JP2007145796A - 尿素水及びそれを用いた脱硝装置 - Google Patents

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新哉 折原
Akira Yamamoto
山本  彰
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Abstract

【課題】尿素析出を抑制した尿素水、及びそれを用いた高信頼性の脱硝装置を提供する。
【解決手段】グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を加水分解することにより得られたアンモニアとNOx還元触媒とを用いて、NOxを還元する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、尿素析出を抑制した尿素水及びそれを用いた内燃機関の脱硝装置に関する。
ディーゼルエンジンから排出される排気ガスには、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)及びPM(Particulate Matter:パティ
キュレート)等の汚染物質が含まれる。これらの汚染物質の中でもNOxは、酸化触媒やガソリン自動車で実用化されている三元触媒では浄化が難しく、NOxを浄化することができる有望な触媒として、選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という)の開発が行われている。
SCR触媒はTiO2あるいはSiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2
などの二元系複合酸化物、または、WO3−SiO2−TiO2、Mo3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などの担体に、V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,Cu,Ag,Au,Pd,Y,Ce,Nd,W,In,Irなどの活性成分を担持してなるハニカム構造を有し、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを浄化する触媒である。尿素水タンクからSCR触媒の上流側の排気系に添加された尿素水は、排気ガスの熱により加水分解されアンモニアを生成する。このアンモニアが還元剤として働き、排気ガス中のNOxと反応することにより排気ガス中のNOxが浄化される。
しかしながら、SCR触媒の上流側に設置された還元剤供給手段からSCR触媒を用いた排気手段に尿素水を連続的に供給を続けると、連続運転の途中で還元剤供給手段からSCR触媒へ尿素水が導入される配管において詰まりが発生することがわかった。従って、SCR触媒を用いたディーゼルエンジンにおいて尿素水を連続的に供給してNOxを浄化
する装置において、SCR触媒への尿素水の導入配管の詰まりを防止する方法が重要になる。
従来、導入管を閉塞させるものとしては尿素が考えられており、尿素析出を防止するために、ジメチロール尿素またはトリメチロール尿素に対して2〜5倍モル量のホルムアルデヒドを添加して尿素体の固結傾向を減少させる技術(例えば、特許文献1参照)、また、特許文献2には尿素水を含むディーゼルエンジン処理用添加剤の凍結防止手段を課題とする技術が記載されている。さらに、特許文献1或いは2と類似の技術として、SCR触媒を含むディーゼルエンジン処理用添加剤に用いる尿素水にホルムアルデヒド、メタノール等を添加し、供給配管において尿素水からの固体析出を防止する技術が記載されている(特許文献3)。
特公昭50−34536号公報 特表2002−530575号公報 特開2004−290836号公報
しかし、尿素の析出を防止するこれらの技術は全て、ホルムアルデヒド、アルコール類等の第三成分を添加することで尿素体の析出を防止する方法である。しかし、尿素にはプロセスから混入する微量のオイル等の不純物が含まれており、これら第3添加物を加えただけでは導入配管の閉塞を予防することはできず不十分であった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、SCR触媒を用いたスパーク点火やディー
ゼルエンジンなどの燃焼エンジンにおいて、尿素水を連続的に供給してNOxを浄化する
装置に係るものである。この際、還元剤供給手段から還元剤としてのアンモニア源となる尿素水をSCR触媒へ導入する配管は、尿素水を噴霧状に導入する必要があるため細管であることが要求される。ディーゼルエンジン排気処理用SCR触媒に連続的に尿素水を供給すると、連続運転の長期化に伴い、内径の小さな導入配管の閉塞が認められるようになった。かかる連続運転時の不具合を鋭意検討した結果、尿素水の特定の不純物を一定濃度以下に保持すると、当該配管の閉塞を防止することができることと、特定の塩酸消費量を有する尿素を特定の水に溶解させた高純度尿素水を用いると当該配管の閉塞を防止することができることとを見出したものである。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
すなわち第1の発明は、グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水である。
第2の発明は、グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を加水分解することにより得られたアンモニアとNOx還元触媒とを用いて、NOxを還元する方法である。
第3の発明は、排気ガス中のNOxを還元するNOx還元触媒と、当該触媒の上流側に
グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を供給する尿素水供給手段と、該尿素水をアンモニアへ加水分解する尿素水加水分解手段とを有する脱硝装置である。
第4の発明はJIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度
尿素水である。
第5の発明はJIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度
尿素水を加水分解することにより得られたアンモニアとNOx還元触媒とを用いて、NOxを還元する方法である。
第6の発明は排気ガス中のNOxを還元するNOx還元触媒と、当該触媒の上流側にJIS
K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度尿素水を供給する尿素水供給手段と、該尿素水をアンモニアへ加水分解する尿素水加水分解手段とを有する脱硝装置である。
第1の発明は、グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水
素系オイル50ppm以下である尿素水である。
アンモニア源の一例として用いられる尿素および又は尿素水の製造は周知であり、液体アンモニアと炭酸ガスを加圧して製造される。成書も多く出版されている(例えば、化学史研究 VOL20 NO3(1993)、Process Economics Program Report No. 56A
SRI International (1981))。かかる周知の方法で、グアニジン100ppm
以下、ビュレット2000ppm以下の尿素を製造することができる。その他グアニジンの濃度に関しては特公昭57-49540に有るように尿素工程液をイオン交換樹脂に通して、グアニジンを吸着分離することにより、尿素製品中のグアニジン含有量を管理することが可能となり、ビュレットの濃度に関しては特開昭57-46954に有るように尿素工程液の精製条件を管理し尿素からビュレットへの生成反応を抑制することにより、尿素製品中のビュレ
ット含有量を管理することが可能となる。一方、従来、周知の製法を用いて尿素を製造すると炭化水素系オイルは50ppmを大きく越えるものとなり、炭化水素系オイルの含量が低下した尿素を製造することができなかった。しかるに、本願においては周知方法で製造した尿素を尿素溶解水槽で尿素水に変換した後、かかる尿素水をオイル分の除去に有効なオイル吸着材(珪藻土や活性炭等)で処理することにより本発明の尿素水を得ることができる。
ビュレットの含量は、銅錯塩法で定量することができる。ビュレットの含量は、2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下である。ここでビュレットの含量がこの範囲にあるとNOx還元装置において導入配管の詰まりが起こりにくい点において好ましい。
グアニジンは、イオンクロマトグラフィーで定量することがでできる。グアニジンの含量は、100ppm以下、好ましくは70ppm以下である。ここでグアニジンがこの範囲にあるとNOx還元装置において導入配管の詰まりが起こりにくい点で好ましい。
当該炭化水素系オイルは塩酸酸性下、四塩化炭素に油分を抽出分離した後に赤外吸収を測定することで定量することができる。炭化水素系オイルは50ppm以下、好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。炭化水素系オイルは50ppmを大きく超えると燃焼エンジンにおけるNOx還元装置において導入配管の詰まりが起こりやすくなる。ここで、炭化水素系オイルが還元剤である尿素水に含まれるのは、工業的な尿素製造工程において圧縮機等に潤滑油としての炭化水素系オイルが使用されているための混入と推定している。
又、ビュレット、グアニジン、炭化水素系オイルに加えて、ホルムアルデヒドの含量は10ppm以下、好ましくは3ppm以下であるとNOx還元装置において導入配管の詰
まりが起こりにくい点においてさらに好ましくなる。ここでホルムアルデヒドは、試料にアセチルアセトン−酢酸アンモニウムを添加し生じる黄色を波長420nmで測定することにより定量することができる。
一般的には尿素水は、尿素濃度20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%である。
尿素水の供給速度は、SCR還元触媒の性能、内燃機関の排気能によって、還元剤としてのアンモニアを十分な速度で供給するために支障を生じない程度に適宜調整する。
これら尿素水にアルコール類を添加することで、更に効果的に析出防止を行うことができる。アルコールの種類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールが好適である。これらの濃度は、尿素水の体積の1×10-6ないし1×10-2であり、好ましくは1×10-5ないし1×10-3である。
第2の発明は、グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を加水分解することにより得られたアンモニアとNOx還元触媒とを用いて、NOxを還元する方法である。本発明に用いるディーゼルエンジンなどの内燃機関排気処理などに用いられるNOx還元触媒(SCR触媒)としては、NOxを選択的に還元する公知の触媒あるいは公知の触媒の組み合わせでよく、例えば遷移金属又は金属酸化物である。具体的な一例として、TiO2あるいはSiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2などの二元系複合酸化物、または、WO3−SiO2−TiO2、Mo3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などの担体に、V,Cr
,Mo,Mn,Fe,Ni,Cu,Ag,Au,Pd,Y,Ce,Nd,W,In,Irなどの活性成分を担持してなるハニカム構造を有する触媒が挙げられる。
本発明のNOxを還元する方法では、尿素水タンクからSCR触媒の上流側に添加されたグアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水(第1の発明の尿素水)は、上述の触媒あるいは触媒の組み合わせにより、あるいは内燃機関内の熱により、加水分解されアンモニアを生成する。このアンモニアが還元剤として働き、排気ガス中のNOxと反応することにより排気ガス中のNOxが浄化される。従って、当該内燃機関内の温度は、尿素のアンモニアへの分解および生じたアンモニアとNOxとの両反応を促進するために、適宜十分高く設定される。処理を必要とする内燃機関内のNOx(多くはNO2)は、典型的には内燃機関内に100〜
1100ppm含まれる。
さらに、第3の発明は、排気ガス中のNOxを還元するNOx還元触媒と、当該触媒の
上流側にグアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を供給する尿素水供給手段と該尿素水をアンモニアへ加水分解する尿素水加水分解手段とを有する脱硝装置である。ここで尿素水供給手段としては、例えばグアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水(第1の発明の尿素水)を備蓄したタンクが用いられる。この場合には該尿素水タンクを上流側に設置し、下流のSCR触媒に配管を通して導く。かかる尿素水は、SCR触媒に対して噴霧状に添加されることが好ましい。従って、尿素水タンクからSCR触媒直前の配管は、噴霧状の添加ができるような内径の小さい配管となることが好ましい。内燃機関を連続運転するためには、尿素水供給手段を連続的に作動させることが必要であり、尿素水を連続的に供給することが必要である。
尿素水加水分解手段としては、グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を、加水分解しアンモニアを得ることができれば良いが、排気系に供給された該尿素水を、排気ガスの熱で加熱することにより、加水分解し、アンモニアを得る方法が簡便で好ましい。
第4の発明は、JIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純
度尿素水である。
本発明に用いる尿素は、塩酸消費量は6.0m1未満が好ましい。さらに好ましくは5.0m1未満である。塩酸消費量は尿素中の塩基性成分を測定する方法で日本工業規格(JIS K1458)に記載されている方法である。すなわち、固体の尿素20.0gを炭酸を含まない水50m1
に溶解させ、N/50塩酸で滴定し、滴定に要したN/50塩酸の量が塩酸消費量である。塩酸消費量が6.0mlを超えた場合には内燃機関排気処理用NOx還元触媒のアンモニア源として用いた場合内燃機関排気処理用NOx還元触媒として、あるいは当該触媒の上流側に還元剤を供給する還元剤供給手段を有する脱硝装置において臭気の点などで問題となることがわかった。これは、尿素の加水分解が促進されアンモニアの発生量が大きくなるものと推測している。作業環境上の問題から気相部のアンモニア濃度は日本産業衛生学会の許容濃度25ppmを超えない事が望ましい。ここで気相部のアンモニア濃度は一般的な検知管で測定す
る。
この固体状の尿素は硬さ、流動性が良く、かつ粒度分布を一定化させるために造粒されることが多い。造粒時には尿素の融点(135℃)以上の温度とする必要がある。尿素の溶融
時に尿素が一部分解し、アンモニア等を生成する。
塩酸消費量の少ない尿素とするためには、揮発性の塩基性物質、この場合はアンモニアを減少させる必要がある。アンモニアを減少させる方法として、製造した粒状の尿素を所
定の塩酸消費量となるまで放置し、自然に放散させる方法、空気等の尿素にとって不活性な気体と接触させて効率的に放散させる方法、造粒した尿素を破砕し、放散面積を大きくして放散させる方法等がある。
造粒した粒子を処理する以外に、合成工程から得られた尿素水溶液から尿素を晶析、ろ過し、得られた尿素結晶を乾燥させる方法がある。
尿素を溶解させる水は、電気伝導度が0.3mS/m以下の純水を用いる。この電気伝導度を有する水を内燃機関排気処理用NOx還元触媒のアンモニア源として用いた場合には、ディ
ーゼルエンジンを連続運転した場合に尿素の供給配管に詰まりが発生しない点において好ましい。ここで、この純水は通常の製造方法、例えばイオン交換樹脂、逆浸透膜等を用いる周知の方法により得ることが出来る。水の電気伝導度が0.3mS/mより高くなると連続運転を行った場合に配管の詰まりが生じる場合がある。無機電解質の増加により尿素の水への溶解度が影響されるためと推定している。
溶解時の温度は、好ましくは10ないし60℃、更に好ましくは30ないし50℃である。この濃度範囲の尿素をこの温度範囲で溶解させることで初めて高純度の尿素水が製造され、内燃機関排気処理用NOx還元触媒のアンモニア源として使用可能な尿素水が得られることが
わかった。尿素を水に添加すると尿素の溶解熱により温度が低下する。溶解温度が10℃より低い場合には、尿素の溶解速度が小さくなり、極端な場合には尿素水そのものが凍結する危険性がある。溶解時の温度が60℃よりはるかに高い場合には内燃機関排気処理用NOx
還元触媒のアンモニア源として用いた場合に臭気の点などで問題となることがわかった。第5の発明はJIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度尿
素水を加水分解することにより得られたアンモニアとNOx還元触媒とを用いて、NOxを還元する方法である。本発明に用いるディーゼルエンジンなどの内燃機関排気処理などに用いられるNOx還元触媒(SCR触媒)としては、NOxを選択的に還元する公知の触媒あるいは公知の触媒の組み合わせでよく、例えば遷移金属又は金属酸化物である。具体的な一例として、TiO2あるいはSiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2などの二元系複合酸化物、または、WO3−SiO2−TiO2、Mo3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などの担体に、V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,Cu,
Ag,Au,Pd,Y,Ce,Nd,W,In,Irなどの活性成分を担持してなるハニカム構造を有する触媒が挙げられる。
本発明のNOxを還元する方法では、尿素水タンクからSCR触媒の上流側に添加されたJIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿
素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度尿素水(第4の発明の尿素水)は、上述の触媒あるいは触媒の組み合わせにより、あるいは内燃機関内の熱により、加水分解されアンモニアを生成する。このアンモニアが還元剤として働き、排気ガス中のNOxと反応することにより排気ガス中のNOxが浄化される。従って、当該内燃機関内の温度は、尿素のアンモニアへの分解および生じたアンモニアとNOxとの両反応を促進するために、適宜十分高く設定される。処理を必要とする内燃機関内のNOx(多くはNO2)は、典型的には内燃機関内に100〜1100ppm含まれる。
さらに、第6の発明は、排気ガス中のNOxを還元するNOx還元触媒と、当該触媒の
上流側にJIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未
満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度尿素水を供給する尿素水供給手段と該高純度尿素水をアンモニアへ加水分解する尿素水加水分解手段とを有する脱硝装置である。ここで尿素水供給手段としては、例えばJIS K1458に記載した塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させること
により得られる高純度尿素水(第4の発明の尿素水)を備蓄したタンクが用いられる。こ
の場合には該尿素水タンクを上流側に設置し、下流のSCR触媒に配管を通して導く。かかる高純度尿素水は、SCR触媒に対して噴霧状に添加されることが好ましい。従って、尿素水タンクからSCR触媒直前の配管は、噴霧状の添加ができるような内径の小さい配管となることが好ましい。内燃機関を連続運転するためには、尿素水供給手段を連続的に作動させることが必要であり、高純度尿素水を連続的に供給することが必要である。
尿素水加水分解手段としては、JIS K1458に記載した塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を
電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度尿素水を、加水分解しアンモニアを得ることができれば良いが、排気系に供給された該高純度尿素水を、排気ガスの熱で加熱することにより、加水分解し、アンモニアを得る方法が簡便で好ましい。
以下、図面に基づいて本発明の一つの実施形態を例示的に説明するが、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る内燃機関のSCRシステムを示した構成図である。同図に示すように、SCRシステムは、エンジン1の排気系に設けられたNOx触媒であるSCR触媒2と、還元剤である尿素水を貯蔵する尿素水タンク3と、尿素水タンク3内の尿素水を供給管4に供給する尿素水供給部5と、供給管4により送液される尿素水を排気系に供給する尿素水添加ノズル6と、エンジン1の回転数、燃料噴射量等を制御するエンジンECU7と、SCR触媒2を通過する前後の排気ガス8の温度を検出する温度センサ9および10と、これらの装置を制御するコントロールユニット11とからなる。
尿素水タンク3には、尿素水の量を検出するレベルセンサ12が設けられている。また、尿素水タンク3内の尿素水は、尿素水供給部5にて尿素水の添加量が制御され、供給管4を通過後、尿素水添加ノズル6からSCR触媒2の上流側の排気系に添加される。
SCRシステムの作動方法に関しては、コントロールユニット11が統括制御を行う。まず、エンジンECU7が管理するエンジン1の運転状態(回転数、燃料噴射量等)、エンジンECU7にプログラムされたマップからのNOx推定排出量、SCR触媒2の前後における排気ガス温度および前記マップからのNOx浄化率等に基づいて尿素水添加量を算出する。次に、算出された添加量に基づいて、尿素水供給部5を駆動制御することにより尿素水と圧縮エア13とを混合し、尿素水添加ノズル6から尿素水を噴霧する。
排気系に供給された尿素水は、排気ガスの熱で加水分解されアンモニアとなる。このアンモニアが還元剤として働くことで、排気ガス中のNOxを浄化する。
装置内配管の閉塞等を防止することで、脱硝装置の安定的な運転を確保する。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
グアニジン100ppm、ビュレット2,000ppm、炭化水素系オイル50ppm
である尿素水32.5%を9.6L作成し、出口弁にスプレーノズルを付属した1L容器に入口弁より0.8L充填した。入口弁から窒素で0.3MPaに加圧して、出口弁を開いてノズルより尿
素水を噴霧した。0.8L全量噴霧後、0.8L充填と噴霧を12回繰返し実施した。その結果を表1に記載した。
[実施例2]
グアニジン50ppm、ビュレット1,000ppm、炭化水素系オイル30ppmで
ある尿素水32.5%を9.6L作成し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1に記載した。
[比較例1]
グアニジン200ppm、ビュレット5,000ppm、炭化水素系オイル500pp
mである尿素水32.5%を9.6L作成し、実施例と同様の試験を行った。その結果を表1に記載した。
[比較例2]
グアニジン200ppm、ビュレット5,000ppm、炭化水素系オイル100pp
mである尿素水32.5%を9.6L作成し、実施例と同様の試験を行った。その結果を表1に記載した。
Figure 2007145796
[実施例3]
グアニジン100ppm、ビュレット1,000ppm、炭化水素系オイル50ppmである尿素水32.5%を作成し、JIS K0065「化学製品の凝固点測定方法」にて凝固点を測定した。その結果は-12.3℃であった。
[実施例4]
グアニジン100ppm、ビュレット2,000ppm、炭化水素系オイル50ppm
である尿素水32.5%を作成し、JIS K0065「化学製品の凝固点測定方法」にて凝固点を測定した。その結果は-12.1℃であった。
[比較例3]
グアニジン100ppm、ビュレット5,000ppm、炭化水素系オイル50ppm
である尿素水32.5%を作成し、JISK0065「化学製品の凝固点測定方法」にて凝固点を測定した。その結果は-11.9℃であった。
[比較例4]
グアニジン100ppm、ビュレット50,000ppm、炭化水素系オイル50pp
mである尿素水32.5%を作成し、JISK0065「化学製品の凝固点測定方法」にて凝固点を測定した。その結果は20℃であった。
[尿素水の調製]
塩酸消費量3.0、4.8、7.0mlの尿素をそれぞれ電気伝導度0.3mS/m未満の水に尿素濃度が32.5重量%となるように溶解させた。
[実施例5および比較例5]
前記[尿素水の調製]で調製した尿素水を室温で87時間放置した。このときの気相のアンモニア濃度を測定した。結果を表2に示す。
[実施例6および比較例6]
前記[尿素水の調製]で調製した尿素水を40℃で87時間放置した。このときの気相のアンモニア濃度を室温に冷却後測定した。結果を表2に示す。
Figure 2007145796
図1は内燃機関のSCRシステムを示した構成図である。
符号の説明
1 エンジン
2 SCR触媒
3 尿素水タンク
4 供給管
5 尿素水供給部
6 尿素水添加ノズル
7 エンジンECU
8 排気ガス
9 温度センサ
10 温度センサ
11 コントロールユニット
12 レベルセンサ
13 圧縮エア

Claims (6)

  1. グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水。
  2. グアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を加水分解することにより得られたアンモニアとNOx還元触媒とを用いて、NOxを還元する方法。
  3. 排気ガス中のNOxを還元するNOx還元触媒と、
    当該触媒の上流側にグアニジン100ppm以下、ビュレット2000ppm以下、炭化水素系オイル50ppm以下である尿素水を供給する尿素水供給手段と、
    該尿素水をアンモニアへ加水分解する尿素水加水分解手段とを有する脱硝装置。
  4. JIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿
    素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度尿素水。
  5. JIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿
    素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる高純度尿素水を加水分解することにより得られたアンモニアとNOx還元触媒とを用いて、NOxを還元する方法。
  6. 排気ガス中のNOxを還元するNOx還元触媒と、
    当該触媒の上流側にJIS K1458に記載された塩酸消費量の求め方により求めた塩酸消費量が6.0m1未満の尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させることにより得られる
    高純度尿素水を供給する尿素水供給手段と、
    該尿素水をアンモニアへ加水分解する尿素水加水分解手段とを有する脱硝装置。
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