JPH11315790A - 車両用オイルポンプ - Google Patents

車両用オイルポンプ

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JPH11315790A
JPH11315790A JP12109398A JP12109398A JPH11315790A JP H11315790 A JPH11315790 A JP H11315790A JP 12109398 A JP12109398 A JP 12109398A JP 12109398 A JP12109398 A JP 12109398A JP H11315790 A JPH11315790 A JP H11315790A
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oil pump
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淳 田端
Osamu Kuroda
黒田  修
Kagenori Fukumura
景範 福村
Shoichi Sayo
正一 佐用
Yasuo Hojo
康夫 北條
Katsuhiro Maeno
克弘 前野
Tomohiro Tomino
智博 富野
Kazuhisa Ozaki
和久 尾崎
Keizo Kobayashi
啓三 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルポンプから吐出される作動油の圧力振
動が抑制された車両用オイルポンプを提供する。 【解決手段】 オイルポンプ10の振動を抑制するため
の振動抑制手段として、第1導出油路86よりも小さい
一定の断面積を有する所定長さの通路であって、その第
1導出油路86と第1吐出口84の最上流側位置との間
に設けられた一定の容積の振動緩和路100、102が
備えられているので、ポンプ室58内から第1吐出口8
4或いは第2吐出口92を通過する際の作動油の圧力変
化幅が上記振動緩和路100、102の存在によって小
さくされることによりその作動油が急激に開放されるこ
とが防止される。すなわち、作動油の急激な圧力変化
(低下)に起因して発生する周期的な圧力振動換言すれ
ば圧力振動波の発生が好適に緩和される。したがって、
その作動油を含むギヤ式オイルポンプの振動に起因して
直接的或いは間接的に励振される他の部材の振動や騒音
が好適に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動油を圧送する
ために車両に搭載される車両用オイルポンプに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】車両には、自動変速機に設けられる油圧
式摩擦係合装置、アンチロックブレーキ装置に油圧式ブ
レーキ、操舵装置に設けられる油圧式助勢装置などの種
々の油圧作動機が搭載される。このため、その油圧作動
機の油圧源として、作動油を圧送するオイルポンプが車
両に搭載される。たとえば、特開昭63−246559
号公報に記載されたギヤ式オイルポンプがそれである。
【0003】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記従来の車両用
オイルポンプは、その単位駆動量に対して一定容積の作
動油を吐出する形式の容積型であることから、そのオイ
ルポンプが振動源或いは励振源となって発生する振動
が、そのオイルポンプに関連する部材の共振を誘発して
不快な振動や騒音の原因となる場合があった。たとえ
ば、オイルポンプから連続的に吐出される作動油の流量
或いは圧力が周期的に脈動して、作動油には圧力振動が
含まれることが避けられないことから、その作動油が供
給される油圧作動機や制御弁に直接的或いは間接的に連
結された他の部材の共振を誘発して振動や騒音の原因と
なるのである。そのような振動や騒音は、近年において
停止時或いは走行中の静粛設計が一層進歩している乗用
車などでは、極めて重要な問題となる。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、オイルポンプか
ら吐出される作動油の圧力振動が抑制された車両用オイ
ルポンプを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】上記目的を達成す
るための第1発明の要旨とするところは、作動油を圧送
するために車両に搭載される車両用オイルポンプであっ
て、そのオイルポンプの振動を抑制する振動抑制手段を
含むことにある。
【0006】
【第1発明の効果】このようにすれば、振動抑制手段に
よって車両に搭載される車両用オイルポンプの振動が抑
制されるので、その作動油の圧力振動を含むオイルポン
プの振動に起因して直接的或いは間接的に励振される他
の部材の振動や騒音が好適に防止される。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第1発明の要旨とするところは、作動油
を圧送するために車両に搭載される車両用オイルポンプ
であって、その車両用オイルポンプの作動油導出路に設
けられ、その作動油導出路よりも小さい断面積を所定長
さにわたって有する絞り通路を含むことにある。
【0008】
【第2発明の効果】このようにすれば、車両用オイルポ
ンプの作動油導出路よりも小さい断面積を所定長さにわ
たって有する絞り通路がその作動油導出路に設けられて
いるので、その絞り通路の空間の存在により、その作動
油導出路を介して吐出される作動油の圧力振動が緩和さ
れるので、その圧力振動に起因して直接的或いは間接的
に励振される他の部材の振動や騒音が好適に防止され
る。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記第1発明お
よび第2発明において、前記振動抑制手段は、前記作動
油を吐出する作動油導出路に設けられてその作動油導出
路内を圧送される作動油の圧力振動を抑制するものであ
る。このようにすれば、その作動油の圧力振動に起因し
てその作動油を油圧源とする油圧作動機やそれを制御す
る制御弁に直接的或いは間接的に連結された他の部材の
共振を誘発して振動や騒音の原因となることが好適に防
止される。
【0010】また、好適には、上記振動抑制手段は、前
記車両用オイルポンプ内たとえば作動油導出路に設けら
れたものである。このようにすれば、作動油ポンプ内に
振動抑制手段が設けられているので、単に車両用オイル
ポンプを組み立てるだけで振動が抑制される利点があ
る。
【0011】また、好適には、前記吐出口から吐出され
る作動油を導く作動油導出路が設けられ、前記振動抑制
手段として、その作動油導出路よりも小さい断面積を有
する絞り通路が該作動油導出路に直列に設けられたもの
である。このようにすれば、オイルポンプのポンプ室内
から圧送される作動油が吐出口から急激に開放されない
で、絞り通路によって緩やかに開放されるので、その急
激な開放に起因して発生する圧力振動波が好適に抑制さ
れる。
【0012】また、好適には、前記オイルポンプは、互
いにかみ合う1対の第1歯車および第2歯車を収容する
ポンプ室と、そのポンプ室の内壁面であって、その第1
歯車および第2歯車の歯が互いに接近する部位に設けら
れた吐出口とを備えたギヤ式オイルポンプであって、そ
れら第1歯車および第2歯車が原動機により回転駆動さ
れるに伴ってそのポンプ室内の作動油がその吐出口から
吐出されるものである。さらに好適には、上記第1歯車
は、内周歯を有し、上記ポンプ室内において1軸まわり
に回転可能に設けられた所定厚みの環状歯車であり、上
記第2歯車は、その第1歯車の内周歯の内径よりも小さ
な外径とその第1歯車と同様の厚み寸法とを有してその
内周歯と噛み合う外周歯を有して上記原動機により回転
駆動される駆動歯車であり、上記第1歯車の内周歯と第
2歯車の外周歯との間の円弧状の隙間には、その内周歯
に略摺接する部分円筒面と外周歯に略摺接する部分円筒
面とに挟まれることによって三日月状を成し且つ上記内
周歯および外周歯の歯幅と同様の高さを有してポンプ室
の壁面からクレセントが突設されたものである。このよ
うにすれば、比較的薄型に構成できるので、自動変速機
のトルクコンバータを収容する室と遊星歯車装置を収容
する室との間の隔壁に好適に設けることができる。
【0013】また、好適には、前記ポンプ室は、前記第
1歯車の外周面に摺接してこれを1軸まわりに回転可能
に保持する短円筒状の内周内壁面と、その短円筒状の外
周内壁面の両端部を塞ぐ互いに平行且つ平坦な1対の平
面状内壁面とに囲まれて構成されており、前記吐出口
は、そのポンプ室の互いに平行且つ平坦な1対の平面状
内壁面であって、前記該第1歯車および第2歯車の回転
に伴ってそれらの歯が互いに接近する部位にそれぞれ設
けられたものである。このようにすれば、上記1対の平
面内壁面に吐出口が設けられているので、吐出抵抗が少
なくなる利点がある。
【0014】また、好適には、前記振動抑制手段とし
て、前記作動油導出路よりも小さい一定の断面積を有す
る所定長さの通路であって、その作動油導出路と前記吐
出口の最上流側位置との間に設けられた振動緩和油路
を、含むものである。このようにすれば、一定の容積の
振動緩和油路が吐出口に設けられているので、ポンプ室
内から吐出口を通過する際の作動油の圧力変化幅が上記
振動緩和油路の存在によって小さくされることによりそ
の作動油が急激に開放されることが防止される。
【0015】また、好適には、前記1対の平面状内壁面
にそれぞれ設けられた1対の吐出口から導出される作動
油導出路はポンプハウジンブの外周部において互いに連
通させられており、前記1対の吐出口は、前記第1歯車
の回転軸心に対する位相が互いにずらされているもので
ある。このようにすれば、1対の吐出口からそれぞれ吐
出される作動油の開放タイミングが互いにずらされるの
で、圧力振動が好適に緩和される利点がある。
【0016】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施例のギヤ式オイル
ポンプ10を含む乗用車両用自動変速機の要部を説明す
る部である。図において、原動機として機能するエンジ
ンの動力は、トルクコンバータ12を介して、自動変速
機14の入力軸すなわちトルクコンバータ12の出力軸
16へ伝達される。自動変速機14は、複数組の遊星歯
車装置とそれらの構成要素を選択的に係合或いは回転停
止させるための油圧式摩擦係合装置とを備え、図示しな
い変速用電子制御装置からの変速指令に従って所定のギ
ヤ段を自動的に成立させる。この自動変速機14の後段
には、差動歯車装置、駆動輪が作動的に連結されてい
る。
【0018】上記トルクコンバータ12は、エンジンの
クランク軸18に同心に連結されたポンプ翼車20と、
このポンプ翼車20と同心に回転可能な出力軸16に設
けられたタービン翼車22と、そのポンプ翼車20とタ
ービン翼車22との間において一方向クラッチ24を介
して回転可能に支持されたステータ翼車26とを備え、
ポンプ翼車20の回転により矢印に示す向きに発生させ
られる循環させられる作動流体を介して、動力がポンプ
翼車20からタービン翼車22へ伝達されるようになっ
ている。そして、ポンプ翼車20には、自動変速機14
側へ突き出し且つ上記出力軸16が貫通させられたスリ
ーブ28が設けられており、このスリーブ28によって
前記ギヤ式オイルポンプ10が回転駆動されるようにな
っている。
【0019】上記トルクコンバータ12および自動変速
機14はエンジンブロック30に固定される変速機ハウ
ジング32内に収容されており、それらトルクコンバー
タ12を収容する室と自動変速機14を収容する室との
間の隔壁を上記出力軸16が貫通させられているととも
に、前記ギヤ式オイルポンプ10がその隔壁に設けられ
ている。すなわち、上記ギヤ式オイルポンプ10は、上
記隔壁を実質的に構成するために変速機ハウジング32
にボルト36により固定された円盤状のポンプボデー3
8と、このポンプボデー38に密着して組み合わせられ
た状態でボルト40により固定された、ポンプボデー3
8よりも小径円盤状のポンプカバー42とを備えてい
る。そして、ポンプボデー38は変速機ハウジング32
の内周面に形成された段付穴44に嵌合された状態で固
定され、ポンプカバー42はポンプボデー38の組合面
に比較的大径に且つ浅く形成された嵌合穴46に嵌合さ
れた状態で固定されることにより、前記出力軸16と同
心となるようにそれぞれ位置決めされている。上記ポン
プボデー38およびポンプカバー42は、ギヤ式オイル
ポンプ10のポンプハウジングを構成している。
【0020】図2は上記ポンプボデー38の組合せ面を
示し、図3は上記ポンプカバー42の組合せ面を示し、
図4は上記ポンプボデー38の組合せ面であって、環状
歯車50および駆動歯車(ピニオン)52を取り除いた
状態を示している。上記ポンプボデー38およびポンプ
カバー42には、出力軸16を貫通させるなどを目的と
する貫通穴54および56がそれぞれ中心部に形成され
ており、それらポンプボデー38とポンプカバー42と
が組み合わせられたことにより、上記環状歯車50およ
び駆動歯車52を収容するためのポンプ室58が形成さ
れている。
【0021】上記ポンプ室58は、ポンプボデー38側
の組合せ面に形成された短円筒状の内周壁面60および
その一端を塞ぐ円形平面状内壁面62と、ポンプカバー
42側の組合せ面に形成されることにより上記短円筒状
の内周壁面60他端を塞ぐ円形平面状内壁面64とから
構成され、出力軸16に対して偏心し且つ環状歯車50
および駆動歯車52の厚みと同様の厚みを有する円盤状
の空間が形成されている。環状歯車50は、内周歯66
を有し、上記内周壁面60に摺接することにより一軸ま
わりに回転可能に位置決めされた状態で上記ポンプ室3
4に収容されている。駆動歯車52は、環状歯車50の
内周歯66の内径よりも小さい外径の外周歯68を有
し、それら内周歯66と外周歯68とが互いに噛み合っ
た状態で上記ポンプ室34に収容され、出力軸16の軸
端に固定されて図2の矢印に示す方向へ回転駆動される
ようになっている。そして、上記ポンプ室58内では、
環状歯車50の内周歯66と駆動歯車52の外周歯68
との間の円弧状の間隙において、その内周歯66に略摺
接する部分円筒面と外周歯68に略摺接する部分円筒面
とに挟まれることによって三日月状を成し且つ上記内周
歯66および外周歯68の歯幅と同様の高さを有するク
レセント70が上記ポンプボデー38側の円形平面状内
壁面62から突設されている。
【0022】そして、たとえば自動変速機14のオイル
パンに還流した作動油を吸入するための図示しない吸入
油路に接続される吸入側接続口72と、自動変速機14
の油圧制御回路へ作動油を圧送するためのライン油路等
に接続される圧送側接続口74が、上記ポンプボデー3
8の外周縁部の組合せ面側にそれぞれ開口させられてい
る。ポンプボデー38には、ポンプ室58の円形平面状
内壁面62に開口する第1吸入口80と上記吸入側接続
口72とを連通させる第1導入油路82と、ポンプ室5
8の円形平面状内壁面62に開口する第1吐出口84と
上記圧送側接続口74とを連通させる第1導出(吐出)
油路86とが設けられている。また、ポンプカバー42
には、ポンプ室58の円形平面状内壁面64に開口する
第2吸入口88と上記吸入側接続口72とを連通させる
第2導入(吐出)油路90と、ポンプ室58の円形平面
状内壁面64に開口する第2吐出口92と上記圧送側接
続口74とを連通させる第2導出油路94とが設けられ
ている。上記第2導入油路90および第2導出油路94
は、ポンプボデー38の組合わせ面に形成された第1連
通口96および第2連通口98を介して第1導入油路8
2および第1導出油路86と連通させられていることか
ら、上記吸入側接続口72を通過した作動油は第1導入
油路82および第2導出油路94に分岐させられて第1
吸入口80および第2吸入口88からポンプ室58内へ
流入させられる一方、ポンプ室58内から第1吐出口8
4および第2吐出口92を経て吐出された作動油は第1
導出油路86および第2導出油路94をそれぞれ経て圧
送側接続口74へ流出させられるようになっているので
ある。
【0023】上記円形平面状内壁面62および64に開
口する第1吸入口80および第2吸入口88は、前記ク
レセント70の上流側端部付近であって、環状歯車50
および駆動歯車52の図2の矢印に示す方向の回転に伴
って内周歯66と外周歯68とが互いに離隔する角度範
囲の位置に設けられている。内周歯66と外周歯68と
が互いに離隔することによってそれら内周歯66と外周
歯68との間に形成される容積が増加し、作動油がポン
プ室58内へ吸入されるからである。また、上記円形平
面状内壁面62および64に開口する第1吐出口84お
よび第2吐出口92は、前記クレセント70の下流側端
部付近であって、環状歯車50および駆動歯車52の回
転に伴って内周歯66と外周歯68とが互いに接近する
角度範囲の位置に設けられている。内周歯66と外周歯
68とが互いに接近することによってそれら内周歯66
と外周歯68との間に形成される容積が減少し、作動油
がポンプ室58内から吐出されるからである。
【0024】図5は、上記第1吐出口84および第2吐
出口92付近の断面形状を示すために周方向に沿った切
断線による部分断面図である。図5に示されるように、
ポンプボデー38の第1吐出口84の最上流側位置と第
1導出油路86との間には、その第1導出油路86の断
面積よりも数分の1程度に小さい一定の断面積を有する
所定長さの絞り油路すなわち振動緩和油路100が形成
されており、また、ポンプカバー42の第2吐出口92
の最上流側位置と第2導出油路94との間には、その第
2導出油路94の断面積よりも数分の1程度に小さい一
定の断面積を有する所定長さの絞り油路すなわち振動緩
和油路102が形成されている。上記振動緩和油路10
0および102は、1点鎖線に囲まれた示す従来の導出
油路の最上流型端部の断面積を所定区間小さくするため
にその深さを局部的に浅く一定断面積に変更して形成し
たものである。図5のポンプカバー42の第2導出油路
94内に従来から形成されていた凸部104は他の油路
106を形成するためのものであって、本発明の構成と
は直接関係がない。なお、図3の1点鎖線は、従来のポ
ンプカバー42の作動油吐出路94において、上記凸部
104により表われる線である。また、図5は、ポンプ
ボデー38およびポンプカバー42を組み合わせた状態
であって、図3および図4のV−V視断面に相当する。
【0025】上述のように、本実施例によれば、オイル
ポンプ10の振動を抑制するための振動抑制手段とし
て、第1導出油路86よりも小さい一定の断面積を有す
る所定長さの通路であって、その第1導出油路86と第
1吐出口84の最上流側位置との間に設けられた一定の
容積の振動緩和路100、102が備えられているの
で、ポンプ室58内から第1吐出口84或いは第2吐出
口92を通過する際の作動油の圧力変化幅が上記振動緩
和路100、102の存在によって小さくされることに
よりその作動油が急激に開放されることが防止される。
すなわち、作動油の急激な圧力変化(低下)に起因して
発生する周期的な圧力振動換言すれば圧力振動波の発生
が好適に緩和される。したがって、その作動油を含むギ
ヤ式オイルポンプの振動に起因して直接的或いは間接的
に励振される他の部材の振動や騒音が好適に防止され
る。たとえば、ギヤ式オイルポンプ10から連続的に吐
出される作動油に含まれる流量或いは圧力の周期的な脈
動により、その作動油が供給される油圧作動機や制御弁
に直接的或いは間接的に連結されたリンク、レバーなど
の他の可動部材の共振を誘発して振動や騒音が好適に緩
和される。特に、近年において停止時或いは走行中の静
粛設計が一層進歩している乗用車などでは、顕著な効果
が得られる。
【0026】因みに、従来のオイルポンプでは、図5の
1点鎖線に示す形状の導出油路が形成されており、ポン
プ室58内の作動油は第1吐出口84、第2吐出口92
を通して急激に第1導出油路86および第2導出油路9
4へ解放されていたので、その急激な解放による急激な
圧力変化(低下)に起因して、上記オイルポンプから吐
出される作動油に圧力振動波が発生していたのである。
【0027】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】図6は、本発明の他の実施例のオイルポン
プ10のポンプボデー38の組合わせ面を示す図であ
る。本実施例では、図7の断面図に詳しく示すように、
ポンプボデー38の組合わせ面において、第1振動緩和
油路100が図4の第1吐出口84の最上流側端縁さら
に上流側に向かって延長させられた延長部106が形成
されている点において、前述の実施例と相違する。この
延長部106は、第1振動緩和油路100と同じ深さで
あって、クレセント70の下流側端部の両側に1対形成
されている。これにより、実質的に第1吐出口84が第
2吐出口92に対して上流側へ位相がずらされている。
すなわち、1対の第1吐出口84および第2吐出口92
は、環状歯車50の回転軸心に対する位相が互いにずら
されているのである。
【0029】本実施例によれば、前述の実施例の効果と
同様の効果が得られるのに加えて、1対の平面状内壁面
62および64にそれぞれ設けられた1対の第1吐出口
84および第2吐出口92から導出される第1導出油路
86および第2導出油路94はポンプボデー38の外周
部において互いに連通させられており、上記1対の第1
吐出口84および第2吐出口92は、環状歯車50の回
転軸心に対する位相が互いにずらされているので、1対
の第1吐出口84および第2吐出口92からそれぞれ吐
出される作動油の開放タイミングが互いにずらされるの
で、圧力振動が一層好適に緩和される利点がある。
【0030】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0031】たとえば、前述の実施例では、環状歯車5
0の内周歯66に駆動歯車52の外周歯68が噛み合わ
せられた形式のギヤ式オイルポンプ10に付いて説明さ
れていたが、ポンプ室内において外径が同様の1対の歯
車の外周歯が互いに噛み合わせられた形式のギヤ式オイ
ルポンプであっても差し支えない。
【0032】また、前述のギヤ式オイルポンプ10は、
自動変速機14の油圧源として機能するものであった
が、パワーステアリング装置、アンチロックブレーキ装
置、或いは旋回挙動制御装置などの油圧源として機能す
るものであってもよい。
【0033】また、前述の実施例のギヤ式オイルポンプ
10において、1対の第1吐出口84および第2吐出口
92から作動油が導出される1対の第1導出油路86お
よび第2導出油路94が設けられていたが、一個の吐出
口および導出油路を備えたものであっても差し支えな
い。
【0034】また、前述の実施例のギヤ式オイルポンプ
10において、振動緩和油路100および102は、1
対の第1導出油路86および第2導出油路94と1対の
第1吐出口84および第2吐出口92との間に設けられ
ていたが、第1導出油路86および第2導出油路94の
途中に設けられていても差し使えない。要するに、第1
導出油路86および第2導出油路94と直列に設けられ
ていればよいのである。
【0035】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のギヤ式オイルポンプを備え
た車両用自動変速機の要部断面を説明する図である。
【図2】図1のギヤ式オイルポンプのポンプボデーの組
合せ面側を示す図である。
【図3】図1のギヤ式オイルポンプのポンプカバーの組
合せ面を示す図である。
【図4】図1のギヤ式オイルポンプのポンプボデーの組
合せ面側を示すために、図2の環状歯車および駆動歯車
を取り除いて示す図である。
【図5】図1のギヤ式オイルポンプの吐出口付近を詳し
く説明する断面図である。
【図6】本発明の他の実施例における図4に相当する図
である。
【図7】図6のギヤ式オイルポンプの吐出口付近を詳し
く説明する、図5に相当する図である。
【符号の説明】
10:ギヤ式オイルポンプ 84:第1吐出口 86:第1導出油路(作動油導出路) 92:第2吐出口 94:第2導出油路(作動油導出路) 100、102:振動緩和油路(絞り油路、振動抑制手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福村 景範 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 佐用 正一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 北條 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 前野 克弘 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 富野 智博 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 尾崎 和久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 小林 啓三 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油を圧送するために車両に搭載され
    る車両用オイルポンプであって、 該車両用オイルポンプの振動を抑制する振動抑制手段を
    含むことを特徴とする車両用オイルポンプ。
  2. 【請求項2】 前記振動抑制手段は、前記作動油を吐出
    する作動油導出路に設けられて該作動油導出路内を圧送
    される作動油の圧力振動を抑制するものである請求項1
    の車両用オイルポンプ。
  3. 【請求項3】 前記振動抑制手段として、前記作動油導
    出路よりも小さい断面積を有する絞り通路が該作動油導
    出路に設けられたものである請求項2の車両用オイルポ
    ンプ。
  4. 【請求項4】 作動油を圧送するために車両に搭載され
    る車両用オイルポンプであって、 該車両用オイルポンプの作動油導出路に設けられ、該作
    動油導出路よりも小さい断面積を所定長さにわたって有
    する絞り通路を含むことを特徴とする車両用オイルポン
    プ。
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