JPH11309661A - ワイヤーソーによる切断加工法 - Google Patents
ワイヤーソーによる切断加工法Info
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- JPH11309661A JPH11309661A JP13461898A JP13461898A JPH11309661A JP H11309661 A JPH11309661 A JP H11309661A JP 13461898 A JP13461898 A JP 13461898A JP 13461898 A JP13461898 A JP 13461898A JP H11309661 A JPH11309661 A JP H11309661A
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Abstract
等の硬脆材料を、安定し切断加工する方法を提供する。 【解決手段】 高強度のワイヤーの周面上に、多数の超
砥粒をボンド層により突なるワイヤーソーを、硬脆材料
の被削面に接触させて、硬脆材料に対し800m上の高
速で通過させることを特徴とする。用いるワイヤーソー
としては、ボンドーを含有したレジンボンドによって形
成し、該ボンド層より突出した砥粒により砥粒空間を
4.0mm3/m以上としたものが好ましい。
Description
る切断加工、特に大口径のシリコンインゴットからのシ
リコンウェハーのスライシング加工とか、大型乃至複数
のネオジウムの切断のような、切断幅(ワークサイズ)
の大きな切断加工に関する。
ンウエハーのスライシング加工には、主としてダイヤモ
ンド内周刃が使用されてきたが、シリコンインゴットの
大口径化に伴い、収率、生産性、加工変質層、寸法的な
制約などより、最近は遊離砥粒とワイヤーによる加工が
多く用いられるようになってきた。しかし、遊離砥粒を
用いる加工は、環境衛生上の問題があると共に、洗浄を
要するなど作業工程が長くなり、ワイヤーの送り速度も
低く、加工能率、加工精度共不充分で、砥粒を固着させ
たワイヤーをつかったワイヤーソーによる加工が強く望
まれている。
開昭50−102993号公報に芯線材に砥粒を結合し
て、その外面にドレッシングを施したものが提案され、
特開平8−126953号公報には、ワイヤーソーによ
るシリコンウエハーの切断加工法が詳細に述べられ、こ
の加工には芯線材としてポリエチレン、ナイロン等の素
材を用いることが良いと提案されている。
芯線材にダイヤモンド砥粒を電解メッキ又は合成樹脂バ
インダー溶液を用いて固着したワイヤーソーを用いて、
直径8インチのシリコンインゴットをワイヤーソーの送
り速度300m/minで切断したことが開示されてい
る。
提案である。然し乍ら、工業的には砥粒固着ワイヤーソ
ーによる切断加工は未だ殆ど採用されていないのが実状
である。これは長尺で均質な砥粒固着ワイヤーソーの製
造に手数を要すると言う問題以上に、実際には予想され
る程の切れ味が得がたく、加工不能状態の発生や断線な
どにより、安定した連続切断加工が困難なためと思われ
る。そしてこの困難性は切断幅の大きな切断加工におい
て特に著しい。
題を解決しようとするもので、その第1の特徴とすると
ころは、高強度のワイヤーの外周面上に多数の超砥粒を
ボンド層で突出固着してなるワイヤーソーを、被削材の
切断すべき面に接触させて、800m/min以上の線
速で通過させ、このワイヤーソーの高速通過により切断
加工を連続して行うことである。
イヤーソーの送り速度は、例えば前記提案における30
0m/minのように、低速のものしか知られていな
い。しかし、シリコンインゴット径がせいぜい8インチ
のような場合であれば、このような線速でも切断可能で
あったが、例えば径12インチのように切断幅の大きな
ものになると切れ味が低下し、加工不能となっていた。
本発明者らは、試作研究を重ねた結果、実証的に800
m/min以上の高速域において安定した連続切断を実
現し得ることを見出した。その主な要因の一つは、後に
詳述するが、図2に表わす切り屑発生量とワイヤーソー
のチップポケット容量の関係によるものと考えられる。
の平均粒径を50μm以下、ワイヤーソーの外径を0.
5mm以下好ましくは0.3mm以下に限定し、切断切
り屑の発生を必要最小限に抑え、切断精度を上げたこと
である。
る切断を液体中において行うことである。こうすること
により切断加工熱による切断精度の低下や、切断面の変
質のおそれが解消される。また切り屑の排出がよく切れ
味を良好に保ち易い。
ーにおける砥粒空間Vを4mm3/m以上に確保したこ
とである。この砥粒空間Vは、図1のようにワイヤーソ
ーWの外径Dにおける容積をA、超砥粒2のボンド層3
の外径D1における容積をB、超砥粒2のボンド層3よ
り突出した部分4の容積をCとした場合において、V=
A−B−Cで計算した数値であって、4mm3/m以上
好ましくは9mm3/m以上にすることによって、切り
屑の排出が良好で切れ味もよい。
に対する通過方向を、少なくとも1往復以上反転させる
ことによって、切断面の表面粗さを向上させ、切れ味も
良好に保ち易くすることである。
いては実施例の項において説明する。
mのダイヤモンドフィラー、平均粒径30μmのダイヤ
モンド砥粒をそれぞれの固形分比が60容積%、20容
積%、20容積%となるように混合し、この混合物に溶
剤量が50容積%となるようにクレゾールをさらに加え
て塗料を調整した。
黄銅メッキピアノ線1の外周面上に塗布し、ダイスを通
した後、炉温300℃の焼付炉で焼付け硬化してワイヤ
ーソーWを作製した。図1はそのワイヤーソーWの構成
を説明する軸方向の断面図で、ピアノ線1の外周面上に
はダイヤモンド砥粒2が焼付け硬化したボンド層3によ
り、ボンド層3の表面より突出部4を形成するように固
着されている。ダイヤモンドフィラー5はその大部分が
ボンド層3中に埋没してボンド層3の補強材として働
く。なおTはボンド層の厚みを示す。なお突出部4の容
積は、ボンド層3による保持力の維持上、砥粒2の容積
の1/2以下とする必要があり、これはボンド層3の厚
みTを制御することによって選択することができる。
径で、このワイヤーソーWの容積をA、ボンド層3の外
径D1における容積をB、突出部4の容積をCとした場
合における砥粒空間Vは、V=A−B−Cによって算出
される。この砥粒空間Vが所謂チップポケットで、切り
屑を排除し安定した切断を持続せしめるものである。
法を示す。なお砥粒径、フィラー径は共に平均粒径であ
る。
空間Vを計算すると数1となる。ワイヤーソーWの1m
当りの砥粒2の突出部4の容積Cは、塗料配合時におけ
る砥粒2の容積比が20%、ボンド層3よりの突出量は
砥粒2の容積の1/2以下であるので、その最大値1/
2を採り20%×1/2=10%と仮定した。
ぞれの砥粒空間は9.54mm3/m及び4.824m
m3/mであるが、このワイヤーソーWにより切断を行
う際、被削材に接触して切断加工に関与するのはワイヤ
ーソー断面の約1/2であるから、切断加工における有
効砥粒空間は上記値の約1/2となる。
びに砥粒径を若干変えたワイヤーソーを多数製作し、被
削材として材質はシリコン、水晶、フェライト、ネオジ
ウムのそれぞれについて、切断幅(ワークサイズ)を表
2並びに表3のように、大小異なった多数について切断
試験を行なった。その切断条件も同表に示すが、条件中
最も留意したのはワイヤーソーの被削材に対する通過速
度、即ち送り速度である。
ワークサイズの比較的小さな被削材においては、ワイヤ
ーソーの送り速度が600m/minでも、切断加工が
持続できるものがあるが、大きな被削材においては80
0m/min以上でなければ持続できない。この理由は
研究中であるが、図2のグラフから見かけ切り屑発生量
とワイヤーソーのチップポケット容量の関連があるもの
と推察する。切断により発生する見かけ切り屑量は、被
削材の材料除去量に対し10倍以上も大きくなり、砥粒
空間Vがこの屑を受け入れ、スムースに排除して行くに
は、送り速度を800m/min以上とし、相対的に切
込み量が小さくても、充分な切断速度が得られるように
選択する必要が生じているものと考えられる。ここで図
2のグラフについて説明する。実施例2並びにその砥粒
径のみを20μmに替えたワイヤーソーを用い、各切断
幅の被削材を切断速度1mm/minにて切断した場合
に発生する材料除去量と線速との関連を表わした。
当りのチップポケットラインを示すものであるが、切断
を行う際に、被削材と接触し切断作用に関与するのは、
前述のようにそのワイヤーソーの片側断面のみであるか
ら、その数値はワイヤーソーチップポケット容量の1/
2で示した。横線Lより下側は、単位時間当りの見かけ
切り屑発生量が各線速で生じるワイヤーソーのm当りチ
ップポケット容量より小さくなり、切粉排出は容易に行
なわれるゾーンである。上側は、見かけ切り屑発生量が
チップポット容量を上廻り切り屑排出に支障をきたすこ
とが推察されるゾーンである。
材料除去量を図2のグラフ中にスポットしたところ、6
00m/min以下の線速では必ずしも適合しない場合
もあり、切り屑排除のみが原因しているとは断定しがた
いものの、800m/min以上の線速では安定した切
れ味が持続されることが判明した。
速度を800m/min以上の高速とすることが、シリ
コン、ネオジウムなどの工業的切断加工には必須の要件
であることを確認することができた。またその試験に用
いたワイヤーソーの構成により、砥粒空間の大きさもこ
の送り速度に付加して必要な要件ではないかと考えられ
る。その大きさとしては4mm3/m以上、好ましくは
9mm3/m以上と思われる。なお実施例においてはボ
ンド層中にダイヤモンドフィラーを含有する合成樹脂塗
料を焼付け固化したものについて示したが、フィラーを
省くことも他のフィラーを用いることもできる。またこ
のようなチップポケットを構成する固定砥粒ワイヤーソ
ーは、上記レジンボンドによるものが、工業的に製造し
やすいが、Niメッキなどの電着によっても、砥粒間隔
を開けて粗にすることによって製造可能であるし、砥粒
層に溝を形成してチップポケットを構成することも考え
られる。用いる超砥粒の平均粒径は、切断に際する切断
切り屑を必要最小限に抑え、切断精度を上げる上から
は、ワイヤーソーの外径ができるだけ小径なものが好ま
しいわけであるから、用いるワイヤー径にもよるが、5
0μm以下、好ましくは30μm以下である。
イヤーソーを被削材に押し付け接触させて、高い線速で
通過させるものであるから用いるワイヤーとしては、実
施例における黄銅メッキピアノ線のような高強度のもの
を用いる必要があり、その表面にはボンド性を向上させ
るためメッキその他の処理を施しておくことが好まし
い。その径は、上記切り屑、精度の面より0.5mm以
下、好ましくは0.3mm以下で、高強度であればカー
ボン、ポリエチレン、ポリアミドなどの繊維状線条体を
ワイヤーとして用いることもできる。
向を逆転させて、繰返して往復させながら切断加工を施
す方法並びに被削材を水中に設置し、ワイヤーソーを水
中に導いて切断加工を施す試験を試みた。何れの場合
も、切断加工は安定して継続でき、切断面の表面粗さも
Rmax50μm以内と良好なものであった。従って、
この2つの試験方法を併せ行うことも有効な一つの実施
形態である。
により従来実用困難であった固定砥粒ワイヤーソーによ
るシリコン、水晶、フェライト、ネオジウムなどの切断
加工が可能となった。
の断面図である。
る切屑排出量並びに表2並び表3に記載した切れ味(加
工性)の良(○)否(×)を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 高強度のワイヤーの外周面上に多数の超
砥粒をボンド層で突出固着してなるワイヤーソーを、被
削材の切断すべき面に接触させて、800m/min以
上の線速で通過させることを特徴とするワイヤーソーに
よる切断加工法。 - 【請求項2】 固着された超砥粒の平均粒径は50μm
以下、ワイヤーソーの外径は0.5mm以下であること
を特徴とする請求項1記載の切断加工法。 - 【請求項3】 被削材を液体中に設置し、ワイヤーソー
による切断を液体中で施すことを特徴とする請求項1ま
たは2記載の切断加工法。 - 【請求項4】 ボンド層はフィラーを含有するレジンボ
ンドによって形成され、被削材はシリコン、水晶、ガラ
ス、フェライトまたはネオジウムの何れかであることを
特徴とする請求項1、2または3記載の切断加工法。 - 【請求項5】 用いるワイヤーソーは、ワイヤーソーの
外径Dにおける容積をA、ボンド層の外径D1における
容積をB、超砥粒のボンド層より突出した部分の容積を
C、砥粒空間VをA−B−Cとした場合における砥粒空
間Vを、4mm3/m以上としたことを特徴とする請求
項1、2、3または4記載の切断加工法。 - 【請求項6】 ワイヤーソーの被削材に対する通過方向
を、少なくとも1往復以上反転させることを特徴とする
請求項1、2、3、4または5記載の切断加工法。
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1998
- 1998-04-28 JP JP13461898A patent/JP3770579B2/ja not_active Expired - Fee Related
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