JPH11313763A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JPH11313763A
JPH11313763A JP12371198A JP12371198A JPH11313763A JP H11313763 A JPH11313763 A JP H11313763A JP 12371198 A JP12371198 A JP 12371198A JP 12371198 A JP12371198 A JP 12371198A JP H11313763 A JPH11313763 A JP H11313763A
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JP
Japan
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pot
heating
rice
temperature
lid
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JP12371198A
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English (en)
Inventor
Shoji Sakai
昌治 酒井
Kazuya Miyake
一也 三宅
Kazuhiro Nagoya
一博 名古屋
Hiroshi Morota
博 諸田
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Toshiba Home Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Home Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成により炊飯と保温を行なえるよう
にする。また、鍋内周囲の被炊飯物のベチャ付きを改善
し、保温性を向上する。 【解決手段】 加熱コイル12により炊飯と保温の加熱源
を兼用する。これにより、簡単な加熱構成で炊飯と保温
を行なえる。また、保温時において、鍋5の内側面5A
の温度を、鍋5内の被炊飯物の層中の温度よりも一時的
に高温にする。鍋5の内側面5Aの冷えを抑制できるの
で、被炊飯物のベチャ付きが多くなる従来の不具合点を
改善でき、保温性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯と保温を行な
う炊飯器に関し、特に保温性の改善を行なった炊飯器に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種の炊飯器
として、鍋の底部と側面下部を加熱する加熱手段によ
り、炊飯と保温の加熱源を兼用することで、保温時に鍋
の側面を加熱する胴ヒータなどの側面加熱手段を設けな
いようにして、加熱構成を簡素化したものが知られてい
る。この場合、鍋内の被炊飯物を所定温度に維持する保
温加熱は、炊飯加熱よりも少ない加熱量が必要とされ、
例えば、炊飯時における加熱手段の加熱電力が1300Wの
場合には、保温時における加熱電力を500Wに低減する
とともに、加熱手段の通電率を1/10(1秒通電−9秒
断電の繰り返し)程度に抑制し、鍋の温度が所定の保温
温度よりも高い場合には、この1秒の通電を省略して9
秒断電を継続する一方、鍋の温度が所定の保温温度未満
の場合には、前記1秒の通電を行なうように構成してい
る。つまり、加熱手段の加熱電力を炊飯時よりも少なく
し、且つ通電率を抑制することで、鍋に対する全体の加
熱量を低減して保温を行なうようにしている。しかし、
こうした保温制御では、次のような問題点がある。
【0003】鍋の側面は、加熱手段により加熱される鍋
の側面下部からの熱伝導で、加熱されることになるが、
この鍋の側面の温度は上昇しにくく、冷えにより保温中
の被炊飯物から発生する湯気が結露して付着する。そし
て、時間の経過とともに、鍋の側面に付着した露が、鍋
肌を伝わって鍋内周囲の被炊飯物に流れ落ち、被炊飯物
がベチャ付くという問題を生じる。
【0004】また、加熱手段により鍋を電磁誘導加熱す
る炊飯器は、鍋が自己発熱する構成であるので、鍋を外
側から加熱するものに比べて、鍋の外周囲空間の温度が
低くなりやすい。したがって、上述した鍋内周囲の被炊
飯物のベチャ付きがさらに顕著になる。
【0005】また、保温時における鍋内の被炊飯物の量
が少ない場合は、被炊飯物で覆われていない鍋内側面の
露出が拡大する。このため、鍋内側面への結露量が多く
なり、さらに、被炊飯物のベチャ付きによる保温性の悪
化が著しくなる問題点を有する。
【0006】また、保温時における鍋への加熱制御は、
鍋内部の被炊飯物の温度リップル(加熱時と加熱停止時
における温度変動)が極力小さくなるように構成されて
いる。このため加熱時間は、保温に必要な最低限の加熱
量が確保できる極力短い時間に設定されている。しか
し、加熱時間が短かすぎると、熱伝導による鍋側面への
熱供給が少なくなり、鍋内側面への露付きが多くなる要
因を引き起こす。
【0007】また、保温中は鍋の上面に対向する蓋体を
開けたときに、鍋の内面に付着した露が流れ落ちないよ
うにするためと、保温中に蓋体の下面に付着した露が、
鍋内の被炊飯物の上面に滴下しないようにするために、
蓋体の下面を加熱するようになっている。しかし、この
蓋体の下面への加熱が強すぎると、ここから被炊飯物の
上面への輻射熱が強くなり、早期に被炊飯物の上面に黄
ばみが生じたり、乾燥が進んだりする。しかも、鍋内側
面が前述のような結露を生じていると、鍋内周囲の被炊
飯物はベチャ付きが多くなるので、水分を多量に含んだ
白っぽい鍋内周囲の被炊飯物との色(乾燥による黄ばみ
と、水分過多による白さ)、および硬さ(乾燥状態と、
水分過多によるベチャ付き状態)の差が拡大して、保温
性の悪化を一層招くことになる。
【0008】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、簡単
な構成により炊飯と保温を行なえるようにし、しかも、
保温中の鍋内周囲の被炊飯物が、露によりベチャ付く現
象を改善して、保温性を向上できる炊飯器を提供するこ
とをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
炊飯器は、前記目的を達成するために、鍋の中の被炊飯
物を所定温度に保温するに当たり、前記鍋の底部または
前記鍋の底部と側面下部とを加熱する加熱手段にて、炊
飯と保温の加熱源を兼用し、保温時は、前記加熱源の上
方に位置する前記鍋の内側面が、前記鍋内の被炊飯物の
層中の温度よりも一時的に高温になるように加熱する構
成としたものである。
【0010】この請求項1の構成によれば、加熱手段に
より炊飯と保温の加熱源を兼用とすることで、簡単な加
熱構成で炊飯と保温を行なうことができる。また、保温
時において、鍋の内側面の温度が、鍋内の被炊飯物の層
中の温度よりも一時的に高温になるので、鍋の内側面の
冷えを抑制することができる。したがって、保温中に鍋
内の被炊飯物から発生する湯気が鍋の内側面に結露し、
この露が時間の経過とともに鍋肌を伝わって鍋の内周囲
の被炊飯物に流れ落ち、結果的に被炊飯物のベチャ付き
が多くなる、といった従来の不具合点を改善でき、保温
性を向上することができる。
【0011】本発明の請求項2記載の炊飯器は、前記目
的を達成するために、鍋の中の被炊飯物を所定温度に保
温するに当たり、前記鍋の底部または前記鍋の底部と側
面下部とを加熱する加熱手段にて、炊飯と保温の加熱源
を兼用し、保温時は、保温する前記被炊飯物の量が、前
記鍋の最大保温量の約1/3以下のときに、前記加熱源
の上方に位置する前記鍋の内側面が、前記鍋内の被炊飯
物の層中の温度よりも一時的に高温になるように加熱す
る構成としたものである。
【0012】この請求項2の構成によれば、加熱手段に
より炊飯と保温の加熱源を兼用とすることで、簡単な加
熱構成で炊飯と保温を行なうことができる。また、保温
時において、鍋の内側面の温度が、鍋内の被炊飯物の層
中の温度よりも一時的に高温になるので、鍋の内側面の
冷えを抑制することができる。したがって、保温中に鍋
内の被炊飯物から発生する湯気が鍋の内側面に結露し、
この露が時間の経過とともに鍋肌を伝わって鍋の内周囲
の被炊飯物に流れ落ち、結果的に被炊飯物のベチャ付き
が多くなる、といった従来の不具合点を改善でき、保温
性を向上することができる。
【0013】また、保温する鍋内の被炊飯物の量が、鍋
の最大保温量の約1/3以下のときに、鍋の内側面の温
度が、鍋内の被炊飯物の層中の温度よりも一時的に高温
になるように加熱する構成となっているので、実用状態
を考慮した最適な鍋への加熱により、上記の保温性の向
上を図ることができる。また、保温時の被炊飯物の量が
少ない場合は、被炊飯物で覆われていない鍋の内側面の
露出が拡大し、露出した部分に結露を生じやすい状況と
なるが、こうした加熱構成により、鍋の内側面への結露
を効果的に抑制することができる。さらに、保温量が多
い場合は、それほど鍋の内側面に対する加熱量を増やさ
ないで、省エネルギー性を考慮した保温加熱を行なうこ
とができる。
【0014】本発明の請求項3記載の炊飯器は、前記目
的を達成するために、鍋の中の被炊飯物を所定温度に保
温するに当たり、前記鍋の底部または前記鍋の底部と側
面下部とを加熱する加熱手段にて、炊飯と保温の加熱源
を兼用し、保温加熱は、所定の断続的な加熱で行ない、
加熱時における加熱時間を、前記加熱源の上方に位置す
る前記鍋の内側面が、前記鍋内の被炊飯物の層中の温度
よりも高くなる時間としたものである。
【0015】この請求項3の構成によれば、加熱手段に
より炊飯と保温の加熱源を兼用とすることで、簡単な加
熱構成で炊飯と保温を行なうことができる。また、保温
時において、鍋の内側面の温度が、鍋内の被炊飯物の層
中の温度よりも一時的に高温になるので、鍋の内側面の
冷えを抑制することができる。したがって、保温中に鍋
内の被炊飯物から発生する湯気が鍋の内側面に結露し、
この露が時間の経過とともに鍋肌を伝わって鍋の内周囲
の被炊飯物に流れ落ち、結果的に被炊飯物のベチャ付き
が多くなる、といった従来の不具合点を改善でき、保温
性を向上することができる。
【0016】また、保温加熱は、所定の断続的な加熱で
行ない、加熱時における加熱時間を、加熱源の上方に位
置する鍋の内側面の温度が、鍋内の被炊飯物の層中の温
度よりも高くなる時間としたことにより、加熱時間が短
すぎて、鍋の内側面への熱供給が少なくならないように
することができる。
【0017】本発明の請求項4記載の炊飯器は、前記目
的を達成するために、鍋の中の被炊飯物を所定温度に保
温するに当たり、前記鍋の底部または前記鍋の底部と側
面下部とを加熱する加熱手段にて、炊飯と保温の加熱源
を兼用し、保温時は、前記加熱源の上方に位置する前記
鍋の内側面が、前記被炊飯物の層中の温度よりも一時的
に高温になるように加熱するとともに、前記被炊飯物上
面に対向する蓋体の下面を、該被炊飯物の上層の温度よ
りも一時的に高温になるように加熱する構成としたもの
である。
【0018】この請求項4の構成によれば、加熱手段に
より炊飯と保温の加熱源を兼用とすることで、簡単な加
熱構成で炊飯と保温を行なうことができる。また、保温
時において、鍋の内側面の温度が、鍋内の被炊飯物の層
中の温度よりも一時的に高温になるので、鍋の内側面の
冷えを抑制することができる。したがって、保温中に鍋
内の被炊飯物から発生する湯気が鍋の内側面に結露し、
この露が時間の経過とともに鍋肌を伝わって鍋の内周囲
の被炊飯物に流れ落ち、結果的に被炊飯物のベチャ付き
が多くなる、といった従来の不具合点を改善でき、保温
性を向上することができる。
【0019】また、蓋体下面の加熱過多を防止して、適
度に蓋体下面に結露させることで、鍋の内側面に対する
結露を抑制するとともに、早期に被炊飯物の上面が黄ば
んだり、乾燥が進むといった問題点を防止できる。さら
に、長時間保温時において、蓋体下面に対向した鍋の中
央部の被炊飯物と、鍋肌に近接した鍋の内周囲の被炊飯
物との色や硬さで差が拡大せず、保温性を良好に維持で
きる。
【0020】本発明の請求項5記載の炊飯器は、前記請
求項1〜4のいずれか一つの構成に加えて、前記加熱手
段は前記鍋を電磁誘導加熱するものであることを特徴と
する。
【0021】この請求項5の構成によれば、鍋が自己発
熱する電磁誘導加熱式の炊飯器でも、鍋の外周囲空間の
冷えを防止することが可能になるとともに、加熱手段の
加熱量を細かく調節できることから、電磁誘導加熱方式
の利点を炊飯と保温で生かし、良好な炊飯および保温を
行なうことが可能となる。
【0022】本発明の請求項6記載の炊飯器は、前記請
求項1〜4のいずれか一つの構成に加えて、前記加熱源
の上方に位置する前記鍋の内側面の位置は、前記鍋の中
に収容した被炊飯物の上面の近傍の被炊飯物が無い該鍋
の内面であることを特徴とする。
【0023】この請求項6の構成によれば、被炊飯物が
存在せず、他の部位よりも冷えやすい鍋の内面に対する
結露を防止でき、保温性を確実に向上することが可能と
なる。
【0024】
【発明の実施形態】以下、本発明の炊飯器の一実施例に
ついて、添付図面を参照しながら説明する。全体断面図
を示す図1において、1は炊飯器本体、2はこの炊飯器
本体1の外郭をなす外枠で、外枠2の底部には、その開
口を覆い炊飯器本体1の底面外郭を形成する底板3が嵌
合し固定されている。また、外枠2の内部には有底筒状
の内枠たる鍋収容部4が配設され、この鍋収容部4に鍋
5が着脱自在に収容される。鍋収容部4の側面を形成す
る鍋収容壁6は、この鍋収容部4の上部を形成する外枠
2と一体に形成される。また、鍋収容部4の底面を形成
するコイルベース7が、鍋収容壁6の底面開口を塞ぐよ
うにして設けられる。
【0025】前記鍋5は、アルミニウムなどの熱伝導性
の良好な材料からなり、その外面には、底部と側面下部
に磁性金属製の発熱体8が接合される。また、鍋5の上
部には、水平方向外側に延出したフランジ部9が形成さ
れる。そして、フランジ部9の下面を鍋収容部4の上端
部に載置することにより、この鍋収容部4の内部にて鍋
5を吊設状態に収容する構成となっている。このとき、
鍋5の外面と鍋収容壁6およびコイルベース7との間に
は、1〜7mm程度の隙間が形成される。
【0026】11は、コイルベース7の底面中央に設けら
れた鍋温度検出手段たる鍋温度センサである。この鍋温
度センサ11は鍋5の外底面に当接しており、鍋5の温度
を検出するようになっている。この鍋温度センサ11は、
必ずしも鍋5の外底面に当接させたものでなくてもよ
く、鍋5の外側面に当接させたり、鍋5と非接触状態に
設けたものでもよく、これにより、鍋収容部4の内底面
に被炊飯物などが入って、鍋温度センサ11と鍋5の間に
挟まって、温度検出精度を悪化させたりすることが防止
され、また鍋収容部4の内底部を掃除するときに、鍋温
度センサ11の突出が無く、清掃性がよくなる利点を得る
ことができる。12は、前記コイルベース7の外面に設け
られた加熱手段をなす加熱コイルである。この加熱コイ
ル12は、前記鍋5の底部および側面下部の発熱体8に対
向して配置されており、発熱体8を発熱させて鍋5内の
被炊飯物を加熱するものである。なお、鍋5の底部の
み、あるいは、鍋5の側面部の複数箇所に対向して、こ
の部分を加熱する加熱コイル12を設けてもよい。前記鍋
収容壁6の外方には、所定の隙間を有して胴断熱壁13が
設けられる。この胴断熱壁13は、前記鍋収容壁6と同様
に外枠2と一体に形成される。
【0027】さらに、胴断熱壁13の外方には、所定の隙
間を有して、筒状の本体遮熱板14が設けられる。本体遮
熱板14は、外枠2とは別部材でこの外枠2に固定されて
いる。また、コイルベース7の外方には、所定の隙間を
介在させて、コイルカバー15が設けられる。コイルカバ
ー15にてコイルベース7の底部を覆うと、コイルカバー
15の上端が本体遮熱板14の下端に突き合わさり、鍋収容
壁6および胴断熱壁13の下端にある空間が略遮蔽され、
鍋収容部4の外底面と外側面に各々空間が形成される構
成になっている。さらに、コイルカバー15の外側には、
加熱コイル12からの磁束の漏れを防止するフェライトコ
ア16が装着されている。
【0028】前記本体遮熱板14およびコイルカバー15の
外側と、外枠2および底板3の内側との間の空間には、
加熱コイル12の制御回路などを印刷回路基板上に搭載し
た加熱基板ユニット17,18が設けられる。各加熱基板ユ
ニット17,18は、加熱コイル12に所定の高周波電流を供
給するインバータ回路などを備え、加熱コイル12に所定
の高周波電流を供給することで、鍋5の発熱体8を電磁
誘導加熱(以下、IH加熱という)にて発熱させ、鍋5
の底部と側面下部を加熱する構成になっている。また、
高周波電流を発生させるスイッチング素子19には、この
スイッチング素子19を冷却するための放熱板20が取り付
けられている。各放熱板20の下方には、底板3の設置部
である脚21の周囲に位置して通気口22が形成されてお
り、この通気口22から外気を導入して、各スイッチング
素子19を放熱冷却するようになっている。これらの加熱
基板ユニット17,18とは別に、電源ユニット23と表示操
作ユニット24が、炊飯器本体1内部の前方に配設され
る。このなかで、表示操作ユニット24は複数のスイッチ
からなる操作部およびLCDやLEDなどからなる表示
部を備え、炊飯器本体1の正面に設けた操作パネル25に
対向して配置される。
【0029】31は、炊飯器本体1の上側に開閉自在に設
けられ、鍋5の上部開口部を覆う蓋体である。蓋体31
は、この蓋体31の外郭を形成する外蓋32と、鍋5内の被
炊飯物上面に対向する蓋体31の下面(蓋体下面)31Aを
形成する蓋内面部材たる蓋下面板33と、蓋体31における
蓋下面板33の外周側の部分を形成する外蓋カバー34とを
主な構成部品としている。
【0030】鍋5に直接対向する蓋体下面31Aには、こ
の蓋体下面31Aを覆うようにして、内蓋35が着脱可能に
装着される。この内蓋35の中央部には、蒸気口キャップ
36が装着されるとともに、外側周囲には上方に立ち上が
る折返し部37が形成される。折返し部37の内側面は、下
方を開口した溝状に形成されており、ここに蓋パッキン
38とパッキンベース39を組み合せた蓋パッキン組立40が
着脱可能に設けられる。また、外蓋カバー34の周囲部内
側には、前記蓋パッキン組立40を装着した内蓋35を蓋体
下面31Aに着脱する際に、パッキンベース39の外周部に
係合,離脱する係合突起41が形成される。
【0031】前記蓋下面板33の外周部は、蓋下面止めネ
ジ42により、外蓋カバー34に取り付け固定される。そし
て、蓋体31の内部にあって、蓋下面板33の上面には、蓋
加熱手段としての蓋ヒータ43が設けられており、この蓋
ヒータ43によって、炊飯時と保温時に蓋体下面31Aおよ
び内蓋35などの鍋5の上部開口部に対向する部分を加熱
する構成になっている。この蓋加熱手段は、電熱式のコ
ードヒータなどの蓋体下面31Aや内蓋35を加熱できるも
のであれば特に制約はなく、内蓋35を磁性金属として、
電磁誘導加熱にて内蓋35を発熱させる誘導加熱コイルで
もよい。
【0032】内蓋35を電磁誘導加熱するものでは、蓋下
面板33を電熱式のコードヒータで加熱し、蓋下面板33か
らの輻射熱で内蓋35を加熱するものに比べて、直接内蓋
35が発熱するので、加熱効率がよく、また断電したとき
に内蓋35の上方に、内蓋35より高温になっている蓋下面
部材が無いので、速やかに温度低下し、すなわち蓋体31
の加熱制御に対し応答性の良い加熱がなされる利点を得
ることができる。
【0033】蓋体31は、炊飯器本体1の後方に設けたヒ
ンジ部44により、炊飯器本体1と軸支されている。ま
た、ヒンジ部44の反対側にある炊飯器本体1の前方に
は、蓋体係止部たるクランプボタン45が設けてあり、こ
のクランプボタン45によって蓋体31の前方部を係止する
ことで、内蓋35が鍋5の上部開口部を直接覆った状態に
係止される構成になっている。
【0034】蓋体31の閉塞時において、内蓋35の外周面
の下面には、鍋5のフランジ部9との接触部46が形成さ
れる。これと同時に、前記蓋パッキン38の下面にも、鍋
5のフランジ部9との接触部47が形成され、炊飯時にお
いて内蓋35と鍋5との間から蒸気が漏れないような構成
となっている。本実施例では、蓋パッキン38が接触部46
の外側位置に設けられているが、この蓋パッキン38の内
蓋35への取付位置は、内蓋35と鍋5との接触部46の内側
など、接触部46の近傍であれば何処でもよい。また、蓋
パッキン38の内蓋35への取り付けは、内蓋35へ固定して
もよいし、内蓋35と着脱可能としてもよい。
【0035】前記蒸気口キャップ36は、シリコーンゴム
などの弾性材料からなり、その外側周囲は蓋体下面31A
に当接して、蒸気口キャップ36の弾性により内蓋35を鍋
5側に押し下げている。また、この蒸気口キャップ36に
は、炊飯時に鍋5内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸
気孔49が設けられている。蒸気口キャップ36は、内蓋35
の装着時において蓋下面板33との接触部50を形成してお
り、蓋体下面31Aと内蓋35とを密封して、蒸気口キャッ
プ36の外周側にある内蓋35と蓋下面板33間の空間に、蒸
気孔49からの蒸気が侵入しないようにしている。そし
て、外蓋32の外側すなわち上面側から装着される蒸気口
51に蒸気が導かれる構成になっている。
【0036】前記外蓋32の外面には、鍋5側に陥没した
凹部52が部分的に設けられている。この凹部52に、炊飯
時に鍋5内で発生した蒸気を外部に放出する蒸気口51が
着脱可能に設けられる。また、凹部52の中心孔53には、
シリコーンゴム製の弾性部材からなる環状の蒸気口パッ
キン54が装着される。蒸気口パッキン54は、前記蓋下面
板33に形成した孔の周囲に位置する凹部52の底部裏側
と、蓋下面板33の裏側との間をシールするためのもので
ある。
【0037】前記蒸気口51は、キャップ部55と蒸気口ケ
ース56とにより構成され、蒸気口パッキン54の中心部に
蒸気筒57の下部フランジ部が係合,離脱して、凹部52の
開口した外側より着脱可能に装着される。蒸気口ケース
56の中央部には、前記蒸気孔49に連通する蒸気筒57が上
下方向に形成される。また、キャップ部55は、蒸気口ケ
ース56の上部開口部に着脱自在に設けられ、その上面部
には複数の蒸気出口58が形成される。蒸気筒57の根元部
には、蒸気口51内に溜まったオネバを鍋5側に回収する
オネバ戻り孔59が設けられる。
【0038】蓋ヒータ43は、蓋体31の内部において、蒸
気口51の外周囲を囲むように配置されており、内蓋35の
蒸気孔49に対向しないように設けられている。また、蓋
体31の内部には、蓋下面板33の温度を検出する蓋温度検
出手段としての蓋温度センサ60が設けられている。この
蓋温度センサ60は、本実施例では、蒸気口キャップ36の
内側に位置するように、蓋下面板33の裏側に設けられて
いる。
【0039】次に、図2のブロック図を参照して、本発
明の電気的構成を説明する。同図において、61はマイク
ロコンピュータなどからなる加熱制御手段たる制御手段
で、この制御手段61は、予め記憶手段(図示せず)に格
納記憶した制御シーケンスにしたがって、炊飯や保温に
関わる一連の加熱動作を行なう機能を有している。ま
た、加熱コイル12の加熱量を可変制御するために、制御
手段61からの出力信号に基づき加熱コイル12に供給する
高周波電流を可変調節する電流調節手段62と、加熱コイ
ル12を通断電する通断電手段63を備えている。また、制
御手段61は加熱コイル12のみならず、前記蓋ヒータ43を
通断電制御するように構成している。そして、本実施例
におけるIH加熱の出力(加熱コイル12の出力)は、50
0W〜1300Wの範囲で可変可能となっており、加熱手段
である加熱コイル12にて、炊飯と保温の加熱源を兼用す
る構成となっている。
【0040】制御手段61の入力側には、前記鍋温度セン
サ11および蓋温度センサ60が設けられており、これらの
各温度情報と、制御手段61に内蔵する計時手段64の計時
情報とに基づいて、加熱コイル12の出力および通電率が
調節されるようになっている。制御手段61は、炊飯器と
しての所定の加熱動作を行なわせるために、鍋5内の米
の吸水を促進するひたし炊き,鍋5内の水を沸騰させ、
米の糊化を開始させる沸騰加熱,沸騰後にこの沸騰状態
を継続し、米を糊化させる沸騰継続加熱,被炊飯物を高
温に保持し糊化を促進させるとともに、ご飯に仕上げる
むらしの各行程を順次実行する炊飯制御手段65を備えて
いる。炊飯制御手段65は、所定の時刻に炊飯を終了して
保温に移行させる予約炊飯制御手段としての機能も兼用
している。また、この炊飯制御手段65による炊飯加熱の
後に、鍋5内のご飯を所定温度に保温する保温制御手段
66を備えている。なお、こうした炊飯制御手段65および
保温制御手段66は、ふつうの白米炊飯のみならず、かた
め炊飯,やわらかめ炊飯,玄米,おかゆ,新米炊飯な
ど、各種炊飯メニューに対応した炊飯する目的に応じ
て、炊飯行程の時間や温度管理などを適正に設定する機
能も備えている。
【0041】前記保温制御手段66による保温加熱は、図
3のフローチャートに示すように、IH加熱の出力を50
0〜900Wにするとともに、通電率を1/2(12秒通電,
12秒断電)にして行なう。このとき、IH加熱を行なう
ステップS1のタイミングで、鍋温度センサ11で検出さ
れる鍋5の温度が72℃未満であれば、ステップS2にて
加熱コイル12を12秒通電した後、ステップS3にて加熱
コイル12を12秒断電するが、前記ステップS1におい
て、鍋5の温度が72℃以上であれば、ステップS2の12
秒の通電を省略して、ステップS3の12秒の断電のみを
実行し、鍋5内のご飯の温度を約73℃に保持するように
している。この加熱コイル12による12秒の通電時間は、
図1に示す加熱源としての加熱コイル12の上方に位置す
る鍋5の内側面5Aの温度が、保温時のIH加熱中に、
ご飯の層中(鍋5のほぼ中心にあって、ご飯のできるだ
け上面に近い部分)の温度よりも一時的に高温になるよ
うに設定する。
【0042】この加熱コイル12の通電時間すなわち加熱
時間は、実施例の12秒に限定されるものではなく、次の
要領で設定する。図4は、保温時間が4時間以上にな
り、鍋5内のご飯の温度がほぼ安定しているときの各部
の温度状態を示すグラフである。なお、この図4におい
て、上段は各部の温度と時間の関係を示し、また下段は
加熱コイル12の通断電タイミングを示している。ま
た、上段のグラフにおいて、実線C1は鍋5の内側面5
Aの温度,破線C2は蓋体下面31Aの温度,直線C3は
鍋5内のご飯の温度を示している。そして、T1は鍋5
の内側面5Aの温度C1がご飯の温度C3以上の時間,
T2は鍋5の内側面5Aの温度C1がご飯の温度C3未
満の時間,T3は蓋体下面31Aの温度C2がご飯の温度
C3以上の時間,T4は蓋体下面31Aの温度C2がご飯
の温度C3未満の時間を示している。また、下段のグラ
フにおいて、T5はIH加熱の時間(加熱コイル12の通
電時間),T6は加熱コイル12の断電時間を示してい
る。
【0043】保温中は、時間T1と時間T2が交互に確
保されるように、すなわち、鍋5の内側面5Aの温度C
1が、鍋5の内側面5Aの温度C1以上または未満を交
互に繰り返すように、加熱コイル12の通電時間T5を設
定する。時間T1が長くなれば、鍋5の内側面5Aへの
結露は少なくなり、逆に、時間T2が長くなれば、鍋5
の内側面5Aへの結露量が増えることになる。時間T1
が長くなり過ぎたり、時間T2が確保されなくなれば、
鍋5の内側面5Aに接するご飯の乾燥が進行し、鍋5の
内側面5Aに付着しない露が蓋体下面31Aや内蓋35の下
面に結露して、好ましくない。また、時間T2が長くな
り過ぎたり、時間T1が確保されなくなれば、鍋5の内
側面5Aの結露が増加し、鍋5内周囲のご飯のベチャ付
きが多くなり、好ましくない。したがって、(時間T
1)/(時間T1+時間T2)が、25%〜75%程度にな
るように、加熱コイル12の通電時間T5ひいては通電率
を設定するのが好ましい。
【0044】また、IH加熱の時間(実施例では12秒)
は、連続的な加熱に限定されるものではなく、加熱時間
中に例えば2秒オン/1秒オフの通断電を行ない、平均
加熱量を少なくしてもよい。これによれば、保温中の最
低出力(実施例では500W)を変えなくても、加熱量を
低減することが可能となり、より最適に加熱量の選定を
行なうことができる。また、連続的な加熱に比べて、鍋
5の熱がご飯(被炊飯物)へ伝達される時間的な遅れを
吸収して、加熱調節と飯温の相関性を良好にできる利点
が得られる。
【0045】なお、この通電時間T5は、鍋5に収容さ
れるご飯の保温量や、鍋5の形状あるいは加熱コイル12
の加熱能力などに応じて、設定されるものである。ま
た、加熱源は、本実施例のような加熱コイル12によるI
H加熱のように、鍋5を直接加熱するものでも、あるい
は、鍋5の外側に設けたシーズヒータなどの電熱ヒータ
出、鍋5を間接的に加熱するものでもよい。特に加熱源
である加熱コイル12により、鍋5をIH加熱するもので
は、加熱コイル12に供給する高周波電流を可変すること
で、容易に鍋5に対する加熱量を可変できる利点があ
り、保温時に加熱量を抑制する構成に好適である。ま
た、IH加熱のほうが本来鍋5の内側面5Aの冷えが顕
著に起こるため、有効に本実施例の効果が活用されるこ
とになる。また、加熱コイル12に供給される電源電圧す
なわち印加電圧を検出する電圧検出手段(図示せず)を
設け、印加電圧の変動時に加熱量を通常のAC100Vと
同じ状態に調節することも可能であり、電熱式の加熱源
よりも、より安定した保温加熱が可能となる。
【0046】ところで、保温する鍋5内のご飯の量は、
炊飯容量の最大量〜最小量に相当し、例えば1.8L炊
きの場合、180mLの米を炊いた時のご飯約345gが最小
量で、1800mLの米を炊いた時のご飯約3450gが最大量
になり、この範囲内で保温が行なわれることになる。こ
の全ての保温量で、確保するのは、保温量に応じて必要
とされる鍋7への加熱量が相違するため、困難な状況に
なる。
【0047】家庭内で通常炊くご飯の量は、炊く量が多
い家庭でも、最大容量の60〜70%が殆どである。また、
食事では約半量以上のご飯を食べるので、実際に保温す
る量は、殆どが最大保温量の約1/3以下に相当するこ
とになる。したがって、こうした炊飯器の実用状態を考
慮し、少なくとも最大保温量の約1/3である鍋5内の
ご飯が約1150g以下のときに、前記(時間T1)/(時
間T1+時間T2)が25%〜75%程度になるような条件
を満足する構成にする。好ましくは、最大保温量の約1
/2以下のときに、(時間T1)/(時間T1+時間T
2)が25%〜75%程度になるような条件を満足する構成
にする。
【0048】前記保温制御手段66による保温中は、蓋ヒ
ータ43により蓋体下面31Aおよび内蓋35を加熱し、これ
らの部分への結露を抑制する。このときの蓋ヒータ43に
対する制御は、蓋温度センサ60の検出温度が所定の温
度、例えば73℃未満になったら、所定時間である例えば
100秒間蓋ヒータ43を通電して、蓋体下面31Aおよび内
蓋35を加熱する。このときの加熱時間は、本実施例に限
定されるものではなく、蓋ヒータ43の加熱能力や設定温
度などにより設定される。具体的には、次の要領で設定
すればよい。蓋体下面31Aの温度C2は、図4のグラフ
に示すように、一時的にご飯の上層の温度C3よりも高
温になるように加熱する。これは、前述の鍋5の内側面
5Aに対する温度管理と同様の考え方であるが、蓋体下
面31Aや内蓋35への結露が多くなると、保温中に露が鍋
5内のご飯の上面に滴下して、局部的なベチャ付きが発
生する問題を生じる。また、蒸気口51内部で腐敗が発生
する可能性がある。したがって、蓋体下面31Aの温度C
2がご飯の温度C3以上の時間T3と、蓋体下面31Aの
温度C2がご飯の温度C3未満の時間T4との関係が、
(時間T3)/(時間T3+時間T4)=40%〜90%程
度になるように、蓋ヒータ43の通電時間ひいては通電率
を設定するのが好ましい。
【0049】以上のように本実施例では、鍋5の中のご
飯を所定温度に保温するに当たり、鍋5の底部または鍋
5の底部と側面下部とを加熱する加熱手段たる加熱コイ
ル12にて、炊飯と保温の加熱源を兼用し、保温時は、加
熱コイル12の上方に位置する鍋5の内側面5Aの温度C
1が、鍋5内のご飯の層中の温度C3よりも一時的に高
温になるように加熱する構成を有している。
【0050】このようにすれば、加熱コイル12により炊
飯と保温の加熱源を兼用とすることで、簡単な加熱構成
で炊飯と保温を行なうことができる。また、保温時にお
いて、鍋5の内側面5Aの温度C1が、鍋5内のご飯の
層中の温度C3よりも一時的に高温になるので、鍋5の
内側面5Aの冷えを抑制することができる。したがっ
て、保温中に鍋5内のご飯から発生する湯気が鍋5の内
側面5Aに結露し、この露が時間の経過とともに鍋肌を
伝わって鍋5の内周囲のご飯に流れ落ち、結果的にご飯
のベチャ付きが多くなる、といった従来の不具合点を改
善でき、保温性を向上することができる。
【0051】また、本実施例では、保温時において、保
温する鍋5内のご飯の量が、鍋5の最大保温量の1/3
以下のときに、加熱源である加熱コイル12の上方に位置
する鍋5の内側面5Aの温度C1が、鍋5内のご飯の層
中の温度C3よりも一時的に高温になるように加熱する
構成となっている。
【0052】これにより、保温時において、鍋5の内側
面5Aの温度C1が、鍋5内のご飯の層中の温度C3よ
りも一時的に高温になるので、鍋5の内側面5Aの冷え
を抑制することができる。したがって、保温中に鍋5内
のご飯から発生する湯気が鍋5の内側面5Aに結露し、
この露が時間の経過とともに鍋肌を伝わって鍋5の内周
囲のご飯に流れ落ち、結果的にご飯のベチャ付きが多く
なる、といった従来の不具合点を改善でき、保温性を向
上することができる。また、特に保温する鍋5内のご飯
の量が、鍋5の最大保温量の約1/3以下のときに、鍋
5の内側面5Aの温度C1が、鍋5内のご飯の層中の温
度C3よりも一時的に高温になるように加熱する構成と
なっているので、実用状態を考慮した最適な鍋5への加
熱により、上記の保温性の向上を図ることができる。ま
た、保温時のご飯の量が少ない場合は、ご飯で覆われて
いない鍋5の内側面5Aの露出が拡大し、露出した部分
に結露を生じやすい状況となるが、こうした加熱構成に
より、鍋5の内側面5Aへの結露を効果的に抑制するこ
とができる。さらに、保温量が多い場合は、それほど鍋
5の内側面5Aに対する加熱量を増やさないで、省エネ
ルギー性を考慮した保温加熱を行なうことができる。
【0053】本実施例では、保温加熱は、所定の断続的
な加熱で行ない、加熱時における加熱時間を、加熱源で
ある加熱コイル12の上方に位置する鍋5の内側面5Aの
温度C1が、鍋5内のご飯の層中の温度C3よりも高く
なる時間となる時間T1としたことにより、加熱時間が
短すぎて、鍋5の内側面5Aへの熱供給が少なくならな
いようにすることができる。なお、ご飯の温度リップル
が極端に大きくならず、実用的に支障のない2℃以内に
程度になるように、この加熱時間を設定することが望ま
しい。また、加熱停止時間は必ずしも実施例のように設
定する必要はなく、鍋5の停止後、鍋5の温度が所定の
保温温度未満になったら、加熱を開始する構成にしても
よい。
【0054】また、本実施例では、保温時は、加熱源で
ある加熱コイル12の上方に位置する鍋5の内側面5Aの
温度C1が、鍋5内のご飯の層中の温度C3よりも一時
的に高温になるように加熱するとともに、ご飯上面に対
向する蓋体31の下面(蓋体下面31A)の温度C2を、ご
飯の上層の温度C3よりも一時的に高温になるように加
熱する構成としている。
【0055】これにより、蓋体下面31Aやこの蓋体下面
31Aに装着される内蓋35の加熱過多を防止して、適度に
蓋体下面31Aや内蓋35を結露させることで、鍋5の内側
面5Aに対する結露を抑制するとともに、早期にご飯の
上面が黄ばんだり、乾燥が進むといった問題点を防止で
きる。さらに、長時間保温時において、蓋体下面31Aや
内蓋35に対向した鍋5の中央部のご飯と、鍋肌に近接し
た鍋5の内周囲のご飯との色や硬さに差が拡大せず、保
温性を良好に維持できる。
【0056】また、上記各構成において本実施例では、
加熱手段である加熱コイル12が鍋5を電磁誘導加熱する
ように構成している。この場合は、鍋5が自己発熱する
電磁誘導加熱式の炊飯器でも、鍋5の外周囲空間の冷え
を防止することが可能になるとともに、加熱コイル12の
加熱量を細かく調節できることから、電磁誘導加熱方式
の利点を炊飯と保温で生かし、良好な炊飯および保温を
行なうことが可能となる。
【0057】さらに、上記各構成において本実施例で
は、加熱源である加熱コイル12の上方に位置する鍋5の
内側面5Aの位置が、鍋5の中に収容した被炊飯物の上
面の近傍の被炊飯物が無い鍋5の内面となっている。こ
の場合は特に、被炊飯物が存在せず、他の部位よりも冷
えやすい鍋5の内面に対する結露を防止でき、保温性を
確実に向上することが可能となる。
【0058】ところで、この種の炊飯器などの調理器で
は、容器や調理面などの外装に、操作に関わる表示部を
着色して形成したものが実用化されている。しかし、暗
い場所では表示が見にくい上に、この表示部と表示部の
周囲との色調差が明確でないと、さらに見にくくなるこ
とから、色調差に何等かの工夫が必要である。本実施例
では、比較的光が少ない場所で使用した場合でも明確に
表示が分かり、また、表示部との色調差を出すためのベ
ース色の制約を少なくできて、視認性を高めた調理器を
提供することを、別の目的としている。
【0059】具体的な構成は第1の変形例として図5お
よび図6に示すように、炊飯器本体1の外表面に設けた
操作パネル25は、AS樹脂,ABS樹脂またはPP樹脂
からなるパネル本体25Aに、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂やポリカーボネット樹脂からなる透明シート25B
を接着して構成される。また、透明シート25Bの裏面に
は、塗装のコーティング層25Cが施されている。このコ
ーティング層25Cに用いる塗料は、次のようにして得ら
れる。
【0060】ガラス粉末にAg(銀)やAl(アルミニ
ウム),真鍮などをスパッタリングなどで被覆した、光
の反射性の高い素材を、光反射性粉末として使用する。
この光反射性粉末の素材は、高反射性を有するものであ
れば特に限定されない。透過性(透光性)を有する樹脂
として、例えばシリコーン樹脂や弗素樹脂,アクリル樹
脂などの各種透明樹脂を使用する。この透明樹脂の材質
は、使用する温度やベース部材への密着性,調理器とし
ての食品衛生性などを考慮して選定すれば、特に限定さ
れない。また、透過性を有し、光反射性粉末に光が到達
する程度に顔料を添加して、着色(スモーク調)を施し
てもよい。この透過性を有する透明樹脂に前記光反射性
粉末を所定料混合して、コーティング層25Cの塗料とす
る。光反射性粉末の含有量は、視認性を考慮して任意に
設定すればよいが、含有量が多くなると透明樹脂による
ベース部材(透明シート25B)への密着性が低下するの
で、重量比で0.1〜2.0%程度にするのが好ましい。
【0061】コーティング層25Cは、操作パネル25の全
面に形成してもよいし、文字や記号,絵,数字,マーク
などの特定の部位に形成してもよい。また、パネル本体
25Aへの透明シート25Bの接着は、両面粘着テープや、
パネル本体25Aを成形する際にアウトサート成形して一
体化する。よって、コーティング層25Cで形成した表示
部の表面は透明シート25Bで被覆され、表示部が保護さ
れる構成になっている。なお、表示部の表面保護は必須
のものではなく、調理器の使用用途に応じて、透明シー
ト25Bの表面にコーティング層25Cを形成してもよい。
【0062】また、図7に示すように、鍋5の内周面に
は、炊飯時に水量を指定する水位線5Bが印刷されてい
る。鍋5は、アルミニウム5Cを母材として、その内面
にPFA樹脂からなるコーティング層5Dを施し、その
表面の所定位置に前記塗料を用いてパッド印刷などによ
り水位線5Bを表示形成する。さらにその表面に、透明
なPFA樹脂からなるコーティング層5Eを施してい
る。これにより、水位線5Bの表面が、透明塗料すなわ
ちコーティング層5Eで被覆され、保護されることにな
る。なお、水位線5Bの高さは、炊飯要領や炊き上がり
などを考慮する。また、白米,おかゆ,玄米などの各種
炊飯メニューに応じて設ける。更に、鍋5の内面のベー
ス色は、任意に設定してよい。
【0063】表示は外方からの赤外線光に対し、表示部
と表示部の周囲での吸収する波長と反射する波長の差に
より、色の差となって表われるが、本実施例のように表
示部であるコーティング層25Cや水位線5Bに、光反射
性粉末を含有した透過性を有する樹脂を使用すれば、光
の反射性が向上する。また、透過性を有する樹脂に光反
射性粉末が埋設されるので、光反射性粉末への光の供給
がそれほど疎外されず、有効に光反射性粉末の反射性を
確保できる。よって、比較的暗い場所でも、表示が見や
すくなる。
【0064】また、光反射性粉末に対する光の到達を完
全に隠蔽しない程度に顔料を添加すれば、色調の異なる
表示を行なうことができ、より表示が見やすくなって、
調理器としてのデザイン性の向上が図られる。さらに、
調理器の外装である炊飯器本体1の外郭に表示部を形成
する場合、外装の特定部分である操作パネル25の表面に
コーティング層25Cを施せば、操作パネル25の位置が明
確になり、使用性が向上する。また、操作パネル25の文
字や記号,絵,数字,マークなど特定の部位にコーティ
ング層25Cを施せば、操作部の位置や機能表示および操
作表示などが分かりやすくなる。
【0065】一方、炊飯器の水位線5Bは鍋5の内周面
に表示されるため、光が入りにくく表示が見にくい状況
にある。このため、水位線5Bの色を鍋5の内周面の地
色と変えただけでは、水位線5Bは見にくい状況にある
が、本実施例のように光の反射性を向上すれば、少ない
光量でも水位線5Bの確認が容易に可能となり、極めて
良好に視認性が向上する。なお、炊飯器用の水位線5B
に限らず、電気ポットの容器内煮形成される水位線の表
示など、各種の調理器に応用可能である。
【0066】また、表示部であるコーティング層25Cの
表面を、透明部材である透明シート25Bで覆うことによ
り、表示部の保護を行なうことができる。また、光反射
性粉末を含有したことにより、ベース部材である透明シ
ート25Bへの密着性がやや低下した状態でも、表示部の
外側を覆うことで、コーティング層25Cが容易に剥離す
る欠点を解消できる。さらに、使用中に透明シート25B
の表面が摩耗した場合でも、表示部が容易に露出するこ
とが防止され、また水などの侵入を防止して、コーティ
ング層25Cの剥離を防止することが可能になる。
【0067】ところで、近年は蓋体の外側から蒸気口を
着脱できるものが主流になっている。また、蒸気口を分
解して、その内部が洗えるようになっており、さらに蒸
気口の清掃性の改善が図られている。蒸気口を装着する
際には、水平回転方向の方向性が無い方が、装着時の方
向性を気にする必要が無く好ましいが、近年の蓋体の上
面はデザイン性を増すために三次元形状を有しており、
デザイン上蒸気口の上面と蓋体の上面の面形状を近似さ
せると、やむを得ず蒸気口の装着時に方向性を生じ、使
用性の悪化を招く懸念を生じている。
【0068】そこで、本実施例では、各種の蓋体の上面
形状に対応し、しかも蓋体への装着性を悪化することな
く、さらに脱着性をも考慮した蒸気口を備えた炊飯器を
提供することを、他の目的としている。
【0069】具体的な第2の変形例を図8に示す。な
お、この図8において、前記図1と同一機能を有する箇
所には同一符号を付してある。またここでは便宜上、蒸
気口周辺の平面図と断面図を対応して記載している。
【0070】同図において、蓋体31の外郭上面を形成す
る外蓋32には凹部52が形成されていて、この凹部52に蒸
気口組立体すなわち蒸気口51を装着する構成となってい
る。外蓋32は、耐熱性に優れたポリプロピレンなどの合
成樹脂で形成される。また、蒸気口51は、下部を形成す
る蒸気口ケース56と、上部を形成するキャップ部55とに
より構成される。これらのキャップ部55と蒸気口ケース
56は、共に耐スチーム性に優れたポリプロピレンなどの
合成樹脂で形成される。キャップ部55と蒸気口ケース56
には、各々の側面に螺子部55A,56Aが形成されてお
り、双方の部材を回転させることにより分解と組立が可
能になっている。蒸気口ケース56は横断面形状が同心円
状で、縦断面形状が相似形状になっており、蓋体31の凹
部52に対して水平回転方向に方向性の無い形状となって
いる。なお、凹部52の縦断面形状は必ずしも相似形状で
なくてもよく、蒸気口ケース56を収容するのに十分なス
ペースが確保されていればよい。
【0071】キャップ部55は、平面から見て非同心円形
状を有する外蓋31の凹部52に所定の空間を有して、内接
状に外形形状が形成される。また、キャップ部55の上面
形状は、蓋体31の上面形状とほぼ近似した三次元形状に
形成される。このキャップ部55に、図示しないが金属製
の飾り部を施してもよい。また、キャップ部55の外形形
状は平面が異形状を有しており、三次元曲面のRの中心
が蒸気口51のセンターに一致しない場合に、外蓋31の上
面形状とキャップ部55の上面形状がほぼ近似的に合致す
るように、凹部52への装着に対し水平回転方向に方向性
のある形状を有している。蒸気口51の内部には、鍋5の
内部から炊飯時に発生する蒸気を蒸気口51内に導く蒸気
筒57が設けられている。そして、蒸気筒57の上端部から
侵入した蒸気で、キャップ部55に設けた可動する蒸気弁
71が動作して調圧し、適正に炊飯時の内圧を調節する構
成となっている。蒸気口ケース56の下端部には、蒸気筒
57に連なる係合突起72が設けてあり、凹部52の内底部に
備えたシリコーンゴム製の弾性部材からなる蒸気口パッ
キン54に係合突起72を係合し、蓋体31に蒸気口51を装着
する構成になっている。なお、73はコード状の蓋ヒータ
43の上面を覆うアルミ箔、74は蓋下面板33に設けた開口
で、この開口74より蒸気筒57の下端が鍋7の上部開口部
に直接対向した構成となっている。また、蒸気口51内部
の蒸気は、蒸気弁71とキャップ部55の間に形成した蒸気
出口58から外部に放出されるようになっている。
【0072】上記構成では、蒸気口ケース56は蓋体31の
凹部52に対して水平方向に方向性の無い形状になってお
り、また蒸気口キャップたるキャップ部55は、凹部52に
対して水平方向に方向性のある形状となっている。これ
により、キャップ部55に対して蒸気口ケース56を方向性
がある状態で装着する方式にした場合でも、また方向性
無くキャップ部55に蒸気口ケース56を装着する場合で
も、蒸気口ケース56の回転方向の位置に関係なく、蒸気
口ケース56を蓋体31の凹部52に装着することが可能にな
る。また、蓋体31の上面とキャップ部55の上面とを近似
させて装着するために、キャップ部55と凹部52に方向性
を設けることで対応でき、蓋体31のデザインに関係な
く、デザイン性を損なわずに蒸気口51の装着性を良好に
することができ、使用性の悪化を防止できる。
【0073】また、キャップ部55に対して蒸気口ケース
56を回転嵌合脱着可能に構成することで、極めて簡単に
キャップ部55と蒸気口ケース56とを分解,組立すること
が可能になり、内部の清掃がしやすくなって使用性が向
上する。
【0074】さらに、キャップ部55の上面は、蓋体31の
上面とほぼ相似した三次元形状の面を有しており、蓋体
31の外面と一体感のあるデザイン性豊かな外観を得るこ
とができる。
【0075】ところで、内蓋の温度を検出するために、
蓋下面板から弾性的に可動する感熱部を突出させて、内
蓋を蓋下面板に装着したときに、内蓋が感熱部に接触す
る構成にしたものが知られている。しかし、こうした構
造は、外観性,防水性,組立性の点で、各種の問題があ
る。
【0076】蓋下面板をプラスチックやアルミダイキャ
ストで形成した場合は、蓋体の内部に蓋温度センサ固定
用の螺子ボスなどの取付け部が容易に形成できる。した
がって、蓋下面板の表面に螺子などが露出せず、外観性
がよい。しかし、金属製の板部材をプレスして所定の蓋
下面板を形成する場合、螺子やリベットなどを露出させ
ずに蓋温度センサを固定するには構造が複雑となり、組
立性が悪化する。また、蓋温度センサの取付け部には、
隙間ができるため、この隙間から蓋体の内部に水が浸入
しないように、シールパッキンを設ける必要があり、さ
らに組立性が悪化する。炊飯時や保温時に内蓋を加熱す
るに当たり、耐熱性,熱伝導性,熱輻射性を考慮する
と、蓋下面板は金属製が好ましく、これらの問題を回避
できない状況にある。
【0077】そこで、本実施例では、蓋下面板を金属製
にした場合であっても、内蓋温度検出用の温度センサを
蓋下面板に簡便かつ外観性よく取付けることができ、し
かも構造を合理的に簡素化し、組立性を改良できる炊飯
器を提供することを、他の目的としている。
【0078】具体的な第3の変形例を図9および図10
に示す。この変形例では、蓋下面板33の裏面側に、感熱
部を内蓋35の上面に当接した温度センサたる蓋温度セン
サ60が設けられている。また、炊飯時と保温時に蓋ヒー
タ43により加熱される蓋下面板33は、この蓋ヒータ43の
加熱に耐えるアルミニウムやステンレスなどの金属材料
を選定する。蓋下面板33の下側に装着される内蓋35は、
アルミニウム,ステンレス,チタンなどの金属材料から
構成される。なお、蒸気の通路以外の場所では、内蓋35
に孔はなく、こうした孔からの蒸気の侵入で蓋下面板33
の表面(蓋体下面31A)が炊飯中に汚れない構成になっ
ている。また、蓋温度センサ60が行なう内蓋35の温度検
出は、炊飯時に蒸気の発生を検出して加熱量を調節する
場合や、保温中に内蓋35への露付きを抑制するのに必要
で、この温度情報に基づき蓋ヒータ43が内蓋35を加熱す
る構成になっている。
【0079】蓋温度センサ60の温度検出素子81は、温度
の上昇に伴ない抵抗値が低下する負特性サーミスタから
なる。この温度検出素子81には、外被付きのリード線82
が接続される。また、絶縁ケース83は、PETや6P
A,PPSなどの耐熱性に優れたプラスチックで形成さ
れる。絶縁ケース83の内部に前記温度検出素子81とリー
ド線82の下端部を入れ、シリコーンゴムなどの充填材か
らなる防水シール部材84を絶縁ケース83内に充填して硬
化させることで、内部への水の侵入を防止するととも
に、リード線82の抜け止めを行なっている。絶縁ケース
83の外側には、アルミニウムやステンレスなどの金属製
の感熱ケース85が設けられる。この有底筒状の感熱ケー
ス85は必須のものではなく、絶縁ケース83の材料を耐水
性,耐蒸気性などに優れた材料とし、絶縁ケース83にて
外装を兼用してもよい。この場合、感熱ケース85は不要
になり、構造を簡素化できる利点がある。以上が感熱ケ
ース85の内部構造である。
【0080】一方、蓋体31の内部に位置して設けられる
外装ケース86は、PPやPETあるいはPBTなどのプ
ラスチック製のケース87が基材となっている。ケースの
下側に形成した孔87Aには、シリコーンゴムや弗素ゴム
などのゴム弾性を有する弾性ゴムブッシュ88が嵌合装着
される。この弾性ゴムブッシュ88には、外装ケース86の
内部に感熱ケース85との隙間を密封する防水舌部89が、
感熱ケース85の上部に形成したフランジ部85Aに当接し
て設けられている。防水下部89は、感熱ケース85が上下
方向に移動しても密封性が維持できるように、断面がく
の字状に形成される。また、外装ケース86の外部下側に
は、蓋下面板33に設けられた所定形状の孔90に嵌合して
装着される取付段部91が形成される。前記蓋下面板33の
孔90は、端部がカール状に形成されており、この孔90の
縁に嵌合する弾性ゴムブッシュ89の凹部が、蓋下面板33
への取付け部すなわち取付段部91となり、かつ、この弾
性ゴムブッシュ88にて孔90の縁との隙間を密封する構造
となっており、同時にケースすなわち外装ケース86との
シールがなされる構成になっている。外装ケース86の内
部には、感熱ケース85を下方に押し出す方向に付勢する
弾性部材たるスプリング92が内装されている。このスプ
リング92は、外装ケース86の外郭に係止される金属製の
固定板93と、感熱ケース85のフランジ部85Aとの間に指
示される構成になっている。これにより、内蓋35を蓋下
面板33に装着したときに、内蓋35が蓋温度センサ60下部
の感熱部に接触するようになっている。以上が外装ケー
ス86側の構造である。
【0081】以上のように、蓋下面板33から内蓋35側に
突出させて弾性移動可能な蓋温度センサ60を設けるに当
たり、蓋温度センサ60の外装ケース86に備えた弾性ゴム
ブッシュ88の凹部(取付段部91)に嵌合する形状の所定
形状の孔90を、蓋下面板33に設けてあるので、蓋下面板
33の孔90に蓋温度センサ60の弾性ゴムブッシュ88を押し
込むだけで、蓋下面板33に蓋温度センサ60を取付けるこ
とが可能になる。したがって、金属製の板部材を蓋下面
板33として使用した場合でも、螺子やリベットなどの固
定部材を露出させずに固定することができ、外観性の悪
化を防止できる。また、蓋温度センサ60の装着は孔90に
押し込むだけの極めて簡単な作業でよく、組立性もよ
い。さらに、蓋下面板33の孔90への装着は、この孔90に
嵌合する弾性ゴム部材すなわち弾性ゴムブッシュ88によ
り行なうので、孔90の寸法が多少相違しても弾性変形し
て対応可能となる。よって、蓋下面板33の材厚がt0.3
〜t0.7といった具合に変化し、多少孔90に形成したカ
ール寸法が代わっても問題の無いものにできる。さらに
は、孔90と弾性ゴムブッシュ88との隙間が密閉されるこ
とで、使用中に水や蒸気が蓋体31の内部に浸入する問題
を防止できる。こうして、単一の部品(弾性ゴムブッシ
ュ88)で、蓋温度センサ60の装着とシールの2つの機能
を達成することができる。
【0082】また、弾性ゴムブッシュ88は、感熱ケース
85と外装ケース86間の密封を行なう部材も兼用するの
で、蓋温度センサ60の装着と、外装ケース86と蓋下面板
33のシールと、感熱ケース85と外装ケース86のシールの
3機能を達成することができる。よって、極めて合理的
な構造となり、構造の簡素化が図れる。また、万一蓋温
度センサ60の内部に水が浸入した場合でも、温度検出素
子81は絶縁ケース83の内部に充填された防水シール部材
84で防水されるので、温度検出素子81が水に触れて故障
するといった虞れが防止できる。また、この防水シール
部材84は、リード線82の先端部をも充填して、リード線
82の固定も兼ねており、この点でも構造の簡素化が図ら
れる。また、感熱ケース85を合成樹脂で形成すれば、金
属ケースは不要となり、温度検出素子81との絶縁も容易
となるので、さらに構造の簡素化を図ることができる。
【0083】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能である。
【0084】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の炊飯器は、鍋の
中の被炊飯物を所定温度に保温するに当たり、前記鍋の
底部または前記鍋の底部と側面下部とを加熱する加熱手
段にて、炊飯と保温の加熱源を兼用し、保温時は、前記
加熱源の上方に位置する前記鍋の内側面が、前記鍋内の
被炊飯物の層中の温度よりも一時的に高温になるように
加熱する構成としたものであり、簡単な構成により炊飯
と保温を行なえるようにし、しかも、保温中の鍋内周囲
の被炊飯物が、露によりベチャ付く現象を改善して、保
温性を向上できる。
【0085】本発明の請求項2記載の炊飯器は、鍋の中
の被炊飯物を所定温度に保温するに当たり、前記鍋の底
部または前記鍋の底部と側面下部とを加熱する加熱手段
にて、炊飯と保温の加熱源を兼用し、保温時は、保温す
る前記被炊飯物の量が、前記鍋の最大保温量の約1/3
以下のときに、前記加熱源の上方に位置する前記鍋の内
側面が、前記鍋内の被炊飯物の層中の温度よりも一時的
に高温になるように加熱する構成としたものであり、簡
単な構成により炊飯と保温を行なえるようにし、しか
も、保温中の鍋内周囲の被炊飯物が、露によりベチャ付
く現象を改善して、保温性を向上できる。また、実用状
態を考慮した最適な鍋への加熱により、保温性の向上を
図ることができるとともに、鍋の内側面への結露を効果
的に抑制することができる。さらに、保温量が多い場合
は、省エネルギー性を考慮した保温加熱を行なうことが
できる。
【0086】本発明の請求項3記載の炊飯器は、鍋の中
の被炊飯物を所定温度に保温するに当たり、前記鍋の底
部または前記鍋の底部と側面下部とを加熱する加熱手段
にて、炊飯と保温の加熱源を兼用し、保温加熱は、所定
の断続的な加熱で行ない、加熱時における加熱時間を、
前記加熱源の上方に位置する前記鍋の内側面が、前記鍋
内の被炊飯物の層中の温度よりも高くなる時間としたも
のであり、簡単な構成により炊飯と保温を行なえるよう
にし、しかも、保温中の鍋内周囲の被炊飯物が、露によ
りベチャ付く現象を改善して、保温性を向上できる。ま
た、鍋の内側面への熱供給が少なくならないようにする
ことができる。
【0087】本発明の請求項4記載の炊飯器は、鍋の中
の被炊飯物を所定温度に保温するに当たり、前記鍋の底
部または前記鍋の底部と側面下部とを加熱する加熱手段
にて、炊飯と保温の加熱源を兼用し、保温時は、前記加
熱源の上方に位置する前記鍋の内側面が、前記被炊飯物
の層中の温度よりも一時的に高温になるように加熱する
とともに、前記被炊飯物上面に対向する蓋体の下面を、
該被炊飯物の上層の温度よりも一時的に高温になるよう
に加熱する構成としたものであり、簡単な構成により炊
飯と保温を行なえるようにし、しかも、保温中の鍋内周
囲の被炊飯物が、露によりベチャ付く現象を改善して、
保温性を向上できる。また、蓋体下面の加熱過多を防止
して、早期に被炊飯物の上面が黄ばんだり、乾燥が進む
といった問題点を防止できる。さらに、長時間保温時に
おいて、保温性を良好に維持できる。
【0088】本発明の請求項5記載の炊飯器は、前記請
求項1〜4のいずれか一つの構成に加えて、前記加熱手
段は前記鍋を電磁誘導加熱するものであることを特徴と
し、この場合はさらに、鍋が自己発熱する電磁誘導加熱
式の炊飯器でも、鍋の外周囲空間の冷えを防止すること
が可能になる。また、良好な炊飯および保温を行なうこ
とが可能となる。
【0089】本発明の請求項6記載の炊飯器は、前記請
求項1〜4のいずれか一つの構成に加えて、前記加熱源
の上方に位置する前記鍋の内側面の位置は、前記鍋の中
に収容した被炊飯物の上面の近傍の被炊飯物が無い該鍋
の内面であることを特徴とし、この場合はさらに、保温
性を確実に向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の全体断面図で
ある。
【図2】同上電気的構成を示すブロック図である。
【図3】同上保温時における動作手順を示すフローチャ
ートである。
【図4】同上保温時における各部の温度特性と、加熱コ
イルの通断電タイミングを示すグラフである。
【図5】第1の変形例を示す炊飯器の正面図である。
【図6】同上操作パネルの断面図である。
【図7】同上鍋の断面図である。
【図8】第2の変形例を示す蒸気口周辺の平面図と断面
図である。
【図9】第3の変形例を示す蓋温度センサ周辺の断面図
である。
【図10】同上蓋温度センサの断面図である。
【符号の説明】
5 鍋 5A 内側面 12 加熱コイル(加熱手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諸田 博 新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝 ホームテクノ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋の中の被炊飯物を所定温度に保温する
    に当たり、前記鍋の底部または前記鍋の底部と側面下部
    とを加熱する加熱手段にて、炊飯と保温の加熱源を兼用
    し、保温時は、前記加熱源の上方に位置する前記鍋の内
    側面が、前記鍋内の被炊飯物の層中の温度よりも一時的
    に高温になるように加熱する構成としたことを特徴とす
    る炊飯器。
  2. 【請求項2】 鍋の中の被炊飯物を所定温度に保温する
    に当たり、前記鍋の底部または前記鍋の底部と側面下部
    とを加熱する加熱手段にて、炊飯と保温の加熱源を兼用
    し、保温時は、保温する前記被炊飯物の量が、前記鍋の
    最大保温量の約1/3以下のときに、前記加熱源の上方
    に位置する前記鍋の内側面が、前記鍋内の被炊飯物の層
    中の温度よりも一時的に高温になるように加熱する構成
    としたことを特徴とする炊飯器。
  3. 【請求項3】 鍋の中の被炊飯物を所定温度に保温する
    に当たり、前記鍋の底部または前記鍋の底部と側面下部
    とを加熱する加熱手段にて、炊飯と保温の加熱源を兼用
    し、保温加熱は、所定の断続的な加熱で行ない、加熱時
    における加熱時間を、前記加熱源の上方に位置する前記
    鍋の内側面が、前記鍋内の被炊飯物の層中の温度よりも
    高くなる時間としたことを特徴とする炊飯器。
  4. 【請求項4】 鍋の中の被炊飯物を所定温度に保温する
    に当たり、前記鍋の底部または前記鍋の底部と側面下部
    とを加熱する加熱手段にて、炊飯と保温の加熱源を兼用
    し、保温時は、前記加熱源の上方に位置する前記鍋の内
    側面が、前記被炊飯物の層中の温度よりも一時的に高温
    になるように加熱するとともに、前記被炊飯物上面に対
    向する蓋体の下面を、該被炊飯物の上層の温度よりも一
    時的に高温になるように加熱する構成としたことを特徴
    とする炊飯器。
  5. 【請求項5】 前記加熱手段は前記鍋を電磁誘導加熱す
    るものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一つに記載の炊飯器。
  6. 【請求項6】 前記加熱源の上方に位置する前記鍋の内
    側面の位置は、前記鍋の中に収容した被炊飯物の上面の
    近傍の被炊飯物が無い該鍋の内面であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか一つに記載の炊飯器。
JP12371198A 1998-05-06 1998-05-06 炊飯器 Pending JPH11313763A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009233229A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 炊飯器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009233229A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 炊飯器

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