JPH11307838A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JPH11307838A
JPH11307838A JP10131211A JP13121198A JPH11307838A JP H11307838 A JPH11307838 A JP H11307838A JP 10131211 A JP10131211 A JP 10131211A JP 13121198 A JP13121198 A JP 13121198A JP H11307838 A JPH11307838 A JP H11307838A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高次の振動モードを用いる圧電トランスであ
って端子数を少くした、温度上昇が少なく、ロスが少な
く、原価低減可能な圧電トランスを提供する。 【解決手段】 圧電セラミックス矩形板の長さ方向のn
次(nは3以上の自然数)共振モードを利用した圧電ト
ランスであって、矩形板の長さ方向にn等分した部分の
うちの少なくとも2箇所の部分の駆動用信号入力用、あ
るいは出力信号取り出し用の外部電極を、分極処理後
に、導電銀、スパッタ電極あるいはめっき電極等の後付
け電極である導体膜1によって1つにまとめた圧電トラ
ンス、および、矩形板の長さ方向にn等分した部分のう
ちのm箇所(m<n)の駆動用、あるいは出力信号取り
出し用の外部電極を、分極処理後に、導電銀、スパッタ
電極あるいはめっき電極等の後付け電極によってm箇所
未満にまとめた圧電トランスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミックス
よりなる矩形板の高次モードの長さ振動を用いた圧電ト
ランスに関し、特に、前記圧電トランスの入力部、ある
いは出力部を外部に電気的に接続する電極に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電トランスの出力電力POUTは、
(1)式で与えられる。
【0003】 POUT=αkeff 22mf・・・・・・(1)
【0004】ここで、keffは出力部の実効的な電気機
械結合係数、Vは振動速度(温度上昇によって定まる実
用上の限界速度)、mは圧電トランスの質量、fは駆動
周波数、αは形状、振動モード等で決まる定数である。
【0005】(1)式より、大きな出力電力POUTを得
るための圧電材料に求められる条件は、より高い結合係
数keffと、より高い限界振動速度Vであり、構造上に求
められる条件は、より大きなαが得られる構造(設計)
と、高い駆動周波数である。
【0006】一方、長さ方向の振動は、駆動周波数f
と、圧電トランスの長さ寸法lとの間に、振動の次数を
nとして、 l=(定数×n)/f・・・・・・(2) の関係がある。
【0007】(1)式より、大きな出力電力POUTを得
るために駆動周波数fを増大させようとすれば、(2)
式より、長さ寸法lを減少させねばならず、そのために
質量mが小さくなり、出力電力POUTが減少する。
【0008】質量mの減少を補うため、圧電トランスの
幅w、及び厚み寸法tを増大して質量mを維持しようと
しても、図5に示すように、形状の影響、即ち、波長λ
とトランス幅寸法wの関係によって(λ/wが3.5以
下では細長い形状ほどkeffは大きくなる)、実効的な
結合係数keffが減少し、出力電力を増やすことはでき
ない。このことは、厚み寸法tについても同様である。
【0009】このとき、高い結合係数keffと、大きな
質量mを維持し、更に、高い駆動周波数にして、出力電
力を増大する方法として、(2)式における高次の振動
(次数n)を用いることが考えられる。
【0010】高次の振動を用いること、すなわち、振動
の次数nを大きくすることで、駆動周波数fの増大に関
わらず、圧電トランスの長さ寸法lのn倍を圧電トラン
スの長さにする事が出来るから、質量mの減少を招くこ
とはなく、結果として出力電力POUTを増大することが
できる。
【0011】図2は、高次の振動を示す説明図で、図2
(a)は、nが2のときの振動子を示し、図2(b)は
nが3のときの振動子を示し、図2(c)はnが6のと
きの振動子を示す説明図である。
【0012】図2中、10は圧電トランスの出力部、2
0は圧電トランスの入力部、11は出力部の露出した内
部電極、12は出力部の外部電極、21は入力部の露出
した内部電極、22は入力部の外部電極を示す。
【0013】図2(a)に示すnが2のときの振動子
は、従来の圧電トランスと同じであり、図2(b)に示
すnが3のときは、圧電トランスとして、結合係数k
effを下げることなく体積を増やして、出力電力POUT
大きくすることができ、さらに、図2(c)に示すnが
6のときは、圧電トランスの出力対大きさの比率を、格
段に改善(従来比)できる。
【0014】高次の振動を用いる圧電トランスは、図3
に示すように、基本モードの長さ振動の圧電トランスを
長さ方向に機械的に従属接続したものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長さ振
動の高次モードを用いた場合、図3に示すように、隣り
合う1/2波長部分同士は、応力の位相が反転すること
になる。図3中、40は応力分布を示し、矢印30は、
圧電トランスの端部と応力分布の対応関係を示す。
【0016】図4は、高次モード(n=6)の圧電トラ
ンスにおける分極、及び出力の極性を説明する図で、図
4(a)は分極時に印加する電圧の極性を示し、図4
(b)は、出力電圧の極性を示す図である。
【0017】圧電トランスを単一の入力電力で駆動する
ため、あるいは、出力側における同位相の出力電力を取
り出すためには、図4に示すように、隣り合う1/2波
長部分同士(図中13と14)の極性を逆に分極してお
くか、あるいは同極で分極(図示せず)した後に、端子
の接続を逆にする必要がある。そして、隣り合う1/2
波長部分同士(図中13と14)の極性を逆に分極して
おけば、隣り合う外部電極(図中15と16)の出力の
極性は同じになる。
【0018】高次モード(n次)を利用する圧電トラン
スの場合、長さ方向にn箇所の1/2波長部分が、存在
するため、接続用端子の数の増加は避けられず、振動の
ノード点(図3における応力最大の部分)に端子を接続
した場合でも、有限寸法の端子により、Qmが低下がし
やすいという問題があった。
【0019】特に、高出力及び高出力密度をねらう圧電
トランスの場合は、僅かなQmの低下であっても、全体
でのロスとしては大きくなるため、体積が小さく、従っ
て熱容量も、放熱面積(表面積)も小さい圧電トランス
では、ロスを熱として散逸させることは難しく、わずか
なロスが大きな温度上昇を引き起こすことがあった。
【0020】また、端子の数が多いことは、部品点数、
製作工数の増大を招き、原価低減の支障ともなってい
る。このような理由から、圧電トランスの端子の数は、
可能な限り少ないことが望ましい。
【0021】そこで、本発明の課題は、高次の振動モー
ドを用いる圧電トランスであって端子数を少くした、温
度上昇が少なく、ロスが少なく、原価低減可能な圧電ト
ランスを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電セラミッ
クスよりなる矩形板の長さ方向のn次(nは3以上の自
然数を示す)共振モードを利用した圧電トランスであっ
て、前記矩形板の長さ方向にn等分した部分のうちの少
なくとも2箇所の部分の駆動用あるいは出力取り出し用
の外部電極を、後付け電極によって電気的に接続して1
つにまとめた圧電トランスである。
【0023】また、本発明は、圧電セラミックスよりな
る矩形板の長さ方向のn次(nは3以上の自然数を示
す)共振モードを利用した圧電トランスであって、前記
矩形板の長さ方向にn等分した部分のうちのm箇所(m
は2より大きく、nより小さい自然数)の駆動用、ある
いは出力取り出し用の外部電極を、後付け電極によって
電気的に接続し、m個未満の箇所にまとめた圧電トラン
スである。
【0024】また、本発明は、前記後付け電極が、導電
銀よりなる上記の圧電トランスである。
【0025】また、本発明は、前記後付け電極が、スパ
ッタによる導体膜よりなる上記の圧電トランスである。
【0026】また、本発明は、前記後付け電極は、めっ
きによる導体膜よりなる上記の圧電トランスである。
【0027】すなわち、本発明は、上記の課題を解決す
るため、圧電セラミックス矩形板の長さ方向のn次(n
は3以上の自然数)共振モードを利用した圧電トランス
であって、矩形板の長さ方向にn等分した部分のうちの
少なくとも2箇所の部分の駆動用信号入力用、あるいは
出力信号取り出し用の外部電極を分極処理後、導電銀、
スパッタ電極あるいはめっき電極等の後付け電極によっ
て1つにまとめたことを特徴とする圧電トランスであ
る。
【0028】また、本発明は、矩形板の長さ方向にn等
分した部分のうちのm箇所(m<n)の駆動用、あるい
は出力信号取り出し用の外部電極を分極処理後、導電
銀、スパッタ電極あるいはめっき電極等の後付け電極に
よってm箇所未満にまとめたことを特徴とする圧電トラ
ンスである。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、n=6次
の高次モードの圧電トランスの出力部を例にして、図を
用いて説明する。
【0030】n=6次の高次モードの圧電トランスの出
力部の外部電極は、両端から2つの1/2波長分の、計
4箇所にある。
【0031】図1に、本発明の圧電トランスを説明する
図を示す。図1(a)は、圧電トランスの分極の説明
図、図1(b)は従来の圧電トランス(比較例)の説明
図、図1(c)は本発明の後付け電極を有する圧電トラ
ンスの説明図である。
【0032】図1(a)に示すように、圧電トランスの
隣り合う1/2波長分同士13,14を逆極性で分極
し、次いで、図1(c)に示すように、隣り合う二つ出
力側の電極を後付け電極であるめっきによる導体膜1で
一つにまとめた。このようにして、出力部の電極を8箇
所から4箇所にした本発明の圧電トランスを得て、特性
の評価を行った。
【0033】また、比較のために、図1(b)に示すよ
うに、分極後に単にリード線を付け替えて出力の位相を
そろえた比較例の圧電トランスも同時に特性の評価をし
た。
【0034】特性の評価としては、2種類の圧電トラン
スに、交流電圧AC100Vrmsを印加したときの、
出力特性(Qm、温度上昇ΔT、変換効率)を測定し
た。測定結果を表1に示す。表中で、Qmは出力側のQ
mであり、これは微少振動レベルで測定した値である。
【0035】
【0036】表1に示すように、リード線の数が少ない
本発明の圧電トランスの方がQmが大きく、その為に、
数10wの出力電力を出していても、温度上昇は少な
く、変換効率も、より大きくなった。
【0037】本実施の形態において、後付け電極とし
て、めっきによる導体膜を用いたが、導電銀であって
も、スパッタによる導体膜であっても、その効果に変わ
りはない。
【0038】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
高次の振動モードを用いる圧電トランスにおいて端子数
を減少させることが可能となり、Qmの低下による効率
の低下防止、温度上昇の防止、更に端子数の減少により
部品点数及び工数の削減が可能となる。すなわち、本発
明によれば、高次の振動モードを用いる圧電トランスで
あって端子数を少くした、温度上昇が少なく、ロスが少
なく、原価低減可能な圧電トランスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電トランスを説明する図で、図1
(a)は、圧電トランスの分極を説明する図、図1
(b)は従来の圧電トランス(比較例)の説明図、図1
(c)は本発明の後付け電極を有する圧電トランスの説
明図。
【図2】高次の振動を示す説明図、図2(a)は、nが
2のときの圧電トランスを示す説明図、図2(b)はn
が3のときの圧電トランスを示す説明図、図2(c)は
nが6のときの圧電トランスを示す説明図。
【図3】高次モード(n=6)における応力分布を示す
説明図。
【図4】高次モード(n=6)の圧電トランスにおける
分極及び、出力の極性を説明する図で、図4(a)は分
極時に印加する電圧の極性を示し、図4(b)は、出力
電圧の極性を示す図。
【図5】波長λとトランス幅wの関係(keffに対する
形状効果)を示す図。
【符号の説明】
1 (後付け電極である)導体膜 10 (圧電トランスの)出力部 11 (出力部の露出した)内部電極 12 (出力部の)外部電極 13,14 隣り合う1/2波長部分同士 15,16 隣り合う外部電極 20 (圧電トランスの)入力部 21 (入力部の露出した)内部電極 22 (入力部の)外部電極 30 (圧電トランスの端部と応力分布の対応関係を
示す)矢印 40 (応力分布を示す)曲線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスよりなる矩形板の長さ
    方向のn次(nは3以上の自然数を示す)共振モードを
    利用した圧電トランスであって、前記矩形板の長さ方向
    にn等分した部分のうちの少なくとも2箇所の部分の駆
    動用あるいは出力取り出し用の外部電極を、後付け電極
    によって電気的に接続して1つにまとめたことを特徴と
    する圧電トランス。
  2. 【請求項2】 圧電セラミックスよりなる矩形板の長さ
    方向のn次(nは3以上の自然数を示す)共振モードを
    利用した圧電トランスであって、前記矩形板の長さ方向
    にn等分した部分のうちのm箇所(mは2を越えて、n
    より小さい自然数)の駆動用、あるいは出力取り出し用
    の外部電極を、後付け電極によって電気的に接続しm個
    未満の箇所にまとめたことを特徴とする圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記後付け電極は、導電銀よりなること
    を特徴とする請求項1または2記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】 前記後付け電極は、スパッタによる導体
    膜よりなることを特徴とする請求項1または2記載の圧
    電トランス。
  5. 【請求項5】 前記後付け電極は、めっきによる導体膜
    よりなることを特徴とする請求項1または2記載の圧電
    トランス。
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JPWO2015050009A1 (ja) * 2013-10-03 2017-03-09 株式会社村田製作所 ワイヤレス電力伝送システム用の受電装置及び送電装置

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