JPH11319084A - 点滴ユニットおよびその使用方法 - Google Patents

点滴ユニットおよびその使用方法

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JPH11319084A
JPH11319084A JP10142329A JP14232998A JPH11319084A JP H11319084 A JPH11319084 A JP H11319084A JP 10142329 A JP10142329 A JP 10142329A JP 14232998 A JP14232998 A JP 14232998A JP H11319084 A JPH11319084 A JP H11319084A
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JP
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blood
conduit
drip chamber
drip
unit
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Application number
JP10142329A
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English (en)
Inventor
Kentaro Yajima
健太郎 矢島
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な点滴ユニット、及びその使用方法の提
供。 【解決手段】 従来の点滴ユニットのドリップチャンバ
ーの代わりに、チャンバー空間内に開口するノズル(21)
と、一端がチャンバー外に開口し、他端が前記ノズルよ
りも下方においてチャンバー空間内に開口する、気体は
通すが液体を通さないフィルター(23)を流路途中に有す
る流通路(22)とを備えたドリップチャンバー(2) を用い
る。点滴ユニット内に封入されている滅菌エアーをドリ
ップチャンバーの流通路(22)より排出させて血液等を点
滴ユニット内に自動的に充填させることができる。ま
た、輸注終了時に、流通路(22)からエアーを点滴ユニッ
ト内に導入することで、残留する血液等を効率よく回収
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点滴ユニット及び
それらの使用方法に関する。本発明の点滴ユニットは、
血液または輸液を輸注する際、あるいは血液または血液
成分から白血球を除去しながら輸注する際に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、医学、特に免疫学の進歩により治
療の目的に適した血液、血液成分または輸液を患者に輸
注することで絶大な治癒効果が得られている。輸血を実
施するには、主に血液導入針、ドリップチャンバー(点
滴筒)、輸血針を接続するための接続アダプターなどを
チューブで接続した輸血セットを、輸血される血液の入
った容器に接続し、落差によって患者の静脈に輸血する
ことや、輸血セットにさらに白血球除去フィルターなど
の血液フィルターを追加した白血球除去血輸血用ユニッ
トを、輸血される血液または血液成分の入った容器に接
続し、落差によって患者の静脈に輸血することが一般的
になっている。
【0003】これらの輸血セットや白血球除去血輸血用
ユニットには、患者に直接輸血する際に用いるため、患
者の静脈にエアーが混入することを防止するエアー溜め
と、輸血流量の確認が可能なドリップノズルとを有する
ドリップチャンバーなどが用いられている。このドリッ
プチャンバーの機能を十分に得るために、輸血セットや
白血球除去血輸血用ユニットを用いる最初にドリップチ
ャンバー内に血液または血液成分を1/3から1/2貯
留するため、ドリップチャンバーを逆さにするなどのプ
ライミング操作が必要であることや、輸血終了時の輸血
セットや白血球除去血輸血用ユニット内には、患者の治
療に有効な血液または血液成分が残留するため、残留す
る血液または血液成分回収操作が必要であること等の欠
点があった。
【0004】すなわち、それらの煩雑なプライミング操
作、及び回収操作を医療従事者に要求することが問題で
あるため、輸血セットや白血球除去血輸血用ユニットを
用いて血液または血液成分を処理する操作を簡便にする
改良が望まれている。この問題点は、輸液を輸注するた
めの輸液セットでも全く同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の従来技術の欠点を克服し、血液、血液成分または輸液
を処理する輸血セットや輸液セットの様な点滴ユニッ
ト、及び白血球除去血輸血用の点滴ユニットにおいて、
プライミング操作、及びユニットからの残留血液の排
出、回収操作を簡便に実施することができ、操作性に優
れた点滴ユニットおよび白血球除去血輸血用点滴ユニッ
トを提供することにある。また、本発明の他の課題は、
この白血球除去血輸血用点滴ユニットを用いて白血球を
効率的に除去するとともにその点滴ユニット内に残留し
ている血液および血液成分をユニットから排出し回収す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、図1の模
式図に示すように、従来のドリップチャンバーの代わり
に、チャンバー空間内に開口するノズル(21)と、一端が
チャンバー外に開口し、他端が前記ノズルよりも下方に
おいてチャンバー空間内に開口する流通路であって該流
通路内に気体は通すが液体を通さないフィルター(23)が
設けられた流通路(22)を有するドリップチャンバー(2)
を用いることにより、血液、血液成分または輸液を点滴
ユニットに自動的に充填させ、充填終了時には自動的に
停止させることや、輸注終了時に簡便な操作でユニット
内に残留する血液、血液成分または輸液を、効率よくユ
ニット外に排出し回収できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】また、図2の模式図に示すように、従来の
血液導入針の代わりに、内部に2本の互いに独立した第
一の流通路、及び第二の流通路を有する血液導入二重穿
刺針(3) を用い、この第一の流通路を白血球除去フィル
ター装置(4) を介して前記のドリップチャンバーのノズ
ル(21)と接続し、第二の流通路を前記のドリップチャン
バーの流通路(22)とバイパス管(13)を介して接続させる
ことで、白血球が除去された血液または血液成分を効率
よく輸血した後、無駄なく回収できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、図1に示すように少な
くとも、上流側に穿刺針(1) 、下流側に下記ドリップチ
ャンバー空間内に貫入し開口しているノズル(21)を有す
る第一の導管(11)と、前記第一の導管の下流側に接続さ
れたドリップチャンバー(2)と、一端が前記ドリップチ
ャンバー空間内に開口し他端が前記ドリップチャンバー
外に開口しており、前記ドリップチャンバーに接続され
た流通路(22)と、前記ドリップチャンバーの下流側で該
ドリップチャンバーに接続された第二の導管(12)とから
なり、前記流通路の前記ドリップチャンバー空間内に開
口している側の端部は前記ノズルよりも下方において開
口しており、且つ前記流通路の流路途中には気体は通す
が液体は通さないフィルター(23)を有する点滴ユニット
である。
【0009】また、本発明は、上記におけるフィルター
(23)が除菌機能を有するものである点滴ユニットであ
る。
【0010】更に本発明は、図2に示すように穿刺針
(1) が内部に2本の互いに独立した第一の流通路及び第
二の流通路を有する血液導入二重穿刺針(3) であり、第
一の導管(11)が前記血液導入二重穿刺針(3) の第一の流
通路に接続されており、且つ前記血液導入二重穿刺針
(3) の前記第二の流通路と流通路(22)のドリップチャン
バー(2) 外に開口している一端がバイパス管(13)で接続
されている点滴ユニットであり、好ましくは前記第一の
導管(11)途中に白血球除去フィルター装置(4) が設けら
れている白血球除去血輸血用の点滴ユニットである。
【0011】さらに本発明は、少なくとも次のA)〜E)の
工程、 A) 第二の導管(12)の流通を遮断する、 B) 穿刺針(1) を血液または輸液の入った容器に穿刺す
る、 C) 前記容器内の血液または輸液を穿刺針(1) 、第一の
導管(11)、ドリップチャンバー(2) の順に流下させる、 D) 第二の導管(12)の流通を開放し、第二の導管(12)に
血液または輸液を流下させる、 E) 点滴ユニット外のエアーをフィルター(23)および流
通路(22)を経てドリップチャンバー内に導入することに
より、点滴ユニット内に残留する血液または輸液を第二
の導管(12)から排出させる、 をこの順に行うことを特徴とする、前述の点滴ユニット
を使用する方法である。
【0012】さらにまた本発明は、少なくとも次のA)〜
F)の工程、 A) 第二の導管(12)の流通を遮断する、 B) 血液導入二重穿刺針(3) を血液の入った容器に穿刺
する、 C) 該血液容器内の血液を血液導入二重穿刺針(3) の第
一の流通路より第一の導管(11)、白血球除去フィルター
装置(4) 、ドリップチャンバー(2) の順に流下させる、 D) 第二の導管(12)の流通を開放し、第二の導管(12)に
血液を流下させる、 E) 該血液容器内に貯留されているエアーを血液導入二
重穿刺針(3) の第一の流通路、第一の導管(11)を経て白
血球除去フィルター装置(4) に導入することにより、点
滴ユニット内に残留する血液を該点滴ユニットから排出
させる、 F) 又は/及び前記血液容器内に残留するエアーを血液
導入二重穿刺針(3) の第二の流通路、バイパス管(13)、
ドリップチャンバー(2) の順に流下させることにより、
点滴ユニット内に残留する血液を第二の導管(12)から排
出させる、 をこの順に行うことを特徴とする前記の白血球除去血輸
血用の点滴ユニットを使用する方法である。
【0013】本発明の穿刺針は、血液容器に液密に連通
するための穿刺針であり、容器内の血液、血液成分また
は輸液を点滴ユニット内に導入するものである。このよ
うな穿刺針としては公知のプラスチック針、金属針など
を用いることができる。
【0014】本発明で使用する血液導入二重穿刺針と
は、少なくとも内部に2本の互いに独立した第一の流通
路、及び第二の流通路を有する、血液容器に液密に連通
するための二重構造の穿刺針であり、血液容器内の血液
または血液成分を白血球除去血輸血ユニット内に導入す
ると同時に、バイパス管より白血球除去血輸血ユニット
内に封入している滅菌エアーを血液容器内に回収し、貯
留することを可能にするものである。
【0015】二重穿刺針の2本の互いに独立した第一の
流通路、及び第二の流通路において、第一の流通路を流
れる血液に第二の流通路から回収される滅菌エアーが巻
き込まれない様にするため、血液容器内での穿刺部分の
開口部は、大きさ、位置、形状などを工夫することが好
ましい。例えば、二重穿刺針を輸血される血液または血
液成分の入った血液容器に液密に連通した際、血液容器
内での穿刺部分の下側に、血液容器から血液を導入する
のに適した開口部の大きい第一の流通路を配置し、血液
容器内での穿刺部分の上側に、白血球除去血輸血ユニッ
トからの滅菌エアーを第一の流通路に巻き込ませずに血
液容器内に排出するのに適した開口部の小さい第二の流
通路を配置することなどが好ましい。
【0016】図3は、血液導入二重穿刺針の好ましい態
様の一例を示す縦断面図である。図3の二重穿刺針にお
いては、第一の流通路の開口部(31a) の位置を第二の流
通路の開口部(32a) の位置より下側に配置し、且つ第一
の流通路(31)の開口部(31a)の横断面積を、第二の流通
路(32)の開口部(32a) の横断面積より大きくしてある。
それゆえ二重穿刺針を血液または血液成分の入った血液
容器に穿刺して液密に連通させた際、穿刺された二重穿
刺針の穿刺部分(33)において、血液容器内から第一の流
通路の開口部(31a) 、第一の流通路の開口部(31b) を経
て第一の導管に流下する血液または血液成分に、バイパ
ス管を経て第二の流通路の開口部(32b)、第二の流通路
の開口部(32a) の方向に移動し、血液容器に回収される
滅菌エアーが巻き込まれない。
【0017】図3は本発明に用いられる二重穿刺針の内
部構造の好適な態様の一例であるが、この例に限らず、
血液の粘度や性状を考慮して第一の流通路を流れる血液
または血液成分に第二の流通路から回収される滅菌エア
ーが巻き込まれないように穿刺部分の開口部の大きさ、
位置、形状などを工夫することが好ましい。
【0018】本発明の第一の導管、第二の導管、及びバ
イパス管は、各部分を液密に接続し、気体および/また
は液体を流すための中空管であり、可撓性のチューブが
好んで用いられる。また、この部分に、使用目的に合わ
せてクランプ、流量調整器付きローラークランプ、鉗子
等の流路閉鎖器具や、逆止弁(チェックバルブ)等の安
全弁を装着することができる。
【0019】本発明に用いられる白血球除去フィルター
装置は、少なくとも上流側空間と白血球除去フィルター
材と下流側空間とから構成されるものであって、血液中
の白血球のみ、または白血球および血小板を選択的に捕
捉するが、他の血液成分は実質的に通過させるフィルタ
ー装置である。この白血球除去フィルター装置の主フィ
ルター材には、繊維状物質、多孔性物質、粒子状物質か
らなる周知の白血球除去用フィルター材を用いることが
できる。また性状としては親水性材料、疎水性材料いず
れも使用することができる。
【0020】フィルター素材の形態としては、繊維状物
質、あるいは多孔体物質のものが白血球の捕捉効率が良
く、好ましいものである。繊維状物質の形態としては、
織物状、不織布状、綿状いずれも使用できるが、血液の
通液性、及び白血球除去効率の観点から不織布状のもの
が特に好ましい結果を与える。上記白血球除去フィルタ
ー装置の好適な一例としては、不織布をフィルターの主
要材料として容器に充填したものが挙げられる。繊維の
直径は、0.3 μm から20μm 程度のものが用いられ、繊
維の素材としては、合成繊維、再生セルロースの様な半
合成繊維、綿の様な天然繊維、無機繊維等が用いられ
る。なかでも合成繊維、例えばポリエチレンテレフタレ
ート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリ
ル等の繊維が好ましく用いられる。
【0021】また、血小板の捕捉を抑え、白血球のみを
選択的に吸着できる様にするために不織布表面を血小板
低捕捉性高分子でコーティングすることもできる。この
ようなコーティング材料としては、例えばジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートとの共重合体の様に塩基性含窒素官能
基を有する高分子材料が挙げられる。
【0022】本発明で使用するドリップチャンバーは、
通常知られているように患者の静脈にエアーが混入する
ことを防止するためのものであり、筒状の空間部とその
上流側および下流側にそれぞれ連通する第一及び第二の
導管とを基本構造とする。
【0023】本発明のドリップチャンバーは、チャンバ
ー空間上流側においては第一の導管と液密に接続されて
おり、該第一の導管の下端を形成するノズルはチャンバ
ー空間内に貫入し開口している。ノズルとは、血液、血
液成分または輸液が雫状に滴下する構造になっているも
のを言い、通常は細い円筒状をなしており、そこからの
液の滴下量を点滴若しくは輸血速度の調整の目安とする
ためのものである。また、このドリップチャンバー空間
には第1の導管及び第二の導管とは異なる流通路が液密
に接続されており、該流通路の一端は前記ノズルよりも
チャンバーの下流位置において開口している。なお、流
通路は他端においてドリップチャンバー外に開口してお
り、また該流通路途中には気体は通すが液体を通さない
フィルターを有している。
【0024】流通路は、一端がチャンバー外に開口し、
他端が上述のノズルよりもドリップチャンバー空間の下
流部位で開口している導管である。このドリップチャン
バー内における開口位置は、血液、血液成分または輸液
をドリップチャンバー内に該チャンバー容積の約1/3
から1/2貯留し得る位置でなければならない。この流
通路は、従来往々にして行われていたようにドリップチ
ャンバーを上下逆さにすることなく、ドリップチャンバ
ーの筒内に血液、血液成分または輸液が1/3から1/
2貯留し、さらに流通路へ流れ込んで流通路途中に設け
られている気体は通すが液体を通さないフィルターに到
達して停止するまで、点滴ユニットまたは白血球除去血
輸血ユニット内のエアーをドリップチャンバー外へ排出
することを可能にするものである。
【0025】流通路途中に設けられる、気体は通すが液
体を通さないフィルターとは、例えば疎水性フィルター
等、気体の選択的な流通を可能にし、血液、血液成分ま
たは輸液等は通さず、点滴ユニットまたは白血球除去血
輸血ユニット内に導入された血液、血液成分または輸液
がこのフィルターに到達したときに停止することを可能
するものである。疎水性を呈するフィルターの材質は限
定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など
が好適に用いられる。また、このフィルターは除菌作用
を有するものであることが好ましい。一般的に、公称孔
径が0.45μm 以下、好ましくは公称孔径が0.22μm のフ
ィルターであれば除菌作用を有するとされているので、
疎水性で且つ孔径が0.22μm の市販のフィルターが本発
明のフィルターとして好適に用い得る。
【0026】図4はドリップチャンバーの好ましい態様
の一例を示す縦断面図である。図4のドリップチャンバ
ー(2) では、ノズル(21)と流通路(22)とが共にチャンバ
ー空間内にドリップチャンバー上部より貫入し開口して
いるが、ノズル(21)の開口端に比べて、流通路(22)の開
口端が下方の、ドリップチャンバー内に血液、血液成分
または輸液を約1/2貯留する位置にある。それゆえ、
ノズル(21)から流下する血液、血液成分または輸液は、
ドリップチャンバーを上下逆さにしなくても、ドリップ
チャンバーの筒内に約1/2貯留された後、さらに流通
路へ流れ込み、流通路内の気体は通すが液体を通さない
フィルター(23)に到達して停止するまで、ドリップチャ
ンバー内のエアーを流通路(22)から外へ排出することが
出来る。
【0027】図4に限らず、ドリップチャンバーのノズ
ル(21)及び流通路(22)において、ドリップ用のノズル(2
1)から雫状に滴下する血液、血液成分または輸液がドリ
ップチャンバー内の流通路(22)に触れてしまい滴下量が
判断できなくなり、その結果、輸血速度を調整すること
ができなくなることを発生させない様にするため、ドリ
ップチャンバー内でのノズル(21)、及び流通路(22)の大
きさ、相対的位置、形状などを工夫することが好まし
い。
【0028】本発明のような点滴ユニットまたは白血球
除去血輸血用の点滴ユニットは医療用具であるから、菌
による汚染を防止するため、通常、滅菌袋に封入された
後、放射線等の照射滅菌、エチレンオキサイドガス滅
菌、オートクレーブ滅菌などの滅菌が施されるので、ユ
ニット内および滅菌袋内には滅菌エアーが封入されてい
る。本発明では、このユニット内に残存する滅菌エアー
が、ユニット使用終了時に残存しがちな血液および血液
成分をユニット外に排出し回収するために利用される。
滅菌袋とは、袋内の被滅菌物を袋外から滅菌することが
可能であり、滅菌後の袋内の無菌性を維持できる袋やケ
ースなどの梱包材をいう。
【0029】次に、本発明の点滴ユニットおよびそれを
用いて血液、血液成分または輸液を輸注する方法につい
て、図面を用いてさらに詳細に説明する。 図5は本発
明の実施態様の一例を示す模式図である。図5の例で
は、第一の導管(11)、第二の導管(12)、及び流通路(22)
の流路途中部分にそれぞれ流路閉鎖器具(5) 、(6) 、及
び(7) を設けて、必要に応じてこれらを開閉できるよう
にしてある。閉鎖装置(6) は患者への輸注速度を調整す
るため、流量調整器付きのローラークランプであること
が望ましい。流路閉鎖器具(5) 及び(7) には任意のクラ
ンプ類が使用できる。
【0030】まず、クランプ(5) 、(6) 及び(7) を閉
じ、穿刺針(1) を点滴される血液、血液成分または輸液
の入った容器に穿刺して液密に連通する。ここでは容器
内に血液が入っていたものとして説明する。次にクラン
プ(5) 及び(7) を開け、穿刺針(1) を通して第一の導管
(11)に血液を少量導入することで、点滴ユニット内に血
液の重力落差を生じさせる。この落差により血液は、第
一の導管(11)、ドリップチャンバー(2) の順に下流側に
流下する。それと同時に点滴ユニット内に予め封入され
ていた滅菌エアーは、第一の導管(11)、ドリップチャン
バー(2) 、流通路(22)、及び流通路内のフィルター(23)
の順に移送され、点滴ユニット外に排出される。
【0031】点滴ユニット内に導入された血液は、ドリ
ップチャンバー筒内の約1/2を満たした後、流通路(2
2)に流れ込み、流通路途中に設けられた気体は通すが液
体を通さないフィルター(23)に到達して停止する。血液
の流れが停止した後、クランプ(7) を閉める。
【0032】第二の導管(12)の下流側(患者側)末端に
接続アダプター(8) を接続し、流量調整器付きのローラ
ークランプ(6) を開ける。血液が接続アダプター(8) の
所まで流下したらローラークランプ(6) を閉じ、接続ア
ダプターに輸血用注射針を取り付け、点滴開始の準備が
完了する。接続アダプターとは、点滴の時に使用される
輸血用注射針を接続するためのアダプターであり、ルア
ーロック式のコネクター、タコ管等が一般に使用されて
いる。また、接続アダプター(8) に輸血用注射針を接続
しておくこともできる。
【0033】ローラークランプ(6) を開け、輸血用注射
針先端まで血液で満たした後、ローラークランプ(6) を
閉じ、輸血針を患者の静脈に穿刺した後、ローラークラ
ンプ(6) を少しずつ開いていき、ドリップチャンバー内
のノズル(21)からの雫をカウントしながら輸注速度を調
節する。かくして血液、血液成分または輸液が患者に輸
注される。
【0034】容器内の血液が点滴ユニット内に流下し容
器内が空になった後、クランプ(7)を開け、大気中のエ
アーを流通路内のフィルター(23)を経て流通路(22)から
ドリップチャンバー(2) 、第二の導管(12)の順に導入す
ることにより、ドリップチャンバー下流側に残留する血
液を第二の導管(12)の下流側(患者側)末端の方向に流
下させ、血液をユニット内に無駄に残留させずに輸注す
ることができる。
【0035】次に、本発明の白血球除去血輸血ユニット
を用いて血液、血液成分または輸液を輸血する方法につ
いて、図面を用いて詳細に説明する。図6は本発明の第
二の実施態様の一例を示す模式図である。図6において
も、図5の例と同様に第一の導管(11)、第二の導管(1
2)、及び流通路(22)の流路途中部分にそれぞれ流路閉鎖
器具(5) 、(6) 、及び(7) を設けて、必要に応じてこれ
らを開閉できるようにしてある。閉鎖装置(6) は患者へ
の輸注速度を調整するため、流量調整器付きのローラー
クランプであることが望ましい。流路閉鎖器具(5) 及び
(7) には任意のクランプ類が使用できる。
【0036】次にクランプ(5) 及びローラークランプ
(6) を開け、血液導入二重穿刺針(3)の第一の流通路を
通して第一の導管(11)に血液を少量導入した後ローラー
クランプ(6) を閉じるか、もしくは第一の導管(11)途中
に付加的に導管よりも流路断面積の大きな軟質素材から
なる小袋状の貯留器具(9) を設けて、これを握り、放す
ことにより、血液導入二重穿刺針(3) の第一の流通路を
通して第一の導管(11)に血液を少量誘導することで、白
血球除去血輸血ユニット内に血液または血液成分の重力
落差を生じさせる。
【0037】貯留器具とは、流体の貯留が可能な空間を
持った小袋状の容器であり、内部に血液または血液成分
を1/3から1/2貯留し、白血球除去フィルター装置
へのエアー巻き込みを防止し、ブロッキングを回避する
目的のために血液導入二重穿刺針(3) と白血球除去フィ
ルター装置(4) との間の第一の導管(11)の途中に液密に
設けられるものである。なお、貯留器具(9) には微小凝
集塊を除去するフィルターを装着してもよい。
【0038】次にクランプ(7) を開ける。この操作によ
り血液は第一の導管(11)、貯留器具(9) 、白血球除去フ
ィルター装置(4) 、ドリップチャンバー(2) の順に流下
する。それと同時に白血球除去血輸血ユニット内に封入
されている滅菌エアーは、血液に押されて第一の導管(1
1)、貯留装置(9) 、白血球除去フィルター装置(4) 、ド
リップチャンバー(2) 、流通路(22)、フィルター(23)及
びバイパス管(13)の順に移動し、血液導入二重穿刺針
(3) の第二の流通路を経て上部に据えられている血液の
入った容器に回収され、貯留される。なお、血液中の白
血球は白血球除去フィルター装置(4) を通過する際に捕
捉、除去される。
【0039】白血球除去血輸血ユニット内に導入された
血液または血液成分は、ドリップチャンバー筒内の1/
3から1/2を満たした後、流通路(22)へ移送され、流
通路内の気体は通すが液体を通さないフィルター(23)に
到達したときに停止する。血液または血液成分の流れが
停止した後、クランプ(7) を閉める。
【0040】第二の導管(12)の下流側(患者側)末端に
接続アダプター(8) を付属させ、ローラークランプ(6)
を開ける。血液または血液成分が接続アダプター(8) の
所まで流下したら、ローラークランプ(6) を閉じ、接続
アダプターに輸血用注射針を取り付け、輸血開始の準備
が完了する。
【0041】ローラークランプ(6) を開け、輸血用注射
針先端まで血液で満たした後、ローラークランプ(6) を
閉じ、輸血針を患者の静脈に穿刺した後、ローラークラ
ンプ(6) を少しずつ開いていき、ドリップチャンバー内
のノズル(21)からの雫をカウントしながら輸血速度を調
節する。かくして白血球が除去された血液が患者に輸血
される。
【0042】容器内の血液が白血球除去血輸血ユニット
内に流下し容器内の血液が無くなった後、容器内に貯留
した滅菌エアーを血液導入二重穿刺針(3) の第一の流通
路より、第一の導管(11)、貯留装置(9) 、白血球除去フ
ィルター装置(4) の上流側空間の順に移動させることに
より、白血球除去血輸血ユニット内の白血球除去フィル
ターの上流側に残留する血液を下流側のドリップチャン
バー(2) の方向に流下させることができる。
【0043】さらにクランプ(7) を開け、容器内に貯留
した滅菌エアーを血液導入二重穿刺針(3) の第二の流通
路よりバイパス管(13)、流通路(22)、流通路内のフィル
ター(23)、ドリップチャンバー(2) 、第二の導管(12)の
順に移動させることにより、白血球除去フィルター装置
の下流側に残留する血液を下流側(患者側)末端の方向
に流下させ、血液をユニット内に無駄に残留させずに輸
血することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明をより
詳細かつ具体的に説明する。
【0045】
【実施例1】図5に示される点滴ユニットの構成要素を
それぞれ次のサイズで作成した。穿刺針(1) は市販のプ
ラスチック製スパイク針、第一の導管(11)は内径2.9mm
、長さ 300mmのポリ塩化ビニル製のチューブ、ドリッ
プチャンバー(2) は長さ(内寸)60mm、内径φ18mmのポ
リ塩化ビニル製の円筒状物、ドリップチャンバー空間内
のノズル(21)は外径 3.0mm、内径1.8mm 、長さ(ドリッ
プチャンバーの空間上部より)12mmの細管、ドリップチ
ャンバー空間内の流通路(22)は外径 3.0mm、内径1.8m
m、長さ(ドリップチャンバーの空間上部より)30mmの
ポリ塩化ビニル製のチューブ、ドリップチャンバー空間
外の流通路(22)は内径 2.9mm、長さ50mmのポリ塩化ビニ
ル製のチューブ、流通路途中に設けた気体を通すが液体
を通さないフィルター(23)は市販の疎水性フィルター、
第二の導管(12)は内径 2.9mm、長さ1200mmのポリ塩化ビ
ニル製のチューブ、そして閉鎖器具(5) 及び(7) は市販
のクランプ、閉鎖器具(6) は市販の流量調整器付きのロ
ーラークランプ、接続アダプター(8) は市販のルアーロ
ック式コネクターをそれぞれ用いて図5に従って組み立
て、滅菌袋に封入し、エチレンオキサイドガス滅菌を施
した。
【0046】滅菌を施した図5に記載の点滴ユニット内
に滅菌エアーが封入されている状態でクランプ(5) 、
(6) 及び(7) を閉じ、穿刺針(1) を、血液300 mlの入っ
た容器に穿刺して液密に連通する。容器と点滴ユニット
を、イルリガードル台(点滴台)に吊す。
【0047】クランプ(5) 及び(7) を開け、穿刺針(1)
を通して第一の導管(11)に血液を誘導することで、点滴
ユニット内に重力落差を生じさせる。血液は第一の導管
(11)、ドリップチャンバー(2) の順に流下する。それと
同時に点滴ユニット内に封入されていた滅菌エアーは、
血液の動きに押されて第一の導管(11)、ドリップチャン
バー(2) 、流通路(22)及びフィルター(23)の順に移動
し、点滴ユニット外に排出される。
【0048】点滴ユニット内に導入された血液は、ドリ
ップチャンバー筒内の下方の1/2(7ml) を満たした
後、流通路(22)に流れ込み、流通路途中のフィルター(2
3)に到達して停止する。血液の流れが停止した後、クラ
ンプ(7) を閉じる。その後ローラークランプ(6) を開
け、第二の導管が流下する血液で満たされたことを確認
したら、ローラークランプ(6) を閉じる。
【0049】接続アダプター(8) に市販の輸血用注射針
を接続し、ローラークランプ(6) を調節して 5ml/minで
血液をユニット外へ送り出す(すなわち患者への輸血状
態)。容器内の血液が全て点滴ユニット内に流下した
後、クランプ(7) を開け、大気中のエアーを流通路(2
2)、流通路内のフィルター(23)、ドリップチャンバー
(2)、第二の導管(12)の順にユニット内に導入すること
により、点滴ユニット内に残留する血液を第二の導管(1
2)の下流側末端の方向に移動させてユニット外へ押し出
す。以上の各工程をこの順に行い、300 mlの血液を処理
した結果、点滴ユニット内の残留血液は2ml であった。
【0050】
【比較例1】本発明のような外部に通じる流通路を有さ
ない市販のドリップチャンバーを用いた従来の点滴ユニ
ットの一例として、図7に記載の点滴ユニットを作成し
た。穿刺針(1) は市販のプラスチック製スパイク針、第
一の導管(11)は内径 2.9mm、長さ300mm のポリ塩化ビニ
ル製のチューブ、ドリップチャンバー(2) はポリ塩化ビ
ニル製の円筒状で内径φ18mm、長さ(内寸)60mm、ドリ
ップチャンバー空間内のノズル(21)は外径3.0mm 、内径
1.8mm、長さ(ドリップチャンバーの空間上部より)12
mmの細管、第二の導管(12)は長さ1200mm、内径 2.9mmの
ポリ塩化ビニル製のチューブ、そして閉鎖器具(5) は市
販のクランプ、閉鎖器具(6) は市販の流量調整器付きの
ローラークランプ、接続アダプター(8) は市販のルアー
ロック式コネクターをそれぞれ用いて図7に従って組み
立て、滅菌袋に封入し、エチレンオキサイドガス滅菌を
施した。
【0051】滅菌を施した図7に記載の従来型の点滴ユ
ニット内に滅菌エアーが封入されている状態でクランプ
(5) 及び(6) を閉じ、穿刺針(1) を、血液300 mlの入っ
た容器に穿刺し液密に連通する。容器と点滴ユニット
を、イルリガードル台(点滴台)に吊す。
【0052】ドリップチャンバー(2) のみを反転し、ク
ランプ(5) 及び(6) を開けると、穿刺針(1) を通して第
一の導管(11)に血液が導入され、点滴ユニット内に重力
落差が生じる。血液は第一の導管(11)、ドリップチャン
バー(2) の順に流下し、ドリップチャンバー筒内の下方
の1/2(7ml) に血液が満たされたことを確認した後、
ドリップチャンバー(2) の向きを元の状態に戻し、第二
の導管(12)に血液を流下させて満たし、クランプ(6) を
閉じる。
【0053】接続アダプター(8) に市販の輸血用注射針
を接続し、ローラークランプ(6) を調節して5ml/minで
ユニット外へ送り出す(すなわち患者への輸血状態)。
容器内の血液が全て点滴ユニット内に流下すると、点滴
ユニット内に血液が残留した状態で血液の流れは停止す
る。この各工程をこの順に行い、300ml の血液を処理し
た結果、点滴ユニット内の残留血液は17mlであった。
【0054】
【実施例2】図6に示される白血球除去血輸血ユニット
の構成要素をそれぞれ次のサイズで作成した。血液導入
二重穿刺針(3)(図3)は針外径5.6mm 、第一の流通路(31)
の開口部(31a) の断面積3.5mm2、第二の流通路(32)の開
口部(32a) の断面積1.0 mm2 、第一の導管(11)は内径
2.9mm、長さ300mm のポリ塩化ビニル製のチューブ、貯
留器具(9) はポリ内径φ18mm、長さ(内寸)60mm塩化ビ
ニル製の円筒状容器、白血球除去フィルター装置(4) は
市販のセパセルRZ200(旭メディカル(株)製)、ドリ
ップチャンバー(2) はポリ塩化ビニル製の円筒状で内径
φ18mm、長さ(内寸)60mmのもの、ノズル(21)は外径3.
0mm 、内径1.8mm 、長さ(ドリップチャンバーの空間上
部より)12mmの細管、ドリップチャンバー空間内の流通
路(22)は外径 3.0mm、内径1.8mm 、長さ(ドリップチャ
ンバーの空間上部より)30mmのポリ塩化ビニル製のチュ
ーブ、ドリップチャンバー空間外の流通路(22)は内径2.
9mm 、長さ50mmのポリ塩化ビニル製のチューブ、流通路
内の気体を通すが液体は通さないフィルター(23)は市販
の疎水性フィルター、第二の導管(12)は、内径 2.9mm、
長さ1200mmのポリ塩化ビニル製のチューブ、バイパス管
(13)は内径2.9mm 、長さ 600mmのポリ塩化ビニル製のチ
ューブ、閉鎖器具(5) 及び(7) は市販のクランプ、閉鎖
器具(6) は市販の流量調整器付きのローラークランプ、
接続アダプター(8) は市販のルアーロック式コネクター
をそれぞれ用いて図6に従って組み立て、滅菌袋に封入
し、エチレンオキサイドガス滅菌を施した。
【0055】滅菌を施した図6に記載の白血球除去血輸
血ユニット内に滅菌エアーが封入されている状態でクラ
ンプ(5) 、(6) 及び(7) を閉じ、血液導入二重穿刺針
(3) を血液300ml の入った容器に穿刺し液密に連通す
る。容器と白血球除去血輸血ユニットをイルリガードル
台(点滴台)に吊す。貯留器具(9) を握り、放すことに
より、血液導入二重穿刺針(3) の第一の流通路を通して
第一の導管(11)に血液を誘導し、貯留容器(9) 内に血液
を1/2(6ml) 貯留する。
【0056】第一の導管(11)に血液が導入されると白血
球除去血輸血ユニット内に重力落差が生じる。その状態
でクランプ(5) 及び(7) を開けると、血液は第一の導管
(11)、白血球除去フィルター装置(4) 、ドリップチャン
バー(2) の順に流下する。それと同時に白血球除去血輸
血ユニット内に封入している滅菌エアーは、血液の動き
に押されて第一の導管(11)、白血球除去フィルター装置
(4) 、ドリップチャンバー(2) 、流通路(22)及びフィル
ター(23)、バイパス管(13)の順に移動し、血液導入二重
穿刺針(3) の第二の流通路を経て上部に据えられている
血液の入った容器に回収され、貯留される。
【0057】白血球除去血輸血ユニット内に導入された
血液は、ドリップチャンバー筒内の下方1/2(7ml) を
満たした後、流通路(22)に流れ込み、流通路内のフィル
ター(23)に到達して停止する。血液の流れが停止したこ
とを確認した後、クランプ(7) を閉める。次にローラー
クランプ(6) を開けて第二の導管を血液で満たし、ロー
ラークランプ(6) を閉じる。
【0058】接続アダプター(8) に市販の輸血用注射針
を接続し、ローラークランプ(6) を調節して5ml/minで
血液をユニット外へ送り出す(すなわち患者への輸血状
態)。容器内の血液が全て白血球除去血輸血ユニット内
に流下した後、血液の入っていた容器内の滅菌エアーを
血液導入二重穿刺針(3) の第一の流通路を経て第一の導
管(11)、貯留器具(9) 、白血球除去フィルター装置(4)
の上流側空間の順に移動させることにより、白血球除去
フィルター装置(4) の上流側に残留する血液を下流側の
ドリップチャンバー(2) の方向に流下させる。
【0059】かくして白血球除去フィルター装置の上流
側に残留する血液を流下させた後、クランプ(7) を開
け、血液が入っていた容器内の滅菌エアーを血液導入二
重穿刺針(3) の第二の流通路を経てバイパス管(13)、流
通路(22)、フィルター(23)、ドリップチャンバー(2) 、
第二の導管(12)の順に移動させることにより、白血球除
去血輸血ユニット内に残留する血液を第二の導管(12)の
下流側末端の方向に流下させて排出させる。以上の各工
程をこの順に行い、300ml の血液を処理した結果、残留
血液は25mlであった。
【0060】
【比較例2】比較例として、流通路が一つである穿刺
針、ノズルのみを有するドリップチャンバーを用いた従
来の白血球除去血輸血ユニットの一例として、図8に示
すような白血球除去血輸血ユニットを作成した。穿刺針
(1) は市販のプラスチック製スパイク針、第一の導管(1
1)は内径2.9mm 、長さ300mm のポリ塩化ビニル製のチュ
ーブ、貯留器具(9) はポリ塩化ビニル製の内径φ18mm、
長さ(内寸)60mm円筒状のもの、白血球除去フィルター
装置(4) は市販のセパセルRZ200(旭メディカル(株)
製)、ドリップチャンバー(2) は内径φ18mm、長さ(内
寸)60mmのポリ塩化ビニル製の円筒状のもの、第二の導
管(12)は内径2.9mm 、長さ1200mmのポリ塩化ビニル製の
チューブ、閉鎖器具(5) は市販のクランプ、閉鎖器具
(6) は市販の流量調整器付きのローラークランプ、接続
アダプター(8) は市販のルアーロック式コネクターをそ
れぞれ用いて図8に従って組み立て、滅菌袋に封入し、
エチレンオキサイドガス滅菌を施した。
【0061】滅菌を施した図8に記載の白血球除去血輸
血ユニット内に滅菌エアーが封入されている状態でクラ
ンプ(5) 及び(6) を閉じ、穿刺針(1) を血液 300mlの入
った容器に穿刺し液密に連通する。血液入り容器と白血
球除去血輸血ユニットを、イルリガードル台(点滴台)
に吊す。貯留器具(9) を握り、放すことにより、穿刺針
(1) を経て第一の導管(11)に血液を誘導し貯留器具(9)
内の下方に血液を1/2(6ml) 満たす。
【0062】第一の導管(11)に血液が導入されると、白
血球除去血輸血ユニット内に重力落差が生じる。その状
態でドリップチャンバー(2) のみを反転し、クランプ
(5) 及び(6) を開けると、血液は第一の導管(11)、白血
球除去フィルター装置(4) 、ドリップチャンバー(2) の
順に流下する。ドリップチャンバー筒内下方の1/2(7
ml) が血液で満たされたらドリップチャンバー(2) の向
きを元の状態に戻し、第二の導管(12)に血液を流下させ
てこれを満たし、ローラークランプ(6) を閉じる。
【0063】接続アダプター(8) に市販の輸血用注射針
を接続し、ローラークランプ(6) を調節して5ml/minで
血液をユニット外へ送り出す(すなわち患者への輸血状
態)。容器内の血液が全て白血球除去血輸血ユニット内
に流下すると、白血球除去血輸血ユニット内に血液が残
留した状態で血液の流れは停止する。この各工程をこの
順に行い、300 mlの血液を処理した結果、白血球除去血
輸血ユニット内の残留血液は58mlであった。
【0064】
【発明の効果】本発明の点滴ユニット、及び白血球除去
血輸血用の点滴ユニットを用いることにより、簡便な操
作で血液、血液成分または輸液をユニット内に自動的に
充填させることができて輸注の準備が容易となるばかり
でなく、輸注終了後に大気中のエアーもしくはユニット
内に封入している滅菌エアーを利用して簡便な操作でユ
ニット内に残留する血液、血液成分または輸液をユニッ
ト外に出すことができるので、輸血血液等を無駄に廃棄
することが格段に減り、貴重な血液や輸液を従来より多
く回収することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の点滴ユニットの基本構成を示す模式図
である。
【図2】本発明の白血球除去血輸血ユニットの基本構成
を示す模式図である。
【図3】本発明の血液導入二重穿刺針の好ましい態様の
一例を示す縦断面図である。
【図4】本発明のドリップチャンバーの好ましい態様の
一例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の点滴ユニットの一例を示す模式図であ
る。
【図6】本発明の白血球除去血輸血ユニットの一例を示
す模式図である。
【図7】従来の点滴ユニットの一例を示す模式図であ
る。
【図8】従来の白血球除去血輸血ユニットの一例を示す
模式図である。
【図9】本発明のドリップチャンバーの他の例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1: 穿刺針 2: ドリップチャンバー 3: 血液導入二重穿刺針 4: 白血球除去フィルター装置 5: 閉鎖装置(クランプ) 6: 閉鎖装置(流量調整器付きのローラークランプ) 7: 閉鎖装置(クランプ) 8: 接続アダプター 9: 貯留装置 11: 第一の導管 12: 第二の導管 13: バイパス管 21: ノズル 22: 流通路 23: フィルター 31: 第一の流通路 31a: 開口部 31b: 開口部 32: 第二の流通路 32a: 開口部 32b: 開口部 33: 穿刺部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側に穿刺針(1) 、下流側に下記ドリ
    ップチャンバー空間内に貫入し開口しているノズル(21)
    を有する第一の導管(11)と、前記第一の導管(11)の下流
    側で該第一の導管に接続されたドリップチャンバー(2)
    と、一端が前記ドリップチャンバー(2) 空間内に開口し
    他端が前記ドリップチャンバー(2) 外に開口しており、
    前記ドリップチャンバーに接続された流通路(22)と、前
    記ドリップチャンバー(2) の下流側で該ドリップチャン
    バーに接続された第二の導管(12)とから少なくともな
    り、前記流通路(22)の前記ドリップチャンバー(2) 空間
    内に開口している側の端部は前記ノズルよりも下流側に
    おいて開口しており、且つ前記流通路(22)の流路途中に
    気体は通すが液体は通さないフィルター(23)を有する点
    滴ユニット。
  2. 【請求項2】 気体は通すが液体は通さないフィルター
    (23)が除菌作用を有する請求項1記載の点滴ユニット。
  3. 【請求項3】 穿刺針(1) が内部に2本の互いに独立し
    た第一の流通路及び第二の流通路を有する血液導入二重
    穿刺針(3) であり、第一の導管(11)が前記血液導入二重
    穿刺針(3) の第一の流通路に接続されており、且つ前記
    血液導入二重穿刺針(3) の前記第二の流通路と流通路(2
    2)のドリップチャンバー(2) 外に開口している一端がバ
    イパス管(13)で接続されている請求項1記載の点滴ユニ
    ット。
  4. 【請求項4】 第一の導管(11)の途中に白血球除去フィ
    ルター装置(4) が設けられている請求項3記載の点滴ユ
    ニット。
  5. 【請求項5】 少なくとも次のA)〜E)の工程をこの順に
    行うことを特徴とする、請求項1記載の点滴ユニットを
    用いて血液または輸液を輸注する方法; A) 第二の導管(12)の流通を遮断する、 B) 穿刺針(1) を血液または輸液の入った容器に穿刺す
    る、 C) 前記容器内の血液または輸液を穿刺針(1) 、第一の
    導管(11)、ドリップチャンバー(2) の順に流下させる、 D) 第二の導管(12)の流通を開放し、第二の導管(12)に
    血液または輸液を流下させる、 E) 点滴ユニット外のエアーをフィルター(23)および流
    通路(22)を経てドリップチャンバー内に導入することに
    より、点滴ユニット内に残留する血液または輸液を第二
    の導管(12)から排出させる。
  6. 【請求項6】 少なくとも次のA)〜F)の工程をこの順に
    行うことを特徴とする請求項4記載の点滴ユニットを用
    いて血液を輸血する方法; A) 第二の導管(12)の流通を遮断する、 B) 血液導入二重穿刺針(3) を血液の入った容器に穿刺
    する、 C) 該血液容器内の血液を血液導入二重穿刺針(3) の第
    一の流通路より一の導管(11)、白血球除去フィルター装
    置(4) 、ドリップチャンバー(2) の順に流下させる、 D) 第二の導管(12)の流通を開放し、第二の導管(12)に
    血液を流下させる、 E) 該血液容器内に貯留されているエアーを血液導入二
    重穿刺針(3) の第一の流通路、第一の導管(11)を経て白
    血球除去フィルター装置(4) に導入することにより、点
    滴ユニット内に残留する血液を該点滴ユニットから排出
    させる、 F) 又は/及び前記血液容器内に残留するエアーを血液
    導入二重穿刺針(3) の第二の流通路、バイパス管(13)、
    ドリップチャンバー(2) の順に流下させることにより、
    点滴ユニット内に残留する血液を第二の導管(12)から排
    出させる。
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