JPH11313033A - 光波長多重システム - Google Patents

光波長多重システム

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JPH11313033A
JPH11313033A JP11049061A JP4906199A JPH11313033A JP H11313033 A JPH11313033 A JP H11313033A JP 11049061 A JP11049061 A JP 11049061A JP 4906199 A JP4906199 A JP 4906199A JP H11313033 A JPH11313033 A JP H11313033A
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JP
Japan
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optical
signal
wavelength
input
optical signal
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JP11049061A
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English (en)
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Kazuhisa Takatsu
和央 高津
Yoshinori Tochigi
義則 都知木
Kimio Kamikama
貴美男 上釜
Takeshi Sakamoto
剛 坂本
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長(チャネル)の増設・撤去をオンラインで
実施(インサービスで実施)するための光サービスチャ
ネル提供をする。 【解決手段】波長の異なる複数の光信号を波長多重する
手段と、複数のタイムスロットからなるフレーム信号の
所定のタイムスロットに波長多重する光信号の増減に関
する情報を載せ、監視制御用フレーム信号を出力する手
段と、該光信号の波長とは異なる波長の光信号で該監視
制御用光信号を送信する手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長の異なる複数
の光信号を波長多重(WDM: Wavelength-DivisionMultipl
exing) し、光ファイバ伝送路を介して伝送する波長多
重光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】将来のマルチメディアネットワークを構
築するため、さらなる大容量の光通信システムが要求さ
れている。インターネット、広帯域ISDN (B-ISDN) 等が
本格的に普及し、動画像通信等を楽しむ目的で、数Mb/s
の情報を各家庭で扱うようになると、幹線系の伝送容量
は電話網(64kb/s)をベースとした現状の通信容量よりも
2桁大きいテラビット(Tb/s = 1,000 Gb/s) クラスが必
要になると考えられる。このため、国内外の研究機関で
は、超大容量化を実現する多重化方式として、時分割伝
送方式(TDM: Time-Division Multiplexing) 、光領域で
の時分割多重伝送方式(OTDM: Optical Time-Division M
ultiplexing) 、波長多重伝送方式(WDM:Wavelength-Di
vision Multiplexing) 等の研究が盛んに行なわれてい
る。
【0003】このうちWDM 伝送方式は、光信号を光レベ
ルで増幅するエルビウムドープ光ファイバアンプ(EDFA:
Erbium-Doped Fiber Amplifier)の広い利得帯域を活用
し、光レベルでのクロスコネクトや分岐・挿入(Add/Dro
p)を行う、柔軟な、いわゆる光波ネットワークの実現手
段としても期待されている。このようなWDM 伝送方式の
研究開発の進展に伴い、光ファイバアンプは、既に実用
化されている EDFA を基本として波長多重用光ファイバ
アンプへと展開するための研究が活発に進められてい
る。波長多重光通信システムのキーコンポーネントであ
る波長多重用光ファイバアンプは、一般的には、エルビ
ウムイオン(Er3+) 等の希土類イオンをドープした単一
モード光ファイバを用いて、波長多重された多波長の光
信号を一括して増幅する光ファイバ増幅器のことを指
す。最も一般的なエルビウムドープ光ファイバ増幅器
は、1530nm から 1565nm までの 35nm 程度で4THz以上
の広い利得帯域がある。この利得帯域内に数十から百波
程度の波長の異なる信号光を波長多重して一括増幅が行
なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】波長多重光通信システ
ムにおいて、キーコンポーネントの一つである波長多重
用光ファイバアンプには、波長多重された波長の異なる
複数の光信号を一括して増幅するために、以下のような
課題がある。
【0005】(1)多波長信号を増幅するための広帯域
特性、(2)広い入力ダイナミックレンジにおける利得
の波長に対する平坦性、(3)各チャネルの光出力の制
御性、(4)分散補償器の損失補償、(5)入力チャネ
ル数変動に対する光出力制御。
【0006】また、光ファイバアンプの基本的な特性と
して、(6)低雑音特性、(7)高出力特性(または、
励起光パワーが信号光パワーへ変換される際の高効率特
性)。
【0007】この中で、(2)の課題は波長多重用ED
FAを、光増幅中継器(インラインアンプ)として用い
る場合に重要となる。広いダイナミックレンジがあれ
ば、中継区間の損失が異なる場合にも、同一の光ファイ
バアンプで対応できる。
【0008】(3)の課題は、波長多重された各チャネ
ル(各波長)は良好な品質を維持したまま受信端で受信
される必要があるが、このためには、光増幅中継器の各
チャネルの出力には、上限と下限を規定する必要があ
る。これは、光増幅中継器には、再生中継器の波形成
形、タイミング抽出といった機能がなく、雑音が累積さ
れるために生じる課題である。上限は、伝送路である単
一モード光ファイバ中で発生する自己位相変調(SPM: Se
lf-Phase Modulation)、相互位相変調(XPM: Cross-Phas
e Modulation) 、四光波混合(FWM: Four-Wave Mixing)
といった非線型効果によって信号波形が劣化しないよう
に規定される。下限は、光ファイバアンプから発生する
雑音光(ASE: Amplified Spontaneous Emission) による
信号対雑音比(SNR: Signal-to-Noise Ratio)の劣化を低
く抑えるように規定される。光ファイバアンプの出力に
おいて、各チャネル(各波長)の光出力がこの範囲に入
る必要がある。
【0009】(4)の課題は、伝送路が 1.3μm 零分散
単一モード光ファイバ(SMF: Single-Mode Optical Fibe
r)である場合、EDFAの増幅帯域に存在する 1.55 μm の
波長の光に対して、伝送路に 18ps/nm/km 程度の分散が
あるために、 10GHzといった高速の伝送速度の信号を伝
送すると波形が歪んでしまうという問題に起因する。こ
れを解決するためには、例えば各中継器毎で中継区間で
生ずる分散とちょうど逆の(負の)分散を伝送された信
号に与えて補償する方法がある。この場合には、分散補
償器の挿入損失も光ファイバアンプで補償することにな
る。
【0010】(5)の課題は、波長多重用光ファイバア
ンプを光レベルでのクロスコネクトや分岐挿入を行うい
わゆる光波ネットワークに適用する際に重要な課題とな
る。すなわち、光ファイバアンプに入力されているチャ
ネル数が運用中に変化することになるが、この際も各チ
ャネルの出力は所定値を保っている必要がある。
【0011】この(5)の課題を解決するためには、光
ファイバアンプを制御するための光サービスチャネルを
設け、このサービスチャネルを利用して、チャネル数の
変化に対応することが必要となる。本発明は、波長(チ
ャネル)の増設・撤去をオンラインで実施(インサービ
スで実施)するための光サービスチャネル提供をするこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、波長の異な
る複数の光信号を波長多重する手段と、複数のタイムス
ロットからなるフレーム信号の所定のタイムスロットに
波長多重する光信号の増減に関する情報を載せ、監視制
御用フレーム信号を出力する手段と、該光信号の波長と
は異なる波長の光信号で該監視制御用光信号を送信する
手段とを備えた波長多重伝送システムにより達成され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、光波長多重伝送システム
のシステム構成図である。図1のシステムでは、北米の
SONET伝送方式で規定されるビットレート10Gb
psの光信号フレームOC−192及びビットレート
2.4Gbpsの光信号フレームOC−48にそれぞれ
異なる波長(チャネル)を割り当て、最大32チャネル
まで波長多重して、一本の単一モード光ファイバSMF
を介して伝送する構成を示している。なお、各光信号は
同図の左(WEST側)から入力されて同図の右側(E
AST)へ伝送され、同図の右(EAST側)から入力
されて同図の左側(WEST)へ伝送されるものとして
説明する。
【0014】同図のWEST側にある10Gbps伝送
装置W1は、光信号送信部OSW1及び光信号受信部O
RW1を含む。光信号送信部OSW1は、波長λ1の光
波を、SONETのSTS−192フレームに従った1
0Gbpsの電気信号で変調し、OC−192光信号フ
レームに従った波長λ1の単一波長光信号(10Gbp
s)を出力する。この波長λ1の光信号を次段の波長多
重分離装置WMUXAの入力側に設けた光可変減衰器V
ATA1に出力する。また、光信号受信部ORW1は単
一モード光ファイバを介して伝送されたきたOC−19
2光信号フレームに従った波長λ1の単一波長光信号
(10Gbps)を前段の波長多重分離装置WMUXA
の出力側の光波長デマルチプレクサRWDAより受信
し、STS−192フレームに従った10Gbpsの電
気信号を再生する。同図のEAST側にある10Gbp
s伝送装置E1は、WEST側にある10Gbps伝送
装置Wと同一の構成であり、光信号受信部ORE1と光
信号送信部OSE1とを含む。光信号受信部ORE1
は、前段の波長多重分離装置WMUXBの出力側の光波
長デマルチプレクサRWDBより、OC−192光信号
フレームに従った波長λ1の単一波長光信号(10Gb
ps)を受信し、STS−192フレームに従った10
Gbpsの電気信号を再生する。光信号送信部OSE1
は、波長λ1の光波を、SONETのSTS−192フ
レームに従った10Gbpsの電気信号で変調し、OC
−192光信号フレームに従った波長λ1の単一波長光
信号(10Gbps)を,次段の波長多重分離装置WM
UXBの入力側に設けられた可変光減衰器VATB1に
出力する。
【0015】なお、可変光減衰器VATA、VATB
は、光信号送信部OSW、OSEに対して、1対1に設
ける必要はなく、複数の光信号送信部からの光信号を一
括して減衰することも可能である。
【0016】同じく、同図のWEST側にある2.4G
bps伝送装置Wnは、光信号送信部OSWn及び光信
号受信部ORWnを含む。光信号送信部OSWnは、波
長λnの光波を、SONETのSTS−48フレームに
従った2.4Gbpsの電気信号で変調し、OC−48
光信号フレームに従った波長λnの単一波長光信号
(2.4Gbps)を次段の波長多重分離装置WMUX
Aの入力側に設けた光可変減衰器VATAnに出力す
る。また、光信号受信部ORWnは単一モード光ファイ
バSMFを介して伝送されたきたOC−48光信号フレ
ームに従った波長λnの単一波長光信号(2.4Gbp
s)を前段の波長多重分離装置WMUXAの出力側の光
波長デマルチプレクサRWDAより受信し、STS−4
8フレームに従った2.4Gbpsの電気信号を再生す
る。同図のEAST側にある2.4Gbps伝送装置E
nは、WEST側にある2.4Gbps伝送装置Wnと
同一の構成であり、光信号受信部OREnと光信号送信
部OSEnとを含む。光信号受信部OREnは、前段の
波長多重分離装置WMUXBの出力側の光波長デマルチ
プレクサRWDBより、OC−48光信号フレームに従
った波長λnの単一波長光信号(2.4Gbps)を受
信し、STS−48フレームに従った2.4Gbpsの
電気信号を再生する。光信号送信部OSEnは、波長λ
nの光波を、SONETのSTS−48フレームに従っ
た2.4Gbpsの電気信号で変調し、OC−48光信
号フレームに従った波長λnの単一波長光信号(2.4
Gbps)を,次段の波長多重分離装置WMUXBの入
力側に設けられた可変光減衰器VATBnに出力する。
【0017】10Gbps伝送装置W1,E1及び2.
4Gbps伝送装置Wn,Enとも既存のSONET高
速光通信網を構成する光伝送装置であり、図1の光波長
多重伝送システムは、これら既存の光伝送装置の例えば
WEST側光伝送装置W1〜nからの光信号λ1〜nを
波長多重分離装置WMUXAで、最大32チャネル分受
信して、波長多重(合波)し、波長多重光信号(WDM
信号)を出力する。波長多重光信号は、既存の単一モー
ド光ファイバSMF1本に入力される。そして、単一モ
ード光ファイバSMFの損失を補償するために、Erド
ープ光ファイバを光増幅用ファイバとして含む波長多重
用光ファイバ増幅器を光中継器として用い、これら波長
多重光信号を一括して増幅し、対向する光波長マルチプ
レクサWMUXBに伝送する。光波長マルチプレクサW
MUXBは、受信した波長多重信号を各チャネル(波
長)毎の単一波長光信号λ1〜nに波長分離(分波)
し、EAST側光伝送装置E1〜nに伝送する。同図で
は、10Gbps伝送装置E1と2.4Gbps伝送装
置Enのみが図示されているが、波長多重伝送は、ビッ
トレートには依存しない伝送方式であり、600Mbp
s伝送装置(OC−12光信号フレームに従った光信号
を伝送する)等の他の異なる伝送速度(ビットレート)
の光信号に特定のチャネルを割り当てることもできる。
【0018】波長多重伝送するためには、各光伝送装置
の光伝送に用いられている波長は互いに異なる必要があ
る。しかしながら、既存の光伝送装置が、異なる波長の
光信号を出力するとは限らないので、波長多重分離装置
WMUXA及びWMUXBに光信号を入力する前に、ト
ランスポンダ(波長変換器)によって、波長多重伝送シ
ステムに都合の良い波長に波長変換されるものとする。
トランスポンダは同図には示されていないが、図1にお
いて、波長多重分離装置WMUXA及びBへの入力端及
び出力端に各チャネル毎に設けられるものとする。図1
では、各光伝送装置W1〜Wn及びE1〜Enから波長
多重分離装置WMUXA及びWMUXBへの入力光波長
は既存のシステム毎に異なる波長λ1〜λnとなるよう
に示している。
【0019】各既存の単一波長光伝送装置W1〜Wn及
びE1〜Enから波長多重分離装置WMUXA,WMU
XBに入力された波長λ1〜λnの光信号は、それぞれ
の各波長(チャネル)の光信号毎に設けられる光可変ア
ッテネータ(VATA1〜n,及びVATB1〜n)に
入力される。光可変アッテネータVATに入力する各既
存光伝送装置からの光信号は伝送されてくる環境が各光
信号毎に異なるので、光パワーのレベルが様々に異なっ
ている。従って、各チャネル毎に光可変アッテネータを
設けて、各光信号の光波長マルチプレクサTWMA及び
TWMBへの入力レベルを調節して、各光信号が波長多
重伝送システムを伝播する場合に、波長(チャネル)毎
のレベル差が生じないようにする。光可変アッテネータ
によって光パワーレベルが調整された光信号は、光波長
マルチプレクサ(TWMA,TWMB)に入力されて、
波長多重され光波長多重信号(WDM)として出力され
る。次に、光波長多重信号は光ポストアンプ(TWA
A,TWAB)に入力され、増幅されて出力される。光
ポストアンプ(TWAA,TWAB)は、波長多重用光
増幅器であって、光増幅用のErドープファイバと、こ
のErドープファイバに光増幅するためのエネルギーを
供給するために通常使用する励起光源とを有する。さら
に、チャネル(波長)数の増加に応じて、増設用励起光
源ユニットBSTA,BSTBが増設可能に構成されて
いる。Erドープファイバに励起光を供給して、入力さ
れた各チャネルの光信号をそれぞれ所定の利得で増幅し
ようとすると、チャネル数に比例して励起光パワーを増
加させる必要がある。従って、チャネル数の増加によ
り、通常使用する励起光源によって供給できる励起光パ
ワーが不足し、所定の利得で増幅できない状況になった
場合は、増設用励起光源ユニットBSTA,BSTBを
増設して励起光パワーを増加させる。
【0020】光ポストアンプTWAA,TWABで増幅
された光波長多重信号は一部が分岐されて、光スペクト
ルアナライザ(SAUA,SAUB)に入力される。光
スペクトルアナライザSAUA,SAUBでは、増幅さ
れた後の光波長多重信号に含まれる各チャネルの光信号
のパワーレベルを検出し、適正な値になっているか否か
を判断する。そして、この判断結果を各チャネルの入力
毎に設けられる光可変減衰器VATA1〜n,VATB
1〜nにフィードバックし、光プリアンプTWAA,T
WABの出力が適正になるように各光可変減衰器の光減
衰量を調整し、各チャネル毎の光信号のレベル調整を行
う。
【0021】光波長多重分離装置WMUXA,WMUX
Bの内部に示されている管理装置MCAユニットとHU
BAは、LSI等からなる監視装置であり、SAU1の
検出結果の処理やアラーム信号などの処理を行う。詳細
は後述する。
【0022】光中継器1〜3は、光インラインアンプL
WAW1〜LWAW3及びLWAE1〜LWAE3を含
み、単一モード光ファイバを伝搬することによって減衰
した光波長多重信号を増幅する中継局の役割をする。各
光中継器1〜3には、光インラインアンプLWAW1〜
LWAW3及びLWAE1〜LWAE3に加え、増設用
励起光源ユニットBSTW1〜BSTW3及びBSTE
1〜BSTE2が設けられると共に、これらの監視装置
であるHUB1〜3とMCユニット1〜3が内蔵され
る。同図では、3つの光中継器が示されているが、これ
は光中継器が3つに限られるというわけではなく、伝送
距離に応じて必要数だけ設けられるべきものである。
【0023】光中継器3又は光中継器1から出力された
波長多重光は、波長多重分離装置B又は波長多重分離装
置Aに設けられた光プリアンプRWAB又はRWAAに
入力され、増幅される。光プリアンプRWAB及びRW
AAも、他の光ポストアンプ、光インラインアンプと同
じく波長多重用光増幅器であり、Erドープファイバと
このErドープファイバに励起光パワーを供給する励起
光源とを含む。波長多重分離装置B,Aには、増設用励
起光源ユニットBSTB,BSTAが設けられ、チャネ
ル数の増加により不足する励起光パワーを光プリアンプ
RWAB,RWAAに供給可能に構成されている。光プ
リアンプRWAB,RWAAは、増幅した光波長多重信
号を光波長デマルチプレクサ(RWDB,RWDA)に
入力され、各波長の光信号に波長分離(分波)される。
波長分離された各チャネルの各光信号はトランスポンダ
によって、その後に入力される既存の光伝送装置10G
bps伝送装置E1,W1及び2.4Gbps伝送装置
En,Wnで受信できる光波長に変換される。同図では
波長λ1の10Gbps光信号が光伝送装置E1の光信
号受信部ORE1及び光伝送装置W1の光信号受信部O
RW1に入力され、波長λnの2.4Gbps光信号が
光伝送装置Enの光信号受信部OREn及び光伝送装置
Wnの光信号受信部ORWnに入力されている。つま
り、一方(WEST側)の10Gbps伝送装置W1か
ら光波長多重システムに入力された光信号は、他方(E
AST側)の10Gbps伝送装置E1に伝送され、一
方(WEST側)の2.4Gbps伝送装置Wnから光
波長多重システムに入力された光信号は、他方(EAS
T側)の2.4Gbps伝送装置Enに伝送される。
【0024】同図では、10Gbps光伝送装置W1,
E1及び2.4Gbps光伝送装置Wn,Enが鍵型を
しており、下側の光波長多重システム(b)(上側の光
波長多重システム(a)と同様の構成)のEAST側及
びWEST側にそれぞれ対応する光信号送信部OSE
1’,OSEn’とOSW1’,OSWn’及び光信号
受信部ORE1’,OREn’とORW1’,ORW
n’が設けられている。これは、光波長多重システム
(a)と(b)とでループ状(リング状)のトポロジー
を持つネットワーク、即ち、SONETリングネットワ
ークを構成することを念頭に置いているからである。従
って、下側の光波長多重システム(b)においては、図
中、左側がEAST側、右側がWEST側となり、光信
号がループ状に伝送されるように構成される。なお、光
波長多重システムは、必ずしもループ状である必要はな
く、直線的なネットワークにも適用が可能である。
【0025】次に、図1の光波長多重伝送システムにお
いて、λ1〜λnの各チャネルにより伝送される光信号
のフォーマットであるSONET(Synchrono
usOptical Network)伝送方式で扱わ
れる伝送フレームについて説明する。図2は、SONE
Tで扱われる基本伝送フレームSTS−1のフレームフ
ォーマットを示す。このSTS−1には、フレーム同期
信号やパリティチェック信号などのさまざまな保守運用
(監視制御)情報が格納される9×3バイトのオーバヘ
ッド10と実際の通信データが格納される9×87バイ
トのペイロード20との計9×90バイトの情報を有し
ており、SONETでは、この90×9バイト(=81
0バイト)のフレームが毎秒8000回送信されること
により、90×9×8×8000=51.84Mbps
の伝送速度を持つ信号[STS−1(Synchron
ous Transport Signal Leve
l 1)]が構成されている。なお、SONET伝送方
式は、ITU−Tで規定される国際標準SDH(Syn
chronous Digital Hierarch
y)に準拠した北米の同期多重伝送方式の標準である。
SDH伝送方式では、STS−1に対応するフレームを
STM−0(Synchronous Tranfer
Module Level0)と呼んでいる。
【0026】また上記のオーバーヘッド10には、図3
に示すように、端局多重中継伝送装置(LTE)と分岐
挿入多重化装置(ADM)間もしくは、分岐挿入多重化
装置(ADM)間での通信の際にLTE及びADMにお
いて終端されて内容が付け替えられるセクションオーバ
ヘッド(SOH11)とLTE間での通信の際に各LT
Eにおいて終端されて付け替えが行なわれるラインオー
バヘッド(LOH12)とが用意されている。なお、S
DHでは、セクションオーバヘッドを中継セクションオ
ーバヘッド(R−SOH)と呼び、ラインオーバヘッド
を多重化セクションオーバヘッド(M−SOH)と呼ば
れ、R−SOHとM−SOHはまとめてセクションオー
バヘッド(SOH)と呼ばれる場合もある。
【0027】そして、このオーバヘッド10には、さま
ざまな保守運用情報が用意されており、例えば図4に示
すように、SOH11には、フレーム同期確立用のA
1,A2バイトやセクション11A上での伝送誤り監視
[BIP(Bit Interleaved Pari
ty)]バイトB1、セクション11Aでの監視制御用
の通信を行なうためのデータ通信チャネル(DCC)用
バイトD1〜D3(192kbpsのデータリンク)な
どが定義されており、LOH12には、ライン12A上
でのBIPバイトB2やAPS(Automatic
Protection Switch)バイトK1,K
2、ライン12A上でのDCC用バイトD4〜D12
(576kbpsのデータリンク)などが定義されてい
る。なお、図2,図4において、ポインタ・バイト[A
U(AdministrativeUnit)ポイン
タ]13は、伝送フレームの位相とペイロード20に格
納される管理データユニット(VT:Virtual
Tributary Unit)のフレーム位相との差
をアドレスで示すためのもので、このポインタバイト1
3により、VTのフレーム同期を高速に確立することが
できるようになっている。
【0028】そして、SONETでは、このようなフレ
ーム構造を有する基本伝送フレーム(STS−1)をn
フレーム分(ただし、n=3,12,48,192な
ど)バイト単位に時分割多重化(バイト多重)すること
により、図5に示すように、STS−nフレームが構成
される。例えば、STS−1フレームを3フレーム分バ
イト多重すれば、STS−3(51.84Mbps×3
=155.52Mbps)、12フレーム分バイト多重
すれば、STS−12(622.08Mbps)、48
フレーム分バイト多重すればSTS−48(2.488
Gbps)、192フレーム分バイト多重すればSTS
−192(9.953Gbps)という高速信号が形成
される。なお、SDHでは、STM−N(N=n/3)
がそれぞれこれらSTS−nと同等の伝送速度をもった
信号に相当する。
【0029】ここで、図1において説明したSTS−1
92(光信号フレームではOC−192)を例にとる
と、そのフレーム構成は、図6に示すように、9×57
6(3×192)バイトのオーバヘッド10と、9×1
6,704(87×192)バイトのペイロード20と
で構成される。ただし、オーバヘッド10の各バイト
は、全てがバイト多重されるわけではなく、特別な信号
(A1,A2バイト、BIPバイトB2など)のはnバ
イト多重され、それ以外の制御信号は、多重化数に係わ
らず一定である。このため、現状では、オーバヘッド1
0のほとんどの部分は未使用領域となっている。
【0030】図1の光波長多重システムでは、上述のS
TS−192,48に対応する光信号フレームであるO
C−192,48(Optical Carrier−
Level 192,48)が最大32チャネル分波長
多重され、波長多重信号として一本の単一モード光ファ
イバで伝送される。
【0031】図1の光波長多重システムでは、光インラ
インアンプLWAW1〜W3,LWAE1〜E3からな
る光中継器1〜3が、単一モード光ファイバ伝送路SM
Fの途中に設けられている。光ポストアンプTWAA,
TWAB及び光プリアンプRWAB,RWAAを含め、
図1の光波長多重システムで用いられる光増幅器は、基
本的には、Erドープファイバの増幅帯域(利得帯域)
内の光信号を増幅する機能しか備えていない。しかしな
がら、これら光中継器1〜3は、ノードW,Eから離れ
た遠隔地の無人局に設置される場合が多く、何らかの方
法でこれら光中継器1〜3を監視する機能が必要であ
る。また、図1の光波長多重システムは、最大32波長
(チャネル)の光信号を波長多重して一本の単一モード
光ファイバSMFにより伝送することが可能であるが、
システム導入時は、例えば、4波長(チャネル)分の光
信号のみを伝送し、トラフィックの増大に合わせて、チ
ャネルを増設することがコスト的に考えて現実的であ
る。そして、チャネルの増設は、システムの運用を継続
したままで実施できることが望ましい。前述したよう
に、チャネルを増設する場合には、Erドープファイバ
に供給する励起光パワーが不足することが考えられ、チ
ャネルの増設に合わせて、増設用励起光光源BSTW1
〜3,BSTE1〜3及びBSTA,BSTBを段階的
に増設する必要があり、光中継器1〜3をチャネルの増
設に合わせて制御する機能が必要である。このため、図
1の光波長多重システムでは、光中継器1〜3の監視・
制御用の信号を伝送するための光サービスチャネルOS
Cを、Erドーフファイバの利得帯域(通常、約153
0nm〜約1560nmの光波長の範囲にある)外の波
長の光信号を用いて伝送するように構成している。
【0032】波長多重分離装置WMUA及びWMUXB
では、光プリアンプTWAA,TWABにより増幅され
た光波長多重信号(最大32チャネル分の光信号を含
む)に、光サービスチャネルインターフェースOSCI
A,OSCIBから出力される監視・制御用光信号をさ
らに波長多重して、単一モード光ファイバSMFに入力
する。各光中継器1〜3では、光インラインアンプLW
AW1〜3及びLWAE1〜3への入力で、監視・制御
光信号を分波し、光サービスチャネルインターフェース
OSCIW1〜3及びOSCIE1〜3に入力して、電
気信号に変換した後、HUB1〜3に監視・制御信号を
転送する。また、HUB1〜3から出力された監視・制
御信号は、光サービスチャネルインターフェースOSC
IW1〜3及びOSCIE1〜3にて、光信号に変換さ
れ、監視・制御光信号として、光インラインアンプLW
AW1〜3及びLWAE1〜3により増幅され出力され
る光波長多重信号とさらに波長多重される。光波長多重
分離装置WMUXB,WMUXAにおいては、光プリア
ンプRWAB,RWAAの入力で、監視・制御光信号を
分波し、光サービスチャネルインターフェースOSCI
B,OSCIAに入力して、電気信号に変換する。光波
長多重分離装置WMUXB,WMUXAのHUBB,H
UBAでは、電気信号に変換された監視・制御信号を解
析することによって、光中継器1〜3の監視及び制御が
可能となる。
【0033】図7は、図1の光波長多重伝送システムに
おけるチャネル配置(波長)の一例を示す表である。I
TU−T勧告草案Gmcsでは、Erドープファイバを
用いた光波長多重伝送システムにおける波長(チャネ
ル)配置として、図7に示すように、光波長1552.
52nmを基準波長とし、周波数100GHz(波長に
置き換えると約0.8nm)間隔のグリッド上にチャネ
ルを配置することとしている。図1の光波長多重システ
ムでは、この勧告草案に準拠し、4波長多重、8波長多
重、16波長多重そして32波長多重する場合に、各波
長(チャネル)を図7中の×印で示すグリッドに配置し
ている。そして、光サービスチャネルOSCをErドー
プファイバの利得帯域(増幅帯域)外の光波長1510
nmに設定している。もちろん、これらのチャネル配置
は、一例であるが、図7のチャネル配置に従うと、16
波長多重までは、Erドープファイバの利得帯域の半分
の帯域を利用して光波長多重伝送することが可能であ
り、Erドープファイバの利得帯域(1530nm〜1
560nm)全てを利用する場合に比べ、Erドープフ
ァイバを含む光増幅器に要求される広帯域特性が緩和さ
れる。
【0034】次に、光サービスチャネルOSCの伝送フ
ォーマットについて説明する。図1の光波長多重伝送シ
ステムでは、1.544MbpsのDS1フォーマット
をOSC用の伝送フォーマットとして用いる。図11
は,OSC伝送フォーマットを示す。図11に示すよう
に、OSC伝送フォーマットは、1〜24のサブフレー
ムSubで1フレームを構成する。各サブフレームの間
には、1ビットのフレーム同期ビットF1〜F24が配
置されており、これらF1〜F24からなる特定のビッ
トパターンを検出することにより、フレーム同期をと
り、1フレームの先頭ビットを識別する。1サブフレー
ムSubは、24個のタイムスロット(8bit)で構
成されており、各タイムスロット1〜24には、図12
に示す内容のバイト情報が挿入される。また、タイムス
ロット23のバイト情報は、マルチフレーム構成であ
り、図13に示すように、サブフレームSub1〜24
の各タイムスロット23のバイト情報8×24ビット
(24バイト)により1マルチフレームを構成してい
る。この1マルチフレーム中、バイト1〜8の内容は、
以下に示す通りである。 1)バイト1〜4(32ビット) WCR1〜4:Wavelength Channel
Rate 各チャネル(波長)の伝送レート(10Gbps又は
2.4Gbps)を1ビットで表示する。 2)バイト5〜8(32ビット) WCS1〜4:Wavelength Channel
Status 各チャネル(波長)が運用中(In−Service)
か空き(Out−Of−Service)かを示す1ビ
ットで表示する。 3)バイト9〜24 Reserve(予備バイト) これらのバイト情報の内、タイムスロット9〜10,1
3〜16,19〜24は、光増幅器の制御(特に、チャ
ネル増設・撤去に伴う制御)に必要な制御情報を含んで
おり、波長多重分離装置WMUXA,WMUXB,光中
継器1〜3に設けられたOSCインターフェースOSC
IA,OSCIB,OSCIW1〜OSCIW3におい
て終端される。他のバイト情報は、MCユニットにて終
端され、解析される。OSCインターフェースで終端さ
れる情報については、後述する。
【0035】なお、OSCの各バイト情報はCMI(Co
ded Mark Inversion)符号化されて伝達される。従っ
て、図11のDS1フレームのクロック速度は1.54
4×2Mbpsとなる。
【0036】図8は、図1における光伝送装置W1,波
長多重分離装置WMUXAの詳細構成を示す図である。
同図は、図1の光波長多重伝送システム(a)の上段
(WESTからEAST)及び下段(EASTからWE
ST)の構成を一体化して構成した図であり、1つのシ
ェルフを示している。光伝送装置W1の光信号送信部O
SW1は、狭帯域光送信器1−1を備えている。狭帯域
光送信器1−1は、半導体レーザLDからなる光源と、
半導体レーザLDから出力される直流光をビットレート
10GbpsのSTS−192信号で振幅変調する外部
光変調器Modとで構成されている。外部光変調器Mo
dとしては、LiNbO3 結晶を用いたマッハツェンダ
型光変調器を用いることができる。外部光変調器から出
力される光信号(OC−192相当)は、スペクトル幅
の狭い光信号である。OSW1から入力される光信号は
各入力光信号毎に設けられる可変アッテネータモジュー
ル(VATA1)に入力される。VATA1では、光カ
プラ2−5によって光信号の一部を分岐し、モニタ2−
2で受光する。モニタ2−2は、ノードW1の光伝送装
置W1の光信号送出部OSW1から出力されるOC−1
92信号の有無をモニタする。これは、電気信号に変換
され、光サービスチャネルインターフェースOSCIA
に入力される。
【0037】一方、光カプラ2−5で分岐されずに可変
光アッテネータ(VATA1)2−1に入力された光信
号は出力光パワーレベルが調整され、光マルチプレクサ
モジュールTWMAの光マルチプレクサ3−1に入力さ
れる。そして、他のチャネルに対して設けられている可
変光アッテネータモジュールVATA2〜VATAnか
ら入力される波長の異なる光信号と波長多重するために
光マルチプレクサモジュールTWMAに入力される。光
マルチプレクサモジュールTWMAは、光波長多重信号
を光ポストアンプモジュールTWAAに入力する。光ポ
ストアンプモジュールTWAAに入力された波長多重光
信号は、CPU4−1によって制御される前段光アンプ
4−4によって増幅され、分散補償ファイバモジュール
DCMT11の分散補償ファイバDCFに入力される。
分散補償ファイバは、光プリアンプTWAAと光インラ
インアンプLWAW1との間の単一モード光ファイバS
MFを伝搬することにより光波長多重信号の各チャネル
の光信号に付加される分散を補償するための適当な分散
値を有し、この分散値を各チャネルの光信号に与える。
各チャネルの光信号に、適当な分散値が与えられた光波
長多重信号は、後段光アンプ4−5によって再び増幅さ
れ、光カプラ4−6に入力される。光カプラ4−6で分
岐された一部の光波長多重信号は、光スペクトルアナラ
イザユニットSAUA5のスペクトルアナライザ5−2
に入力され、光プリアンプTWAAにより増幅された光
波長多重信号に含まれる各波長(チャネル)の光信号の
波長のずれやパワーレベル等が測定される。そして、そ
の結果はCPU5−1に入力される。CPU5−1は、
スペクトルアナライザ5−2により得られた光波長多重
信号のスペクトル測定の結果を処理し、VATA1のC
PU2−3に結果を通知する。CPU2−3は、この測
定結果に基づき可変アッテネータ(VATA1)2−1
の光減衰量を制御し、波長λ1の光信号のパワーレベル
を制御する。例えば、各チャネルの光信号の波長が、図
7に示したグリッドから所定値(例えば、0.05n
m)以上の波長ズレを検出した場合は、エラー発生と判
断し、可変光アッテネータ(VATA1)2−1の減衰
量を多くして、波長ズレが検出されたチャネルの光信号
を、見かけ上、信号断状態に設定し、光信号を転送され
ないようにする。
【0038】一方、OSCインターフェースOSCIA
2−4がモニタ2−2より受信した監視制御信号は、光
ポストアンプモジュールTWAAのOSCインターフェ
ースOSCIA4−3に通知される。OSCIA4−3
は、受信した監視制御信号から障害有無を検出する。例
えば、信号断発生が通知された場合には、可変アッテネ
ータ(VATA1)2−1の減衰量を最大にし、光信号
を光マルチプレクサTWMAに入力しないようにする。
一方、OSCインターフェースOSCIA2−4から、
監視制御信号を受け取ったOSCIA4−3はこれを電
気/光変換器EO4−2に送り、波長1510nmの監
視制御光信号に変換する。WDMカプラ4−7は、この
監視制御光信号を、光プリアンプTWAAから出力され
る増幅された光波長多重信号に合波して送出する。
【0039】OSCIA4−3で受信された監視制御信
号(OSC)の内、終端されないタイムスロット1〜
7,11,12,17,18の情報(オーダワイヤ信号
OWやデータコミュニケーションチャネルDCC等のシ
ステム運用者が通信する情報)は、ハブユニット(HU
BA)8のオーバヘッドシリアルインターフェースOH
S8−3に送られ、アラーム検出部ALM8−5でアラ
ーム検出が行われると共に、HUB8−2との間で処理
される。ここで、各モジュールのOSCIA2−4,4
−3及びOSCIB6−3,7−2とHUB8−2の間
は、例えば、ATMセルで通信が行われ、OSCIA4
−3,OSCIB6−3とOHS8−3との間は、シリ
アルデータで通信が行われる。OSCIA2−4,4−
3及びOSCIB6−3,7−2は、HUB8−2から
監視制御用ATMセルを受け取り、ATMセルのVCI
を解析し、その内容に応じて各ユニットを制御する。ま
た、各ユニットからの監視制御用信号を受け取りATM
セル化してHUB8−2へ出力する。HUB8−2は、
また、各OSCIの終端を行う。すなわち、各OSCI
から送られてくるATMセルの整合を取る。即ち、送信
されてくるATMセルのVCIを解析し、その内容に応
じてOHS8−3への出力と各OSCIへの出力を選択
して出力する。また、自ユニットの監視制御を行うモニ
タMON8−4とのインタフェースをする。アラームA
LM8−5は、各ユニットからのアラーム情報の終端及
び管理装置MCAユニットとのインタフェース信号のエ
ラー等の情報を監視する。モニタMON8−4は、HU
B8−2から出力されるMCAユニットからの制御情報
を基にATMセルから情報を抜き出し、制御を行う。ま
た、ユニット内で検出したアラーム情報などをATMセ
ル化しHUB8−2に出力する。
【0040】HUB8−2からは、各情報が、光/電気
変換器8−1を介して、光信号であるOC−3信号(1
50Mbps)を使って管理装置Management
Complex(MCAユニット)へ送信される。M
CAユニットでは、光/電気変換器(EO,OE)9−
3で信号の授受が行われ、パーソナルコンピュータイン
ターフェースPCI9−1で監視制御情報とオーバヘッ
ド情報とが分別される。オーバヘッド情報はOH−MT
RX9−2に送られ、オーバヘッドの処理が行われる。
監視制御情報は、コンソール端末としてのパーソナルコ
ンピュータに送られ終端される。MCAユニットは複数
のシェルフに共通に設けられ、例えば、最大6シェルフ
まで制御可能である。
【0041】一方、波長多重分離装置WMUXAの受信
側では、光中継局1から単一モード光ファイバSMFか
ら波長多重光信号を受信すると、光プリアンプモジュー
ル(RWAA)6のWDMカプラ6−6で監視制御光信
号(波長1510nm)を分波し、光/電気変換器6−
2で電気信号に変換してOSCインターフェースOSC
IB6−3で終端する。更に、OSCIB6−3は、O
HS8−3からオーバヘッドの情報を取得し、HUB8
−2とコミュニケーションを取ることによって、監視制
御情報やオーバヘッド情報に基づいてCPU6−1を介
して前段光アンプ6−4、後段光アンプ6−5を制御す
る。前段光アンプ6−4と後段光アンプ6−5の間に
は、分散補償のための分散補償モジュールDCMRが設
けられており、分散補償ファイバDCF中を受信した波
長多重光信号が伝搬することによって、光中継器1と波
長多重分離装置WMUXAとの間の単一モード光ファイ
バを伝送することによって各チャネルの光信号に付加さ
れた分散を補償するように構成されている。
【0042】光プリアンプRWAAによって増幅された
波長多重光信号は、光デマルチプレクサモジュールRW
DAの光デマルチプレクサ7−1によって各波長の光信
号に分離(分波)され、光伝送装置W1の光信号受信部
(ORW1)10の受光器であるPINフォトダイオー
ド(PINPD)10−1で受光され、10Gbpsの
STS−192信号に光電気変換される。
【0043】図9は、光中継器1の構成を示す図であ
る。単一モード光ファイバSMFからの波長多重光信号
は、同図の中継局のシェルフにOPT−IN1〜4のい
ずれかから入力し、対応するボード31に配置された光
インラインアンプモジュール(LWAW1)31に入力
する。最初に、WDMカプラ31−7で監視制御光信号
が分離(分波)され、光/電気変換器31−3で電気信
号に変換され、OSCインターフェース(OSCIW
1)31−6に入力される。OSCIW1は、この監視
制御信号の内、前述したように、光増幅器の制御に必要
な制御情報を含むタイムスロット8〜10,13〜1
6,19〜24を終端し、その他の情報をOHS32−
3へ送信する。また、終端した情報は、HUB32−2
へ送信する。HUB1モジュール及び管理装置MCの動
作は、図8と同様である。
【0044】監視制御信号を受け取ったOSCIW1
(31−6)では、HUB2ユニット32との間のコミ
ュニケーションにより情報を処理し、その結果に基づい
て、CPU31ー5に制御信号を出して、前段アンプ3
1−1、後段アンプ31−2の増幅率などを制御する。
WDMカプラ31−7で分岐されなかった波長多重光信
号は、CPU31−5で制御される前段光アンプ31−
1で増幅され、分散補償モジュールDCMで分散補償を
受け、同じくCPU31−5で制御される後段光アンプ
31−2で再び増幅される。そして、WDMカプラ31
−8で電気/光変換器31−4で光信号に変換された監
視制御信号と合波され、OPT−OUT1〜4から出力
される。
【0045】図9の光中継局は、1つの光インラインア
ンプモジュール(LWA)31を1つのシェルフとして
搭載しており、これらが4つ搭載可能であることが図示
されている。このように、光部品を1つのシェルフに収
めることによって、扱いやすい光装置を組み立てること
ができる。
【0046】図10は、図1には図示されていなかった
が、光信号の波長を変換するために使用されるトランス
ポンダの構成を示す図である。トランスポンダの入力側
からはOC−48の光信号が入力される。この光信号
は、光電変換モジュール41の2.4Gbpsの光/電
気変換器(O/E)41−1に入力される。この光/電
気変換器41−1からは2.4Gbpsのデータと2.
4Gbpsのクロックが出力される。同時に、図2で説
明したオーバヘッド情報などの情報がオーバーヘッドイ
ンターフェースOHS41−3に入力され、HUB42
へ信号が送られる。その他に、光電変換モジュール41
のボードの裏側に将来のアップグレードのために配線を
行い、OHS42−3に入力するように構成しておく。
【0047】前述したように、OHS42−3では、オ
ーバヘッド情報のやり取りが行われ、HUB42−2で
は、OHS41−3からの信号の終端を行う。HUB4
2−2からは、情報が光/電気変換器42−1を介して
MCユニットのHEDモジュール43に光信号として送
られ、光/電気変換器43−3によって電気信号に変換
される。電気信号に変換された情報は、PCI43−1
で オーバヘッド情報と監視制御情報とが分離され、O
H−MTRX43−2でオーバヘッドが処理される。そ
の他の制御情報は、コンソール端末としてのパーソナル
コンピュータPCによって処理される。
【0048】OHS41−3は、電気/光変換器41−
2を制御して、2.4Gbpsの光信号OC−48を生
成し、出力する。この時、光信号(OC−48)の波長
は、波長多重システムにより割り当てられたチャネルの
波長に変換する。
【0049】同図では、光電変換モジュール41のシェ
ルフが1〜16まで搭載できるように記載されている。
このそれぞれのシェルフのOHS41−2からHUBモ
ジュール42にオーバヘッド情報や監視制御情報が集め
られ、処理される。このように、トランスポンダを各シ
ェルフとして構成しておき、これらを1つのラックに収
めるようにしたことにより、光配線及び電気配線をこれ
らのシェルフ間で接続するだけでよいので、非常に操作
性の良い光装置を製造することができる。
【0050】図14は、図8のRWAAに設けられるO
SCIB6−3の一部構成を示す図である。O/Eモジ
ュール6−2に入力した監視制御信号は、光信号から電
気信号に変換され、変換されたデータと光信号に基づい
て生成されたクロック信号がそれぞれ CMIデコーダ
52に入力される。そして、データはCMIデコーダ5
2でデコードされ、フレーム同期部53に入力される。
このとき、上記クロック信号も同時にフレーム同期部5
3に入力される。フレーム同期部53は、監視制御信号
の データフレームを検出する。この検出結果は保護部
55に入力され、フレームの生じるタイミングの一致を
測り、所定回数一致が得られた場合に、フレームの同期
が取れたとする信号をフレーム同期部に送信する。一
方、PG54は、CMIデコードされる前の信号からク
ロックを抽出し、保護部55からのフレームの生じるタ
イミングを受信して、同期を確立するためのクロックを
提供する。生成されたクロックは、フレーム同期部53
に入力され、フレーム同期部53のフレーム検出に使用
される。フレームの同期が取れると、クロック信号とと
もにフレーム同期処理が行われたデータがデマルチプレ
クサ58に入力され、光アンプ用監視制御信号(WC
F;Wavelength Channel Failure 、WCR;Wavele
ngth Ch annel Rate、WCS;Wavelength Channe
l State )が抽出される。BIP演算部56は、フレ
ーム同期部53からの出力からパリティを取得し、比較
器57に送る。比較器57は、デマルチプレクサ58か
ら出力される監視制御信号のパリティビットと比較し、
パリティの一致が得られた場合に各監視制御信号を保持
部59に保持せずそのまま出力する。保持部59から出
力される監視制御信号は、直接図8のHUBAモジュー
ル8に送られると共に、三段保護部60を経て、セレク
タ61に入力される。セレクタ61にはオペレータから
入力されるWCRやWCS等の監視制御信号(プロビジ
ョン;provision として示されている)が同じく入力さ
れている。これらは、オペレータが操作するソフトウェ
アから送られてくるものである。セレクタ61は、受信
した監視制御信号とオペレータから入力された監視制御
信号のいずれかを、同じくオペレータから所定のソフト
ウェアを介して入力されるオーバライド(Override)信
号の入力を受けて、選択してTWAAを制御するローカ
ルなCPU4−1に出力する。
【0051】比較器57におけるパリティチェックの段
階でエラーが生じている場合には、前の状態である監視
制御信号のWCF、WCR、WCSのそれぞれを保持部
59に保持して出力しないようにする。そして、エラー
が解消するのを待ち、エラーが解消した場合に、保持部
59からWCF、WCR、WCSがHUBAモジュール
に送出される。
【0052】図15は、図8のTWAAに設けられるO
SCIA4−3の一部構成を示す図である。TWAモジ
ュールのOSCインタフェースOSCIA4−3は、V
ATAモジュールのOSCIA2−4より WCF、W
CR、WCSの監視制御信号を受け取る。一方、オペレ
ータからの入力として、WCR及びWCSを受け取る。
WCF1〜32は、ハードウェアが自装置の状態をモニ
タして生成する信号であり、マルチプレクサ72に入力
されると共に、チェック処理部71に入力される。チェ
ック処理部71では、どのような信号が送られてきてい
るかをチェックしており、各信号のモニタや、パリティ
チェック等も行う。このチェック内容に従ってマルチプ
レクサを制御してWCF1〜32を多重して出力するよ
うにする。また、19MbpsのATMインタフェース
からはプロビジョン部73にWCR及びWCSが入力さ
れる。ここでは、オペレータの入力をVATモジュール
からの入力と切り替えるか否かが判断される。同じく、
WCFに対してもモード設定が行われ、VATモジュー
ルのOSCIA2−4から送られてくるWCFをマルチ
プレクサ76に入力するか、オペレータからの入力をマ
ルチプレクサ76に入力するかが設定される。
【0053】いずれにしても、マルチプレクサ76に
は、VATのOSCIA2−4からの監視制御信号かオ
ペレータからの監視制御信号が入力される。コンディシ
ョン部74は、各監視制御信号(WCF、WCR、WC
S)としてどのような信号が入力されているかをモニタ
するものである。
【0054】マルチプレクサ76は、これらWCF、W
CR、WCSの監視制御信号を多重して、フレーム生成
部79に入力する。BIP演算部75は、マルチプレク
サ76が出力する信号からパリティを読み取りこれをマ
ルチプレクサ76の入力にフィードバックしてパリティ
ビットに設定するものである。
【0055】フレーム生成部79には、PG78からの
クロックが入力される。このクロックは、49MHzの
発振器(XO)82から出力された周期波をデジタルP
LL77で位相制御し、PG78でクロック信号に加工
されたものである。フレーム生成部79は、マルチプレ
クサ76にPG78からのクロック信号を入力し、マル
チプレクサ76は、このクロック信号に基づいて信号の
多重を行う。フレーム生成部79で生成されたデータフ
レームは、クロック信号とともにCMI符号化部80に
入力され、CMI符号に符号化されたあと、やはり、ク
ロック信号と共にE/Oモジュール81に入力され、電
気信号から光信号に変換されて、光アンプで増幅された
主信号に監視制御信号として合波される。
【0056】図16は、図9の中継局のLWAW1モジ
ュールに含まれるOSCインタフェースOSCIW13
1−6の一部構成を示す図である。同図のOSCIW1
31−6は、図14のOSCIA2−4の出力と図15
のOSCIB6−3の入力とを接続したような構成とな
っている。即ち、カプラで分離された監視制御信号がO
/Eモジュール91に入力され、電気信号に変換され
る。電気信号に変換された監視制御信号は、クロック信
号とともにCMIデコーダ92に入力されてCMIデコ
ードされ、やはり、クロック信号とともにフレーム同期
部94に入力される。保護部95は、前述したように、
フレームの同期が所定回数得られたか否かを判断する部
分であり、PG93は、CMIデコードされる前の電気
信号からクロック信号を読み取り、保護部95からのフ
レームの同期信号と合わせて、フレーム同期確立用クロ
ックをフレーム同期部94に入力する。
【0057】フレーム同期がとられた電気信号の監視制
御信号は、PG93で生成されたクロック信号とともに
デマルチプレクサ97に入力され、各監視制御信号(W
CF、WCR、WCS等)に多重分離される。パリティ
ビットは比較部98に入力され、BIP演算部96がフ
レーム同期のとれた電気信号から読み取ったパリティと
比較される。パリティの一致があった場合には、多重分
離された各監視制御信号は保持部99をそのまま通過
し、マルチプレクサ104に入力される。パリティが一
致していない場合には、パリティの一致が得られるまで
各監視制御信号は保持部99に保持される。
【0058】保持部99から出力される各監視制御信号
は、三段保護部100に送られ、三段保護が取られた
後、セレクタ102に入力される。オペレータからは、
19MbpsのATMインタフェースでプロビジョン部
101に命令が入力され、オペレータ入力のWCRやW
CSがセレクタ102に入力される。そして、同じく、
オペレータから入力されるオーバライド信号により、ロ
ーカルなCPUに受信された監視制御信号かオペレータ
からの入力による監視制御信号のいずれかが送られる。
【0059】また、プロビジョン部101は、受信した
各監視制御信号を出力側へ送るか、オペレータからの入
力による各監視制御信号を出力側へ送るかのモード設定
を行う。このモード設定にしたがって、マルチプレクサ
104には、受信された監視制御信号か、オペレータか
らの監視制御信号のいずれかが入力され、多重される。
なお、WCF信号については、オペレータが設定するこ
とができないパラメータであり、モードの切替は行われ
ない。BIP演算部103は、マルチプレクサ104か
ら出力された信号からパリティを読み取り、これをパリ
ティビットとしてマルチプレクサ104の入力側にフィ
ードバックして、パリティビットの設定を行う。
【0060】フレーム生成部105には、発振器109
から出力された49MHzの周期波をデジタル的に位相
制御し(DPLL107)、クロック信号に構成された
(PG106)信号が入力され、フレームの生成に使用
される。また、前述したように、このクロック信号はマ
ルチプレクサ104にも入力され、信号多重のためのタ
イミングを与える。フレームに組み立てられた監視制御
信号はクロック信号とともにCMI符号化部108で符
号化され、同様に入力されるクロック信号に基づいてE
/Oモジュール110で電気信号から光信号に変換され
て、光アンプで増幅された主信号と合波されて伝送路に
出力されていく。
【0061】図17は、図14〜図16のRWAA、T
WAA及びLWAW1に設けられるOSCインタフェー
スOSCIB、OSCIA、OSCIW1とオーバヘッ
ドシリアルインタフェースOHSとのインタフェースを
説明する図である。
【0062】同図(a)に示されるように、HUBモジ
ュールのOHS LSIとTWAA、RWAA及びLW
AW1等のOSCインタフェースのOSCI LSIと
の通信は、19Mbpsのシリアルデータケーブルで行
われる。通信は双方向とするために2本のケーブルが設
けられている。
【0063】同図(b)は、OHSからOSCIへ送信
されるデータの形式を示した図である。データの最初の
ビットはスタートビットであり、これを検出することに
より、データが到着したことを認識することができる。
その後にはデータが続く。データは、32バイトあり、
データの受信中にパリティを算出し、データの最後に付
加されているパリティビットと比較してデータが正常に
受信されているか否かを判断する。同図では、パリティ
は「奇」であるとしている。そして、パリティビットの
後には、ストップビットが設けられ、データの終わりで
あることを示す。
【0064】同図(c)は、OSCIからOHSへ送信
されるデータの形式を示した図である。この場合は、同
図(b)と基本的に同じデータ形式を取っており、スタ
ートビットから始まり、32バイトのデータ領域そし
て、パリティビットと続き、最後にストップビットでデ
ータの終了となる。やはり、データ領域を受信中にパリ
ティを検出し、最後にパリティビットの示す値と比較し
て、一致すればデータが正常に受信されたと判断し、一
致しなければデータが正常に受信されなかったと判断す
る。
【0065】図18は、光波長多重用増幅器を用いた光
波長多重伝送システムにおける信号対雑音の関係を示す
図である。同図では、直線型の通信経路を構成するシス
テムを記載しているが、ループ状のシステムでも同様で
ある。
【0066】同図の光波長多重伝送システムは、光ポス
トアンプTWAAと、光信号を伝播させる単一モード光
ファイバ伝送路SMFと、光プリアンプRWABと、伝
送路SMFに設けられる光インラインアンプLWAW1
〜3と、光サービスチャネルにより伝送される監視制御
光信号処理部OSCIA,OSCIW1,OSCIW
2,OSCIW3及びOSCIB。同図下に示されてい
るのは、光ポストアンプTWAAからの距離と伝播され
る光信号のパワー及び光アンプにより付加される雑音
(ASE雑音等)の変化を示したものである。光ポスト
アンプTWAAで増幅された光信号は、伝送路SMFA
を伝播し、光インラインアンプLWAW1に入力するこ
ろには、パワーが弱くなっている。そして、この小さく
なった光パワーが光インラインアンプLWAW1で増幅
されて送信され、伝送路SMFW1で同様に減衰を受け
る。光信号が伝送路SMFを伝播される間には、光信号
受信部で受光され、電気信号に変換されて信号再生され
るまでは、このようなことの繰り返しであり、伝送路S
MFの損失によって小さくなった光信号を光アンプで増
幅して送信することを繰り返す。Erドープファイバを
有する光アンプで光信号を増幅する際には、雑音、特に
ASE(Amplified Spontaneous
Emission)雑音が光信号に付加される。雑音
も、伝送路SMFを伝播する間に減衰するが、光信号と
ともにこの雑音も光アンプにより増幅されることにな
る。
【0067】伝送路SMFは、一般には、様々な製造会
社のものや、製造年度のものが使われるので、伝送路S
MFの損失特性は一様でない。すなわち、光アンプ間の
距離(SMFの長さ)が異なったり、透明度の悪い光フ
ァイバSMFであったり、光ファイバSMFの切断時の
修理等により、光アンプLWAW1〜3,RWABは、
様々な光入力パワーの違いを吸収し、一定の出力まで光
信号を増幅して出力しなくてはならない。
【0068】WDM光通信システムでは、複数のチャネ
ルの光信号(主信号)が波長多重されて送信されると共
に、伝送状態の監視及び制御を行うための光サービスチ
ャネルにより監視制御信号(SV信号;Supervisory 信
号)が同様に波長多重されて、送信される。光インライ
ンアンプLWAW1〜3,光プリアンプRWABでは、
主信号は増幅される、SV信号は別に多重分離され、S
V信号処理部OSCIW1〜W3で別途処理されて、主
信号に再び波長多重されて送出される。
【0069】図19及び図20は、図1の波長多重伝送
システムに用いられる波長多重用光増幅器(TWAA,
LWAW1〜3,RWAB)の構成図である。同図の光
増幅器は、図1にて説明したように、最大32チャネル
の異なる波長が波長多重されて伝送されるシステムであ
って、主信号(OC−48,OC−192)を運ぶ32
波長の光信号のほかに、システムの監視制御を行うため
の監視制御信号(SV信号;Supervisory 信号)が上記
32波長の光信号とは異なる波長(光サービスチャネ
ル;Erドープファイバの利得帯域外の波長;1510
nm)で波長分割多重されて伝送される。
【0070】波長多重信号が光インラインアンプに入力
すると、先ず、WDM1カプラによってSV信号のみが
抽出される。抽出されたSV信号は更に、WDM2カプ
ラに入力され、再びSV信号が抽出される。このよう
に、SV信号を2つのWDMカプラに通過させるのは、
1つのWDMカプラを通過させただけでは波長の分離が
完全でなく、主信号の波長の光信号の一部が現れてしま
うので、WDMカプラを2段階に設けてSV信号を抽出
することにより、主信号の波長成分を完全にフィルタリ
ングしてSV信号のSN比(信号対雑音比)を高めて受
信することを意図したものである。分離されたSV信号
は同図の主信号の光インラインアンプ外に出力され、S
V信号処理部(OSCI)で処理される。そして、後に
説明するように、再び、主信号と合波されて伝送路SM
Fに出力される。
【0071】WDM1でSV信号が取り除かれた光信号
はビームスプリッタ(BS)1に入力される。このBS
1では、主信号全体のパワーを、例えば、10:1に分
岐するものであり、アイソレータ(ISO)1には、1
0:1に分岐された光信号のうち10/11が伝送用と
して出力される。
【0072】BS1で10:1に分岐された光信号のう
ち、1/11は光入力モニタ用としてWDM3に入力さ
れて、主信号以外の波長成分が取り除かれ、フォトダイ
オード(PD)1で受信される。このPD1で受信され
た主信号の信号レベルは、AGC/APC(Automatic
Gain Control/Automatic Power Control )モジ
ュールに、増幅媒体EDF1(Erドープファイバ)へ
の入力側のパワーレベルとして入力される。
【0073】アイソレータ1に送られた光信号は、その
まま1段目(前段)の光増幅部であるEDF1に入力さ
れ増幅される。光信号を増幅するためのエネルギー(励
起光パワー)は、980nmの出力波長を有するレーザ
ーダイオードLD1と、それぞれ1460nmの出力波
長を有するレーザーダイオードLD2、LD3から供給
される。LDの出力パワーが1つで所要値が得られれば
LD2とLD3は、もちろん一つでもよく、更にLD1
のみで前段光増幅部の所要パワーが得られればLD1の
みでも良い。LD1からのポンプ光はWDMカプラによ
ってEDF1に入力される。ここで、WDMカプラが
0.98WDMと記載されているのは、合波されるポン
プ光(980nm又は0.98μm)のパワーレベルの
損失がほとんど無く、合波されることを意味している。
EDFに送るポンプ光がWDMカプラで合波される際に
大きな損失を被るのでは、LD1の出力の多くが無駄に
なってしまうので、このように特にロスの少ないWDM
カプラを用いている。
【0074】LD1は出力波長が980nmであり、E
DF(エルビウムドープファイバ)の980nmの吸収
帯域を利用してドープされたErイオンのエネルギー準
位を励起し、誘導放出作用に基づいて、入力される波長
多重光を増幅する。EDFの980nm増幅帯域は動作
帯域幅(波長幅)が狭いので、LD1の発振波長を安定
化させることが好ましく、光フィルタ等を用いて正確に
980nmの励起光を抽出することが考えられる。一
方、LD2、LD3のポンプ光は、それぞれ垂直方向と
水平方向に偏波しており、EDF1に接続された偏波ビ
ームスプリッタ(PBS)によって偏波合成されるた
め、損失なく、2つのポンプ光を合成できる。更に、偏
波合成されたポンプ光は、WDMカプラによってEDF
に送られる。LD2、LD3からPBSにポンプ光を送
るための伝送路は、各レーザダイオードLD2,LD3
の出力するポンプ光(レーザ光)の偏波を保存するよう
な、偏波保存ファイバであり、いわゆるPANDAファ
イバ等が使用される。このように、LD1のポンプ光は
前方励起として使用され、LD2、LD3のポンプ光は
後方励起として使用される。従って、LD1のポンプ光
は主信号の伝播方向と同方向に進行するが、LD2、L
D3のポンプ光は主信号の伝播方向とは逆の、光インラ
インアンプの入力側に向かって進行する。ISO1は、
LD2、3のポンプ光が逆流するのを防ぐために設けら
れている。しかし、LD2、LD3のポンプ光を完全に
は遮断できない。従って、そのままでは、PD1によっ
て、このポンプ光が受信されてしまう可能性がある。こ
のようなことが起こると、主信号の実際の入力パワーレ
ベルを検出することが出来ず、AGC/APC制御に問
題を生じるので、BS1により10:1に分岐された1
/11の入力モニタ用の波長多重光は、さらに長波長パ
スフィルタ(LWPF;Long Wavelength Pass Filt
er)を透過する。これにより、LD2、3のポンプ光の
逆流を防いで、PD1が主信号(波長多重光)のみを受
信できるようにしている。
【0075】EDF1に増幅のためのエネルギーを与え
るために、980nmの発振波長を有するLD1と14
60nmの発振波長を有するLD2、LD3が使用され
ている。これは、EDFに十分な増幅エネルギーを供給
するために行われている。すなわち、一例として、1つ
のLDのみでは、十分なポンプ光パワーが得られないの
で、複数の(レーザダイオード)LDを使用しているの
である。また、LD1は前方励起に使用されており、主
信号がEDFに最初に入射する時点の減衰された主信号
の増幅に寄与する。主信号がEDF1のEDFに入力の
際には、主信号は、長距離の光伝送路SMFを伝播して
きているので、光パワーが小さくなっている。EDFで
このような光信号を増幅する場合には、ノイズの発生が
避けられないが、EDFの980nm帯域では、増幅す
る際のノイズの発生が小さく抑えられる(理論限界に近
い約3dBを達成する)ので、減衰した主信号を増幅す
る際に、主信号をノイズに埋れさせないようにすること
ができる。ただし、980nm帯域は、ポンプ光のエネ
ルギーを主信号のエネルギーに変換する効率が、146
0nm帯域に比べ、やや落ちるので、光信号を増幅する
際に、始めのうち980nm帯域で増幅し、後に、LD
2やLD3等の1460nm帯域で増幅するようにして
いる。即ち、LD2、LD3の励起方法は後方励起であ
り、EDFを伝播してきた光信号がLD1のポンプ光
で、SNを劣化させずに、ある程度増幅された後に、L
D2、LD3のポンプ光によって増幅されることにな
る。LD2、LD3の発振波長である1460nm帯域
におけるEDFの増幅特性は、ノイズの発生がやや大き
いが、ポンプ光のパワーを主信号のパワーに変換する効
率が良く、大出力の主信号を得ることが出来る。980
nmLD一台(LD1)で前段光増幅部に必要なポンプ
光のパワーが得られるならば、LD1のみでLD2と3
は必要ない。
【0076】図21は、EDFの励起帯域の特性をまと
めた表である。同図に示されるように、EDFには、実
用化されている2つの帯域があり、1つは、980nm
帯であり、もう1つは、1480帯である(前段増幅部
には1460nm;1450〜1470nmを用い
る)。980nm帯の励起バンド(EDFの吸収帯域)
はほぼ970〜985nmの15nmの幅をもってい
る。アンプのNF(雑音指数)は低雑音で理論限界であ
る3dB程度が達成される。しかし、ポンプ光の光信号
へのパワーの変換効率は63%以上とあまり高くない。
【0077】1480nm帯は励起バンド(吸収帯域)
がほぼ1450〜1500nmの50nmあり、この
内、前段増幅部のLD2とLD3には1460nm帯;
1450〜1470nmを用いる。比較的帯域幅が広い
ので、ポンプ光の波長が少々ずれても増幅作用を得るこ
とができる。アンプのNFは4.5dBとやや大きい
が、ポンプ光の光信号へのパワーの変換効率は95%以
上と非常に高い値を示し、効率的な増幅作用を得ようと
する場合には、1460nm帯を使用する。
【0078】図19,20の説明にもどる。EDFモジ
ュール1で増幅された光主信号は、アイソレータISO
2を通過し、ゲインイコライザーGEQ1に入力され
る。ISO2は、GEQ1及びコネクタ1からの戻り光
を遮断するために設けられている。GEQ1及びコネク
タ1からの戻り光があると、EDF1はこの戻り光に対
し敏感に反応し、発振してしまう。したがって、EDF
1の動作が不安定になり、光増幅器のパフォーマンスが
悪くなってしまう。そこで、この部分にISO2を設け
て、EDF1の動作が不安定にならないようにしてい
る。また、前述のISO1もLD2、LD3の戻り光が
光インラインアンプLWAW1の入力部に設けられてい
るコネクタに達して反射し、EDF1が発振を起こさな
いようにしている。
【0079】GEQ1は、EDFのゲイン特性を平坦化
する為に設けられているフィルタである。EDFのゲイ
ン特性は図22(a)に示されているように、1530
nm〜1560nmの間で波打った形の特性を有してい
る。従って、この波長範囲に波長多重される各チャネル
の波長(主信号)が配置された場合、山にあたるところ
の増幅率が高く、谷にあたる部分の増幅率が小さい。従
って、波長多重された主信号をEDFで増幅すると、各
波長の光信号毎に増幅利得が異なってしまい、増幅され
た波長多重光において異なる波長間でレベル差を生じて
しまう。ところで、伝送路を伝播される光信号は、ノイ
ズに埋もれないためにある程度パワーが大きい必要があ
るが、パワーが大きすぎても自己位相変調、相互位相変
調、四光波混合等の非線形効果が顕著になり、波形劣化
を起こしてしまう。従って、伝送路を伝播される光信号
には波長毎に光パワーの上限と下限とがあり、この間に
各波長の光信号のパワーが収まっていなくてはならな
い。ところが、波長毎にパワーレベルが異なると、最も
レベルの高い波長の光信号が上限を超えないように設定
しなくてはならないので、他の波長の光信号は、パワー
が大きいほうが好ましいにも係わらず、上限値いっぱい
までパワーを上げることができないことになってしま
う。従って、波長毎にノイズに対する信号のパワーの比
(SN比)が劣化してしまい、伝送システムとしては、
パフォーマンスが悪いことになってしまう。しかし、全
ての波長の光信号が同じパワーレベルに揃っていれば、
全ての波長の光信号を上限値ぎりぎりまで増幅すること
が出来るので、伝送システムのパフォーマンスを高める
ことができる。そこで、GEQ1を設けて、EDFのゲ
インの波長の変化による変動をなくすようにする。
【0080】GEQ1は、図22(b)に示されるよう
に、EDFのゲインの大きいところでは透過率が低く、
ゲインの低いところでは透過率が高くなるように製造さ
れたフィルタであり、EDF1で増幅された波長多重光
をこのようなフィルタに通すことによって、図22
(c)に示すような、実質的にフラットな特性のゲイン
を得ることができる。このようにして、ゲイン特性をフ
ラット化した光出力をBS2で分岐し、PD2でその出
力光を受光する。PD2で受光した結果は、出力光レベ
ルとしてAGC/APCモジュールに入力される。AG
C/APCモジュールでは先にPD1で受信した、ED
F1への入力端でのパワーと、PD2で受信したEDF
1の出力端でのパワーとを比較し、増幅率(利得)が一
定になるようにLD1〜3のポンプ光のパワーを制御す
る。このようにして、EDF1の自動利得制御がAGC
/APCモジュールにて行われる。なお、APCは、各
励起光源LD1〜3の出力光パワーが一定になるように
制御するものであって、一般的には、LD1〜3のバッ
ク光あるいはバイアス電流をモニタして、出力光レベル
が一定となるように制御するものである。
【0081】GEQ1にEDF1からの出力を通過させ
てからAGC/APCモジュールにフィードバックする
のは、ゲインが平坦化されていない出力をフィードバッ
クしても、各波長のパワーにばらつきが有ることと、G
EQ1によるゲインの損失があることにより、GEQ1
を通過する前の出力をフィードバックしても正確なAG
C/APCができないからである。
【0082】また、ゲインイコライザーを使うと次のよ
うな利点がある。図19,20の波長多重用光増幅器で
は、最大32波までの波長多重光を増幅可能であるが、
32波全部を使わない場合には、どの波長の光信号を使
用するかはシステムを購入し、敷設するユーザの選択に
依存している。従って、どの波長の光信号が使われるか
分からないのであるが、ゲインが平坦になっていない
と、使用される波長毎にシステムのパフォーマンスが異
なってしまい、安定した伝送特性を提供することができ
ない。しかし、ゲインイコライザーを使用して、EDF
のゲイン特性を平坦化しておくことにより、どの波長の
光信号を使用したとしても、光インラインアンプの増幅
利得をほぼ同じにできるので、安定したシステムパフォ
ーマンスを実現することができる。
【0083】このように、光インラインアンプの前段で
AGC/APCを行うのは、光インラインアンプに入力
する光信号のパワーが、光インラインアンプが取り付け
られる場所によって変化するからである。すなわち、光
伝送路に使用される光インラインアンプ間の光ファイバ
の長さが、システムの構成によって様々に異なることが
有り、また、使用される光ファイバも現在製造されてい
るものは透明度が良くロスが少ないが、昔製造された光
ファイバは透明度が悪くロスが大きい等により、光イン
ラインアンプに入力する光信号のパワーレベルが一定の
値とはならないからである。しかし、光インラインアン
プとしては、どのような条件で設置されても、同じ光イ
ンラインアンプが正常に動作する必要があるので、入力
波長多重光信号のパワーレベルが異なっても同様に動作
するべきだからである。AGC/APCは、入力波長多
重光信号のレベルが異なっても、ゲインを一定にして、
各チャネルの光信号に対してほぼ同じ利得で増幅するこ
とが出来るのである。しかし、利得が一定であっても、
入力波長多重光の入力レベルが異なると、EDFから出
力される増幅後の波長多重光の出力レベルが異なること
になる。入力レベルの違いによって光インラインアンプ
の出力レベルが変わっては、標準化してシステムを設計
する場合に問題が生じるので、BS2を通過した主信号
(波長多重光)は、可変アッテネータ(VATT)に入
力される。更に、入力が高くなると励起パワーがリミッ
トに達するとAGCからAPCへ切り替わる。この場
合、各EDF(EDF1、EDF2、EDF3)のゲイ
ン(dB)の和が一定であれば利得の波長特性は維持で
きるので、EDF1のゲイン(dB)の低下分を後段増
幅部(EDF2又はEDF3)で補う。
【0084】可変アッテネータモジュールに設けられる
可変アッテネータは、印加する電圧値により、光の減衰
量を調整することができるもので、AGC/APCで増
幅された波長多重光信号の出力パワーレベルを調整する
ことができる。可変アッテネータを通過した光信号は、
BS3によって分岐され、一方がPD3によって受信さ
れる。PD3によって受信された光信号のパワーレベル
は、ALCモジュールに入力され、光信号のパワーレベ
ルが一定値に調整される。ここで、光信号のパワーレベ
ルの調整をするのは、コネクタ1、2で接続される分散
補償モジュール(DCM;Dispersion Compensating
Module)の分散補償ファイバ(DCF;Dispersion
Compensating Fiber )に適切なパワーレベルの波長多
重光信号を入力するためと、可変アッテネータの動作を
安定化させるためである。DCMは、光信号が光伝送路
を伝播する間に受ける分散による波形の劣化を補償する
ものである。このDCMのDCFを使って有効に光信号
の波形劣化の補償を行うためには、入力する光信号のパ
ワーレベルをノイズに埋もれない程度に大きく、また、
DCF内で非線形効果を生じない程度にパワーレベルを
抑えている必要がある。特に、DCFは、コア径が通常
のSMFより小さく(約3〜4μm)光パワーが集中す
るため、非線型光学効果が発生しやすい。従って、DC
Fの非線形効果を抑えるためには、厳しく入力光信号の
パワーレベルの上限を守る必要があるので、BS3の部
分でALCを行い、光信号のパワーレベルを調整してい
るのである。
【0085】DCFに入力した光信号は、分散補償を受
けコネクタ2から再び後段(第二段)光増幅部を構成す
るEDF2に入力される。この光信号は、BS4で分岐
され、PD4で受信される。ここでの光信号の入力パワ
ーレベルの受信は、DCMがコネクタ1、2に接続され
ているか否かを判断するために行われるものである。す
なわち、DCMが外れていると、EDF1で増幅された
光信号がそのまま外部に放出されてしまうので危険であ
る。そこで、PD4では、EDF1からの光信号(波長
多重光)がDCMを通って来ているか否かを判断するた
めの受光を行う。受光結果は、AGC/APCモジュー
ルに送られ、光信号が送られてきている場合には、特に
処理は行わないが、光信号入力レベルが所定値以下の場
合には、DCMと前段光増幅部及び後段光増幅部を接続
する光コネクタ1,2のいずれか,または両方が外れて
いると判断し、EDF1における増幅率(利得)を低下
させて、光信号の強度が危険でない程度にするか、ある
いは、LD1〜3からのポンプ光の供給を止めて増幅動
作を停止するなどの処理を行う。これにより、DCMが
外れている場合にもコネクタ1から出力される光信号の
パワーレベルが小さくなり、近くに作業者がいたとして
も危険な状態に陥ることはない。
【0086】また、PD4の受光結果は図20のAGC
モジュールに入力され、AGCのための入力側光信号パ
ワーレベルを与える。BS4を通過した主信号は、光ア
イソレータISO3に入力され、そのまま通過する。I
SO3は、図20のEDF2のEDF2−1がコネクタ
2からの反射光によって発振しないように光の通過方向
を一方向に定めているものである。ISO3を通過した
光信号はEDF2−1に入力され増幅される。EDF2
−1のポンプ光は、発振波長980nmのLD4から供
給される。LD4からのポンプ光はWDMカプラで光信
号に合波されてEDF2−1に送られる。ここで、前述
したように、WDMカプラは非常に合波する場合のロス
が少ないもので、特に、0.98WDMと記載されてい
る。EDF2−1においては、980nm帯のポンプ光
のみで増幅が行われる。前述したように、980nm帯
ではノイズの発生を理論限界値程度まで抑えることが出
来るので、弱い光信号を増幅するのに有効である。すな
わち、EDF2−1に入射する光信号は、先に、10k
m程度の長さのDCFを通過しているので、光信号パワ
ーが減衰されている。DCFはSMFに比べて、損失が
大きく、例えば、1000ps/nm程度の分散を補償
するためには、DCFの損失は、10dB程度にもな
る。EDF2−1に入力される波長多重光は、このよう
に大きな減衰を受けているので、980nm帯のポンプ
光を用いて、ノイズを抑えた増幅を行う。LD4はAG
Cモジュールからのフィードバック制御を受け、EDF
2−1でのゲインを調整するために出力パワーを変化さ
せる。
【0087】EDF2−1で増幅された光信号は光アイ
ソレータISO4を通過し、ゲインイコライザーGEQ
2に入力される。このGEQ2の作用は、図22を用い
て説明した通りであり、EDF2−1とEDF2−2の
ゲイン特性をフラットにするためのものである。ISO
4は、GEQ2からの反射光をEDF2−1に入力しな
いようにしているもので、やはり、戻り光によるEDF
2−1の発振を防いでいるものである。GEQ2をED
F2−1とEDF2−2との間に入れるのは、NF(雑
音指数)を低く抑えて、励起パワーから信号光パワーへ
の高い変換効率を維持するためである。
【0088】GEQ2を通過した光信号は、WDMカプ
ラ及び光アイソレータISOを通過し、EDF2−2に
入力される。このWDMカプラからは図19の増設用励
起光源ユニットであるブースタBST2からの励起光が
入力される。BST2の内部構造については後述する。
コネクタ3とこのWDMカプラとの間には、BS5が設
けられており、BST2からのポンプ光を正常に入射さ
れているか否かを判断するために、増設用励起光源ユニ
ットBST2からのポンプ光を分岐する経路が作られて
いる。このBS5で分岐されたポンプ光は、アッテネー
タATT1でパワーレベルが調整された後、PD5で受
光される。PD5では、コネクタ3からポンプ光が正常
に受信されているか否かの結果を得、これを不図示の配
線によって、BST2に通知する。BST2では、この
結果を得て、もし、BST2の励起光源が発光している
のに、PD5でポンプ光が受光されていないと判断され
た場合には、コネクタ3が外れており、励起光源のポン
プ光が漏れていて、周囲に人がいると危険であると判断
し、BST2の励起光源をオフにする。
【0089】BST2からは、前方励起の方法でEDF
2−2にポンプ光を供給する。一方、EDF2−2では
光信号を大出力の光信号に増幅するために、後方励起の
方法も併用される。すなわち、発振波長1460nmの
LD5、LD6が設けられている。これらは内蔵の励起
光源であり、AGCモジュールからの制御によりEDF
2−2のゲインを調整するものである。この他に、大出
力の光信号を得る為に、コネクタ4に増設用励起光源ユ
ニットであるBST1が取り付けられる。BST1の内
部構造については、BST2の説明と一緒に後述する。
このコネクタ4の着脱を監視するために、前述したのと
同様に、BS6が設けられ、BST1からのポンプ光を
分岐して、アッテネータATT2を介してPD6で受光
される。この受光の結果は、同様に、不図示の配線を通
じてBST1に通知され、励起光源が発光しているにも
かかわらず、コネクタ4が外れていると判断された場合
には、BST1の励起光源をオフにする制御を行う様に
する。
【0090】もちろん、LD5、6およびBST1、2
のポンプLDの数は一例であって、必要なパワーが少な
いLD数で満足できれば減らすことができる。EDF2
−2では、光信号を大出力の信号とするために、ポンプ
光のエネルギーを光信号のエネルギーに変換する場合の
変換効率の良い1480nm帯域が使用されている。こ
こで、EDFモジュール2は、中断EDF2−1と後段
EDF2−2からなっており、トータルのゲインを平坦
化するためには、EDFモジュール2の出力側にGEQ
2を設けるのが常識的に考えられるが、ここでは、ED
F2−1とEDF2−2の間に設けている。これは、フ
ィルタから構成されるゲインイコライザーは非常に損失
が大きく、例えば、30%という値を持っている。も
し、EDF2−2の出力側にゲインイコライザーを設け
たとすると、図23に示されるように、光信号はEDF
2−2によって、大出力(例えば、光インラインアンプ
への入力を1mWとすると300mWぐらいの出力)と
なっているので、この大出力の30%を損失として被る
と、絶対値でも大きな損失(例えば、90mW)を受
け、ポンプ光源LD1個分のエネルギーを無駄にしてし
まう。
【0091】そこで、光信号がまだそれほど大出力にな
っていない段階でゲインイコライザーを挿入すると、例
えば、100mWのときは10mWの損失が生ずるのに
対して、10mWの場合には1mWの損失で済む。この
ような理由で、ゲインイコライザーをEDF2−1とE
DF2−2の真ん中に設けている。また、先のGEQ1
についても、光インラインアンプ全体で2つのゲインイ
コライザーを2個所に設けているというのは、DCFの
手前で各波長の出力をそろえて、許容される上限値のパ
ワーでDCFへ入力するという点を考慮している。
【0092】また、EDF1側とEDF2側でそれぞれ
ゲインを等化していることにより、EDF1側とEDF
2側とを別々に製造し、後に組み合わせるという製造方
法をとることが容易になる。すなわち、EDF1側の出
力がゲインイコライザーによって平坦化され、各波長の
主光信号は、波長毎に均一な特性を持っている。また、
EDF2側でも、この均一な特性の光信号を受けて増幅
し、そして更に均一化して出力するというように処理が
進むので、均一な光信号を受け渡しできるため、EDF
1とEDF2間のインタフェースを容易に行うことが出
来ると言うことである。このように、ゲインイコライザ
ーを2個所に配置することによって、製造上の利点をも
得ることができる。また、波長多重用光増幅器は、その
構成が複雑化している。このため、モジュール化した光
増幅部(Front Amplifier PartとRear Amplifier P
art)及びDCMを光コネクタにより着脱可能に構成す
ることで、部分的に保守・点検・部品交換を行なうこと
ができ、運用上のコスト削減への効果が大きい。
【0093】EDF2−2から出力された光信号は、後
方励起のためのポンプ光を合波するためのWDMカプラ
を通過し、次にアイソレータISO5を通過する。IS
O5は、光インラインアンプの出力端からの反射戻り光
を遮断し、EDF2−2が戻り光によって発振しないよ
うにするために設けられている。また、ISO5を通過
した光信号は、WDMカプラを通過する。このWDMカ
プラは、波長の異なる光信号を合波するのではなく、主
信号のみを通過させて、EDF2−2やEDF2−1あ
るいは、EDF1のEDFのポンプ光が光インラインア
ンプの外部に出力されないようにするものである。すな
わち、主光信号の進行方向と逆方向に進行する光はアイ
ソレータによって遮断することが出来るが、光主信号と
同方向に進行する光はアイソレータでは遮断することが
できない。そこで、WDMカプラを主信号のみを透過す
るフィルタとして使用することによって、光インライン
アンプの外に出力されないようにするものである。
【0094】このWDMカプラを通った光信号は、ビー
ムスプリッタBS7で分岐され、一方は、光スペクトル
アナライザ(光SPA)用の出力端子へと導かれる。光
SPAは、必要時にこの端子へ取り付け、波長多重され
ている各波長(チャネル)の光信号のパワーレベルが揃
っているか否かを検査するものである。現状では、光S
PAは1台で、図19、20に示されている光インライ
ンアンプと同程度の大きさとなるので、光SPAを組み
込むと光インラインアンプが必要以上に大きくなってし
まう。従って、波長多重されている各波長の光信号のパ
ワーが揃っているか否かは必要時に、例えば、波長多重
数を増やしたときなどのアップグレード時に光SPAを
接続して検査及び調整を行う様にする。
【0095】BS7で分岐された光主信号は、更に、B
S8に入力されて、直進する光主信号とOUT PD7
への信号に分岐される。同じくBS8に接続されている
junction PD8は、光インラインアンプの出
力端(光コネクタ5)からの反射光を監視するものであ
り、反射光の強度が高まった場合に出力端のコネクタ5
が外れているとして不図示の配線によりLD4、LD
5、LD6、及びBST1、2の励起光源に制御信号を
与え、出力を低下させて、EDF2の利得を低下させ
る。光インラインアンプの出力端から出力される光信号
のパワーが10mW程度より小さくなるようにEDF2
の利得を制御する。
【0096】BS8で分岐された光信号の内、OUT
PD7で受信された光信号はその強度が電気信号に変換
され、AGCモジュールにフィードバックされ、PD4
からの光信号と合わせてAGCを行うと共に、ALCモ
ジュールにフィードバックされ、可変ATTの減衰量を
制御することにより、ALCを行う。このALCによ
り、光インラインアンプの出力パワーが一定に保たれ
る。このように、ALCにはPD3からのフィードバッ
クとOUT PD7からのフィードバックとが2重にか
けられていることになる。
【0097】OUT PD7からAGCモジュールへの
フィードバックは、PD4からのフィードバックと合わ
せて、ゲインの検出が行われ、LD4、LD5、LD
6、及び、後に説明するBST1、BST2の励起光源
への制御が行われる。
【0098】BS8から分岐されずに出力された光主信
号(増幅された波長多重光)は、後に続くWDMカプラ
によって、別途処理されたSV信号と合波され、光イン
ラインアンプの出力端から出力される。
【0099】コネクタ3及びコネクタ4には、それぞれ
励起光源ユニットであるBST2、BST1がそれぞれ
接続できるようになっている。BST1、BST2は、
内蔵のレーザダイオードLDではポンプ光のパワーが足
りない場合に、別途接続して使用するものである。例え
ば、波長多重数(チャネル数)が1から8までの間であ
る場合には、内蔵のLDで十分なパワーのポンプ光が得
られる。また、波長多重数(チャネル数)が9〜16の
場合には、BST1を接続して使用する。波長多重数が
17〜32の場合には、BST1とBST2を共に接続
して使用する。
【0100】BST1に含まれる励起光源は、偏波の異
なる発振波長1480nmで出力140mWのLD7と
LD8が用いられる。LD7とLD8から出力される互
いに異なる偏波のポンプ光は、偏光ビームスプリッタの
PBSで偏波合成され、ピグテールファイバコードを介
してBST1外部に出力される。偏波合成することによ
って、異なる偏波でそれぞれ出力されるLDのポンプ光
のパワーがほぼ1+1=2の関係になるので、LDを複
数設けたことによる利点を有効に利用することができ
る。
【0101】また、BST1のLD7、8の発振波長は
内蔵のLD5、6の発振波長と異なっており、WDM
PBSモジュールのWDMカプラで波長合波(多重)さ
れている。これも同様であり、同じ波長のポンプ光を合
波しようとすると互いの位相の差異により、合波された
ポンプ光の出力が必ずしも双方のパワーを合計したもの
とはならない。しかし、もともと異なる波長のポンプ光
をWDMカプラで合波すれば、理想的には、1+1=2
の関係が成り立ち、LDからのすべての光パワーを合計
したものに近いパワーのポンプ光を得ることができる。
【0102】ここで、LD5、6とLD7、8の発振波
長が異なっているが、EDFは、前述したように、14
80nm帯域に広い吸収帯域を持っており、1460n
mのポンプ光も1480nmのポンプ光も同じ帯域に吸
収され、ポンプ光として使用することが出来る。このよ
うに、WDMカプラで波長の異なるポンプ光を合波し
て、大出力のポンプ光を得ると共に、同じEDFの動作
帯域で光信号の増幅作用を得ることが出来る。この様子
を図示したのが図22である。
【0103】LD7とLD8の出力光がPBSで合波さ
れると、次にビームスプリッタ9によって分岐され、ア
ッテネータATT3を介してPD7により受信される。
このPD7では、BST1のLD7、8の出力レベルが
正常であるか否かをモニタするものである。また、BS
T1のピグテールファイバコードのコネクタ4が外れて
いるかどうか判断するために、LD7、8の出力を合波
したポンプ光のパワーレベルが10mW程度より小さく
なっているか否かの監視も行うものである。コネクタ4
が外れたとPD6での受光の結果判断された場合には、
AGCモジュールからそれぞれのLDに出力を弱めるよ
うに指示が出されるため、EDF Md1については、
励起光源LD1〜LD3のAPCのレベルは低い値に設
定される。
【0104】BST1では、同じ発振波長(1480n
m)の励起光源LD7,8をPBSにより偏波合成し、
励起光を供給している。且つ構成を簡単化するために、
単に、LD7,8をON/OFFさせるだけで、AGC
やALCは行なっていない。1480nmの発振波長を
有する半導体レーザは、出力パワーが小さい時は、短波
長側に発振波長がシフトする。例えば、発振波長が14
60nm近傍にシフトした場合は、WDMカプラによっ
て、発振波長1460nmのLD5,6と波長合波でき
なくなる。即ち、前述したように、このWDMカプラ
は、増設用励起光源ユニットBST1から入射された1
480nmの励起光をEDF2−2に入力するように設
計されているため、BST1からの波長1460nmの
励起光をEDF2−2に効率的に入力することがてきな
くなってしまう。そこで、LD7,8は、必ず最大パワ
ーの励起光を出力するようにして、発振波長を1480
nmに安定化させる。例えば、チャネル数が9〜12の
間は、LD7のみを最大パワーで動作させ、チャネル数
が13〜16の間では、LD7とLD8とを最大パワー
で動作させるように制御すれば良い。励起パワーの調整
は、AGCモジュールにより、内蔵されたLD5,6の
出力パワーを制御することにより実現できる。
【0105】BST2は、発振波長1460nmで出力
140mWのLD9、10と発振波長1480nmで出
力140mWのLD11、12を含んでいる。LD9と
LD10、及びLD11とLD12は、それぞれ互いに
偏波が異なっており、PBSによって偏波合成される。
更に、LD9とLD10の出力を偏波合成したものと、
LD11とLD12を偏波合成したものとをWDMカプ
ラで合波し出力する。BST2においても、合波された
ポンプ光は、BS10で分岐され、アッテネータATT
4を介して、PD10で受光される。そして、PD10
での受光結果から、各LDが正常に動作しているか否か
が判断される。BS10で分岐されなかったほどんどの
ポンプ光は、コネクタ3を介して、EDF2−2に送ら
れる。ここでも、PD5によって、コネクタ3が正常に
接続されているか否かが判断され、コネクタ3が外れて
いると判断された場合には、LD9からLD12を制御
して、BST2から出力されるポンプ光が作業者の目に
入っても危険でない程度のパワーにまで出力が落とされ
る。このとき、BST2の出力パワーを検出するのはP
D10である。なお、BST2に関しては、波長多重後
の総励起パワーをPD10でモニタしているため、先の
BST1の問題は無く、LD9〜LD12を常に同時に
駆動して、PD10への入力レベルを4段階にして良
い。
【0106】BST1あるいはBST1とBST2が接
続されている場合には、AGCモジュールからゲインを
一定にするための制御が施されるが、BST1及びBS
T2のLDへの制御はLDをオンするかオフするかのい
ずれかのみ行い、微妙な調整は、内蔵のLD4、5、6
の出力を調整することによって行う。
【0107】また、BST1やBST2は、複数を1つ
のシェルフ等に入れて、光インラインアンプに接続する
形態が考えられるので、電気的な結線とポンプ光の結線
とが異なる光インラインアンプとして構成される可能性
が大きい。このような場合、最初、ブースタBSTは、
10mWより出力の小さい、作業者の目に入っても問題
のない程度のポンプ光を出力している。これが光インラ
インアンプに接続されると、PD5やPD6によって検
出され、コネクタ3や4が接続されたことが認識され
る。そして、AGCモジュールから更にポンプ光の出力
レベルを上げる指示が出される。ポンプ光の接続と電気
配線の接続が同じBSTから同じ光インラインアンプに
なされている場合には、この段階でポンプ光の出力レベ
ルを最大にしても問題はないが、間違って結線されてい
る場合には、光インラインアンプにポンプ光が入力され
ていないBSTにポンプ光の出力を上げる指示が出てし
まうことになる。電気的結線によって指示を受けたBS
Tのポンプ光が同じ光インラインアンプに接続されてい
ない場合には、他の光インラインアンプにポンプ光が入
力されてしまうことになり、動作がおかしくなってしま
う。また、ピグテールファイバコードがどこにも接続さ
れていない場合には、強度の大きいポンプ光が外部に漏
れてしまうことになり、作業者の目等に入ったら危険で
ある。
【0108】そこで、光インラインアンプがBSTの接
続を検出したら、次に、外部に漏れても危険でないパワ
ー(例えば、10mW以下の安全光状態)で少しだけポ
ンプ光のパワーを大きくする様にする。光インラインア
ンプ側では、このポンプ光のパワーを上げる指示に対
し、実際にポンプ光のパワーが僅かにあがったら、ピグ
テールファイバコードの接続と電気的結線が正常になさ
れていると判断して、BSTにポンプ光のパワーを最大
にするようにBSTに指示を出すようにする。
【0109】このように、BSTの接続の際に、作業者
に危険でないパワー(安全光状態)の範囲内で、ポンプ
光のパワーを2段階にすることによって、光インライン
アンプ側で結線が正常になされていることを確認してか
ら、ポンプ光のパワーを最大にするという手順を経るこ
とによって、パワーの非常に大きい、危険なポンプ光が
外部に漏れてしまう、あるいは、誤った光インラインア
ンプに入力されたまま気づかれないままになるという事
態を避けることが出来る。
【0110】図19,20の光インラインアンプでは、
光信号の出力はPDを使って、全体のパワーをモニタす
る構成となっている。したがって、波長多重数を増やし
たときに次のような問題が生じる。すなわち、光伝送路
を伝播させる光信号の各波長のパワーレベルには上限と
下限があるが、初期設置段階で4波多重で伝送していた
とする。この場合には、異なる4つの波長の各光信号の
パワーは伝送路の上限と下限の間に収まるように伝送さ
れる。ここで、波長多重数を、例えば、8波にアップグ
レードしたとすると、光インラインアンプでは、波長多
重された光信号の全体のパワーを見ているので、8波に
増えたことによる波長多重光信号の全体のパワーの増加
に伴って、ALCにより各波長の光信号のパワーを低く
抑えてしまう。これにより、各波長の光信号のパワーは
伝送路の下限値以下になってしまうことが起こる。これ
では伝送システムのパフォーマンスを維持することが出
来ない。そこで、波長多重数を増やすときには、SV信
号を使用して、各光インラインアンプに波長多重数が増
えることを通知してやる。これを受けた光インラインア
ンプは、波長多重数が増える時ALCを停止する。そし
て、光インラインアンプは、AGCアンプとして動作す
るので、波長多重数が増えてもゲイン一定で光信号を増
幅する。そして、次に、ALCを再起動して、光信号の
パワーレベルを所定値に設定し直す。新しい波長多重数
の場合の光信号の全体の設定されるべきパワーレベル
は、SV信号を介してALCモジュールに設定されるも
のとする。このようにすることによって、何ら新しい構
成を設けることなく、波長多重数の増加に対応すること
ができる。
【0111】また、波長多重数の増加に伴って、ポンプ
光のパワーを増加する必要があるが、本光インラインア
ンプでは、最初、ノイズ特性(雑音指数;NF)の良い
980nm帯域での増幅を行っておき、更に、高パワー
のポンプ光が必要になった場合には、高効率の1480
nm帯域を使用して増幅を行うようにする。この様子を
示したのが、図25である。図25においては、EDF
の入力口から出力口に向かって横軸に距離をとってお
り、縦軸に増幅される光信号のパワーを示している。同
図に示されるように、同図上に記載されているのは、9
80nm帯の励起光の様子と1480nm帯の励起光の
様子である。980nm帯の励起光は前方励起であるた
めに、EDFの入力口から入射され後方に行くに従って
消費されていく。また、1480nm帯の励起光は後方
励起であるために、EDFの出力口から入力口に向かっ
て入射され、前方に行くに従ってポンプ光が消費されて
いく。一方、光信号は入力口から出力口へ向かって伝播
するので、出力口に向かうに従ってパワーが次第に増幅
されていく。このように、980nm帯域で十分増幅し
てから、更に足りない分を1480nm帯域で増幅する
ようにすることにより、ノイズ特性の良い光信号の増幅
が可能になる。
【0112】図19,20にて説明した光インラインア
ンプの構成は、光ポストアンプ、光プリアンプにも同様
に適用される。ただし、光ポストアンプの場合は、SV
信号を入力側で波長多重光信号から分波するWDM1,
2を備えておらず、光プリアンプの場合は、SV信号を
出力側で波長多重光信号と合波するWDM3を備えてい
ない。
【0113】次に、図19,20にて説明した波長多重
用光増幅器、特に、光インラインアンプLWAW1の制
御回路について図26を参照して説明する。光信号モニ
タ回路120には、次のモニタ信号が入力される。 1)PD1で検出された前段光増幅部への光入力レベル 2)PD2で検出された前段光増幅部からの光出力レベ
ル 3)PD3で検出された可変光減衰器モジュールVAT
Tの光出力レベル(DCMへの光入力レベル) 4)PD4で検出された後段光増幅部への光入力レベル
(DCMからの光出力レベル) 5)PD8で検出された光コネクタからの反射光レベル 6)OUT PD7で検出された後段光増幅部からの光
出力レベル 7)PD6,PD10で検出された増設用励起光源ユニ
ットBST1,BST2からの励起光検出信号 光信号モニタ回路120はこれらのモニタ結果をAGC
/APCモジュールを構成する制御回路132に入力し
て励起光源モジュール121の各LD1〜3のバイアス
電圧をバイアス電圧制御回路122により制御し、LD
1〜3の出力パワーを制御する。また、温度制御回路1
23は、各LD1〜3の温度が一定となるように制御す
る。光信号モニタ回路120で検出した前段増幅部とV
ATのモニタ信号は、アナログ/ディジタル変換回路1
24を介して、CPU131に入力される。また、バイ
アス電圧制御回路122からはバイアス電圧値が、外気
温度センサ124からは、外気温度情報がA/D変換器
回路124に入力される。後段光増幅部のAGCモジュ
ールについても、同様に動作する。
【0114】CPU131は、I/Oportから入力
される各種モニタ情報を処理し、動作状態、アラーム信
号、モニタ情報等を監視制御信号として、光サービスチ
ャネルインターフェースOSCIW1に出力する。ま
た、CPU131は、OSCIW1より受信した監視制
御情報を解析し、励起光源モジュール121,133を
ON/OFFするためにバイアス制御回路122,12
7や温度制御回路123,128の起動信号を出力す
る。
【0115】次に、光インラインアンプLWAW1を制
御するCPU131の動作について、図27,28の状
態遷移図を基に説明する。CPU131は、32チャネ
ルの波長多重光信号の増幅に対応可能なWDM光増幅器
の状態制御、各種モニタ・監視及び外部との通信(具体
的には、OSCを介した監視制御情報の通信)を行う。
図1の波長多重伝送システムでは、複数の波長(チャネ
ル)に異なる情報(OC−192,OC−48等)を載
せて、これらを波長多重して、一本の単一モード光ファ
イバを用いて伝送する方式であり、伝送容量を飛躍的に
増大できる。このシステムに適用する光増幅器には各波
長を等しい利得で増幅する機能が要求される。また、通
信需要の増大に応じて、波長数(チャネル数)の増設・
撤去(例えば、各チャネルの伝送容量を2.4Gbps
から10Gbpsにアップグレードする際に撤去が必要
になる。)をリモートで実施できる機能、さらに、運用
中にチャネル数の増設・撤去を可能とする機能(インサ
ービスアップグレーダビリティ)も必要とされる。これ
らに適用可能なCPU131の動作状態・遷移につい
て、図27及び28を参照しつつ説明する。 A.電源断状態:光増幅器ユニットの電源が断の状態 B.入力断状態:光増幅器の入力が入力回復しきい値以
下であり、前段増幅部及び後段増幅部の励起光源LD1
〜3,LD4〜6に通電されていない状態。 C.前段安全光状態:前段増幅部のEDFモジュール1
の利得は設定値(AGC設定電圧)に達しているが、出
力は、安全光レベルになっている。DCMが未接続ある
いは光コネクタ1,2の接続不良で後段増幅部の入力レ
ベルが入力回復しきい値未満で後段増幅部の励起光源L
D4〜6は停止している状態。BST1、BST2も停
止している。 D.安全光状態:光増幅器の出力側コネクタ5が開放状
態であり、光出力パワーは人体に対して安全なレベルに
制御されている。Laser Safety機能がON
の場合はこの状態であるが、初期設定時にLaser
Safety Inhibitを受信すると状態遷移は
図28のように安全光状態を持たない。安全光OFF
(Laser Safety Inhibit)の状態
遷移図は、安全光状態からALC状態への遷移の際に、
安全光ON(Laser Safety ON)の状態
遷移図の中で出力コネクタ5の接続/開放の検出をせず
に正常光状態へ遷移することに相当する。BST1、2
は停止している。安全光ON/OFFは安全光状態およ
び正常光状態でも受け付けて光り増幅器の動作に反映さ
せる。 E1.ALC状態:実際に通信が可能な状態(正常光状
態)であり、波長数情報と光増幅器番号に基づいた中断
可変光減衰器による(総)出力一定制御が行なわれてい
る状態。 E2.AGC状態:可変光減衰器ATTの減衰量が固定
されて、AGC/APCモジュール及びAGCモジュー
ルがそれぞれ前段EDFモジュール1及び後段EDFモ
ジュール2を利得一定動作するように制御している状
態。可変光減衰器ATTの動作がALC状態では、出力
端での波長多重光信号の総出力を一定になるように制御
していたのに対し、この状態では、平均値に固定される
(フリーズ状態と呼ぶ)。AGC制御速度より遅く波長
数(チャネル数)増設・撤去を行えば、利得一定動作な
ので、存続するチャネル(サービスを継続するチャネ
ル)の出力には影響を与えない。正常光状態の一つであ
る。
【0116】また、増設用励起光源モジュールBST1
及びBST2は、このAGC状態において増設・撤去さ
れる。増設時の動作は、図19,図20にて説明した通
りである。
【0117】それぞれの状態及び状態遷移について、さ
らに詳細に説明する。 (1)電源断状態→入力断状態への遷移:光増幅器ユニ
ットに給電され、各電子部品のリセット、OSCからの
Provisioning(運用情報),Condit
ioning(条件設定)を受信して、初期化設定を行
なう。また、励起光源LDの温度制御は、一定値になる
までに時間を要するので、この段階で開始する。 (2)入力断状態:光増幅器のへの入力パワー(PD1
の出力)がハードウェアで設定している入力回復しきい
値以下であり、光信号モニタ回路120よりCPU13
1に対して、入力断信号が出力されている状態。また
は、前段光増幅部及び後段光増幅部の励起光源LD1〜
3,LD4〜6にバイアス電流が供給されていない状
態。
【0118】CPU131は、入力断信号を検出する
と、アラーム信号LOL(Lossof Light)
をOSCIW1に出力する。なお、入力回復のしきい値
は、チャネル数に依存する。CPU131は、入力断状
態でチャネル数を読み込んだ結果、チャネル数が0であ
ったら、入力断状態を保持する。
【0119】(3)入力断状態→前段安全光状態への遷
移: PD1からの光入力が、入力回復値以上であることを
検出。 前段増幅部の励起光源LD1〜3にバイアス電流の供
給が開始される。前段EDF1の利得は、ゆるやかに設
定値までに達するように、AGC/APCモジュールの
時定数が設定されている。
【0120】ALCモジュールは、可変減衰器ATT
の減衰量をゆるやかに低下させて、可変減衰器ATTの
波長多重光出力がゆるやかに安全光レベルとなる様に制
御する。可変減衰器ATTの出力レベルの設定(減衰
量)が人体に安全なレベル(安全光)に設定されている
ために、DCMが未接続でも人体に危険なレベルの光を
空間に放射しない様に配慮されている。この遷移では、
後段増幅部の励起光源LD4〜6にはバイアス電流を通
電しない。
【0121】(4)前段安全光状態:前段EDF1の利
得は、設定値(AGC設定電圧)に達しているが、出力
レベルは、ALCモジュールにより、安全光レベルに制
御されている。DCMが未接続あるいは接続不良で後段
EDF2への入力レベルが入力回復しきい値未満で、後
段EDF2の励起光源LD4〜6の動作は停止している
状態。
【0122】(5)前段安全光状態→安全光状態への遷
移: PD4で検出した後段増幅部への入力レベルが入力回
復しきい値以上になったことを検出。
【0123】DCFの損失を補償するように、ALC
モジュールにより可変減衰器ATTの減衰量を調整。具
体的には、後段部への入力レベルの参照値(dBm/c
h、例えば−12dBm/ch)と後段部への光モニタ
値が等しくなる様に減衰量を調整する。波長数が4波な
ら−6dBm(=−12+6)。
【0124】AGCモジュールにより、後段EDF2
の励起光源LD4〜6へのバイアス電流供給を開始。A
GCモジュールは、後段EDFモジュール2の利得をゆ
るやかに増加。後段EDF2の出力レベルは、安全光レ
ベルに保持されるように、安全光設定電圧が設定されて
いる。AGCモジュールは安全光設定電圧とAGC設定
電圧という2つのリファレンス値を持ち、アナログの最
大値回路を通して励起LDを駆動する。
【0125】(6)安全光状態→ALC状態への遷移: OUT PD7で検出した出力光パワーとPD8で検
出した反射光パワーの比が設定値を超えた場合(反射光
パワーが低下した場合)に、出力側の光コネクタ5の接
続を検出。
【0126】AGC設定電圧を所定値までゆるやかに
増加させる。 安全光設定電圧を解除。 (7)ALC状態←→AGCへの遷移: AGCモードへの切り換え信号を光サービスチャネル
より受信。
【0127】切り換え信号受信時点の可変減衰器AT
Tの減衰量をALCモジュールにより固定。光増幅器と
しては、AGCモード(利得一定制御モード)で動作す
る。
【0128】OSCより波長数(チャネル数)情報を
受信。増設用励起光源モジュールBST1,BST2を
増設・撤去の有無をチェック。OSCにより、BST
1,BST2の接続を通知。
【0129】波長数(チャネル数)の増設・撤去完了
に基づいて、OSCより、AGCモードへの切り換え信
号がOFFとなったことを検出。 波長数(チャネル数)に応じたALC設定電圧に更新
し、ALCモジュールより出力。また、波長数に応じた
入力レベル及び出力レベルしきい値に更新し、ALCモ
ジュールによりALC制御を開始。
【0130】(8)ALC状態→安全光状態への遷移: OUT PD7で検出した出力光パワーとPD8で検
出した反射光パワーの比が設定値以下(反射光パワーが
増加した場合)となった場合に、出力側の光コネクタ5
の開放を検出。
【0131】後段EDF2のAGCモジュールの安全
光設定電圧をONにする。 後段EDF2のAGCモジュールのAGC設定電圧を
低下(OFFにする)。
【0132】(9)AGC状態→安全光状態: OUT PD7で検出した出力光パワーとPD8で検
出した反射光パワーの比が設定値以下(反射光パワーが
増加した場合)となった場合に、出力側の光コネクタ5
の開放を検出。
【0133】後段EDF2のAGCモジュールの安全
光設定電圧をONにする。 後段EDF2のAGCモジュールのAGC設定電圧を
低下(OFFにする)。
【0134】(10)各状態→入力断状態(Shutd
own) PD1からの入力レベルがしきい値以下となった場合
に、入力断を検出。
【0135】AGCモジュールのAGC設定電圧をゼ
ロに設定。 ALCモジュールの安全光設定電圧をゼロに設定。 AGC/APCモジュールのAGC設定電圧をゼロに
設定。
【0136】ALCモジュールのALC設定電圧をゼ
ロに設定。 さて、次に、図1の波長多重システムにおいて、光サー
ビスチャネルOSCを用いて、チャネルを増設・撤去す
る場合のシーケンスを図29〜39を用いて説明する。
【0137】図1の波長多重システムにおいて、チャネ
ルの増設・撤去は、波長1510nmの光サービスチャ
ネルOSCのDS1フレーム(図11)によりオンライ
ン(インサービス状態)で制御される。チャネル増設・
撤去のための制御信号は、DS1フレームのOSC−A
ISバイト(タイムスロット9)を用いて送信される。
このOSC−AISバイトの内容を図29、30に示
す。また、チャネル増設・撤去時において、各光増幅器
(TWAA,LWAW1〜3,RWAB)の動作シーケ
ンスを図31〜36に示す。また、動作フローチャート
を図37,38、39に示す。
【0138】まず、チャネルの増設・撤去時、オペレー
タは、波長多重分離装置WMUXAのコンソールを用い
て、チャネル1〜32のビットレート(2.4Gbps
又は10Gbps)及びチャネル1〜32がインサービ
ス(IS)状態かアウトオブサービス(OOS)状態か
を示すProvisioning情報(運用情報)を入
力し、増設・撤去するチャネルの運用情報を更新する。
(図37のS1,図31) これらの運用情報は、波長多重分離装置WMUXAのO
SCインターフェースOSCIA)に送信される。OS
CIAは、各チャネルのビットレート情報(WCR)及
びIS/OOS情報(WCS)をOSCのタイムスロッ
ト23のマルチフレームバイト中のWCRバイト及びW
SCバイトを用いて、各光中継器1〜3及び対局の波長
多重分離装置WMUXBの各OSCIW1〜3,OSC
IBへ送信するとともに、図29、30に示すように、
OSC−AISバイトのコマンドcを用いて、WCR及
びWCSバイトの変更の通知する。
【0139】次に、オペレータは、コンソールにより、
各光増幅器(TWAA,LWAW1〜3,RWAB)を
ALCモードからAGCモードに移行するためのコマン
ドを入力する。このコマンドは、OSCIAに送信され
るとともに、TWAAのCPUに送信される。光ポスト
アンプTWAAは、ALCモードからAGCモードに移
行する。OSCIAは、図29、30に示すようにOS
CのDS1フレームのOSC−AISバイトのビットb
2〜b5を所定パターンに設定して各光増幅器(LWA
W1〜3,RWAB)の光サービスチャネルインターフ
ェースOSCIW1〜3及びOSCIBに送信する。
(図32,図37〜39のS2) 光サービスチャネルインターフェースOSCIW1〜3
及びOSCIBは、OSC−AISバイトのb2〜b5
の内容を各光増幅器のCPUに通知する。CPUは、A
LCモードからAGCモードへの移行コマンドを検出し
た場合、ALCモードからAGCモードへ移行を制御す
る。各光中継器1〜3及び波長多重分離装置WMUXB
において、光インラインアンプLWAW1〜3、光プリ
アンプRWABのAGCモードへの移行が完了すると、
OSCのタイムスロット5〜6のDCCバイトを用い
て、WMUXAに通知する。(図33,図37〜39の
S3) MCAユニットは、チャネル数の増設・撤去の際に、各
光増幅器の増設用励起光源BST1及びBST2の増設
・撤去が必要かどうかを判断する。必要な場合は、OS
C−AISバイトのコマンドdを用いて、各光中継器1
〜3及び波長多重分離装置WMUXBにBST1,2が
接続有無の確認を指示する。また、自装置(WMUX
A)の光ポストアンプTWAAの増設用励起光源BST
1,2接続状態の確認を光ポストアンプTWAAのCP
Uに指示する。例えば、チャネル数が1〜8の場合は、
内蔵励起光源LD1〜6による励起光パワーのみを利用
し、チャネル数9〜16の場合は、内蔵励起光源LD1
〜6に加え、増設用励起光源BST1を動作させて、励
起光パワーを増加させることが必要であり、さらに、チ
ャネル数が17〜32の場合には、BST1とBST2
の両方を動作させることが必要である。各光中継器1〜
3の光インラインアンプLWAW1〜3のBST1及び
2の接続確認情報は、OSCのDCCバイトを用いて送
信され、波長多重分離装置WMUXAの管理装置MCA
にて確認される。(図37〜39のS4) 次に、実際に、チャネルの増設・撤去を実施する。(図
34,図37〜39のS5) 次に、波長多重分離装置WMUXA,WMUXBのSA
UA及びSAUBのCPUは、新たなチャネル情報に基
づいて、設定値を更新する。そして、増設・撤去するチ
ャネルに対応する光可変減衰器VATA1〜32及びV
ATB1〜32の減衰量を最大にして、SAUAによ
り、このチャネルが入力断状態となっていることを確認
する。確認後、波長分離装置WMUXA,WMUXBの
光可変減衰器VATA1〜32及びVATB1〜32の
減衰量は、スペクトラムアナライザSAUA,SAUB
のCPU及び光可変減衰器ユニットVATA,VATB
のCPUにより調整され、最適値に設定される。(図3
7〜39のS6〜S9) MCAは、各光中継器1〜3及び波長多重分離装置Bに
対して、波長(チャネル)情報の更新を指示するコマン
ドを送信する。このコマンドは、OSCIAにより、O
SC−AISバイトのコマンドgとしてOSCで送信さ
れる。各波長多重分離装置WMUXAを含め、光中継器
1〜3及び波長多重分離装置WMUXBは、WCR,W
CSバイトの情報を用いて、チャネル情報を更新する。
図26〜図28において説明した、光増幅器のCPUが
用いる各種しきい値及び設定値も、更新されたチャネル
情報に基づいて変更される。(図37〜39のS11) 各光中継器1〜3及び波長多重分離装置WMUXBは、
ALCモードへの移行準備確認をOSCのDCCバイト
を用いて、MCAに通知する。(図37〜39のS1
2) 次に、管理装置MCAから、AGCモードからALCモ
ードへの移行を全光増幅器に指示する。AGCモードか
らALCモードへの通知は、OSCのOSC−AISバ
イトのコマンドhを用いて行なう。各光増幅器のCPU
は、OSCから、このコマンドhを受信すると、AGC
モードからALCモードへ移行するように制御する。A
LCモードへの移行が完了すると、各光中継器1〜3及
び波長多重分離装置WMUXBは、OSCのDCCを用
いて、MSCAに対して、ALCモードへの復帰完了、
即ち、各光増幅器が正常光状態で動作していることを通
知する。(図35,図37〜39のS13) なお、各光中継器1〜3において、光サービスチャネル
OSCの障害(監視制御光信号断(Loss Of L
ight),監視制御チャネル未実装(Loss Of
Facility),パリティチェックビットによる
受信エラー検出)を検出すると、OSC−AISバイト
のb1ビットにフラグを立て、下流側に通知する。
【0140】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、波長多重光通信システムに要求されるさまざま
な課題を解決した光増幅器を提供し、この光サービスチ
ャネルによりこれらの光増幅器をインサービス(オンラ
イン)で制御することが可能となる。
【0141】以上の説明では、波長多重された光信号を
例に説明したが、実施例の光増幅器は、単一波長の光信
号にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】波長多重伝送システムのシステム構成を示す図
である。
【図2】SONETのSTS−1フレームフォーマット
を示す図である。
【図3】STS−1フレームフォーマットのセクション
オーバヘッド(SOH)及びラインオーバヘッド(LO
H)を説明するための図である。
【図4】STS−1フレームのオーバヘッド部のバイト
割り当てを説明するための図である。
【図5】STS−1フレームをnフレームバイト多重し
て得られるSTS−nフレームを説明するための図であ
る。
【図6】OC−192(STS−192)のフレームフ
ォーマットを示す図である。
【図7】図1の波長多重システムの各波長の光信号の波
長配置(チャネル配置)を説明するための図である。
【図8】波長多重分離装置WMUXA,WMUXBの基
本構成を示す図である。
【図9】光インラインアンプLWAW1〜3の基本構成
を示す図である。
【図10】既存伝送装置の光信号波長を図6のチャネル
配置に従って波長変換するためのトランスポンダの基本
構成を示す図である。
【図11】光サービスチャネルのフレームフォーマット
を示す図である。
【図12】光サービスチャネルOSCの各タイムスロッ
トに挿入されるバイト情報の内容を説明するための図で
ある。
【図13】光サービスチャネルOSCのタイオスロット
23のマルチフレームバイトの1マルチフレームの構成
を説明するための図である。
【図14】波長多重分離装置の光サービスチャネルイン
ターフェースOSCIAの信号受信部の基本構成を示す
図である。
【図15】波長多重分離装置の光サービスチャネルイン
ターフェースOSCIAの信号送信部の基本構成を示す
図である。
【図16】光中継器の光サービスチャネルインターフェ
ースOSCIの基本構成を示す図である。
【図17】図14〜図16のRWAA、TWAA及びL
WAW1に設けられるOSCインタフェースOSCI
B、OSCIA、OSCIW1とオーバヘッドシリアル
インタフェースOHSとのインタフェースを説明する図
である。
【図18】図1の波長多重伝送システムにおける光信号
パワーとノイズとの関係を説明するための図である。
【図19】光増幅器の具体的構成を示す図(その1)で
ある。
【図20】光増幅器の具体的構成を示す図(その2)で
ある。
【図21】光増幅器の動作を説明するための図(その
1)である。
【図22】光増幅器の動作を説明するための図(その
2)である。
【図23】光増幅器の動作を説明するための図(その
3)である。
【図24】光増幅器の動作を説明するための図(その
4)である。
【図25】光増幅器の動作を説明するための図(その
5)である。
【図26】図19と図20の光増幅器の制御部の構成を
説明するための図である。
【図27】光増幅器の制御部の動作を説明するための図
(その1)である。
【図28】光増幅器の制御部の動作を説明するための図
(その2)である。
【図29】チャネル数の増設・撤去時に用いられるOS
Cの監視制御情報の詳細を説明するための図(その1)
である。
【図30】チャネル数の増設・撤去時に用いられるOS
Cの監視制御情報の詳細を説明するための図(その2)
である。
【図31】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その1)である。
【図32】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その2)である。
【図33】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その3)である。
【図34】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その4)である。
【図35】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その5)である。
【図36】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その6)である。
【図37】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その7)である。
【図38】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その8)である。
【図39】チャネル数の増設・撤去時の各光増幅装置の
動作シーケンスを説明するための図(その9)である。
【符号の説明】
10 オーバヘッド 11 SOH 12 LOH 13 ポインタバイト 20 ペイロード 2−1 可変光減衰器 2−2 モニタ 2−3、4−1、5−1、6−1、31−5 CP
U 2−4、4−3 OSCIA 2−5 カプラ 3−1 マルチプレクサ 4−2 電気/光変換器 4−4、4−5、6−4、6−5 光増幅部 4−6、4−7、6−6 カプラ 5−2 スペクトルアナライザ 6−2 光/電気変換部 6−3 OSCIB 7−1 デマルチプレクサ 8−1、32−1、33−3、42−1、43−3
光電変換部 8−2、9−3、32−2、42−2 HUB 8−3、32−3、41−3、42−3 OHS 8−4、32−4、42−4 モニタ 8−5、32−5、42−5 アラーム発生部 9−1、33−1、43−1 PCI 31−1 プレアンプ 31−2 ポストアンプ 31−3、41−1 光/電気変換部 31−4、41−2 電気/光変換部 31−6 OSCIW1 52、92 CMIデコーダ 53、94 フレーム同期部 54、78、93、106 PG 55、95 保護部 56、75、96、103 BIP演算部 57、98 比較部 58、97 デマルチプレクサ 59、99 保持部 60、100 三段保護部 61、102 セレクタ 71 チェック処理部 72、104 マルチプレクサ 73 provision 74 コンディション監視部 76 マルチプレクサ 77、107 デジタルPLL 79、105 フレーム生成部 80、108 CMIコーディング部 120 光信号モニタ回路 121、126 励起LDモジュール 122、127 バイアス制御回路 123、128 温度制御回路 124、129 外部温度センサ 125、130 AD/DAコンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上釜 貴美男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 坂本 剛 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長の異なる複数の光信号を波長多重する
    手段と、 複数のタイムスロットからなるフレーム信号の所定のタ
    イムスロットに波長多重する光信号の増減に関する情報
    を載せ、監視制御用フレーム信号を出力する手段と、 該光信号の波長とは異なる波長の光信号で該監視制御用
    光信号を送信する手段とを備えたことを特徴とする波長
    多重伝送システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003179558A (ja) * 2001-12-13 2003-06-27 Furukawa Electric Co Ltd:The 利得等化器
JP2005204026A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Fujitsu Ltd 光伝送システム
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JP2007142008A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Fujitsu Ltd 光増幅器
JP2011181927A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Fujitsu Ltd 偏波ホールバーニングを軽減させるシステム及び方法

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