JP2735685B2 - 被覆された超研摩材砥粒及びこれを含んでなる工具 - Google Patents

被覆された超研摩材砥粒及びこれを含んでなる工具

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JP2735685B2 JP2309008A JP30900890A JP2735685B2 JP 2735685 B2 JP2735685 B2 JP 2735685B2 JP 2309008 A JP2309008 A JP 2309008A JP 30900890 A JP30900890 A JP 30900890A JP 2735685 B2 JP2735685 B2 JP 2735685B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、改良された研摩材又は切削工具類を製造す
るのに有用である新規な被覆された超研摩材砥粒に関す
る。本発明はまた、被覆された砥粒を含んでいるそのよ
うに製造された工具類もその範囲内に包含する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
支持体に取付けられたダイヤモンドや立方晶窒化ホウ
素のような超研摩材砥粒は、材料を研削除去するために
幅広く用いられている。代表的な用途には、例えば、の
こ引き、孔あけ、目直し、研削、ラッピング及び研摩が
含められる。
代表的用途では、砥粒は適当なマトリックスに保持さ
れて工具本体に取付けられる。砥粒の保持は、砥粒をマ
トリックス材料で取囲むといったような機械的手段によ
って主として行われる。この取付け方法は、単純且つ実
用的ではあるが、砥粒の露出を周囲のマトリックスの機
械的把持を弱くしないように制限しなくてはならないた
めこの方法には限界がある。結果として、切削速度は砥
粒の露出の少ないことにより制限される。その上、マト
リックスがすり減るので、保持は不十分になり、そのた
め砥粒は「引っぱり出され」そして失われかねない。例
えば、典型的なのこ刃の用途では、ダイヤモンド砥粒の
平均の露出は砥粒全体の高さの20%未満であって、砥粒
はその最初の大きさのおよそ1/3にすり減らされると引
っぱり出されるためしばしば失われる。こののこ刃を何
回か使用した後には、刃に空のポケットがあることによ
り証明されるように、典型的には最初の砥粒のうちの約
1/3が失われる。
この問題を克服するために、砥粒のコーティングで結
合の強さを向上させようと試みられた。ファーカス(Fa
rkas)の米国特許第3650714号明細書は、そのようなコ
ーティングをダイヤモンド砥粒へ適用するための方法を
記載する。典型的な商業的に入手可能な被覆された超研
摩材製品には、のこぎり砥粒のためのデビア社(DeBeer
Co.)のチタン処理された製品や、立方晶窒化ホウ素砥
粒のためのジェネラル・エレクトリック社のチタン処理
された製品が含められる。全ての金属マトリックス超研
摩材工具について、砥粒のために唯一の商業的に利用可
能なコーティングを有するものはチタン処理された製品
である。
しかしながら、チタン処理された製品は、特にダイヤ
モンド砥粒の場合には、結合強さを向上させるのに有効
でないことが分った。のこ刃におけるチタン処理された
砥粒の性能すなわち寿命及び切削速度の評価では、著し
い改良は示されなかった。チタン処理された製品で遭遇
する一つの問題は、酸化に対する耐性がないことであ
る。チタン(Ti)又は炭化チタン(TiC)は大抵ののこ
刃の製造条件において酸化されかねない、ということは
よく知られている。この酸化は、砥粒とコーティング材
料との結合及びコーティング材料とマトリックスとの結
合を破壊しかねない。チタン処理された製品が直面する
他の問題は、コーティングの薄さである。チタン処理さ
れた製品は典型的に、厚さ1μm未満のTi又はTiCを含
有する。このような薄いコーティングは、コーティング
が工具類の製造工程中にマトリックス材料によって砥粒
表面から分離されあるいは取除かれるのを防ぐことがで
きない。ワイルダー(Wilder)の米国特許第3757878号
及び第3757879号明細書は、ダイヤモンド粒子のための
カプセル封入方法を記載する。とは言うものの、これは
粒子のために機械的な外被を作り出すことを目指してい
て、化学的な結合は達成されない。
化学的に被覆された超研摩材砥粒を提供することが本
発明の目的である。
本発明の別の目的は、工具のマトリックス本体への砥
粒の結合をしっかりしたものにすることである。
本発明の目的はまた、工具の製造工程の後にコーティ
ングの結合性を維持することができるように超研摩材砥
粒上に少なくとも1μmの連続の厚いコーティングを作
ることである。
本発明のなお別の目的は、工具製造工程の間の酸化に
対して実質的に不活性であるコーティング材料を提供す
ることである。
更に別の目的は、材料研削性能を向上させるためにそ
のような化学的に結合したコーティングを有する超研摩
材砥粒を含む研摩又は切削工具を提供することである。
更にもう一つの目的は、砥粒の保持がより良好であ
り、砥粒の突き出しがより大きく、そして切削処理がよ
り自由な、化学的に被覆された砥粒を有する工具類を提
供することである。これらの工具類には、例えば、のこ
刃、研削砥石、目直し工具、ドリルビット及びラッピン
グ工具が含められる。
〔課題を解決するための手段及び作用効果〕
以下において及び特許請求の範囲において使用される
「超研摩材」なる用語は、天然ダイヤモンドと合成ダイ
ヤモンドの両方及び立方晶窒化ホウ素を意味する。
ここで使用される「化学的結合」なる用語は、機械的
な結合と区別できる。後者の場合、接合する二つの部材
間に反応は起こらない。「化学的結合」の場合には、接
合する二つの部材間の界面で反応が起こる。この反応
は、例えば、炭化物の生成、ホウ化物の生成、窒化物の
生成、あるいは接合する二つの部材間の相互拡散により
生成される溶体でよい。
以下において及び特許請求の範囲において使用される
「ドリルビット」なる用語は、機械化工工具型のドリル
ビットばかりを考えているのでなく、鉱業や石油産業で
大地をボーリングするために普通に用いられるようなド
リルビットやコアービットをも包含する。
本発明によれば、化学的結合により砥粒表面に強固に
結合された少なくとも1μmの厚さの比較的非酸化性の
金属で被覆された超研摩材砥粒が提供される。簡単に言
えば、この砥粒は、W,Ta,Mo,Nb又はそれらの合金から選
択された容易には酸化させられない金属で被覆される。
被覆された塗粒は、次いで、このコーティングと砥粒と
の間に例えばダイヤモンド砥粒の場合の炭化物層のよう
な強固な化学的結合を作るために、工具を製造する工程
の前かあるいはその工程中に熱的に処理される。タング
ステンは、このコーティングとして好ましい金属であ
る。砥粒の表面は、被覆を行う前に化学的手段かあるい
は物理的手段のいずれかによって任意的に粗くして、そ
の後の結合を強めることができる。マトリックスの組成
物は、工具を製造するための処理条件下でマトリックス
がコーティング材料と化学的に結合するように、砥粒の
ために選定されたコーティングと適合性でなくてはなら
ない。結果として得られるのが、工具マトリックスにし
っかりと取付けられ化学的に結合された被覆された超研
摩材砥粒である。
超研摩材砥粒とコーティングとの界面及びコーティン
グとマトリックスとの界面は、強固な化学的結合により
作られる。これは、砥粒の結合が周囲のマトリックス材
料によって主として機械的に果される従来技術の実際と
は区別される。被覆された超研摩材砥粒は、本発明に従
って工具に埋込まれた場合に、次に掲げる利点を有す
る。
1.引っぱり出される砥粒がより少ないためより寿命が長
い。
2.砥粒がより多く突き出ているためより切削速度が大き
い。
3.砥粒がより多く突き出ているため、より弱い力、より
少ない動力、より少ない熱の発生で切削をより自由に行
なえる。
本発明による被覆された超研摩材砥粒は、ドリルビッ
トの砥粒として、例えば、円、楕円、刃身等の如き特定
の物理的形状を有するカッターの副構成部材のようなも
のとして、あるいは、砥粒がビットの実際のマトリック
スにその表面から突き出して取入れられ、摩滅し、そし
てマトリックスに結合されている他の砥粒片を露出させ
る場合のように、実際の切削部材そのものとして、特に
適している。これは、コアービットに特に適している
が、硬質材のための他のビットを同様に製造することが
できる。
本発明によれば、超研摩材砥粒の表面は初めに、機械
的又は化学的手段により粗くされる。この粗化は、後に
適用されるべきコーティング材料への砥粒の付着性を高
める一様でない表面を作り出す。この付着性の向上は、
よりはるかに大量の表面欠陥のために砥粒表面の化学反
応性が増加することの結果である。表面の炭素の不結合
電子の数もまた増加し、それにより砥粒とコーティング
材料との反応を増進させる。表面の不均一性はまた、密
着する表面積がより大きくなるため砥粒のコーティング
材料への機械的結合を強化することもできる。
本発明を実施する際には、砥粒をまず第一に任意的に
粗化する。好ましい粗化は、均一に分布した艶消し表面
を作ることである。この粗化は、機械的手段による、例
えば他の超研摩材粉体で表面に凹凸を付けることによる
か、あるいは化学的手段、例えば酸化もしくはエッチン
グのようなものによって達成される。例えば、砥粒は空
気中又は酸素に富む雰囲気中において高温でタンブリン
グを行って、全部の表面をむらなく酸化させることがで
きる。流動床化学気相成長(CVD)装置又は回転炉は、
両方とも所望の結果を得るために都合よく使用すること
ができる。化学エッチング処理の場合には、二クロム酸
カリウムあるいは硝酸カリウムのような酸化剤を任意的
に使用してもよい。いずれの方法を使用しても、表面の
粗化処理を行う間の砥粒の重量損失は5%w/w未満とな
るように管理すべきである。
表面の粗化が本発明によれば重要な工程であるとは言
っても、それは用途によっては必要ないことがある。例
えば、ミクロン粉体を使用する研摩布の場合のような大
きさのより小さい砥粒の場合には、粗化工程は行わなく
てもよい。
表面の粗化処理後に、砥粒を当該技術分野において公
知の方法によって洗浄しそして化学的に清浄にして、表
面の汚染物を取除く。例を挙げれば、砥粒を鉱酸で、例
えば硝酸もしくは塩酸の溶液を用いて洗浄し、あるいは
砥粒を水素雰囲気下で加熱すれば、大抵の表面汚染物を
なくすことができる。
表面の清浄化後に、比較的耐酸化性であり且つ炭化物
生成剤である例えばW,Ta,Mo,Nb又はそれらの合金といっ
たような材料で砥粒を被覆して、少なくとも1μmの厚
さの連続層を形成する。このコーティングの厚さは、約
1μmから約50μmまで様々な厚さでよく、好ましくは
約1μmから約30μmまでである。このようなコーティ
ングは、当該技術分野において公知のコーティングと容
易に区別することができる。例えば、ファーカスの米国
特許第3650714号明細書の記載に従って得られる1μm
よりもはるかに薄いコーティングを参照されたい。この
区別は、そのほかの商業的に入手可能なチタン処理され
た製品にも当てはめることができる。
ダイヤモンド砥粒を使う場合には、被覆された砥粒を
炭化物の生成する温度まで加熱することによって砥粒と
コーティング材料との間に炭化物が生成される。立方晶
窒化ホウ素を用いる場合には窒化物結合剤が生成され
る。適当な合金コーティングとしては、例えばW-NiBを
挙げることができる。
砥粒へ第一のコーティング材料を適用後に、この第一
の層の上へ第二のコーティングあるいは追加の何層かの
コーティングを任意に適用することができる。好ましく
は、第二のコーティングはニッケル又は銅を含む金属コ
ーティングである。第一のコーティング層と第二のコー
ティング層の合計の厚みは約1〜50μmの範囲にあるの
が好ましい。多層の目的は、第一のコーティング層が空
気中で酸化しないように、あるいは工具の製造過程の間
に及び/又は工具の切削作業の間にマトリックス材料中
へ溶け込まないように、それを更に保護することであ
る。外側のコーティングは、拡散結合された界面ができ
るようにマトリックス結合材料との冶金接合をより良好
にすることもできる。大抵の用途のためには、外側のコ
ーティング層は炭化物生成剤を含有する必要はない。例
えば、銅の無電解の外側コーティングを一定のマトリッ
クス材料と結合させるために利用することができる。
コーティングは典型的には、ワイルダーにより米国特
許第3757878号明細書に記載された化学気相成長法のよ
うな公知の方法によって適用される。これらの方法は、
耐酸化性の炭化物生成剤を標準的に含有しないこれらの
機械的な層を適用するために用いられる。
砥粒とコーティングとの間の化学的結合は、所望され
る最終製品に応じた方法で達成される。従って例えば、
砥粒をのこ刃に埋込むべき場合には、刃を製作するため
の処理条件、とりわけ刃を製作するのに必要とされる温
度は、化学的結合の形成を引き起こすのに十分なもので
ある。これに反して、所望される最終製品が十分な化学
的結合を引き起こさない種々の処理条件で製作される場
合には、被覆された砥粒を最終製品で使用する前に化学
的な結合を形成させるため、例えば炉において有効な炭
化物を生成する温度、例を挙げれば約850℃といったよ
うな温度の如き条件下で砥粒を前処理する。
砥粒にコーティングを適用した後に、この被覆された
砥粒は工具類を製造するためのその後の処理のために未
被覆のものと同じように使用することができる。例えば
のこ刃を製造する場合には、砥粒を十分混合されたマト
リックス金属粉末と混ぜ合わせて、次いで約800〜1000
℃でホットプレスして成形するか、あるいは結合剤合金
を浸透させる。結果として、砥粒がコーティング材料に
よって化学的に結合され且つコーティング材料がマトリ
ックス材料へ化学的に結合されたのこ刃が得られる。単
純に言えば、全ての界面は化学結合によって接合され
る。
本発明のもう一つの態様では、被覆された砥粒を充填
して非常に高密度の塊を作る。例えば、振動充填を用い
て、単一の大きさの砥粒(500μmの大きさ)で約55%
の充填率に達することができる(残りの45%は気孔
率)。この第一の大きさの砥粒の約1/7である第二の大
きさの砥粒(70μm)を加えることによって、充填率を
約77%に上げることができる。この第二の大きさの砥粒
の大きさのやはり約1/7である第三の大きさの砥粒を更
に加えれば、塊全体の充填率を83%より高いものにする
ことができる。砥粒を充填した後に、超研摩材砥粒の崩
壊温度よりも低い融点を有する合金を上記の塊に浸透さ
せる。ダイヤモンド砥粒を使用する場合には、この温度
範囲は合成ダイヤモンドについては品質に応じて約1100
℃未満、天然ものの砥粒については約1300℃までであ
る。コーティングが存在しているため、結合剤合金は超
研摩材砥粒の高度に充填された塊に比較的容易に浸透す
る。コーティングがなければ、大抵の結合剤合金はその
ような塊に浸透することができない。
この態様によれば、出願人らが「ダイヤメット(Diam
et)」と呼ぶダイヤモンド−金属複合材料のような、超
研摩材−金属複合材料が得られる。この複合材料は、金
属結合剤が存在しているため典型的な多結晶性超研摩材
の結合体よりも高い耐衝撃性を有する。例えば、出願人
らは衝撃試験にかけた場合に多結晶性ダイヤモンドより
も丈夫なダイヤメット塊を得ている。
「ダイヤメット」材料は超硬WC基材へたやすく結合し
て、例えば、大地をボーリングする用途向けのドリルビ
ットとして有効なカッターを製作することができる。支
持材を有するそのようなカッターは、実験室で試験され
ており、そして切削成績はジオセット(Geoset)のよう
な圧縮体から作られたカッター類に匹敵する。
本発明による方法は、多くの利点を提供する。例え
ば、それは多結晶性ダイヤモンドのような多結晶性超研
摩材の結合体を製造するために必要とされる非常に高い
圧力を用いることを必要とせず、それゆえに、この複合
材料を製造するための費用は従来技術の方法よりもはる
かに少なくすることができる。この材料の大きさ及び形
状も、高圧室により制限されることなくより融通をきか
せることができる。
〔実施例〕
以下に掲げる例によって、本発明の実際を更に例示す
る。
例1 F.E.P.A.呼称D602を有する大きさ(30/40米国メッシ
ュ)の、デビア社よりEMBSの商品名で入手可能な天然ダ
イヤモンド砥粒を、次に述べるように、流動床CVD法を
使ってタングステン層で被覆した。すなわち、上記のダ
イヤモンド砥粒をフッ化水素酸及び硝酸を含んでなる酸
溶液中に約1分間浸漬させた。それらを脱イオン水で15
分間すすぎ洗いし、続いて希釈NaOH溶液で2分間洗浄
し、そして更に脱イオン水ですすぎ洗いした。清浄にし
たこれらの砥粒をオーブンで乾燥させた。乾燥したダイ
ヤモンド砥粒を黒鉛の管を含んでいる化学気相成長(CV
D)反応器に入れた。ダイヤモンド砥粒を反応器に入れ
てから、アルゴンを反応室内へ約5Torrの圧力で約30分
間導入した。この後、圧力を0.5Torrに変更して水を蒸
発させた。次いで、反応器を16分で900℃まで加熱しそ
して900℃に30分間保持している間に、Ar,He,H2を1:1:1
比で含むガスを5Torrの圧力及び0.21/minの流量で反
応室へ導入した。温度を700℃まで3分で下げ、それか
ら圧力を12Torrに上げた。ガスの流量を増加して反応器
内のダイヤモンド砥粒を流動化させ、同時にWF6(六フ
ッ化タングステン)を導入してダイヤモンド上に約75分
で11μmに達するタングステンの付着を果した。最後
に、アルゴンの流れだけを導入して反応器を室温まで冷
却させた。この製品のタングステンコーティングの厚さ
は7.75μmであった。これらの被覆された砥粒を、Cu-S
n合金80%及び超硬炭化タングステン砥粒20%から作ら
れたマトリックス材料と共にホットプレスしてのこぎり
セグメントを作った。これらのセグメントを使って、チ
ャート粒子を含有している研摩コンクリート試料を切断
した。その結果から、砥粒の引抜き損失が試験後の切削
面で10%未満まで低下していることが示された。この小
さな引抜き損失は、同一の条件下で未被覆の砥粒を使っ
て行った平行試験での40%とは著しく対照的である。
例2 F.E.P.A.呼称D602を有する大きさのやはりデビア社よ
り商品名SDA100で入手可能な合成ダイヤモンド砥粒を、
例1のように厚さ約10μmのタングステン層で被覆し
た。被覆された砥粒を炭化タングステンから作られたマ
トリックス粉末本体の上に広げて、ぎっしりと詰まった
単層の平面を作った。この集成体を予備プレスして形を
つけ、それから815℃の温度及び3500psi(246kg/cm2
の圧力でホットプレスした。ホットプレスされた塊は犬
の骨の形をしていた。次いで、この引張試験片を引張試
験(一軸引張試験)にかけた。結果から、このような幾
何学形状における被覆された砥粒は15KSI(2.3kg/cm2
の引張強さに耐えることができることが示された。同一
の条件で試験した未被覆の砥粒はほとんど引張強さを示
さなかった。
上記の被覆された砥粒を、ウィトコ(Witco)・コー
ポレーションのアライド−ケライト(Allied-Kelite)
部門により提示される手順により厚さ約30μmの無電解
付着ニッケル−ホウ素層でオーバーコートした。ウィト
コ・コーポレーションより入手可能な、ニッケル−ホウ
素を含んでなる溶液を使用した。被覆の第一段階で、ウ
ィトコ・コーポレーションより入手されるNiklad Alpre
p 230溶液の如き溶液を使い、この溶液を65.5℃に加熱
しそしてダイヤモンド砥粒を5分間浸漬させて、タング
ステン表面を清浄にした。次に、これらのダイヤモンド
砥粒を泡が消えるまで水道水ですすぎ洗いした。ウイト
コ・コーポレーションよりNiklad 261として入手可能な
増感剤を、ダイヤモンド砥粒をこれに224℃で2分間浸
漬させてこれらの砥粒表面に適用した。次いでこれらの
ダイヤモンド砥粒を脱イオン水ですすぎ洗いした。次
に、商標Niklad 262で入手可能な触媒を、ダイヤモンド
砥粒をこれに43℃及び1.9〜3のpHで4分間浸漬させて
これらの砥粒表面に適用した。次いでこれらのダイヤモ
ンド砥粒を脱イオン水ですすぎ洗いした。これらの処理
されたダイヤモンド砥粒を乾燥させ、そしてNiklad 752
溶液として入手可能なNi-B溶液に約6のpH及び80℃の温
度で浸漬した。ニッケル層はホウ素を約3%含有してい
た。同じ試験条件下で、引張強さは20KSIであった。
平行試験では、同じ種類の砥粒の表面を初めに粗く
し、次いで同じ二重の層で被覆した。この表面の粗化
は、水媒体中でダイヤモンドのミクロン粉末を用いるミ
ル処理によって行った。ミル処理は24時間続け、砥粒の
最終の重量損失は約0.7%であった。上述の試験条件下
において、引張強さは35KSIに増加した。
例3 例1で説明した方法により製造した、タングステン被
覆された大きさが500μm及び60μmのダイヤモンドミ
クロン粉末を振動により充填して、充填率80%の均一に
分布した塊にした。次いでこの塊に、銅、マンガン及び
チタンから構成された合金を真空下に1050℃で20分間浸
透させた。この「ダイヤメット」からカッターを作っ
て、研削液を用いて花崗岩の原石を切断するのに使用し
た。耐摩耗性を測定し、同じ条件下で試験を行った商業
的に入手可能な他の多結晶性ダイヤモンド材料と比較し
た。これらの結果から、「ダイヤメット」の耐摩耗性は
ジェネルラ・エレクトリック社により供給されるジオセ
ット(Geoset)型多結晶性ダイヤモンドに匹敵すること
が示された。後者の製品は、ダイヤモンド安定領域の高
圧条件下で製造される。同じ「ダイヤメット」試料を、
マッドを含有している研摩材を噴射することによる浸食
試験にもかけた。耐浸食性は、マトリックスビット本体
の面として典型的に使用される浸透された炭化タングス
テンスラッグに匹敵することが分った。このような高い
耐摩耗性及び耐浸食性を有する「ダイヤメット」材料
は、岩石を掘削するためのドリルビットのカッターを製
作するのに有用である。当該技術分野で公知のドリルビ
ットは典型的に、多結晶性ダイヤモンド(ジオセットの
如きもの)あるいは炭化タングステンのインサートを用
いていた。
例4 例3に従って製造した「ダイヤメット」カッターを、
8 1/2インチ(21.6cm)ビット本体を用いて当該技術分
野において公知の典型的なろう付け処理によってビット
本体へろう付けした。

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素からな
    る群より選択されていて、表面を清浄にしそしてW,Mo,T
    a,Nb及びそれらの合金からなる群より選択された実質的
    に連続の金属コーティングで被覆されている超研摩材砥
    粒粒子を含んでなり、当該コーティングが1〜50μmの
    厚さを有し且つ当該砥粒粒子に化学的に結合されてい
    る、2.3kg/cm2(15KSI)の引張強さに耐えることができ
    る被覆された超研摩材砥粒。
  2. 【請求項2】粗くされた表面を有する超研摩材砥粒粒子
    を更に含む、請求項1記載の被覆された超研摩材砥粒。
  3. 【請求項3】前記第一の金属コーティングの上に、ニッ
    ケル又は銅を含んでなる実質的に連続の第二の金属コー
    ティングを更に含み、当該第一及び第二の金属コーティ
    ングの合計の厚みが1〜50μmの範囲にある、請求項1
    又は2記載の被覆された超研摩材砥粒。
  4. 【請求項4】前記第一の金属コーティングがタングステ
    ンである、請求項3記載の被覆された超研摩材砥粒。
  5. 【請求項5】前記第二の金属コーティングがニッケルを
    含んでなる、請求項3又は4記載の被覆された超研摩材
    砥粒。
  6. 【請求項6】前記金属コーティングがNiBを含んでな
    る、請求項2から5までのいずれか一つに記載の被覆さ
    れた超研摩材砥粒。
  7. 【請求項7】前記第一の金属コーティングがタングステ
    ンであり、前記第二の金属コーティングがNiBを含んで
    なる、請求項2から6までのいずれか一つに記載の被覆
    された超研摩材砥粒。
  8. 【請求項8】前記第一の金属コーティングの厚みが約10
    μm、そして前記第二の金属コーティングの厚みが約30
    μmである、請求項2から7までのいずれか一つに記載
    の被覆された超研摩材砥粒。
  9. 【請求項9】ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素からな
    る群より選ばれた超研摩材砥粒粒子を含んでなる被覆さ
    れた超研摩材砥粒を製造する方法であって、 当該砥粒を脱イオン水ですすぎ洗いすることを含めて、
    当該砥粒の表面を清浄にする工程、 清浄にした砥粒に、W,Ta,Mo,Nb又はそれらの合金から選
    ばれた、容易に酸化することができない金属を1〜50μ
    mの厚さで被覆し、被覆した砥粒を熱処理してコーティ
    ングと砥粒との間に強固な化学的結合を形成する工程、 を含む方法。
  10. 【請求項10】マトリックスと接触している請求項1か
    ら8までのいずれか一つに記載の被覆された超研摩材砥
    粒を含んでなり、当該マトリックスが工具本体に結合さ
    れている工具。
  11. 【請求項11】当該工具本体が金属製である、請求項10
    記載の工具。
  12. 【請求項12】当該工具本体が非金属製である、請求項
    10記載の工具。
  13. 【請求項13】のこ刃である請求項10記載の工具。
  14. 【請求項14】ドリルビットである請求項10記載の工
    具。
  15. 【請求項15】砥粒の充填率が70体積%よりも大きい、
    請求項11から14までのいずれか一つに記載の工具。
  16. 【請求項16】請求項1から8までのいずれか一つに記
    載の被覆された超研摩材砥粒を切削用部材として含み、
    当該砥粒が工具と一体になっている切削工具。
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