JPH11310691A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル樹脂組成物

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JPH11310691A
JPH11310691A JP11863198A JP11863198A JPH11310691A JP H11310691 A JPH11310691 A JP H11310691A JP 11863198 A JP11863198 A JP 11863198A JP 11863198 A JP11863198 A JP 11863198A JP H11310691 A JPH11310691 A JP H11310691A
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JP
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polyester resin
weight
flame
resin composition
retardant
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JP11863198A
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Takashi Kawamura
孝 川村
Koichi Nozaki
光一 野崎
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の非ハロゲン系難燃剤を用いたポリエス
テル樹脂組成物に比べて、難燃性、機械的性質に優れる
非ハロゲン系の難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供す
ること。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と、リ
ン酸エステル系難燃剤(B)および/またはシアヌル酸
メラミン系化合物(C)と、分子内に結晶水を含む硼酸
亜鉛化合物(D)とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非ハロゲン系難燃剤を
用いてなる、難燃性、機械的性質等に優れた難燃性ポリ
エステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車部品、家庭電器用部品、事
務用部品、工業用部品、繊維製品、建築資材、雑貨類等
にポリエステル樹脂が幅広く使用されているが、上記用
途において機械的性質は勿論のこと、難燃性を有する材
料が要求されるようになってきている。
【0003】難燃剤としては、種々の無機系難燃剤およ
び有機系難燃剤が知られており、ポリエステル樹脂の難
燃化には従来、ハロゲン系の有機難燃剤が広く用いられ
ている。
【0004】しかし、ハロゲン系有機難燃剤を用いたポ
リエステル樹脂は、熱分解によって発生するハロゲン化
水素等で成形加工時に金型等を腐食させたり、火災発生
時に多量の黒煙や有毒なハロゲン含有ガスを発生し、避
難に支障をきたという欠点を有している。しかも、最
近、ハロゲン化合物の熱分解生成物としてダイオキシン
発生の危険性を指摘した報告があり、ハロゲン化合物の
使用を抑制する方向に向かいつつある。非ハロゲン系難
燃剤として水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等
の含水無機化合物が用いられるが、樹脂に対して多量に
添加する必要があり、そのために機械的性質が著しく低
下する欠点を有している。
【0005】また、これら含水無機化合物とは別にリン
酸エステル系難燃剤を用いる方法(特開昭48−903
49号公報、特公昭51−19858号公報、特公昭5
1−39271号公報等)も知られているが、いずれも
難燃性が低く、難燃化のみに主たる力点をおくと、ポリ
マーの結晶性低下に伴う機械的強度の低下や、難燃剤の
ブリードアウトに伴う電気的物性の低下がおこり、使用
上の大きな問題となっている。
【0006】一方、メラミン(特開昭53−18660
号公報)や、シアヌル酸(特公昭58−5939号公
報)等の含窒素化合物を難燃剤として用いる方法も知ら
れているが、これらの難燃剤は難燃作用が低いのみなら
ず、成形加工時に熱分解や昇華を起こし、金型表面に難
燃剤に由来する白粉や、ペースト状の物質が付着する
(プレートアウト)現象を引き起こすという欠点を有し
ている。このような熱分解や昇華を防ぐ目的でシアヌル
酸メラミンを用いる方法(特公昭60−33850号公
報)も提案されているが、難燃性は必らずしも十分でな
いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の非ハロゲン系難燃剤を用いたポリエ
ステル樹脂組成物に比べて、難燃性、機械的性質に優れ
る非ハロゲン系の難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、難燃剤として、リ
ン酸エステル系難燃剤および/またはシアヌル酸メラミ
ン系化合物と共に、分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合
物を、好ましくは1〜50重量%含有させてなるポリエ
ステル樹脂組成物は、リン酸エステル系難燃剤、シアヌ
ル酸メラミン系化合物などを用いてなる従来の難燃性ポ
リエステル樹脂組成物に比べて、難燃性、機械的性質に
優れ、しかも、成形加工時の腐食性ガス、燃焼時の刺激
性ガス、腐食性ガス、黒煙、さらに、成形時や長期使用
時の昇華物や分解生成物が生じにくいこと等を見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、 1. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と、リン酸エス
テル系難燃剤(B)および/またはシアヌル酸メラミン
系化合物(C)と、分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合
物(D)とを含有してなることを特徴とする難燃性ポリ
エステル樹脂組成物、
【0010】2. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)3
0〜97重量%と、リン酸エステル系難燃剤(B)およ
び/またはシアヌル酸メラミン系化合物(C)1〜50
重量%と、分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合物(D)
1〜60重量%〔ただし、(A)と、(B)および/ま
たは(C)と、(D)の合計を100重量%とする〕と
を含有してなる組成物である上記1記載の難燃性ポリエ
ステル樹脂組成物、
【0011】3. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)3
0〜97重量%と、リン酸エステル系難燃剤(B)1〜
50重量%と、シアヌル酸メラミン系化合物(C)1〜
50重量%と、分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合物
(D)1〜60重量%〔ただし、(A)と(B)と
(C)と(D)の合計を100重量%、(B)と(C)
の合計を1〜50重量%とする〕とを含有してなる組成
物である上記1記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物、
【0012】4. 分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合
物(D)が、含水率4〜15重量%の硼酸亜鉛化合物で
ある上記1、2または3記載の難燃性ポリエステル樹脂
組成物、
【0013】5. 更に、充填材(E)を含む上記1〜
4のいずれか1つに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
物、および
【0014】6. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)
が、ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂である請求項1〜
5のいずれか1つに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
物、を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物を詳細に説明する。本発明で用いる熱可塑
性ポリエステル樹脂(A)としては、例えば、少なくと
も1種の2官能性カルボン酸成分と、少なくとも1種の
グリコール成分またはオキシカルボン酸成分との重縮合
により得られる熱可塑性ポリエステル樹脂が挙げられ
る。
【0016】ここで用いる2官能性カルボン酸成分の具
体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、p,p′−ジフェニルジカルボン酸、p,p′−
ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカン2酸、スベリン酸、アゼライン酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸等の2官能性カルボン
酸、および、これら2官能性カルボン酸のエステルなど
を挙げることができ、なかでも芳香族ジカルボン酸およ
び芳香族カルボン酸ジエステルが好ましく、特にテレフ
タル酸およびテレフタル酸ジエステルが好ましい。
【0017】グリコール成分の具体例としては、一般式
HO(CH2)nOH(式中、nは2〜20の整数を表
す。)で表されるα,ω−アルキレングリコール、ネペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキンジメタノール、ビスフェノール
A、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラ
メチレングリコール等のグリコール、および、これらグ
リコールのエステル等を挙げることができ、なかでもエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール等のα,ω
−アルキレングリコールが好ましい。
【0018】オキシカルボン酸成分の具体例としては、
オキシ安息香酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息
香酸等のオキシカルボン酸、および、これらオキシカル
ボン酸のエステルなどを挙げることができる。
【0019】尚、上記2官能性カルボン酸、グリコール
またはオキシカルボン酸のエステルとしては、いずれ
も、炭素原子数1〜4のアルキルエステルが好ましく、
特にメチルエステルが好ましい。
【0020】また、上記熱可塑性ポリエステル樹脂
(A)としては、このようなポリエステルを形成する全
酸成分または全ジオール成分の70モル%以上が単一成
分であれば、上記以外の任意の単量体との共重合体であ
っても使用できる。さらに、このような熱可塑性ポリエ
ステル樹脂60重量%以上と他の熱可塑性樹脂40重量
%以下との混合物であっても、上記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂(A)として本発明で用いることができる。
【0021】本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂
(A)の中で特に好ましいものとしては、ポリブチレン
テレフタレ−ト樹脂(以下、PBT樹脂と略す)が挙げ
られる。PBT樹脂としては、1,4−ブタンジオ−ル
とジメチルテレフタレ−トまたはテレフタル酸とから製
造されるものが通常用いられるが、必要に応じて1,3
−プロパンジオール、エチレングリコール等のジオール
成分やテレフタル酸以外のジカルボン酸などの第三成分
を少量共縮合させたポリマ-を用いてもよい。本発明で
はASTM D2348に準拠したメルトフローレート
(以下、MFRとす)が、温度235℃、荷重2160
g、余熱時間5分間の条件下で、100g/10min
以下、なかでも1〜80g/10minのPBT樹脂が
好ましく用いられる。
【0022】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の使用量
は、難燃性と機械的強度のバランスを考慮すると、
(A)と、(B)および/または(C)と、(D)の合
計100重量%に対して、(A)の含有率が、30〜9
7重量%となる範囲が通常であり、好ましくは30〜8
0重量%となる範囲、特に好ましくは35〜70重量%
となる範囲である。
【0023】本発明で用いるリン酸エステル系難燃剤
(B)としては、リン酸エステル構造を有する難燃剤、
ポリリン酸エステル構造を有する難燃剤、これらの混合
物等が挙げられ、その具体例としては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチ
ルホスフェート等の脂肪族リン酸エステル;トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシ
レニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(p−ヒド
ロキシ)フェニルホスフェート、トリ(p−メトキシ)
フェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステルなどが
あるが、なかでも芳香族リン酸エステルが好ましく、特
に下記一般式(1)
【0024】
【化1】
【0025】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R5
7、R8は水素原子、水酸基、炭素原子数1〜6のアル
キル基または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を、nは
0または1〜10の整数を、R9 はフェニレン基、ビフ
ェニレン基またはナフチレン基を、それぞれ示す。)で
表される化合物が好ましい。
【0026】上記一般式(1)中において、R1、R2
3、R4、R5、R5、R7、R8としては、水素原子、ア
ルキル基が望ましく、特にメチル基が望ましい。更に、
9としては、フェニレン基、なかでもパラ位またはメ
タ位が望ましく、特にパラ位が望ましい。R9 の具体例
としては、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン
基、4,4′−ビフェニレン基、1,4−ナフチレン
基、2,6−ナフチレン基等が挙げられる。
【0027】本発明で用いるシアヌル酸メラミン系化合
物(C)としては、例えば、下記一般式(2−1)で表
されるメラミン系化合物と下記一般式(2−2)で表さ
れるイソシアヌル酸系化合物とから得られる錯化合物な
どが挙げられる。
【0028】
【化2】
【0029】(式中、R1、R2、R3 はアミノ基、アル
キル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルア
ルキル基、エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、
シアノ基またはハロゲン原子を、R4、R5、R6 は、水
素原子、アルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒ
ドロキシルアルキル基、エステル基、酸基、不飽和基、
シアノ基またはハロゲン原子を、それぞれ示す。)
【0030】シアヌル酸メラミン系化合物(C)の製法
としては、例えば、一般式(2−1)で表されるメラミ
ン系化合物の水溶液と一般式(2−2)で表されるイソ
シアヌル酸系化合物の水溶液とを90〜100℃の温度
で攪拌して混合し、生成した沈殿を濾過する方法(特公
昭60−33850号公報)などが挙げられるが、これ
に限定されるものではない。
【0031】上記一般式(2−1)で表されるで表され
るメラミン系化合物の中では、式中のR1、R2、R3
うちの2つ以上がアミノ基であるものが好ましく、これ
らの具体例としては、メラミン;アセトグアナミン、ベ
ンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体等が挙げられ
る。これらの中でも、R1、R2、R3 のすべてがアミノ
であるイソシアヌル酸が最も好ましい。
【0032】また、上記一般式(2−2)で表されるイ
ソシアヌル酸系化合物の中では、式中のR4、R5、R6
のうちの少なくとも1つが水素原子であるものが好まし
く、これらの具体例としては、イソシアヌル酸、メチル
イソシアヌレート、エチルイソシアヌレート、アリルイ
ソシアヌレート等が挙げられる。これらの中でも、
4、R5、R6 のすべてが水素原子であるイソシアヌル
酸が最も好ましい。
【0033】リン酸エステル系難燃剤(B)および/ま
たはシアヌル酸メラミン系化合物(C)の添加量は、難
燃性と機械的強度のバランスを考慮すると、(A)と、
(B)および/または(C)と、(D)の合計100重
量%に対して、〔(B)および/または(C)〕の含有
率が、1〜50重量%となる範囲が通常であり、好まし
くは3〜40重量%となる範囲、特に好ましくは5〜3
0重量%となる範囲である。なかでも、(B)と(C)
とは、それぞれの含有率が1〜50重量%となる範囲で
併用することが望ましい。
【0034】本発明で用いる硼酸亜鉛化合物(D)とし
ては、分子内に結晶水を持つ硼酸亜鉛化合物が挙げら
れ、例えば、下記一般式(3)
【0035】
【化3】 aZnO・bBa23 cH2O ・・・(3)
【0036】(式中、a、b、cは0.1以上の正数を
示す。)で表される化合物がある。硼酸亜鉛化合物
(D)の結晶水の含有率は、1重量%以上が好ましく、
なかでも4〜15重量%が好ましい。硼酸亜鉛化合物
(D)の好ましい例としては、含水率12.5重量%の
2ZnO・3BaO・3.5H2Oや、含水率4.3重量
%の4ZnO・BaO・H2O等が挙げられる。
【0037】本発明における硼酸亜鉛化合物(D)の添
加量は、難燃性と機械的強度のバランスを考慮すると、
(A)と、(B)および/または(C)と、(D)の合
計100重量%に対して、(D)の含有率が、1〜60
重量%となる範囲が通常であり、好ましくは5〜50重
量%となる範囲、特に好ましくは7〜40重量%となる
範囲である。
【0038】また、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組
成物としては、難燃性に優れることから、(A)と、
(B)および/または(C)と、(D)の合計100重
量%に対して、〔(B)および/または(C)〕と
(D)の合計の含有率が、20〜70重量%のものが好
ましく、なかでも難燃性と機械的強度のバランスに優れ
ることから、30〜65重量%のものが特に好ましい。
【0039】リン酸エステル系難燃剤(B)および/ま
たはシアヌル酸メラミン系化合物(C)と、硼酸亜鉛化
合物(D)との重量比〔(Bおよび/またはC)/D〕
は、特に限定されるものではないが、通常1/10〜1
0/1、なかでも5/10〜10/5が好ましい。
【0040】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物に
は、上記(A)〜(D)の各成分に加えて、充填材
(E)を添加することができる。充填材(E)として
は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド
繊維、液晶ポリマ-繊維、ポリベンゾイミダゾ−ル繊維
等の繊維状強化材;チタン酸カリウム、硼酸アルミニウ
ム、メタ珪酸カルシウム(ウォラストナイト)、炭化珪
素、チッ化珪素、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレ−、ハ
イロフェライト、無定形シリカ、結晶シリカ、ベンナイ
ト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、アタルパジャイ
ト、フェライト、炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化
亜鉛、炭酸マグネシウム、黒鉛、発砲黒鉛、三酸化アン
チモン、五酸化アンチモン、ガラスパウダ−、ガラスバ
ル−ン、ガラスビ−ズ等の繊維状または粒子状の充填材
等が挙げられ、好ましい充填材としては、ガラス繊維、
炭素繊維、繊維状メタ珪酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、芳香族ポリアミド繊維、液晶ポリマ−繊維、ポリベ
ンゾイミダゾ−ル繊維、タルクが挙げられる。
【0041】さらに必要に応じて、本発明の難燃性ポリ
エステル樹脂組成物には、ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、PTX、ポリスチレン、ABS、AS、PV
C、POM、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルホン、ポリエ
−テルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリ
ブチレンナフタレ−ト、PCT等の熱可塑性樹脂、フェ
ノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化
性樹脂、エチレン−グリシジルメタアクリレ−ト共重合
体、、エチレン−アクリレ−ト−グリシジルメタアクリ
レ−ト共重合体、SBR、水添SBR、エポキシ基含有
SBR、エポキシ基含有水添SBR、無水マレイン酸含
有SBR、NBR、水添NBR、カルボキシル基含有N
BR、アクリルゴム、官能基含有アクリルゴム、エチレ
ン−プロピレン共重合体、官能基含有エチレン−プロピ
レン共重合体、シリコンゴム、フッ素系ゴムポリエステ
ル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、官能基
含有ポリオレフィン系ポリマ−等の耐衝撃改良剤等を添
加することも可能である。
【0042】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物
は、他の慣用の成分、例えば、発泡性黒鉛、熱安定剤、
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミ
ニウムカップリング剤、抗菌剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、接着促進剤、着
色剤、結晶化促進剤、造核剤、充填剤、ガラス繊維、炭
素繊維、発泡剤、滑剤、殺菌剤、可塑剤、離型剤、増粘
剤、防滴剤、衝撃性改良剤、シリコン系発煙抑制剤など
を含むこともできる。
【0043】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物
は、公知の方法により得ることができ、例えば、ブレン
ダーやミキサーなどを用いて各成分をドライブレンドす
る方法、押出機を用いて溶融混合する方法などが挙げら
れるが、通常スクリュー押出機を用い溶融混合してスト
ランドに押し出し、ペレット化するのがよい。
【0044】本発明のポリエステル樹脂組成物は、射出
成形、押出成形、圧縮成形などの種々の成形法で容易に
成形でき、難燃性が高く機械的性質に優ており、電気電
子部品、例えば、コネクタ、スイッチ、ブレ−カ、コイ
ルボビン、リレ−、ヒュ−ズホルダ、トランス、フライ
バックトランス等に有用である。また自動車用電子部
品、エンジンコントロ−ルユニットケ−ス、エンジンコ
ンピュ−タユニットケ−ス、ABSユニットケ−ス等に
有用である。
【0045】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して、本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限りこれらの実施例に限定されるものではない。なお、
例中「部」は「重量部」を示す。
【0046】また、例中の難燃性は、アンダーライター
ズラボラトリーズ(Underwriter'sLaboratories Inc.)
のUL−94規格垂直燃焼試験を測定することにより評
価した。試験片は、射出成形機により長さ127mm、
幅12.7mm、厚み1.6mmおよび3.01mmの
棒状試験片を成形して用いた。
【0047】ポリマ−のMFRは、温度235℃、荷重
2160g、余熱時間5分間でASTM D−1238
に準拠した測定装置(東洋精機製メルトインデクサ−
TO1型)を用いて測定した。
【0048】曲げ強さ、曲げ弾性率、曲げ破断伸びは、
射出成形機により長さ127mm、幅12.7mm、厚
み3.01mmの棒状試験片を成形し、荷重速度5mm
/min、スパン間距離50mmの条件で、島津オ−ト
グラフ AG5000を用いて測定した。
【0049】実施例1〜8および比較例1〜3 MFR:24g/10minのPBTと、構造式(4)
【0050】
【化4】
【0051】で表されるリン酸エステル(B1)、シア
ヌル酸メラミン(C1)(MC−610、日産化学工業
製)、2ZnO・3BaO・3.5H2O で表される硼
酸亜鉛(D1)(ボラックス社製FIRE BREAK
290)または4ZnO・BaO・H2O で表される硼
酸亜鉛(D2)(ボラックス社製FIRE BREAK
415)、およびガラス繊維(E1)(直径10μm)
を、表−1(1)〜(3)に示す配合組成でそれぞれブ
レンドし、これを40mmのベントタイプ1軸押出機を
用いて250℃で混練してストランドに押し出し、ペレ
ット化した。このペレットを、射出成形機(住友重機製
サイキャップ167/75)とUL94燃焼試験片用
および曲げ試験測定用試験片用金型を用いて、成形温度
250℃、金型温度60℃で成形を行い、試験片を得、
難燃性、曲げ強さ、曲げ弾性率および曲げ破断伸びを測
定した。結果を表−1(1)〜(3)に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物
は、従来の難燃性ポリエステル樹脂組成物に比べて、難
燃性、機械的性質に優れ、しかも、成形加工時の腐食性
ガス、燃焼時の刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙、さら
に、成形時や長期使用時の昇華物や分解生成物が生じに
くいので、電気・電子部品の接点特性の低下や、接点特
性の低下もなく、難燃性、低発煙性及び機械的性質に優
れるという利点を有する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と、リ
    ン酸エステル系難燃剤(B)および/またはシアヌル酸
    メラミン系化合物(C)と、分子内に結晶水を含む硼酸
    亜鉛化合物(D)とを含有してなることを特徴とする難
    燃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)30〜
    97重量%と、リン酸エステル系難燃剤(B)および/
    またはシアヌル酸メラミン系化合物(C)1〜50重量
    %と、分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合物(D)1〜
    60重量%〔ただし、(A)と、(B)および/または
    (C)と、(D)の合計を100重量%とする〕とを含
    有してなる組成物である請求項1記載の難燃性ポリエス
    テル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)30〜
    97重量%と、リン酸エステル系難燃剤(B)1〜50
    重量%と、シアヌル酸メラミン系化合物(C)1〜50
    重量%と、分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合物(D)
    1〜60重量%〔ただし、(A)と(B)と(C)と
    (D)の合計を100重量%、(B)と(C)の合計を
    1〜50重量%とする〕とを含有してなる組成物である
    請求項1記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 分子内に結晶水を含む硼酸亜鉛化合物
    (D)が、含水率4〜15重量%の硼酸亜鉛化合物であ
    る請求項1、2または3記載の難燃性ポリエステル樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 更に、充填材(E)を含む請求項1〜4
    のいずれか1つに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が、ポ
    リブチレンテレフタレ−ト樹脂である請求項1〜5のい
    ずれか1つに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
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JP2004510837A (ja) * 2000-04-19 2004-04-08 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 難燃性ポリエステル組成物
JP2006036809A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Ge Plastics Japan Ltd 難燃性帯電防止ポリエステル系樹脂組成物
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