JPH11314934A - Ｕｖ吸収容器用ガラス組成物 - Google Patents

Ｕｖ吸収容器用ガラス組成物

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JPH11314934A
JPH11314934A JP11077500A JP7750099A JPH11314934A JP H11314934 A JPH11314934 A JP H11314934A JP 11077500 A JP11077500 A JP 11077500A JP 7750099 A JP7750099 A JP 7750099A JP H11314934 A JPH11314934 A JP H11314934A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＵＶ光線を吸収してシャンパン及びワインと
いった液体が望ましくないＵＶ光線に晒されないように
するフリントガラス組成物を提供する。 【解決手段】 ４００ｎｍ以下の波長のＵＶ透過性を低
減させた容器用ガラス組成物であって、該組成物は、ソ
ーダ−ライム−シリカガラスと同様な溶融特性及び成形
特性を有しているとともに、ＳｉＯ2、ＣａＯ、Ｍｇ
Ｏ、Ｋ2Ｏ、ＳＯ3 -を含有し、ＵＶ吸収性のＦｅ2Ｏ3＋
ＦｅＯを０．４〜０．８重量％、ＭｎＯ＋ＭｎＯ2を２
〜４重量％を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ＳｉＯ2、Ａｌ2Ｏ
3、Ｎａ2Ｏ、ＣａＯ、ＭｇＯ、Ｋ2Ｏ、ＳＯ3、好ましく
は、ガラス組成物の重量に対して約０．４〜０．８重量
％のＦｅＯ＋Ｆｅ 2Ｏ3及び約２〜３重量％のＭｎＯ＋Ｍ
ｎＯ2を含有する紫外線吸収容器用のガラス組成物に関
する。
【０００２】
【従来の技術】実質的に透明で僅かに着色されシャンパ
ン又はワインといった液体内容物を保護するためにＵＶ
光線を吸収する比較的透明な透過性フリントガラスを提
供することができる容器用フリントガラス組成物が望ま
れている。従来では、Ｆｅ2Ｏ3又はいかなる量でもＭｎ
Ｏが添加されたガラス組成物は、 １．セントラルガラス社(Central Glass Co.)の米国特
許第５，３６２，６８９号、２．コーニング（モルガ
ン）(Corning(Morgan))社の米国特許第５，４２２，７
５５号、 ３．ガーディアンインダストリー社(Guardian Industri
es)の米国特許第５，２１４，００８号、 ４．フェロ（ロバーツ）(Ferro(Roberts))社の米国特許
第４，８５９，６３７号、５．１９３０年代の容器用ガ
ラスのための化学組成−シャープ(Sharp)に開示されて
いる。
【０００３】セントラルガラス社の米国特許第５，３６
２，６８９号においては、Ｆｅ2Ｏ3（０．１〜０．６
０）及び５〜３５０ｐｐｍのＭｎＯを含有するソーダ−
ライム−シリカ板ガラス組成物が開示されている。この
ＭｎＯは、トレース量で用いられている。紫外線吸収性
成分としては、ＣｅＯ2、ＴｉＯ2、ＳＯ3を挙げること
ができる。第５カラムの第５５行目から６６行目には、
極少量のＭｎＯの添加について記載されており、より大
量のＭｎＯの使用を制限する必要があることが開示され
ている。コーニング（モルガン）社による米国特許第
５，４２２，７５５号では、眼鏡用レンズのためのソー
ダ−カリウム−シリカガラス組成物が開示されている。
本特許においては、Ｖ2Ｏ3（１．５〜３．５％）及びＭ
ｎＯ2（１〜４％）を用いることが開示されている。ガ
ラス組成物中においてＦｅ2Ｏ3又はカルシアを用いる点
については全く開示されていない。ガーディアン社の米
国特許第５，２１４，００８号では、フラットガラスの
ためのソーダ−ライム−シリカガラス組成物が開示され
ている。ＣｅＯ2及びこれ以外のＴｉＯ2、ＭｏＯ2、Ｖ2
Ｏ5、Ｆｅ2Ｏ3といったＵＶ吸収成分が例えば第２カラ
ムの第２８行目〜５０行目までに開示されている。フェ
ロ（ロバーツ）社による米国特許第４，８５９，６３７
号は、酸化セリウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバ
ルト、酸化銅、酸化バナジウム、酸化モリブデンから構
成される群から選択されるＵＶ吸収材料とともに鉛（Ｐ
ｂ）を含有しない組成物を開示している。シャープによ
る「市販ガラスの化学組成物」のリプリントは、その表
１に（０．５４〜０．９）のＦｅ2Ｏ3と、少量（０．６
１〜０．９７）のＭｎＯと汚染物を含有する歴史上のソ
ーダ−ライム−ガラス組成物をいくつか開示している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的透過
性で透明、かつ酸化鉄混合物及び酸化マンガン混合物を
含有するとともに、ＵＶ光線を吸収してシャンパン及び
ワインといった液体が望ましくないＵＶ光線に晒されな
いようにする容器用フリントガラス組成物を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、重量％で本質的に略
下記の組成を有する容器用のソーダ−ライム−シリカガ
ラス組成物を提供することを目的とする。 成 分 重量％ ＳｉＯ2 ６９〜７４ Ｎａ2Ｏ １１〜１５ ＣａＯ ９〜１３ ＭｇＯ ０．５〜２ Ｋ2Ｏ ０．１〜０．５ ＳＯ3 - ０．１〜０．５ Ｆｅ2Ｏ3＋ＦｅＯ ０．４〜０．８ ＭｎＯ＋ＭｎＯ2 ２．０〜３．０ 上述の目的及び他の目的は、後述する詳細な説明及び特
許請求の範囲の記載により明確となろう。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量％で本質
的に略下記の組成を有する容器用のソーダ−ライム−シ
リカガラス組成物を提供することを目的とする。 成 分 重量％ ＳｉＯ2 ６９〜７４ Ｎａ2Ｏ １１〜１５ ＣａＯ ９〜１３ ＭｇＯ ０．００５〜３．０ Ｋ2Ｏ ０．００５〜１．０ ＳＯ3 ０．１〜０．５ Ｆｅ2Ｏ3＋ＦｅＯ ０．３〜１．０ ＭｎＯ＋ＭｎＯ2 ２．０〜３．１
【０００６】本発明はまた、下記組成を提供するもので
ある。 成 分 重量％ ＳｉＯ2 ６９〜７４ Ｎａ2Ｏ １１〜１５ ＣａＯ ９〜１３ ＭｇＯ ０．５〜２ Ｋ2Ｏ ０．１〜０．５ ＳＯ3 ０．１〜０．５ Ｆｅ2Ｏ3＋ＦｅＯ ０．４〜０．８ ＭｎＯ＋ＭｎＯ2 ２．０〜３．０
【０００７】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明す
る。
【実施例】（実施例１）ＵＶ吸収容器用のフリントガラ
ス組成物を水晶、ソーダ灰、硝酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、アルミナ、硫酸ナトリウム、酸化鉄混合物及び酸
化マンガン混合物を含有する粗バッチ成分を混合して製
造し、このバッチを溶融させて重量％で略下記成分を有
する容器用ガラス組成物（ＢＤＢ−１）を得た。 成分の重量％ 重量％ Ｃｌ2 ０．００４３ Ｎａ2Ｏ １３．４０９６ Ｋ2Ｏ ０．３４１２ ＭｇＯ ０．００５３ ＣａＯ １１．０３８６ ＭｎＯ＋ＭｎＯ2 ２．００７０ ＳｒＯ ０．００２０ ＢａＯ ０．０００５ Ａｌ2Ｏ3 ８．６０５９ Ｆｅ2Ｏ3＋ＦｅＯ ０．４０１５ ＳｉＯ2 ７０．８１１０ ＳＯ3 ０．３７１４ このガラスを２７００°Ｆ（°Ｆは、華氏温度単位であ
る。）約６時間１５分ガス炉内で過剰な空気とともに酸
化性バッチ雰囲気中で溶融させた。このガラスは、ソー
ダ−ライム−シリカガラスのように処理でき、紫外線吸
収性を示した。
【０００８】実施例１のそれぞれの粗バッチ材料の量を
以下に示す。 組 成−ＢＤＢ−１ 粗材料 グラム 水晶 ３５４．２６ ソーダ灰 １１２．８１ 硝酸ナトリウム ３．５４ 炭酸カルシウム ９６．１４ 炭酸マグネシウム ２．５０ アルミナ １．９１ 硫酸カルシウム ３．０４ 酸化鉄混合物 １．９７ 酸化マンガン混合物 １２．３２
【０００９】（実施例２）実施例１の手法に従って、下
記表１に従って追加の溶融物Ｄ−１、Ｄ−２、Ｄ−３、
Ｄ−４、Ｄ−５、Ｄ−６を製造した。
【００１０】
【表１】酸化マンガン混合物が２．０％及び３．０％に
おけるＦｅ2Ｏ3０．４％、０．６％、０．８％添加の評
価 注 １）溶融物Ｄ−１は、Ｆｅ2Ｏ3０．４０％及び酸化
マンガン２．０％（モル比では、ＭｎのＦｅに対する比
が５．６４：１である）を用いた。 ２）溶融物Ｄ−２は、Ｆｅ2Ｏ3０．６０％及び酸化マン
ガン２．０％（モル比では、ＭｎのＦｅに対する比が
３．７１：１である）を用いた。 ３）溶融物Ｄ−３は、Ｆｅ2Ｏ3０．８０％及び酸化マン
ガン２．０％（モル比では、ＭｎのＦｅに対する比が
２．８２：１である）を用いた。 ４）溶融物Ｄ−４は、Ｆｅ2Ｏ3０．４０％及び酸化マン
ガン３．０％（モル比では、ＭｎのＦｅに対する比が
８．４６：１である）を用いた。 ５）溶融物Ｄ−５は、Ｆｅ2Ｏ3０．６０％及び酸化マン
ガン３．０％（モル比では、ＭｎのＦｅに対する比が
５．５７：１である）を用いた。 ６）溶融物Ｄ−６は、Ｆｅ2Ｏ3０．８０％及び酸化マン
ガン３．０％（モル比では、ＭｎのＦｅに対する比が
４．２３：１である）を用いた。
【００１１】実施例１のガラス組成物（ＢＤＢ−１）及
び実施例２のガラス組成物（Ｄ１〜Ｄ６まで）を試験し
たところ、紫外光線透過が低減していたことが見出さ
れ、かつ市販する際に好ましいソーダ−ライムガラスと
同様の溶融特性及び成形特性を有していた。溶融物Ｄ１
〜Ｄ６のＵＶガラスとしての分析は以下の通りである。
【００１２】‘Ｄ’シリーズの溶融物に対するＵＶガラ
スＤＯＥ分析 主要波長に対する値、ブライトネス(brightness)、Ｄシ
リーズのガラス溶融物の純度をアノーバプログラム（Ａ
ＮＯＶＡＰｒｏｇｒａｍ）を用いて分析して、いかなる
顕著な効果、パーセント寄与率、試験の有効性について
決定した。下記表は、これらの試験の結果を示した表で
ある。Ｄ１、Ｄ２、Ｄ３、Ｄ４、Ｄ５、Ｄ６の溶融物に
おけるＵＶ吸収の詳細は下記のように得られた。
【００１３】
【表２】 溶融物 主要波長 ％ブライトネス ％純度 Ｄ１ ５８０．１ ２０．４７ ７５．２ Ｄ３ ５６５．９ １６．６ ７０．８ Ｄ４ ６３９．０ ０．０２ １００．０ Ｄ６ ５７２．７ １１．４５ ８５．９ 別の 溶融物 Ｄ２ ５６９．８ ２４．７３ ６７．５ Ｄ５ ５７７．７ １５．１９ ８７．２
【００１４】添付する３シートは、アノーバプログラム
の結果である。以下の結果が得られた。 １． 主要波長： 主要構成成分： Ｍｎ １２％ Ｆｅ ２８％ 誤差６０％＝試験限界（０−６０％良好、６０−８０％限界、＞８０％不良 ） ２． ブライトネス 主要構成成分： Ｍｎ ５１％ 著効見られず 誤差６０％＝試験限界（０−６０％良好、６０−８０％限界、＞８０％不良 ） ３． 純度 主要構成成分： Ｍｎ ７４％ Ｆｅ １２％ 誤差１４％＝試験良好
【００１５】
【表３】 アノーバ表−粗データ（Ｄ１〜Ｄ６シリーズ） ソース プール Ｄｆ Ｓ Ｖ Ｆ Ｓ’ ロー(rho)% ＭＮＯ [N] 1 398.003 398.003 16.920 374.480 73.85 ＦＥ [N] 1 85.562 85.562 3.637 62.040 12.23 ＥＲＲ [Y] 1 23.523 23.523 ｅｌ [N] 0 0.000 ｅ２ [N] 0 0.000 （ｅ） 1 23.523 23.523 70.568 13.92 トータル 3 507.087 169.029
【００１６】
【表４】 アノーバ表−粗データ（Ｄ１〜Ｄ６シリーズ） ソース プール Ｄｆ Ｓ Ｖ Ｆ Ｓ’ ロー(rho)% ＭＮ [N] 1 157.001 157.001 4.184 119.478 51.49F Ｅ [N] 1 12.320 12.320 ＥＲＲ [Y] 1 62.726 62.726 ｅｌ [N] 0 0.000 ｅ２ [N] 0 0.000 （ｅ） 2 75.046 37.523 112.570 48.51 トータル 3 232.047 77.349
【００１７】
【表５】 アノーバ表−粗データ（Ｄ１〜Ｄ６シリーズ） ソース プール Ｄｆ Ｓ Ｖ Ｆ Ｓ’ ロー(rho)% ＭＮ [N] 1 1079.123 1079.123 1.590 400.519 1186 ＦＥ [N] 1 1620.060 1620.060 2.387 941.457 27.87 ＥＲＲ [Y] 1 678.603 678.603 ｅｌ [N] 0 0.000 ｅ２ [N] 0 0.000 （ｅ） 1 678.603 678.603 2035.810 60.27 トータル 3 3377.786 1125.929
【００１８】利用できるＭｎのＦｅに対する比は、着色
を最低化させ、ＵＶ吸収を最大にするものである。例え
ば、サンプルＤ−１（Ｍｎ／Ｆｅ＝５．６４／１）で
は、黄色からアンバーの色調を有する。コバルトを少量
添加することにより、僅かにグリーン色を得ることがで
きる。Ｄ−２は、僅かに良好なＵＶ遮断性を示し、かす
かな、すなわちやや黄緑色（Ｍｎ／Ｆｅ＝３．７１／
１）を有していた。Ｄ−３（Ｍｎ／Ｆｅ＝２．８２／
１）は、Ｄ−２よりも僅かに良好なＵＶ遮断性を有し、
ややグリーン色であった。Ｄ−４は、やや紫色で（Ｍｎ
3+が過剰）であり、比は８．４６／１であった。Ｄ−５
は、Ｄ−３に近いＵＶ遮断性を示し、比は５．５７／１
であった。Ｄ−６は、ＵＶ遮断性に乏しく、より濃い黄
緑色を有しており、比は、４．２３／１であった。
【００１９】Ｍｎ／Ｆｅ比は、概ね約２．８／１〜約
６．５／１とすることができた。最良の結果は、Ｍｎ／
Ｆｅの比について言えば概ね約５．２／１〜５．８／１
で得られた。酸化マンガンは、添加されるとＦｅを＋３
価へと酸化し、この３価のＦｅは、ＵＶ吸収材となる。
Ｍｎ3+は、ガラス中では紫色であるが、Ｆｅを酸化して
＋２価となり無色を呈する。
【００２０】
【発明の効果】ＳｉＯ2、ＣａＯ、ＭｇＯ、Ｋ2Ｏ、ＳＯ
3 -を含有し、ＵＶ吸収性のＦｅ2Ｏ3＋ＦｅＯを０．４〜
０．８重量％、ＭｎＯ＋ＭｎＯ2を２〜４重量％を含有
する本発明のガラス組成物により、ソーダ−ライム−シ
リカガラスと同様な溶融特性および成形特性を有し、４
００ｎｍ以下の波長のＵＶ透過性を低減させる容器用ガ
ラス組成物が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ イー フェンスターマッチャ ー アメリカ合衆国 オハイオ州 43537 モ ーミー ヒースコー コート 2411 (72)発明者 ジョセフ ジェイ ハーメル アメリカ合衆国 ペンシルヴァニア州 15238 ピッツバーグ コーンウォール ドライヴ 201 (72)発明者 ロバート エヌ クラーク アメリカ合衆国 オハイオ州 43560 シ ルヴェニア カウンティー メドー 7435

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ＳｉＯ2が６９〜７４重量％、Ｎａ2Ｏが
    １１〜１５重量％、ＣａＯが９〜１３重量％、ＭｇＯが
    ０．００５〜３．０重量％、Ｋ2Ｏが０．００５〜１．
    ０重量％、ＳＯ3が０．１〜０．５重量％、Ｆｅ2Ｏ3＋
    ＦｅＯが０．３〜１．０重量％、ＭｎＯ＋ＭｎＯ2が
    ２．０〜３．１重量％の成分を本質的に含有する容器用
    ソーダ−ライム−シリカガラス組成物。
  2. 【請求項２】 ソーダ−ライムフリントガラスよりも２
    ９０ｎｍ〜３９０ｎｍの範囲のＵＶ吸収が大きいことを
    特徴とする請求項１に記載の組成物。
  3. 【請求項３】 少なくとも全イオン含有量の８０％が３
    価のＦｅイオンとされていることを特徴とする請求項１
    に記載の組成物。
  4. 【請求項４】 ＭｎＯ＋ＭｎＯ2が２．２〜２．８重量
    ％とされている請求項１の組成物。
  5. 【請求項５】 ＭｎＯ＋ＭｎＯ2が２．４〜２．６重量
    ％とされている請求項１の組成物。
  6. 【請求項６】 初期の全イオン成分がＦｅ2Ｏ3及びＦｅ
    Ｏで与えられ、Ｆｅ2+／Ｆｅ+3の比が０．３〜０．１と
    されていることを特徴とする請求項１に記載の組成物。
  7. 【請求項７】 ＦｅＯ＋Ｆｅ2Ｏ3が０．６重量％とさ
    れ、ＭｎＯ＋ＭｎＯ2が２〜３重量％とされている請求
    項１の組成物。
  8. 【請求項８】 請求項１のガラス組成物から製造される
    ガラス容器。
  9. 【請求項９】 ＳｉＯ2と、Ｎａ2Ｏと、ＣａＯと、Ｍｇ
    Ｏと、Ｋ2Ｏと、ＳＯ3とを少なくとも含有するソーダ−
    ライム−シリカガラス組成物に対してＦｅ2Ｏ3＋ＦｅＯ
    が０．４〜０．８重量％、ＭｎＯ＋ＭｎＯ2が２〜３重
    量％添加された成分を本質的に含有する容器用ソーダ−
    ライム−シリカガラス組成物。
  10. 【請求項１０】 ＳｉＯ2が６９〜７４重量％、Ｎａ2Ｏ
    が１１〜１５重量％、ＣａＯが９〜１３重量％、ＭｇＯ
    が０．５〜２重量％、Ｋ2Ｏが０．１〜０．５重量％、
    ＳＯ3 -が０．１〜０．５重量％、Ｆｅ2Ｏ3＋ＦｅＯが
    ０．４〜０．８重量％、ＭｎＯ＋ＭｎＯ2が２．０〜
    ３．０重量％の成分を本質的に含有する容器用ソーダ−
    ライム−シリカガラス組成物。
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