JPH11315227A - 防黴性焼付塗料組成物 - Google Patents

防黴性焼付塗料組成物

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JPH11315227A
JPH11315227A JP14059098A JP14059098A JPH11315227A JP H11315227 A JPH11315227 A JP H11315227A JP 14059098 A JP14059098 A JP 14059098A JP 14059098 A JP14059098 A JP 14059098A JP H11315227 A JPH11315227 A JP H11315227A
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JP
Japan
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antifungal
baking
antimold
layered silicate
coating composition
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Application number
JP14059098A
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English (en)
Inventor
Yasuharu Ono
康晴 大野
Koji Sugiura
晃治 杉浦
Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
Hideki Kato
秀樹 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼付塗装後において変色を起こすことがなく、
防黴効果を長時間持続させることができる塗膜を形成す
ることができる焼付塗料組成物を提供する。 【解決手段】層状珪酸塩の層間にイソチアゾリン系及び
/又はトリアゾール系防黴性有機化合物を担持させた防
黴剤及び焼付塗料用樹脂を含有することを特徴とする防
黴性焼付塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防黴剤と焼付塗料用
樹脂を含有する防黴性焼付塗料組成物に関し、本発明の
組成物及びこれから得られる塗膜は、耐熱性に優れ、長
期にわたって変色することなく防黴効果を発揮するもの
である。本発明の組成物は、防黴性を必要とされる金属
製品又はプラスチック製品等の表面に防黴性を付与する
ことができる塗料組成物として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】金属、プラスチック、セラミック等の各
種素材からなる製品において、錆、瑕を防ぎ、美観を高
めるために、各種製品の表面に塗膜が形成されている
が、良く知られているように、建築、電気製品、電子部
品、燃料容器、食品加工装置、各種配管工事等におい
て、黴の胞子又は菌糸に特有の色素により塗膜表面にシ
ミや斑点を生じたり、黴が分泌する有機酸により、塗膜
が浸食されたり、或いは塗装された金属素地が浸食され
たりして外観を極めて見苦しくし、更に被塗物の機能低
下をも促進したりする等の害がしばしば発生している。
【0003】黴によるこれらの害を防止するために、防
黴塗料が開発されている。防黴塗料は塗料用樹脂に防黴
効果を有する化合物を配合し、塗膜において防黴剤によ
る防黴効果を発揮させるものであるが、現在実用化され
ているものは、防黴効果を有する化合物として有機系化
合物を配合した溶液型塗料である。なお、これらの防黴
性塗料は、住宅等の床材、壁材等の木質系の内装部を表
面塗装する用途が主流であり、熱処理を必要としない。
一方、熱処理を必要とする塗料として焼付塗料がある
が、有機系の防黴剤は耐熱性に問題があり、焼付処理に
より変色を起こしたり、防かび効果が失われてしまう。
また、耐熱性の高い防かび剤も開発されてはいるが、塗
装後に防かび効果がすぐに失われてしまい、持続性の面
でも問題があり、これらの問題のない防黴剤が望まれて
いた。その後の開発により、従来の有機系防黴剤の欠点
を解消するものとして、最近、銀や銅等の抗菌性を示す
金属を活性炭、アパタイト、ゼオライト等に担持させた
無機系の抗菌剤が知られるようになったが、これらの無
機系抗菌剤は耐熱性に優れているものの、細菌類に対す
る抗菌効果に比べて真菌類に対する防黴効果に劣るとい
う問題点があり、塗料成分として配合するには改善の余
地が残されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焼付塗装後
において変色を起こすことがなく、防黴効果を長時間持
続させることができる塗膜を形成することができる焼付
塗料組成物を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の無
機/有機複合系防黴剤を含有させることが極めて有効で
あることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は層状珪酸塩の層間にイソチアゾリン系及び/又
はトリアゾール系防黴性有機化合物を担持させた防黴剤
及び焼付塗料用樹脂を含有することを特徴とする防黴性
焼付塗料組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0007】□焼付塗料用樹脂 本発明における焼付塗料用樹脂は、焼付塗料用として用
いることができるものであればいずれであっても良い。
樹脂の種類として、天然樹脂、半合成樹脂及び合成樹脂
のいずれであってもよく、又熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂のいずれであっても良い。具体的な樹脂としては、例
えばポリ塩化ビニル、セルローズの酢酸及びプロピオン
酸エステル、ポリプロピレン、ポリエステル、塩素化ポ
リエステル、不飽和ポリエステル、ナイロン、エポキ
シ、フェノール、ユリア、メラミン、アルキド、メラミ
ンアルキド、アミノアルキド、アクリル変性アルキド、
アクリル、フラン、グアナミン、プチラール、スチレン
ブタジエン、塩化ゴム、ポリウレタン、トルエン、フッ
素及びシリコーン等がある。
【0008】□防黴剤 本発明における防黴剤は、層状珪酸塩の層間にイソチア
ゾリン系及び/又はトリアゾール系防黴性有機化合物を
担持させた防黴性層状珪酸塩からなるものである。 ○防黴性有機化合物 本発明における防黴性有機化合物は、イソチアゾリン系
及び/又はトリアゾール系防黴性有機化合物であり、好
ましい具体例として以下の化合物がある(尚、〈〉内は
慣用名を表す)。即ち、イソチアゾリン系化合物には2
−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン〈OI
T〉、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチ
ル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−
オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソ
チアゾリン−3−オンなどが挙げられる。また、トリア
ゾール系化合物にはα−[2−(4−クロロフェニル)
エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル−エタノール〈テ
ブコナゾール〉、1−(4−クロロフェノキシ)3,3
−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾ−1−
イル−2−ブタノン類〈トリアジメフォン〉、β−(4
−クロロフェノキシ)−α−(1,1−ジメチル−エチ
ル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノー
ル〈トリアジメノール〉及び〈ヘキサコナゾール〉など
が挙げられる。また、本発明では、防黴性有機化合物と
して1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用して
もよい。
【0009】○層状珪酸塩 本発明における層状珪酸塩は従来より公知のものであ
り、結晶層単位が互いに積み重なって層状構造をなして
いる珪酸塩であれば、特に制限されることなく使用で
き、天然物と合成物のいずれであっても良い。
【0010】好ましい層状珪酸塩として、粘土鉱物があ
り、その具体例として、以下のものがある。即ち、モン
モリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイ
ト等のスメクタイト族、バームキュライト族、イライ
ト、白雲母、金雲母、黒雲母等の雲母族、マーガライ
ト、クリントナイト等の脆雲母族、スドーアイト等の緑
泥石族、カオリナイト、ハロイサイト等のカオリン類、
アンチゴライト等の蛇紋石族、パイロフィライト、タル
ク等である。その他の好ましい層状珪酸塩として以下の
ものがある。即ち、マガディアイト、ケニヤアイト、カ
ネマイト、マカタイト、アイラーアイト等の層状ナトリ
ウム珪酸塩、トバモライト等の層状カルシウム珪酸塩、
及び合成フッ素雲母等がある。好ましくは、スメクタイ
ト族層状珪酸塩、バーミキュライト族層状珪酸塩、合成
マイカ、タルク及びこれらの層状珪酸塩における水酸基
の一部又は全部をフッ素置換せしめた層状珪酸塩等であ
る。
【0011】本発明における層状珪酸塩の粒径、含水
量、イオン交換容量、色等は特に制限されない。プラス
チックやゴムあるいは繊維等への練り込み加工に使用す
る場合は、平均粒径10μm以下の粉末が好ましく、よ
り好ましくは平均粒径0.1〜7μmの粉末であり、更
に、粒度分布が狭く、均一な粒径であることがより好ま
しい。また、防黴性層状珪酸塩とした場合に充分な防黴
効果を発揮させるために、陽イオン交換容量が0.1m
eq/g以上であることが好ましい。これらの層状珪酸
塩は1種類のみを用いてもよいが、徐放性のコントロー
ルをするために2種類以上を併用することもできる。
【0012】上記層状珪酸塩において、イオン交換可能
な金属イオンを一部または全て他のイオンと置換しても
良い。交換するイオンは、イオン交換可能なイオンであ
れば特に制限はないが、好ましくは水素イオン、リチウ
ムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン等であ
る。
【0013】本発明における防黴性層状珪酸塩に担持さ
せたイソチアゾリン系及び/又はトリアゾール系防黴性
有機化合物の好ましい担持量の下限は、防黴性層状珪酸
塩100重量部(以下、単に部と略す)当たり0.1部
であり、より好ましくは1部であり、特に好ましくは3
部である。この担持量が少なすぎると防黴効果が低下す
る。尚、担持量の上限は層状珪酸塩と防黴性有機化合物
の種類によって自ずから定まるが、不必要に多量に担持
させた防黴性層状珪酸塩は、焼付塗料用樹脂との混合時
或いは塗装時に、変色を起こしたり、徐放性のコントロ
ールが難しくなる恐れがあるので、予備試験によって担
持量の好適な上限を設定すると良い。
【0014】また、層状珪酸塩へのイソチアゾリン系及
び/又はトリアゾール系防黴性有機化合物の担持方法
は、特に制限はなく、基本的には防黴性有機化合物と層
状珪酸塩を接触させれば良く、防黴性有機化合物が固
相、液相、気相のいずれの状態であっても導入できる。
例えば、防黴性有機化合物が液相である場合の担持で
は、防黴性有機化合物を層状珪酸塩と混合攪拌し、その
後乾燥、粉砕を行うか、或いは防黴性有機化合物を溶解
性の高い溶媒に溶解した溶液と層状珪酸塩を混合撹拌
し、その後ろ過、洗浄を行い、更に乾燥、粉砕すること
により、防黴性有機化合物を層状珪酸塩に担持させた防
黴性層状珪酸塩を得ることができる。尚、洗浄を行わ
ず、そのまま乾燥、粉砕を行ってもよい。
【0015】本発明における防黴剤の調製条件は特に制
限はなく、使用する防黴性有機化合物及び層状珪酸塩の
種類、防黴性有機化合物の担持量により適宜変化させる
ことができる。具体的には、例えば、溶媒のpHは0.
1〜13、撹拌時間は0.5〜72時間、撹拌温度は常
温から例えば40℃〜60℃程度、撹拌速度は10〜1
000回/分であればよい。
【0016】○塗料の形態 本発明の塗料の形態には特に制限はなく、溶液型、分散
型および粉体型のいずれでもよく、溶媒も特に制限はな
く、親油性有機溶剤、親水性有機溶剤及び水のいずれで
もよい。
【0017】○その他の成分 従来より焼付塗料成分として使用される成分、例えば顔
料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、充填剤、界面
活性剤等、及び熱硬化型の粉体塗料用樹脂を含有させる
場合には、硬化剤、硬化促進剤等は、本発明における防
黴剤の防黴性を阻害しない範囲内で任意に使用できる。
【0018】本発明の防黴性焼付塗料組成物中には、
銀、銅、亜鉛等の抗菌性を示す金属イオンを活性炭、ア
パタイト、ゼオライト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタ
ン、ガラス等に担持させた無機系抗菌剤を併用すること
もできる。
【0019】○防黴剤の配合割合 本発明における防黴剤の好ましい配合割合は、塗料固形
分100部当たり0.01〜30部であり、防黴効果及
び経済性を考慮すると、より好ましくは0.05〜10
部である。
【0020】○塗料の調製方法 本発明の防黴性焼付塗料組成物は、上記防黴剤と焼付塗
料用樹脂及びその他の所望成分を、例えばボールミル、
ロールミル、ディスパーやミキサー等の一般的な混合装
置を用いて、常法により分散、混合すればよい。
【0021】○塗装方法 この様にして得られた本発明の防黴性焼付塗料組成物
は、金属、セラミック、プラスチック等の表面に塗装し
た後、焼付塗装することにより容易に防黴性を有する塗
膜を形成することができる。本発明における防黴成分で
ある防黴性層状珪酸塩は耐熱性に優れているため、焼付
塗装条件に特別な制限はなく、従来より知られている方
法はいずれも採用することができる。
【0022】○用途 本発明の防黴性焼付塗料組成物は、防黴性を必要とする
種々の分野で利用することができ、特に水分が多量に存
在する環境下で使用する用途に有効である。具体的用途
しては、例えば一般家屋の浴室、台所、居室、押入れ、
醸造工場、食品工場、青果物貯蔵所、薬品倉庫、製薬工
場、化粧品工場、製紙工場、紡績工場、事務所ビル、学
校、温水プール、病院、車両、船舶、洗濯機、皿洗い機
等の電気製品、半導体、抵抗器、コンデンサ等の電子部
品、燃料容器、食品加工装置、各種配管工事等の黴の発
生し易い場所がある。
【0023】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
【0024】(参考例1)Ca型層状珪酸塩の調製 0.1mol/lのCaCl2 水溶液1.0lに、層状珪酸塩
であるNa型フッ素置換合成ウンモ100.0gを加え、60
℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩
のイオン交換性ナトリウムイオンをカルシウムイオンに
置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導
度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃
で乾燥、粉砕して平均粒径5μmであるCa型層状珪酸
塩を得た。
【0025】(参考例2)防黴剤Aの調製 イソチアゾリン系防かび性有機化合物として2−n−オ
クチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下OIT)
5gに、参考例1で得たCa型層状珪酸塩を45g、純
水50gを加え、乳鉢で十分に混合後、115℃で乾燥
した。乾燥後、粉砕を行って微黄色の防かび性層状珪酸
塩Aを得た。
【0026】(参考例3)防黴剤Bの調製 トリアゾール系防黴性有機化合物であるα−[2−(4
−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチル
−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−エタノ
ール(以下テブコナゾール)7.5 gに、参考例1で得た
Ca型層状珪酸塩を42.5g、純水50gを加え、乳鉢で十
分に混合後、115℃で乾燥した。乾燥後、粉砕を行って
白色の防かび性層状珪酸塩Bを得た。
【0027】(参考例4)防黴剤Cの調整 イソチアゾリン系でなくトリアゾール系でもない防黴性
有機化合物である2−(4−チアゾリル)ベンズイミダ
ゾール(以下TBZ)7.5gに、参考例1で得たCa型
層状珪酸塩を42.5g、純水50gを加え、乳鉢で十分に混
合後、115℃で乾燥した。乾燥後、粉砕を行って白色の
防かび性層状珪酸塩Cを得た。
【0028】(実施例1)防黴性焼付塗料組成物の調製
及び塗膜の形成 日本リルサン株式会社製ナイロン樹脂パウダー(ナイロ
ン−11,粒径80〜200 μm)100部に、参考例にて
調製した防黴剤A1.0部を配合し、これをヘンシェル
ミキサーを用いて混合し、防黴性焼付塗料組成物Aを調
製した。この組成物を用いて、流動浸漬法により250 ℃
に予熱したステンレス板(7cm×15cm)の上に200 〜300
μmの膜厚を有する塗膜を形成し、防黴性プレート
(プレート1)を作製した。また、防黴剤を含有しない
ナイロン樹脂パウダーについても同様に流動浸漬法によ
り塗装し、プレート(ブランク1)を作製した。
【0029】(実施例2)防黴性焼付塗料組成物の調製
及び塗膜の形成 ポリエチレン樹脂パウダー100部に、参考例にて調製
した防黴剤Aを1.0部混合したものを、押し出し成型
後、粉砕することにより、防黴性焼付塗料組成物を調製
した。この組成物を用いて、実施例1と同様にして流動
浸漬法によりステンレス板の上に200 〜300 μmの膜厚
を有する塗膜を形成し、防黴性プレート(プレート2)
を作製した。また、防黴剤を含有しないポリエチレン樹
脂パウダーのみについても同様に流動浸漬法により塗装
し、プレート(ブランク2)を作製した。
【0030】(比較例1)防黴性焼付塗料組成物の調製
及び塗膜の形成 ポリエチレン樹脂パウダー100 部に、参考例にて調製し
た防黴剤Cを1.0部混合したものを、押し出し成型後、
粉砕することにより、防黴性焼付塗料組成物を調製し
た。この組成物を用いて、実施例2と同様にしてステン
レス板の上に塗膜を形成し、防黴性プレート(プレート
3)を作製した。
【0031】(比較例2、3)防黴性焼付塗料組成物の
調製及び塗膜の形成 ポリエチレン樹脂パウダー100 部に、有機系防黴剤であ
るOIT、TBZをそれぞれ1.0部混合したものを、押
し出し成型後、粉砕することにより、防黴性焼付塗料組
成物を調製した。これらの組成物を用いて、実施例2と
同様にしてステンレス板の上に塗膜を形成し、防黴性プ
レート(プレート4、5)を作製した。
【0032】(防黴効果の持続性評価試験)実施例1、
2及び比較例1〜3で作製したプレートから切り出した
それぞれの試験片(5cm×5cm)について、50℃の温水
中に静置し、1日後及び7日後に取り出したプレートの
防黴効果の経時変化を以下のように評価した。黴には黒
麹黴(Aspergills niger)、黒かび(Cladosporium cla
dospolioides)、及び青かび(Penicillium funiculosu
m)の胞子混合懸濁液を用い、下記表1の組成の液に胞
子を添加し、それぞれの胞子数を105個/ml前後となる
ように調整し、胞子混合懸濁液を0.2ml一様に試験片に
接種し25℃で2週間培養した。上記のようにして評価し
た黴の発育具合を表2に示した。
【0033】
【表1】
【0034】(耐候性の評価試験)実施例1,2および
比較例1〜3で作製した試験片を耐候性試験機(ATL
AS社製UVCON)を用いて評価した。耐候性試験機
の試験条件は、1サイクルが8時間であり、60℃で3
50nm以下の紫外線を照射する4時間の工程と、40
℃で湿度95%以上の雰囲気に放置する4時間の工程か
らなる。色差計(日本電色工業株式会社製色彩色差計S
Z−Σ80)を用いて、耐候性試験前の色彩(L1,a1,b
1)及び3サイクル後の色彩(L2,a2,b2)を測定し、
これらの測定値から下式〔1〕により色差(ΔE)を算
出した。上記のようにして得られた耐候性試験の結果を
表2に示す。 ΔE=〔((L1-L2)2+(a1-a2)2+(b1-b2)2)〕12 〔1〕
【0035】
【表2】
【0036】(防黴性の評価) 0:顕微鏡で見ても全く菌が発育していない 1:肉眼では菌の発育が認められないが、顕微鏡で認め
られる 2:菌の発育が肉眼でもよくわかるが、試料表面積の2
5%未満である 3:菌の発育が肉眼でもよくわかり、試料表面積の25
%以上である
【0037】(成形時の着色の評価) ○:成形時の着色は認められない △:わずかに成形時の着色が認められる ×:明らかに成形時の着色が認められる
【0038】(総合評価の表示) ○:総合評価として優れている。 ×:総合評価として劣っている。
【0039】上記表2から以下のことがわかる。 ・プレート1、プレート2及びプレート3は、何れも0
〜7日間経過後も防黴性を持続しているが、プレート4
とプレート5は、1日後に既に防黴性が低下している。 ・プレート1〜プレート3は耐熱性に優れているが、プ
レート3は耐候性試験後に顕著な変色を示し、耐候性に
劣る。以上の結果から、本発明の防黴性焼付塗料組成物
を塗装したプレート1とプレート2は、防黴性有機化合
物を直接配合した場合に比べて、防黴性の持続性及び耐
薬品性に格段に優れており、又イソチアゾリン系でなく
トリアゾール系でもない防黴性有機化合物を担持させた
場合と比べて、耐候性に優れている。上記表2から、本
発明の防黴性焼付塗料組成物は、防黴性の持続性、耐薬
品性及び耐侯性が総合的に極めて優れていることがわか
る。
【0040】(実施例3,4)ポリエステル樹脂ワニ
ス、メラミン樹脂ワニス、エポキシ樹脂ワニスからなる
混合ワニス50.0部、着色顔料31.0部、溶剤1
8.6部、添加剤0.4部からなる合成樹脂エナメル塗
料に対し、参考例にて調整した防黴剤A,Bをそれぞれ
別々に1.0部配合し、防黴性焼付塗料組成物A,Bを
調整した。これらの組成物をシンナーにて希釈して粘度
を調節し、ステンレス板(7cm×15cm)に吹き付
け塗装した後に、焼付温度185℃、焼付時間20分の
焼付処理を行なって、防黴性プレートを得た。尚、防黴
剤Aを用いたものをプレート6、同Bを用いたものをプ
レート7とする。また、防黴剤を含有しない塗料につい
ても同様に焼付処理を行ない、プレート(ブランク3)
を作製した。
【0041】(比較例4)実施例3で調製した合成樹脂
エナメル塗料に対し、参考例にて調整した防黴剤Cをそ
れぞれ別々に1.0部配合し、防黴性焼付塗料組成物C
を調整した。この組成物をシンナーにて希釈して粘度を
調節し、ステンレス板(7cm×15cm)に吹き付け
塗装した後に、焼付温度185℃、焼付時間20分の焼
付処理を行なって、防黴性プレート(プレート8)を得
た。
【0042】(比較例5,6,7)実施例3で調製した
合成樹脂エナメル塗料に対し、有機系防黴剤であるOI
T,テブコナゾール,TBZをそれぞれ別々に1.0部
配合し、防黴性焼付塗料組成物Cを調製した。これらの
組成物をシンナーにて希釈して粘度を調節し、ステンレ
ス板(7cm×15cm)に吹き付け塗装した後に、焼
付温度185℃、焼付時間20分の焼付処理を行なっ
て、防黴性プレート(プレート9,10,11)を作製
した。
【0043】(防黴効果の持続性評価試験)実施例3、
4及び比較例4〜7で作製したプレートから切り出した
それぞれの試験片(5cm×5cm)について、50℃の温水
中に7日間静置し、1日後及び7日後に取り出したプレ
ートの防黴効果の経時変化を以下のように評価した。黴
には黒麹黴(Aspergills niger)、黒かび(Cladospori
um cladospolioides)、及び青かび(Penicillium funi
culosum)の胞子混合懸濁液を用い、上記表1の組成の
液に胞子を添加し、それぞれの胞子数を105個/ml前後
となるように調整し、胞子混合懸濁液を0.2ml一様に試
験片に接種し25℃で2週間培養した。上記のようにして
評価した黴の発育具合を表3に示した。
【0044】(耐候性の評価試験)実施例1で作製した
試験片に対して行った方法と同様にして、実施例3,4
および比較例4〜7で作製した試験片を耐候性試験機
(ATLAS社製UVCON)を用いて評価した。
【0045】
【表3】
【0046】(総合評価の表示) ○:総合評価として優れている。 ×:総合評価として劣っている。
【0047】上記表3から以下のことがわかる。 ・プレート6、プレート7及びプレート8は、何れも0
〜7日間経過後も防黴性を持続しているが、プレート9
とプレート10及びプレート11は、1日後に既に防黴
性が低下している。 ・プレート6〜プレート8は耐熱性に優れているが、プ
レート9は耐候性試験後に顕著な変色を示し、耐候性に
劣る。以上の結果から、本発明の防黴性焼付塗料組成物
を塗装したプレート6とプレート7は、防黴性有機化合
物を直接配合した場合に比べて、防黴性の持続性及び耐
薬品性に格段に優れており、又イソチアゾリン系防黴性
有機化合物ではない防黴性有機化合物を担持させた場合
と比べて、耐候性に優れている。上記表3から、本発明
の防黴性焼付塗料組成物は、防黴性の持続性、耐薬品性
及び耐侯性が総合的に極めて優れていることがわかる。
従って、本発明の組成物により得られる塗膜は、耐薬品
性に優れているので、酸性雨等に曝されても防黴効果を
長期間保持できる。
【0048】
【発明の効果】本発明の防黴性焼付塗料組成物は、従来
の防黴性有機化合物を直接配合した焼付塗料組成物に比
べて、耐熱性及び耐薬品性に優れており、焼付塗装後に
おいても塗膜は着色せず、防黴効果の持続性に優れてい
る。また、本発明の防黴性焼付塗料組成物は、紫外線の
照射等の厳しい環境下においても変色せず、耐久性に優
れた塗膜を形成することができる。本発明の防黴性焼付
塗料組成物は、防黴性を必要とする金属、プラスチック
又はセラミックス等の各種材質の表面に防黴性を付与す
ることができる焼付塗料組成物として有用である。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 秀樹 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】層状珪酸塩の層間にイソチアゾリン系及び
    /又はトリアゾール系防黴性有機化合物を担持させた防
    黴剤及び焼付塗料用樹脂を含有することを特徴とする防
    黴性焼付塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1551366A4 (en) * 2002-07-23 2005-10-19 Microban Products ANTIMICROBIAL MELAMINE RESIN AND PRODUCTS MANUFACTURED THEREFROM
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