気ガスに添加する
ことが、好ましいことが解った。そこで、これらの環境
を満足して還元剤を添加する還元剤添加手段として、本
実施の形態においては、図5に概略構成図を示す気化器
を採用した。図5において、25は気化器容器となるポ
ットで、このポット25の側壁には開口部26が形成さ
れている。ポット25内には熱分解促進剤として金属線
材、例えば、幅2mm、厚さ0.05mmのステンレス製の
リボン(以下、SUSリボンと称する)27が充填され
ている。30はポット25の蓋であり、ポット25に形
成した開口部26を下流側に向けた状態で、この蓋30
を配管21の開口部21aに形成されたフランジ部32
に固定することによって、気化器は配管21中に配置さ
れている。28は尿素水をポット25内に注入するため
の液送配管であり、29はポット25内に水を供給する
水配管である。液送配管28と水配管29とは、液送配
管28の外周を水配管29が覆う2重配管構造に構成さ
れており、このように構成することで熱によって配管中
で尿素が固化し、配管が詰まってしまうことを防止して
いる。31はポット25内の温度を測定する温度測定手
段として、蓋30を貫通してポット25内に挿通配置さ
れた熱電対である。
【0025】このような構成で、液送配管28より尿素
水をポット25内に供給すると、尿素水はポット25内
で排気ガスGから供給される熱で熱分解され、気化した
アンモニアガスが開口部26から配管21中に排出され
ることによって、排気ガスGに還元剤が添加される。こ
の時、熱電対31でポット25内の温度を測定し、測定
した温度に基づいて水配管29から水を供給し、ポット
25内の温度が90℃〜162℃の範囲となるように調
節する。
【0026】図6は反応器11の要部断面図である。2
4は反応器11内の導入部11aと脱硝触媒14との間
の空間で、導入部11aと対向する位置に配置された円
板状の遮蔽板である。この遮蔽板24を配置することに
よって、配管21のダクト33部分を通って反応器11
内に送り込まれる排気ガスGは、遮蔽板24に衝突し
て、その下流側に後渦流Aを発生して排気ガスGを整流
し、この後渦流Aにより排気ガスGと還元剤とが良好に
混合されると共に、その整流効果でガス密度を平均化し
て脱硝触媒14を通過させることができる。
【0027】また、遮蔽板24を設けることで排気ガス
Gと還元剤との混合が良好に行われるため、排気ガスG
と還元剤とが良好に混合するに十分な長さの配管21を
必要とせず、装置全体としての小型化も可能となる。な
お、図6に示すように排気ガスGが曲部を有するダクト
33を通って導入される場合、曲がり方向外側部分にガ
ス流が集中して曲がり方向内側部分に滞留部Cが生じる
ことにより、排気ガスGが偏流となって反応器11内に
流入することがある。このように排気ガスGが偏流とな
って反応器11内に導入される場合には、図6に示すよ
うに遮蔽板24の中心Oを、流入する排気ガスGの風圧
中心と一致するよう位置調整して配置することで、排気
ガスGと還元剤との良好な混合及び排気ガスGの平均化
等の効果を得ることができる。
【0028】次に、図1に示す脱硝装置を例に、本実施
の形態による還元剤添加量の制御方法について説明す
る。制御装置17に制御因子として取り込むパラメータ
としては、発電機負荷(発電機の負荷率)と、脱硝装置
の出口における排気ガスG中のNOx濃度である。
【0029】図7は制御方法を説明する工程説明図で、
図7において、41は内燃機関の運転により排出される
NOX量を概略推定するNOX量推定工程である。このN
X量推定工程41では、例えば図8の発電機負荷と排
気ガス量の関係特性図、及び図9の発電機負荷とNOX
濃度の関係特性図に例示すように、事前に測定した発電
機負荷/排気ガス量Vkwと発電機負荷/NOX濃度VNO
の各関係を図1に示す制御装置17に取り込んでおき、
パラメータとして取り込む内燃機関の運転状態での発電
機負荷に応じたNOX濃度の中心値と排気ガス量の中心
値との積から推定NOX量を求める。なお、図8、図9
の関係特性図を見ても解るように、ここで求めた推定N
X量にはかなりのばらつきが含まれることになる。目
標NOX濃度(範囲)設定工程42では、NOX量推定工
程41で求めた推定NOX量に対するNOXの削減目標を
目標NOX濃度(範囲)として設定する。還元剤初期注
入量算出工程43では、目標NOX濃度(範囲)設定工
程42で設定した目標NOX濃度(範囲)を達成する脱
硝率(出口側のNOX濃度を入口側の何%に削減する
か)を得るために必要な還元剤の量を、還元剤初期注入
量として算出する。還元剤初期注入工程44では、還元
剤初期注入量算出工程43で打出した量で還元剤の注入
を開始する。
【0030】還元剤は気化器を介して排気ガスGに添加
され、還元剤を添加された排気ガスGは、反応器内に流
入して遮蔽板の作用により混合及びガス密度の平均化等
がなされた後、脱硝触媒と接触して前記(1)式に示す
反応により排気ガスG中のNOXが除去される。
【0031】次に、NOX濃度計測工程45では、反応
器の出口側にてNOXが除去された排気ガスGのNOX
度が計測され、計測されたNOX濃度は、NOX濃度比較
工程46で、目標NOX濃度(範囲)設定工程42にて
設定された目標NOX濃度(範囲)との比較が行われ
る。NOX濃度比較工程46で比較した結果に基づいて
還元剤注入量調整工程47で還元剤の注入量を調整し、
以後調整された量の還元剤が注入される。
【0032】計測したNOX濃度と目標NOX濃度(範
囲)とに差がない場合は、初期注入量が適切であったと
いうことであり、還元剤注入量調整工程47での調整量
は、0(ゼロ)で、初期注入量のままの還元剤の注入が
続けられる。そして、以降は45〜47の工程を組り返
すことで、最初に設定した推定NOX量のばらつきがあ
ったとしても、また、内燃機関の運転状態の変化等によ
り排気ガスG中のNOX量が変化が生じた場合でも、還
元剤を目標NOx濃度(範囲)とするために必要な量に
調整できるので、目標のNOX濃度を得るための適切な
制御を行うことができる。
【0033】なお、NOX計測器によるNOX濃度の計測
には、センサによるサンプリングから分析するまでの時
間(通常1分程度)を要するため、45〜47の各工程
の繰り返し時間は、これより長く設定する必要がある。
【0034】また、目標NOX濃度は範囲で設定しても
良く、例えば、目標NOX濃度の平均値を100ppmとし
たい場合には、上限値を110ppm、下限値を80ppmと
設定しておき、反応器出口側のNOX濃度が110〜8
0ppmの範囲から外れた場合に還元剤の量を調整するよ
うにしても良い。
【0035】更にこの時、尿素が高融点物質に変化する
ことなく、前記(1)式の反応が行われるようにするた
めには、ポット25内を常に適宜な温度範囲(例えば、
尿素の分解の開始される90℃から、高融点物質の生成
されない162℃以下)にコントロールしておく必要が
あるため、ポット25内の温度を熱電対等の測定手段に
より測定し、前述の温度範囲を外れることのないよう適
宜に水配管からポット25内へ水を注入してポット25
内を冷却している。
【0036】次に上記実施の形態の動作フローチャート
を図10に示す。図10において、S1は、脱硝装置の
NOX量を推定するステップで、このステップS1でN
X量を推定する際に、発電機負荷/排気ガス量VKW
発電機負荷/NOX濃度VNOをパラメータとして取り込
むことにより推定する。NOX量の推定の結果から、目
標NOX濃度範囲をステップS2で設定する。ステップ
S2での設定の後、還元剤初期注入量をステップS3で
算出し、この注入量(l/hr)の算出を、次式(2)から求
める。このようにして算出した注入量に従ってステップ
S4で還元剤の初期注入が行われる。
【0037】 注入量(l/hr)=A×VKW+B ……(3) 但し、Aはエンジンの出力によって定められる定数,B
は暖機運転等の出力以外(発電機負荷に影響しない)の
エンジンの運転に対する定数である。
【0038】ステップS4における還元剤の注入は、図
示しないポンプにて行われる。ここで、還元剤のポンプ
での注入量を(PV)とすると、その注入量は次式によ
り求められる。
【0039】 PV=補正係数(k)×還元剤注入量 ……(4) 但し、補正係数k=1(初期値)である。
【0040】ステップS4で還元剤が注入されると、脱
硝装置のNOX濃度の測定がステップS5で行われる。
このステップS5によるNOX濃度測定がステップS6
で示す目標NOX濃度範囲内にあるかを判断する。その
NOX濃度VNOが次式(5)、(6)に示す範囲なら処
理がステップS4に戻る。
【0041】 VNO>上限値(ppm)…補正係数k’=k+2% ……(5) VNO<下限値(ppm)…補正係数k’=k−2% ……(6) また、ステップS6の判断で範囲外ならステップS7の
処理で還元剤注入量をポンプを動作させて調節しステッ
プS4の処理に戻る。このときの、ポンプ動作による還
元剤の注入量(PV’)は、PV’=k’×PVから求め
る。
【0042】上記のようにして脱硝装置のNOX濃度の
制御を行った結果を図11に示す。この図11から発電
機の負荷を変化させた場合、一時的にNOX濃度が上限
値よりも高くなることがあるけれども、全体的に制御は
良好に行われているが明らかである。
【0043】なお、脱硝装置を停止する際には、自動又
は手動により水が液送配管内を流れて管内に残留する尿
素を排出すると共に、配管内を洗浄するようにしてお
き、尿素固化により配管が詰まる事がないようにしてい
る。また、図11の制御結果を示す特性図において、還
元剤初期注入量の前の時間帯で還元剤注入量が飛躍的に
多くなってのは、前述の停止時の水洗浄により配管内に
残留している水を排出すためである。
【0044】上記実施の形態において、還元剤として尿
素水を使用し、前記配管21中に配置したポット25内
に配管外方より尿素水を注入して、排気ガスから供給さ
れる熱で尿素をアンモニアに分解した後、ポット25よ
り排出することによって還元剤を排気ガスに添加するよ
うにしても良い。また、この実施の形態では、ポット2
5内の温度を測定し、測定した温度に基づいてポット2
5内に配管外方より水を供給することにより、ポット2
5内の温度が、90℃以上162℃以下となるように調
整するようにしても良く、さらにポット25内にステン
レス線材、金属メッシュ、ゼオライト粉末、ゼオライト
ハニカムの何れかを充填しても良い。
【0045】前述した還元剤注入の各工程や温度(水)
等の制御は図1に示した制御装置17により行われる。
また、上記実施の形態では気化器を用いて還元剤の添加
を行ったが、還元剤を噴霧により添加する場合にも採用
できる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
外気条件によってもNOX濃度を除去できるように、還
元剤注入量を最適に制御できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱硝装置の概略構成図。
【図2】尿素の分解特性図。
【図3】尿素の分解特性(ゼオライトの有無)図
【図4】ステンレス製充填物の斜視図。
【図5】気化器の概略構成図。
【図6】遮蔽板を備えた反応器の要部断面図。
【図7】この発明の実施の形態を説明する工程説明図。
【図8】発電機負荷と排気ガス量の関係を示す特性図。
【図9】発電機負荷とNOX濃度の関係を示す特性図。
【図10】実施の形態の動作を述べるフローチャート。
【図11】制御結果を示す特性図。
【符号の説明】
11…反応器 12…内燃機関 13…気化器 14…脱硝触媒 15…水配管 16…タンク 17…制御装置 19…コントローラ 20…発電機 21…NOX計測器 22…煙道 23…センサ 24…遮蔽板 31…熱電対 41…NOX量推定工程 42…目標NOX濃度(範囲)設定工程 43…還元剤初期注入量算出工程 44…還元剤初期注入工程 45…NOX濃度計測工程 46…NOX濃度比較工程 47…還元剤注入量調整工程

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関から排出され配管内を流通する
    排気ガスに、還元剤を添加した後、脱硝触媒と接触させ
    ることにより、排気ガス中のNOXを除去する脱硝装置
    の制御方法において、 予めNOX除去後のNOX濃度目標値を設定し、内燃機関
    の運転状態から排出される排気ガス中のNOXを推定
    し、推定した量のNOXを除去して目標値とするために
    必要な還元剤の量を初期添加量として算出し、初期添加
    量の還元剤を排気ガスに添加した後、脱硝触媒と接触さ
    せることによりNOXの除去を実施した後、NOXを除去
    した排気ガス中のNOX濃度を測定し、測定したNOX
    度とNOX濃度目標値との比較を行い、その差に基づい
    て還元剤添加量を増減調整して添加する工程を繰り返す
    ようにしたことを特徴とする脱硝装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 NOX濃度を測定し、測定したNOX濃度
    とNOX濃度目標値との比較を行い、その差に基づいて
    還元剤添加量を増減調整して添加する工程は、この工程
    に要する時間をおいて繰り返すことを特徴とする請求項
    1記載の脱硝装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 還元剤としてアンモニア又は尿素を用い
    たことを特徴とする請求項1また2記載の脱硝装置の制
    御方法。
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