JP4269504B2 - 脱硝装置及び脱硝装置を搭載した移動手段 - Google Patents

脱硝装置及び脱硝装置を搭載した移動手段 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する脱硝装置に係るものであり、特に自動車や各種建設機械など内燃機関により駆動する移動手段に搭載して好適な脱硝装置及び脱硝装置を搭載した移動手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の移動手段の交通に起因する大気汚染について、種々の対策が検討されているが依然として厳しい状況にある。自動車の内燃機関から排出される排ガス中には、燃焼生成物である水,二酸化炭素と共に、一酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOX)が含まれている。このNOXは人体に対して影響を及ぼし、呼吸器疾患等の病気の発生率を増加させるだけでなく、地球環境保全の点で問題視されている酸性雨の原因の一つとなっている。
【0003】
このようなことから、自動車の排ガスについて種々の規制が行われ、その規制は年々強化されている。例えば排ガス規制値は、大気汚染防止法に基づき自動車排出ガス量の許容限度として環境庁長官により定められ、この規制値を確保できるように運輸大臣が道路運送車両の保安基準を定めている。しかし、NOXによる問題は、ディーゼルエンジンを搭載した自動車の増加等により依然深刻な状況が続いており、今後さらなる対策の強化が行われると推測されている。
【0004】
排ガス中のNOXを効率良く除去するための脱硝技術は種々開発されており、還元剤として例えばアンモニアを用いた脱硝方法(以下、アンモニア脱硝方法と称する)が知られている。このアンモニア脱硝方法は、排ガス中にアンモニアガスを噴霧し排ガスの下流方向(排出方向)に位置する脱硝触媒に接触させることにより、排ガス中のNOXを無害な窒素と水とに分解する方法であり、ボイラーや工業施設に設置されたディーゼルエンジン等の排ガス発生源の脱硝方法として、既に工業化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アンモニア脱硝方法で還元剤として用いられるアンモニアは、有害で危険なガスであり、法規上も毒・劇物取締法,高圧ガス取締法,悪臭防止法,大気汚染防止法,労働安全衛生法,危険物船舶運送および貯蔵規則,港則法,航空法等で規制されているため、例えばその貯蔵など取り扱いには細心の注意を要する。そして、アンモニア脱硝方法においては、未反応のアンモニアが排ガスと共に排出される恐れがあり、これを防止するために、未反応のアンモニアを回収するための装置が必要となるため、例えば自動車,建設機械等のような移動手段における排ガス発生源(以下、ガス発生源と称する)の脱硝装置として適用することは極めて困難である。
【0006】
出願人は、危険なアンモニアを貯蔵して用いる必要の無い脱硝方法として、還元剤に尿素水を用いた安全性の高い脱硝装置(以下、尿素式脱硝装置と称する)を発明し、既に特許出願(例えば、特開平11−244131号,特開平11−319940号等)している。この尿素式脱硝装置は、尿素濃度が32〜40%程度の尿素水を用い、80〜162℃更に好ましくは80〜100℃程度の温度雰囲気下にて加水分解することによりアンモニアガスを発生させ、これを還元剤として排ガスに添加して脱硝を行うものである。
【0007】
しかし、尿素式脱硝装置においては、前述の通りに尿素濃度が32〜40%程度の尿素水が用いられることから、その尿素水を貯蔵しておくために容量の大きなタンクが必要となり、移動手段に搭載することは困難である。
【0008】
また、尿素は、温度等の分解条件によっては種々の反応を起こし、高融点物質(シアヌル酸,イソシアン酸,ビュウレット,メラミン等)に変化して、その分解効率が低下すると共に有害な物質が生じてしまう恐れがあるため、温度を調節するための冷却用の水を確保する必要があり、この水を貯蔵しておくためのタンクの必要性も移動手段への搭載にあたっての問題となる。
【0009】
なお、例えば、図5Aに示すように、温度160℃を超えるように尿素((NH22CO)を急速加熱するとアンモニアガス(NH3)と共にシアヌル酸((NHCO)3)が生成されてしまい、さらに温度350℃を超えるように加熱するとイソシアン酸(HNCO)が生成されてしまう。図5Bでは、温度130℃を超えるように尿素を緩速加熱するとアンモニアガスと共にビュウレット(C2432)が生成され、その後メラミン(C366),二酸化炭素,水が生成されてしまう。なお、前記尿素を減圧条件下にて加熱した場合には、昇華により気化した尿素のみが発生する。
【0010】
さらにまた、尿素式脱硝装置では、尿素水を加水分解してアンモニアガスとするための時間が必要となるが、ガス空間速度の高い移動手段の内燃機関においてはこの加水分解の時間を確保することができず、適用するにことは困難であった。一般的な内燃機関における実用的なガス空間速度は約7000/hr(好ましくは、約10000/hr)であり、脱硝装置内の触媒との接触時間に換算すると約0.03g・sec/cm3未満(好ましくは、約0.02g・sec/cm3以下)に相当する。
【0011】
このような理由により、尿素式脱硝装置をそのまま移動手段におけるガス発生源の脱硝技術に適用することは困難とされている。
【0012】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、自動車エンジン等のガス発生源の排ガスを浄化(脱硝)するのに最適で、且つ安全性の高い脱硝装置及び脱硝装置を搭載した移動手段を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、内燃機関の排ガス用配管内に脱硝触媒を配置し、前記配管内に還元剤を導入して排ガスに添加した後に脱硝触媒と接触させることで、前記排ガスを脱硝処理する脱硝装置において、尿素を固体の状態でゼオライトと共に貯蔵する反応器と、前記反応器を加熱する加熱手段と、水を貯蔵する水溶器とを設けて構成し、前記水溶器の水を前記反応器に注入すると共に前記反応器を加熱手段により加熱して加水分解を行うことでアンモニアガスを発生させ、前記アンモニアガスを前記還元剤として排ガスに添加するよう構成し、前記内燃機関の負荷変動と前記反応器内の温度とを検出すると共に、前記検出値に基づいて前記反応器に注入する水量および前記反応器温度とを制御することにより、排気ガスに添加するアンモニアガスの量を制御する制御コントローラを設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記尿素と前記水とを、モル比で尿素:水=1:1の割合で各々貯蔵することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記加熱手段がヒーターであることを特徴とする。
【0017】
請求項に記載の発明は、前記反応器と前記配管との間に前記反応器から発生したアンモニアガスを貯留するバッファータンクを設け、前記制御コントローラからの指令に基づいて前記バッファータンクから排ガスにアンモニアガスを添加するよう構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項に記載の発明は、内燃機関により駆動される移動手段に、請求項1乃至4の何れかに記載の脱硝装置を搭載したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における脱硝装置および脱硝装置を搭載した移動手段について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
本実施の形態では、尿素式脱硝装置の還元剤について最適な貯蔵方法(本実施の形態では尿素,水,触媒の貯蔵方法)を調べると共に自動車の排ガスを脱硝するために最小限必要な尿素および水の量を調べることにより、自動車等の移動手段におけるガス発生源に適用することができ機能(脱硝機能)を十分に果たすことができる実用的な脱硝装置(第1,第2実施例)を検討した。
【0021】
(加水分解に必要な尿素水中の水の割合)
まず、尿素水中における尿素と水との割合について調べた。図1は、一般的な尿素水の比重蒸気圧曲線(M. FREJACQUE, Chem. & Ind. Vol. 60-No.1(1948))であり、溶液100g中の尿素重量に対する温度特性、および比重に対する圧力特性を示すものである。図1に示す曲線Lにおいて、例えば尿素を含んだ水溶液(すなわち尿素水)をタンクに貯蔵し屋外で使用(保存温度0〜30℃の雰囲気下にて使用)する場合、水溶液100gにおける尿素の最大溶解量は約40〜57gであることが読み取れる。このことから、屋外に貯蔵される尿素水の水の割合は、重量パーセントで約43〜60%程度であることが解る。
【0022】
しかし、下記の反応式に示すように、1モル(60g/mol)の尿素に対しては1モル(18g/mol)の水を加えて加水分解することによりアンモニアガスを発生させることができる。すなわち、例えば60gの尿素を加水分解してアンモニアガスを発生させる際に最小限必要な水は18g(尿素と水との水溶液全体における約23%)であることから、前記尿素水のうち重量パーセントで約20〜37%の水は、加水分解において不要であることが読み取れる。
【0023】
(NH22CO + H2O → 2NH3 + CO2 …… (1)
すなわち、尿素と水とを各々のタンクに貯蔵した脱硝装置において加水分解する場合、尿素水をタンクに貯蔵した場合と比較して、使用する水の量を低減しタンク容量を極めて小さくできることを確認できた。
【0024】
(高融点物質の生成割合)
次に、尿素における高融点物質の生成割合を調べるために、尿素60gに対し水18g(尿素:水=60:18)を加えて成る試料S1と、その試料S1にゼオライト粉末(ZSM−5型)を30g(尿素:ゼオライト=1:0.5)混合して共存させた試料S2とを用いた。なお、前記ゼオライトには、アルミニウムとシリコンの酸化物を主体に構成し5〜10Å(オングストローム)の細孔が形成されているものを用いた。
【0025】
そして、前記試料S1,S2をそれぞれ毎分50℃で急激に昇温させて加熱した場合と、前記試料S2を毎分2℃でゆっくり昇温させて加熱した場合とにおいて、温度に対する熱重量変化(TG)を測定することにより分解特性を調べ、その結果を図2の温度に対する熱重量変化特性図に示した。
【0026】
図2に示す結果において、尿素水のみの試料S1を毎分50℃で急激に昇温した場合、その高融点物質の生成割合は28.5%であった。一方、試料S2のように尿素とゼオライト粉末とを共存させることによって、尿素水を毎分50℃で急激に昇温しても高融点物質の生成割合が16%に低下し、ゼオライトが尿素の熱分解を促進する作用があることを確認できた。これは、尿素が極性の強い物質であるためゼオライトの表面に吸着し、その表面にてアンモニアと炭酸ガスとに分解されるためであると考えられる。
【0027】
また、試料S2を毎分2℃でゆっくり昇温させた場合には、高融点物質の生成割合が6%とさらに低下した。これは、尿素の分解が終了するまでの反応時間が確保でき、高融点物質が生成される温度に達するまでに尿素が分解されたためと考えられる。
【0028】
前記の各測定結果から、尿素水をタンクに貯蔵するのではなく、尿素と水とを各々のタンクにそれぞれ貯蔵すると共に、その尿素をゼオライトと共存した状態(例えば、尿素とゼオライトとから成る固体還元剤)で貯蔵することにより、高融点物質の生成を抑制しながら尿素を効率良く容易に加水分解できると共に、その尿素や水の貯蔵に用いられるタンクを小型化できることを確認できた。なお、尿素に対するゼオライトの割合は、前記試料S2に示す割合(尿素:ゼオライト=1:0.5)に限られるものではなく、例えば尿素:ゼオライト=1:1を上限の目処とし、排ガス(NOX)量,加水分解の効率や反応器の大きさ等の各種条件を考慮して、適宜に設定することが可能である。
【0029】
(移動手段におけるガス発生源の最小限必要な還元剤の量)
次に、総排気量が約13000ccのディーゼルエンジンを搭載した自動車(例えば、40人乗り程度のバス,7〜8トン級のトラック)に脱硝装置を用いた場合において、最小限必要な尿素および水の量を調べると共に、その脱硝装置の小型化および軽量化を図り、排ガスを効率良く脱硝することを検討した。
【0030】
前記の総排気量が約13000ccの自動車(以下、13000cc車と称する)において、1時間当たりの排ガス量は約1300kg/h(標準状態において1009m3/h)である。1000ppmのNOXを90%脱硝すると900ppm(900×10-6g)のNOXが除去されることから、前記の13000cc車の排ガスを90%脱硝した場合において1時間当たりに除去されるNOX量は、下記の(2)式により約40.5mol/hであることが解った。
【0031】
【数1】
Figure 0004269504
【0032】
NOXを約40.5mol/h除去する際に必要な尿素,水の量は、前記の(1)式よりそれぞれ約20.2mol/hであり、キログラム換算するとそれぞれ約1.2kg/h,約0.36kg/hであることが読み取れる。
【0033】
すなわち、前記の13000cc車を全出力で1日中(24時間)駆動した場合、その排ガスを90%脱硝するために必要な尿素および水の重量は、それぞれ1日当たり約29kg,約9kgである。また、1日当たりに使用する尿素29kgに対して、重量比で尿素:ゼオライト=1:0.5とすると約15kgのゼオライトが必要になる。このため、前記の13000cc車を全出力で1日中駆動した場合に必要な尿素,水,ゼオライトの総重量(29kg+9kg+15kg)は、約44kgであることが解った。
【0034】
前記のように、尿素,水,ゼオライトを自動車の排気量に応じた量のみ用いることにより、尿素を効率良く加水分解しながら排ガスを脱硝することができ、従来の脱硝装置(タンクに尿素水を貯蔵した脱硝装置)と比較して必要とする水の量を大幅に低減することができる。このため、例えば尿素およびゼオライトから成る固体還元剤(例えば、後述するカートリッジ)を貯蔵したタンクと、水を貯蔵したタンクとを用いることにより、その固体還元剤および水の総重量を低減(約44kg;容器,配管等、その他の構成部材を含めても50kg前後)し、十分に車載可能な脱硝装置を提供することができる。
【0035】
なお、実際には、自動車を1日中全出力で連続駆動させることはあり得ないことから、前記の固体還元剤および水の総重量をさらに低減(約44kg未満)しても、給油等のタイミングで必要に応じて尿素,水等を供給することにより、継続して排ガスを脱硝(例えば、90%脱硝)することができるため、自動車の排気量,運転状況等に応じて、脱硝装置を更に軽量化,小型化することができ、自動車等の移動手段への搭載をより容易に行うことができる。
【0036】
次に、以上示したことを考慮して、以下に示す第1,第2実施例のように脱硝装置を構成した。
【0037】
(第1実施例)
図3は、第1実施例における脱硝装置の概略構成図を示すものである。図3において、符号31は、自動車等に搭載されるディーゼルエンジン(以下、エンジンと称する)を示すものであり、そのエンジン31の排ガスは配管32を介して排出される。前記配管32の中央部には、ゼオライト等の脱硝用触媒を備えた脱硝反応器32aが設けられる。
【0038】
符号33aは、尿素とゼオライト触媒とを重量比が尿素:ゼオライト=1:0.5の割合で共存させて貯蔵したカートリッジであり、加水分解反応器(反応器)33に対して着脱容易に装着される。符号34はヒータを示すものであり、前記加水分解反応器33の外周側に配置される。符号35は水を貯蔵したタンク(水容器)を示すものであり、前記カートリッジ33aに供給する水の量を調整できるものとする。
【0039】
配管35aを介して前記タンク35内の水を前記カートリッジ33aに供給すると共にヒータ34により加熱することにより、前記カートリッジ33a内の尿素を前記の(1)式のように加水分解しアンモニアガスを発生させることができる。このアンモニアガスは、噴霧量調整可能な電磁弁36aを備えた配管36を介して、前記配管32内の排ガス中に噴霧することにより添加される。符号37は制御コントローラであり、以下に示すように脱硝装置の各構成部材の駆動状況を入力信号として入力し、その入力値によって演算されたNOX排出量に応じて、前記の各構成部材を制御するものである。
【0040】
前記制御コントローラにおいて、まずエンジン31の回転数および燃料噴霧量等の負荷変動信号(図3中の符号a)を検出すると共に、熱電対38を介してカートリッジ33a内の温度信号(図3中の符号b)を検出する。そして、検出された負荷変動信号によって予測されるNOX排出量を演算し、そのNOX排出量に応じた最小限必要な水を注入するために注入信号(図3中の符号c)をタンク35に出力すると共に、カートリッジ33a内の温度を80〜100℃に保つための信号(図3中の符号d)をヒータ34に出力する。また、前記カートリッジ33aにて発生したアンモニアガスにおいて、前記配管32内に噴霧する量を調整するための信号(図3中の符号e)を電磁弁36aに出力する。
【0041】
以上示したように脱硝装置を構成した場合、尿素とゼオライト触媒とを貯蔵したカートリッジを用いたことにより、尿素のみを用いた場合と比較して速やかに効率良く加水分解反応を起こすことができると共に、例えばエンジンから排出される排ガスのガス空間速度や排ガス量の変動に対して良好な応答を保ちながら、排ガス中にアンモニアガスを噴霧できる。このため、脱硝装置において、アンモニアを大気中に排出することなく排ガスを高効率で脱硝することができ、しかも自動車等の移動手段に搭載可能な十分な小型化を図ることができるものである。
【0042】
(第2実施例)
図4は、第2実施例における脱硝装置の概略構成図を示すものである。なお、図3に示すものと同様なものには同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。図4において、符号41はカートリッジ33aと配管32(および電磁弁36a)との間で配管36に設けられるバッファータンクを示し、カートリッジ33aから発生するアンモニアガスを一旦貯留するためのものである。符号42は前記バッファータンク41に接続される圧力計を示し、その圧力計42を介して前記バッファータンク41内の圧力信号(図4中の符号f)を制御コントローラ37によって検出することで、バッファータンク41内のアンモニアガス量を監視する。そして、エンジン31からの負荷変動信号a等に応じて電磁弁36aの開閉をしてバッファータンク41に貯留しておいたアンモニアガスを排ガスに噴霧するため、エンジン31の急激な負荷変動にも応答性良くアンモニアガスを噴霧し、良好な脱硝を行うことができる。
【0043】
以上示したように脱硝装置を構成した場合、尿素とゼオライト触媒とを貯蔵したカートリッジを用いたことにより、尿素のみを用いた場合と比較して速やかに効率良く加水分解反応を起こすことができると共に、例えばエンジンから排出される排ガスのガス空間速度や排ガス量の変動に対して良好な応答を保ちながら、排ガス中にアンモニアガスを噴霧できる。このため、脱硝装置において、アンモニアを大気中に排出することなく排ガスを高効率で脱硝することができ、しかも自動車等の移動手段に搭載可能な十分な小型化を図ることができるものである。また、バッファータンクを用いたことにより、図3に示した脱硝装置と比較して、エンジンの急激な変動に対しより良好に応答性を保つことができる。
【0044】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形及び修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形及び修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0045】
例えば、以上示したような脱硝装置は自動車等の移動手段のガス発生源に限らず、ボイラーや工業施設に設置されたディーゼルエンジン等に適用しても良い。
【0046】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、尿素と水とを別々に貯蔵(例えば、各々タンクに貯蔵)し排気量に応じた量の尿素および水を用いて添加することにより、それら尿素および水を効率良く用いることができると共に、タンクの容量を小さくして脱硝装置をコンパクト化することができる。また、尿素をゼオライトと共存させて貯蔵することにより、その尿素を速やかに加水分解(加熱手段による加水分解)できると共に、副生成物の生成を限りなく抑制することができる。さらに、前記尿素とゼオライトとをカートリッジ化して貯蔵することにより、尿素(およびゼオライト)を容易に補充することができる。さらにまた、バッファータンクを用いることにより、例えばエンジンの変動により排気量が急激に変化しても、その変化に対し瞬時に対応して脱硝装置を制御することができる。
【0047】
ゆえに、自動車や各種建設機械など内燃機関により駆動する移動手段の特徴(例えば、排気量,使用目的)に応じて実用的な脱硝装置を搭載することができ、排ガス中のNOXを高効率で脱硝処理することが可能となる。また、例えば地球環境保全に適した移動手段を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】尿素水の比重蒸気圧曲線図。
【図2】試料S1,S2における温度に対する熱重量変化特性図。
【図3】第1実施例における脱硝装置の概略構成図。
【図4】第2実施例における脱硝装置の概略構成図。
【図5】種々の条件下にて尿素を反応させた際の概略説明図。
【符号の説明】
31…エンジン
32,35a,36…配管
32a…脱硝触媒
33…加水分解反応器
33a…カートリッジ
34…ヒータ
37…制御コントローラ
38…熱電対
41…バッファータンク
42…圧力計

Claims (5)

  1. 内燃機関の排ガス用配管内に脱硝触媒を配置し、前記配管内に還元剤を導入して排ガスに添加した後に脱硝触媒と接触させることで、前記排ガスを脱硝処理する脱硝装置において、
    尿素を固体の状態でゼオライトと共に貯蔵する反応器と、前記反応器を加熱する加熱手段と、水を貯蔵する水溶器とを設けて構成し
    前記水溶器の水を前記反応器に注入すると共に前記反応器を加熱手段により加熱して加水分解を行うことでアンモニアガスを発生させ、前記アンモニアガスを前記還元剤として排ガスに添加するよう構成し
    前記内燃機関の負荷変動と前記反応器内の温度とを検出すると共に、前記検出値に基づいて前記反応器に注入する水量および前記反応器温度とを制御することにより、排気ガスに添加するアンモニアガスの量を制御する制御コントローラを設けたことを特徴とする脱硝装置。
  2. 前記尿素と前記水とを、モル比で尿素:水=1:1の割合で各々貯蔵することを特徴とする請求項1に記載の脱硝装置。
  3. 前記加熱手段がヒーターであることを特徴とする請求項1または2に記載の脱硝装置。
  4. 前記反応器と前記配管との間に前記反応器から発生したアンモニアガスを貯留するバッファータンクを設け、前記制御コントローラからの指令に基づいて前記バッファータンクから排ガスにアンモニアガスを添加するよう構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の脱硝装置。
  5. 内燃機関により駆動される移動手段に、請求項1乃至4の何れかに記載の脱硝装置を搭載したことを特徴とする脱硝装置を搭載した移動手段。
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