JPH11307989A - 周波数選択表面を有する電波遮蔽材料およびその製造方法 - Google Patents

周波数選択表面を有する電波遮蔽材料およびその製造方法

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JPH11307989A
JPH11307989A JP10830298A JP10830298A JPH11307989A JP H11307989 A JPH11307989 A JP H11307989A JP 10830298 A JP10830298 A JP 10830298A JP 10830298 A JP10830298 A JP 10830298A JP H11307989 A JPH11307989 A JP H11307989A
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radio wave
wave shielding
conductive layer
shielding material
resin layer
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Yasukazu Nakada
安一 中田
Toshio Sugizaki
俊夫 杉崎
Satoru Sakurai
哲 桜井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた電波遮蔽性を有する電波遮蔽材料お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 支持基板1の上に金属または金属酸化物
の導電層2を形成したのち、この導電層2の上に樹脂層
3を、複数のパターン素子状に形成し、ついでエッチン
グ処理によってパターン素子以外の導電層を除去して製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は周波数選択表面を有
する電波遮蔽材料およびその製造方法に係わり、さらに
詳しくは特定帯域周波数の電波に対して優れた遮蔽性を
発揮する周波数選択表面を有する電波遮蔽材料およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における携帯電話やPHSなどの普
及は著しく、さらにそれらから発する電波の影響が大き
な社会問題となっている。たとえば、携帯電話が発する
電波によって、コンピュータにおいては演算動作の錯誤
を生じるとか、医療電子機器においてはその制御系に干
渉して妨害を与えることなど、人命を直接脅かすような
問題が潜在しているのである。
【0003】従来、このような窓や壁等を通して建物内
に侵入する電波を防御するのに電波遮蔽材料が用いられ
ているのであるが、そのような材料としては、たとえば
銀や銅あるいはカーボン等の導電性ペーストを塗布する
とか、金属箔を貼付する方法、あるいは化学蒸着法、電
気メッキ法、または無電解電気メッキ法などを施した金
属化繊維を織布して用いる方法など、いろいろ創意工夫
がなされている。
【0004】しかし、このような導電性材料を用いる電
波遮蔽法には必ず接地を施す必要がある(たとえば、特
開平3−131094号公報参照)。これは、電波遮蔽層で捕
捉した電波エネルギーを再放射させずに大地に逃がすよ
うにするためである。それゆえ、その接地の施工などが
煩雑となるとか、材料も限定されてしまうことなどが問
題となっていた。
【0005】ところで、最近、周波数選択表面(Freque
ncy Selective Surface ;以下FSSと略称する)とい
う技術が注目されているが、その技術の概要は、図12に
示すように、透明な基板21上に細線で幾何学的紋様たと
えば逆Y字状のトリポール型のパターン素子22を規則的
な間隔をもって印刷した外観を有するもので、その特性
上、接地を必要としない点で、非常に好ましい電波遮蔽
材料の一つである(たとえば、Macfaralene,G.G.,J.Ins
tn.Elect.Engrs.,93,III-A,1946,pp.703-719、Booker,
H.G.,J.Instn.Elect.Engrs.,93,III-A,1946,pp.620-626
、Chen,C.C.,IEEE Trans.Antennas Propagat.,AP-18,
5,1970, pp.660-665参照)。
【0006】このFSSのパターン素子を透明な基板上
に設ける手段としては、所望のパターンに打ち抜いた金
属箔を接着剤で基板上に貼りつける方法と、基板上に導
電性印刷インキで所望のパターンを直接印刷する方法が
ある。前者の金属箔接着法の場合は、その工程が煩雑で
あり、また金属箔が露出しているため、長時間使用して
いると金属箔に腐食や変形が生じ、電波遮蔽性能が低下
するという欠点があった。一方、後者の直接印刷法の場
合は、導電性印刷インキ中にバインダとして有機物が含
まれているため、金属箔並みの導電性を確保するのが難
しく、電波遮蔽性に劣るという欠点がある。
【0007】ここで、直接印刷法で製作されたFSSの
パターン素子について本発明者らの実験結果の一例を挙
げて説明すると、基板上に銀ペーストなどを印刷する場
合は、その表面抵抗値は101 Ω/cm2 以上と高いため、
電波遮蔽の性能が低く、最高でも20dB程度しか得られな
かったのである。また、導電性印刷インキの表面抵抗値
を下げるには、200 ℃もの高温雰囲気の下で1時間ほど
焼成することが必要であるが、基板に耐熱性の低い一般
のプラスチックフィルムなどの高分子材料を使用するこ
とは困難になるという制約がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の有する課題を解決すべくなされたものであ
り、その目的は、接地の必要がなく、特定帯域周波数の
電波に対して優れた遮蔽性を発揮することが可能な周波
数選択表面を有する電波遮蔽材料およびその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
支持基板と、当該支持基板上に形成された金属または金
属酸化物からなる導電層と樹脂層とを積層した複数の幾
何学的紋様のパターン素子とからなり、これらパターン
素子が規則的に配列していることを特徴とする周波数選
択表面を有する電波遮蔽材料である。
【0010】ここで、前記幾何学的紋様のパターン素子
は、多重の正方形、多重の同心円、トリポール型、クロ
スダイポール型、ダイポール型、エルサレムクロス型の
いずれかがよく、前記支持基板として透明なガラスある
いは高分子材料を用いてもよく、前記導電層に用いられ
る金属を箔状とするのがよい。なお、本発明による電波
遮蔽材料は、特に0.3 〜 300GHz の周波数帯域の電波を
遮蔽するのに好適である。
【0011】本発明の第2の発明は、支持基板の一方の
面に金属または金属酸化物からなる導電層を形成したの
ち、この導電層の上に樹脂層を複数のパターン素子状に
形成し、ついでエッチング処理によってパターン素子以
外の導電層を除去することを特徴とする周波数選択表面
を有する電波遮蔽材料の製造方法である。ここで、前記
導電層の形成は、接着貼り合わせ法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、化学メッキ法、電気メッキ法、あ
るいはこれらの組み合わせによる方法のいずれかを用い
てもよく、また、前記樹脂層の形成は、エポキシ樹脂を
用いて行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係わる電波遮蔽
材料の好適な実施の形態について、図面を参照して詳し
く説明する。図1は、本発明の一実施例を示す断面図で
ある。この図において、1は支持基板、2は金属または
金属酸化物の導電層、3は樹脂層であり、4は本発明の
電波遮蔽材料である。
【0013】ここで、支持基板1としては誘電体が好適
であり、透明なガラスや高分子材料を用いることができ
る。そのうち、高分子材料としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリブテン、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポ
リアクリロニトリル、ポリアミド、ポリジメチルシロキ
サン、ポリカーボネート、ナイロン樹脂などを挙げるこ
とができる。なお、支持基板1の厚さは特に限定されな
いが、10μm 〜10mm程度が好ましい。
【0014】また、導電層2の金属または金属酸化物と
しては、金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、
クロム、鉄、コバルト、チタン、錫などの金属、または
これら金属の合金からなる合金、酸化インジウム、酸化
錫、酸化チタン、酸化カドミウムまたはこれらの混合物
などからなる金属酸化物などが挙げられるが、金属を箔
状にして使用するのがよい。なお、導電層2の厚さは特
に限定されないが、所望の電波遮蔽性能を得るために
は、10Å以上好ましくは0.1 μm 以上がよい。
【0015】このような導電層2を支持基板1上に形成
する手段としては、接着貼り合わせ法、真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、化学メッキ法、電気メッキ法、
あるいはこれらの組み合わせによる方法のいずれかを用
いることができる。ここで、接着貼り合わせ法について
補足すると、導電層2となる金属箔などをアクリル系、
ポリウレタン系、エポキシ系など周知の接着剤を用いて
支持基板1上に貼り合わせる方法である。
【0016】さらに、樹脂層3はエポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂など種々の
インキ状の樹脂が好適である。また樹脂層3には、金属
粉末、金属板、針状金属、カーボン粉末、カーボン板、
針状カーボンのうちから選ばれた1種以上の導電性物質
を添加してもよい。また、導電層2と樹脂層3を積層し
た幾何学的紋様のパターン素子の形状については、遮蔽
する周波数にマッチするように選択する必要があるが、
その主なものを例示すると以下の如くである。
【0017】まず、図2は2重の正方形をアレイ状に並
べたもの(たとえば、Langley andParker,1983,Electro
n.Lett.,19,p675参照)を示しているが、外側の辺の長
さd 1 は0.25〜250 mm、内側のはd2 ;0.24〜249mm 、
線の太さは外側はw1 ;0.01〜5mm、内側はw2 ;0.01
〜5mm、外側の横方向の間隔はg1 ;0.01〜120 mm、外
側と内側の間隔g2 ;0.01〜120 mm、外側の縦方向の間
隔はp;0.27〜500 mmが適当である。このパターンは周
波数の帯域として、0.3 〜300 GHz に好適である。
【0018】図3は2重の同心円をアレイ状に並べたも
の(たとえば、Parker et al.,1981,Electron.Lett.,1
7,p880 参照)を示しているが、径の大きさd1
2 、線の太さw1 ,w2 、間隔g1 ,g2 、pは図2
の2重の正方形に準じる。このパターンは周波数の帯域
として、0.3 〜300 GHz に好適である。なお、同心円は
2重に限るものではなく、3重以上の多重であってもよ
い。
【0019】図4のトリポール型(たとえば、Vardaxog
lou and Parker,1983,Electron.Lett.,19,p709参照)の
場合は、w;0.01〜50mm、l;0.25〜250 mm、d;0.27
〜500 mmとされ、0.3 〜300 GHz の帯域に好適である。
図5のクロスダイポール型(たとえば、Agrawal and Im
briale,1979,IEEETrans.on Ant.and Propag.,27,p466参
照)は、w;0.01〜50mm、l;0.25〜250 mm、d;0.27
〜500 mmとされ、0.3 〜300 GHz の帯域に好適である。
【0020】図6のダイポール型(たとえば、Chen,197
0,IEEE,Trans.on Ant.and Propag.,18,p660 参照)の場
合は、w;0.01〜50mm、l;0.5 〜250 mm、dx;0.6
〜1010mm、dy;0.01〜505 mm、α;0〜90°とされ、
0.3 〜300 GHz の帯域に好適である。図7のエルサレム
クロス型(たとえば、Arnaud and Pelow,1975,Bell Sys
t.,Tech.J.,54,p263参照)の場合は、w;0.01〜50mm、
H;0.02〜240 mm、L;0.25〜250 mm、D;0.01〜120
mmとされ、0.3 〜300 GHz の帯域に好適である。
【0021】つぎに、エッチング処理によって本発明の
電波遮蔽材料4を製造する場合について図8を用いて説
明する。まず、図8(a)に示すように、支持基板1の
一方の面全体に前記した手段を用いて導電層2を形成し
たのち、この導電層2の上に図8(b)に示すように、
樹脂層3を複数のパターン素子状にスクリーン印刷、オ
フセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷などにより
形成した中間電波遮蔽材料5とする。なお、感光性樹脂
を全面に印刷して、パターン素子状のフォトマスクを用
いて露光、現像して樹脂層3を形成するようにしてもよ
い。
【0022】さらに、樹脂層3を、例えば 100℃の低
温、2分程度の短時間の条件で乾燥を行った後、この中
間電波遮蔽材料5を図8(c)に示すように、液槽6内
のエッチング溶液7に1分間から3時間程度浸漬してエ
ッチング処理して印刷パターン以外の導電層2を除去す
る。その後、洗浄によってエッチング溶液7を取り去っ
て、図8(d)に示す本発明の電波遮蔽材料4の製造を
完了する。
【0023】エッチング溶液7には、塩酸、硫酸、硝
酸、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、水酸化ナト
リウム水溶液、水酸化カリウムなどのエッチング用の溶
液が用いられる。ここで用いられる樹脂層3としては、
前述したように、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリイミド樹脂などであるが、特にエッチ
ング用の溶液に耐性が高いエポキシ樹脂が好適である。
また、樹脂層3の厚さは特に限定されないが、0.1 μm
〜1mmが好ましい。その理由は、0.1 μm 未満ではエッ
チング処理中に樹脂層3が導電層から剥離してしまうこ
とがあり、1mmを超えると乾燥に時間がかかるからであ
る。このようなエッチング処理手段を用いることによ
り、1mm以下の線幅でパターン素子を形成することがで
きるため、透明な窓に適用する場合、その美観上からも
好ましい電波遮蔽材料が得られる。
【0024】このように、本発明によれば、低温・短時
間という穏やかな条件で電波遮蔽材料4を製造すること
ができるから、プラスチックフィルムなどのような一般
の高分子材料を支持基板に用いることができる。また、
導電層に表面抵抗値が10-4〜10-5Ω/cm2 である金属箔
を用いることができるため、40dB以上の高い電波遮蔽性
能を得ることができる。また、支持基板1にプラスチッ
クフィルムを用いた本発明の電波遮蔽材料4の一方の面
に接着剤を塗布するようにすれば、窓ガラスなどに容易
に貼付することができる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例について、具
体的に説明する。2000mm×2000mmの寸法の電波遮蔽材料
を送信アンテナから500 mm、受信アンテナから500 mm、
それぞれ離して設置し、300MHz〜3GHz の帯域の周波数
を用いて電波遮蔽特性試験を実施した。測定器としてア
ンリツ電子製のネットワークアナライザ(メーカ型番37
247A)を、また送受信用アンテナとして対数周期アンテ
ナを用いた。 〔実施例1〕厚さ50μm のポリエチレンテレフタレート
フィルムの支持基板の上に、ポリウレタン系の接着剤を
2μm の厚さに全面に塗布し、その後厚さ30μmの銅箔
を貼り合わせて、導電層を形成した。この銅箔上に、エ
ポキシ樹脂を用いて、線幅(w)が1mm、1辺の長さ
(l)が44mm、素子中央と隣接する素子中央との間隔
(d)が49mm、厚みが2μm のトリポールパターンを支
持基板の全面にスクリーン印刷法により印刷した。
【0026】このエポキシ樹脂の乾燥条件は100 ℃、2
分とした。このフィルムを25℃の5%塩化第二鉄水溶液
に15分浸し、エッチング処理を施し、トリポールパター
ンが印刷された部分以外の銅箔を除去したのち、流水で
30分洗浄し、50℃の恒温槽に入れて乾燥し、トリポール
パターンを有する電波遮蔽材料を作製した。この電波遮
蔽材料の電波遮蔽性能の測定結果は図9に示す通りで、
その中心が1.7GHzで37dBであった。また、この電波遮蔽
材料を6カ月間屋外に放置し、その後電波遮蔽性能を測
定したところ、その中心が1.7GHzで37dBであり、当初の
性能が維持されていることが確認された。 〔実施例2〕厚さ50μm のポリエチレンテレフタレート
フィルムの支持基板の上に、アルミニウムを0.1 μm の
厚さに全面に蒸着加工して導電層を形成した。このアル
ミニウム上に、カーボンを分散させたエポキシ樹脂系導
電性インキを用いて、実施例1と同様のトリポールパタ
ーンを印刷した。
【0027】このインキの乾燥条件は100 ℃、2分とし
た。このフィルムを25℃の2%塩酸溶液に2分浸し、エ
ッチング処理を施し、トリポールパターンが印刷された
部分以外のアルミニウムを除去したのち、流水で30分洗
浄し、50℃の恒温槽に入れて乾燥し、トリポールパター
ンを有する電波遮蔽材料を作製した。この電波遮蔽材料
の電波遮蔽性能の測定結果は図10に示したが、その中心
が1.7GHzで45dBであった。 〔比較例1〕厚さ50μm のポリエチレンテレフタレート
フィルムの支持基板に、銀粉末を分散させたエポキシ樹
脂系導電性インキを用いて、線幅(w)が1mm、1辺の
長さ(l)が44mm、素子中央と隣接する素子中央との間
隔(d)が49mm、厚みが10μm のトリポールパターンを
支持基板の全面に印刷してトリポールパターンを有する
電波遮蔽材料を作製した。このときの乾燥条件は120
℃、20分とした。この電波遮蔽材料の電波遮蔽性能の測
定結果を図11に示したが、中心が1.7GHzで20dBしか得ら
れなかった。 〔比較例2〕試料は比較例1と同じで、乾燥条件を200
℃、30分としたところ、支持基板のポリエチレンテレフ
タレートフィルムが溶融して変形したため、FSSとし
て用いることができなかった。 〔比較例3〕厚さ50μm の銅箔を線幅(w)が1mm、1
辺の長さ(l)が44mmのトリポールパターンに打ち抜
き、厚さ50μm のポリエチレンテレフタレートフィルム
の支持基板上にポリウレタン系接着剤を用いてトリポー
ルパターンの中央と隣接するトリポールパターンの中央
との間隔(d)が49mmになるように貼付して電波遮蔽材
料とした。その電波遮蔽性能は1.7GHzで40dBであった。
しかし、この電波遮蔽材料を6カ月間屋外に放置し、そ
の後電波遮蔽性能を測定したところ、銅箔が腐食してト
リポールパターンが変形したため、電波遮蔽の周波数中
心が1.8GHzにシフトし、電波遮蔽性能は20dBに低下し
た。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電波遮蔽
材料によれば、支持基板上に金属または金属酸化物から
なる導電層と樹脂層とを積層した複数の幾何学的紋様の
パターン素子を規則的に配列したので、接地の必要がな
く、特定帯域周波数の電波に対して優れた遮蔽性能を得
ることが可能である。
【0029】また、本発明の製造方法によれば、支持基
板の一方の面全体に導電層を形成し、この上に樹脂層を
複数のパターン素子状に形成し、ついでエッチング処理
するようにしたので、構成材料への温度条件の制約が少
なく、しかも簡単な工程で線幅の小さなパターン素子を
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波遮蔽材料の実施例を示す断面図で
ある。
【図2】パターン素子の一例を示す部分平面図である。
【図3】パターン素子の別の例を示す部分平面図であ
る。
【図4】パターン素子の別の例を示す部分平面図であ
る。
【図5】パターン素子の別の例を示す部分平面図であ
る。
【図6】パターン素子の別の例を示す部分平面図であ
る。
【図7】パターン素子の別の例を示す部分平面図であ
る。
【図8】(a)〜(d)は本発明の電波遮蔽材料の製造
工程の説明図である。
【図9】実施例1の試験結果を示す特性図である。
【図10】実施例2の試験結果を示す特性図である。
【図11】比較例1の試験結果を示す特性図である。
【図12】パターン素子の従来例を示す部分平面図であ
る。
【符号の説明】
1 支持基板 2 導電層 3 樹脂層 4 電波遮蔽材料 5 中間電波遮蔽材料 6 液槽 7 エッチング溶液 21 基板 22 パターン素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板と、当該支持基板上に形成され
    た金属または金属酸化物からなる導電層と樹脂層とを積
    層した複数の幾何学的紋様のパターン素子とからなり、
    これらパターン素子が規則的に配列していることを特徴
    とする周波数選択表面を有する電波遮蔽材料。
  2. 【請求項2】 前記幾何学的紋様のパターン素子は、多
    重の正方形、多重の同心円、トリポール型、クロスダイ
    ポール型、ダイポール型、エルサレムクロス型のいずれ
    かからなることを特徴とする請求項1に記載の周波数選
    択表面を有する電波遮蔽材料。
  3. 【請求項3】 前記支持基板として透明なガラスあるい
    は高分子材料を用いることを特徴とする請求項1または
    2記載の周波数選択表面を有する電波遮蔽材料。
  4. 【請求項4】 前記導電層に用いられる金属は箔状であ
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の周波数
    選択表面を有する電波遮蔽材料。
  5. 【請求項5】 支持基板の一方の面に金属または金属酸
    化物からなる導電層を形成したのち、この導電層の上に
    樹脂層を複数のパターン素子状に形成し、ついでエッチ
    ング処理によってパターン素子以外の導電層を除去する
    ことを特徴とする周波数選択表面を有する電波遮蔽材料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記導電層の形成は、接着貼り合わせ
    法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学メッキ
    法、電気メッキ法、あるいはこれらの組み合わせによる
    方法のいずれかを用いることを特徴とする請求項5記載
    の周波数選択表面を有する電波遮蔽材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂層の形成は、エポキシ樹脂を用
    いることを特徴とする請求項5または6記載の周波数選
    択表面を有する電波遮蔽材料の製造方法。
JP10830298A 1998-04-17 1998-04-17 周波数選択表面を有する電波遮蔽材料およびその製造方法 Pending JPH11307989A (ja)

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