JPH11309441A - スチ―ル缶からの高品位スチ―ル及びアルミニウム回収システム - Google Patents
スチ―ル缶からの高品位スチ―ル及びアルミニウム回収システムInfo
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- JPH11309441A JPH11309441A JP11050053A JP5005399A JPH11309441A JP H11309441 A JPH11309441 A JP H11309441A JP 11050053 A JP11050053 A JP 11050053A JP 5005399 A JP5005399 A JP 5005399A JP H11309441 A JPH11309441 A JP H11309441A
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Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 排ガス処理設備が不要な加熱手段あるいは加
熱手段が不要な破砕手段を用いてスチール缶から良質の
スチール材料及びアルミ材料を回収することができるシ
ステムを提供すること。 【解決手段】 スチール缶からスチール材料とアルミニ
ウム材料を別々に取り出して再利用可能にするスチール
缶の処理システムにおいて、スチール缶を破砕してスチ
ールチップとアルミチップに分離する手段と、分離した
スチール及びアルミチップに熱と力を加えて表面コーテ
ィングを除去して高品位のスチール及びアルミインゴッ
トを得る。
熱手段が不要な破砕手段を用いてスチール缶から良質の
スチール材料及びアルミ材料を回収することができるシ
ステムを提供すること。 【解決手段】 スチール缶からスチール材料とアルミニ
ウム材料を別々に取り出して再利用可能にするスチール
缶の処理システムにおいて、スチール缶を破砕してスチ
ールチップとアルミチップに分離する手段と、分離した
スチール及びアルミチップに熱と力を加えて表面コーテ
ィングを除去して高品位のスチール及びアルミインゴッ
トを得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒー缶やジュ
ース缶等の飲料用スチール製空缶から効率よく高品位の
スチール材料とアルミニウム(以下、単にアルミと略
す)材料を分別して再利用することが可能なスチール空
缶の回収システムに関するものである。
ース缶等の飲料用スチール製空缶から効率よく高品位の
スチール材料とアルミニウム(以下、単にアルミと略
す)材料を分別して再利用することが可能なスチール空
缶の回収システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の飲料用の缶としては、通常スチ
ール材料を用いたスチール缶とアルミ材料を用いたアル
ミ缶が広く用いられているが、スチール缶については飲
口のある蓋部分がアルミニウム材料で作られている。こ
のようなスチール缶はその使用後には、そのまま破棄さ
れるか、もしくはプレス等により押し潰されて破棄され
るか、スクラップにして、電炉で再製品化されていた。
しかしながら、スチール缶の再利用に際しては、構成材
料のスチール部分とアルミ部分を分離することができな
いため、高品質のスチールを回収することが不可能であ
った。
ール材料を用いたスチール缶とアルミ材料を用いたアル
ミ缶が広く用いられているが、スチール缶については飲
口のある蓋部分がアルミニウム材料で作られている。こ
のようなスチール缶はその使用後には、そのまま破棄さ
れるか、もしくはプレス等により押し潰されて破棄され
るか、スクラップにして、電炉で再製品化されていた。
しかしながら、スチール缶の再利用に際しては、構成材
料のスチール部分とアルミ部分を分離することができな
いため、高品質のスチールを回収することが不可能であ
った。
【0003】本発明者らは最終的にスチール缶からスチ
ールペレットとアルミペレットに選別して振り分けるこ
とが可能な空缶処理システムを開発し、これを先に出願
している(特開平9−192639号、及び特願平8−
222153号)。これらの先願においては、特に、ス
チール缶を破砕した後、各断片を所定温度に加熱する工
程を有することが特徴となっており、この加熱工程でス
チール部分とアルミ部分とを分離し、これを次に造粒機
に送ってペレット化するようにしている。そして、加熱
する手段としてはロータリーキルンを例示し、400℃
〜550℃或いは350℃〜450℃の範囲で破砕材料
を加熱することを開示している。
ールペレットとアルミペレットに選別して振り分けるこ
とが可能な空缶処理システムを開発し、これを先に出願
している(特開平9−192639号、及び特願平8−
222153号)。これらの先願においては、特に、ス
チール缶を破砕した後、各断片を所定温度に加熱する工
程を有することが特徴となっており、この加熱工程でス
チール部分とアルミ部分とを分離し、これを次に造粒機
に送ってペレット化するようにしている。そして、加熱
する手段としてはロータリーキルンを例示し、400℃
〜550℃或いは350℃〜450℃の範囲で破砕材料
を加熱することを開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した先願の発明
は、スチールとアルミの選別回収及びそれらのペレット
化に関しては、期待した一定の成果を上げることができ
たが、その実操業及び実験研究の結果、下記の点でさら
なる改良が望まれている。加熱手段としてロータリー
キルンを用いているため、排ガス処理設備が必須とされ
そのための設置面積が大となると共に、排ガスによる熱
損失も大きく、その分燃料の消費量も膨大となる。ス
チールとアルミの分離効率を高めるにはできるだけ高温
で加熱することが望ましいが、ロータリーキルンによる
加熱は酸化性雰囲気(大気)となるため、材料の酸化、
特にアルミの酸化が問題となり、良質の回収材料を得る
には酸化の進行を可及的に抑えて加熱することが要求さ
れる。このことから先願の処理システムでは、酸化を促
進する高温での加熱処理を避けるため、最高でも550
℃程度の温度に維持している。その結果、スチールにア
ルミが付着、混入する等の分離効率の面及びペレット化
の面で、十分満足できない面があった。
は、スチールとアルミの選別回収及びそれらのペレット
化に関しては、期待した一定の成果を上げることができ
たが、その実操業及び実験研究の結果、下記の点でさら
なる改良が望まれている。加熱手段としてロータリー
キルンを用いているため、排ガス処理設備が必須とされ
そのための設置面積が大となると共に、排ガスによる熱
損失も大きく、その分燃料の消費量も膨大となる。ス
チールとアルミの分離効率を高めるにはできるだけ高温
で加熱することが望ましいが、ロータリーキルンによる
加熱は酸化性雰囲気(大気)となるため、材料の酸化、
特にアルミの酸化が問題となり、良質の回収材料を得る
には酸化の進行を可及的に抑えて加熱することが要求さ
れる。このことから先願の処理システムでは、酸化を促
進する高温での加熱処理を避けるため、最高でも550
℃程度の温度に維持している。その結果、スチールにア
ルミが付着、混入する等の分離効率の面及びペレット化
の面で、十分満足できない面があった。
【0005】本発明は、このようなスチール缶の選別回
収システムの問題を改善し、排ガス処理設備が不要で、
設置コストの低減を図り、かつ、分離効率及びペレット
化の向上が達成できると共に、良質のスチール材料及び
アルミ材料を回収することができるスチール空缶の処理
システムを提供することを目的とする。
収システムの問題を改善し、排ガス処理設備が不要で、
設置コストの低減を図り、かつ、分離効率及びペレット
化の向上が達成できると共に、良質のスチール材料及び
アルミ材料を回収することができるスチール空缶の処理
システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
スチール缶の処理システムは、スチール缶からスチール
材料とアルミニウム材料を別々に取り出して再利用可能
にするスチール缶の回収システムにおいて、スチール缶
を軽加圧するプレス手段と、軽加圧したスチール缶を非
酸化性雰囲気下でかつ550℃〜700℃の温度範囲に
加熱する手段と、加熱したスチール缶を破砕・ペレット
化する手段と、スチールペレットとアルミニウムペレッ
トを振り分ける選別手段とを備えたことを特徴とする。
また、上記のシステムにより得られたアルミニウムペレ
ットを溶融してブロック化する手段をさらに備えておく
ことが好ましい(請求項2)。この溶融手段としては誘
導加熱炉が挙げられる。さらに、上記の処理システムに
おいては、スチール缶を加熱する手段は、急速加熱及び
温度設定の容易な誘導加熱炉とすることが最も望ましい
(請求項3)。
スチール缶の処理システムは、スチール缶からスチール
材料とアルミニウム材料を別々に取り出して再利用可能
にするスチール缶の回収システムにおいて、スチール缶
を軽加圧するプレス手段と、軽加圧したスチール缶を非
酸化性雰囲気下でかつ550℃〜700℃の温度範囲に
加熱する手段と、加熱したスチール缶を破砕・ペレット
化する手段と、スチールペレットとアルミニウムペレッ
トを振り分ける選別手段とを備えたことを特徴とする。
また、上記のシステムにより得られたアルミニウムペレ
ットを溶融してブロック化する手段をさらに備えておく
ことが好ましい(請求項2)。この溶融手段としては誘
導加熱炉が挙げられる。さらに、上記の処理システムに
おいては、スチール缶を加熱する手段は、急速加熱及び
温度設定の容易な誘導加熱炉とすることが最も望ましい
(請求項3)。
【0007】以上の処理システムでは、スチール材料
(缶胴部)とアルミ材料(缶蓋部)を分離するのに、加
熱する手段とその後の破砕・ペレット化する手段の二工
程を採用したが、下記の処理システムを採用すると、ス
チールとアルミを一工程で分離できる。
(缶胴部)とアルミ材料(缶蓋部)を分離するのに、加
熱する手段とその後の破砕・ペレット化する手段の二工
程を採用したが、下記の処理システムを採用すると、ス
チールとアルミを一工程で分離できる。
【0008】すなわち、本発明の請求項4に係るスチー
ル缶の処理システムは、スチール缶からスチール材料と
アルミニウム材料を別々に取り出して再利用可能にする
スチール缶の処理システムにおいて、スチール缶をチッ
プ状に破砕してスチールチップとアルミニウムチップに
する手段と、これらをスチールチップとアルミニウムチ
ップに選別する手段と、得られたスチールチップを加熱
して表面に付着する塗料等コーティング材を除去する手
段と、同様に得られたアルミニウムチップを非酸化性雰
囲気下で加熱溶融してブロック化する手段とを備えたこ
とを特徴とする。なお、スチールチップは加熱せず、そ
のままの状態でプレスして商品化してもよい。また、請
求項4のシステムにおいては、アルミニウムチップを加
熱溶融する手段が、誘導加熱炉であることを特徴とする
(請求項5)。
ル缶の処理システムは、スチール缶からスチール材料と
アルミニウム材料を別々に取り出して再利用可能にする
スチール缶の処理システムにおいて、スチール缶をチッ
プ状に破砕してスチールチップとアルミニウムチップに
する手段と、これらをスチールチップとアルミニウムチ
ップに選別する手段と、得られたスチールチップを加熱
して表面に付着する塗料等コーティング材を除去する手
段と、同様に得られたアルミニウムチップを非酸化性雰
囲気下で加熱溶融してブロック化する手段とを備えたこ
とを特徴とする。なお、スチールチップは加熱せず、そ
のままの状態でプレスして商品化してもよい。また、請
求項4のシステムにおいては、アルミニウムチップを加
熱溶融する手段が、誘導加熱炉であることを特徴とする
(請求項5)。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る空缶処理シス
テムを実施するための設備配置例を示す概念図であり、
図2はその実施例の各工程を示すブロック図であるが、
図2ではアルミの溶融工程を付加している。
テムを実施するための設備配置例を示す概念図であり、
図2はその実施例の各工程を示すブロック図であるが、
図2ではアルミの溶融工程を付加している。
【0010】図1及び図2に示すように、飲用に供され
た後バラの状態で収集された飲料缶は、まず手選別及び
磁選コンベア1にてスチール缶以外の異物(アルミ缶や
瓶類、金属箱等)及び中身がかなりの量残っているスチ
ール缶が取り除かれスチール缶だけになる。また袋に入
れて収集された飲料缶は、手選別及び磁選コンベア1の
前に、破袋機を設置して、袋と飲料缶を分離する。次い
で、スチール缶は軽加圧プレス機2内に投入されて圧縮
されるが、ここでは軽い加圧、例えば、大体1/3程度
の容積まで押し潰される。また、既に他の場所で磁選さ
れブロック状にプレスされたスチール缶の場合は、軽加
圧プレス機2の前に解砕機を設置してブロック状のもの
を圧縮されたバラ状のスチール缶に分ける。圧縮された
スチール缶は次に誘導加熱炉3内に装入されるが、その
装入手段はコンベア方式とする。炉内に所定量の圧縮ス
チール缶が入れられたなら蓋を閉め、炉内雰囲気を非酸
化性(もしくは弱酸化性)に保つため、適宜N2 ガスや
CO2 ガスなどを吹き込んで内部の酸素をパージする。
この状態で誘導加熱を開始し、圧縮スチール缶を550
℃〜700℃の範囲で急速加熱する。
た後バラの状態で収集された飲料缶は、まず手選別及び
磁選コンベア1にてスチール缶以外の異物(アルミ缶や
瓶類、金属箱等)及び中身がかなりの量残っているスチ
ール缶が取り除かれスチール缶だけになる。また袋に入
れて収集された飲料缶は、手選別及び磁選コンベア1の
前に、破袋機を設置して、袋と飲料缶を分離する。次い
で、スチール缶は軽加圧プレス機2内に投入されて圧縮
されるが、ここでは軽い加圧、例えば、大体1/3程度
の容積まで押し潰される。また、既に他の場所で磁選さ
れブロック状にプレスされたスチール缶の場合は、軽加
圧プレス機2の前に解砕機を設置してブロック状のもの
を圧縮されたバラ状のスチール缶に分ける。圧縮された
スチール缶は次に誘導加熱炉3内に装入されるが、その
装入手段はコンベア方式とする。炉内に所定量の圧縮ス
チール缶が入れられたなら蓋を閉め、炉内雰囲気を非酸
化性(もしくは弱酸化性)に保つため、適宜N2 ガスや
CO2 ガスなどを吹き込んで内部の酸素をパージする。
この状態で誘導加熱を開始し、圧縮スチール缶を550
℃〜700℃の範囲で急速加熱する。
【0011】加熱工程におけるスチール缶の温度範囲を
550℃(好ましくは550℃超)〜700℃としたの
は、550℃以下であると、缶のスチール部とアルミ部
との分離を完全に行うことが困難であること、また、7
00℃を超えるとアルミの溶融点を超えてしまい、エネ
ルギー消費の無駄となるため、上記の範囲とした。ま
た、後工程の破砕・造粒に際しても、スチール缶を高温
に維持しておくことが好都合である。なお、この範囲の
加熱工程では、缶表面の塗料やコーティング等の有機物
が分解することになる。
550℃(好ましくは550℃超)〜700℃としたの
は、550℃以下であると、缶のスチール部とアルミ部
との分離を完全に行うことが困難であること、また、7
00℃を超えるとアルミの溶融点を超えてしまい、エネ
ルギー消費の無駄となるため、上記の範囲とした。ま
た、後工程の破砕・造粒に際しても、スチール缶を高温
に維持しておくことが好都合である。なお、この範囲の
加熱工程では、缶表面の塗料やコーティング等の有機物
が分解することになる。
【0012】本発明においては、加熱工程で例えば誘導
加熱炉を使用し、炉内をほぼ密閉構造にして炉内雰囲気
を非酸化性に保持するようにしたので、かなり高温に加
熱しても、内部の被加熱材料、特にアルミ材料はほとん
ど酸化しない。このため炉内では誘導加熱によって圧縮
スチール缶は急速に加熱され、スチール部とアルミ部は
それぞれの熱膨張係数の差により、スチール部とアルミ
部の接続部が離れて互いに分離する。この傾向は缶の温
度が高いほど強くなる。
加熱炉を使用し、炉内をほぼ密閉構造にして炉内雰囲気
を非酸化性に保持するようにしたので、かなり高温に加
熱しても、内部の被加熱材料、特にアルミ材料はほとん
ど酸化しない。このため炉内では誘導加熱によって圧縮
スチール缶は急速に加熱され、スチール部とアルミ部は
それぞれの熱膨張係数の差により、スチール部とアルミ
部の接続部が離れて互いに分離する。この傾向は缶の温
度が高いほど強くなる。
【0013】加熱されスチール部とアルミ部をほぼ分離
した形の圧縮スチール缶は、誘導加熱炉3から取り出さ
れ、次の破砕又は破砕・ペレット化装置4内に装入さ
れ、そこでチップ状に破砕され又は破砕と同時に、ペレ
ット状に粒状化されるが、このときスチール部とアルミ
部はこの工程で完全に分離した状態となり、個々にチッ
プ化又は粒状化される。造粒に際しては材料が高温であ
ればあるほど、粒状化はより一層進行する。
した形の圧縮スチール缶は、誘導加熱炉3から取り出さ
れ、次の破砕又は破砕・ペレット化装置4内に装入さ
れ、そこでチップ状に破砕され又は破砕と同時に、ペレ
ット状に粒状化されるが、このときスチール部とアルミ
部はこの工程で完全に分離した状態となり、個々にチッ
プ化又は粒状化される。造粒に際しては材料が高温であ
ればあるほど、粒状化はより一層進行する。
【0014】チップ化又はペレット化したスチール部と
アルミ部は、次の磁選コンベア5へ送られてスチールチ
ップ又はペレットとアルミチップ又はペレットに選別さ
れ、それぞれ個別に回収される。スチールチップ又はペ
レットは適宜高品位鉄(例えば鋳物原料)あるいは鉄鋼
原料(例えば、溶鋼の温度調整材等)として再使用され
ると共に、アルミチップ又はペレットもほとんど酸化さ
れていないため、比較的良質のものが得られる。
アルミ部は、次の磁選コンベア5へ送られてスチールチ
ップ又はペレットとアルミチップ又はペレットに選別さ
れ、それぞれ個別に回収される。スチールチップ又はペ
レットは適宜高品位鉄(例えば鋳物原料)あるいは鉄鋼
原料(例えば、溶鋼の温度調整材等)として再使用され
ると共に、アルミチップ又はペレットもほとんど酸化さ
れていないため、比較的良質のものが得られる。
【0015】なお、アルミチップ又はペレットを高密度
化して、例えば、アルミインゴットの原料として再利用
する場合には、図2の下部に示す如く、得られたアルミ
チップ又はペレットを再度誘導加熱炉(この炉は前記の
ものを再度用いてもよいが、別個に独立して設置するこ
ともできる)中に装入し、溶融させて型に注湯し、アル
ミインゴットとすればよい。
化して、例えば、アルミインゴットの原料として再利用
する場合には、図2の下部に示す如く、得られたアルミ
チップ又はペレットを再度誘導加熱炉(この炉は前記の
ものを再度用いてもよいが、別個に独立して設置するこ
ともできる)中に装入し、溶融させて型に注湯し、アル
ミインゴットとすればよい。
【0016】図示した実施例においては、誘導加熱炉に
装入するスチール缶としては予めプレス機で1/3程度
の容積に圧縮したものを用いているが、既に別途簡易プ
レス機などで同程度に押し潰されたスチール缶であれ
ば、そのまま加熱炉に入れても良いが、1/3以下の容
積まで圧潰されたものは分離しにくいため、破砕機で断
片にして装入すれば良い。
装入するスチール缶としては予めプレス機で1/3程度
の容積に圧縮したものを用いているが、既に別途簡易プ
レス機などで同程度に押し潰されたスチール缶であれ
ば、そのまま加熱炉に入れても良いが、1/3以下の容
積まで圧潰されたものは分離しにくいため、破砕機で断
片にして装入すれば良い。
【0017】また、加熱炉として示した誘導加熱炉は、
炉体をセラミックス等の非導電体で構成し、スチール缶
それ自体に電磁誘導によって熱を発生させて加熱する方
式で、商用周波数の低周波型のものを使用することが、
スチール缶の加熱時間が短くて済み、設定温度の変更が
容易であることから最適である。しかし、本発明ではこ
のような形式の誘導加熱炉に限ることなく、炉体に導電
体を使用した誘導加熱炉、電気抵抗加熱方式の加熱炉、
もしくは化石燃料等で外部から加熱する炉で、輻射又は
熱伝導によって加熱する方式であっても、炉内を所定温
度に加熱でき、かつ非酸化性雰囲気(もしくは弱酸化性
雰囲気)に維持することができる手段であれば、いかな
る形式のものでも採用できる。
炉体をセラミックス等の非導電体で構成し、スチール缶
それ自体に電磁誘導によって熱を発生させて加熱する方
式で、商用周波数の低周波型のものを使用することが、
スチール缶の加熱時間が短くて済み、設定温度の変更が
容易であることから最適である。しかし、本発明ではこ
のような形式の誘導加熱炉に限ることなく、炉体に導電
体を使用した誘導加熱炉、電気抵抗加熱方式の加熱炉、
もしくは化石燃料等で外部から加熱する炉で、輻射又は
熱伝導によって加熱する方式であっても、炉内を所定温
度に加熱でき、かつ非酸化性雰囲気(もしくは弱酸化性
雰囲気)に維持することができる手段であれば、いかな
る形式のものでも採用できる。
【0018】なお、上述した図1,2に示す例では、ス
チールとアルミの熱膨脹率の違いを利用して加熱して部
分的に分離した後、破砕・造粒工程で力を加えて両者を
完全に分離していたが、加熱工程に塗料やコーティング
等の有機物を分解する機能とスチールとアルミの分離機
能をもたせることは、エネルギー消費が大きくなる場合
があるため、本発明では図3のようにスチールとアルミ
の分離機能を破砕工程のみにもたせることもできる。
チールとアルミの熱膨脹率の違いを利用して加熱して部
分的に分離した後、破砕・造粒工程で力を加えて両者を
完全に分離していたが、加熱工程に塗料やコーティング
等の有機物を分解する機能とスチールとアルミの分離機
能をもたせることは、エネルギー消費が大きくなる場合
があるため、本発明では図3のようにスチールとアルミ
の分離機能を破砕工程のみにもたせることもできる。
【0019】すなわち、図3に示すように、手選別等に
より異物を取り除いた後、スチール缶を破砕・チップ化
工程に送り込み、スチール缶を主としてアルミ(上蓋部
分)からなるアルミチップと、主としてスチール(胴部
分)からなるスチールチップに分離する。この破砕・チ
ップ化手段により、スチール缶に対し強制的に力が付与
され、破砕されて引きちぎられると、アルミとスチール
の展性の違いにより両者が分離され、アルミチップとス
チールチップに一工程で分離される。次いで、磁選機を
通すことで、アルミチップとスチールチップに選別され
て、それぞれ別個の加熱工程に送られる。スチールチッ
プは、酸化性又は非酸化性雰囲気で加熱されて、表面に
コーティングされた塗料や合成樹脂を分解ガス化すると
共に、表面に付着している未燃カーボン、金属化合物等
を除去した後、加圧して高品位のスチール製品(粒状又
はブロック状)として回収する。一方、アルミチップ
は、非酸化性雰囲気の誘導加熱手段内に送られて加熱・
溶融され、ブロック化されアルミインゴットとして回収
される。
より異物を取り除いた後、スチール缶を破砕・チップ化
工程に送り込み、スチール缶を主としてアルミ(上蓋部
分)からなるアルミチップと、主としてスチール(胴部
分)からなるスチールチップに分離する。この破砕・チ
ップ化手段により、スチール缶に対し強制的に力が付与
され、破砕されて引きちぎられると、アルミとスチール
の展性の違いにより両者が分離され、アルミチップとス
チールチップに一工程で分離される。次いで、磁選機を
通すことで、アルミチップとスチールチップに選別され
て、それぞれ別個の加熱工程に送られる。スチールチッ
プは、酸化性又は非酸化性雰囲気で加熱されて、表面に
コーティングされた塗料や合成樹脂を分解ガス化すると
共に、表面に付着している未燃カーボン、金属化合物等
を除去した後、加圧して高品位のスチール製品(粒状又
はブロック状)として回収する。一方、アルミチップ
は、非酸化性雰囲気の誘導加熱手段内に送られて加熱・
溶融され、ブロック化されアルミインゴットとして回収
される。
【0020】なお、スチール缶を破砕してチップ化する
手段としては、例えば、スチール缶を引き延ばしと引き
ちぎり切断によってチップ状に破砕することができる破
砕機(シュレッダ)であれば、いかなる形式のものでも
よく、一例としてハイネット(株)製の「瞬砕」を挙げ
ることができる。
手段としては、例えば、スチール缶を引き延ばしと引き
ちぎり切断によってチップ状に破砕することができる破
砕機(シュレッダ)であれば、いかなる形式のものでも
よく、一例としてハイネット(株)製の「瞬砕」を挙げ
ることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によって得られる効果は次の通り
である。 (1)スチール缶を非酸化性(もしくは弱酸化性)雰囲
気で加熱するため、材料、特にアルミが酸化せず、高温
で加熱することが可能である。そのため、スチール部と
アルミ部の分離が確実かつ容易であり、スチール及びア
ルミ共に良質のものが回収可能となる。 (2)従来の処理システムでは必須とされた排ガス設備
を不要とする加熱手段を採用するため、設置面積及びコ
ストの低減が図れ、しかも、排ガスによる熱損失がない
ため、エネルギーコストの低減も図れる。 (3)アルミペレットをさらに高密度化すれば、より高
付加価値の原料とすることも可能である。 (4)従来のスチール缶加熱処理システムに比し、より
高温に加熱できるため、造粒作用も一層促進されペレッ
ト化が容易となる。 (5)スチール部とアルミ部の分離を破砕工程で行う場
合には、一工程で分離が達成されるため、後工程はコー
ティングされた塗料等を分離するだけでよく、設備をコ
ンパクトにし、かつエネルギーコストの低減を図ること
ができる。
である。 (1)スチール缶を非酸化性(もしくは弱酸化性)雰囲
気で加熱するため、材料、特にアルミが酸化せず、高温
で加熱することが可能である。そのため、スチール部と
アルミ部の分離が確実かつ容易であり、スチール及びア
ルミ共に良質のものが回収可能となる。 (2)従来の処理システムでは必須とされた排ガス設備
を不要とする加熱手段を採用するため、設置面積及びコ
ストの低減が図れ、しかも、排ガスによる熱損失がない
ため、エネルギーコストの低減も図れる。 (3)アルミペレットをさらに高密度化すれば、より高
付加価値の原料とすることも可能である。 (4)従来のスチール缶加熱処理システムに比し、より
高温に加熱できるため、造粒作用も一層促進されペレッ
ト化が容易となる。 (5)スチール部とアルミ部の分離を破砕工程で行う場
合には、一工程で分離が達成されるため、後工程はコー
ティングされた塗料等を分離するだけでよく、設備をコ
ンパクトにし、かつエネルギーコストの低減を図ること
ができる。
【図1】本発明に係るスチール缶処理システムの実施例
を示す概略模式図である。
を示す概略模式図である。
【図2】本発明に係るスチール缶処理システムの実施例
における各工程の流れを示すブロック図である。
における各工程の流れを示すブロック図である。
【図3】本発明に係るスチール缶処理システムの他の実
施例における各工程の流れを示すブロック図である。
施例における各工程の流れを示すブロック図である。
1 手選別及び磁選コンベア 2 軽加圧プレス機 3 誘導加熱炉 4 破砕又は破砕・ペレット化装置 5 磁選コンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八太 昭道 東京都新宿区信濃町18番地 株式会社オス トランド内 (72)発明者 倉岡 保 東京都新宿区信濃町18番地 株式会社オス トランド内 (72)発明者 菅原 政則 東京都新宿区信濃町18番地 株式会社オス トランド内 (72)発明者 福井 貢 静岡県浜松市坪井町4533番地 日青鋼業株 式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 スチール缶からスチール材料とアルミニ
ウム材料を別々に取り出して再利用可能にするスチール
缶の処理システムにおいて、スチール缶を軽加圧するプ
レス手段と、軽加圧したスチール缶を非酸化性雰囲気下
でかつ550℃〜700℃の温度範囲に加熱する手段
と、加熱したスチール缶を破砕・チップ化又はペレット
化する手段と、得られたスチールチップ又はペレットと
アルミニウムチップ又はペレットを振り分ける選別手段
とを備えたことを特徴とするスチール缶からの高品位ス
チール及びアルミニウム回収システム。 - 【請求項2】 得られたアルミニウムペレットを溶融し
てブロック化する手段をさらに備えた請求項1記載の回
収システム。 - 【請求項3】 スチール缶を加熱する手段は、誘導加熱
炉である請求項1又は2記載の回収システム。 - 【請求項4】 スチール缶からスチール材料とアルミニ
ウム材料を別々に取り出して再利用可能にするスチール
缶の処理システムにおいて、スチール缶をチップ状に破
砕してスチールチップとアルミニウムチップにする手段
と、これらをスチールチップとアルミニウムチップに選
別する手段と、得られたスチールチップを加熱して表面
を清浄化する手段と、同様に得られたアルミニウムチッ
プを非酸化性雰囲気下で加熱溶融してブロック化する手
段とを備えたことを特徴とするスチール缶からの高品位
スチール及びアルミニウム回収システム。 - 【請求項5】 アルミニウムチップを加熱溶融する手段
が、誘導加熱炉であることを特徴とする請求項4記載の
スチール缶からの高品位スチール及びアルミニウム回収
システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11050053A JPH11309441A (ja) | 1998-02-27 | 1999-02-26 | スチ―ル缶からの高品位スチ―ル及びアルミニウム回収システム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4796398 | 1998-02-27 | ||
JP10-47963 | 1998-02-27 | ||
JP11050053A JPH11309441A (ja) | 1998-02-27 | 1999-02-26 | スチ―ル缶からの高品位スチ―ル及びアルミニウム回収システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11309441A true JPH11309441A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=26388171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11050053A Pending JPH11309441A (ja) | 1998-02-27 | 1999-02-26 | スチ―ル缶からの高品位スチ―ル及びアルミニウム回収システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11309441A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6884387B2 (en) | 2002-10-23 | 2005-04-26 | Nissei Kogyo Co., Ltd. | Empty-can treatment system and empty-can treatment method |
JP2010138478A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Harufusa Iwasaki | 廃棄アルミ製品のリサイクル処理方法 |
JP2011026672A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版のリサイクル方法 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP11050053A patent/JPH11309441A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6884387B2 (en) | 2002-10-23 | 2005-04-26 | Nissei Kogyo Co., Ltd. | Empty-can treatment system and empty-can treatment method |
JP2010138478A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Harufusa Iwasaki | 廃棄アルミ製品のリサイクル処理方法 |
JP2011026672A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用支持体の製造方法及び平版印刷版のリサイクル方法 |
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