JPH11315236A - インクジェット記録用カラ―インクセット及びカラ―画像の形成方法 - Google Patents

インクジェット記録用カラ―インクセット及びカラ―画像の形成方法

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JPH11315236A
JPH11315236A JP4209099A JP4209099A JPH11315236A JP H11315236 A JPH11315236 A JP H11315236A JP 4209099 A JP4209099 A JP 4209099A JP 4209099 A JP4209099 A JP 4209099A JP H11315236 A JPH11315236 A JP H11315236A
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JP
Japan
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ink
color
ink set
weight
yellow
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Application number
JP4209099A
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English (en)
Inventor
Akiko Konishi
昭子 小西
Akio Kojima
明夫 小島
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Masato Igarashi
正人 五十嵐
Masayuki Koyano
正行 小谷野
Hirotaka Mochizuki
博孝 望月
Takanori Tsuyuki
孝範 露木
Ikuko Tanaka
郁子 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の欠点を全て解消したインクジェット記
録用カラーインク及びカラー画像の形成方法、特に色調
が良好で、耐水耐光性、及び色再現性に優れ、又保存安
定性及び吐出安定性の高い、更に全てにバランスの取れ
たインクセット及びカラー画像を提供する。 【解決手段】 特定範囲の分光透過率から算出されるL
*、a*、及びb*を有するインクをセットで使用し、
又特定の染料を組み合わせた該インクを使用し、更に特
定の湿潤剤を前記インクに含有させ、更に又特定の界面
活性剤を前記インクに含有させ、又前記インクに含有さ
れる特定のカウンターイオンを用い、更に前記インクに
含有される特定の防腐防かび剤を使用し、更に又前記イ
ンクのpHを特定範囲に調整し、又複数回のスキャン
で、全てのインク吐出口に対応する印字ドットを印字す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用カラーインクセット及びカラー画像の形成方法に関
し、特に、色調及び色再現性が良好で、かつ耐水耐光性
に優れ、保存安定性及び吐出安定性に優れたインクジェ
ット記録用インクセット、及び高印字品質の確保を可能
にしたカラー画像の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、高速記録が
可能であること、且つ記録媒体に非接触であるので、記
録媒体には、普通紙を始め、種々のものが使用可能であ
ること、及び安価にカラー画像を得ることが可能である
等の利点から、近年の普及状態には、目ざましいものが
ある。インクジェット記録において、長期に旦って良好
な印字記録を行うためには、使用するインクが、以下の
条件を満たすことが必要である。 1.インクの噴射方向の安定性及び吐出安定等の噴射特
性が優れていること。 2.インクの保存安定性が優れていること、即ち、長期
間の保存、連続使用又は記録休止中に化学変化により析
出が生じて、その結果、ノズルが詰まったり、インクの
物性が変化したりしないこと。 3.印字記録された画像のコントラストが十分に高く、
且つ滲みのない鮮明画像であること。 4.記録画像の乾燥が速いこと。 5.印字記録された画像の耐水性・耐光性等、即ち保存
性が優れていること。 6.フルカラープリンター用カラーインクとして、高純
度の色調を有し、且つ色再現性の優れた画像形成が可能
なこと。
【0003】上記のような要求を満足するためには、従
来のインクジェット記録等に用いられるインクとして、
数多くの提案がなされているが、上記の諸条件の全てを
十分に満足するインクは、未だ得られていないのが、現
状である。インクセットのバランスが取れた、耐水耐光
性、鮮明性、及び相互の演色性に優れたカラー画像形成
のためのインクセットとしては、例えば特開平8−31
0116号公報に、特定の構造を有するイエロー、マゼ
ンタ、シアン、及びブラック染料を組み合わせると良い
ことが開示されている。
【0004】また、USP−5143547にはイエロ
ー、マゼンタ、及びシアンの3色の組み合わせとして、
アジッド、イエロー 23、ダイレクト・レッド 22
7、及びアシッド・ブルー 9の組み合わせで、色再現
性が良好であると開示されている。更に、USP−51
45519にはダイレクト・イエロー 86、アシッド
・レッド 52、及びアシッド・ブルー 9の組み合わ
せが、色再現性に優れていると開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の1〜6の特性
は、主してインクを構成する組成物中の着色である染料
に起因するものである。例えば、染料の濃度は高い方
が、コントラストが高く、且つ鮮明な印字画像が得られ
るが、前記の濃度を上げるためには染料の溶解安定性が
高いことが必要である。しかし、染料の溶解安定性が高
くなると、インクの保存安定性及び吐出安定性は高くな
るが、逆に印字画像の耐水性は悪くなるという欠点があ
る。また、カラー画像形成においては、印字画像の乾燥
性が高いことは、2色の境界の滲みを無くし、更に解像
度の高い画像を得るためにも重要である。更に又、良好
な色調を再現するために、各染料の色調も重要な問題で
ある。また、インクセットの色再現に関してはシアン、
マゼンタ、イエローの各インクのa*/b*座標におい
て描かれるカラーサークルの領域が広いほど良好となる
が、現時点では印刷インクの領域と同等、又はこれを超
える色再現領域を有する水性インクセットは得られてい
ない。
【0006】更に、上記特開平8−310116号公報
に記載されている組合わせの染料は耐水性が十分とは言
えず、又色調及び色再現性も満足できるものではない。
更に又、上記のUSP−5143547に記載されてい
る組み合わせの染料では、アシッド・イエロー 23は
耐水性が悪く、又ダイレクト・レッド 227も、耐水
性及び色調の点で、十分満足できるものではない。ま
た、上記USP−5145519に記載されている組み
合わせの染料では、ダイレクト・イエロー 86は、色
調が十分とは言えない等の問題があり、全てにバランス
の取れた染料の組み合わせによるインクセットは、得ら
れていないのが現状である。更に又、上記のような問題
を染料のみで解決できるものではなく、上記の問題を解
決するために、湿潤剤及び界面活性剤等が添加される。
湿潤剤は、主にインクの吐出安定性及び保存安定性を向
上させるために、界面活性剤は、主に印字画像の乾燥性
を向上させるために、それぞれ添加される。
【0007】湿潤剤の役割としては、水中に着色剤を安
定に溶解させることで、ノズルの近傍での水分蒸発に伴
う染料の析出等による目詰まりを防止することができ
る。湿潤剤の量が多ければ、インクの保存安定性は増す
が、逆に、湿潤剤の量が多すぎると粘度が高くなり、ノ
ズルからの吐出が困難になる等の問題が生じる。また、
界面活性剤の役割としては、インクの表面張力を下げる
ことにより、インクの紙への浸透性を高める効果があ
り、前記の浸透性を高める効果によって乾燥速度を速め
ることができる。カラープリンタの場合、マゼンタ、イ
エロー、及びシアンの単色印字部では、高画質を確保で
きても、レッド、グリーン、及びブルーの2色の重ね部
分で、滲み等の画像品質の低下が起こりやすく、特に定
着装置を用いないで乾燥を行う場合には、インクの乾燥
速度が遅いと境界での滲み等の画像品質の低下は著し
い。その際に、選定される界面活性剤の種によっては、
紙によって著しく滲みが生じたり、又使用する着色剤と
の相互作用のため、乾燥性が向上しない等の問題が生じ
たりすることがあった。更に、界面活性剤自体が分解す
ることにより、印字品質に悪影響を及ぼす等の問題が生
じる場合もある。更に又、単にインクの表面張力を下げ
るだけでは、インク滴が紙に着弾した後、インクが紙表
面で広がり、その結果、鮮明さが損なわれる等の問題も
生じる。
【0008】本発明の目的は、従来の欠点を全て解消し
たインクジェット記録用カラーインク及びカラー画像の
形成方法、特に色調が良好で、耐水耐光性、及び色再現
性に優れ、又保存安定性及び吐出安定性に優れ、更に全
てにバランスの取れたインクセット及びカラー画像を提
供することにある。更に詳細には、本発明の目的は、第
1に色再現性に優れるインクセットを構成するための各
インクのL*、a*、及びb*の範囲を提示すること、
第2に色調が良好で、耐水耐光性及び色再現性に優れた
染料の組合わせを提示すること、第3に保存安定性がよ
り高いインクを提供するための湿潤剤の種類・添加量を
提示すること、第4により鮮明な画像を提供するための
界面活性剤の構造・添加量を提示すること、第5により
高い信頼性を確保するためのカウンターイオンの構造を
提示すること、第6に防腐防かび効果に優れ、且つヘッ
ドを構成する金属部材にも悪影響を及ぼさない、防腐防
かび剤の種及び適切な添加量を提示すること、第7に金
属部材の腐食を抑え、且つ目詰まりのない保存安定性及
び吐出安定性に優れたインクを提供するための適切なp
H領域を提示すること、第8により鮮明で高品位なカラ
ー画像を提供するための印字方法を提示することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のインク
ジェット記録用カラーインクセットは、インクジェット
記録における記録液が水、水に溶解する着色剤、湿潤
剤、界面活性剤および防腐防かび剤からなる、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色のインクで構成されたカラ
ーインクセットであって、前記3色のインクの2000
倍希釈溶液の分光透過率から算出されるL*、a*、b
*の値が、それぞれ下記に示す範囲にあることを特徴と
する。 イエローインク:L*=95±5、a*=−6±5、b
*=23±12 マゼンタインク:L*=75±5、a*=55±25、
b*=−28±10 シアンインク:L*=87±5、a*=−35±10、
b*=−19±8
【0010】請求項2に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、インクジェット記録における記録
液が水、水に溶解する着色剤、湿潤剤、界面活性剤およ
び防腐防かび剤からなる、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの4色のインクで構成されたカラーインク
セットであって、前記4色のインクの2000倍希釈溶
液の分光透過率から算出されるL*、a*、b*の値
が、それぞれ下記に示す範囲にあることを特徴とする。 イエローインク:L*=95±5、a*=−6± 5、
b*=23±12 マゼンタインク:L*=75±5、a*=55±25、
b*=−28±10 シアンインク:L*=87±5、a*=−35±10、
b*=−19±8 ブラックインク:L*=45±8、a*=−3±5、b
*=−5±5
【0011】請求項3に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、請求項2に記載のカラーインクセ
ットにおいて、イエローインクが、少なくともPro-jet
FastYellow 2 及びC.I.Direct YELLOW 142 を着色剤と
して含有し、マゼンタインクが少なくともC.I.Acid Red
52 を着色剤として含有し、シアンインクが少なくとも
Pro-jet Fast Cyan 2 を着色剤として含有し、ブラック
インクが少なくともC.I.Direct Black 168を着色剤とし
て含有することを特徴とする。
【0012】請求項4に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、請求項1,2又は3に記載のカラ
ーインクセットにおいて、前記湿潤剤が、グリセロール
及びエチレングリコールの混合物であり、かつインク全
量の10重量%〜30重量%含有されていることを特徴
とする。
【0013】請求項5に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、請求項1,2,3又は4に記載の
カラーインクセットにおいて、前記界面活性剤は、化学
構造が下記〔化1〕で表される界面活性剤であり、かつ
インク全量の0.5重量%〜3重量%含有されているこ
とを特徴とする。
【0014】
【化1】RO(CH2 CH2 O)nCH2 COOM ここで、R:炭素数6〜14の直鎖又は分岐したアルキ
ル基 n:3〜12の整数 M:アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホ
ニウム、又はアルカノールアミン
【0015】請求項6に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、請求項1,2,3,4又は5に記
載のカラーインクセットにおいて、前記着色剤の対イオ
ンが、ナトリウムイオン若しくはリチウムイオン及び/
又は、化学構造が下記〔化2〕で示される第4級アンモ
ニウムイオン、第4級ホスホニウムイオン若しくはアル
カノールアミノイオンであることを特徴とする。
【0016】
【化2】 ここで、Zは窒素又はリンであり、R1〜R4は水素、
炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、又はハロ
ゲン化アルキル基である。
【0017】請求項7に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、請求項1,2,3,4,5又は6
に記載のカラーインクセットにおいて、前記着色剤の対
イオン及び/又は前記界面活性剤の対イオンMが、ナト
リウムイオン若しくはリチウムイオン及び/又は、化学
構造が下記〔化2〕で表される第4級アンモニウムイオ
ン、第4級ホスホニウムイオン若しくはアルカノールア
ミノイオンであることを特徴とする。
【0018】
【化2】 ここで、Zは窒素又はリンであり、R1 〜R4 は水素、
炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、又はハロ
ゲン化アルキル基である。
【0019】請求項8に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、請求項1〜7の何れか1項に記載
のカラーインクセットにおいて、前記防腐防かび剤が、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、かつ
インク全量の0.2重量%〜1.0重量%含有されてい
ることを特徴とする。
【0020】請求項9に記載のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、請求項1〜8の何れか1項に記載
のカラーインクセットにおいて、各インクのpHが8以
上で11以下に調整されていることを特徴とする。
【0021】請求項10に記載のカラー画像の形成方法
は、請求項1〜9の何れか1項に記載のインクジェット
記録用カラーインクセットを、被記録体として普通紙又
はインク吸収特性の低いものを用いるカラー画像の形成
方法であって、複数のインク吐出口を有するヘッドを用
いて印字する際、複数回のスキャンで、全てのインク吐
出口に対応する印字ドットを印字することを特徴とす
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、インクジェット記録用
カラーインク及びカラー画像の形成方法、特に、色調が
良好で、耐水耐光性、及び色再現性に優れ、保存安定性
及び吐出安定性の高い、全てにバランスの取れたインク
セット及びカラー画像の提供を可能にしたインクジェッ
ト記録用カラーインクセット及び高印字品質の確保を可
能にしたカラー画像の形成方法に関するものであるが、
以下、具体例を挙げて、本発明の詳細な説明を行う。な
お、本発明はこれらの具体例に限定されない。
【0023】本発明者は、水に溶解する着色剤、湿潤
剤、界面活性剤及び防腐防かび剤から成るインクジェッ
ト記録用インクにおいて、ある特定の範囲のL*、a
*、及びb*を有するインクをセットにして使用するこ
とにより、色調が良好で、耐水耐光性及び色再現性に優
れ、且つ保存安定性及び吐出安定性の高い、又全てにバ
ランスの取れたインクセット及びカラー画像の提供が可
能となることを見いだしたものである。
【0024】更に詳細には、水に溶解する着色剤、湿潤
剤、界面活性剤及び防腐防かび剤から成り、イエロー、
マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のインクで構成
されたインクジェット記録用インクにおいて、前記4色
のインクの2000倍の希釈溶液の分光透過率から算出
されるL*、a*、及びb*の値が、下記に示す範囲に
ある場合に、色調が良好で、且つ色再現性に優れたイン
クセット及びカラー画像の提供が可能となることを、見
いだしたものである。 イエローインク:L*=95±5、a*=−6±5、b
*=23±12 マゼンタインク:L*=75±5、a*=55±25、
b*=−28±10 シアンインク:L*=87±5、a*=−35±10、
b*=−19±8 ブラックインク:L*=45±8、a*=−3±5、b
*=−5±5
【0025】上記カラーインクセットでは、前記4色の
インクの2000倍希釈溶液の分光透過率から算出され
るL*、a*、b*の値が、それぞれ下記に示す範囲に
あることが更に好ましい。 イエローインク:L*=95〜100、a*=−6±
3、b*=23±8 マゼンタインク:L*=75±3、a*=55±15、
b*=−28±10 シアンインク:L*=87±3、a*=−35±5、b
*=−19±5 ブラックインク:L*=37〜45、a*= −3±
3、b*=−5±3
【0026】このカラーインクセットでは、前記4色の
インクの2000倍希釈溶液の分光透過率から算出され
るL*、a*、b*の値が、それぞれ下記に示す範囲に
あることが特に好ましい。 イエローインク:L*=97〜100、a*=−6±
2、b*=23±5 マゼンタインク:L*=75±2、a*=55±10、
b*=−28±5 シアンインク:L*=87±2、a*=−35±3、b
*=−19±3 ブラックインク:L*=40〜45、a*=−3±2、
b*=−5±2
【0027】また、上記のイエローインクが、少なくと
もPro-jet Fast Yellow 2 (ゼネカ社製)及びC.I.Dire
ct Yellow 142 を染料として含有し、又前記のマゼンタ
インクが、少なくともC.I.Acid Red 52 を染料として含
有し、更に前記のシアンインクが少なくともPro-jet Fa
st Cyan 2 (ゼネカ社製)を染料として含有し、更に又
前記ブラックインクが少なくともC.I.Direct Black 168
を染料として含有する記録液を用いることにより、色調
及び色再現性のみならず、耐水耐光性、保存安定性、及
び吐出安定性の高い、全てにバランスの取れたインクセ
ット及びカラー画像の提供が可能となった。
【0028】本発明で使用されるインク中に含有される
着色剤としては、上記の染料以外の染料でも、色調及び
その他の特性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、前記
の染料を添加しても、良い。併用可能な染料の具体例を
以下に示すが、本発明は、これらに限定されるものでは
ない。
【0029】酸性染料及び食用染料としては、 C.I.アシッド・イエロー :17,23,42,44,79, 及び
142 C.I.アシッド・レッド : 1, 8,13,14,18,26,2
7,35,37,42,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,24
9,254,及び289 C.I.アシッド・ブルー : 9,29,45,92,249 C.I.アシッド・ブラック : 1, 2, 7,24,26, 及び
94 C.I.フード ・イエロー : 3, 及び4 C.I.フード ・レッド : 7, 9,及び14 C.I.フード ・ブラック : 1, 及び2 等が挙げられる。
【0030】直接性染料としては、 C.I.ダイレクト・イエロー: 1,12,24,26,33,44,5
0,86,120,132,142,及び144 C.I.ダイレクト・レッド : 1, 4, 9,13,17,20,2
8,31,39,80,81,83,89,225,及び227 C.I.ダイレクト・オレンジ:26,29,62, 及び102 C.I.ダイレクト・ブルー : 1, 2, 6,15,22,25,7
1,76,79,86,87,90,98,163,165,199,及び202 C.I.ダイレクト・ブラック:19,22,32,38,51,56,7
1,74,75,77,154,及び171 等が挙げられる。
【0031】また、本発明で使用される湿潤剤として
は、ジエチレングリコール及びグリセリンの混合物を使
用することにより、インクの保存安定性及び吐出安定性
が、一層向上することが明らかとなった。
【0032】本発明では、上記の湿潤剤の他に、特性に
影響を及ぼさない範囲内で、下記に示すような湿潤剤を
併用しても良い。併用できる湿潤剤としては、エチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−
ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、
1,2,3−ブタントリオール、及びペトリオール等の
多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル
等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、及びエチレングリコール
モノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエー
テル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチ
ル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジ
ノン、及びε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物
等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定され
ない。
【0033】湿潤剤の含有量としては、10重量%以上
で30重量%以下の範囲で使用されるが、より好ましく
は12重量以上で20重量%以下である。湿潤剤の含有
量が10重量%未満であると、染料の溶解安定性が不十
分で、且つノズル部での染料析出が起こり易く、他方、
湿潤剤の含有量が30重量%を超えると、環境の温度変
化に伴うインクの粘度の増加が問題となる。
【0034】また、本発明で使用される界面活性剤とし
ては、化学構造が下記〔化1〕で表される界面活性剤を
使用することにより、乾燥性が早く、且つ境界の滲み及
び文字の滲みがない鮮明なカラー画像の提供が可能とな
った。
【0035】
【化1】RO(CH2 CH2 O)nCH2 COOM ここで、R:炭素数6〜14の直鎖又は分岐したアルキ
ル基 n:3〜12の整数 M:アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホ
ニウム、又はアルカノールアミン
【0036】上記の界面活性剤としては、具体的には、
ニッコールECTシリーズ(商品名:日本サーファクタ
ント工業化学社製)等として入手できる。また、本発明
では、上記の界面活性剤の他に、インクの特性に影響を
及ぼさない範囲内で、下記に示すような界面活性剤を併
用しても良い。併用できる界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコー
ルエステル、及びアセチレン系界面活性剤、シリコン系
界面活性剤等のノニオン系界面活性剤、及びジアルキル
スルホコハク酸塩等のアニオン系界面活性剤が挙げられ
る。更に具体的には、併用できる界面活性剤は、BTシ
リーズ(日光ケミカルズ製)、ノニポールシリーズ(三
洋化成製)、サーフィノールシリーズ(エアープロダク
ツ)、SHシリーズ(東レダウコーニング製)等として
入手できる。
【0037】上記界面活性剤は、インクの表面張力を下
げ、又インクの紙への浸透性を上げることにより、印字
画像の乾燥性を速めるために添加されるのであり、前記
界面活性剤の添加量は、インクの表面張力が通常50m
N/m以下、好ましくは40mN/m以下になるように
調整され、且つ水性インクの組成物に対して0.5重量
%〜3.0重量%が好ましい。前記界面活性剤の添加量
が0.5重量%未満であると、動的な表面張力が高いの
で乾燥性が悪く、3.0重量%を超えると保存時に界面
活性剤の析出等が生じ好ましくない。
【0038】また、上記の染料の対イオン及び界面活性
剤の対イオンMは、ナトリウムイオン若しくはリチウム
イオン及び/又は、化学構造が下記〔化2〕で示される
第4級アンモニウムイオン、第4級ホスホニウムイオン
若しくはアルカノールアミノイオンである場合に、優れ
た溶解安定性及び良好な印字画像が得られる。
【0039】
【化2】 ここで、Zは窒素又はリンであり、R1〜R4は水素、
炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、又はハロ
ゲン化アルキル基である。
【0040】対イオンを上記のようなアルカリ塩にする
には、インクの調整時に、所望のアルカリイオンを含ん
だアルカリ水酸化物を添加することにより、容易に行え
る。例えば、リチウム塩の場合は、水酸化リチウムを添
加することにより行える。
【0041】また本発明では、防腐防かび剤として1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを使用することに
より、保存安定性及び吐出安定性等の信頼性を確保しつ
つ、且つ防腐防かび効果に優れるインク及びカラー画像
を提供できることが判った。更に、防腐防かび剤の添加
量は0.2重量%〜1.0重量%が好ましい。添加量が
0.2重量%未満であると、防腐防かび効果が不十分と
なり、添加量が1.0重量%を超えると、防腐防かび剤
自体の析出が問題となる場合があり、好ましくない。更
に又、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが含有
され、市販されている防腐防かび剤としては、サンアイ
バックAP(三愛石油社製)及びプロキセルXL等が挙
げられる。
【0042】本発明のインクは、特にノズルプレートに
使用される金属への影響を考慮し、pHを好ましくは8
〜11に、より好ましくは10.5±0.3の範囲に調
整することにより、より信頼性の高いインクとして、提
供できることが、判った。また、本発明においては、そ
の他の目的に応じて浸透剤、金属腐食抑制剤、水溶性の
紫外線吸収剤、及び水溶性の赤外線吸収剤等を添加する
こともできる。
【0043】以下に、本発明の実施例及び比較例を示
す。実施例−1 下記に示す組成により、インクを作製した。実施例−1でのインクの組成 (イエローインクの組成) Pro-jet Fast Yellow 2 (ゼネカ社製) 1.5重量% C.I.Direct Yellow 142 (ダイワ化成社製) 0.5重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 76.6重量% (マゼンタインクの組成) C.I.Acid Red 52 (ダイワ化成社製) 0.7重量% MJR611(三菱化学社製) 1.3重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 プロキセルXL(I.C.I.製) 0.4重量% イオン交換水 76.6重量% (シアンインクの組成) Pro-jet Fast Cyan 2 (ゼネカ社製) 3重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 75.6重量% (ブラックインクの組成) C.I.Direct Black 168(ゼネカ社製) 4重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 プロキセルXL(I.C.I.製) 0.4重量% イオン交換水 74.6重量%
【0044】ここで、この実施例1、後記する実施例2
でそれぞれ使用したインクのL*,a* b*の値を下
記〔表1〕に示す。また比較例1、比較例2でそれぞれ
使用したインクのL*,a* b*の値を下記〔表2〕
に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】上記組成で処方した各インク組成物を、室
温中で攪拌・溶解し、更に水酸化リチウムを用いてpH
を10.5に調整した後、0.22μmのテフロンフィ
ルターで濾過し、続いて30分間程度の脱気を行って、
実施例−1でのインクを作製した。次に、作製したイン
クについて、下記に示す方法により、L*、a*、及び
b*を算出した結果、請求項2に示す範囲内となった。
また、下記に示す試験1〜4を行った結果、何れの試験
も○(合格)であった。
【0048】L*、a*、及びb*の算出手順 実施例−1のインクを純水により2000倍に希釈した
後、分光光度計にて透過スペクトルを測定した。その測
定値を用いて、D50光源でのL*、a*、及びb*を算
出した。
【0049】試験−1:印字画像の耐水性評価 実施例−1のインクを用いて印字した画像サンプルを3
0°Cの水に1分間浸潰し、更に浸潰前後の画像濃度の
変化をマクベス濃度計で測定し、下記〔数1〕にて耐水
性(退色率%)を求め、退色率が30%未満の場合に
○、30%以上の場合に×とした。
【0050】
【数1】退色率(%)=[1−〔(処理後の画像濃度)
/(処理前の画像濃度)〕]×100
【0051】試験−2:画像鮮明性の評価 実施例−1のインクを用いてカラー画像の印字を行い、
画像滲み、色調、及び濃度を目視により総合的に判断し
た。市販の再生紙、コピー用紙、及びインクジェット専
用紙の3紙に印字し、何れの紙でも良好な画像の場合に
○とし、それ以外を×とした。
【0052】試験−3:保存安定性の評価 実施例−1の各インクをポリエチレン容器に入れ、−2
0°C、20°C、及び50°Cの、それぞれの条件下
で2カ月間保存し、保存後の表面張力、粘度、及び沈殿
物の析出の有無を調べた。どの条件で保存しても物性等
の変化がなく、且つ沈殿が見られないものを○とし、そ
れ以外を×とした。
【0053】試験−4:長期放置後の信頼性の評価 ノズルプレートがニッケルで形成され、且つ積層PZT
を液室流路の加圧に使用した300dpiのノズルを有
するインクジェットプリンターに、実施例−1のインク
を充填し、キャップをした状態で室温中に3ヵ月の間放
置後、ワイピング及び吸引等のクリーニング操作を0回
及び1回行って印字させ、放置前後の画素径及びドット
位置精度の比較を行った。クリーニング操作0回で画素
径及びドット位置精度ともに、問題がない場合を○、ク
リーニング操作1回で回復する場合を△、それ以外を×
とした。
【0054】比較例−1 下記に示す組成により、インクを作製した。比較例−1でのインクの組成 (イエローインクの組成) C.I.Acid Yellow 23 1.5重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 77.1重量% (マゼンタインクの組成) C.I.Direct Red 227 3重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 75.6重量% (シアンインクの組成) C.I.Direct Blue 199 3重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 75.6重量% (ブラックインクの組成) Fast Black 2(ゼネカ社製) 3重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 プロキセルXL(I.C.I.製) 0.4重量% イオン交換水 75.6重量%
【0055】上記の組成で処方した各インク組成物を室
温中で攪拌・溶解し、更に水酸化リチウムを用いてpH
を10.5に調整した後、0.22μmのテフロンフィ
ルターで濾過し、続いて30分間程度の脱気を行って比
較例−1でのインクを作製した。次に、作製したインク
について上記手順に従って、L*、a*、及びb*を算
出した結果、何れも請求項2に示す範囲外となった。次
に、前記インクについて上記試験1〜4を行った結果、
耐水性及び色調が問題となった。
【0056】比較例−2 下記に示す組成により、インクを作製した。比較例−2でのインクの組成 (イエローインクの組成) Pro-jet Fast Yellow 2 (ゼネカ社製) 2重量% 1,5−ペンタジオール 10重量% グリセリン 2重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 84.6重量% (マゼンタインクの組成) C.I.Acid Red 52 (ダイワ化成社製) 1.8重量% 1,5−ペンタジオール 10重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 86.8重量% (シアンインクの組成) Pro-jet Fast Cyan 2 (ゼネカ社製) 3重量% ジエチレングリコール 5重量% グリセリン 2重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイパックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 88.6重量% (ブラックインクの組成) C.I.Direct Black 168(ゼネカ社製) 4重量% ジエチレングリコール 23重量% グリセリン 10重量% 界面活性剤 ECTD−3NEX(日光ケミカルズ社製) 1重量% 防腐防かび剤 サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4重量% イオン交換水 61.6重量%
【0057】上記の組成で処方した各インク組成物を室
温中で攪拌・溶解し、更に水酸化リチウムを用いてpH
を10.5に調整した後、0.22μmのテフロンフィ
ルターで濾過し、続いて30分間程度の脱気を行って比
較例−2でのインクを作製した。次に、作製したインク
について上記手順に従って、L*、a*、及びb*を算
出した結果、マゼンタが請求項2の範囲外となった。次
に、前記のインクについて上記試験1〜4を行った結
果、何れのインクも長期放置後の信頼性が△又は×とな
った。
【0058】実施例−2 実施例−1のインクの組成において、界面活性剤をノニ
オン系界面活性剤BT−7(日光ケミカルズ社製)に代
えた以外は、実施例−1と同様の組成にして実施例−2
のインクを作製した。次に、作製したインクについて上
記手順に従って、L*、a*、及びb*を算出した結
果、いずれも請求項2の範囲内であった。また、実施例
−2のインクについて上記試験1〜4を行った結果、印
字画像の鮮明性が×となった。試験1〜4の結果をつぎ
の〔表3〕、〔表4〕に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】更に、実施例−1のインク及び実施例−2
のインクを用いて、下記に示す試験5を行った。試験−5:印字方法による画像の鮮明性 実施例−1のインク及び実施例−2のインクを用いて、
1回スキャン(主走査方向に関して、隣接ドットを1回
で埋める印字方法)による印字画像と、2回スキャン
(主走査方向に関して、隣接ドットを2回に分けて埋め
る印字方法)による印字画像との境界での滲み及び文字
の滲みを評価した。印字用紙は市販の再生紙、コピー用
紙、及びインクジェット専用紙の3枚を用いて、目視に
より判断した。その結果を〔表5〕に示す。
【0062】
【表5】
【0063】〔表5〕の結果から、2回スキャンで印字
を行う方が、2色重ね部での境界滲みが1回スキャンで
の印字と比較して著しく向上していることが判る。
【0064】実施例−3 実施例−1のインク組成において、防腐防かび剤を除い
た以外は実施例−1と同様の組成として、実施例−3の
インクを作製した。
【0065】実施例−4 実施例−1のインク組成において、防腐防かび剤をサン
アイバックP100(三愛石油社製)に代えた以外は実
施例−1と同様の組成として、実施例−4のインクを作
製した。
【0066】次に、実施例−1のインク、実施例−3及
び実施例−4のインクに関して、下記に示す試験6及び
試験7を行った。試験−6:防腐防かび試験 各インク100mlに関して、試験菌体縣濁液*及び、
混合胞子縣濁液**の1容量%ずつを所定日毎に摂種
し、28±2°Cに調整した恒温槽に入れて培養し、続
いて2日後に、混釈培養法により菌の生育の有無を調べ
た。前記のサイクルを10回繰り返し行い、防腐防かび
効果を判定した。
【0067】*試験菌体縣濁液:下記の菌株を肉汁培養
液に入れ、縣濁した。Bacillis subtilis, Escherichia
coil, Proteus vulgaris,Pseudomonas aeruginosa, St
aphylococcus aureus. **混合胞子縣濁液:三角フラスコで、スルホコハク酸
ジオクチルナトリウムの0.005 容量%の水溶液を作製
し、オートクレーブで殺菌した。次に、下記に示す試験
菌の胞子を一白菌耳ずつ採り、前記の水溶液に加えて、
胞子を十分に分散させた。続いて、内容物を乾燥滅菌し
た濾紙で濾過し、別のフラスコに受けた。 ***肉汁培養液:肉エキス3g、ペプトン10g、及
び塩化ナトリウム5gを1000mlの蒸留水に溶解さ
せた後に、121°Cで15分のオートクレーブで滅菌
したもの。 ****試験菌(4種):Aspergillus niger, Penicil
lium citrinum,Chaetomium globosum, Myrothecium ver
rucar 判定では、10サイクルとも菌が発生しない場合を○と
し、それ以外を×とした。
【0068】試験−7:金属腐食性試験 上記の各インク20mlに関して、オリフィスを形成さ
せたニッケルプレート(表面積2cm2 )を浸潰させ、
続いて60°Cの環境中に2週間放置し、試験の前後で
インク中のニッケルイオン量が変化するかどうかを、I
CP(Inductively Coupled Plasma)発光分析装置で測
定した。試験の前後でのニッケルイオンの増加量が2p
pm以下の場合を○とし、2ppmを超える場合を×と
した。その結果を〔表6〕に示す。
【0069】
【表6】
【0070】〔表6〕の結果から、実施例−1のインク
が、防腐防かび効果に優れ、且つ金属腐食を起していな
いことが判る。
【0071】実施例−5 実施例−1のインクにおいてpH調整を行わないで、実
施例−5のインクとした。次に、実施例−5のインクに
関して、試験4及び試験7を行った結果、イエローイン
ク及びシアンインクでは、クリーニング操作1回でも回
復しなく、且つニッケルイオン量が2ppmを超え、×
となった。
【0072】
【発明の効果】特定の範囲のL*、a*、及びb*を有
するインクをセットで使用することにより、色調が良好
で、且つ色再現性に優れた高品位なカラー画像の提供が
可能となる。また、特定の染料を組み合わせたインクを
使用することにより、耐水耐光性に優れ、画像濃度も高
く、色調も良好で、且つ色再現性に優れた高品位なカラ
ー画像の提供が可能となる。更に、特定の湿潤剤を含有
させることにより、より保存安定性及び吐出安定性に優
れたインク及びカラー画像の提供が可能となる。更に
又、特定の界面活性剤を含有させることにより、速乾性
で、且つ文字の滲み及び境界での滲みのない、鮮明なカ
ラー画像の提供が可能となる。また、特定のカウンター
イオンを用いることにより、より信頼性の高いインク及
びカラー画像の提供が可能となる。更に、特定の防腐防
かび剤を使用することで、高信頼性を確保したまま防腐
防かび効果に優れた、信頼性の高いインク及びカラー画
像の提供が可能となる。更に又、pHを特定の領域に調
整することにより、金属腐食を抑え、目詰まりのない、
保存安定性及び吐出安定性に優れたインク及びカラー画
像の提供が可能となる。また、従来のような1スキャン
で全印字ドットを印字する方法と比較して、2色の境界
での滲みだけでなく、文字の滲みも少ない高品位なカラ
ー画像の提供が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 正人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 望月 博孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 露木 孝範 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田中 郁子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録における記録液が
    水、水に溶解する着色剤、湿潤剤、界面活性剤および防
    腐防かび剤からなる、イエロー、マゼンタ、シアンの3
    色のインクで構成されたカラーインクセットであって、
    前記3色のインクの2000倍希釈溶液の分光透過率か
    ら算出されるL*、a*、b*の値が、それぞれ下記に
    示す範囲にあることを特徴とするインクジェット記録用
    カラーインクセット。 イエローインク:L*=95±5、a*=−6±5、b
    *=23±12 マゼンタインク:L*=75±5、a*=55±25、
    b*=−28±10 シアンインク:L*=87±5、a*=−35±10、
    b*=−19±8
  2. 【請求項2】 インクジェット記録における記録液が
    水、水に溶解する着色剤、湿潤剤、界面活性剤および防
    腐防かび剤からなる、イエロー、マゼンタ、シアン、ブ
    ラックの4色のインクで構成されたカラーインクセット
    であって、前記4色のインクの2000倍希釈溶液の分
    光透過率から算出されるL*、a*、b*の値が、それ
    ぞれ下記に示す範囲にあることを特徴とするインクジェ
    ット記録用カラーインクセット。 イエローインク:L*=95±5、a*=−6± 5、
    b*=23±12 マゼンタインク:L*=75±5、a*=55±25、
    b*=−28±10 シアンインク:L*=87±5、a*=−35±10、
    b*=−19±8 ブラックインク:L*=45±8、a*=−3±5、b
    *=−5±5
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のカラーインクセットに
    おいて、前記イエローインクが、少なくともPro-jet Fa
    st Yellow 2 及びC.I.Direct YELLOW 142 を着色剤とし
    て含有し、前記マゼンタインクが少なくともC.I.Acid R
    ed 52 を着色剤として含有し、前記シアンインクが少な
    くともPro-jet Fast Cyan 2 を着色剤として含有し、前
    記ブラックインクが少なくともC.I.Direct Black 168を
    着色剤として含有することを特徴とするインクジェット
    記録用カラーインクセット。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載のカラーイン
    クセットにおいて、前記湿潤剤が、グリセロール及びエ
    チレングリコールの混合物であり、かつインク全量の1
    0重量%〜30重量%含有されていることを特徴とする
    インクジェット記録用カラーインクセット。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載のカラー
    インクセットにおいて、前記界面活性剤は、化学構造が
    下記〔化1〕で表される界面活性剤であり、かつインク
    全量の0.5重量%〜3重量%含有されていることを特
    徴とするインクジェット記録用カラーインクセット。 【化1】RO(CH2 CH2 O)nCH2 COOM ここで、R:炭素数6〜14の直鎖又は分岐したアルキ
    ル基 n:3〜12の整数 M:アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホ
    ニウム、又はアルカノールアミン
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5に記載のカ
    ラーインクセットにおいて、前記着色剤の対イオンが、
    ナトリウムイオン若しくはリチウムイオン及び/又は、
    化学構造が下記〔化2〕で示される第4級アンモニウム
    イオン、第4級ホスホニウムイオン若しくはアルカノー
    ルアミノイオンであることを特徴とするインクジェット
    記録用カラーインクセット。 【化2】 ここで、Zは窒素又はリンであり、R1〜R4は水素、
    炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、又はハロ
    ゲン化アルキル基である。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5又は6に記載
    のカラーインクセットにおいて、前記着色剤の対イオン
    及び/又は前記界面活性剤の対イオンMが、ナトリウム
    イオン若しくはリチウムイオン及び/又は、化学構造が
    下記〔化2〕で表される第4級アンモニウムイオン、第
    4級ホスホニウムイオン若しくはアルカノールアミノイ
    オンであることを特徴とするインクジェット記録用カラ
    ーインクセット。 【化2】 ここで、Zは窒素又はリンであり、R1〜R4は水素、
    炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、又はハロ
    ゲン化アルキル基である。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項に記載のカラ
    ーインクセットにおいて、前記防腐防かび剤が、1,2
    −ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、かつインク
    全量の0.2重量%〜1.0重量%含有されていること
    を特徴とするインクジェット記録用カラーインクセッ
    ト。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項に記載のカラ
    ーインクセットにおいて、各インクのpHが、8以上で
    11以下に調整されていることを特徴とするインクジェ
    ット記録用カラーインクセット。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか1項に記載のイ
    ンクジェット記録用カラーインクセットを、被記録体と
    して普通紙又はインク吸収特性の低いものを用いるカラ
    ー画像の形成方法であって、複数のインク吐出口を有す
    るヘッドを用いて印字する際、複数回のスキャンで、全
    てのインク吐出口に対応する印字ドットを印字すること
    を特徴とするカラー画像の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004142153A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Fuji Photo Film Co Ltd デジタルプリントシステム及びデジタルプリント
CN114686046A (zh) * 2020-12-28 2022-07-01 精工爱普生株式会社 水系喷墨油墨组合物及记录方法

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JP2004142153A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Fuji Photo Film Co Ltd デジタルプリントシステム及びデジタルプリント
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