JPH11317594A - 電磁波シールド材料及びこれを用いた電磁波シールド用シート - Google Patents

電磁波シールド材料及びこれを用いた電磁波シールド用シート

Info

Publication number
JPH11317594A
JPH11317594A JP13759498A JP13759498A JPH11317594A JP H11317594 A JPH11317594 A JP H11317594A JP 13759498 A JP13759498 A JP 13759498A JP 13759498 A JP13759498 A JP 13759498A JP H11317594 A JPH11317594 A JP H11317594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic wave
wave shielding
sheet
rubber material
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13759498A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuhei Kurata
雄平 倉田
Hidetoshi Furushima
英俊 古嶌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TSUCHIYA RUBBER KK
Original Assignee
TSUCHIYA RUBBER KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TSUCHIYA RUBBER KK filed Critical TSUCHIYA RUBBER KK
Priority to JP13759498A priority Critical patent/JPH11317594A/ja
Publication of JPH11317594A publication Critical patent/JPH11317594A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型
化した対象物に対して容易・低コストに製作できる電磁
波シールド材料、並びに、当該シールド材料からなる電
磁波シールド用シートを提供する。 【解決手段】 導電性充填剤を添加されたゴム素材に、
このゴム素材100重量部に対して硫黄を4ないし8重
量部と従来ゴム素材に加硫する場合の一般的な割合(2
重量部前後)より多く添加することにより、電磁波に対
するシールド特性が著しく向上することとなり、特にE
MIの原因となる高い周波数帯域の電磁波を遮蔽できる
ことに加え、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、また、
容易且つ低コストに遮蔽体の製作が行え、大型化した対
象物にも問題なく対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁波を遮蔽する電
磁波シールド材料に関し、特に所定配合のゴムを素材と
して形成される電磁波シールド材料、並びに、当該電磁
波シールド材料からなる電磁波シールド用シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器はディジタル回路で構成
されると共に、機器内各部品の高集積化等により省電力
化され、微小な信号電流で動作しているが、これに伴
い、機器自身が発生する電磁波や他の電子機器等からの
妨害電磁波によって機器の信号電流が乱される、いわゆ
る電磁波障害(ElectroMagnetic Interference;E
MI)が起りやすくなっている。このEMIを引き起す
電磁波(ノイズ)には、電子機器の回路・配線を流れて
伝わる導電ノイズと、空中を伝播する輻射ノイズとがあ
る。一般に、導電ノイズは回路中にフィルタ等を介装す
ることにより除去できるが、輻射ノイズに対しては、導
電性材料で対象となる電子機器等を覆い、電磁波を内外
に透過させないようにする電磁波シールドを行う必要が
ある。
【0003】この従来の電磁波シールドの方法として
は、導電性複合プラスチック成形材料の利用、導電性表
面処理、金属材料の利用等がある。前記導電性複合プラ
スチック成形材料の利用は、ABS樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ナイロン樹脂等に導電性の充填剤を混入した成
形材料で所定形状の筐体を一体成形する方法である。こ
の導電性の充填剤としては、導電性カーボン、カーボン
繊維、金属フレーク、金属繊維等がある。
【0004】前記導電性表面処理は、EMIの対象とな
る電子機器等を収納する筐体の表面又は裏面に導電性の
被膜を被覆する方法である。この導電性の被膜は、亜鉛
溶射、ニッケル・カーボン等の粉末を混入した導電性塗
料の塗布、アルミニウム等の真空蒸着等により形成され
る。
【0005】前記金属材料は、金属ホイル又は金属ホイ
ル及びプラスチックフィルムのラミネートシート等であ
り、主に部品や接合部等の部分シールドとしてノイズ発
生源を覆うように用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁波シールド
は以上のように行われていたことから、導電性複合プラ
スチック成形材料及び金属材料を用いる場合には、建物
又は部屋全体をシールドする形状に製作することが技術
的に困難であり、且つ製作コストが高くなるという課題
を有した。また、従来の導電性材料では、いずれも十分
な遮音特性、衝撃吸収特性が得られないという課題を有
した。
【0007】特に、自動車、車輌、飛行機等、振動の起
り得る対象物において、前記従来の導電性材料を用いて
十分な防振・耐振特性を満足した状態で電磁波シールド
を行うことは困難であった。
【0008】本発明は前記課題を解消するためになされ
たもので、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型
化した対象物に対して容易・低コストに製作できる電磁
波シールド材料、並びに、当該シールド材料からなる電
磁波シールド用シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電磁波シー
ルド材料は、ゴム素材に導電性充填剤を添加して導電性
材料とし、当該ゴム素材100重量部に対して硫黄4な
いし8重量部を前記導電性材料としたゴム素材に添加す
るものである。このように本発明によれば、導電性充填
剤を添加されたゴム素材に、このゴム素材100重量部
に対して硫黄を4ないし8重量部と従来ゴム素材に加硫
する場合の一般的な割合(2重量部前後)より多く添加
することにより、電磁波に対するシールド特性が著しく
向上することとなり、特にEMIの原因となる高い周波
数帯域の電磁波を遮蔽できることに加え、遮音・衝撃・
防振の各特性に優れ、また、容易且つ低コストに遮蔽体
の製作が行え、大型化した対象物にも問題なく対応でき
る。
【0010】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは、前記電磁波シールド材料が所定形状の略シート状
体に成形されると共に、当該略シート状体を貫通する所
定形状の孔が所定間隔で多数形成されてなるものであ
る。このように本発明によれば、略シート状に成形され
た電磁波シールド材料に所定間隔で多数の孔を形成する
ことにより、遮蔽体として電子機器等の対象物を覆う場
合に、電磁波のシールド性能を確保しつつ、内外の通気
を可能にして内部から熱の放散を可能にすることとな
り、放熱のための特別な機構や工夫が不要になると共
に、孔を形成した分軽量化も図れ、装置全体でコストダ
ウンが図れる。
【0011】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは、ゴム素材に導電性充填剤を添加して導電性を与え
ると共に前記ゴム素材100重量部に対し8ないし16
重量部となる割合で硫黄を添加して形成される電磁波シ
ールド材料により所定形状の略シート状体に成形される
と共に、当該略シート状体を貫通する所定形状の孔が所
定間隔で多数形成されてなるものである。このように本
発明によれば、ゴム素材に導電性充填剤を添加すると共
に所定量の硫黄を添加して電磁波シールド材料となし、
当該電磁波シールド材料を成形してなる略シート状体に
所定間隔で多数の孔を形成することにより、フレキシビ
リティを有して様々な形状に対応でき、且つ省スペース
でありながら、電子機器等の対象物を覆って電磁波、特
に高周波帯域の電磁波を遮蔽でき、また、内外の通気を
可能にして内部から熱の放散を可能にすることとなり、
放熱のための特別な機構や工夫が不要になると共に、孔
を形成した分軽量化も図れ、装置全体でコストダウンが
図れる。
【0012】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記電磁波シールド材料における導
電性充填剤が導電性カーボンであるものである。このよ
うに本発明によれば、導電性カーボンを導電性充填剤と
することにより、より安定且つ均一にゴム素材を導電性
材料とすることができ、電磁波シールド性を向上させら
れる。
【0013】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記電磁波シールド材料におけるゴ
ム素材に亜鉛華を添加するものである。このように本発
明によれば、加硫促進助剤となる亜鉛華をゴム素材に添
加することにより、導電性充填剤が添加されてなる電磁
波シールド材料をさらに一様で均質な状態とすることが
でき、より均一且つ確実な導電性が得られ、電磁波シー
ルド性能を偏りなく一様に発揮させてシールド効果を大
幅に向上させられる。
【0014】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記電磁波シールド材料におけるゴ
ム素材に、ゴム素材100重量部に対して、35ないし
65重量部の割合の導電性カーボン及び3ないし30重
量部の割合の亜鉛華をそれぞれ添加して導電性を与える
ものである。このように本発明によれば、ゴム素材に対
して導電性カーボン及び亜鉛華を特定の割合で添加する
ことにより、ゴム素材をより安定且つ均一に導電性材料
とすることができ、電磁波シールド作用を高い周波数帯
域において向上させることができる。
【0015】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記電磁波シールド材料におけるゴ
ム素材に、ゴム素材100重量部に対して10ないし5
0重量部の割合でカーボン繊維を添加して導電性を与え
るものである。このように本発明によれば、ゴム素材に
カーボン繊維10ないし50重量部を添加して導電性材
料とすることにより、ゴム素材をより確実に導電性材料
とすることとなり、低い周波数から高い周波数までの全
周波数帯域において、金属板からなる電磁波シールド体
と同等の電磁波シールド特性を有しながら、十分なフレ
キシビリティを得ることができる。
【0016】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記電磁波シールド材料で金属材か
ら形成される網体を挟み込んで形成するものである。こ
のように本発明によれば、金属材で形成される網体を電
磁波シールド材料で挟み込んで形成しているので、低い
周波数から高い周波数までの全周波数帯域において、網
体を形成する金属材の板体と同等の電磁波シールド特性
を有する。
【0017】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記電磁波シールド材料におけるゴ
ム素材に、ゴム素材100重量部に対して20ないし4
0重量部の割合で金属短繊維を添加するものである。こ
のように本発明によれば、ゴム素材に金属短繊維を添加
することにより、低い周波数から高い周波数までの全周
波数帯域において、金属短繊維と同一金属の板体の場合
と類似した有効な電磁波シールド特性を発揮でき、同時
に十分なフレキシビリティを確保できる。
【0018】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記略シート状体が、略方形状に形
成され、周囲の隣合う二辺に周方向に連続する所定形状
の第一接合部を形成されると共に、前記周囲の残り二辺
に前記第一接合部と接合して略シート状体同士を一体に
連続させられる所定形状の第二接合部を形成されてなる
ものである。このように本発明によれば、前記略シート
状体が互いに接合可能な第一接合部と第二接合部とをそ
れぞれ周囲に形成されてなることにより、複数の電磁波
シールド用シートを並べて配設する場合に、各シートの
間に隙間を作ることなく配設でき、シールド性能を接合
部分においても弱めることなく最大限発揮させられ、複
数の電磁波シールド用シートで広い範囲に一様なシール
ド効果を与えられる。また、電磁波シールド材料に方向
性がある場合においても、隣合う略シート状体同士で第
一接合部と第二接合部が矛盾なく接合するようにして向
きを誤ることなく方向性を一定にして並べて配設するこ
とができ、シールド効果を確実に得ることができる。
【0019】また、本発明に係る電磁波シールド用シー
トは必要に応じて、前記略シート状体が表裏の色を異な
らせて形成されるものである。このように本発明によれ
ば、略シート状体の表裏の色を変えて表裏を容易に識別
できるようにすることにより、表側と裏側で若干シール
ド性能が異なる場合に、正しい向きで配設することがで
き、所望のシールド性能が確実に得られることとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
電磁波シールド用シートを図1ないし図3に基づいて説
明する。図1は本実施形態に係る電磁波シールド用シー
トの概略構成図、図2は本実施形態に係る電磁波シール
ド用シートの説明図、図3は本実施形態に係る電磁波シ
ールド用シートの電磁波シールド特性参考図である。
【0021】本実施形態に係る電磁波シールド用シート
1は、基本素材となるゴム素材に複数種類の導電性剤
(補強剤)を添加して導電性を与えると共に、ゴム素材
100重量部に対して4ないし16重量部の割合で硫黄
を添加した電磁波シールド材料を、シート状に成形した
構成である。
【0022】前記電磁波シールド用シート1は、表から
裏へ貫通する円い孔2が前後左右に所定間隔で多数形成
される略正方形の薄いシート体として成形されると共
に、周縁部の半分をなす隣合う二辺に縦断面形状が略階
段状の第一接合部3を形成され、且つ前記周縁部の残り
半分の二辺に前記第一接合部3と係合可能な逆向きの略
階段状の第二接合部4を形成されてなり、さらに、表裏
の色を異ならせて形成される構成を有するものである。
【0023】前記孔2は、表側と裏側の通気を可能にす
ることから、遮蔽体として電子機器等の対象物を覆う場
合に、電磁波の遮蔽性能を十分確保しつつ、内側から熱
を放散可能となり、対象物において放熱のための特別な
機構や工夫が不要になると共に、シートでは孔2を形成
した分軽量化も図れ、全体的にコストダウンが図れる。
【0024】また、複数の電磁波シールド用シート1を
並べて配設する場合、図1に示すように、第一接合部3
と第二接合部4とを係合させて密着させられることか
ら、シールド効果の弱くなる隙間が各シート間に生じる
こともなく、複数の電磁波シールド材料で広い範囲に一
様なシールド効果を与えられる。さらに、電磁波シール
ド材料の向きによってシールド性能が異なる(方向性が
ある)場合でも、この方向性とシート周縁部の関係が一
定のシートを用いれば、前後左右に隣合うシート同士で
第一接合部3と第二接合部4との係合に矛盾がないよう
並べて配設すると、各シートの方向性を一定にして一様
なシールド効果を得ることができる。なお、前記第一接
合部3及び第二接合部4の形状は階段状に形成している
が、他の形状、例えば、図2(B)に示すように角や円
の凹凸形、さらに、図2(C)に示すように傾斜面とし
て形成する構成とすることもできる。
【0025】これらに加え、電磁波シールド用シート1
の表裏の色を変えたことで、図3に示すように表と裏の
電磁波シールド特性が異なる材料を用いる場合において
も、表裏を容易に識別して誤りなく正しい向きで配設す
ることができ、所望のシールド性能を確実に得ることが
できる。ところで、前記図3には前記電磁波シールド材
料のインピーダンス特性も示しており、1GHzから3
GHzにかけてインピーダンスが上昇すると共に、イン
ピーダンスのピークにあわせて電磁波の減衰量も多くな
っている。これらは、入射した電磁波が高インピーダン
スの材料中で損失に伴って吸収される、すなわち、この
電磁波シールド材料が電磁波の吸収体として作用してい
ることを示している。
【0026】なお、前記実施の形態に係る電磁波シール
ド用シートにおいて、孔は円い孔として形成する構成と
しているが、これに限らず、方形、多角形など、どのよ
うな形状でもかまわない。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係る電磁波シールド用シート
において、孔の配設状態を変えて電磁波シールド特性の
比較を行った評価結果について、図4〜図16に基づい
て説明する。図4は本発明に係る電磁波シールド用シー
トの実施例1ないし11の各構成説明図、図5は比較例
の電磁波シールド特性図、図6は実施例1の電磁波シー
ルド特性図、図7は実施例2の電磁波シールド特性図、
図8は実施例3の電磁波シールド特性図、図9は実施例
4の電磁波シールド特性図、図10は実施例5の電磁波
シールド特性図、図11は実施例6の電磁波シールド特
性図、図12は実施例7の電磁波シールド特性図、図1
3は実施例8の電磁波シールド特性図、図14は実施例
9の電磁波シールド特性図、図15は実施例10の電磁
波シールド特性図、図16は実施例11の電磁波シール
ド特性図である。
【0028】本発明に係る電磁波シールド用シートをな
す電磁波シールド材料は、合成ゴム(日本合成ゴム株式
会社製EPDM−EP−33)を基本素材とし、この合
成ゴムに複数種類の導電性剤(補強剤)、各種配合剤、
並びに、合成ゴム100重量部に対して6重量部(以
下、phr;par hundred rubber)の割合で硫黄
を添加する配合である。この硫黄は、オイル等による表
面処理がなされていないものを使用する。
【0029】前記導電性剤は導電性カーボン及びカーボ
ン繊維であり、合成ゴムに導電性カーボン(ライオン株
式会社製ケッチェンブラックEC)を65phrの割合
で、カーボン繊維(繊維長6mm)を50phrの割合
でそれぞれ添加する。
【0030】さらに、この基本素材となる合成ゴムに添
加される各種配合剤として、合成ゴムに、加硫促進助剤
として亜鉛華3号を5phr、加硫促進助剤・軟化剤・
分散剤としてステアリン酸を1phr、老化防止剤とし
て特殊ワックス(精工化学株式会社製サンタイトS)を
2phr、軟化剤としてナタネ油10phr及びスピン
ドル油10phr、加硫促進剤としてジベンゾチアジル
・ジスルフィド(以下、DM)を2phr、ジフェニル
・グァジニン(以下、D)を1phr、テトラメチルチ
ウラム・モノスルフィド(以下、TS)を0.3phr
及び2−メルカプトベンゾチアゾール(以下、M)を
0.5phrとする混合割合でそれぞれ添加する。
【0031】前記した配合の電磁波シールド材料を用い
て、それぞれ孔の大きさや孔中心間隔を変えてシートを
成形した(図4参照)。まず、実施例1ないし実施例5
として、直径5mmの孔をそれぞれ孔中心間隔33.3
mm、28.6mm、25.0mm、22.2mm、1
0.5mmとして前後左右等間隔に並べて形成した構成
のシートを得た。シートの厚さは全て4mmとしてい
る。
【0032】次に、実施例6ないし実施例9として、直
径10mmの孔をそれぞれ孔中心間隔33.3mm、2
8.6mm、25.0mm、22.2mmとして前後左
右等間隔に並べて形成した構成のシートを得た。シート
の厚さは前記同様全て4mmとしている。
【0033】また、実施例10及び実施例11として、
直径12mmの孔をそれぞれ孔中心間隔33.3mm、
22.2mmとして前後左右等間隔に並べて形成した構
成のシートを得た。シートの厚さは前記同様いずれも4
mmとしている。さらに、比較例として、孔等を一切設
けない構成のシートを得た。シートの厚さは前記各実施
例同様4mmとしている。
【0034】前記各実施例及び比較例のシートを電磁波
の発生環境に配置し、電磁波のシールド特性評価を行っ
た。これらシートにおける電磁波シールド効果の度合
は、シート表側に対する入射電界(磁界)とシート裏側
への透過後の電界(磁界)との比である減衰率により表
される。ここでは、0〜1000MHzの周波数範囲の
電磁波に対する減衰率特性を調べている。得られた特性
を、横軸を電磁波の周波数(MHz)、縦軸を減衰率
(dB)としてグラフに示した(図5〜図16参照)。
【0035】図5に示すように、比較例においては、電
界について200〜900MHzで−50dBを下回る
減衰率となり、またほぼ全周波数帯域で減衰効果の一般
的な目安である減衰率−40dBを下回っており、数百
MHz帯域の周波数帯域で高い電磁波シールド効果を得
られることがわかる。
【0036】図6ないし図10に示すように、実施例1
ないし実施例5においては、孔間隔が詰って孔の数が増
加し、空隙率が大きくなるほど電磁波シールド特性が悪
化しているが、実施例4までは電界について100〜8
00MHzで減衰効果の一般的な目安である−40dB
を下回る減衰率となっており、孔を所定の空隙率となる
まで設けても十分な電磁波シールド特性を確保できるこ
とがわかる。
【0037】図11ないし図14に示すように、実施例
6ないし実施例9においても、孔間隔が詰って孔の数が
増加し、空隙率が大きくなるほど電磁波シールド特性が
悪化し、特に実施例7ないし実施例9では十分なシール
ド特性が得られていない。また、孔中心間隔が等しい前
記実施例1ないし実施例4と比較して、実施例6ないし
実施例9では約400MHz以上の周波数帯域で減衰率
が最大10dB程度悪化しており、孔を大きくした影響
が出ていると考えられる。ただし、実施例6では、特性
のピーク部分を除き前記実施例4の電磁波シールド特性
より良好な特性を得ており、空隙率が大きくても、孔間
隔が所定値以上確保できれば、十分な電磁波シールド特
性を確保できることがわかる。
【0038】図15及び図16に示すように、実施例1
0及び実施例11も、前記同様空隙率が大きいほど電磁
波シールド特性が悪化して十分なシールド特性が得られ
ておらず、また、孔中心間隔が等しい前記実施例6及び
実施例9と比較して、高い周波数帯域の減衰率がさらに
悪化している。以上により、前記各配合剤を所定の混合
割合で添加して得た電磁波シールド材料からシート状に
形成された電磁波シールド用シートにおいては、所定間
隔で孔を多数形成されても、400MHz未満の周波数
帯域では、著しく空隙率が大きくならない限り、孔が電
磁波の減衰に与える影響は小さく、所定のシールド特性
を確保できることがわかる。また、400MHz以上の
周波数帯域では、所定の孔径以下で且つ孔が所定間隔以
上で配設してあれば、十分なシールド特性が得られるこ
とがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明においては、導電性
充填剤を添加されたゴム素材に、このゴム素材100重
量部に対して硫黄を4ないし8重量部と従来ゴム素材に
加硫する場合の一般的な割合(2重量部前後)より多く
添加することにより、電磁波に対するシールド特性が著
しく向上することとなり、特にEMIの原因となる高い
周波数帯域の電磁波を遮蔽できることに加え、遮音・衝
撃・防振の各特性に優れ、また、容易且つ低コストに遮
蔽体の製作が行え、大型化した対象物にも問題なく対応
できるという効果を奏する。また、本発明においては、
略シート状に成形された電磁波シールド材料に所定間隔
で多数の孔を形成することにより、遮蔽体として電子機
器等の対象物を覆う場合に、電磁波のシールド性能を確
保しつつ、内外の通気を可能にして内部から熱の放散を
可能にすることとなり、放熱のための特別な機構や工夫
が不要になると共に、孔を形成した分軽量化も図れ、装
置全体でコストダウンが図れるという効果を有する。ま
た、本発明においては、ゴム素材に導電性充填剤を添加
すると共に所定量の硫黄を添加して電磁波シールド材料
となし、当該電磁波シールド材料を成形してなる略シー
ト状体に所定間隔で多数の孔を形成することにより、フ
レキシビリティを有して様々な形状に対応でき、且つ省
スペースでありながら、電子機器等の対象物を覆って電
磁波、特に高周波帯域の電磁波を遮蔽でき、また、内外
の通気を可能にして内部から熱の放散を可能にすること
となり、放熱のための特別な機構や工夫が不要になると
共に、孔を形成した分軽量化も図れ、装置全体でコスト
ダウンが図れるという効果を有する。また、本発明にお
いては、導電性カーボンを導電性充填剤とすることによ
り、より安定且つ均一にゴム素材を導電性材料とするこ
とができ、電磁波シールド性を向上させられるという効
果を有する。また、本発明においては、加硫促進助剤と
なる亜鉛華をゴム素材に添加することにより、導電性充
填剤が添加されてなる電磁波シールド材料をさらに一様
で均質な状態とすることができ、より均一且つ確実な導
電性が得られ、電磁波シールド性能を偏りなく一様に発
揮させてシールド効果を大幅に向上させられるという効
果を有する。また、本発明においては、ゴム素材に対し
て導電性カーボン及び亜鉛華を特定の割合で添加するこ
とにより、ゴム素材をより安定且つ均一に導電性材料と
することができ、電磁波シールド作用を高い周波数帯域
において向上させることができるという効果を有する。
また、本発明においては、ゴム素材にカーボン繊維10
ないし50重量部を添加して導電性材料とすることによ
り、ゴム素材をより確実に導電性材料とすることとな
り、低い周波数から高い周波数までの全周波数帯域にお
いて、金属板からなる電磁波シールド体と同等の電磁波
シールド特性を有しながら、十分なフレキシビリティを
得ることができるという効果を有する。また、本発明に
おいては、金属材で形成される網体を電磁波シールド材
料で挟み込んで形成しているので、低い周波数から高い
周波数までの全周波数帯域において、網体を形成する金
属材の板体と同等の電磁波シールド特性を有するという
効果を有する。また、本発明においては、ゴム素材に金
属短繊維を添加することにより、低い周波数から高い周
波数までの全周波数帯域において、金属短繊維と同一金
属の板体の場合と類似した有効な電磁波シールド特性を
発揮でき、同時に十分なフレキシビリティを確保できる
という効果を有する。また、本発明においては、前記略
シート状体が互いに接合可能な第一接合部と第二接合部
とをそれぞれ周囲に形成されてなることにより、複数の
電磁波シールド用シートを並べて配設する場合に、各シ
ートの間に隙間を作ることなく配設でき、シールド性能
を接合部分においても弱めることなく最大限発揮させら
れ、複数の電磁波シールド用シートで広い範囲に一様な
シールド効果を与えられるという効果を有する。さら
に、電磁波シールド材料に方向性がある場合において
も、隣合う略シート状体同士で第一接合部と第二接合部
が矛盾なく接合するようにして向きを誤ることなく方向
性を一定にして並べて配設することができ、シールド効
果を確実に得ることができるという効果を有する。ま
た、本発明においては、略シート状体の表裏の色を変え
て表裏を容易に識別できるようにすることにより、表側
と裏側で若干シールド性能が異なる場合に、正しい向き
で配設することができ、所望のシールド性能が確実に得
られるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施の形態に係る電磁波シ
ールド用シートの平面図である。(B)は本発明の一実
施の形態に係る電磁波シールド用シートの要部断面図で
ある。
【図2】(A)は本発明の一実施の形態に係る電磁波シ
ールド用シートの並設状態説明図である。(B)は本発
明の一実施の形態に係る他の電磁波シールド用シートの
接合部分断面図である。(C)は本発明の一実施の形態
に係る別の他の電磁波シールド用シートの接合部分断面
図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド用
シートの電磁波シールド特性参考図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド用
シートの実施例1ないし実施例11の各構成説明図であ
る。
【図5】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド用
シートの比較例の電磁波シールド特性図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド用
シートの実施例1の電磁波シールド特性図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド用
シートの実施例2の電磁波シールド特性図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド用
シートの実施例3の電磁波シールド特性図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド用
シートの実施例4の電磁波シールド特性図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド
用シートの実施例5の電磁波シールド特性図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド
用シートの実施例6の電磁波シールド特性図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド
用シートの実施例7の電磁波シールド特性図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド
用シートの実施例8の電磁波シールド特性図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド
用シートの実施例9の電磁波シールド特性図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド
用シートの実施例10の電磁波シールド特性図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る電磁波シールド
用シートの実施例11の電磁波シールド特性図である。
【符号の説明】
1 電磁波シールド用シート 2 孔 3 第一接合部 4 第二接合部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム素材に導電性充填剤を添加して導電
    性材料とし、当該ゴム素材100重量部に対して硫黄4
    ないし8重量部を前記導電性材料としたゴム素材に添加
    することを特徴とする電磁波シールド材料。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の電磁波シールド材
    料が所定形状の略シート状体に成形されると共に、当該
    略シート状体を貫通する所定形状の孔が所定間隔で多数
    形成されてなることを特徴とする電磁波シールド用シー
    ト。
  3. 【請求項3】 ゴム素材に導電性充填剤を添加して導電
    性を与えると共に前記ゴム素材100重量部に対し8な
    いし16重量部となる割合で硫黄を添加して形成される
    電磁波シールド材料により所定形状の略シート状体に成
    形されると共に、当該略シート状体を貫通する所定形状
    の孔が所定間隔で多数形成されてなることを特徴とする
    電磁波シールド用シート。
  4. 【請求項4】 前記請求項2又は3に記載の電磁波シー
    ルド用シートにおいて、 前記電磁波シールド材料における導電性充填剤が導電性
    カーボンであることを特徴とする電磁波シールド用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 前記請求項2ないし4のいずれかに記載
    の電磁波シールド用シートにおいて、 前記電磁波シールド材料におけるゴム素材に亜鉛華を添
    加することを特徴とする電磁波シールド用シート。
  6. 【請求項6】 前記請求項2又は3に記載の電磁波シー
    ルド用シートにおいて、 前記電磁波シールド材料におけるゴム素材に、ゴム素材
    100重量部に対して、35ないし65重量部の割合の
    導電性カーボン及び3ないし30重量部の割合の亜鉛華
    をそれぞれ添加して導電性を与えることを特徴とする電
    磁波シールド用シート。
  7. 【請求項7】 前記請求項2ないし6のいずれかに記載
    の電磁波シールド用シートにおいて、 前記電磁波シールド材料におけるゴム素材に、ゴム素材
    100重量部に対して10ないし50重量部の割合でカ
    ーボン繊維を添加して導電性を与えることを特徴とする
    電磁波シールド用シート。
  8. 【請求項8】 前記請求項2ないし7のいずれかに記載
    の電磁波シールド用シートにおいて、 前記電磁波シールド材料で金属材から形成される網体を
    挟み込んで形成することを特徴とする電磁波シールド用
    シート。
  9. 【請求項9】 前記請求項2ないし8のいずれかに記載
    の電磁波シールド用シートにおいて、 前記電磁波シールド材料におけるゴム素材100重量部
    に対して金属短繊維20ないし40重量部をゴム素材に
    添加することを特徴とする電磁波シールド用シート。
  10. 【請求項10】 前記請求項2ないし9のいずれかに記
    載の電磁波シールド用シートにおいて、 前記略シート状体が、略方形状に形成され、周囲の隣合
    う二辺に周方向に連続する所定形状の第一接合部を形成
    されると共に、前記周囲の残り二辺に前記第一接合部と
    接合して略シート状体同士を一体に連続させられる所定
    形状の第二接合部を形成されてなることを特徴とする電
    磁波シールド用シート。
  11. 【請求項11】 前記請求項2ないし10のいずれかに
    記載の電磁波シールド用シートにおいて、 前記略シート状体が、表裏の色を異ならせて形成される
    ことを特徴とする電磁波シールド用シート。
JP13759498A 1998-04-30 1998-04-30 電磁波シールド材料及びこれを用いた電磁波シールド用シート Pending JPH11317594A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13759498A JPH11317594A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 電磁波シールド材料及びこれを用いた電磁波シールド用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13759498A JPH11317594A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 電磁波シールド材料及びこれを用いた電磁波シールド用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11317594A true JPH11317594A (ja) 1999-11-16

Family

ID=15202360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13759498A Pending JPH11317594A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 電磁波シールド材料及びこれを用いた電磁波シールド用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11317594A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002158487A (ja) * 2000-11-20 2002-05-31 Nok Corp グロメット
JP2003060385A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 電磁波シールド用シート及び電磁波シールド施工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002158487A (ja) * 2000-11-20 2002-05-31 Nok Corp グロメット
JP2003060385A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 電磁波シールド用シート及び電磁波シールド施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7159049B2 (ja) ミリ波レーダー用カバー
EP0667643B1 (en) Electromagnetic interference suppressing body having low electromagnetic transparency and reflection, and electronic equipment having the same
US20040020674A1 (en) Composite EMI shield
USH526H (en) Non-metallic chassis structure with electromagnetic field attenuating capability
JP6063631B2 (ja) 電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法
DE112013004325B4 (de) Fahrzeuggebundene Antennenvorrichtung
KR20180098368A (ko) 전자 장치 및 전자 간섭 억제체의 배치방법
WO2010038782A1 (ja) 密封装置および密封構造
US20080159578A1 (en) Boundary microphone
JP2008270370A (ja) 電磁波遮蔽シート
KR100760835B1 (ko) 전파 흡수체
JPH11317594A (ja) 電磁波シールド材料及びこれを用いた電磁波シールド用シート
JPH11317116A (ja) 電磁波シールド材料並びにこれを用いた電磁波シールド用シート、電線・ケーブル、及びケーブルカバー
JP2000244167A (ja) 電磁波障害防止材
US5827998A (en) Electromagnetic shielding structure having radio wave-absorbing material
JP2003232444A (ja) ガスケット用積層板およびガスケット
EP0982360A1 (en) Electromagnetic wave shielding material, and electromagnetic wave shielding sheet, electric wire/cable and cable cover each made of the material
JP2005047354A (ja) ルーフモジュール
JP2003243877A (ja) 防磁性組成物、防磁性シート及び電源ケーブル
WO2014049920A1 (ja) 電磁波伝播システム及び電磁波インターフェースコネクタ
JPH11167825A (ja) 電線・ケーブル及びケーブルカバー
JP4232184B2 (ja) 電磁波シールド材料
JP3946051B2 (ja) 高周波回路パッケージ
JP2004129016A (ja) アンテナ用電波減衰器
WO2016182805A1 (en) Electromagnetic interference (emi) shields including form-in-place and/or 3d printed walls

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050425

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080430

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080630

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080722

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02