JPH0377842B2 - - Google Patents

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JPH0377842B2
JPH0377842B2 JP15010886A JP15010886A JPH0377842B2 JP H0377842 B2 JPH0377842 B2 JP H0377842B2 JP 15010886 A JP15010886 A JP 15010886A JP 15010886 A JP15010886 A JP 15010886A JP H0377842 B2 JPH0377842 B2 JP H0377842B2
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Japan
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metal
wire
abrasive
rod
powder
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JP15010886A
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JPS637304A (ja
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Teruyuki Murai
Yoshihiro Hashimoto
Takao Kawakita
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Priority to CA 534908 priority patent/CA1305324C/en
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Priority to EP19870105714 priority patent/EP0243825B1/en
Priority to US07/039,253 priority patent/US4866888A/en
Publication of JPS637304A publication Critical patent/JPS637304A/ja
Priority to US07/333,647 priority patent/US4964209A/en
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は硬質材料等の切断、研削或いは面取り
加工用の金属ワイヤ、更に詳しくは表面層に均一
かつ、強固に砥粒粉末を配列保持せしめた切断並
びに研削加工用ワイヤならびにその製造方法に関
する。 (従来の技術) 近年、セラミツク等硬質材料、或いはシリコ
ン、カリウム砒素等の半導体材料の切断、さらに
は金属加工材料の微細通孔内の面取加工などに金
属ワイヤを用いることが検討、実施されている。 そして、それに用いるワイヤとしては、従来よ
り非常に強度の高い高抗張力線材、所謂、ソーワ
イヤが使用されているが、この場合、その切断等
の加工はワイヤと被加工材との間に遊離砥粒を介
在せしめ、研削作用は摩擦力によつてのみ行われ
ることから、加工効率が悪いという問題がある。 又、切断の場合、被切断材とワイヤとの間に高
電圧をかけ、その間での放電によつて切断する、
所謂、放電ワイヤカツトと称される方法がある
が、この方法では被切断材が導電性を有する材料
のみに限定されるという問題がある。 そのために最近では線材表面にダイヤモンドの
粉末をメツキ法によりコーテイングしたダイヤモ
ンドワイヤが新たに開発され、該ワイヤを用いて
表面のダイヤモンド粉末の研削力により効率よく
加工する方法が検討され始めてきたが、この方法
においても、主としてCuメツキやNiメツキによ
りワイヤ表面に単に付着されているのみのダイヤ
モンド粉末は付着力が弱く、かつワイヤの表面全
周に亘つての均一な配列形成が困難であることか
ら、通常のダイヤモンド砥石製造技術を応用し
て、ダイヤモンドワイヤの製造に際し、Ni、Cu
等通常のボンド金属粉末にダイヤモンド粉末を混
入し該混合材をワイヤ表面全周に亘り焼結固定す
る方法も想起されるところである。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記ボンド金属粉末を用い、こ
れに混入したダイヤモンド粉末をワイヤの表面全
周に亘つて焼結固定せしめることが、確かに理想
的な方法ではあるとしても、現時点においては、
先ず、このような長尺、細物のワイヤを通常の焼
結方法で製造することは到底、不可能である。 一方、現在銅やアルミ被覆鋼線等のような二重
構造の線は一般的に用いられているが、本発明が
目的とするような(CBN+金属)−鋼線を単なる
二重構造鋼線であるとして従来の二重構造線製造
技術をそのまま適用し製線するとしても、例えば
伸線工程においてCBN粉末は伸線用ダイスを甚
だしく攻撃して摩耗せしめることから、実用的に
みて従来技術による伸線加工は不可能である。 更にまた、従来のメツキ法によりなるダイヤモ
ンドワイヤを用いての切断並びに研削加工時にお
いて、被加工材が鉄系材料の場合にはワイヤ表面
のダイヤモンド粉末と鉄との間での反応が生じ易
く、加工し難いという根本的な問題があり、ダイ
ヤモンド粉末を用いて加工を継続した場合ダイヤ
モンド粉末は急速に摩滅してその用をなさなくな
り、経済性の点より使用に耐えない。 本発明は、以上の点に鑑み、更に砥粒範囲を拡
大し、かつ、その効果的な付着手段を見出すこと
により、前記ワイヤの表面層内に均一かつより強
固に有効砥粒粉末を配設保持せしめ、切断、研削
加工機能を向上せしめることを目的とするもので
ある。 (問題点を解決するための手段) 次に上記の目的に適合する本発明の特徴を実施
例に対応する第1〜3図を用いて説明すると、本
発明は先ず、所要金属材料よりなる金属製パイプ
1の中心部に該パイプ1と同種または意種の金属
材料よりなる金属棒2を両者の間隙Sを存して挿
入し、所要寸法の組み立てられた金属体Aを得
て、その間隙S内に金属粉末4と硬度6以上の砥
粒子3を主体として含有する混合物Dを充填し、
上記金属体Aの端部を密閉する。 次いで、上記端部を密閉した金属体Aに対し、
焼鈍を施した後、冷間伸線工程に付し、所要線径
の線材とする。 そして、上記線材の最外層に位置し残存してい
る金属製パイプ1を研摩、酸洗い等によつて除去
し、金属粉末が焼結された金属層4′内に前記砥
粒子3が均一かつ強固に保持された混合層D′を
中心金属棒2表面に顕出せしめた砥粒インクラス
トワイヤを得る。 第3図aはかくして得られたワイヤ表面金属組
織の1例に係る顕微鏡写真である。 しかして本発明は上記のようにして得られた砥
粒インクラストワイヤ自体と上記ワイヤを製造す
る方法を夫々第1の発明、第2の発明とするもの
であり、とりわけ、金属粉末に混合する砥粒子を
モース硬度6度以上のセラミツク、超硬合金、ガ
ラスを使用すること、特にBCNやアルミナ
(Al2O3)、窒化珪素(Si3N4)等のセラミツクも
使用可能であることは大きな特色である。 ここで、モース硬度とは10種の基準となる鉱物
と比較することによつて鉱物の硬度を求める経験
的な尺度であり、基準となる鉱物は軟らかいもの
(尺度1)から硬いもの(尺度10)の順に滑石、
セツコウ、方解石、ホタル石、リン灰石、正長
石、石英、黄玉、鋼玉、ダイヤモンドである。こ
のうち、本発明において用いる砥粒子通常、硬度
6度の正長石基準より硬いセラミツク、超硬合
金、ガラス(但しダイヤモンドは除く)であり、
それ以下では砥粒インクラストワイヤの性能上、
適切でない。 なお、上記砥粒子は通常、金属粉末と混合し、
粉末状態で前記金属製パイプ内の間隙に充填する
が、押出しなどの熱間加工をしないものについて
は予め造粒して充填することが効果的である。 又、補強ならびに間隙ができるよう中心に挿入
される金属棒2外周に密着させた状態でパイプ状
金属Bを被嵌するか、または金属薄膜Cを巻き付
けることも有効である。 この場合、パイプ状金属又は巻きつける金属薄
膜には金属製パイプ、金属棒と同種金属成分の
外、異種金属成分も使用することができる。 (作用) 上記の如くして得られた砥粒インクラストワイ
ヤ及びその製造方法によれば別構成となる金属製
パイプと中心の金属棒の材質、寸法を各種使用条
件に適合する各種成分の同種又は異種成分を用い
て適切な寸法に形成することが容易となる。 又、各種使用条件に適合せしめた混合比で予め
均質に混合した各種成分の金属粉末とモース硬度
6度以上の砥粒粉末を主体とする混合物を金属製
パイプと金属棒との間隙に充填密閉することによ
り熱間、冷間加工を通じて充填時の混合比、均質
性をそのまま保持した状態で製線可能となり、寿
命を増大する。また、混合物の全外周には金属製
パイプ金属が被覆した状態で存在し、伸線加工時
における伸線用ダイスは上記外周の金属製パイプ
のみに接触して延伸することになり、砥粒子粉末
と接触することがなく、砥粒子粉末を強固に付着
せしめる。 そして、得られた所要線径の線材は、その外周
が金属製パイプ成分のみであるから、該成分を除
去するとその内層にあつた砥粒子を含む混合層が
線材の最表面に顕出し、砥粒インクラストワイヤ
が容易かつ安価に製造される。 (実施例) 以下、さらに本発明の具体的実施例を説明す
る。 第1図は本発明における金属製パイプに金属棒
を挿入した金属体の該間隙内に金属粉末と砥粒子
を主体とする混合物を充填した状態の構造を示す
模式図でaはその上面図、bは同側断面図であ
る。 図においてAは上記金属体を示し、1は最外周
の金属製パイプ、2は中心部の金属棒で、金属棒
2は間隙Sを存して金属製パイプ1の中心部に挿
入され、間隙S空間にはモース硬度6度以上の砥
粒子3と金属粉末4との混合物が充填されてい
る。 ここで、上記金属体Aの外周に位置する金属製
パイプ及び中心部の金属棒2の素材としては一般
に炭素鋼が用いられるが、使用する条件によつて
はステンレス鋼や銅合金等を用いてもよく、また
金属製パイプ1と金属棒2の金属材料の材質は
各々異なつてもよい。 なお、金属製パイプ1の厚さや金属棒2の径、
或いは両者間に設ける間隙Sの幅等は、使用する
最終線材の線径や充填する砥粒子粉末3の平均粒
度、更には金属粉末4内への砥粒子粉末3の混合
比率に応じて適合決定される。 又、モース硬度6度以上の砥粒子粉末3として
は具体的にはBCNやアルミナ(Al2O3)、窒素珪
素(Si3N4)などのセラミツクならびに超硬合
金、ガラスから選ばれた1種以上が挙げられ、適
宜、単一またはブレンドして用いられる。 更に前記砥粒子粉末3を混合する金属粉末4は
一般にNi粉末やNi基合金粉末が用いられている
が、これ以外にもCu粉末Cu基合金粉末、又、Co
粉末やCo基合金粉末など、一般の砥粒子工具製
造に用いられるボンド金属粉末であつてもよい。
そして、混合粉末Dを充填し終えた金属体Aの間
〓S部の両端には適宜蓋材等を用い、蓋止溶接し
て密閉した後、焼鈍と冷間伸線を繰り返し施す
か、又は、密閉した後、押出し、圧延等の熱間加
工を施した後、焼鈍と冷間伸線を繰り返して所要
の線径の線材とする。 この際、熱間加工中に、内部に充填している金
属粉末4が、金属製パイプ1や中心の金属棒2に
拡散するのが好ましくない場合には金属製パイプ
1内面や、中心の金属棒2外周に予め銅メツキ等
を施して拡散阻止用の層を作つておき、このメツ
キ層により拡散現象を防止することも可能であ
る。 又、砥粒子には熱間押出しなどの熱間加工を行
わないときには砥粒子の露出が場所により粗密差
を示すことがある。そこでこれを防止するために
砥粒子と金属粉末との混合物を造粒処理し、球状
の粒塊よりなる粉末として金属製パイプと中心の
金属棒との間の間〓に充填するのが好ましい。 造粒処理を行うには通常、バインダーを添加材
として加えるが、有機化合物などのバインダーを
用いると、これがため後工程での処理の際、粉末
の粒子間の接合を阻害することがある。 従つて、上記間隙に造粒粉を充填した後、加熱
してバインダーを分解蒸発させて上記の障害原因
を排除せしめるのが効果的である。 以下、引き続き、本発明方法により砥粒インク
ラストワイヤを製造する具体的実施例を掲げる。 実施例 1 第1図に示す金属体Aにおいて、その素材とし
て外周の金属製パイプ1にJIS−SS41鋼材、中心
部の金属棒2にJIS−SK7鋼材を夫々用いた。こ
のときの金属体Aの寸法としては、最外径70mm
φ、最外周の金属製パイプの厚さ5mm、間隙Sの
幅は8mmであつた。 そして、砥粒子として窒素珪素粒子を用い純
Ni粉末と0.5重量%の炭素を混合したものに平均
粒度150μmの窒化珪素微粒を体積比で13%混合
した混合物Dを充填した後、金属体Aの間隙部両
端を溶接密閉した。 その後、1000℃で2時間加熱し、押出比15で
押出しを行つた。更に熱処理及び冷間伸線加工を
繰り返し1.0mmφの線材とした。このときの引張
強度は182Kg/mm2であつた。第3図bはその断面
の金属組織の1例を示す顕微鏡写真である。 次に上記得られた線材を濃度35%の塩酸溶液中
に15分間浸漬して線材の最外層に残存する金属製
パイプの炭素鋼(SS41)を溶解除去し、アルカ
リ溶液で中和し、洗浄した。 第3図aはこのようにして得た窒化珪素砥粒イ
ンクラストワイヤの表面金属組織状態の1例を示
す顕微鏡写真で、前記本発明方法によつて窒化珪
素微粒がワイヤ外周に均一かつ強固に付着、埋め
込まれていることが分かる。 そして、上記のようにして得られた砥粒インク
ラストワイヤを鉄系素材の切断ならびに切削加工
に利用したところ、従来のメツキ法による窒化珪
素ワイヤでは表面の窒化珪素粉末が被加工鉄材表
面の鉄との反応による激甚な摩滅を生じ、加工が
困難であつたのに対し、極めて良好な切削並びに
切削加工が可能であつた。 実施例 2 砥粒子として40メツシユ、平均粒度150μmの
窒化珪素微粒を用い、Ni粉末(カーボニニル微
粉)に体積比で4%混合したものに、更にバイン
ダーとしてカンフアーを0.5重量%添加し、湿式
噴霧法により予め造粒処理を行い、粒塊よりなる
粉末を作製した。 そして、次に上記造粒された造粒粉を前記実施
例1と同様の金属体Aの間隙内に充填し、間隙部
端部を溶接密閉した後、300℃のエアバス中で1
時間保持し、カンフアーを昇華せしめた。 その後、押出しを行うことなく、熱処理及び冷
間伸線加工を繰り返し、1.2mmφの線材とした。
このときの引張強度は180Kg/cm3であつた。 これを鉄系素材の切断ならびに研削加工に用い
たところ、実施例1に比し、何ら遜色のない良好
な切断、研削加工が可能であつた。 実施例 3 実施例1に示すのと同様構成の金属体Aの間隙
S内に純Ni粉末に平均粒度150μmのBCN粉末3
を体積比で13%混合した混合粉末Dを充填した
後、金属体Aの間隙S部両端を溶接密閉した。 その後、1050℃で2時間加熱し、押出比15で押
出しを行つた。更に熱処理及び冷間伸線加工を繰
り返し1.0mmφの線材とした。この時の引張強度
は183Kg/mm2であつた。これを濃度35%の塩酸溶
液中に15分間浸漬して線材の最外層として残存し
ている金属体A最外周部1の炭素鋼(SS41)を
溶解除去し、アルカリ溶液中で中和し洗浄した。 このようにして製造した本発明にかかるワイヤ
は鉄系素材の切断ならびに切削加工時において、
前記実施各例と同様、従来のメツキ法によるワイ
ヤに比し、極めて良好な切断並びに研削加工が可
能であつた。 実施例 4 第1図に示す金属体Aの素材としては最外周部
の金属製パイプ1にJIS−SS41鋼材、中心部の金
属棒2にはJIS−SK7鋼材を用いた。このときの
金属体Aの寸法としては、最大径70mmφ、最外周
部1の厚さ10mm、間隙Sの幅4mmであつた。そし
て、該間隙S内に純Ni粉末に平均粒度15μmの
BCN粉末の砥粒子を体積比で10%混合した混合
粉末Dを充填した後、金属体Aの間隙S部の両端
を溶接密閉した。 その後、1050℃で2時間加熱し押出比15で押出
しを行つた。更に熱処理及び冷間伸線加工を繰り
返し0.2mmφの線材とした。このときの引張強度
は209Kg/mm2であつた。これを濃度35%の塩酸溶
液中に20分間浸漬して線材の最外層として残存し
ている金属体A最外周部1の炭素鋼(SS41)を
溶解除去し、アルカリ溶液で中和し洗浄した。 このようにして製造したワイヤは従来のメツキ
法により表面にダイヤモンド粉末を付着した同線
径のダイヤモンドワイヤに比し、後記第1表の結
果より明らかなようにBCN粉末砥粒子3のワイ
ヤ表面での固着力が強く、切断スピードを増加さ
せることができると共に著しく寿命の長いことが
明らかとなつた。 第1表に上記対比実験結果の一例を示す。
【表】 実施例 5 次に第4図に示す円筒状の金属体Aの素材とし
て最外周の金属製パイプ1に一般構造用圧延鋼材
(JIS−SS−41)を、中心部の金属棒2には炭素
工具鋼鋼材(JIS−SK7)を用いた。 とのときの円筒状金属体Aの寸法としては、最
外径70mmφ、金属製パイプ1の厚さ5mm、間隙S
の幅6mmとした。 そして上記の間隙S内に内径48mm、厚さ2mmの
純Ni製チユーブBを挿入し、このNiチユーブと
外周の金属製パイプ1との間隙S′に純Ni金属粉
末4と平均粒度140μmのBCN砥粒子3を体積比
で13%混合した混合粉末Dを充填した後、金属体
Aの両端の間隙S部を溶接密閉した。 その後、1050℃で2時間加熱し、押出比15で押
出しを行つた。更に熱処理及び冷間伸線加工を繰
り返し、1.0mmφの線材とした。この時の引張強
度は138Kg/mm2であつた。 その構造について顕微鏡写真で観察したとこ
ろ、CBN砥粒子はパイプ状Ni金属によつて中心
部から離れており、BCN砥粒子が中心部に喰い
込み、切欠きをつけることはないことが分かつ
た。 次にこれを濃度35%の塩酸溶液中に15分間浸漬し
て線材の最外層として残存する金属体Aの外周金
属製パイプの炭素鋼(SS41)を溶解除去してア
ルカリ溶液で中和し洗浄した。 この方法により製造したCBN砥粒インクラス
トワイヤは、外周部にはBCN砥粒子3が均一に
付着していると共に、内部ではBCN砥粒子が中
心部に喰い込むことがなく、切欠きのない長寿命
のワイヤであつた。 更に、このワイヤは鉄系素材の切断ならびに研
削加工において、従来ダイヤモンドワイヤでは凝
着が生じ、加工が困難であつたのに対し、極めて
良好な切断並びに研削加工を行うことができた。 実施例 6 第1図に示す円筒状金属体Aの素材として最外
周の金属製パイプ1にJIS−SS41鋼材、中心部の
金属棒2にはJIS−SK7鋼材を用いた。このとき
円筒状金属体Aの寸法としては最外径70mmφ、最
外周金属製パイプ1の厚さ5mm、間隙Sの幅8mm
とした。そして該間隙S内に純Ni粉末に平均粒
度150μmのアルミナ(Al2O3)粉末3を体積被で
13%混合した混合粉末Dを充填した後、金属体A
の間隙S部両端を溶接密閉した。 その後、1050℃で2時間加熱し、押出比15で熱
押出しを行つた。更に熱処理及び冷間伸線加工を
繰り返し1.0mmφの線材とした。この時の引張強
度は183Kg/cm3であつた。これを濃度35%の塩酸
溶液中に15分間浸漬して線材の最外層として残存
している金属体A最外周の金属製パイプ1の炭素
鋼(SS41)を溶解除去しアルカリ溶液で中和し
洗浄した。 このようにして製造した砥粒インクラストワイ
ヤは鉄系素材の切断並びに研削加工時において、
従来のメツキ法になるダイヤモンドワイヤでは表
面のダイヤモンド粉末が被加工鉄材表面の鉄との
反応による激甚な摩滅が生じ、加工が困難であつ
たのに比し、極めて良好な切断ならびに研削加工
が可能であつた。 実施例 7 第1図に示す円筒状金属体Aの素材として最外
周の金属製パイプ1にJIS−SS41鋼材、中心の金
属棒2にはJIS−SK7鋼材を用いた。この時円筒
状金属体Aの寸法としては、最大径70mmφ、金属
製パイプ1の厚さ10mm、間隙Sの幅4mmとした。
そして、該間隙S内には純Ni粉末に砥粒子とし
て平均粒度15μmのアルミナ(Al2O3)粉末3を
体積比で10%混合した混合粉末Dを充填した後、
金属体Aの間隙S部の両端を溶接密閉した。 その後、1050℃で2時間加熱し押出比15で熱間
押出しを行つた。更に熱処理及び冷間伸線加工を
繰り返し0.2mmφの線材とした。このときの引張
強度は210Kg/mm2であつた。これを濃度35%の塩
酸溶液中に20分間浸漬して洗剤の最外層として残
存している金属体A最外周部1の炭素鋼(SS41)
を溶解除去し、アルカリ溶液で中和し洗浄した。 このようにして製造した砥粒インクラストワイ
ヤは従来の伸線法により表面にCBN粉末を付着
した同線径のワイヤに比し、砥粒子粉末3のワイ
ヤ表面での固着力が強く、切断スピードを増加さ
せることができると共に、著しく寿命の長いこと
が明らかであつた。 (発明の効果) 本発明は以上説明した如く、使用条件に応じた
適合材料、寸法により容易に形成できる円筒状金
属体を用い、その間隙内に所要の成分、混合比に
なる金属粉末とモース硬度6以上のセラミツク、
超硬合金、ガラスよりなる群より選ばれた1種以
上の砥粒子との混合粉末を充填密閉したもので、
その最外周部は金属製パイプによる金属のみであ
るから、従来の二重構造線製造技術をそのまま適
用して加工しても砥粒子粉末が伸線用ダイスを直
接攻撃する等の懸念は全くなく、従来の二重構造
鋼線と同様に所要線径に至るまで容易に伸線加工
することができる。 そして、線材の最表面層としてモース硬度6以
上の砥粒子粉末の混入した混合層を顕出せしめる
最終工程においても、通常の研摩、酸洗処理など
を適用することにより、線材表面に残存している
金属を容易に除去し得る。 しかも、間隙内に混合粉末を充填密閉した金属
体を、そのまま又は押出し、圧延などの熱間加工
した後、焼鈍及び冷間伸線加工するものであるか
ら、混合粉末中の金属粉末が焼結されてなる混合
層中には充填時の混合比そのままに前記砥粒子を
均質、かつ強固に配設保持せしめることができ、
従来のメツキ法によるワイヤ表面にダイヤモンド
粉末が付着されているのみのダイヤモンドワイヤ
に比し、被加工材が鉄系材料であつても、加工時
における砥粒の激甚な摩滅は殆ど生じることな
く、例えば粒径30μmのダイヤモンド砥粒子を用
いた本発明ワイヤでZn、Seの結晶体を切断した
場合、従来法のワイヤに比し5倍以上、切断速度
を速くすることができると共に、ワイヤの寿命も
著しく延長し得て、極めて優れた切断或いは面取
加工能力を有する切断並びに研削加工用に好適な
砥粒インクラストワイヤを容易に製造することが
できる。 又、本発明による上記ワイヤはメツキ法による
ものに比しベンデイングに対する砥粒子の把持力
も著しく大である。 なお、本発明による砥粒インクラストワイヤは
特にワイヤ表面に砥粒子を強固に埋め込ませてい
るため精密切断用ワイヤとして脆い材料や水や油
などの液体を使用する切断方法では困難な材料の
切断に最適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる金属体の構造を示す模
式図で、aはその上面図、bは同側断面図であ
る。第2図は本発明方法により製造された砥粒イ
ンクラストワイヤの概念図を示し、第3図aは該
ワイヤ表面の金属組織の一例を示す顕微鏡写真
(倍率40倍)であり、第3図bは本発明方法によ
る製造途中での線材(研摩、酸洗処理以前の)断
面の金属組織の一例を示す顕微鏡写真(倍率40
倍)である。又、第4図a,b及び第5図a,b
は本発明に用いる金属体の変形各実施例を示す模
式図で、aは上面図、bは同側断面図を示し、第
4図は金属棒にパイプ状金属を被着した場合、第
5図は金属棒に金属薄膜を巻きつけた場合であ
る。 A……金属体、B……パイプ状金属、C……金
属薄膜、S……金属製パイプと金属棒との間隙、
S′……金属製パイプとパイプ状金属又は金属薄膜
との間隙、1……金属製パイプ、2……金属棒、
3……砥粒子、4……金属粉末、4′……金属層、
D……混合物、D′……混合層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属線の表面部には金属粉末の焼結層が存在
    し、この焼結層の中にセラミツク、超硬合金、ガ
    ラスからなる群より選ばれた1種以上で、モース
    硬度6度以上の砥粒子が均一に混在し埋め込まれ
    ていることを特徴とする砥粒インクラストワイ
    ヤ。 2 金属製パイプの中心部に間〓を存して金属棒
    を装入し、該金属棒と金属製パイプとの間の前記
    間隙内に金属粉末と、セラミツク、超硬合金、ガ
    ラスからなる群より選ばれた1種以上で、モース
    硬度6度以上の砥粒子との混合物を充填して密閉
    し、前記金属製パイプに焼鈍と冷間伸線を繰り返
    し施して線材となし、次いで該線材の最表面部を
    構成する金属製パイプを研摩、酸洗等により除去
    して表面層を金属粉末と砥粒子の結合混合層とな
    すことを特徴とする砥粒インクラストワイヤの製
    造方法。 3 混合物を予め造粒して充填する特許請求の範
    囲第2項記載の砥粒インクラストワイヤ製造方
    法。 4 中心に装入される金属棒が予め外周に密着し
    て別のパイプ状金属が被着され、又は金属薄膜が
    巻き付けられた金属棒である特許請求の範囲第2
    項または第3項記載の砥粒インクラストワイヤ製
    造方法。 5 金属製パイプと中心の金属棒が同種又は異種
    の金属成分よりなる特許請求の範囲第2項、第3
    項または第4項記載の砥粒インクラストワイヤ製
    造方法。 6 金属製パイプの中心部に間〓を存して金属棒
    を装入し、該金属棒と金属製パイプとの間の前記
    間〓内に金属粉末と、セラミツク、超硬合金、ガ
    ラスからなる群より選ばれた1種以上で、モース
    硬度6度以上の砥粒子との混合物を充填して密閉
    した後、押出し、圧延等の熱間加工を施し、その
    後、前記金属製パイプに焼鈍と冷間伸線を繰り返
    し施して線材となし、次いで該線材の最表面部を
    構成する金属製パイプを研摩、酸洗等により除去
    して表面層を金属粉末と砥粒子の結合混合層とな
    すことを特徴とする砥粒インクラストワイヤの製
    造方法。 7 混合物を予め造粒して充填する特許請求の範
    囲第6項記載の砥粒インクラストワイヤ製造方
    法。 8 中心に装入される金属棒が予め外周に密着し
    て別のパイプ状金属が被着され、又は金属薄膜が
    巻き付けられた金属棒である特許請求の範囲第6
    項または第7項記載の砥粒インクラストワイヤ製
    造方法。 9 金属製パイプと中心の金属棒が同種又は異種
    の金属成分よりなる特許請求の範囲第6項、第7
    項または第8項記載の砥粒インクラストワイヤ製
    造方法。
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