JP2008142473A - 検査用血液容器および採血器具 - Google Patents

検査用血液容器および採血器具 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で一定量の血液を貯留することができる検査用血液容器および採血器具を提供すること。
【解決手段】初流血バッグ20は、検査に用いる初流血を貯留するバッグ本体21と、バッグ本体21内に連通し、初流血を導入する血液流入口24と、バッグ本体21内に連通する連通口を有し、連通口を介してバッグ本体21内の初流血を採取するサンプリングポート71と、気体は透過するが液体は透過しない菌不透過性フィルタ30を有し、バッグ本体21内の空気を排出する排気口26とを備えている。初流血バッグ20では、排気口26は、バッグ本体21内に初流血を導入する使用状態において、血液流入口24よりも上方に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、検査用血液容器およびそれを有する採血器具に関する。
通常、血液を採取するには、採血針からチューブを介して血液バッグ(採血バッグ)に血液を採取する採血器具を用いる。この採血器具としては、例えば特許文献1に記載された採血器具(採血用器具)が知られている。
特許文献1に記載されている採血器具は、採血針と、採血針を介して採取された血液を収納する血液バッグと、採血針と血液バッグとを連結する採血チューブと、採血チューブの途中から分岐した分岐チューブと、分岐チューブを介して採血チューブと連通する初流血バッグとを有している。この採血器具では、ドナー(供血者)から血液を採血バッグに採取する前に、すなわち、本採血を行なう前に、ドナーの初流血を初流血バッグに採取する。なお、この採取された初流血は、各種検査に用いられる。
このような構成の採血器具では、作業者(採取者)が、初流血バッグへの初流血の採取を開始し、所定量の初流血が初流血バッグに採取されたことを目視で確認した後に、分岐チューブにクランプを設置して、初流血バッグへの初流血の流入を停止していた。
このように、従来の採血器具では、初流血の流入停止を手動で行なっていたため、クランプを設置するタイミングが作業者によって異なっていた。その結果、初流血バッグごとに、当該初流血バッグに貯留される初流血の量にばらつきが生じていた。
特表2003−505185号公報
本発明の目的は、簡単な構造で一定量の血液を貯留することができる検査用血液容器および採血器具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。また、下記(14)および(15)であるのが好ましい。
(1) 検査に用いる血液を貯留する容器本体と、
前記容器本体内に連通し、血液を導入する血液流入口と、
前記容器本体内に連通する連通口を有し、前記連通口を介して前記容器本体内の前記血液を採取する採血ポートと、
菌不透過性フィルタを有し、前記容器本体内の空気を排出する排気口とを備え、
前記排気口は、前記容器本体内に血液を導入する使用状態において、前記血液流入口よりも上方に設けられていることを特徴とする検査用血液容器。
(2) 前記血液が前記容器本体内に流入するのに伴って、前記容器本体内の前記血液の液面が上昇し、前記血液が前記菌不透過性フィルタのほぼ全体に接触した際に、前記血液の前記容器本体内への流入が停止する上記(1)に記載の検査用血液容器。
(3) 前記容器本体は、前記使用状態において、上部に水平方向に対して傾斜する傾斜部を有する上記(1)または(2)に記載の検査用血液容器。
(4) 前記排気口は、前記傾斜部の最上端部付近に設けられている上記(3)に記載の検査用血液容器。
(5) 前記菌不透過性フィルタは、液体を透過しない第1のフィルタを有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の検査用血液容器。
(6) 前記菌不透過性フィルタは、液体を透過しない第1のフィルタと、液体が接触すると気体が透過しなくなる第2のフィルタとを有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の検査用血液容器。
(7) 前記第1のフィルタは、前記使用状態において、前記第2のフィルタよりも上方に配置されている上記(6)に記載の検査用血液容器。
(8) 前記連通口は、前記使用状態において、前記排気口よりも下方に設けられている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の検査用血液容器。
(9) 前記採血ポートは、前記使用状態において、鉛直上方または鉛直上方に対して傾斜した方向に向いている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の検査用血液容器。
(10) 前記採血ポートは、一端に採血管を挿入する開口部を有する筒状のホルダーと、前記ホルダーの他端側に装着され、前記容器本体に連通する中空針とを有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の検査用血液容器。
(11) 前記容器本体は、軟質材料で構成されたバック本体または硬質材料で構成された硬質容器本体からなる上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の検査用血液容器。
(12) 採血針と、
前記採血針を介して採取された血液を収納する貯留容器と、
前記採血針と前記貯留容器とを連結する採血ラインと、
前記採血ラインの途中から分岐した分岐ラインと、
前記分岐ラインを介して、前記採血ラインと連通する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の検査用血液容器とを有することを特徴とる採血器具。
(13) 前記貯留容器は、採血バッグまたは血液分離器である上記(12)に記載の採血器具。
(14) 前記菌不透過性フィルタは、前記使用状態において水平方向とほぼ平行に設けられている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の検査用血液容器。
(15) 前記菌不透過性フィルタは、液体を透過しない第1のフィルタと、液体が接触すると気体が透過しなくなる第2のフィルタとを有し、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとの間に隙間が形成されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の検査用血液容器。
本発明によれば、容器本体中の血液の液面は、血液が容器本体内に流入するのに伴って上昇し、遂には、菌不透過性フィルタに接触する。この際に、液面の上昇が抑制され、よって、容器本体内が血液で飽和状態となる。これにより、血液の容器本体内への流入が自ずと(自動的に)停止し、よって、容器本体内に一定量の血液を確実に貯留することができる。
また、液体が接触すると気体が透過しなくなる第2のフィルタを有する場合には、容器本体内の血液が第2のフィルタに接触した際に、当該第2のフィルタを介しての通気が遮断される。これにより、外部からの空気の侵入を防止することができたり、容器本体内の気密性を維持することができる。
以下、本発明の検査用血液容器および採血器具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明の採血器具には、血液バッグシステムの他に、採血針と、採血針を介して採取された血液を収納する血液分離器(遠心分離器)と、採血針と血液分離器とを連結する採血ラインと、採血ラインの途中から分岐した分岐ラインと、分岐ラインに接続された検査用血液バッグと、採血ラインに接続された抗凝固剤注入ラインと、血液分離器によって分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグとを有し、ドナーから採取された血液を分離して所定の血液成分を採取する血液成分採取回路(成分採血に用いるディスポ回路キット)も含まれるが、以下の実施形態では、代表的に、本発明の採血器具を血液バッグシステムに適用した場合について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の採血器具の第1実施形態を示す概略図、図2は、図1に示す採血器具が有する本発明の検査用血液容器(第1実施形態)の部分縦断面図、図3は、図2に示す検査用血液容器の採血ポート付近および減圧採血管を示す縦断面図、図4は、図1に示す採血器具が有する封止部材の構成例を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図2中(図5〜図9も同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図3中の右側を「上」、「上方」または「先端」、左側を「下」「下方」または「基端」と言う。
図1に示す採血器具1は、採血針151と、採血針151を介して採取された血液を収納する採血バッグ(貯留容器)10と、初流血(検査用の血液(採血初流))を採取する検査用血液容器としての初流血バッグ(検査用血液バッグ)20と、これらを連結するラインとしての複数のチューブとを有している。以下、各部の構成について説明する。
採血バッグ10は、例えばポリ塩化ビニルのような軟質樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部12において、融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体11を有している。
このバッグ本体11のシール部12で囲まれる内側の部分に、採取された血液が収納される血液収納部13が形成されている。なお、採血バッグ10は、赤血球を保存する赤血球バッグとして兼用されることもあり、その場合には、血液収納部13には、最終的に濃厚赤血球が収納、保存される。
バッグ本体11の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された2つの開口部14、14が形成され、また、一方の開口部14の側部には、排出口18が形成されている。この排出口18には、封止部材(破断連通部材)17を介してチューブ61の一端が接続されている。封止部材17としては、後述する封止部材93と同様の構成のものを用いることができる。
図示されていないが、チューブ61の他端には、白血球除去フィルタ、回収バッグ、血漿バッグ、赤血球保存液入りバッグがチューブにより接続されている。また、白血球除去フィルタとしては、白血球と一緒に血小板を捕捉するタイプのものが用いられる。すなわち、採血器具1は、血液バッグシステムを構成している。
なお、白血球除去フィルタとして、白血球のみを選択的に捕捉し、血小板を通過させるタイプを用いてもよく、この場合には、さらに、血小板バッグが設けられている。
また、本発明では、前述した封止部材17、排出口18、チューブ61が省略されていてもよい。
また、採血バッグ10内には、予め抗凝固剤が入れられていることが好ましい。この抗凝固剤は、通常液体であり、例えば、ACD−A液、CPD液、CPDA−1液、ヘパリンナトリウム液等が挙げられる。これらの抗凝固剤の量は、予定採血量に応じた適正な量とされる。
さらに、バッグ本体11の上部には、血液収納部13に連通するよう可撓性を有するチューブ(採血ライン(採血チューブ))97の一端が接続されて(連結されて)いる。このチューブ97は、分岐コネクタ92より上流側(採血針151側)の部分と、下流側(採血バッグ10側)の部分とに分けることができる。以下、チューブ97の、分岐コネクタ92より上流側の部分、すなわち、分岐コネクタ92と採血針151とを接続する部分を「チューブ94」と言う。また、チューブ97の、分岐コネクタ92より下流側の部分、すなわち、採血バッグ10(バッグ本体11)と分岐コネクタ92とを接続する部分を「チューブ15」と言う。
分岐コネクタ92の第1のポート921、第2のポート922、第3のポート923には、それぞれ、チューブ94の一端、チューブ(分岐ライン(分岐チューブ))91の一端およびチューブ15の一端が接続されている。
チューブ94の他端には、採血針151が装着(接続)されている。この採血針151は、針体152と、針体152とチューブ94とを接続するハブ153と、針体152を被包するキャップ154とを有する。
このように、採血器具1では、分岐コネクタ92を介して、チューブ15、91、94がそれぞれ、3方向に延出している。
なお、分岐コネクタ92は、図示の構成ではト字管であるが、これに限定されず、例えば、Y字管、T字管や、ト字管、Y字管の向きを逆にしたもの等であってもよい。
また、分岐コネクタ92と採血バッグ10との間のチューブ15には、封止部材93が設けられている。この封止部材93は、好ましくは分岐コネクタ92の近傍に配置される。
図4に示すように、封止部材93は、例えば軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性を有する樹脂により構成された短チューブ930と、この短チューブ930内に液密に嵌入され、中実柱状部932によりその一端が閉塞された筒体931とで構成されている。
短チューブ930の図4中上端部には、チューブ15の途中(一端)が液密に接続され、短チューブ930の図4中下端部には、分岐コネクタ92の第3のポート923が液密に接続されている。
筒体931の外周には、薄肉で脆弱な破断部933が形成されている。手指等により短チューブ930の外部から短チューブ930ごと中実柱状部932を折り曲げて破断部933を破断し、中実柱状部932を分離する。これにより、前記中実柱状部932で閉塞(遮断)されていた状態のチューブ15が開通する。
筒体931の構成材料としては、特に限定されず、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル等の硬質材料が挙げられる。
また、中実柱状部932の図4中上方は、くさび形状をなし、その上端部(頂部)934は、幅方向の寸法が筒体931の外径より小さく、チューブ15の内径より大きい寸法とされ、中実柱状部932の破断分離後に中実柱状部932がチューブ15を閉塞しないような構成とするのが好ましい。さらに、図示のごとく、中実柱状部932の上端部934には、血液の流通を促進する溝935を設けてもよい。
チューブ91の図1中右側の端部には、初流血バッグ20が接続されている。図2に示すように、この初流血バッグ20は、袋状のバッグ本体21と、バッグ本体21の上部25に設けられ、バッグ本体21内に初流血を導入する血液流入口(血液流入部)24と、バック本体21内に貯留された初流血を採取する減圧採血管85が接続されるサンプリングポート(採血ポート)71と、菌不透過性フィルタ30を有し、バッグ本体21の上部25に設けられ、そのバッグ本体21内の空気を排出する排気口26とを有している。
なお、チューブ91には、クレンメ(クランプ部材)95が設けられている。これにより、初流血バッグ20への血流を遮断することができる、すなわち、チューブ91を閉塞することができる。なお、初流血バッグ20(収納部23)に血液を収納するときには、クレンメ95は、開放状態になっており、チューブ91の流路が開いている。
バッグ本体21は、軟質樹脂材料で構成された可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部22において、融着(熱融着、高周波融着等)または接着したものである。
このバッグ本体21のシール部22で囲まれる内側の部分に、収納部(内部空間)23が形成されている。このようなバッグ本体21は、その下部29をほぼ鉛直下方に位置させ、この状態でバッグ本体21内に血液を導入するように使用される(以下、この状態を「使用状態」と言う)。使用状態(図2に示す状態)で、収納部23には、採血針151(針体152)、チューブ94、分岐コネクタ92、チューブ91を順に通過した初流血が収納(貯留)される。
図2に示すように、バッグ本体21の上部25は、収納部23側(内側)に、傾斜部251を有している。この傾斜部251は、使用状態で水平方向に対して傾斜する部位である。
また、バッグ本体21の下部29は、収納部23側に、下方に向かって湾曲した湾曲部291を有している。湾曲部291では、その中央部292が使用状態でバッグ本体21の最下方に位置する。
バッグ本体21を構成するシート材の材料(軟質樹脂材料)としては、後述する排気口26および血液流入口24と熱融着可能なものであるのが好ましく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等であるのが好ましい。
バッグ本体21がこのような材料で構成されていることにより、例えば、バッグ本体21(初流血バッグ20)を梱包する際、バッグ本体21の厚さをできるだけ薄くした状態で、梱包作業を行なうことができる。これにより、梱包作業を容易に行なうことができたり、1つの梱包容器をできるだけ(比較的)小さく収納することができる。また、柔軟に変形することができるので、開封から採血、廃棄までの作業が比較的狭いスペースでも行い易く、ドナーに接触したり、ドナーの腕に固定したときの違和感や腕に跡が残ることが軽減されると言う利点もある。
バッグ本体21の上部25(傾斜部251)の最下端部252付近には、上方に向かって突出した管状の血液流入口24が設けられている。初流血バッグ20では、血液流入口24を介して、チューブ91と収納部23とが連通する。
なお、血液流入口24は、バッグ本体21と一体的に形成されていてもよいし、バッグ本体21と別体で構成した管状体をバッグ本体21に連結してもよい。
バッグ本体21の上部25(傾斜部251)の最上端部253付近には、管状の排気口26が設けられている。この排気口26は、その収納部23側が傾斜部251に開口し(以下、この開口を「下側開口261」と言う)、外側が鉛直上方に向かって開口している。すなわち、排気口26は、使用状態で、その中心軸がほぼ鉛直方向と平行となる。
初流血バッグ20では、このような排気口26を介して、バッグ本体21(収納部23)と当該バッグ本体21の外側とが連通することなる。これにより、バッグ本体21内の空気を排気口26から確実に排出することができる。
また、初流血バッグ20では、初流血がバッグ本体21内に流入するのに伴って、バッグ本体21内の初流血の液面Lが上昇する。液面Lが傾斜部251まで上昇すると、当該液面Lによって、バッグ本体21内の空気は、最上端部253側に押し込められる(集められる)こととなる。最上端部253側には、排気口26が設けられているため、最上端部253側内の空気は、排気口26を介して外側に(大気中に)確実に排出される。
排気口26は、バッグ本体21と一体的に形成されていてもよいし、バッグ本体21と別体で構成した管状体をバッグ本体21に連結してもよい。
排気口26および血液流入口24の構成材料としては、硬質樹脂材料が好ましい。この硬質樹脂材料としては、特に限定されないが、バッグ本体21と同様のものが好ましい。
図2に示すように、排気口26内には、菌不透過性フィルタ30が設置されている。この菌不透過性フィルタ30は、膜状をなし、液体(血液)を透過しない第1のフィルタ27(疎水性フィルタ)、および液体(血液)が接触すると気体(空気)が透過しなくなる第2のフィルタ28(親水性フィルタ)で構成されている。第2のフィルタ28は、第1のフィルタ27の下方に位置して(配置されて)いる。
この菌不透過性フィルタ30は、駆血帯やカフ(腕帯)を用いて、ドナーの採血針151を穿針(穿刺)する静脈を怒張させたときにかかる圧力に耐え得る程度の強度を有するものである。
まず、第1のフィルタ27について説明する。
第1のフィルタ27は、気体(空気)は透過するが液体(血液)は透過しない性質を有するものである。第1のフィルタ27の具体例としては、例えば、各種焼結多孔体、疎水性不織布、その他の多孔質体が挙げられる。
また、第1のフィルタ27は、使用状態で水平方向とほぼ平行となる。これにより、排気口26の下側開口261から上昇してくる液面Lが、第1のフィルタ27の下面271の全体にほぼ同時に接することとなる。よって、後述するように、液面Lの上昇(移動)が迅速に停止する。また、収納部23内の空気を確実に排出することができると言う利点もある。
次に、第2のフィルタ28について説明する。
第2のフィルタ28は、当該第2のフィルタ28を初流血が透過した際、その初流血に接触することによって、初流血とともに透過しようとする空気の透過を阻止する性質を有するものである。すなわち、第2のフィルタ28は、親水性を有するものである。このような第2のフィルタ28は、それ自体が親水性を有する材料(例えば、アクリル系樹脂等)で構成されているか、または、表面が親水化処理(例えば、プラズマ処理等)が施されていることが好ましい。
第2のフィルタ28に初流血が接触した際、当該第2のフィルタ28を介しての通気が遮断される。これにより、外部からの空気の侵入を防止することができる。また、バッグ本体21内の気密性が維持される。気密性が維持されることにより、サンプリングポート71に後述する減圧採血管85を接続しても、当該減圧採血管85の減圧状態が維持される。よって、減圧採血管85に確実に血液が吸引される、すなわち、採血される。
第2のフィルタ28は、第1のフィルタ27と同様に、使用状態で水平方向とほぼ平行となる。これにより、排気口26の下側開口261から上昇してくる液面Lが、第2のフィルタ28の下面281の全体にほぼ同時に接することとなる。よって、第2のフィルタ28を介しての通気の遮断を迅速に行なうことができる。
また、第1のフィルタ27と第2のフィルタ28との間には、間隙31が形成されている。これにより、バッグ本体21が多少傾いていても、第2のフィルタ28の全面に短時間で確実に液体(血液)を接触させることができると言う利点がある。
初流血バッグ20では、前述したように、初流血がバッグ本体21内に流入するのに伴って、バッグ本体21内の初流血の液面Lが上昇する。また、バッグ本体21からは、そのバッグ本体21に初流血が流入した分、空気が排出される。
液面Lが上昇を続けると、当該液面Lは、排気口26に到達する、すなわち、排気口26に入り込む。この液面Lは、バッグ本体21内の空気を押し出しつつ、まず、第2のフィルタ28に接する。これにより、前述したように、第2のフィルタ28を介しての通気が遮断される。このとき、バッグ本体21内の空気は、その全部が排出される。
液面Lが第2のフィルタ28を超えてさらに上昇すると、この液面Lは、第1のフィルタ27(下面271)に接する。この際に、液面Lの上昇が抑制され、よって、バッグ本体21内が初流血で飽和状態となる。これにより、初流血のバッグ本体21内への流入が自ずと(自動的に)停止し、よって、バッグ本体21内に一定量(例えば、25mL)の初流血を確実に貯留することができる。
以上のように、初流血バッグ20では、排気口26に第1のフィルタ27を設けたと言う簡単な構造により、バッグ本体21内に一定量(バッグ本体21(収納部23)の容積分)の初流血を確実に貯留することができる。
また、初流血バッグ20では、当該初流血バッグ20に初流血を貯留している期間中、液面Lの状態(高さ)を監視するのを省略することができる。これにより、初流血バッグ20を操作する際に、操作者(作業者)が液面Lを監視し続けなければならない等のような負担を軽減することができる。
また、初流血バッグ20では、前述したように貯留されたバッグ本体21内の初流血をサンプリングポート71を介して、採取する。図2、3に示すように、サンプリングポート71は、針組立体73と、ホルダー82とを有している。
針組立体73は、先端に鋭利な針先を有する中空針(針管)84と、中空針84の基端部に固着されたハブ841と、中空針84を被包するゴム鞘842とで構成されている。
ハブ841は、連通口96を介して接続されている(図2参照)。この連通口から流出したバッグ本体21内の初流血が減圧採血管85に吸引される。
また、ハブ841は、使用状態で、その長手方向(中心軸)が鉛直方向と平行となるように、バッグ本体21の上部25(傾斜部251)の中央部254に支持されている。これにより、サンプリングポート71(ホルダー82の開口部822)は、使用状態で、鉛直上方を向くこととなる。
なお、中空針84の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、Ni−Ti合金等の超弾性合金等の各種金属材料、ポリフェニレンサルファイド等の各種硬質樹脂材料等が挙げられる。
また、ハブ841の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィンが挙げられる。
また、ゴム鞘842の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料が挙げられる。
ホルダー82は、一端に減圧採血管85を挿入する開口部822を有する筒状の部材である。このホルダー82は、中空針84の外周側に設置され、当該中空針84と同心的に、基端部821がハブ841に接合されている。
また、開口部822の外周部(縁部)には、フランジ部823が形成されている。このフランジ部823は、板状をなす部位である。
図3に示すように、サンプリングポート71のホルダー82には、例えば、減圧採血管(容器)85が着脱自在に装着(接続)される。
ここで、減圧採血管85について説明する。減圧採血管85は、バッグ本体21内に貯留された初流血を採取するための器具である。この減圧採血管85は、採血管本体86と、この採血管本体86に嵌入されているゴム栓87とで構成されている。減圧採血管85内は、真空または減圧状態になっている。
この減圧採血管85は、ホルダー82に接続されたとき、ゴム栓87が中空針84により刺通される。これにより、減圧採血管85内とバッグ本体21とが連通し、当該バッグ本体21からの初流血が減圧採血管85に回収される。
なお、ホルダー82の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ハブ841についての説明で挙げたような材料を用いることができる。
前述したように、初流血バッグ20では、使用状態で、サンプリングポート71(ホルダー82)の開口部822が鉛直上方を向くこととなる。これにより、サンプリングポート71に減圧採血管85を接続する際に、減圧採血管85を上方からサンプリングポート71に向けて挿入することができる。このため、作業者(採取者)の作業姿勢が、作業し易い姿勢となる。すなわち、作業者がかがむことなく、サンプリングポート71を介して初流血を容易に(楽に)採取することができる。
次に、採血器具1の作用(採血器具1を用いた血液処理方法)の一例について説明する。
まず、採血器具1では、クレンメ95が開放状態となっており、チューブ15が封止部材93により閉塞した(封止された)状態となっている。これにより、ドナーに採血針151を穿刺した際、チューブ94からの血液は、分岐コネクタ92の第1のポート921および第2のポート922を順次通過して、チューブ91に流入することができる。
また、この採血器具1の採血バッグ10および初流血バッグ20を、それぞれ、採血針151を穿刺する部位と同じ高さか、それより低い位置に設置する。
次いで、採血針151からキャップ154を取り外し(図1参照)、ドナーの静脈(血管)に採血針151を穿刺し、採血針151が静脈を捉えていることが確認されたら、ハブ153をドナーの穿刺部位付近に例えば粘着テープで固定する。また、これと同様に、チューブ97(チューブ94)も穿刺部位付近に粘着テープで固定するのが好ましい。
このような操作により、初流血(血液)は、採血針151、チューブ94、分岐コネクタ92を経て、チューブ91へ流入し、このチューブ91を流れ、初流血バッグ20の収納部23に導入される。この場合、チューブ15の流路は、前述したように封止部材93で遮断されているので、血液は、チューブ94から分岐コネクタ92を経てチューブ91に確実に流れ込む。
また、この血液の導入の際は、その前に、チューブ94、91および分岐コネクタ92内の空気が、チューブ91から排出され、初流血バッグ20に回収される。
初流血バッグ20では、前述したように、バッグ本体21内の空気が、菌不透過性フィルタ30を介して、排気されつつ、バッグ本体21内に初流血が貯留される。また、初流血が貯留されていくと、初流血の流入は、前述した第2のフィルタ28の作用により、停止する。これにより、バッグ本体21内に所定量(一定量)の初流血が収納されることとなる。この後に、クレンメ95を閉じて、チューブ91の流路を閉塞状態にしてもよい。
次いで、採血バッグ10への採血(本採血)を開始する。
この場合、封止部材93の破断部933を破断して中実柱状部932を分離し、封止部材93内の流路を開通させる。この操作により、チューブ97は、上流側から下流側までの流路が連通(開放)する。これにより、採血された血液が、チューブ97を流れ、採血バッグ10の血液収納部13に導入される。
また、ドナーや血流の状態を見て可能であれば、この採血バッグ10への採血と並行して、初流血バッグ20内に収納されている初流血を減圧採血管85内に回収(サンプリング)する。なお、このサンプリングは、本採血の終了後に行なってもよい。この場合には、クレンメ95を閉じてチューブ91の流路を閉塞状態にする。
サンプリングを行なうには、サンプリングポート71(ホルダー82)に減圧採血管85を挿入して、サンプリングポート71(ホルダー82)の最奥部まで押し込み、中空針84をゴム栓87に穿刺し、貫通させる。これにより、初流血バッグ20内に収納されている初流血は、減圧採血管85内に吸引され、回収される。また、サンプリングポート71は、開口部822が上方を向いた状態となっているため、当該サンプリングポート71に減圧採血管85を上方から楽に挿入することができる。採取後、減圧採血管85をサンプリングポート71から抜去する。なお、複数本の減圧採血管85へ血液のサンプリングを行う場合には、この操作を繰り返す。
なお、採血バッグ10への採血において、血液を採血バッグ10に所定量採血した後、ドナーの血管から採血針151を抜き取り、必要に応じて、チューブシーラー等により、チューブ91や15を融着して封止する。その後、初流血バッグ20や採血針151を切り離す。
これにより、採血初流の除去された採取された血液が収納された採血バッグ10が得られる。
また、採血バッグ10に収納(採取)された血液は、白血球除去フィルタに通して、白血球および血小板を分離し、残りの血液成分を回収バッグに回収して、採血バッグ10および白血球除去フィルタを切り離す。その後、回収バッグ内の血液を遠心分離操作を行って、赤血球層と血漿層とに分離し、血漿を血漿バッグに移行した後に、回収バッグに残った濃厚赤血球に赤血球保存液入りバッグ内の赤血球保存液を添加して混和する。
一方、減圧採血管85内に回収された初流血は、例えば、血算、血清の生化学検査、感染症ウィルス(例えば、エイズ、肝炎等)の抗体検査等の検査等に用いられる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の検査用血液容器の第2実施形態を示す部分縦断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の検査用血液容器および採血器具の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、サンプリングポート(採血ポート)71の配置が異なり、第2のフィルタ28を省略したこと以外は前記第1実施形態と同様である。
図5に示す初流血バッグ20Aでは、サンプリングポート71がバッグ本体21の下部29に設けられている。このサンプリングポート71は、連通口96を介して、針組立体73のハブ814がバッグ本体21の湾曲部291の中央部292に開口している。
このような構成の初流血バッグ20Aは、図5に示す状態(使用状態)で、血液がバッグ本体21内に導入される。
また、初流血バッグ20A内の血液をサンプリングポート71を介して、減圧採血管85に採取する際には、連通口96が排気口26(または血液の液面L)よりも低い位置になるように、サンプリングポート71を持ち上げて、血液採取操作を行なう。また、この際には、排気口26から空気が初流血バッグ20A内に流入するおそれがあるが、連通口96は、排気口26(または血液の液面L)よりも下方に位置するため、連通口96を介して、初流血バッグ20A内の空気が減圧採血管85が流入するのが確実に防止される。
<第3実施形態>
図6は、本発明の検査用血液容器の第3実施形態を示す斜視図、図7は、図6中の検査用血液容器を矢印A側からみた図(部分断面図)である。
以下、これらの図を参照して本発明の検査用血液容器および採血器具の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、採血ポートの設置位置が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図6および図7に示す初流血バッグ20Bは、前記第1実施形態で記載したチューブ74および第2のフィルタ28が省略されており、連通口96をバッグ本体21に連結する連結部材75を有している。
連結部材75は、バッグ本体21の下部29側近傍(サンプリング終了後の血液の液面Lよりも低い位置)に設置されている。この連結部材75は、バッグ本体21に固定される固定部751と、連通口96が接続される(嵌合する)接続部752とで構成されている。
固定部751は、板状をなすものである。この固定部751は、例えば、接着(接着剤や溶媒による接着)による方法、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)による方法等のような固定方法により、バッグ本体21に固定されている。
接続部752は、管状をなすものであり、固定部751に一体的に形成されている。この接続部752は、その一端753がバッグ本体21内の下部29側近傍(排気口26よりも下方)に開口しており、他端部754にハブ841が接続される(図7参照)。すなわち、サンプリングポート71は、連通口96を介して、バッグ本体21と連通している。サンプリングポート71では、接続部752の一端753を介して流出した初流血が、当該サンプリングポート71に接続された減圧採血管85に採取される。このように、接続部752の一端753は、サンプリングポート71のバッグ本体21内に連通する連通口として機能する。
また、このような構成の連結部材75は、使用状態で、接続部752が鉛直上方に対して傾斜した方向に向く。これにより、サンプリングポート71のホルダー82の開口部822も、接続部752と同様に、鉛直上方に対して傾斜した方向に向くこととなる。例えば作業者がバッグ本体21に対してサンプリングポート71側(図7中の右側)に位置した場合、サンプリングポート71の開口部822が作業者に向かって開口する。これにより、サンプリングポート71の開口部822に減圧採血管85を挿入する操作を容易に行なうことができる。
また、バッグ本体21が可撓性を有しているため、ホルダー82を持ち上げたり、押さえつけたりすることにより、サンプリングポート71の開口部822の鉛直上方に対する傾斜角度θを適宜変更することができる。これにより、作業者の姿勢や作業者の身長等の諸条件に応じて、傾斜角度θを設定することができる。よって、サンプリングポート71の開口部822に減圧採血管85を挿入する操作をより容易に行なうことができる。
また、サンプリングを行なう際には、排気口26から空気が初流血バッグ20B内に流入するおそれがあるが、連通口96は、血液の液面Lよりも下方に位置するため、連通口96を介して、初流血バッグ20B内の空気が減圧採血管85が流入するのが確実に防止される。
連結部材75の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、前記第1実施形態で記載したハブ841についての説明で挙げたような材料を用いることができる。
<第4実施形態>
図8は、本発明の検査用血液容器の第4実施形態を示す斜視図、図9は、図8中の検査用血液容器を矢印B側からみた図(部分断面図)である。
以下、これらの図を参照して本発明の検査用血液容器および採血器具の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、容器本体の形状が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
図8、図9に示すように、本実施形態では、初流血を貯留する初流血容器(検査用血液容器)20Cの本体として、箱状をなす(箱型の)もの(以下、これを「容器本体(硬質容器本体)21A」と言う)が用いられている。また、容器本体21Aは、前記第3実施形態のバッグ本体21よりも硬質のものである。
この容器本体21Aの構成材料としては、前記第1実施形態で記載した排気口26の説明で挙げたような硬質樹脂材料を用いることができる。これにより、容器本体21A内に初流血が収納されているか否かに係わらず、容器本体21Aの形状が維持される。これにより、初流血の採血量を正確にすることができる。また、容器本体21Aの硬さを片手で容易に変形することができる程度にしておくことにより、開封から採血、廃棄までの作業が、比較的狭いスペースであっても行い易くなり、ドナーと接触したり、ドナーの腕に固定したときの違和感や腕に跡が残ることを軽減することができると言う利点もある。
また、初流血容器20Cでは、ハブ841を連結する連結部材75Aが、容器本体21Aと一体的に突出形成されている。これにより、傾斜角度θを一定に維持することができる。
また、サンプリングを行なう際には、排気口26から空気が初流血バッグ20C内に流入するため、そのサンプリング操作を確実に行なうことができる。
<第5実施形態>
図10は、本発明の検査用血液容器の第5実施形態を示す部分縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明の検査用血液容器および採血器具の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、検査用血液容器がチューブをさらに有し、第2のフィルタが省略されていること以外は前記第1実施形態と同様である。
図10に示す初流血バッグ20Dは、上端部(他端部)741が連通口96に接続されたチューブ74を有している。これにより、連通口96を介して、ハブ841(中空針84)とチューブ74とが連通する。
また、チューブ74の下端部(一端部)742は、バッグ本体21の下部29の中央部292付近に位置している。また、このチューブ74は、下端部742の端面743が開口(開放)しており、バッグ本体21の下部29に臨んでいる。これにより、チューブ74は、下端部742を介して、バッグ本体21の収納部23に連通する。このように、下端部742は、バッグ本体21の収納部23に連通する連通口として機能する。
この連通口として機能する下端部742を介して、流出したバッグ本体21内の初流血が減圧採血管85に吸引される。
また、図10に示すように、チューブ74の下端部742は、サンプリング終了後の血液の液面Lよりも下方に位置することが好ましい。これにより、バッグ本体21内の初流血を空気を巻き込むことなく、確実に減圧採血管85に回収することができる。
チューブ74の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、バッグ本体21についての説明で挙げたような軟質樹脂材料を用いることができる。
また、チューブ74の下端部742は、図10の構成ではバッグ本体21の下部29に達しているが、これに限定されず、例えば、バッグ本体21の途中(例えば、バッグ本体21の中央部)に位置していてもよい。
また、チューブ74の下端部742の開口からチューブ74内に血液を流入し易くするため、チューブ74の上端部741近傍に、チュ-ブ74内の空気をバッグ本体21内に排出する排気口を設けてもよい。これにより、チューブ74内とバッグ本体21内とが排気口を介して連通するため、チューブ74内に血液を流入すると、チューブ74内の空気がバッグ本体21内に排出されるので、サンプリングの際に、減圧採血管85内に空気を巻き込むことがない。
また、チューブ74に排気口を設ける場合は、排気口は、液体と接触すると気体が透過しなくなるフィルタ(第2のフィルタ)を有することが好ましい。これにより、チューブ74内の空気が排出された後に、フィルタが血液と接触すると、フィルタを通してチューブ74内に空気が流入することがないので、サンプリングの際の空気の巻き込みを確実に抑制または防止することかできる。
以上、本発明の検査用血液容器および採血器具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、検査用血液容器および採血器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の検査用血液容器および採血器具は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
例えば、前記第1実施形態や前記第2実施形態に記載のバッグ本体を、前記第4実施形態に記載の容器本体のように硬質樹脂材料で構成してもよい。
また、第1のフィルタと第2のフィルタとの間には、間隙が形成されているが、これに限定されず、間隙が省略されている、すなわち、第1のフィルタの下面と第2のフィルタの上面とが接触していてもよい。
また、第2、第3、第4実施形態の排気口には、それぞれ、第2のフィルタを設けてもよい。
また、本発明の採血器具では、採血バッグの代わりに血液分離器が設けられていてもよい。すなわち、採血器具は、血液バッグシステムに限らず、血液成分採取回路であってもよい。
本発明の採血器具の第1実施形態を示す概略図である。 図1に示す採血器具が有する本発明の検査用血液容器(第1実施形態)の部分縦断面図である。 図2に示す検査用血液容器の採血ポート付近および減圧採血管を示す縦断面図である。 図1に示す採血器具が有する封止部材の構成例を示す縦断面図である。 本発明の検査用血液容器の第2実施形態を示す部分縦断面図である。 本発明の検査用血液容器の第3実施形態を示す斜視図である。 図6中の検査用血液容器を矢印A側からみた図(部分断面図)である。 本発明の検査用血液容器の第4実施形態を示す斜視図である。 図8中の検査用血液容器を矢印B側からみた図(部分断面図)である。 本発明の検査用血液容器の第5実施形態を示す部分縦断面図である。
符号の説明
1 採血器具
10 採血バッグ
11 バッグ本体
12 シール部
13 血液収納部
14 開口部
15 チューブ
151 採血針
152 針体
153 ハブ
154 キャップ
17 封止部材
18 排出口
20、20A、20B、20D 初流血バッグ(検査用血液バッグ)
20C 初流血容器(検査用血液容器)
21 バッグ本体
21A 容器本体(硬質容器本体)
22 シール部
23 収納部(内部空間)
24 血液流入口(血液流入部)
25 上部
251 傾斜部
252 最下端部
253 最上端部
254 中央部
26 排気口
261 下側開口
27 第1のフィルタ
271、281 下面
28 第2のフィルタ
29 下部
291 湾曲部
292 中央部
30 菌不透過性フィルタ
31 間隙
61 チューブ
71 サンプリングポート(採血ポート)
73 針組立体
74 チューブ
741 上端部(他端部)
742 下端部(一端部)
743 端面
75、75A 連結部材
751 固定部
752 接続部
753 一端
754 他端部
82 ホルダー
821 基端部
822 開口部
823 フランジ部
84 中空針(針管)
841 ハブ
842 ゴム鞘
85 減圧採血管
86 採血管本体
87 ゴム栓
91 チューブ(分岐ライン(分岐チューブ))
92 分岐コネクタ
921 第1のポート
922 第2のポート
923 第3のポート
93 封止部材
930 短チューブ
931 筒体
932 中実柱状部
933 破断部
934 上端部(頂部)
935 溝
94 チューブ
95 クレンメ
96 連通口
97 チューブ(採血ライン(採血チューブ))
θ 傾斜角度
L 液面

Claims (13)

  1. 検査に用いる血液を貯留する容器本体と、
    前記容器本体内に連通し、血液を導入する血液流入口と、
    前記容器本体内に連通する連通口を有し、前記連通口を介して前記容器本体内の前記血液を採取する採血ポートと、
    菌不透過性フィルタを有し、前記容器本体内の空気を排出する排気口とを備え、
    前記排気口は、前記容器本体内に血液を導入する使用状態において、前記血液流入口よりも上方に設けられていることを特徴とする検査用血液容器。
  2. 前記血液が前記容器本体内に流入するのに伴って、前記容器本体内の前記血液の液面が上昇し、前記血液が前記菌不透過性フィルタのほぼ全体に接触した際に、前記血液の前記容器本体内への流入が停止する請求項1に記載の検査用血液容器。
  3. 前記容器本体は、前記使用状態において、上部に水平方向に対して傾斜する傾斜部を有する請求項1または2に記載の検査用血液容器。
  4. 前記排気口は、前記傾斜部の最上端部付近に設けられている請求項3に記載の検査用血液容器。
  5. 前記菌不透過性フィルタは、液体を透過しない第1のフィルタを有する請求項1ないし4のいずれかに記載の検査用血液容器。
  6. 前記菌不透過性フィルタは、液体を透過しない第1のフィルタと、液体が接触すると気体が透過しなくなる第2のフィルタとを有する請求項1ないし4のいずれかに記載の検査用血液容器。
  7. 前記第1のフィルタは、前記使用状態において、前記第2のフィルタよりも上方に配置されている請求項6に記載の検査用血液容器。
  8. 前記連通口は、前記使用状態において、前記排気口よりも下方に設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の検査用血液容器。
  9. 前記採血ポートは、前記使用状態において、鉛直上方または鉛直上方に対して傾斜した方向に向いている請求項1ないし8のいずれかに記載の検査用血液容器。
  10. 前記採血ポートは、一端に採血管を挿入する開口部を有する筒状のホルダーと、前記ホルダーの他端側に装着され、前記容器本体に連通する中空針とを有する請求項1ないし9のいずれかに記載の検査用血液容器。
  11. 前記容器本体は、軟質材料で構成されたバック本体または硬質材料で構成された硬質容器本体からなる請求項1ないし10のいずれかに記載の検査用血液容器。
  12. 採血針と、
    前記採血針を介して採取された血液を収納する貯留容器と、
    前記採血針と前記貯留容器とを連結する採血ラインと、
    前記採血ラインの途中から分岐した分岐ラインと、
    前記分岐ラインを介して、前記採血ラインと連通する請求項1ないし11のいずれかに記載の検査用血液容器とを有することを特徴とる採血器具。
  13. 前記貯留容器は、採血バッグまたは血液分離器である請求項12に記載の採血器具。
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