JPH1131073A - クラス間に継承される属性データの管理装置及び管理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のクラスの間で継承される属性データを
変更する場合に、その属性データを継承して管理するク
ラス毎に、属性データを変更しなければならないという
煩雑さを回避する。 【解決手段】 複数のクラス１００ａ〜ｎの間で継承さ
れる属性データＡ１等がどのような継承関係を有するか
を継承関係テーブル記憶部２１０が一元的に管理する。
あるクラスから属性データを変更する要求があった場合
には、パラメータ編集部１１０は、その属性データを特
定するのに必要な識別情報を設定し、その設定された識
別情報を元に、属性関係判定部２００が、継承関係テー
ブルを使って、その属性データの継承関係の有無を検索
する。その検索の結果に基づき、データアクセス部２２
０は、直接的に変更を要求された属性データ、並びに、
継承関係を有する属性データを変更する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オブジェクト指向
プログラミングに基づきクラス間に継承される属性デー
タを管理する装置及び管理する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、オブジェクト指向プログラミ
ングに基づいて、各クラスに属する属性データを管理す
る場合に、各クラスをカプセル化するべく、即ち、一の
クラスを他のクラスから隠蔽するべく、各クラスは、そ
れぞれの属性データを独自に管理している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方で、クラスの特性
同士が近似する等の場合には、一方のクラス（Ａ）の特
性を他方のクラス（Ａ′）が継承することにより、他方
のクラス（Ａ′）の特性の定義を容易にしている。従っ
て、属性データについても、継承関係が生じ得る。例え
ば、一方のクラス（Ａ）に属し、クラス（Ａ）が保管す
る属性データ（Ａ１）を他方のクラス（Ａ′）が継承し
て管理する等である。このような継承関係を有する属性
データＡ１に関し、さらに他のクラス（Ｂ）が、クラス
（Ａ′）によって管理される属性データＡ１を変更しよ
うとする場合に、クラス（Ｂ）は、単にクラス（Ａ′）
によって管理されている属性データＡ１を変更するだけ
でなく、クラス（Ａ）が保管する属性データＡ１をも変
更する必要がある。従って、この場合、クラス（Ａ）が
属性データＡ１を変更する機能を備える必要があるだけ
でなく、クラス（Ａ′）も属性データＡ１を変更する機
能を備える必要がある。さらに、クラス（Ｂ）は、両ク
ラス（Ａ）、（Ａ′）に属性データＡ１の変更を指示し
なければならない。

【０００４】このような変更について、属性データが、
数少ないクラスに継承されている場合には、属性データ
の変更に多大な時間を要しない。しかしながら、数多く
のクラスに継承される場合には、その数だけ、属性デー
タを変更するためのプログラムを各クラス毎に準備しな
ければならず、各クラスにおけるプログラムが肥大化し
ていた。さらには、実際に属性データを変更する際に
は、属性データを管理する全てのクラスに変更を指示す
るメッセージを送出しなければならず、多大な時間を要
していた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明に係るクラス間に継承される属性データ
の管理装置及び管理方法は、複数のクラス間に継承され
る属性データについて、変更を要求された属性データに
対し継承関係を持つ属性データを一括して検索し、変更
の要求及び検索の結果に基づき、属性データを変更する
という手段を採用する。

【０００６】このような手段を採用することにより、属
性データの変更を要求するクラスが、継承関係を有する
属性データを変更する旨を他のクラスへ個別に要求する
必要がなくなる。この結果、クラス間で交信される、変
更を指示するメッセージの数を低減することができるの
で、継承関係を有する属性データを全て変更するまでの
所要時間を短縮することが可能となる。また、各クラス
は、属性データの変更に必要なタスクを持つ必要が無く
なるので、各クラスが実行を担うプログラムの量を減少
させることが可能となる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明に係る、クラス間に継承さ
れる属性データの管理装置の具体例について説明する。 〈構成の説明〉図１は、具体例のクラス間に継承される
属性データの管理装置を含むデータ管理システムのブロ
ック図である。この管理システムは、アプリケーション
・ユニット１０、データ管理オブジェクト・ユニット２
０、属性データ・ユニット３０から構成されている。各
ユニットの主な機能は、以下の通りである。

【０００８】アプリケーション・ユニット１０は、ある
クラスが他のクラスにアクセスする場合に、例えば、他
のクラスに所定の処理を要求したり、他のクラスが管理
する属性データの読出し・書込みを実行したりする場合
に、そのアクセスに必要な情報を編集する。データ管理
オブジェクト・ユニット２０は、その編集された情報に
基づいて、アクセスの対象である属性データに対し継承
関係を有する属性データを検索する。属性データ・ユニ
ット３０は、各クラスに属する属性データを保管してお
り、上記のアクセス要求並びに検索結果に基づいて、必
要な属性データがアクセスされる。

【０００９】このような機能を果たすべく、各ユニット
は、以下のように構成されている。アプリケーション・
ユニット１０は、複数のクラス（Ａ）１００ａ、クラス
（Ｂ）１００ｂ、クラス（Ｃ）１００ｃ、……、クラス
（Ｎ）１００ｎ、及び、パラメータ編集部１１０を有す
る。データ管理オブジェクト・ユニット２０は、属性関
係判定部２００、継承関係テーブル記憶部２１０、デー
タアクセス部２２０を有する。属性データ・ユニット３
０は、クラス（Ａ）１００ａの属性データ群３００ａ、
クラス（Ｂ）１００ｂの属性データ群３００ｂ、クラス
（Ｃ）の属性データ群３００ｃ、……、クラス（Ｎ）１
００ｎの属性データ群３００ｎから構成される。

【００１０】各ユニット内の各部は、次のように機能す
る。各クラス１００ａ〜ｎは、独自に実行すべきジョブ
であるメソッド（プロシージャ）を有しており、また、
自己以外の他のクラスに公開する、すなわち、他のクラ
スによるアクセスを許容する、上記の属性データ群３０
０ａ〜ｎを管理する。パラメータ編集部１１０は、各ク
ラス１００ａ〜ｎが、他のクラスの属性データＡ１〜Ｎ
５にアクセスするために必要な情報であるパラメータを
編集する。属性関係判定部２００は、各クラス１００ａ
〜ｎがアクセスを要求する属性データＡ１〜Ｎ５につい
て、継承関係の有無、その内容を検索する。継承関係テ
ーブル記憶部２１０は、属性データＡ１〜Ｎ５の継承関
係のテーブルを記憶する。

【００１１】図２は、継承関係テーブル記憶部２１０に
記憶されている継承関係テーブルの内容を示す図であ
る。この図２において、「変更をする対象」欄は、ある
クラスが、他のクラスの属性データを変更する場合にお
ける、その変更される属性データを示し、「変更を要す
る対象」欄は、そのような変更をした場合に、派生的に
変更を必要とすることになる対象、即ち、継承関係を有
する属性データを示す。

【００１２】「継承関係の有無」欄は、ある属性データ
が他の属性データとの間で継承関係を有するか否かを示
す。例えば、クラス（Ａ）１００ａの属性データＡ１
は、他の属性データとの間に継承関係を有することを意
味する。さらに、この場合、「変更を要する対象」欄
は、属性データＡ１が、クラス（Ｂ）１００ｂの属性デ
ータＢ４との間で継承関係を有することを意味する。

【００１３】図１に戻り、データアクセス部２２０は、
各クラス１００ａ〜ｎから指示される他のクラスの属性
データへのアクセス要求に対応して、継承関係テーブル
記憶部２１０での検索結果に従い、属性データ・ユニッ
ト３０内の属性データ群の属性データをアクセス、即
ち、属性データに対し書込処理や読出処理を行う。

【００１４】属性データ・ユニット３０内の属性データ
群３００ａ〜ｎには、それぞれ、クラス（Ａ）〜（Ｎ）
が管理する属性データが格納されている。例えば、クラ
ス（Ａ）の属性データ群３００ａには、クラス（Ａ）の
属性データＡ１、Ａ２、Ａ３、Ａ４、Ａ５が格納されて
いる。同様にして、クラス（Ｂ）の属性データ群３００
ｂには、クラス（Ｂ）の属性データＢ１、Ｂ２、Ｂ３、
Ｂ４、Ｂ５が格納されている。

【００１５】〈動作の説明〉次に、具体例の、クラス間
に継承される属性データの管理システムの動作について
説明する。図３は、クラス間に継承される属性データの
管理システムの動作を示すフローチャートである。以
下、このフローチャートに沿って、その動作を説明す
る。なお、以下の説明では、クラス（Ｃ）１００ｃが、
属性データＡ２を変更するべく、属性データＡ２にアク
セスすることを想定する。

【００１６】ステップＳ１０： クラス（Ｃ）１００ｃ
は、属性データＡ２をアクセスするために、その旨をパ
ラメータ編集部１１０に通知する。 ステップＳ２０： パラメータ編集部１１０は、クラス
（Ｃ）１００ｃからの通知を受けて、属性データＡ２を
特定するのに必要なパラメータである識別情報、例え
ば、その属性データＡ２を管理するクラス名（この場合
には、クラス（Ａ）１００ａ）をデータ管理オブジェク
ト・ユニット２０へ送出する。

【００１７】ステップＳ３０： データ管理オブジェク
ト・ユニット２０内の属性関係判定部は、パラメータ編
集部１１０から受け取った識別情報を元に、継承関係テ
ーブル記憶部２１０内の継承関係テーブルを参照して、
その属性データＡ２が継承関係を有するか否かを検索す
る。 ステップＳ４０： 属性データＡ２は、継承関係を有し
ているので、属性関係判定部２００は、引き続き、継承
関係テーブル記憶部２１０内の継承関係テーブルを参照
して、その属性データＡ２の変更に伴い変更を必要とす
ることになる対象を検索する。この結果、属性関係判定
部２００は、クラス（Ｂ）内の属性データＢ２をも変更
する必要があることを知得する。属性関係判定部２００
は、属性データＡ２を変更する旨、及び、属性データＢ
２も変更する必要がある旨をデータアクセス部２２０に
通知する。

【００１８】ステップＳ５０： データアクセス部２２
０は、属性データＡ２及び属性データＢ２を変更せよと
の要求を受けて、データ管理構成テーブル記憶部（図示
せず）内のデータ管理構成テーブルを参照する。このデ
ータ管理構成テーブルは、属性データの構成、例えば、
データの種類、データのフォーマット等に関する情報を
記憶している。データアクセス部２２０は、このデータ
管理構成テーブルを参照することにより、属性データＡ
２並びに属性データＢ２のデータ構成を知得する。 ステップＳ６０： データアクセス部２２０は、それら
知得したデータ構成に基づき、属性データ・ユニットに
おいて、クラス（Ａ）の属性データ群３００ａ内の属性
データＡ２、及び、クラス（Ｂ）の属性データ群３００
ｂ内の属性データＢ２を変更する。これにより、クラス
（Ｃ）１００ｃから属性データＡ２への変更のアクセ
ス、並びに、アクセスに伴う変更の処理を終了する。 ステップＳ７０： 属性データＡ２が継承関係を有しな
い場合には、データアクセス部２２０は、この属性デー
タＡ２の変更のみを実行する。

【００１９】上述したように、具体例のクラス間に継承
される属性データの管理システムでは、継承関係テーブ
ル記憶部２１０が、属性データの継承関係を示す継承関
係テーブルを一元的に管理し、属性関係判定部２００が
その継承関係テーブルを参照することにより、クラス
（Ａ）１００ａが管理する属性データＡ２の変更に伴い
変更しなければならない、継承関係を有するクラス
（Ｂ）１００ｂの属性データＢ２も検索し、その検索結
果を受けて、データアクセス部２２０が、属性データＡ
２だけを変更するのではなく、属性データＢ２をも変更
する。これにより、クラスが属性データの変更を要求
し、その属性データの変更が、他の属性データの変更を
必要とする場合であっても、クラスは、他の属性データ
の変更に関する処理を意識しないで済むことになる。こ
れにより、各クラスは、他の属性データを変更するため
に必要なタスクを盛り込む必要が無くなるので、各クラ
スが実行すべき処理の量を低減することが可能となる。

【００２０】また、属性データＡ２の変更を要求するク
ラス（Ｃ）１００ｃから、他の属性データＢ２を管理す
る他のクラス（Ｂ）１００ｂへ、属性データＢ２の変更
を指示するメッセージを直接的に通知する必要がなくな
る。従って、クラス同士の間で交信されるメッセージ数
を低減することができる。メッセージの低減は、継承関
係を有する属性データＢ２が多数存在する場合には特に
顕著であり、単にメッセージの数を低減することができ
るだけでなく、継承関係を有する属性データの全てを変
更するまでに費やされる時間を大幅に短縮することが可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】属性データ管理システムのブロック図である。

【図２】継承関係テーブルの内容を示す図である。

【図３】属性データ管理システムの動作を示すフローチ
ャートである。

【符号の説明】

１００ａ〜ｎ クラス １１０ パラメータ編集部 ２００ 属性関係判定部 ２１０ 継承関係テーブル記憶部 ２２０ データアクセス部 ３００ａ〜ｎ 属性データ群

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オブジェクト指向プログラミングに準拠
   する、クラス間に継承される属性データの管理装置であ
   って、 複数のクラスと、 前記複数のクラスによって管理される複数の属性データ
   と、 前記属性データを実際に管理するクラスと、前記属性デ
   ータを前記クラスから継承して管理するクラスとの対応
   関係を示す継承関係テーブルと、 前記継承関係テーブルを参照して、前記複数のクラスの
   いずれかが変更を要求する属性データに対し継承関係を
   有する属性データを検索するクラス検索手段と、 前記変更を要求された属性データ、及び、前記検索され
   た属性データを変更する属性データ変更手段とからなる
   ことを特徴とするクラス間に継承される属性データの管
   理装置。
2. 【請求項２】 オブジェクト指向プログラミングに準拠
   する、クラス間に継承される属性データの管理方法であ
   って、 複数のクラスの間で継承される属性データについて、変
   更を要求する属性データが、いずれのクラスによって管
   理される属性データであるかを指定する指定ステップ
   と、 前記指定された属性データに対し継承関係を有する属性
   データを検索する検索ステップと、 前記変更を要求された属性データ、及び、前記検索され
   た属性データを変更する変更ステップとを有することを
   特徴とする、クラス間に継承される属性データの管理方
   法。