JPH11310772A - 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 - Google Patents
長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物Info
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- JPH11310772A JPH11310772A JP11839298A JP11839298A JPH11310772A JP H11310772 A JPH11310772 A JP H11310772A JP 11839298 A JP11839298 A JP 11839298A JP 11839298 A JP11839298 A JP 11839298A JP H11310772 A JPH11310772 A JP H11310772A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構
造がアルキレン構造のシリコーン系ポリマーを主成分と
するシーリング材の内部硬化性に配慮して貯安性、総合
的シール作業性、特にヘラ切れ性を改良する。 【解決手段】 アルコキシシリル基がメチルジメトキシ
シリル基であって主鎖構造がポリイソブチレンであり、
数平均分子量が5000〜20000(PIBポリマ
ー)で、プロセスオイルと呼ばれるパラフィン系可塑剤
を希釈剤として10〜40重量%含有しているシリル化
ポリアルキレン系ポリマーを窒素気流装置、攪拌機、減
圧脱水装置及び加熱装置を備えたシーラント製造装置に
仕込み、攪拌しながら炭酸カルシウムなどの無機充填
材、必要に応じて可塑剤、揺変剤、老化防止剤などを順
次仕込み、均質混合する。さらに、中空構造を有する充
填材を混合する。混合時期は、バルーンが破壊されない
ように均質混合できる範囲で出来るだけ後工程で配合す
し、混合加工後、密閉な金属缶に取り出す。
造がアルキレン構造のシリコーン系ポリマーを主成分と
するシーリング材の内部硬化性に配慮して貯安性、総合
的シール作業性、特にヘラ切れ性を改良する。 【解決手段】 アルコキシシリル基がメチルジメトキシ
シリル基であって主鎖構造がポリイソブチレンであり、
数平均分子量が5000〜20000(PIBポリマ
ー)で、プロセスオイルと呼ばれるパラフィン系可塑剤
を希釈剤として10〜40重量%含有しているシリル化
ポリアルキレン系ポリマーを窒素気流装置、攪拌機、減
圧脱水装置及び加熱装置を備えたシーラント製造装置に
仕込み、攪拌しながら炭酸カルシウムなどの無機充填
材、必要に応じて可塑剤、揺変剤、老化防止剤などを順
次仕込み、均質混合する。さらに、中空構造を有する充
填材を混合する。混合時期は、バルーンが破壊されない
ように均質混合できる範囲で出来るだけ後工程で配合す
し、混合加工後、密閉な金属缶に取り出す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿気硬化型シリコー
ン系シーリング材の改良に関する。
ン系シーリング材の改良に関する。
【0002】
【従来技術】シリル化ポリアルキレン系シーリング材
は、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がア
ルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分と
し、プロセスオイル等の可塑剤、無機充填材、必要に応
じ顔料、揺変剤、老化防止剤を配合したシーリング材組
成物である。このシーリング材で市場導入段階にあるの
が、アルコキシシリル基がメチルジメトキシシリル基で
あって、主鎖構造がポリイソブチレンのシリコーン系ポ
リマーを主成分とするシーリング材組成物である。この
シーリング材の使用に当たっては、上記シーリング材組
成物にスズ系触媒及びアミン化合物を配合した硬化剤を
混合する2成分形シーラントとする。更に目的によって
は、着色顔料を可塑剤等に分散した着色ペースト類を配
合することもある。このシーリング材は、分子末端がア
ルコキシシリル基で主鎖構造が有機化合物系ポリマーで
あるため、変成シリコーン系シーラントに分類される。
硬化機構はアルコキシシリル基が、湿気硬化によりシロ
キサン結合をつくりゴム状弾性体を形成することによ
る。その硬化物の特性は、親水性のポリエーテル化合物
を主鎖構造とする市販の変成シリコーン系シーラントに
比べ、疎水性の炭化水素を主鎖構造とするため、格段に
耐候性、耐湿性、耐久性などが優れている。主鎖構造が
炭化水素であることは、確かに一旦硬化すれば優れた耐
湿性を与えるが、疎水性のため湿気硬化が深部まで至り
にくいとの大きな難点がある。
は、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がア
ルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分と
し、プロセスオイル等の可塑剤、無機充填材、必要に応
じ顔料、揺変剤、老化防止剤を配合したシーリング材組
成物である。このシーリング材で市場導入段階にあるの
が、アルコキシシリル基がメチルジメトキシシリル基で
あって、主鎖構造がポリイソブチレンのシリコーン系ポ
リマーを主成分とするシーリング材組成物である。この
シーリング材の使用に当たっては、上記シーリング材組
成物にスズ系触媒及びアミン化合物を配合した硬化剤を
混合する2成分形シーラントとする。更に目的によって
は、着色顔料を可塑剤等に分散した着色ペースト類を配
合することもある。このシーリング材は、分子末端がア
ルコキシシリル基で主鎖構造が有機化合物系ポリマーで
あるため、変成シリコーン系シーラントに分類される。
硬化機構はアルコキシシリル基が、湿気硬化によりシロ
キサン結合をつくりゴム状弾性体を形成することによ
る。その硬化物の特性は、親水性のポリエーテル化合物
を主鎖構造とする市販の変成シリコーン系シーラントに
比べ、疎水性の炭化水素を主鎖構造とするため、格段に
耐候性、耐湿性、耐久性などが優れている。主鎖構造が
炭化水素であることは、確かに一旦硬化すれば優れた耐
湿性を与えるが、疎水性のため湿気硬化が深部まで至り
にくいとの大きな難点がある。
【0003】また、このシーリング材は、使用段階にお
ける総合的シール作業性に著しく難点が指摘されてい
る。この総合的シール作業性とは、硬化剤配合時の混合
容易性(以下、「混合性」という。)、目地充填時の作
業のしやすさ(以下、「シール作業適性」という。)、
垂直目地充填後の塑性流動による仕上がり不良(以下、
「スランプ性」という。)に分類されるが、業界ではこ
の作業性の良否は、硬化物性と同じくらい重視されてい
る。ところで、この総合的シール作業性が劣る原因は、
そのシーラントのベースポリマーが粘度が非常に高く、
構造粘性の付与が困難なためである。そのため、混合加
工したシーリング材は業界でいう重たくキレの悪い粘性
で、この改良が必要である。
ける総合的シール作業性に著しく難点が指摘されてい
る。この総合的シール作業性とは、硬化剤配合時の混合
容易性(以下、「混合性」という。)、目地充填時の作
業のしやすさ(以下、「シール作業適性」という。)、
垂直目地充填後の塑性流動による仕上がり不良(以下、
「スランプ性」という。)に分類されるが、業界ではこ
の作業性の良否は、硬化物性と同じくらい重視されてい
る。ところで、この総合的シール作業性が劣る原因は、
そのシーラントのベースポリマーが粘度が非常に高く、
構造粘性の付与が困難なためである。そのため、混合加
工したシーリング材は業界でいう重たくキレの悪い粘性
で、この改良が必要である。
【0004】従来、この難点を改良すべき技術手段とし
て、水を配合する試みがなされている。この水の配合
で、内部硬化性が改良され、水による部分乳化に由来す
るためか構造粘性が向上し、総合的シール作業性も幾分
改善する。しかし、加水分解性を持つアルコキシシリル
基含有ポリマーに水分を配合することは、貯蔵時の大幅
な粘度変化をまねき重大な品質低下の原因となる。つま
り貯蔵安定性(以下、「貯安性」という。)の維持に大
きな問題点がある。
て、水を配合する試みがなされている。この水の配合
で、内部硬化性が改良され、水による部分乳化に由来す
るためか構造粘性が向上し、総合的シール作業性も幾分
改善する。しかし、加水分解性を持つアルコキシシリル
基含有ポリマーに水分を配合することは、貯蔵時の大幅
な粘度変化をまねき重大な品質低下の原因となる。つま
り貯蔵安定性(以下、「貯安性」という。)の維持に大
きな問題点がある。
【0005】しかしながら、このシーリング材の硬化後
の優れた各種特性を維持し、内部硬化性、貯安性、総合
的シール作業性などの諸問題を根本的に改良することが
できるなら、使いやすく今までにない高度な物性を持つ
全く新しい変成シリコーン系シーラントを産業界に提供
することになる。
の優れた各種特性を維持し、内部硬化性、貯安性、総合
的シール作業性などの諸問題を根本的に改良することが
できるなら、使いやすく今までにない高度な物性を持つ
全く新しい変成シリコーン系シーラントを産業界に提供
することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】分子末端にアルコキシ
シリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコ
ーン系ポリマーを主成分とするシーリング材の内部硬化
性に配慮して貯安性を改良すると共に、上記の総合的シ
ール作業性を改良することにある。更には、総合的シー
ル作業性の内、特にヘラ切れ性を改良することにある。
シリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコ
ーン系ポリマーを主成分とするシーリング材の内部硬化
性に配慮して貯安性を改良すると共に、上記の総合的シ
ール作業性を改良することにある。更には、総合的シー
ル作業性の内、特にヘラ切れ性を改良することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のシーリング材の内
部硬化性を改良する技術手段である水分の配合は、本質
的に貯安性が乏しいため、これに代わる手段を探すこと
とした。一般に主鎖構造が親水性のポリエーテル化合物
である変成シリコーン系シーラントにアルコールを配合
することは、経時増粘、経時硬化遅延など貯安性の低下
の原因となるため技術手段として避けられている。しか
し、主鎖構造が疎水性のポリアルキレン化合物なら、ア
ルコキシシリル基に与える影響が変わるのではないかと
考えた。そこで、親水性を付与するため、低分子から高
分子に至る各種アルコールを配合したところ、主鎖構造
が疎水性のポリアルキレン構造なら内部硬化性を低下さ
せず、貯安性を改良できることに気づいた。その実験過
程で、特定のアルコールの配合が粘性までも著しく変化
させることも発見した。その粘性の変化とは、構造粘性
の付与であった。当初は内部硬化性を配慮した貯安性の
改良しか考えていなかったが、この構造粘性を著しく変
化させる予期せぬ特性を、懸案となっている総合的シー
ル作業性の改良にまで利用できないかと考えた。この考
えを基に、鋭意実験を重ねたところ、このシーリング材
に多価アルコールを配合する時に限り、内部硬化性を低
下させることなく、貯安性の改良と著しい総合的シール
作業性の改善を与えること、しかも硬化後の本来の物性
になんら悪影響を与えないことを確認した。しかし、発
明者らはヘラ切れ性の更なる改善に努めた。ヘラ切れ性
は、シーリング材施工工程中のヘラ仕上げ時の作業性に
大きな影響を与える。即ち、ヘラ切れ性が乏しいとシー
リング材が目地周辺に付着し、美観性を損なうこととな
る。そこで、有機又は無機充填材、揺変剤などを検討す
る中で、中空構造を有する充填材を配合した時に限り、
ヘラ切れ性が格段に向上することを発見した。
部硬化性を改良する技術手段である水分の配合は、本質
的に貯安性が乏しいため、これに代わる手段を探すこと
とした。一般に主鎖構造が親水性のポリエーテル化合物
である変成シリコーン系シーラントにアルコールを配合
することは、経時増粘、経時硬化遅延など貯安性の低下
の原因となるため技術手段として避けられている。しか
し、主鎖構造が疎水性のポリアルキレン化合物なら、ア
ルコキシシリル基に与える影響が変わるのではないかと
考えた。そこで、親水性を付与するため、低分子から高
分子に至る各種アルコールを配合したところ、主鎖構造
が疎水性のポリアルキレン構造なら内部硬化性を低下さ
せず、貯安性を改良できることに気づいた。その実験過
程で、特定のアルコールの配合が粘性までも著しく変化
させることも発見した。その粘性の変化とは、構造粘性
の付与であった。当初は内部硬化性を配慮した貯安性の
改良しか考えていなかったが、この構造粘性を著しく変
化させる予期せぬ特性を、懸案となっている総合的シー
ル作業性の改良にまで利用できないかと考えた。この考
えを基に、鋭意実験を重ねたところ、このシーリング材
に多価アルコールを配合する時に限り、内部硬化性を低
下させることなく、貯安性の改良と著しい総合的シール
作業性の改善を与えること、しかも硬化後の本来の物性
になんら悪影響を与えないことを確認した。しかし、発
明者らはヘラ切れ性の更なる改善に努めた。ヘラ切れ性
は、シーリング材施工工程中のヘラ仕上げ時の作業性に
大きな影響を与える。即ち、ヘラ切れ性が乏しいとシー
リング材が目地周辺に付着し、美観性を損なうこととな
る。そこで、有機又は無機充填材、揺変剤などを検討す
る中で、中空構造を有する充填材を配合した時に限り、
ヘラ切れ性が格段に向上することを発見した。
【0008】その後、中空構造を有する充填材の種類と
組み合わせ、配合量を検討し、本発明を完成するに至っ
た。
組み合わせ、配合量を検討し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】以下、本発明の具体的技術手段を説明す
る。請求項1の発明は、分子末端にアルコキシシリル基
を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポ
リマーを主成分とするシーリング材に多価アルコール、
及び、中空構造を有する無機充填材を配合することを特
徴とする長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作
業適性に優れたシーリング材組成物に関する。
る。請求項1の発明は、分子末端にアルコキシシリル基
を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポ
リマーを主成分とするシーリング材に多価アルコール、
及び、中空構造を有する無機充填材を配合することを特
徴とする長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作
業適性に優れたシーリング材組成物に関する。
【0010】即ち、本発明の分子末端にアルコキシシリ
ル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン
系ポリマーとは、トリアルコキシシリル基、アルキルジ
アルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基の
1種以上を分子末端に有し、主鎖構造がエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレンのような繰り返し単位
のポリアルキレン構造を持つ数平均分子量が1000〜
30000のポリマーである。この内、アルコキシシリ
ル基がメチルジメトキシシリル基であって、主鎖構造が
ポリイソブチレンであり数平均分子量が5000〜20
000であるポリマーが耐候性、耐湿性、耐久性に優れ
るため好ましい。
ル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン
系ポリマーとは、トリアルコキシシリル基、アルキルジ
アルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基の
1種以上を分子末端に有し、主鎖構造がエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレンのような繰り返し単位
のポリアルキレン構造を持つ数平均分子量が1000〜
30000のポリマーである。この内、アルコキシシリ
ル基がメチルジメトキシシリル基であって、主鎖構造が
ポリイソブチレンであり数平均分子量が5000〜20
000であるポリマーが耐候性、耐湿性、耐久性に優れ
るため好ましい。
【0011】本発明における多価アルコールとは、−C
H2−CH2O−を繰り返し単位とするエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
−CH2−CH(CH3)O−を繰り返し単位とするプロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール
などのアルキレングリコール、及び、グリセリンがあ
る。尚、本発明の効果は低分子量の多価アルコールに限
られる。その分子量の上限は400である。400を超
えた場合は内部硬化性が低下し、総合的シール作業性の
改良効果も乏しく、実用的性能は得られない。この内、
モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ンが本来の硬化物性を維持しながら内部硬化性、構造粘
性の付与、総合的シール作業性の改良効果を与えるため
好ましい。
H2−CH2O−を繰り返し単位とするエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
−CH2−CH(CH3)O−を繰り返し単位とするプロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール
などのアルキレングリコール、及び、グリセリンがあ
る。尚、本発明の効果は低分子量の多価アルコールに限
られる。その分子量の上限は400である。400を超
えた場合は内部硬化性が低下し、総合的シール作業性の
改良効果も乏しく、実用的性能は得られない。この内、
モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ンが本来の硬化物性を維持しながら内部硬化性、構造粘
性の付与、総合的シール作業性の改良効果を与えるため
好ましい。
【0012】本発明に用いる中空構造を有する充填材と
は、ガラス物質のような化合物が微小な風船状の外殻と
なり、内部が空洞になった充填材で、無機系充填材と有
機系充填材に分類できる。無機系充填材は、火山活動な
どで形成されたシラス台地から産出されるシラスバルー
ンのような天然材料から、人工的にガラス物質又はセラ
ミックを微小な中空構造にしたガラスバルーン、セラミ
ックバルーンのような人工材料がある。有機系充填材
は、マイクロカプセル技術を用いたポリマーを外殻とす
るポリマーバルーン型材料がある。この内、天然材料で
あるシラスバルーン、珪酸ガラスを外殻とするガラスバ
ルーン、セラミックを外殻とするセラミックバルーン
が、ヘラ切れ性がよく好ましい。
は、ガラス物質のような化合物が微小な風船状の外殻と
なり、内部が空洞になった充填材で、無機系充填材と有
機系充填材に分類できる。無機系充填材は、火山活動な
どで形成されたシラス台地から産出されるシラスバルー
ンのような天然材料から、人工的にガラス物質又はセラ
ミックを微小な中空構造にしたガラスバルーン、セラミ
ックバルーンのような人工材料がある。有機系充填材
は、マイクロカプセル技術を用いたポリマーを外殻とす
るポリマーバルーン型材料がある。この内、天然材料で
あるシラスバルーン、珪酸ガラスを外殻とするガラスバ
ルーン、セラミックを外殻とするセラミックバルーン
が、ヘラ切れ性がよく好ましい。
【0013】本発明のシーリング材ベースは、上記シリ
コーン系ポリマー、炭酸カルシウム、タルク、クレーな
どの無機充填材、プロセスオイルのようなパラフィン系
可塑剤、ジオクチルフタレートのようなフタル酸エステ
ル系可塑剤、必要に応じてチタン白などの着色顔料、脂
肪酸アミド、無水シリカなどの揺変剤、及び、芒硝のよ
うな分子内に結晶水を有する化合物などを配合したもの
である。このシーリング材ベースは、シリコーン系ポリ
マー100重量部に対し、無機充填材50〜300重量
部、可塑剤10〜200重量部が好ましい。
コーン系ポリマー、炭酸カルシウム、タルク、クレーな
どの無機充填材、プロセスオイルのようなパラフィン系
可塑剤、ジオクチルフタレートのようなフタル酸エステ
ル系可塑剤、必要に応じてチタン白などの着色顔料、脂
肪酸アミド、無水シリカなどの揺変剤、及び、芒硝のよ
うな分子内に結晶水を有する化合物などを配合したもの
である。このシーリング材ベースは、シリコーン系ポリ
マー100重量部に対し、無機充填材50〜300重量
部、可塑剤10〜200重量部が好ましい。
【0014】本発明のシーリング材は、このシーリング
材ベースの製造時又は製造後に上記多価アルコール、及
び、中空構造の充填材を配合したものである。本発明の
シーリング材は、密閉容器に貯蔵し、使用時にスズ系触
媒及びアミン化合物、また必要に応じてアルミニウムシ
リケートやケイ酸カルシウムを配合した公知の硬化剤を
混合する2成分形シーラントとして用いる。
材ベースの製造時又は製造後に上記多価アルコール、及
び、中空構造の充填材を配合したものである。本発明の
シーリング材は、密閉容器に貯蔵し、使用時にスズ系触
媒及びアミン化合物、また必要に応じてアルミニウムシ
リケートやケイ酸カルシウムを配合した公知の硬化剤を
混合する2成分形シーラントとして用いる。
【0015】請求項2の発明は、アルコキシシリル基が
メチルジメトキシシリル基であって、主鎖構造がポリイ
ソブチレンである請求項1の手段におけるシリコーン系
ポリマーを主成分とするシーリング材に、モノエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリンから選択し
た多価アルコールを1種以上、及び、ガラスバルーン、
シラスバルーン、セラミックバルーンから選択した中空
構造を有する充填材を1種以上配合することを特徴とす
る請求項1の手段におけるシーリング材組成物である。
メチルジメトキシシリル基であって、主鎖構造がポリイ
ソブチレンである請求項1の手段におけるシリコーン系
ポリマーを主成分とするシーリング材に、モノエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリンから選択し
た多価アルコールを1種以上、及び、ガラスバルーン、
シラスバルーン、セラミックバルーンから選択した中空
構造を有する充填材を1種以上配合することを特徴とす
る請求項1の手段におけるシーリング材組成物である。
【0016】即ち、このシーリング材組成物が、優れた
貯安性と総合的シール作業性、特にヘラ切れ性と保形性
に著しい向上を示す。さらに、内部硬化性と硬化物性に
も悪影響を与えない好ましい組成物である。
貯安性と総合的シール作業性、特にヘラ切れ性と保形性
に著しい向上を示す。さらに、内部硬化性と硬化物性に
も悪影響を与えない好ましい組成物である。
【0017】請求項3の発明は、上記シーリング材にお
いて、上記シリコーン系ポリマー100重量部に対し、
上記多価アルコール0.1〜50重量部、及び、中空構
造を有する充填材0.5〜50重量部配合することを特
徴とする請求項1又は請求項2の手段におけるシーリン
グ材組成物である。この範囲の配合を行ったとき、本発
明の効果は優れる。
いて、上記シリコーン系ポリマー100重量部に対し、
上記多価アルコール0.1〜50重量部、及び、中空構
造を有する充填材0.5〜50重量部配合することを特
徴とする請求項1又は請求項2の手段におけるシーリン
グ材組成物である。この範囲の配合を行ったとき、本発
明の効果は優れる。
【0018】即ち、多価アルコールが0.1重量部以下
の場合は、構造粘性に導く粘性改良効果が少ないため総
合的シール物性の改良効果が不足しがちとなり、50重
量部以上の場合は、硬化後の耐候性、耐湿性、耐久性が
不足しがちとなる。このうち、特に好ましくは0.5〜
30重量部が本発明の効果が最も発揮される。また、中
空構造を有する充填材が0.5重量部以下の場合は、ヘ
ラ切れ性が不足しがちとなり、50重量部以上の場合は
シーリング材のきめの細かさなどの均質性が不足しがち
となる。特に好ましくは1〜30重量部が本発明の効果
が最も発揮される。
の場合は、構造粘性に導く粘性改良効果が少ないため総
合的シール物性の改良効果が不足しがちとなり、50重
量部以上の場合は、硬化後の耐候性、耐湿性、耐久性が
不足しがちとなる。このうち、特に好ましくは0.5〜
30重量部が本発明の効果が最も発揮される。また、中
空構造を有する充填材が0.5重量部以下の場合は、ヘ
ラ切れ性が不足しがちとなり、50重量部以上の場合は
シーリング材のきめの細かさなどの均質性が不足しがち
となる。特に好ましくは1〜30重量部が本発明の効果
が最も発揮される。
【0019】請求項4の発明は、上記中空構造を有する
充填材の平均粒子径が5〜500μmであることを特徴
とする請求項1ないし請求項3の手段の何れかにおける
シーリング材組成物である。
充填材の平均粒子径が5〜500μmであることを特徴
とする請求項1ないし請求項3の手段の何れかにおける
シーリング材組成物である。
【0020】即ち、5μm以下の場合はヘラ切れ性が不
足しがちとなり、500μm以上では、シーリング材の
きめの細かさなどの均質性が不足しがちとなる。特に好
ましくは20〜200μmが本発明の効果が最も発揮さ
れる。
足しがちとなり、500μm以上では、シーリング材の
きめの細かさなどの均質性が不足しがちとなる。特に好
ましくは20〜200μmが本発明の効果が最も発揮さ
れる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のシリル化ポリアルキレン
系シーリング材の実施の形態を記述する上で、ベストモ
ードとなる製造方法で説明をする。シリル化ポリアルキ
レン系ポリマーは、アルコキシシリル基がメチルジメト
キシシリル基であって主鎖構造がポリイソブチレンであ
り、数平均分子量が5000〜20000(以下、この
ポリマーを「PIBポリマー」という。)が市販されて
いるのでこれを用いて説明する。この市販品は、取り扱
いやすい液状にするため、プロセスオイルと呼ばれるパ
ラフィン系可塑剤を希釈剤として10〜40重量%含有
している。このポリマーを窒素気流装置、攪拌機、減圧
脱水装置及び加熱装置を備えたシーラント製造装置に仕
込む。この装置はウレタンシーリング材又は変成シリコ
ーンシーリング材を製造する装置でよい。この装置にプ
ロセスオイルで希釈したPIBポリマーを仕込み、攪拌
しながら炭酸カルシウムなどの無機充填材、必要に応じ
て可塑剤、揺変剤、老化防止剤などを順次仕込み、均質
混合を行う。この中で本発明の多価アルコールの混合時
期は特に定めがない。
系シーリング材の実施の形態を記述する上で、ベストモ
ードとなる製造方法で説明をする。シリル化ポリアルキ
レン系ポリマーは、アルコキシシリル基がメチルジメト
キシシリル基であって主鎖構造がポリイソブチレンであ
り、数平均分子量が5000〜20000(以下、この
ポリマーを「PIBポリマー」という。)が市販されて
いるのでこれを用いて説明する。この市販品は、取り扱
いやすい液状にするため、プロセスオイルと呼ばれるパ
ラフィン系可塑剤を希釈剤として10〜40重量%含有
している。このポリマーを窒素気流装置、攪拌機、減圧
脱水装置及び加熱装置を備えたシーラント製造装置に仕
込む。この装置はウレタンシーリング材又は変成シリコ
ーンシーリング材を製造する装置でよい。この装置にプ
ロセスオイルで希釈したPIBポリマーを仕込み、攪拌
しながら炭酸カルシウムなどの無機充填材、必要に応じ
て可塑剤、揺変剤、老化防止剤などを順次仕込み、均質
混合を行う。この中で本発明の多価アルコールの混合時
期は特に定めがない。
【0022】本発明の中空構造の充填材の混合時期も特
に定めはないが、シーリング材の製造装置で過度のせん
断力が負荷されるような装置では、バルーンが破壊され
るため、初期に配合するより均質混合できる範囲で後工
程で配合した方がよい。かくして混合加工後、密閉な金
属缶に取り出す。
に定めはないが、シーリング材の製造装置で過度のせん
断力が負荷されるような装置では、バルーンが破壊され
るため、初期に配合するより均質混合できる範囲で後工
程で配合した方がよい。かくして混合加工後、密閉な金
属缶に取り出す。
【0023】本発明のシーリング材を使用する方法は、
上記のようにして製造したシーリング材を主剤として、
シーラント工事等の施工前に市販の混合装置を用いて硬
化剤を配合すればよい。この硬化剤は、スズ触媒などの
金属系化合物、アミン化合物など、公知のもの適宜を選
択すればよい。また、必要に応じて着色カラーペースト
などの着色剤を適宜配合することもできる。混合後は、
定められた可使時間内に通常業界で実施されている方法
でシーラント工事する。
上記のようにして製造したシーリング材を主剤として、
シーラント工事等の施工前に市販の混合装置を用いて硬
化剤を配合すればよい。この硬化剤は、スズ触媒などの
金属系化合物、アミン化合物など、公知のもの適宜を選
択すればよい。また、必要に応じて着色カラーペースト
などの着色剤を適宜配合することもできる。混合後は、
定められた可使時間内に通常業界で実施されている方法
でシーラント工事する。
【0024】
【実施例】(実施例1)市販のシール混合機である加
熱、攪拌、減圧、窒素気流装置を備えた5Lプラネタリ
ーミキサー(商品名プラネタリーミキサーPLM5:井
上製作所製)に、数平均分子量(以下Mnと表記)20
000の分子末端がメチルジメトキシシリル基で主鎖が
ポリイソブチレンであるシリコーン系ポリマー100重
量部を含むパラフィン系可塑剤溶液(商品名エピオン:
鐘淵化学工業社製)150重量部、可塑剤としてパラフ
ィン系プロセスオイル(商品名ダイアナプロセスオイル
PS−32:出光興産社製)50重量部、コロイド炭酸
カルシウム(商品名MC−K:丸尾カルシウム社製)1
50重量部、エチレングリコール10重量部、平均粒子
径40μmのガラスバルーン(商品名S−35:富士シ
リシア社製)10重量部を加え、粗練り工程として50
Torrの減圧下で室温にて攪拌を30分間行った。そ
の後、パラフィン系プロセスオイル(商品名ダイアナプ
ロセスオイルPS−32:出光興産社製)20重量部を
加え、50Torrの条件で攪拌を60分間行ない、2
成分形シーリング材の基剤を作製した。
熱、攪拌、減圧、窒素気流装置を備えた5Lプラネタリ
ーミキサー(商品名プラネタリーミキサーPLM5:井
上製作所製)に、数平均分子量(以下Mnと表記)20
000の分子末端がメチルジメトキシシリル基で主鎖が
ポリイソブチレンであるシリコーン系ポリマー100重
量部を含むパラフィン系可塑剤溶液(商品名エピオン:
鐘淵化学工業社製)150重量部、可塑剤としてパラフ
ィン系プロセスオイル(商品名ダイアナプロセスオイル
PS−32:出光興産社製)50重量部、コロイド炭酸
カルシウム(商品名MC−K:丸尾カルシウム社製)1
50重量部、エチレングリコール10重量部、平均粒子
径40μmのガラスバルーン(商品名S−35:富士シ
リシア社製)10重量部を加え、粗練り工程として50
Torrの減圧下で室温にて攪拌を30分間行った。そ
の後、パラフィン系プロセスオイル(商品名ダイアナプ
ロセスオイルPS−32:出光興産社製)20重量部を
加え、50Torrの条件で攪拌を60分間行ない、2
成分形シーリング材の基剤を作製した。
【0025】(比較例1)実施例1の製造工程におい
て.ガラスバルーンは配合せず、それ以外は実施例1と
同じ方法で2成分形シーリング材の基剤を得た。
て.ガラスバルーンは配合せず、それ以外は実施例1と
同じ方法で2成分形シーリング材の基剤を得た。
【0026】(比較例2)実施例1の製造工程におい
て.エチレングリコールは配合せず、それ以外は実施例
1と同じ方法で2成分形シーリング材の基剤を得た。
て.エチレングリコールは配合せず、それ以外は実施例
1と同じ方法で2成分形シーリング材の基剤を得た。
【0027】(比較例3)実施例1の製造工程におい
て,ガラスバルーン及びエチレングリコールは配合せ
ず、それ以外は実施例1と同じ方法で2成分形シーリン
グ材の基剤を得た。このようにして得られた2成分形シ
ーリング材の基剤について硬化性、粘性、貯安性、総合
的シール作業性、シール物性を下記の方法にて評価し
た。
て,ガラスバルーン及びエチレングリコールは配合せ
ず、それ以外は実施例1と同じ方法で2成分形シーリン
グ材の基剤を得た。このようにして得られた2成分形シ
ーリング材の基剤について硬化性、粘性、貯安性、総合
的シール作業性、シール物性を下記の方法にて評価し
た。
【0028】シーラント作業に用いる硬化性を備えたシ
ーリング材(以下、「硬化性試料」という)は、実施例
及び比較例の基剤100重量部に対して、硬化剤(硬化
剤はスズ触媒、アミン化合物、及び、アルミニウムシリ
ケート、プロセスオイルの混合物で構成したペースト状
のもの)を10重量部配合した。それぞれの硬化性試料
を深さ15mm、直径50mmの円柱型の容器に充填す
る。充填したものを標準条件(22±1℃.55±5%
RH)に調整された屋内に放置し、24時間後と48時
間後にJIS K6031のスプリング式硬さ試験機A
形を押しあてて、測定値が1以上を示したときゴム弾性
発現とみなした。
ーリング材(以下、「硬化性試料」という)は、実施例
及び比較例の基剤100重量部に対して、硬化剤(硬化
剤はスズ触媒、アミン化合物、及び、アルミニウムシリ
ケート、プロセスオイルの混合物で構成したペースト状
のもの)を10重量部配合した。それぞれの硬化性試料
を深さ15mm、直径50mmの円柱型の容器に充填す
る。充填したものを標準条件(22±1℃.55±5%
RH)に調整された屋内に放置し、24時間後と48時
間後にJIS K6031のスプリング式硬さ試験機A
形を押しあてて、測定値が1以上を示したときゴム弾性
発現とみなした。
【0029】粘性は、上記の硬化性試料にて、BS型回
転粘度計(商品名ビスコメーターBS:トキメック社
製)の回転数10r/minにおける粘度および2r/
minにおける粘度(23℃)を測定し、(2r/mi
nにおける粘度)/(10r/minにおける粘度)の
値を小数点下一桁のところまで計算した。この値は通常
その数値が大きい方が一般的に保形性などの総合的シー
ル作業性が良いことを示しているが、絶対的な指標とは
ならないため、総合的シール作業性の項目でも作業性を
確認した。
転粘度計(商品名ビスコメーターBS:トキメック社
製)の回転数10r/minにおける粘度および2r/
minにおける粘度(23℃)を測定し、(2r/mi
nにおける粘度)/(10r/minにおける粘度)の
値を小数点下一桁のところまで計算した。この値は通常
その数値が大きい方が一般的に保形性などの総合的シー
ル作業性が良いことを示しているが、絶対的な指標とは
ならないため、総合的シール作業性の項目でも作業性を
確認した。
【0030】
【表1】
【0031】貯安性は、硬化剤を配合しないそれぞれの
基剤を深さ100mm、直径150mmの円柱形ふた付
き金属容器中に上記基剤を500g入れ、50℃のオー
ブン(商品名パーフェクトオーブン:田葉井製作所社
製)に放置し、3日後、30日後に各基材を50℃のオ
ーブンから取出した後、23℃に24時間放置した。そ
の後、上記粘度計にて各基剤の回転数2r/minの粘
度を測定した。
基剤を深さ100mm、直径150mmの円柱形ふた付
き金属容器中に上記基剤を500g入れ、50℃のオー
ブン(商品名パーフェクトオーブン:田葉井製作所社
製)に放置し、3日後、30日後に各基材を50℃のオ
ーブンから取出した後、23℃に24時間放置した。そ
の後、上記粘度計にて各基剤の回転数2r/minの粘
度を測定した。
【0032】総合的シール作業性は、粘性に示した値だ
けでは、シール作業性の絶対的な指標にはならないの
で、それぞれの硬化性試料での実際の作業性を評価し
た。評価は、金属製のヘラで基剤300gと硬化剤30
gとを3分間混合することで行った。即ち、混合性は、
上記のヘラでの混合初期に大きな抵抗感を示すかどうか
を評価し、ヘラ切れ性は、硬化性試料を上記のヘラです
くい取った時の糸引き性(糸が引かない方がよい)を評
価し、保形性は上記のヘラ上での硬化性試料の係止状保
持性を評価した。評価は、◎、○、△、×の4段階とし
た。◎は極めて良好、○は良好、△は実用上の下限だ
が、実用範囲にあり、×は実用上使用困難であることを
示す。また、スランプ性はJIS A1439に準拠し
て行った。即ち、長さ150mm、両端が開き、底面の
一方が50mm長く、幅10mm、深さ10mmに金属
製溝形容器に試料を溝形容器の内側に充填する。試料の
表面は溝形容器の上面及び両端と同一になるように平滑
にならす。その試験体を長さ方向に鉛直に懸垂して(容
器の底面の長い方を下にして)、50℃の上記と同様の
オーブンに24時間置き、充填した試料が溝部分の下端
から垂れ下がった先端までの距離を測定した。
けでは、シール作業性の絶対的な指標にはならないの
で、それぞれの硬化性試料での実際の作業性を評価し
た。評価は、金属製のヘラで基剤300gと硬化剤30
gとを3分間混合することで行った。即ち、混合性は、
上記のヘラでの混合初期に大きな抵抗感を示すかどうか
を評価し、ヘラ切れ性は、硬化性試料を上記のヘラです
くい取った時の糸引き性(糸が引かない方がよい)を評
価し、保形性は上記のヘラ上での硬化性試料の係止状保
持性を評価した。評価は、◎、○、△、×の4段階とし
た。◎は極めて良好、○は良好、△は実用上の下限だ
が、実用範囲にあり、×は実用上使用困難であることを
示す。また、スランプ性はJIS A1439に準拠し
て行った。即ち、長さ150mm、両端が開き、底面の
一方が50mm長く、幅10mm、深さ10mmに金属
製溝形容器に試料を溝形容器の内側に充填する。試料の
表面は溝形容器の上面及び両端と同一になるように平滑
にならす。その試験体を長さ方向に鉛直に懸垂して(容
器の底面の長い方を下にして)、50℃の上記と同様の
オーブンに24時間置き、充填した試料が溝部分の下端
から垂れ下がった先端までの距離を測定した。
【0033】シール物性はJIS A1439(引張接
着性試験)に準拠して行った。即ち、試験体は、2枚の
被着体(アルミニウム製、50×50×3mm、試料と
の接着面にはコニシ社製プライマーを使用)と2枚の試
験体作製用スペーサー(50×19×12mm、試料が
接着しないもの)を組み合わせて作った50×12×1
2mmのスペースに硬化性試料を充填し、23℃×7日
+50℃×7日間養生させたものを使用した。この試験
体を引張試験機(商品名オートグラフAGS500G:
島津製作所社製)にて引張速度50mm/minで引張
試験を行った。
着性試験)に準拠して行った。即ち、試験体は、2枚の
被着体(アルミニウム製、50×50×3mm、試料と
の接着面にはコニシ社製プライマーを使用)と2枚の試
験体作製用スペーサー(50×19×12mm、試料が
接着しないもの)を組み合わせて作った50×12×1
2mmのスペースに硬化性試料を充填し、23℃×7日
+50℃×7日間養生させたものを使用した。この試験
体を引張試験機(商品名オートグラフAGS500G:
島津製作所社製)にて引張速度50mm/minで引張
試験を行った。
【0034】表1において、M50は目地幅が初期の目
地幅の150%の時の引張応力、Tmaxは硬化物の破
断時の引張応力を示し、Emaxは初期の目地幅に対す
る破断時の目地幅の伸び率を、また破壊状態は試験後の
状態を目視にて確認した。破壊状態の凝集破壊は、硬化
物の破断を示す。
地幅の150%の時の引張応力、Tmaxは硬化物の破
断時の引張応力を示し、Emaxは初期の目地幅に対す
る破断時の目地幅の伸び率を、また破壊状態は試験後の
状態を目視にて確認した。破壊状態の凝集破壊は、硬化
物の破断を示す。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシーリン
グ材は、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造
がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分
とするシーリング材に分子量400以下の多価アルコー
ル、特にモノエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリンなどの多価アルコールを1種以上および中空
構造を有する充填材、特にガラスバルーン、シラスバル
ーン、セラミックバルーンなどの中空構造を有する充填
材を配合してなるシーリング材組成物であり、構造粘性
に優れ、さらに貯安性に優れると共に、ヘラ切れ性、保
形性、混合性、スランプ性などの総合的シール作業性、
特にヘラ切れ性においても改良されている。さらに、請
求項4の発明のシーリング材組成物は、従来のシーリン
グ材組成物に比し、総合的シール作業性において、さら
にヘラ切れ性が特に優れ、また、優れた粘度安定性を有
し、内部硬化性と硬化物性にも悪影響を与えない最も優
れた効果を奏する。
グ材は、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造
がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分
とするシーリング材に分子量400以下の多価アルコー
ル、特にモノエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリンなどの多価アルコールを1種以上および中空
構造を有する充填材、特にガラスバルーン、シラスバル
ーン、セラミックバルーンなどの中空構造を有する充填
材を配合してなるシーリング材組成物であり、構造粘性
に優れ、さらに貯安性に優れると共に、ヘラ切れ性、保
形性、混合性、スランプ性などの総合的シール作業性、
特にヘラ切れ性においても改良されている。さらに、請
求項4の発明のシーリング材組成物は、従来のシーリン
グ材組成物に比し、総合的シール作業性において、さら
にヘラ切れ性が特に優れ、また、優れた粘度安定性を有
し、内部硬化性と硬化物性にも悪影響を与えない最も優
れた効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】 分子末端にアルコキシシリル基を有し主
鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを
主成分とするシーリング材に分子量400以下の多価ア
ルコール、及び、中空構造を有する充填材を配合するこ
とを特徴とする長期粘度安定性に優れ、シーリング作業
時の作業適性、就中ヘラ切れ性に優れたシーリング材組
成物。 - 【請求項2】 分子末端に有するアルコキシシリル基が
メチルジメトキシシリル基であって、アルキレン構造の
主鎖構造がポリイソブチレンであるシリコーン系ポリマ
ーを主成分とするシーリング材に、モノエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリンから選択した分
子量400以下の多価アルコールを1種以上、及び、ガ
ラスバルーン、シラスバルーン、セラミックバルーンか
ら選択した中空構造を有する充填材を1種以上配合する
ことを特徴とする請求項1に記載の長期粘度安定性に優
れ、シーリング作業時の作業適性、就中ヘラ切れ性に優
れたシーリング材組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のシーリング
材において、シリコーン系ポリマー100重量部に対
し、上記多価アルコール0.1〜50重量部、及び、中
空構造を有する充填材0.5〜50重量部を配合するこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の長期粘度
安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、就中ヘラ
切れ性に優れたシーリング材組成物。 - 【請求項4】 中空構造を有する充填材の平均粒子径が
5〜500μmであることを特徴とする請求項1ないし
請求項3の何れか1項に記載の長期粘度安定性に優れ、
シーリング作業時の作業適性、就中ヘラ切れ性に優れた
シーリング材組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11839298A JPH11310772A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11839298A JPH11310772A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11310772A true JPH11310772A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=14735554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11839298A Pending JPH11310772A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11310772A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001207159A (ja) * | 2000-01-24 | 2001-07-31 | Konishi Co Ltd | 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 |
EP2233532A1 (en) | 2002-11-01 | 2010-09-29 | Kaneka Corporation | Curable composition |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP11839298A patent/JPH11310772A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001207159A (ja) * | 2000-01-24 | 2001-07-31 | Konishi Co Ltd | 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 |
JP4671461B2 (ja) * | 2000-01-24 | 2011-04-20 | コニシ株式会社 | 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 |
EP2233532A1 (en) | 2002-11-01 | 2010-09-29 | Kaneka Corporation | Curable composition |
EP2233531A1 (en) | 2002-11-01 | 2010-09-29 | Kaneka Corporation | Curable composition |
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---|---|---|---|
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