JPH11310566A - イソシアナート化合物の製造方法 - Google Patents
イソシアナート化合物の製造方法Info
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- JPH11310566A JPH11310566A JP11956798A JP11956798A JPH11310566A JP H11310566 A JPH11310566 A JP H11310566A JP 11956798 A JP11956798 A JP 11956798A JP 11956798 A JP11956798 A JP 11956798A JP H11310566 A JPH11310566 A JP H11310566A
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Abstract
且つ収率の高いイソシアナート化合物を提供する。 【解決手段】 アミン化合物若しくはその鉱酸塩又はカ
ルボン酸塩又は炭酸塩をホスゲンと反応する際に、原料
ホスゲン中の酸素濃度を0.1wt%以下に抑制する。
Description
物の製造方法に関する。イソシアナート化合物は、極め
て反応性に富み、各種中間体として有用で、弾性体、発
泡体、接着剤、繊維、光学材料、塗料等各方面の用途に
使用されている。
は、既に各種の方法が提案されており、アミン化合物、
若しくはその鉱酸塩又はカルボン酸塩又は炭酸塩をホス
ゲンと反応させるホスゲン法が代表的である。これまで
にも例えば特開平3−7253号公報、特開平3−20
4851号公報等に記載されているような、塩素誘導体
の副生成を抑える改良ホスゲン法(塩酸塩法)等が提案
されている。しかしこれらの方法にも、未反応のアミン
化合物塩酸塩等である濾塊が反応後の反応液に残存する
等問題があった。更に、これを解決する方法として、微
粒化した塩酸塩をホスゲンと反応させることで濾塊の残
存を押さえ、収率を向上させる方法等(特開平7−23
3137号公報)も開示されている。
従来のイソシアナート化合物の製造方法では、タール分
の副生成が多く、着色しやすく、また収率も満足のいく
ものではなかった。タール分の副生成は、目的とするイ
ソシアナート化合物の収率を低下させるだけでなく、反
応機及び配管の閉塞等、長期間の運転を困難にする場合
がある。また、イソシアナート化合物を光学樹脂、塗料
等に用いるためには、イソシアナート化合物の着色が反
応後の精製工程負荷などの点で特に問題となる。本発明
は、タール分の副生成が少なく、着色しにくく、且つ収
率の高いイソシアナート化合物の製造方法を見出すこと
を目的とする。
を解決するために鋭意検討した結果、アミン化合物若し
くはその鉱酸塩又はカルボン酸塩又は炭酸塩をホスゲン
と反応する際に、原料ホスゲン中の酸素濃度を0.1w
t%以下に抑制する事で、タール成分の副生成が少な
く、着色しにくく、且つ収率の高いイソシアナート化合
物が得られることを初めて見出した。またこの際、ホス
ゲンを液化または溶媒へ溶解させることが効果的である
こと、更に、反応温度が130℃以上220℃以下であ
ること、アミン化合物1重量部に対して反応溶媒を1〜
50重量部使用することがより効果的であることを見出
し本発明に到達した。即ち、本発明は、 .アミン化合物、若しくはその鉱酸塩又はカルボン酸
塩又は炭酸塩を、反応溶媒中に溶解または懸濁させた溶
液中へ、ホスゲン又はホスゲンを溶解した溶液を供給し
ながらイソシアナート化合物を製造するに際して、反応
系に供給するホスゲン又はホスゲンを溶解した溶液中の
酸素濃度を0.1wt%以下とするイソシアナート化合
物の製造方法、 .ホスゲンを液化または溶媒へ溶解することを特徴と
する記載の製造方法、 .アミン化合物が、ヘキサメチレンジアミン、ビス
(アミノメチル)ノルボルナン、キシリレンジアミン、
ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジア
ミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである、
記載の製造方法、 .原料がアミン化合物の塩酸塩である〜記載の製
造方法、 .反応温度が130℃以上220℃以下である〜
記載の製造方法、 .アミン化合物1重量部に対し、反応溶媒を1〜50
重量部使用する〜記載の製造方法である。
本発明でアミン化合物とは、アミノ基を1〜4含む有機
化合物を表し、例として以下のような化合物が挙げられ
る。例えば、ブチルアミン、ペンタメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン等の炭素数1〜20の直鎖あるいは分岐した
脂肪族アミン化合物、ジアミノシクロペンタン、ジアミ
ノシクロへキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、2,
2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2
−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、イソホ
ロンジアミン等の炭素数1〜20の脂環族アミン化合
物、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノナ
フタレン、2,2−ビス(アミノフェニル)メタン、
2,2−ビス(アミノフェニル)プロパンなどの炭素数
1〜20の芳香族アミン化合物、m−キシリレンジアミ
ン、p−キシリレンジアミン、o−キシリレンジアミン
などの炭素数1〜20の芳香脂肪族アミン化合物等、及
びこれらの混合物が挙げられる。中でも、ヘキサメチレ
ンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、キシ
リレンジアミン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ジアミノナフタレン、イソホロンジアミン、ジアミ
ノトルエン、ビス(アミノフェニル)メタン、ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサンが好ましく、特に、ヘキサ
メチレンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナ
ン、キシリレンジアミン、ビス(アミノシクロヘキシ
ル)メタン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサンが好ましい。
もできるが、ホスゲン化反応前に鉱酸塩又はカルボン酸
塩又は炭酸塩とすることで、生成したイソシアナート化
合物と原料アミン化合物がウレア化合物を生成すること
を抑制することができる。特に、アミン化合物のホスゲ
ン化で副生成する塩化水素と、アミンとの塩から解離し
た塩化水素を同時に回収できることから、工業的には塩
酸塩とすることが好ましい。
スゲンを溶解した溶液中の酸素濃度は、0.1wt%以
下、好ましくは0.02wt%以下である。この範囲内
では、副反応が抑制されタール分の副生成が少なく、着
色しにくく、且つ収率の高いイソシアナート化反応が行
われる。これらの酸素濃度は、ガスクロマトグラフィー
で容易に定量することができる。
及び生成するイソシアナートに対して不活性な溶媒なら
特に限定されないが、酸素溶解度が低く、ホスゲン溶解
度の高いものが好ましい。例えば、ギ酸アミル、酢酸−
n−ブチル、酢酸−n−アミル、酢酸メチルイソアミ
ル、酢酸メトキシブチル、酢酸−2−エチルブチル、酢
酸−2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メ
チルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸エチ
ル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソアミ
ル、ステアリン酸ブチル、サリチル酸メチル、フタル酸
ジメチル、安息香酸メチル等のエステル系溶媒、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、ナフタ
レン、クロロナフタレン、ジクロロナフタレン等の芳香
族系溶媒、及びこれらの混合物等が挙げられる。また、
溶媒回収等の手間を考えると、後述する反応溶媒と同一
であることがより好ましい。また、その使用量も特に限
定されないが、経済性の面から、飽和溶解度分をあまり
超えない方が好ましい。
の酸素除去法は、例えば、ホスゲンと酸素の液化温度の
差を利用する方法、つまり、ホスゲンガスを沸点以下ま
で冷却液化し酸素ガスと気液分離する方法や、ホスゲン
を前述した溶媒に溶解させ、酸素との溶解度差を利用し
て分離する方法等がある。後者の場合は、予め溶媒中の
残存酸素を窒素等不活性ガスでパージしておくか、溶媒
中の残存酸素を過剰のホスゲンガスでパージするとより
好ましい。液化したホスゲンはそのままでも再ガス化し
ても反応に用いることができる。溶媒に溶解させて酸素
を除去したホスゲンを反応に用いる場合には、再びガス
化しても溶媒に溶解させたまま使用してもよい。
原料中の酸素濃度も0.1wt%以下であることが好ま
しい。そうすることで、よりタール分の副生成が少な
く、着色しにくく、且つ収率の高いイソシアナート化反
応を行うことができる。アミン化合物(若しくはその鉱
酸塩又はカルボン酸塩又は炭酸塩)および反応溶媒の酸
素除去については、例えば窒素等不活性ガスを吹き込
み、溶解している酸素を置換する方法等が挙げられる。
また、例えば、酸素濃度を0.1wt%以下に抑制した
ホスゲンあるいはホスゲンを溶解した溶液を、反応初期
から反応系内へ過剰に供給することで、アミン化合物
(若しくはその鉱酸塩又はカルボン酸塩又は炭酸塩)や
反応溶媒等系内に仕込まれた原料中の溶存酸素を、ホス
ゲンの未反応分と一緒に反応系外へパージすることもで
きる。これら溶液中の酸素濃度は、例えば、DO/O2
/TEMPメーター、VC−12−SOL型(セントラ
ル科学株式会社製)等を使用して測定することができ
る。
下、好ましくは、アミン化合物(若しくはその鉱酸塩又
はカルボン酸塩又は炭酸塩)とホスゲンが反応しイソシ
アナート化合物が生成する際、この反応の中間体である
カルバモイルクロライド体からのイソシアナート生成反
応が促進される130℃以上であり、有機物が比較的熱
劣化を受けにくい220℃以下である。
ートに対して不活性な溶媒なら特に限定されないが、例
えば、ギ酸アミル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−アミ
ル、酢酸メチルイソアミル、酢酸メトキシブチル、酢酸
−2−エチルブチル、酢酸−2−エチルヘキシル、酢酸
シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベン
ジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−ブチ
ル、プロピオン酸イソアミル、ステアリン酸ブチル、サ
リチル酸メチル、フタル酸ジメチル、安息香酸メチル等
のエステル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン、ニトロベンゼン、ナフタレン、クロロナフタレン、
ジクロロナフタレン等の芳香族系溶媒、及びこれらの混
合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。好ましくは、工業的に有利な常圧でカルバモイルク
ロライドの分解が加速される温度条件で反応を行うため
に、オルトジクロロベンゼン、酢酸イソアミル等の沸点
が130℃以上の溶媒である。
によって異なるが、一般的にはアミン化合物1重量部に
対して、溶媒1重量部から50重量部、さらには2〜2
0重量部が好ましい。溶媒が1重量部以下では攪拌不良
となりやすく、50重量部以上では容積効率、溶媒回収
等の点で工業的に不利である。
ソシアナート類に対して不活性な溶媒中に、アミン化合
物(若しくはその鉱酸塩又はカルボン酸塩又は炭酸塩)
を溶解または懸濁させた反応系内へ、ホスゲン(気体ま
たは液体)あるいはホスゲンを溶解した溶液を供給しな
がら、系内の反応温度を一定に保ち、イソシアナート化
反応を行う方法が挙げられる。
ライド体からの脱塩化水素反応を促進するため、反応系
内へ過剰のホスゲンあるいは不活性ガスを供給して、反
応中に発生する塩化水素を反応系内から除去する方法を
とることが好ましい。特に、反応に必要なホスゲンの反
応系内濃度を落とさないために、過剰のホスゲンガスを
供給することが好ましい。
加圧下でも反応を行う事ができる。
明は以下の例に限るものではない。 実施例1 反応機には、温度計、ガラス製吹き込み管、ジムロート
冷却管、攪拌装置を備えた500ml5つ口セパラブル
フラスコを用いた。ジムロート冷却管からの排気は、空
トラップ、水トラップ、アルカリトラップを通して除害
塔へ放出した。反応溶媒オルトジクロロベンゼン100
重量部に対し、ビス(アミノメチル)ノルボルナン塩酸
塩15重量部をスラリー状に分散させた。撹拌下、窒素
を吹き込みながら、室温から170℃に30分で昇温し
た。液化後に再び気化して酸素濃度を0.02wt%
(測定値0.05vol%を換算)に調整したホスゲン
ガスを、吹き込み管より6時間で140重量部吹き込
み、170℃にて反応を行った。ホスゲンガス中の酸素
濃度はガスクロマトグラフィーで定量した。この反応に
より得られた反応液中のビス(イソシアナトメチル)ノ
ルボルナンをガスクロマトグラフィーで定量したとこ
ろ、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンの収率は
原料ビス(アミノメチル)ノルボルナン塩酸塩に対して
99mol%であった。副生成したタール分の生成量を
GPCのエリア法で定量したところ、ビス(イソシアナ
トメチル)ノルボルナン99重量部に対して1重量部で
あった。反応液の色相は淡褐色であった。また、可視域
の光透過率は、光路長1cm当り以下の通りであった。 波長400nm:53% 波長500nm:78% 波長600nm:93% 波長700nm:95%
製造において、原料中の酸素を除去せずに反応に用い、
ホスゲン中酸素濃度を0.56wt%(ガスクロマトグ
ラフィーでの測定値1.20vol%を換算)とし、同
様の条件で反応を行った。この反応でビス(イソシアナ
トメチル)ノルボルナンの収率はビス(アミノメチル)
ノルボルナン塩酸塩に対して93mol%であった。副
生成したタール分の生成量は生成したビス(イソシアナ
トメチル)ノルボルナン93重量部に対して7重量部で
あった。反応液の色相は黒色であった。また、可視域の
光透過率は、光路長1cm当り以下の通りであった。 波長400nm:0.4% 波長500nm:14% 波長600nm:52% 波長700nm:79%
カルボン酸塩又は炭酸塩)をホスゲンと反応してイソシ
アナート化合物を製造するに際し、原料中に共存する酸
素の濃度を抑制することにより、タール分の副生成が少
なく、着色が少ないイソシアナート化合物が合成でき
た。更に、タール分の副生成および反応液の着色を抑制
することより、収率を向上させ、特に光学用途や塗料用
途向けイソシアナート化合物の精製工程に対する負荷を
低減することができた。
Claims (6)
- 【請求項1】 アミン化合物、若しくはその鉱酸塩又は
カルボン酸塩又は炭酸塩を、反応溶媒中に溶解または懸
濁させた溶液中へ、ホスゲン又はホスゲンを溶解した溶
液を供給しながらイソシアナート化合物を製造するに際
して、反応系に供給するホスゲン又はホスゲンを溶解し
た溶液中の酸素濃度を0.1wt%以下とするイソシア
ナート化合物の製造方法。 - 【請求項2】 ホスゲンを液化または溶媒へ溶解するこ
とを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 アミン化合物が、ヘキサメチレンジアミ
ン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、キシリレンジ
アミン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、イソホ
ロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンで
ある請求項1〜2記載の製造方法。 - 【請求項4】 原料がアミン化合物の塩酸塩である請求
項1〜3記載の製造方法。 - 【請求項5】 反応温度が130℃以上220℃以下で
ある請求項1〜4記載の製造方法。 - 【請求項6】 アミン化合物1重量部に対し、反応溶媒
を1〜50重量部使用する請求項1〜5記載の製造方
法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11956798A JP3957396B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | イソシアナート化合物の製造方法 |
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JPH11310566A true JPH11310566A (ja) | 1999-11-09 |
JP3957396B2 JP3957396B2 (ja) | 2007-08-15 |
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Country Status (1)
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US8907041B2 (en) | 2007-10-15 | 2014-12-09 | Mitsui Chemicals, Inc. | Granular polyurethane resin composition and molded article of the same |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP11956798A patent/JP3957396B2/ja not_active Expired - Lifetime
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