JPH11318031A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JPH11318031A
JPH11318031A JP10123434A JP12343498A JPH11318031A JP H11318031 A JPH11318031 A JP H11318031A JP 10123434 A JP10123434 A JP 10123434A JP 12343498 A JP12343498 A JP 12343498A JP H11318031 A JPH11318031 A JP H11318031A
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JP10123434A
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English (en)
Inventor
Masahiko Akamatsu
昌彦 赤松
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/30Reactive power compensation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流系統に変圧器を介して接続して電力の変
換を行う電力変換装置において、変圧器の磁気飽和に対
する耐性を改良する。 【解決手段】 変圧器10の複数の二次巻線12a〜1
2dに流れる電流または電力変換器ユニット21a〜2
1dと接続される線路に流れる電流を検出する電流変成
器3a〜3d、各電流変成器3a〜3dからの出力を入
力し無効電流または無効電流が関与する電気量I、I
d、Iqを導出する電気量演算手段30、およびこの電
気量に基づき電力変換器20を制御する制御手段40を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は交流系統に変圧器
を介して接続して電力の変換を行う電力変換装置の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】交流系統に変圧器を介して接続して電力
の変換を行う電力変換装置に関する従来の実施例を図1
0(a)に示す。同図において、100は交流系統(の
線路)、10は交流系統100に接続される一次巻線1
1と電力変換器の交流端子に接続される二次巻線12と
からなる変圧器、20は上記二次巻線12に交流端子が
接続される電力変換器、52は交流系統100と上記一
次巻線11とをつなぐ線路に設けられた電流変成器、4
0は上記電流変成器52の出力を受けて上記電力変換器
20を制御する制御手段である。
【0003】上記従来の電力変換装置において、制御手
段40は少なくとも無効電流または無効電流が関与する
電気量、例えば無効電力を制御する内部制御手段(特に
図示せず)を備える。上記内部制御手段は無効電流また
は無効電流が関与する電気量の制御(少なくとも制限制
御)をする場合が多々ある。一方、電流変成器52は交
流系統100との接続点における電気量を高精度に制御
するためや電力変換器20の出力電流の高調波リップル
を避けるため前記のように変圧器10の一次巻線11側
に設けて、この出力を帰還して上記の内部制御を行って
いた。他方、交流系統100における擾乱や電力変換器
20の都合で変圧器10が磁気飽和するケースがある。
いま、通常の運転状態において変圧器10が不飽和であ
れば、変圧器10の一次電流特に無効電流IQ1と電力変
換器20が供給しようとしている電流IQ2とはほぼ等し
いので問題はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、何らかの影響
で変圧器10に磁気飽和が起きると、一次電流IQ1は減
少し、逆方向に反転する事もしばしば起きる。電流指令
値がゼロや負であっても、磁気飽和による励磁電流や偏
磁電流Iexの増加によって、電流変成器52が検出し
て制御手段40へ帰還している一次電流Is(またはそ
れを成分分解した有効電流IP1,または無効電流IQ
1)が指令値からはずれる。これに対して、制御手段4
0は、一次電流Isが指令値からはずれるので、電流を
さらに出力するように電力変換器20へ制御指令C(電
圧指令または少なくとも電圧の増減(変分)指令ΔVd
r,ΔVqr等)を与える。この結果、電力変換器20
はさらに大きな電流IQ2を供給しようとするため、偏磁
電流や磁気飽和電流が電力変換器側20からも増加し
て、過電流になりやすい。さらに、上記電力変換器20
が大きな電流IQ2を供給しようとする結果、電力変換器
20側から印加される電圧が増加するため変圧器10の
磁気飽和が加速されるケースも現れる。特に、無効電
流、無効電力、交流電圧、力率などを制御している場
合、それらを維持しようとする結果、上記磁気飽和が加
速される。すなわち、図10(a)の矢印IQ1の電流
を流すよう負帰還制御をしているので、交流系統100
側から流入する逆極性の無効電流Iex1にたいして、
無効電流制御系は正帰還になる。有効電流についても、
磁気飽和による鉄損や励磁銅損を供給する有効電流が交
流系統から流入すると正帰還になる。いずれにしても、
電流制御系や電流と比例的関係にある量(例えば無効電
力、有効電力)を制御する制御系が制御手段40に備え
てあれば、磁気飽和が起きるとそれら制御系に正帰還が
働き、電力変換器20の過電流が発生しやすくなる。こ
のため、電力変換機能の一時停止や運転停止の原因にな
る。
【0005】上記現象に係る波形を同図(b)(c)に
示す。同図(b)の実線で示す正弦波は交流系統100
の電圧Vsを示し、実線で示すIexは事故回復時再起
電圧が印加された場合などに現れる偏磁状態の励磁電流
波形を示す。これに対し、同期回転座標系で無効電流I
Qで見ると、同図(c)の様に示される。いま、無効電
流が比較的小さい値で且つ誘導性無効電流IQr(キャパ
シティブ無効電流の場合はIQrが負方向)に制御されて
いる場合を示す。磁気飽和により誘導性無効電流IQ
交流系統100側から流入して増加すると、制御手段4
0は所定の無効電流IQrに維持するためキャパシティブ
運転をしようと電圧を上昇させる。即ち、電力変換器2
0側から見れば遅れ電流を供給しようとして磁気飽和に
よる偏磁電流を電力変換器20側が負担しようとする。
上記電圧上昇により、同図(b)の鎖線で示すように変
換器電圧Vc(図中、従来Vc)が上昇する。この結
果、変圧器10は益々磁気飽和を強め、正帰還による発
散性の特性になる。初期に与えられる、擾乱が大きけれ
ば発散して系が逸脱するに至る。
【0006】以上偏磁の場合について説明したが、通常
の両極性に励磁電流(磁気飽和電流)が増加する磁気飽
和の場合にも同様に、変圧器の一次側での無効電流・無
効電力や力率を維持しようとして電力変換器の電圧を上
昇させる方向に制御手段および電力変換器が作用して、
即ち正帰還が働き、変圧器が益々磁気飽和を強める。
【0007】上記磁気飽和を避けるために変圧器の設計
磁束密度を下げて磁気飽和する恐れが無いようにすれば
変圧器が不経済となる。これに対して、変圧器を経済的
に製作するためには変圧器の磁気飽和に対する耐性を向
上させる必要がある。以上のように、従来の装置では変
圧器の磁気飽和に対する耐性が弱いと言う課題があっ
た。
【0008】この発明は、以上のような課題を解決する
ためになされたもので、交流系統に変圧器を介して接続
して電力の変換を行う電力変換装置において、変圧器の
磁気飽和に対する耐性を改良することを目的とする。ま
た、上記目的を高精度の制御特性のもとで実現せんとす
るものである。さらに、上記偏磁現象軽減のため、線路
に流れる直流電流成分の抑制を図るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る電力変換
装置は、一次巻線が交流系統に接続された変圧器、この
変圧器の複数の二次巻線のそれぞれに接続された複数の
電力変換器、上記各二次巻線に流れる電流または上記各
二次巻線と上記各電力変換器とを接続する線路に流れる
電流を検出する上記複数の電流変成器、これら電流変成
器からの出力を入力し無効電流または無効電流が関与す
る電気量を導出する電気量演算手段、およびこの電気量
演算手段からの電気量に基づき上記電力変換器を制御す
る制御手段を備えたものである。
【0010】請求項2に係る電力変換装置は、一次巻線
が三相の交流系統に接続された三相の変圧器、この変圧
器の複数の二次巻線のそれぞれに接続された複数の電力
変換器、上記各二次巻線に流れる電流または上記各二次
巻線と上記各電力変換器とを接続する線路に流れる電流
を検出する上記複数の電流変成器、これら電流変成器か
らの出力を入力し無効電流または無効電流が関与する電
気量を導出する電気量演算手段、およびこの電気量演算
手段からの電気量に基づき上記電力変換器を制御する制
御手段を備えたものである。
【0011】また、請求項3に係る電力変換装置は、請
求項2において、その電気量演算手段は、変圧器の結線
に応じて互いに位相が異なる、各電流変成器からの出力
を、所定の位相基準の信号に統一する位相基準統一手段
を備え、この位相基準統一手段からの出力に基づき電気
量を導出するようにしたものである。
【0012】また、請求項4に係る電力変換装置は、請
求項2において、その電気量演算手段は、変圧器の結線
に応じて互いに位相が異なる、各電流変成器からの出力
を、所定の位相基準の信号に統一する位相基準統一手
段、およびこの位相基準統一手段からの出力を同期回転
座標系の信号に変換して電気量として導出する座標変換
手段を備えたものである。
【0013】また、請求項5に係る電力変換装置は、請
求項2において、その電気量演算手段は、各電流変成器
からの各三相出力を同期回転座標系の信号に変換する複
数の座標変換手段を備え、これら座標変換手段からの出
力に基づき電気量を導出するようにしたものである。
【0014】また、請求項6に係る電力変換装置は、請
求項2において、その電気量演算手段は、各電流変成器
からの各三相出力に基づき上記各三相毎の電気量を算出
する複数の算出手段、およびこれら算出手段からの出力
を同期回転座標系の信号に変換して電気量として導出す
る座標変換手段を備えたものである。
【0015】また、請求項7に係る電力変換装置は、請
求項1ないし6のいずれかにおいて、その電気量演算手
段は、各電流変成器からの出力の一部または全ての和を
演算する和演算手段、上記電流変成器からの出力の一部
または全ての平均値を演算する平均値演算手段、上記各
電流変成器からの出力の一部または全ての最大値を演算
する最大値演算手段、および上記各電流変成器からの出
力の一部または全ての最小値を演算する最小値演算手段
の内少なくとも一の手段を備えたものである。
【0016】また、請求項8に係る電力変換装置は、一
次巻線が交流系統に接続された変圧器、この変圧器の二
次巻線に接続された電力変換器、上記二次巻線に流れる
電流または上記二次巻線と電力変換器とを接続する線路
に流れる電流を検出する電流変成器、この電流変成器か
らの出力を入力し無効電流または無効電流が関与する電
気量を導出する電気量演算手段、この電気量演算手段か
らの電気量に基づき上記電力変換器を制御する第1の制
御手段、上記変圧器の一次巻線側における電力を検出す
る電力検出手段、およびこの電力検出手段からの電力検
出値と指令値との偏差を入力として制御量を出力する第
2の制御手段を備え、上記第1の制御手段は上記電気量
と上記第2の制御手段からの制御量との偏差を入力とし
て上記電力変換器を制御するようにしたものである。
【0017】請求項9に係る電力変換装置は、一次巻線
が交流系統に接続された変圧器、この変圧器の二次巻線
に接続された電力変換器、上記二次巻線に流れる電流ま
たは上記二次巻線と電力変換器とを接続する線路に流れ
る電流を検出する第1の電流変成器、この第1の電流変
成器からの出力を入力し無効電流または無効電流が関与
する電気量を導出する電気量演算手段、この電気量演算
手段からの電気量に基づき上記電力変換器を制御する第
1の制御手段、上記変圧器の一次巻線側における電流を
検出する第2の電流変成器、およびこの第2の電流変成
器からの電流検出値と指令値との偏差を入力として制御
量を出力する第2の制御手段を備え、上記第1の制御手
段は上記電気量と上記第2の制御手段からの制御量との
偏差を入力として上記電力変換器を制御するようにした
ものである。
【0018】また、請求項10に係る電力変換装置は、
請求項8または9において、その第2の制御手段の応答
速度を第1の制御手段のそれより遅く設定したものであ
る。
【0019】また、請求項11に係る電力変換装置は、
請求項8ないし10のいずれかにおいて、その第2の制
御手段の出力に指令値を加減算する加減算手段を備えた
ものである。
【0020】また、請求項12に係る電力変換装置は、
請求項11において、その第2の制御手段の出力を、変
圧器の励磁分に相当する値に制限するリミッタを備えた
ものである。
【0021】また、請求項13に係る電力変換装置は、
三相の交流系統に接続された電力変換器、上記交流系統
と電力変換器とを接続する線路に流れる電流を検出する
電流変成器、およびこの電流変成器からの出力に基づき
上記電力変換器を制御する制御手段を備えた電力変換装
置において、上記電流変成器を直流成分の伝達可能なも
のとし、上記電流変成器からの出力を同期回転座標系の
信号に変換する座標変換手段、およびこの座標変換手段
からの出力の基本波の交流成分を抽出する交流成分抽出
手段を備え、この交流成分抽出手段からの出力を上記制
御手段へ帰還することにより上記電流変成器に流れる直
流電流成分を抑制するようにしたものである。
【0022】請求項14に係る電力変換装置は、三相の
交流系統に接続された電力変換器、上記交流系統と電力
変換器とを接続する線路に流れる電流を検出する電流変
成器、およびこの電流変成器からの出力に基づき上記電
力変換器を制御する制御手段を備えた電力変換装置にお
いて、上記電流変成器を非線形磁気特性を有する磁心を
使用したものとし、上記電流変成器からの出力を逆相の
同期回転座標系の信号に変換する座標変換手段、および
この座標変換手段からの出力の基本波または3倍周波数
の交流成分を抽出する交流成分抽出手段を備え、この交
流成分抽出手段からの出力を上記制御手段へ帰還するこ
とにより上記電流変成器に流れる直流電流成分を抑制す
るようにしたものである。
【0023】請求項15に係る電力変換装置は、三相の
交流系統に接続された電力変換器、上記交流系統と電力
変換器とを接続する線路に流れる電流を検出する電流変
成器、およびこの電流変成器からの出力に基づき上記電
力変換器を制御する制御手段を備えた電力変換装置にお
いて、上記電流変成器を非線形磁気特性を有する磁心を
使用したものとし、上記電流変成器からの出力を同期回
転座標系の信号に変換する座標変換手段、およびこの座
標変換手段からの出力の基本波または3倍周波数の交流
成分を抽出する交流成分抽出手段を備え、この交流成分
抽出手段からの出力を上記制御手段へ帰還することによ
り上記電流変成器に流れる直流電流成分を抑制するよう
にしたものである。
【0024】また、請求項16に係る電力変換装置は、
請求項13ないし15のいずれかにおいて、その制御手
段に固定座標系の制御部を備え、交流成分抽出手段から
の出力を固定座標系の信号に変換する逆変換手段を備
え、この逆変換手段からの出力を上記制御部へ帰還する
ようにしたものである。
【0025】また、請求項17に係る電力変換装置は、
請求項13ないし15のいずれかにおいて、その制御手
段に同期回転座標系の制御部を備え、交流成分抽出手段
からの出力を上記制御部へ帰還するようにしたものであ
る。
【0026】また、請求項18に係る電力変換装置は、
請求項13ないし17のいずれかにおいて、複数の電力
変換器を、一次巻線が交流系統に接続された変圧器の複
数の二次巻線のそれぞれに接続し、上記二次巻線に流れ
る電流または上記各二次巻線と各電力変換器とを接続す
る線路に流れる電流を検出する上記複数の電流変成器か
らの出力和に基づき当該電流変成器に流れる直流電流成
分を抑制する場合、上記変圧器を、主磁路を共通とし、
鉄心窓をギャップ付き鉄心により互いに区分してなる区
分窓に上記複数の各巻線を巻回してなるものとしたもの
である。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明による実
施の形態1の構成図を図1に示す。図において、100
は交流系統、10a,10bは交流系統100に接続さ
れる一次巻線11aないし11dおよび二次巻線12a
ないし12dからなる変圧器、20は変圧器10の二次
巻線12のそれぞれに交流端子が接続された電力変換器
ユニット21aないし21dからなる電力変換器、3a
ないし3dおよび3b’は二次巻線の電流または二次巻
線と電力変換器の交流端子をつなぐ線路に流れる電流を
検出する電流変成器、30は電流変成器群の出力を入力
して、制御すべき所定の電流I,Id,Iqまたは電流
が関与する電気量を導出する電気量演算手段である。電
力変換器ユニット21としては、2レベル、3レベル、
多レベルのDC/AC間三相電力変換器や三相/任意相
数間サイクロコンバータが使用できる。さらに、電気量
演算手段30は、千鳥結線された移相巻線付き二次巻線
12c,12dの線電流に対応する値から一次巻線11
c,11dの線電流(又は相電流)に対応する値を計算
する変数変換手段31a,31b、△結線された二次巻
線12bにつながる線電流を検出する電流変成器3b’
の出力から△結線された二次巻線電流(相電流)に対応
する値、ひいては一次巻線11bの線電流(又は相電
流)に対応する値に変数変換する変数変換手段32、一
次巻線電流に対応する値から同期回転座標系の電気量に
変換する座標変換手段33a,33b、および座標変換
手段33a,33bの出力を入力して電気量を算出する
算出手段34などからなる。さらに、40は上記算出手
段34の出力を入力して少なくとも上記電気量を制御す
る内部制御手段41を備える制御手段である。さらに、
交流系統100と一次巻線11とをつなぐ線路の電流を
検出する電流変成器52、および同線路の電圧を検出す
る電圧変成器51を設け、それぞれの検出出力を制御手
段40に入力し他の制御目的に利用する。
【0028】一次巻線と二次巻線とが同一の結線であれ
ば、二次電流が一次電流と瞬時値で比例関係があるので
変数変換手段31a等は不要である。△結線とY結線と
の関係の場合、二次側が△結線であれば△結線の内側の
相電流を検出する電流変成器3bを用いれば巻き数比だ
けの問題なので電流変成器自体でも検出係数を変えるだ
けで対処できる。電力変換器20側の交流端子や接続線
路で線電流を検出する電流変成器3b’の場合、線電流
から相電流を導く変数変換手段32を使用できる。この
変換行列の例を図2(a)に示し、電流変成器3b’の
検出値を行列の左からかければよい。この変換は、ゼロ
相成分を無視しているが、二次巻線と電力変換器ユニッ
トが3線接続されていれば電力変換器と二次巻線との間
にゼロ相成分が含まれないので、ゼロ相電流の検出は不
要である。また、移相巻線を持つ場合、例えば二次巻線
が千鳥結線された移相巻線付き二次巻線12c,12d
の場合、変数変換手段31a,31bの変数変換行列は
図2(b)(c)で示される。この場合も、電流変成器
3c、3dの検出値を行列の左からかければよい。この
行列の要素a1,a2は千鳥結線された二次巻線のそれぞ
れ部分巻線と一次巻線との間の電流比(巻き数比、変圧
比)で決まる定数である。その他任意な巻線形式におい
ても磁路と巻き数により決まる変換行列(巻線比行列)
を用いて変数変換できる。これらの変数変換手段は互い
の結線が異なる形式の場合に生じる位相差を一次側に合
わせる移相手段でもあり、ベクトルの任意な合成(係数
をかけた和差)により実行することもできる。
【0029】以上の結果、通常時は一次電流を代表でき
る電流値の検出が出来、しかも、磁気飽和時には交流系
統100から変圧器10へ流入する磁気飽和電流が電流
変成器3へ伝わる事が避けられる。即ち、前述(図1
0)の正帰還系が阻止される。更に、図10(a)の点
線矢印で示すように、電力変換器20から変圧器10へ
流入する磁気飽和電流Iex2は、制御手段40が負帰
還制御しようとしている電流IQ2の向きと同じなの
で、正帰還が働かず、負帰還が働く。即ち、負帰還によ
り磁気飽和電流が抑制されると言う特段有効な作用が働
く訳である。この結果、従来の問題の原因が既にかなり
解消されている。
【0030】つぎに、一次電流を代表するが、位相が一
次電流と一致しなくとも、任意な基準位相の同期回転ベ
クトルで見れば三相合成ベクトルを捉えることが出来
る。従って、任意な基準位相を決め、これに統一すれば
よい。例えば、三相ベクトルを任意な角度αだけ回転さ
せる座標変換行列を[C(α)]とすると、[C(α)]に全ての
電流変成器の検出出力値をかけると、角度αだけずれた
座標から見た三相ベクトルが得られる。従って、図1の
実施例では、二次巻線12aが一次巻線11aと同相な
のでこの位相を基準として合わせたが、他の二次巻線1
2b,12c,12dの位相を基準にすることも出来
る。基準に選んだ位相に合致した電流変成器の出力に対
しては変数変換手段31aや31bが不要になる訳であ
る。このほか、任意な位相を基準に出来る。この基準位
相、即ちベクトルを観測する座標の角度に従って位相基
準を統一する事により、一次巻線電流に代わりうる電流
ベクトル信号が得られる。この時、各電力変換器ユニッ
ト21a〜21dの高調波電流も互いにキャンセルし合
って低減される。このため、前述の「通常時は一次電流
を代表できる電流値の検出が出来、しかも、磁気飽和時
には交流系統100から変圧器10へ流入する磁気飽和
電流が電流変成器3に伝わるのを阻止できる。即ち、前
述の従来の問題の原因が相当解消される」と言う作用効
果も保持出来る。
【0031】上記問題がかなり解消された電流変成器の
検出値を座標変換手段33a,33bで変換したり、制
御すべきより適切な量を算出する算出手段34で処理さ
れた電気量、例えば総合的な電流ベクトルIや同期回転
座標系の2軸電流Id,Iqが出力され、それらの電気
量は内部制御手段41へ送られる。また、電力変換器か
ら変圧器へ流入する磁気飽和電流は、遅れ無効電流にな
るので、所定の無効電流・無効電力や力率で運転してい
る場合、上記電力変換器側から変圧器へ流入する磁気飽
和電流が検出されて電力変換器が過剰な無効電流を供給
している(キャパシティブ運転過剰)事になり、電力変
換器の出力電圧を下げる方向に内部制御手段41が作用
する。この詳細については更に後述する。これによっ
て、先の図10(b)に点線で示す変換器電圧Vc(図
中、本案Vc)のごとく変圧器の電圧も引き下げられ
る。このため、磁気飽和により増加しようとしていた誘
導性無効電流IQ2が同図(c)の点線(図中、本案
Q2)のごとく抑制される。すなわち、従来は磁気飽和
が加速される発散性であったが、この発明では収束性が
強まる。この他、この発明の電流変成器の出力を用いれ
ば、電力変換器から流出する電流も検出しているので過
電流の監視と保護制御や過電流の抑制制御他、他の目的
にも使用できる。
【0032】以上の説明では、変圧器磁気飽和耐性向上
に関してのべた。上記の他、この実施形態では、二次巻
線12aないし12dが、30度と15度の位相差を持
たせて有り、全体で15度づつ位相をずらして各電力変
換器ユニット21a〜21dがスッチング出来るよう変
圧器10が構成してある。これにより、24相の電力変
換器が構成され、各電力変換器ユニット21a〜21d
が発生する高調波は交流系統100への接続点で、24
n±1次(nは自然数)に低減できる。電力変換器ユニ
ットはPAM(振幅変調)モート゛、固定パルス幅変調状態
でのPAMモート゛またはPWM(パルス幅変調)モート゛で制
御できる。各グループ内は、更に基本波位相やPWMキ
ャリア位相をずらせうる。総じてスイッチングタイミン
グを適宜ずらせうる。これらにより高調波が少ない電力
変換装置が提供出来る訳である。また、二次巻線の位相
差に合わせて電力変換器ユニットを運転できるので、各
電力変換器ユニットの電力がバランスする。電力変換器
を他の電源系統や、負荷などに接続する場合、そのため
の端子例えばAC/DC電力変換器では直流端子PP,
NNをだせる。このほかサイクロコンバータでは他の交
流端子を出すことが出来る。
【0033】上記のように、二次巻線の線路または二次
巻線と電力変換器とをつなぐ線路に電流変成器を設けた
ので、交流系統100からの磁気飽和電流が電流変成器
3へ流入せず、また、電力変換器から変圧器へ流入する
磁気飽和電流に対してそれを抑制する負帰還制御作用が
得られる。このため、変圧器の磁気飽和に対する耐性が
向上する効果が得られる。しかも、多数の変換器ユニッ
トを用いた場合に、各電流変成器からの出力を総合した
信号は、高調波が低減され従来の高速応答制御にも使用
可能である。また、電流変成器群が個別の電力変換器ユ
ニットの過電流保護や監視にも共用可能である。また、
変圧器の磁路に加わっている起磁力を監視制御するな
ど、他の偏磁抑制制御やモニタリングとの共用も可能で
ある。
【0034】実施の形態2.この発明による実施の形態
2の構成図を図3に示す。図において、二次巻線12
a,12b,12cはY結線にし、二次巻線12d,1
2e,12fはデルタ結線にしてある。電流変成器3
d,3e,3fはデルタ結線内の巻線に挿入してある。
ただし、前述の図1における3b’の様に、変数変換手
段32を使用すれば、図3点線図示の3’の如く線電流
を検出する電流変成器でもよい。この実施の形態では、
一次巻線が全て直列接続されているのに対して、二次巻
線側がスター結線グループとデルタ結線グループに分け
てある。このため、全体として12相の電力変換器が構
成されている。電力変換器ユニットはPAM(振幅変
調)モート゛、固定パルス幅変調状態でのPAMモート゛または
PWM(パルス幅変調)モート゛で制御できる。各グループ
内は、更に基本波位相やPWMキャリア位相をずらせう
る。総じてスイッチングタイミングを適宜ずらせうる訳
である。これらにより高調波が少ない電力変換装置が提
供出来る。
【0035】制御に関しては、前述の実施の形態1と同
じ構成なので、同じ作用効果が得られる。すなわち、上
記のように、二次巻線の線路または二次巻線と電力変換
器とをつなぐ線路に電流変成器を設けたので、交流系統
100から変圧器10への磁気飽和電流が電流変成器3
へ流入せず、また、電力変換器から変圧器へ流入する磁
気飽和電流に対してそれを抑制する負帰還制御作用が得
られる。このため、変圧器の磁気飽和に対する耐性が向
上する効果が得られる。しかも、多数の変換器を用いた
場合に、電流変成器からの出力を総合した信号は、高調
波が低減でき従来の高速応答制御にも使用可能である。
また、電流変成器群が個別の電力変換器ユニットの過電
流保護や監視にも共用可能である。また、変圧器の磁路
に加わっている起磁力を監視制御するなど、他の偏磁抑
制制御やモニタリングとの共用も可能である。
【0036】実施の形態3.この発明による実施の形態
3の構成図を図4に示す。図において、二次巻線12a
uないし12cwは三相3段分の二次巻線で、すべて各
相独立に単相電力変換器ユニット22aないし22iに
接続してある。単相電力変換器ユニット22aないし2
2iは2レベル,3レベル、多レベルのDC/AC間電
力変換器やサイクロコンバータが使用できる。電流変成
器3auないし3cwは各相ごとに挿入されているが、
三相毎にグルーピングすれば、三相電流変成器が3組設
けて有るのと同じである。一次側で合成される段数が3
であり、これが少ないので、3レベルの単相電力変換器
など、個々の電力変換器ユニット自体の中に独立制御さ
れるスイッチ数が多い電力変換器が高調波低減の点で適
する。この場合も、固定パルス幅変調状態でのPAMモー
ト゛、可変パルス幅変調するPWMモート゛、フル出力幅での
PAMモート゛などに対応可能である。電流変成器3auな
いし3cwの出力を三相グループで見ると3グループで
あるから、電気量演算手段に入力される検出電流値の数
は少なくて済む。また、一次巻線も単純な直列接続であ
るため、変圧器10による位相差がなく、全て同相であ
る。したがって、強いて変数変換手段を使って、位相基
準を統一する必要がない。即ち、位相基準統一手段が省
略できる効果が得られる。
【0037】制御に関しては、前述の実施形態と同じ構
成なので、同じ作用効果が得られる。すなわち、上記の
ように、二次巻線の線路または二次巻線と電力変換器と
をつなぐ線路に電流変成器を設けたので、交流系統から
の磁気飽和電流が電流変成器へ流入せず、また、電力変
換器から変圧器へ流入する磁気飽和電流に対してそれを
抑制する負帰還制御作用が得られる。このため、変圧器
の磁気飽和に対する耐性が向上する効果が得られる。し
かも、多数の変換器を用いた場合に、電流変成器からの
出力を総合した信号は、高調波が低減でき従来の高速応
答制御にも使用可能である。また、電流変成器群が個別
の電力変換器ユニットの過電流保護や監視にも共用可能
である。また、変圧器の磁路に加わっている起磁力を監
視制御するなど、他の偏磁抑制制御やモニタリングとの
共用も可能である。
【0038】実施の形態4.この発明による実施の形態
4の構成図を図5に示す。この実施形態は電気量演算手
段30に関する詳細実施形態を示すもので、前記実施形
態1ないし3他に共通に適用できるものである。図にお
いて、60は電流変成器群から三相関係の(またはあら
かじめ3相2相変換してあれば2相関係の)電流値信号
I1,I2,Ij,Ik,Inを入力として、変数変換
手段31,32や移相変換あるいは移相シフト手段38
および移相基準に合っていればそのまま通す事によって
移相基準を統一する位相基準統一手段である。34は制
御量算出手段で、総和をとる和演算手段341,最大値
を取る最大値演算手段342,あらかじめ入力信号のグ
ループ毎に和をとる和演算手段344,平均値を出す平
均値演算手段341などよりなる。グループ毎に和をと
る和演算手段344は最大値を取る際に、電力変換器ユ
ニットの出力高調波による細かいリップル(高調波電
流)による悪影響を除去するのに有効である。33は3
相/2相変換手段35および2相軸(αβ軸)の量I
α,Iβを同期回転座標系の量Id,Iqに変換する座
標変換手段36からなる座標変換手段である。あらかじ
め、電流変成器他で3相2相変換してあれば2相関係の
電流信号I1,I2,Ij,Ik,Inが入ってくるの
で、3相/2相変換手段35は省略できる。また、位相
基準統一手段60のなかで、変数変換や位相変換を行う
際に、3相2相変換を兼ねる変数変換行列を用いれば同
様に3相/2相変換手段35は省略できる。
【0039】さらに、単相電力変換装置の場合は、電流
変成器群からの電流値に関する信号が単相で三相制御の
意義がないので座標変換手段33が不要である。この場
合は、算出手段34の出力I(1φ)を用いて、あとの
制御手段40中の内部制御手段41において固定座標量
で制御すればよいことになる。また、単相では電力変換
器ユニットを他の目的で意図的に位相をずらせて運転す
る場合であって、電力変換器ユニットの電流位相もずれ
る場合を除けば位相基準統一手段も不要に出来る。
【0040】次に、図5の電気量演算手段30の構成を
種々の変形例の電力変換装置に適用した場合の動作につ
いて説明する。最も単純な単相の場合、電流変成器群か
らの出力の総和や平均値を取り、これを出力I(1φ)
として送出すれば、図1、3、4で説明した制御手段4
0において総合的制御が可能になる。勿論、二次巻線電
流に基づく制御が行われるので前述実施形態で述べた、
変圧器の磁気飽和に対する耐性が向上する効果が得られ
る。また、最大値を取る機能をつかった出力を出せば、
これに基づく後の制御が行えるので過電流の抑制がし易
くなる。すなわち、偏磁や磁気飽和に対して高速に応答
して電流抑制を働かせる信号(例えば電圧指令の引き下
げ)を電力変換器20に送ることができる。2相電力変
換装置や3相電力変換装置においては、更に多くの方法
が適用できる。固定座標の電流値で制御手段40のなか
の内部制御手段41が制御する場合、算出手段34の出
力I(3φ)または,I(2φ)を内部制御手段41へ
送出すればよい。さらに、3相信号が算出手段34から
入力される場合は、3相/2相変換手段35の出力I
(2φ)を内部制御手段41へ送出すればよい。3相電
力変換装置においても、2相の固定座標系の値に基づい
て制御系を組み、最後の各相電圧指令やPWM(パルス
幅変調)の段階で3相に対応できる。
【0041】従って、2相電力変換装置や3相電力変換
装置においても、上記単相電力変換装置の場合と同じ作
用(最大値を取る作用、平均値を取る作用、総和を取る
作用、これらを用いて制御手段側で対応できる多様な制
御作用)をさせ得る訳である。さらに、2相電力変換装
置や3相電力変換装置においては、合成回転ベクトル量
が制御され得るので、無効電流・有効電流・無効電力・
有効電力などの瞬時値が制御できる。この点、後述の同
期回転座標系での制御がよく使われているが、固定座標
系の値I(3φ)または,I(2φ)を用いても同等の
制御が出来る。なぜなら、観測座標系の違いだけで、互
いに等価な座標変換系が組めるからである。
【0042】次に座標変換手段33を用いる場合につい
て述べる。図において、固定座標系の三相電流値を表す
信号I(3φ)が入ってくる場合には、座標変換手段3
3の中の3相/2相変換手段35によりα−β2軸の量
Iα,Iβに変換する。ついで、座標変換手段33の中
の座標変換手段36へα−β2軸の量Iα,Iβを入力
して、同期回転座標系の量Id,Iqを導出する。前述
の作用により座標変換手段33へ入力される総合化され
た電流値を表す信号I(3φ)は既に、最大値・平均値
・総和など制御目的に合った制御すべき量に処理されて
いるので、座標変換手段33から導出される同期回転座
標系の量(電流ベクトル)Id,Iqにも反映されてい
る。しかも、同期回転座標系の量Id,Iqは直流電気
量で表されているので、無効電流・有効電流などの瞬時
値と対応させ得る特長がある。また、無効電流・有効電
流と対応しているので、同様の座標変換手段を介して別
途検出される電圧ベクトルとあわせて無効電力・有効電
力の瞬時値を計算でき、これらを制御すべき電気量にも
選び得る。また、絶対値も二乗和のルートをとって簡単
に計算できるので、電流絶対値の制限制御や監視制御・
保護制御などにも共用できる。これらの、多様な対応
は、制御手段40側で利用できる訳である。いま、一例
として、無効電流・有効電流などの瞬時値や無効電力・
有効電力の瞬時値を制御手段40中の内部制御手段41
が選べば、それらの量が瞬時値ベースで高速制御出来る
事となる。後述の実施の形態6で更に詳しく説明する。
【0043】無効電流または無効電力の瞬時値を制御し
ておけば、変圧器の磁気飽和電流が無効電流または無効
電力の瞬時値になって現れるので、既述したように、こ
れらが指令値よりずれる事が抑制される。したがって、
無効電流や無効電力と比例関係にある磁気飽和電流が電
力変換器側から変圧器へ流入しようとすると、速やかに
抑制制御作用が働く。具体的には、制御手段40側が所
定の指令値より過剰な電流と判断できるので、電力変換
器の電圧を引き下げうる。場合によっては逆極性にまで
電圧を変えて、磁気飽和電流の増加を抑制できる。しか
も、この磁気飽和電流の抑制作用だけでなく、通常時は
制御手段40中の内部制御手段41により、無効電流・
有効電流などの瞬時値や無効電力・有効電力の瞬時値を
高速制御する機能を実現している訳である。即ち、通常
制御機能と磁気飽和電流の抑制機能とが共に実現できる
特長がある。
【0044】このように、内部制御手段41との相互作
用により、無効電流・有効電流などの瞬時値や無効電力
・有効電力の瞬時値を高速制御する機能と磁気飽和電流
の抑制機能とが共に実現できる効果が得られる。また、
それらの作用を直流量で扱えるので設計製作が容易にな
る効果が得られる。
【0045】実施の形態5.この発明による実施の形態
5の構成図を図6に示す。この実施形態は電気量演算手
段30に関する詳細実施形態を示すもので、前記実施の
形態1ないし3他に共通に適用できるものである。図に
おいて、344はグループ単位で電流信号の和や平均値
を取る手段で、他の電流値を表す信号入力に対しても適
用できる。これにより、後に続く座標変換手段の所要数
を低減できる。位相基準統一手段60の構成は、グルー
プ単位で電流信号をまとめる手段344を含めた点以
外、前述実施の形態4と同様である。33aないし33
nは必要に応じて設けられる位相基準統一手段60の出
力を受けて、2相または3相電流値を同期回転座標系の
量へ変換する座標変換手段である。座標変換手段33内
の3相/2相変換手段35aないし35nは、入力信号
があらかじめ2相になっている場合、前記実施形態と同
様に不要である。34a,34bは同期回転座標系の量
(電流ベクトルなど)Id1,Iq1ないしIdn,I
qnについて、それらから各軸成分毎に制御すべき電気
量Id,Iqを導出する算出手段である。即ち、この実
施形態では同期回転座標系の量に変換してから制御すべ
き電気量Id,Iqを導出する点で信号処理の順序が前
述図5と異なる。これにともない、後続の制御手段40
や内部制御手段41が固定座標系の2相信号I(2φ)
や3相信号I(3φ)を必要とする場合は、逆座標変換
手段39を設けてそれら固定座標系の量に変換する。逆
座標変換手段39は例えば、d−q軸の量Id,Iqか
らα−β2軸の量Iα,Iβに変換する手段(ベクトル
を回転させる行列演算手段)および、2相/3相変換手
段(適宜係数を掛けてベクトルの和を取る行列演算手
段)により構成できる。このほか、前記座標変換手段3
3の逆行列(または転置行列)を用いることもできる。
【0046】ここに座標変換手段33を設けて有るの
で、その座標変換における位相信号に基準位相θとこの
電流信号との位相差φ1ないしφnを考慮した個別位相
(θ+φ1)ないし(θ+φn)により同期回転座標系
の量へ変換できる。従って、入力電流信号の位相が位相
基準にあっていなくとも、個々の座標変換手段33aな
いし33nにより基準位相をあわせ得る。ゆえに、位相
基準統一手段60を省略できる。このほか、この実施形
態は、前記実施形態に比べて、処理順序が異なるだけで
あるから、同様の作用が得られる。
【0047】この実施形態は、前記実施形態に比べて同
様の作用が得られるので、同様の効果が得られる。この
ほか、直流信号である同期回転座標系の量にしてから、
制御すべき電気量を算出する算出手段34を設けたの
で、この算出手段に要求される責務が軽減できたり、フ
ィルタの利用が可能になるなど、処理がし易くなる。
【0048】実施の形態6.以上の各実施の形態では、
変圧器の二次側に設けた電流変成器の出力に基づき電力
変換器を制御することにより、変圧器の磁気飽和に対す
る耐性を向上させることをその主眼としている。しかる
に、変圧器の二次側に設けた電流変成器の出力を基に制
御することにより以下のような新たな問題点が存在す
る。
【0049】即ち、上述した変圧器二次側の電流変成器
は、変圧器の励磁電流分を検出しないので、事故等によ
る変圧器磁気飽和時ではない平常動作時において、変圧
器一次側で見た電気量を高精度で制御することが要求さ
れた場合、上記励磁分が誤差となり、この誤差の補正が
必要になる。これを解決する簡便策の一つとして、予
め、指令値に変圧器の励磁特性を考慮した値を設定する
方法があるが、更に高い精度の制御が要求されることが
考えられる。実施の形態6は、形態1〜5で説明した磁
気飽和耐性の向上を実現する制御(第1の制御手段によ
る)に加えて、変圧器の励磁分を含めた高精度特性を実
現する制御(第2の制御手段による)を追求したもので
あり、図7はこの実施の形態6の構成図である。
【0050】図において、41は既述した電気量演算手
段30から導出された電気量Id,Iqを帰還して、そ
れらの量を制御する第1の制御手段としての内部制御手
段で、レギュレータ41a,41bからなる。有効電力
や無効電力を直接制御しない場合は有効電流や無効電流
の制御を行うのが好ましい。この場合の方が、変圧器の
磁気飽和電流を抑制する上で一層直接的な抑制制御の作
用及び効果が得られる。交流系統の電圧Vsの絶対値と
の積(或いは電圧ベクトルとの内積や外積)に対応する
有効電力や無効電力を直接制御する事もあり得る。ここ
では、電流ベクトルを制御する場合について説明する。
42a,42bは第2の制御手段としての、それぞれ有
効電力Pを制御するリミッタ付きレギュレータおよび無
効電力Qを制御するリミッタ付き電力レギュレータであ
る。そして、レギュレータ41a,41bに対して、レ
ギュレータ42a,42bの応答速度を遅く設定してい
る。43a,43bはそれぞれ有効電力指令Prおよび
無効電力指令Qrから有効電流指令Idrおよび無効電
流指令Iqrを計算する割り算手段である。別途、有効
電流指令Idrおよび無効電流指令Iqrを与える場合
はこれら割り算手段は不要である。44は有効電流指令
Idrおよび無効電流指令Iqrにリミッタ付きレギュ
レータ42a,42bの出力を加える加減算手段、また
は電流指令の割り込み修正手段である。45は、電圧変
成器51の出力信号Vsと一次側電流変成器52の出力
Is(図1,3参照)とから制御手段40内で有効電力
Pおよび無効電力Qを計算して出力する電力演算手段で
ある。53は、一次側電流変成器52や電圧変成器51
と同様に制御手段の外部に別途電力検出手段を設ける場
合の電力検出手段を表す。48は電圧の上昇に対して速
く応答し、電圧の下降に対して緩やかに応答する方向性
応答速度手段で、例えば整流素子とキャパシタやディジ
タル演算で実現できる。なお、リミッタによっても、指
令値の絶対値が無制限な値を出力するのを制限できる。
なお、内部制御手段であるレギュレータ41a,41b
に対して周知な非干渉制御や電圧フィードフォアワード
補償が適用でき、一層特性向上させることができる。
【0051】算出手段34を含む電気量演算手段30か
ら帰還されてくる制御すべき電気量Id,Iqが加減算
手段44a,44bからの指令値Idr2,Iqr2と
比較されてレギュレータ41a,41bから電力変換器
20への制御信号Cを出力する。指令値Idr2,Iq
r2は、応答が遅く指令の補正量がリミッタで制限され
ているので、ここでは実質的に指令値Idr,Iqrに
等しい。電力変換器20への制御信号Cは電力変換器2
0が発生すべき電圧Vdr,Vqrまたは、少なくとも
発生すべき電圧の変分や変化の方向を意味する信号ΔV
dr,ΔVqrを送出する。振幅変調PAMモート゛で動作
する電力変換器では交流系統の電圧位相に対する電力変
換器の発生電圧位相の差(運転位相差)を制御する信号
δを送出し同様の作用をさせる。これらに従属して電力
変換器20が出力電圧を加減し、所定のId,Iqにな
るよう帰還制御される。即ち、例えば有効電流や無効電
流からなる電流ベクトルが所定値に制御される。ここ
で、説明を簡単にするため、あらかじめIqが無効電流
になるよう座標変換手段33類を設定してある場合につ
き説明する。変圧器10が磁気飽和を生じて、磁気飽和
電流が流れると、無効電流に対応したIqが増加しよう
とするが、レギュレータ41bの作用により磁気飽和電
流が減少抑制される方向に電圧信号VqrまたはΔVq
rまたは運転位相差制御信号δが出力される。この結
果、電力変換器20の出力電圧が速やかに逆方向へ引き
戻されて、磁気飽和電流が抑制されるわけである。この
ほか、Id,Iqが違った成分になる様になっていて
も、制御すべき電気量であるベクトルId,Iqに磁気
飽和電流による変化が現れるので、両ベクトル量に対す
るレギュレータ41a,41bの作用で同様に抑制され
る。勿論、通常の磁気飽和が起きない運転状態では、そ
れぞれの指令値に従って制御すべき量が制御される。磁
気飽和と関連して、事故時に磁気飽和が起きやすいが、
その際、電圧が低下しても、割り算手段43a、43b
の分母の値が急低下しないよう“電圧の下降に対して緩
やかに応答する方向性応答速度手段”48が設けてあ
り、事故時に指令値Idr,Iqrが急変するのを抑止
する。これにより、前記磁気飽和電流の抑制作用がより
きめ細かく実現される。上記の説明により、事故時など
に生じる変圧器磁気飽和現象に対しては応答の速いレギ
ュレータ41a,41bが正常に作用し、従来のように
磁気飽和が加速されず磁気飽和を抑制する事が理解され
る。
【0052】次に、時間的に長いスケールの制御におい
て問題となる、既述した変圧器励磁分の誤差を補償する
動作について説明する。即ち、第2の制御手段である電
力レギュレータ42の動作について説明する。なお、こ
の場合も高速応答に対応する指令値Idr,Iqrは電
力指令値Pr,Qrを入力として、電圧Vsで割ること
により速やかに指令が出され、内部制御手段41が即追
従制御する。
【0053】上記速応制御における誤差の分に対して
は、電力レギュレータ42a,42bが緩やかに働き、
指令値の補正値を出力し、割り込み手段44a,44b
により指令値Idr2,Iqr2が補正される。この補
正量が大きすぎると、指令値事態が過剰になり過電流の
原因になるので、42a,42bはリミッタ付きレギュ
レータとし、変圧器の励磁電流や励磁損失を補正するの
に必要な小さい値に制限することができる。また、急速
に補正をかけると高速応答の内部制御手段41と干渉す
る場合があるので、リミッタ付き電力レギュレータ42
a,42bの応答速度を内部制御手段のレギュレータ4
1a,41bの応答速度より十分遅くしておく事が非常
に有益である。例えば、リミッタ付き電力レギュレータ
42a,42bには比例積分(特に積分)レギュレータ
を使って、PI両ゲインを下げておく。積分時間を長く
しておけば、ゆっくりと動作し、しかも、時間さえかけ
れば高精度が得られ、事故時に必要とされる内部制御特
性と通常動作中の制御精度とを矛盾無く実現できる。以
上は、同期回転座標系での実施例について主に述べた
が、固定座標系その他での制御も同様に実現できる。な
ぜなら、物理的に同じ意味を持つ変数を少し違う観測系
から見た量で制御するだけの変形モディファイ(変数変
換)だけで済むから出来る訳である。
【0054】以上説明の通り、内部制御手段41の作用
により、通常の制御機能を持ち、かつ、事故時などに生
じる変圧器磁気飽和時にも正常に作用し、磁気飽和を抑
制する効果が得られる。また、有効電力や無効電力を制
御するレギュレータ42(第2の制御手段)を設けるこ
とにより、その出力を内部制御手段に与えるようにした
ので、一次側から見た電気量の高精度な制御も実現され
る効果が得られる。
【0055】実施の形態7.この発明による実施の形態
7の構成図を図8に示す。この実施形態は制御手段40
に関する詳細実施形態を示すもので、前記実施の形態6
と同様の目的を意図としたものである。図において、4
7は交流系統100と変圧器10の一次巻線11とが接
続される線路に設けられた電流変成器52により検出さ
れた電流値Isを別途位相追従手段などにより検出され
る基準位相θに基づき同期回転座標系の量IP,IQに
変換する座標変換手段である。46a、46bは前記電
力レギュレータに代わる第2の制御手段である有効電流
レギュレータおよび無効電流レギュレータである。その
他は前述の実施の形態6と同様である。
【0056】図7の一次巻線側での有効電力や無効電力
の制御に代えて、一次巻線側での有効電流と無効電流の
高精度低速追従制御(高精度補正制御)を採用したの
で、構成要素が簡略化されている。この場合も、変圧器
の励磁電流や励磁損失をあらかじめ考慮して指令値に組
み入れておけば有効電流レギュレータ46aおよび無効
電流レギュレータ46bおよび座標変換手段47が省略
できる。図8の回路は、それでも精度が不足する場合に
適用して効果が得られる。有効電流レギュレータ46a
および無効電流レギュレータ46bは、高精度が要求さ
れる時の補正手段であればよいので、応答速度は前記電
力レギュレータと同様に遅くて良い。その他、作用及び
効果は前記実施形態と同様である。異なるのは、一次巻
線側の電気量で高精度制御が要求される量が電流ベクト
ルに代わった点だけである。この実施形態は、当然のこ
とながら一次巻線側での電流ベクトルの高精度制御に適
する。この他、同様に一次巻線側の電圧を高精度に制御
する場合、高精度レギュレータ46bを一次電圧レギュ
レータに代えればよい。この場合、無効電流の高速レギ
ュレータ41bが無効電流を制御して、一次電圧を高精
度に制御する作用及び効果を発揮する。勿論、振幅変調
モート゛PAMでも適用でき、この場合、運転位相差の制御
信号δを電力変換器へ送出すればよい訳である。
【0057】実施の形態8.以上の実施形態では、変圧
器の二次巻線を複数設けて、複数の電力変換器ユニット
の出力を多重化する場合について述べた。しかし、変圧
器の二次巻線を共通にし、複数の電力変換器を結合リア
クトルやACリアクトルを介して共通二次巻線に接続し
て多重化を図る「マルチプル変換器出力の合成方式」並
列多重形の電力変換装置においても、この発明を適用で
きる。即ち、電力変換器群の各電力変換器の交流電流が
流れる所に電流変成器群を設けて、それらの出力電流値
を前記要領で合成し、所定の制御すべき電気量を算出し
て前記内部制御手段へ帰還すれば同様な作用効果がえら
れる。また、結合リアクトルやACリアクトルを介して
共通二次巻線に接続しているので、共通二次巻線の線路
の電流又はリアクトルにより多重化するため並列接続し
た接続点から共通二次巻線への接続線路に電流変成器を
設ければ、各電力変換器の交流出力電流が合成された電
流が検出されるので、電流値の和を取る手段341や3
44が省略できる。また、結合リアクトル式並列多重形
において、電力変換器の運転位相をずらせ、結合リアク
トルによる位相シフト作用を持たせ、特定低次高調波を
消去する回路方式においては、実施の形態1と同様に電
力変換器毎の電流を検出して、位相を統一する事が必要
である。また、電流の和を取る場合に、電流変成器に合
成したい電流が流れる複数線路を1つの電流変成器に通
す(巻き回する)事により、電流変成器自体で合成電流
を検出できる。この場合も、電流値の和を取る手段34
1や344が省略できる。
【0058】また、以上の実施形態において、発明の作
用をわかりやすくするために、電力変換器20への信号
が同期回転座標系の量Vdr,Vqrまたは変分ΔVd
r,ΔVqrである場合について主に説明してきた。電
力変換器20が固定座標上の量で扱っている場合、同期
回転座標系の量Vdr,Vqrまたは変分ΔVdr,Δ
Vqrをそれら固定座標上の量(2相信号または3相信
号など)へ変換できる事は当業者に良く知られた技術で
あるから、任意な座標や相数に変換して信号の受け渡し
が出来る。したがって、それらの変形系にもこの発明を
実施できる事は言うまでもない。また、電気量演算手段
30の扱う信号としては、少なくとも無効電流または少
なくとも無効電流が関与する電気量であれば、変圧器の
磁気飽和に対する耐量向上の効果が得られる。
【0059】実施の形態9.この発明による実施の形態
9の構成図を図9に示す。この実施の形態は電力変換器
のAC出力線路や変圧器二次巻線に流れる僅かの直流電
流を検出して、偏磁の原因の一つであるこの直流分のゼ
ロ化制御機能を持たせた制御手段40に関する詳細実施
形態を示すもので、前記実施の形態1ないし実施の形態
8他に共通に適用できるものである。また、変圧器の直
流偏磁抑制として独立にも使用できるものである。図に
おいて、30は電力変換器の交流出力線路または変圧器
の二次巻線線路に設けられた電流変成器が出力する電流
値を同期回転座標系の電気量Id,Iqに変換する手段
33を持つ電気量演算手段で、相数が複数の電力変換器
ユニット数が単数であれば相数が複数の電流変成器も単
数でよく、電流値信号の入力は最低一組でよい。勿論、
前記実施形態における電気量演算手段30の出力を転用
できる。
【0060】今、原理を分かり易くするために三相電力
変換器ユニットが1台の場合について説明する。図9は
この転用時の構成を示す。401a,401bは上記同
期回転座標系の電流値Id,Iqを入力として、その交
流分、特に基本周波数成分を取り出す交流成分抽出手段
としてのバンドパスフィルタ,ハイパスフィルタ,バン
ドパス増幅手段(選択増幅手段),ハイパス増幅手段な
ど、少なくとも直流成分を阻止する機能を持つDCカッ
ト手段である。402は同期回転座標系の量を固定座標
系の量に逆変換する逆変換手段などの同期整流機能を持
ち、交流信号を直流信号に変換する信号変換手段、40
3a,403bは適宜な伝達関数または符号反転機能ま
たは係数かけ算機能などの機能を持つ信号伝達手段で、
前記ハイパス増幅手段等のゲインが適当であれば不要で
ある。
【0061】404は代替案用(図中、点線で示す)
で、2相3相変換手段である。433xも代替案用で、
回転座標系の量を固定座標系の量に変換する座標変換手
段である。410は、上記401,402,403、場
合によって代替対応で用いる433xまたは404から
なる直流電流成分処理手段である。25は電力変換器2
0内の制御手段としての座標変換手段で、制御指令Cを
受けて三相の電圧指令Var,Vbr,Vcrなど電力
変換器20の交流出力電圧を決める交流電圧指令生成手
段で、座標逆変換手段23(d−q軸からα―β軸への
変換)や2相3相変換手段24aなどからなり、同期回
転座標系であるd−q軸の量から固定座標系の量である
3相信号へ直接変換することもできる。ここでは、代替
案を示すため2段階に分けて変換する例を示す。
【0062】前記図1、図3、図4のように電力変換器
ユニットが複数の場合、変圧器が個別鉄心に巻かれてい
れば、この実施の形態9による直流分抑制の回路は、前
記1組の場合の要領で1組毎に適用すればよい。変圧器
の鉄心窓を複数組の区分窓に分割し、分割境界に分離鉄
心(段間分離鉄心、相間鉄心、バイパス磁路などとも呼
ばれる)を設け、この分離鉄心にギャップを設ければ、
それらギャップ付き分離鉄心により分かれた窓に各巻線
が巻かれた変圧器は共通の主磁路を持つことになる。こ
のため、直流電流成分による起磁力が主磁路に作用する
際、分離鉄心にギャップがあるため、各組の巻線の起磁
力の和が加わる。従って、各二次巻線が共通の主鉄心に
巻かれた変圧器は同一グループにして、電流変成器の三
相出力信号の和(又は平均)をとってから座標変換して
も良いし、座標変換してから和(又は平均)をとっても
良い。即ち、前述の実施の形態4,実施の形態5の要領
で算出する際に直流偏磁現象上一緒に扱える変圧器巻線
によりグループ化して、和や平均値が取れる様考慮すれ
ばよい。これにより、先に説明した電気量演算手段30
を共用して、直流電流成分を表す信号が含まれた2軸成
分Id,Iqを導出できる。ゆえに、上記図9の実施形
態での実施も可能となる。即ち、変圧器鉄心が共通化さ
れるだけでなく、この発明の信号処理も簡略化・共通化
出来る効果が得られる。かくして、直流電流成分を表す
信号が含まれた2軸成分Id,Iqが次のように処理さ
れる。
【0063】この実施形態では、電力変換器交流出力電
流や変圧器二次巻線電流に直流電流成分が含まれている
と、電流変成器からの出力に直流成分が現れ、3相2相
変換後のこの直流成分の値をIαdc,Iβdcとする
と、算出手段内で同期回転座標系に変換した際に次式で
示される変換が行われる。
【0064】
【数1】
【0065】即ち、直流成分が基本波周波数成分に変換
される。従って、Id,IqをDCカット手段401を
通すと直流電流成分を表す基本周波数成分が得られる。
ここで、バンドパスフィルタ機能付き増幅を掛けると
(演算上で増幅またはAC増幅器で増幅)、Id(A
C),Iq(AC)が強調されて浮かび上げられる。次
に、固定座標系への逆変換手段や同期整流機能手段など
信号変換手段402へId(AC),Iq(AC)を入
力すると、例えば図示402内の行列の左からId(A
C),Iq(AC)を掛けることになり、直流電流成分
Iα(dc),Iβ(dc)だけが抽出されて出力され
る。この直流成分を適当なレギュレータ403a,40
3b(適宜な伝達関数または符号反転機能または係数か
け算機能などの機能を持つ信号伝達手段)へ入力する。
レギュレータ403a,403bは指令値がゼロでよい
ので比較をしなくても良い。ゲインは、DCカット手段
のゲインでもカバーできる。N次遅れ機能くらいならバ
ンドパスフィルタの特性で得られる。積分制御を付加す
る場合にレギュレータを設ける事が極めて有益である。
【0066】後は、上記のごとく直流電流成分処理手段
410により適正に処理された直流信号出力−ΔVαd
c,−ΔVβdcを電力変換器20の指令電圧に加えれ
ば(符合が既に反転してあるので加える。符合反転して
いなければ減算する)直流電流成分をゼロに抑制する帰
還制御系が構成できる事になる。この加え方は自由であ
り、多数の代替案により実現できる。ここでは、幾つか
の例について説明する。
【0067】第1案 電力変換器20内に固定座標系の三相電圧指令信号Va
r,Vbr,Vcrを作る際に、固定座標系の2相電圧
指令信号Vα,Vβを生成している場合、図9に実線で
示すごとく、上記直流信号出力−ΔVαdc,−ΔVβ
dcを2相電圧指令信号Vα,Vβとそれぞれ合成(加
減算)すればよい。 第2案 電力変換器20内に固定座標系の三相電圧指令信号Va
r,Vbr,Vcrがある場合、上記直流信号出力−Δ
Vαdc,−ΔVβdcを、図9に点線で示す如く、2
相3相変換手段404により三相信号に変換後、三相電
圧指令信号Var,Vbr,Vcrと合成(加減算)す
ればよい。 第3案 電力変換器20が同期回転座標系の電圧指令信号Vd
r,Vqrを受け付ける信号ラインがある場合、上記直
流信号出力−ΔVαdc,−ΔVβdcを固定座標系の
量から同期回転座標系の量へ変換する座標変換手段43
3xにより変換後、この出力ΔVdr2,ΔVqr2を
電力変換器20の同期回転座標系の電圧指令信号Vd
r,Vqrと合成(加減算)すればよい。
【0068】図示は省略するが、更に、変流成分抽出手
段401a、401bの出力Id(AC)、Iq(AC)を、適
当に増幅した信号を直接、電力変換器20の周期回転座
標系の電圧指令信号Vdr、Vqrと合成(加減算)するよ
うにしてもよい。
【0069】以上の他、電力変換器内のパルス幅変調手
段内での加減操作、電力スイッチング素子へのon−o
ff信号幅の加減操作、任意な座標や相数における信号
の加減操作により実現できる。
【0070】更に、電流変成器の出力から抽出した実質
的な直流成分の帰還先としては、電力変換器20を制御
する手段であれば、図9の例えば、制御手段40の範囲
内に図示している内部制御手段41であってもよく、電
力変換器20の範囲内に図示している座標変換手段25
であってもよい。
【0071】以上の結果、僅かな直流電流成分も顕著な
信号として検知され、かつ、直流成分がゼロに近ずく様
帰還制御される。このため、直流電流成分が抑制され
る。
【0072】以上は、電流変成器に例えばギャップ付け
鉄心とホール素子を採用することにより、その一次側に
含まれる直流電流成分をその二次側へ伝達可能な電流変
成器を使用した場合について説明したが、電流変成器が
非線形磁心を使用した、いわゆるACCTの場合、直流
成分が検出できないが、代わりにACCTの偏磁により
偶数次の高調波周波数成分が現れる。特に倍周波数成分
の信号が現れる。倍周波数成分も変数変換すると基本周
波数成分に変換出来る。即ち、三相回路の倍周波数成分
は逆相成分になるので逆方向に同期回転する逆相の同期
回転座標系の量へ変換すると基本周波数成分として検知
できる。相数や位相差が違う場合、倍周波数成分が正相
成分になり、意図的にそうできる。この場合、正相の同
期回転座標系の量へ変換するとやはり基本周波数成分に
なる。これらの場合、前記の構成の要領で直流成分を抽
出できる。直流成分があるために生じる倍周波数成分が
逆相成分の場合に、正相の同期回転座標系の量へ変換す
ると3倍周波数成分になるので、バンドパスフィルタを
使う際に3倍周波数にチューニングすれば同様の要領で
直流成分を抽出出来る。相数や位相差が違う場合、倍周
波数成分が正相成分になり、意図的にそうできる。この
場合、逆相の同期回転座標系の量へ変換すると3倍周波
数成分になるので、やはりバンドパスフィルタを使う際
に、3倍周波数にチューニングすれば同様の要領で直流
成分を抽出出来る。
【0073】以上の要領で図9の構成を使えば、直流電
流成分が交流信号の形態で検知できるので、DCカット
後、検知周波数に合わせた座標変換や周波数変換の処理
をすると、直流信号や基本周波数信号に変換できる。し
たがって、前記と同様に直流電流成分の抑制信号を生成
して制御手段41,25へ帰還でき、直流電流成分の抑
制ができる。直流成分が交流信号として検知できるの
で、DCカットにより直流電流成分を一層高い選択度で
選択的に抽出して直流電流成分を抑制制御する帰還制御
系が実現でき、直流偏磁を抑制できる効果が得られる。
【0074】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る電力変換
装置は、一次巻線が交流系統に接続された変圧器、この
変圧器の複数の二次巻線のそれぞれに接続された複数の
電力変換器、上記各二次巻線に流れる電流または上記各
二次巻線と上記各電力変換器とを接続する線路に流れる
電流を検出する上記複数の電流変成器、これら電流変成
器からの出力を入力し無効電流または無効電流が関与す
る電気量を導出する電気量演算手段、およびこの電気量
演算手段からの電気量に基づき上記電力変換器を制御す
る制御手段を備えたので、交流系統からの磁気飽和電流
が電流変成器へ流入せず、電力変換器から変圧器へ流入
する磁気飽和電流に対してそれを抑制する負帰還制御作
用が得られる。
【0075】請求項2に係る電力変換装置は、一次巻線
が三相の交流系統に接続された三相の変圧器、この変圧
器の複数の二次巻線のそれぞれに接続された複数の電力
変換器、上記各二次巻線に流れる電流または上記各二次
巻線と上記各電力変換器とを接続する線路に流れる電流
を検出する上記複数の電流変成器、これら電流変成器か
らの出力を入力し無効電流または無効電流が関与する電
気量を導出する電気量演算手段、およびこの電気量演算
手段からの電気量に基づき上記電力変換器を制御する制
御手段を備えたので、三相の交流系統からの磁気飽和電
流が電流変成器へ流入せず、電力変換器から変圧器へ流
入する磁気飽和電流に対してそれを抑制する負帰還制御
作用が得られる。
【0076】また、請求項3に係る電力変換装置の電気
量演算手段は、変圧器の結線に応じて互いに位相が異な
る、各電流変成器からの出力を、所定の位相基準の信号
に統一する位相基準統一手段を備え、この位相基準統一
手段からの出力に基づき電気量を導出するようにしたの
で、変圧器の一次側の電流に代わる電流信号が得られ
る。
【0077】また、請求項4に係る電力変換装置の電気
量演算手段は、変圧器の結線に応じて互いに位相が異な
る、各電流変成器からの出力を、所定の位相基準の信号
に統一する位相基準統一手段、およびこの位相基準統一
手段からの出力を同期回転座標系の信号に変換して電気
量として導出する座標変換手段を備えたので、変圧器の
一次側の電流に代わり、しかも制御の構成の簡便化が可
能となる同期回転座標系の2軸電流信号が得られる。
【0078】また、請求項5に係る電力変換装置の電気
量演算手段は、各電流変成器からの各三相出力を同期回
転座標系の信号に変換する複数の座標変換手段を備え、
これら座標変換手段からの出力に基づき電気量を導出す
るようにしたので、複数の電流変成器からの出力を合成
する段階の回路構成が簡便となる。
【0079】また、請求項6に係る電力変換装置の電気
量演算手段は、各電流変成器からの各三相出力に基づき
上記各三相毎の電気量を算出する複数の算出手段、およ
びこれら算出手段からの出力を同期回転座標系の信号に
変換して電気量として導出する座標変換手段を備えたの
で、複数の電流変成器からの出力の合成が信号の変換を
伴うことなく直接処理することができる。
【0080】また、請求項7に係る電力変換装置の電気
量演算手段は、各電流変成器からの出力の一部または全
ての和を演算する和演算手段、上記電流変成器からの出
力の一部または全ての平均値を演算する平均値演算手
段、上記各電流変成器からの出力の一部または全ての最
大値を演算する最大値演算手段、および上記各電流変成
器からの出力の一部または全ての最小値を演算する最小
値演算手段の内少なくとも一の手段を備えたので、過電
流制御などの制御制限等、各種の制御系に必要となる電
流情報が得られる。
【0081】また、請求項8に係る電力変換装置は、一
次巻線が交流系統に接続された変圧器、この変圧器の二
次巻線に接続された電力変換器、上記二次巻線に流れる
電流または上記二次巻線と電力変換器とを接続する線路
に流れる電流を検出する電流変成器、この電流変成器か
らの出力を入力し無効電流または無効電流が関与する電
気量を導出する電気量演算手段、この電気量演算手段か
らの電気量に基づき上記電力変換器を制御する第1の制
御手段、上記変圧器の一次巻線側における電力を検出す
る電力検出手段、およびこの電力検出手段からの電力検
出値と指令値との偏差を入力として制御量を出力する第
2の制御手段を備え、上記第1の制御手段は上記電気量
と上記第2の制御手段からの制御量との偏差を入力とし
て上記電力変換器を制御するようにしたので、交流系統
からの磁気飽和電流が電流変成器へ流入せず、電力変換
器から変圧器へ流入する磁気飽和電流に対してそれを抑
制する負帰還制御作用が得られるとともに、変圧器の励
磁分を含めた高精度な制御が可能となる。
【0082】請求項9に係る電力変換装置は、一次巻線
が交流系統に接続された変圧器、この変圧器の二次巻線
に接続された電力変換器、上記二次巻線に流れる電流ま
たは上記二次巻線と電力変換器とを接続する線路に流れ
る電流を検出する第1の電流変成器、この第1の電流変
成器からの出力を入力し無効電流または無効電流が関与
する電気量を導出する電気量演算手段、この電気量演算
手段からの電気量に基づき上記電力変換器を制御する第
1の制御手段、上記変圧器の一次巻線側における電流を
検出する第2の電流変成器、およびこの第2の電流変成
器からの電流検出値と指令値との偏差を入力として制御
量を出力する第2の制御手段を備え、上記第1の制御手
段は上記電気量と上記第2の制御手段からの制御量との
偏差を入力として上記電力変換器を制御するようにした
ので、交流系統からの磁気飽和電流が電流変成器へ流入
せず、電力変換器から変圧器へ流入する磁気飽和電流に
対してそれを抑制する負帰還制御作用が得られるととも
に、変圧器の励磁分を含めた高精度な制御が可能とな
る。
【0083】また、請求項10に係る電力変換装置は、
その第2の制御手段の応答速度を第1の制御手段のそれ
より遅く設定したので、両制御手段の動作がより円滑確
実になされる。
【0084】また、請求項11に係る電力変換装置は、
その第2の制御手段の出力に指令値を加減算する加減算
手段を備えたので、第2の制御手段の動作がより安定し
たものとなる。
【0085】また、請求項12に係る電力変換装置は、
その第2の制御手段の出力を、変圧器の励磁分に相当す
る値に制限するリミッタを備えたので、第2の制御手段
の不要な動作出力が抑制される。
【0086】また、請求項13に係る電力変換装置は、
三相の交流系統に接続された電力変換器、上記交流系統
と電力変換器とを接続する線路に流れる電流を検出する
電流変成器、およびこの電流変成器からの出力に基づき
上記電力変換器を制御する制御手段を備えた電力変換装
置において、上記電流変成器を直流成分の伝達可能なも
のとし、上記電流変成器からの出力を同期回転座標系の
信号に変換する座標変換手段、およびこの座標変換手段
からの出力の基本波の交流成分を抽出する交流成分抽出
手段を備え、この交流成分抽出手段からの出力を上記制
御手段へ帰還することにより上記電流変成器に流れる直
流電流成分を抑制するようにしたので、電流変成器が挿
入された線路に発生した直流電流成分が確実に抑制され
る。
【0087】請求項14に係る電力変換装置は、三相の
交流系統に接続された電力変換器、上記交流系統と電力
変換器とを接続する線路に流れる電流を検出する電流変
成器、およびこの電流変成器からの出力に基づき上記電
力変換器を制御する制御手段を備えた電力変換装置にお
いて、上記電流変成器を非線形磁気特性を有する磁心を
使用したものとし、上記電流変成器からの出力を逆相の
同期回転座標系の信号に変換する座標変換手段、および
この座標変換手段からの出力の基本波または3倍周波数
の交流成分を抽出する交流成分抽出手段を備え、この交
流成分抽出手段からの出力を上記制御手段へ帰還するこ
とにより上記電流変成器に流れる直流電流成分を抑制す
るようにしたので、電流変成器が挿入された線路に発生
した直流電流成分が確実に抑制される。
【0088】請求項15に係る電力変換装置は、三相の
交流系統に接続された電力変換器、上記交流系統と電力
変換器とを接続する線路に流れる電流を検出する電流変
成器、およびこの電流変成器からの出力に基づき上記電
力変換器を制御する制御手段を備えた電力変換装置にお
いて、上記電流変成器を非線形磁気特性を有する磁心を
使用したものとし、上記電流変成器からの出力を同期回
転座標系の信号に変換する座標変換手段、およびこの座
標変換手段からの出力の基本波または3倍周波数の交流
成分を抽出する交流成分抽出手段を備え、この交流成分
抽出手段からの出力を上記制御手段へ帰還することによ
り上記電流変成器に流れる直流電流成分を抑制するよう
にしたので、電流変成器が挿入された線路に発生した直
流電流成分が確実に抑制される。
【0089】また、請求項16に係る電力変換装置は、
その制御手段に固定座標系の制御部を備え、交流成分抽
出手段からの出力を固定座標系の信号に変換する逆変換
手段を備え、この逆変換手段からの出力を上記制御部へ
帰還するようにしたので、固定座標系の信号を介した制
御手段への帰還動作により直流電流成分が確実に抑制さ
れる。
【0090】また、請求項17に係る電力変換装置は、
その制御手段に同期回転座標系の制御部を備え、交流成
分抽出手段からの出力を上記制御部へ帰還するようにし
たので、同期回転座標系の信号を介した制御手段への帰
還動作により直流電流成分が確実に抑制される。
【0091】また、請求項18に係る電力変換装置は、
複数の電力変換器を、一次巻線が交流系統に接続された
変圧器の複数の二次巻線のそれぞれに接続し、上記二次
巻線に流れる電流または上記各二次巻線と各電力変換器
とを接続する線路に流れる電流を検出する上記複数の電
流変成器からの出力和に基づき当該電流変成器に流れる
直流電流成分を抑制する場合、上記変圧器を、主磁路を
共通とし、鉄心窓をギャップ付き鉄心により互いに区分
してなる区分窓に上記複数の各巻線を巻回してなるもの
としたので、当該変圧器の二次側からの直流偏磁を確実
に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における電力変換装
置を示す構成図である。
【図2】 図1の変数変換手段31a、31b、32の
変換行列を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2における電力変換装
置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3における電力変換装
置を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4における電力変換装
置の電気量演算手段30を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5における電力変換装
置の電気量演算手段30を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態6における電力変換装
置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態7における電力変換装
置を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態9における電力変換装
置を示す構成図である。
【図10】 従来の電力変換装置の構成およびその問題
点を説明するための図である。
【符号の説明】
3a〜3f,3au〜3cw,3’ 電流変成器、1
0,10a,10b 変圧器、11,11a〜11f,
11au〜11cw 一次巻線、12,12a〜12
f,12au〜12cw 二次巻線、20 電力変換
器、21a〜21f,22a〜22i 電力変換器ユニ
ット、25 交流電圧指令生成手段、30 電気量演算
手段、31a,31b,32 変数変換手段、35 3
相/2相変換手段、36 座標変換手段、39 逆座標
変換手段、40 制御手段、41 内部制御手段、41
a,41b レギュレータ、42a,42b 電力レギ
ュレータ、46a 有効電流レギュレータ、46b 無
効電流レギュレータ、60 位相基準統一手段、100
交流系統、341,344 和演算手段、342 最
大値演算手段、343 平均値演算手段、401a,4
01b バンドパスフィルタ、402 信号変換手段、
410 直流電流成分処理手段。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線が交流系統に接続された変圧
    器、この変圧器の複数の二次巻線のそれぞれに接続され
    た複数の電力変換器、上記各二次巻線に流れる電流また
    は上記各二次巻線と上記各電力変換器とを接続する線路
    に流れる電流を検出する上記複数の電流変成器、これら
    電流変成器からの出力を入力し無効電流または無効電流
    が関与する電気量を導出する電気量演算手段、およびこ
    の電気量演算手段からの電気量に基づき上記電力変換器
    を制御する制御手段を備えた電力変換装置。
  2. 【請求項2】 一次巻線が三相の交流系統に接続された
    三相の変圧器、この変圧器の複数の二次巻線のそれぞれ
    に接続された複数の電力変換器、上記各二次巻線に流れ
    る電流または上記各二次巻線と上記各電力変換器とを接
    続する線路に流れる電流を検出する上記複数の電流変成
    器、これら電流変成器からの出力を入力し無効電流また
    は無効電流が関与する電気量を導出する電気量演算手
    段、およびこの電気量演算手段からの電気量に基づき上
    記電力変換器を制御する制御手段を備えた電力変換装
    置。
  3. 【請求項3】 電気量演算手段は、変圧器の結線に応じ
    て互いに位相が異なる、各電流変成器からの出力を、所
    定の位相基準の信号に統一する位相基準統一手段を備
    え、この位相基準統一手段からの出力に基づき電気量を
    導出するようにしたことを特徴とする請求項2記載の電
    力変換装置。
  4. 【請求項4】 電気量演算手段は、変圧器の結線に応じ
    て互いに位相が異なる、各電流変成器からの出力を、所
    定の位相基準の信号に統一する位相基準統一手段、およ
    びこの位相基準統一手段からの出力を同期回転座標系の
    信号に変換して電気量として導出する座標変換手段を備
    えたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  5. 【請求項5】 電気量演算手段は、各電流変成器からの
    各三相出力を同期回転座標系の信号に変換する複数の座
    標変換手段を備え、これら座標変換手段からの出力に基
    づき電気量を導出するようにしたことを特徴とする請求
    項2記載の電力変換装置。
  6. 【請求項6】 電気量演算手段は、各電流変成器からの
    各三相出力に基づき上記各三相毎の電気量を算出する複
    数の算出手段、およびこれら算出手段からの出力を同期
    回転座標系の信号に変換して電気量として導出する座標
    変換手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の電力
    変換装置。
  7. 【請求項7】 電気量演算手段は、各電流変成器からの
    出力の一部または全ての和を演算する和演算手段、上記
    電流変成器からの出力の一部または全ての平均値を演算
    する平均値演算手段、上記各電流変成器からの出力の一
    部または全ての最大値を演算する最大値演算手段、およ
    び上記各電流変成器からの出力の一部または全ての最小
    値を演算する最小値演算手段の内少なくとも一の手段を
    備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに
    記載の電力変換装置。
  8. 【請求項8】 一次巻線が交流系統に接続された変圧
    器、この変圧器の二次巻線に接続された電力変換器、上
    記二次巻線に流れる電流または上記二次巻線と電力変換
    器とを接続する線路に流れる電流を検出する電流変成
    器、この電流変成器からの出力を入力し無効電流または
    無効電流が関与する電気量を導出する電気量演算手段、
    この電気量演算手段からの電気量に基づき上記電力変換
    器を制御する第1の制御手段、上記変圧器の一次巻線側
    における電力を検出する電力検出手段、およびこの電力
    検出手段からの電力検出値と指令値との偏差を入力とし
    て制御量を出力する第2の制御手段を備え、上記第1の
    制御手段は上記電気量と上記第2の制御手段からの制御
    量との偏差を入力として上記電力変換器を制御するよう
    にした電力変換装置。
  9. 【請求項9】 一次巻線が交流系統に接続された変圧
    器、この変圧器の二次巻線に接続された電力変換器、上
    記二次巻線に流れる電流または上記二次巻線と電力変換
    器とを接続する線路に流れる電流を検出する第1の電流
    変成器、この第1の電流変成器からの出力を入力し無効
    電流または無効電流が関与する電気量を導出する電気量
    演算手段、この電気量演算手段からの電気量に基づき上
    記電力変換器を制御する第1の制御手段、上記変圧器の
    一次巻線側における電流を検出する第2の電流変成器、
    およびこの第2の電流変成器からの電流検出値と指令値
    との偏差を入力として制御量を出力する第2の制御手段
    を備え、上記第1の制御手段は上記電気量と上記第2の
    制御手段からの制御量との偏差を入力として上記電力変
    換器を制御するようにした電力変換装置。
  10. 【請求項10】 第2の制御手段の応答速度を第1の制
    御手段のそれより遅く設定したことを特徴とする請求項
    8または9記載の電力変換装置。
  11. 【請求項11】 第2の制御手段の出力に指令値を加減
    算する加減算手段を備えたことを特徴とする請求項8な
    いし10のいずれかに記載の電力変換装置。
  12. 【請求項12】 第2の制御手段の出力を、変圧器の励
    磁分に相当する値に制限するリミッタを備えたことを特
    徴とする請求項11記載の電力変換装置。
  13. 【請求項13】 三相の交流系統に接続された電力変換
    器、上記交流系統と電力変換器とを接続する線路に流れ
    る電流を検出する電流変成器、およびこの電流変成器か
    らの出力に基づき上記電力変換器を制御する制御手段を
    備えた電力変換装置において、 上記電流変成器を直流成分の伝達可能なものとし、上記
    電流変成器からの出力を同期回転座標系の信号に変換す
    る座標変換手段、およびこの座標変換手段からの出力の
    基本波の交流成分を抽出する交流成分抽出手段を備え、
    この交流成分抽出手段からの出力を上記制御手段へ帰還
    することにより上記電流変成器に流れる直流電流成分を
    抑制するようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  14. 【請求項14】 三相の交流系統に接続された電力変換
    器、上記交流系統と電力変換器とを接続する線路に流れ
    る電流を検出する電流変成器、およびこの電流変成器か
    らの出力に基づき上記電力変換器を制御する制御手段を
    備えた電力変換装置において、 上記電流変成器を非線形磁気特性を有する磁心を使用し
    たものとし、上記電流変成器からの出力を逆相の同期回
    転座標系の信号に変換する座標変換手段、およびこの座
    標変換手段からの出力の基本波または3倍周波数の交流
    成分を抽出する交流成分抽出手段を備え、この交流成分
    抽出手段からの出力を上記制御手段へ帰還することによ
    り上記電流変成器に流れる直流電流成分を抑制するよう
    にしたことを特徴とする電力変換装置。
  15. 【請求項15】 三相の交流系統に接続された電力変換
    器、上記交流系統と電力変換器とを接続する線路に流れ
    る電流を検出する電流変成器、およびこの電流変成器か
    らの出力に基づき上記電力変換器を制御する制御手段を
    備えた電力変換装置において、 上記電流変成器を非線形磁気特性を有する磁心を使用し
    たものとし、上記電流変成器からの出力を同期回転座標
    系の信号に変換する座標変換手段、およびこの座標変換
    手段からの出力の基本波または3倍周波数の交流成分を
    抽出する交流成分抽出手段を備え、この交流成分抽出手
    段からの出力を上記制御手段へ帰還することにより上記
    電流変成器に流れる直流電流成分を抑制するようにした
    ことを特徴とする電力変換装置。
  16. 【請求項16】 制御手段に固定座標系の制御部を備
    え、交流成分抽出手段からの出力を固定座標系の信号に
    変換する逆変換手段を備え、この逆変換手段からの出力
    を上記制御部へ帰還するようにしたことを特徴とする請
    求項13ないし15のいずれかに記載の電力変換装置。
  17. 【請求項17】 制御手段に同期回転座標系の制御部を
    備え、交流成分抽出手段からの出力を上記制御部へ帰還
    するようにしたことを特徴とする請求項13ないし15
    のいずれかに記載の電力変換装置。
  18. 【請求項18】 請求項13ないし17のいずれかにお
    いて、複数の電力変換器を、一次巻線が交流系統に接続
    された変圧器の複数の二次巻線のそれぞれに接続し、上
    記二次巻線に流れる電流または上記各二次巻線と各電力
    変換器とを接続する線路に流れる電流を検出する上記複
    数の電流変成器からの出力和に基づき当該電流変成器に
    流れる直流電流成分を抑制する場合、 上記変圧器を、主磁路を共通とし、鉄心窓をギャップ付
    き鉄心により互いに区分してなる区分窓に上記複数の各
    巻線を巻回してなるものとしたことを特徴とする電力変
    換装置。
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