JPH1130607A - 導体非破壊検査用装置 - Google Patents

導体非破壊検査用装置

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JPH1130607A
JPH1130607A JP18401497A JP18401497A JPH1130607A JP H1130607 A JPH1130607 A JP H1130607A JP 18401497 A JP18401497 A JP 18401497A JP 18401497 A JP18401497 A JP 18401497A JP H1130607 A JPH1130607 A JP H1130607A
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conductor
inspection
magnetic field
copper wire
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JP18401497A
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Haruhisa Toyoda
晴久 豊田
Hideo Itozaki
秀夫 糸▼崎▲
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体からの磁気的な信号を精度よく検出でき
る導体非破壊検査用装置を提供すること。 【解決手段】 銅線Wを送り経路に沿って送る伸線設備
10に設けられた導体非破壊検査用装置12では、銅線
Wの磁気的な検査が連続的に行われる。送り経路に沿う
所定の検査領域42に隣接して、検査領域42における
磁界を検出するSQUID44が配置されている。検査
領域42に位置する導体の検査部分70には、電流が流
れることを阻止するダイス68a,68bが設けられて
いる。このような構成では、銅線Wの検査部分70に電
流が流れることが阻止されるので、検査部分70の周囲
にはこの電流に起因して誘起される磁界の発生が防止さ
れ、バックグラウンドの磁界が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体の非破壊検査
を、例えば伸線工程中に連続的に行うための導体非破壊
検査用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に導体の用途は広いが、特に、銅線
等のように線条体になったものは、ケーブル又はワイヤ
等に用いられる。銅線は、伸線機により連続的に伸線す
ることにより得られることが典型的である。しかし、伸
線工程における異物の混入や欠陥の発生、若しくは表面
汚染や表面のきずの形成が、線条体の品質の低下や生産
性の低下につながるおそれがある。例えば、銅線に不純
物としての鉄が含まれると、散乱体となって電気伝導性
の劣化の原因になる。そこで、そのような品質及び生産
性の低下を防止するため、予め荒引きされた銅線を、伸
線機により伸線する前に電界研磨することが、特公昭6
1−28758号公報や特公昭61−58929号公報
に開示されている。
【0003】また、電解研磨された銅線の導体表面に付
着した鉄等付着物が除去されて銅線が一定の品質を有し
ているか否かを、銅線が伸線機により伸線される前に検
査することが望ましい。この検査としては、鉄が磁性を
有していることが多いので、特開平7−190991号
公報、特開平7−181166号公報及び特開平7−1
46277号公報に開示されているように、磁気的に非
破壊で検査する方法を用いることができる。特に、特開
平7−146277号公報では、検出精度の向上を図る
べく、磁界検出のために超電導量子干渉素子(Supercond
ucting QuantumInterference Device;以下「SQUI
D」という)を用いる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に、銅線の磁気的な非破壊検査を伸線工程中に行う場
合、バックグラウンドの磁界が誤差として現れるおそれ
がある。特に、SQUIDを用いる場合には、磁界検出
の検出精度が高いため、鉄の存在を示す信号が磁界のバ
ックグラウンド信号に埋もれてしまい、そこから所望の
信号を取り出すことが困難である。
【0005】そこで、本発明は、銅線等の線条体やその
他の導体から発する磁気的な信号を、精度よく検出する
ことができる導体非破壊検査用装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、電解研磨
された銅線に鉄が含まれているか否かを、伸線工程中の
銅線の送り経路に沿う所定の検査領域に隣接して配置さ
れるSQUIDのような磁界検出手段を用いて検査する
とき、検査領域に位置する銅線の検査部分に電流が流れ
ることを見出した。そして、この電流は、長尺の銅線の
周囲に磁界を誘起し、磁気的測定のバックグラウンドと
して大きな影響を及ぼすことが確認された。そこで、本
発明者等は、この点を考慮して次のような発明を創案す
るに至ったのである。
【0007】すなわち、本発明は、導体を磁気的に検査
するための導体非破壊検査用装置において、所定の検査
領域における磁界を検出する磁界検出手段と、検査領域
に置かれた導体の検査部分に、電流が流れることを阻止
する電流阻止手段とを備えることを特徴としている。こ
のような構成では、導体の検査部分に電流が流れること
が阻止されるので、検査領域にはこの電流に起因して誘
起される磁界の発生が防止され、バックグラウンドの磁
界が低減される。
【0008】また、本発明の導体非破壊検査用装置が、
導体を繰り出す繰り出し部と、導体を巻き取る巻き取り
部とを有し、検査領域を繰り出し部から巻き取り部まで
送られる導体の送り経路の一部を含むものとすることが
好適である。この場合、導体の磁気的な検査を連続的に
行うことができる。
【0009】電流阻止手段としては、検査領域の外部で
導体に電気的に接続されて導体を接地する導電部材を備
えるものが好ましい。この導電部材は、導体の検査部分
に向かう電流を大地に流し、当該検査部分への通電を阻
止することができるからである。
【0010】また、本発明の導体非破壊検査用装置が、
繰り出し部と巻き取り部との間に配置され、送り経路に
沿って送られる導体の電解研磨を行う電解研磨部を含む
とき、電流阻止手段として、磁界検出手段と電解研磨部
との間で、導体に電気的に接続されて導体を接地する導
電部材を備えるものが好適である。電解研磨部から部分
的に導体の検査部分に流れる電流を好適に阻止すること
ができるからである。
【0011】さらに、本発明者等は、コイル状になった
長尺の導体を巻き解いて繰り出す繰り出し部と、当該導
体を巻き取る巻き取り部とを有している場合には、コイ
ル状に巻かれた導体がアンテナとして機能していること
を見出した。すなわち、繰り出し部又は巻き取り部が、
電波やその他電磁波ノイズを含む電磁波を受け取って導
体の検査部分に電流が流れることが見出された。このよ
うな電流も、バックグラウンドとして磁気的検査に大き
な影響を及ぼす。
【0012】そこで、本発明は、電流阻止手段として、
繰り出し部を電磁気的に遮蔽する第1の電磁シールド、
又は、巻き取り部を電磁気的に遮蔽する第2の電磁シー
ルドを備えることを特徴としてもよい。このような構成
では、第1の電磁シールド又は第2の電磁シールドによ
り導体が電磁波を受け取ることが防止され、検査部分に
向かう電流の流れを阻止することができる。
【0013】また、この導体非破壊検査用装置は、磁界
検出手段に対する環境磁界の影響をさらに抑制するた
め、磁界検出手段を電磁気的に遮蔽する第3の電磁シー
ルドを有することを特徴としてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同
一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0015】図1は、本発明の導体非破壊検査用装置の
第1実施形態を概略的に示す構成図である。図1によれ
ば、荒引きされた銅線Wの冷間引抜を行う伸線設備10
に、銅線Wの磁気的な検査を連続的に行うことができる
導体非破壊検査用装置12が設けられ、かかる検査の迅
速化・効率化を図っている。図示の伸線設備10では、
繰り出しリール(繰り出し部)14と巻き取りリール
(巻き取り部)16が所定の間隔をあけて配置され、繰
り出しリール14から繰り出される銅線Wを、送りロー
ラ間18a,18bの送り経路に沿って送り、巻き取り
リール16により巻き取ることができる。
【0016】送りローラ間18a,18bには伸線機2
0が設けられており、繰り出しリール14から繰り出さ
れた銅線Wの伸線加工が、送り経路に沿って連続的に行
われる。この伸線機20にはダイス22,24が設けら
れている。ダイス24の穴の径はダイス22の径よりも
わずかに小さくされており、銅線Wをダイス22,24
の穴に通すことにより所定の太さに引き延ばすことがで
きるようになっている。
【0017】繰り出しリール14と伸線機20との間に
は、銅線Wの送り方向上流側から順に電解研磨槽26と
水洗槽28が設けられている。電解研磨槽26は、銅線
Wの表面に付着した鉄粉等の表面異物の除去と、導体た
る銅線Wの軟化を図るために、銅線Wの電解研磨をする
ためのものであって、その内部には電解液30が溜めら
れている。銅線Wは連続的に電解研磨されるよう、電解
研磨槽26を貫通して電解液30と接しており、また、
電解液30内部には、ステンレス鋼からなる電極板32
が配置されている。銅線W及び電極板32は、電気リー
ド34a,34bを介して直流電源36に接続されてい
る。なお、符号38は銅線Wに給電するための治具であ
る。水洗槽28内には、銅線Wに付着した電解液30を
洗浄する水40が入っている。また、銅線Wは水洗槽2
8を貫通することで、連続的な水洗処理が可能となる。
【0018】伸線設備10に設けられた本実施形態の導
体非破壊検査用装置12は、伸線機20と電解研磨槽2
6との間に設けられている。より詳細に述べると、伸線
機20と水洗槽28との間の送り経路に沿う適当な領域
を検査領域42としており、この検査領域42に隣接し
て磁界検出手段たるSQUID44が、液体窒素のよう
な低温液体46の入っているデュワー瓶48内で低温に
維持されて配置されている。SQUIDは、検査領域4
2に形成される磁界を検出して電気的な信号に変換する
磁気センサであって、ジョセフソン接合と称される弱結
合を有する超電導体で構成されており、超電導状態にお
いて磁界が量子化される巨視的な量子力学的効果を有
し、この効果を利用して磁界を高精度に測定することが
できるように構成されている。したがって、検査領域4
2内に磁界が形成され或いは検査領域42内の磁界が変
化すると、この磁界変化をSQUID44で検出するこ
とができるようになる。
【0019】SQUID44には、その検出結果を処理
して銅線の検査を行うために、マイクロコンピュータの
ような処理装置50が接続されている。図示の処理装置
50は、SQUID44を駆動するためのSQUID駆
動回路52と、SQUID駆動回路52からのアナログ
信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ54
と、A/Dコンバータ54からのディジタル信号を受け
所定の処理を行う中央処理演算装置(CPU)56と、
CPU56による検査結果を表示するディスプレイ等の
表示装置58を備えている。また、検査結果を記憶して
おくために、CPU56には記憶装置60が接続されて
いることが好ましい。
【0020】水洗槽28とSQUID44との間には磁
石62が設けられ、SQUID44により検査されるべ
き鉄粉等の被検査物の磁化を所定の方向に揃えて、検出
感度の向上を図っている。しかし、このときの磁石62
により形成される磁界や空間に存在する電磁波のような
環境磁界が、SQUID44に影響を与えるおそれがあ
る。そこで、このような影響を抑制するため、検査領域
42及びSQUID44を、アルミニウムやパーマロイ
等の電磁シールド材からなる筒状の電磁シールド容器6
4が覆って、特定の範囲の周波数についての電磁気的な
遮蔽を行っている。例えば、電磁シールド材がアルミニ
ウムの場合、周波数が数kHz〜数十GHzについての
電磁気的な遮蔽を行うことができる。また、電磁シール
ド材がパーマロイの場合は、周波数が0(直流)〜数k
Hzについての電磁気的な遮蔽を行うことができる。
【0021】さらに、本実施形態の導体非破壊検査用装
置12では、水洗槽28を挟んで銅線Wの上流側及び下
流側に、不純物を含む導電性の合成ダイヤモンドからな
るダイス66a,66bが、それぞれ、電気リード68
a,68bにより電気的に接地されて設けられている。
これらダイス66a,66bは、伸線機20での伸線加
工の前処理として、銅線Wを予め伸線加工するためのも
のである。
【0022】このような構成では、繰り出しリール14
及び巻き取りリール16が回転駆動して、電解研磨後に
銅線Wの磁気的な検査が連続的に行われる。このとき、
直流電源36に銅線Wが接続されているために、電解研
磨が行われる銅線Wと電極板32との間の他に、電解研
磨槽32の下流側に向かって電流が部分的に流れる。そ
の結果、検査領域42に位置する銅線Wの検査部分70
に電流が流れようとするが、本実施形態では、ダイス6
6a,66bがSQUID44の上流側において、それ
ぞれ、電気リード68a,68bを介して銅線を接地し
ているので、電流を大地に流し、銅線Wの検査部分70
に流れる電流を阻止することができる。
【0023】このように、ダイス66a,66b及び電
気リード68a,68bが電流阻止手段の1つである導
電部材として機能した結果、検査部分70を取り囲む検
査領域42には、検査部分70に流れる電流に起因して
誘起される磁界の発生が防止され、バックグラウンドの
磁界が低減される。バックグラウンドの磁界が低減され
ると、S/N比が向上する。別言すれば、SQUID
は、銅線中の鉄等の磁性体により生成される磁界のみを
検出することが可能となり、微量な検出が可能となる。
したがって、銅線のような線条体の品質管理の質が向上
するようになる。
【0024】なお、銅線の接地により電流を阻止する態
様は、第1実施形態に限定されない。図2に示されるよ
うに、水洗槽28とSQUID44との間に、銅線Wを
下流側に送る導電性のキャプスタン72が、図1のダイ
ス66a,66bの代わりの導電部材として、電気リー
ド74を介して大地に接続された状態で設けられてもよ
い。
【0025】図3は、本発明の導体非破壊検査用装置の
第2実施形態を概略的に示す構成図である。図示の導体
非破壊検査用装置80は、繰り出しリール14から巻き
解かれて繰り出されたコイル状の銅線Wが送り経路に沿
って進み、巻き取りリール16によって巻き取られると
き、銅線Wの磁気的な検査を連続的に行うことができる
型式のものである。この型式では、送りローラ間18
a,18bの送り経路に沿う適当な領域を検査領域42
としており、この検査領域42に隣接してSQUID4
4が、低温液体46の入っているデュワー瓶82内で低
温に維持されて配置されている。
【0026】また、SQUID44の被検査物の感度向
上の観点から、第1実施形態と同様に、繰り出しリール
14とSQUID44との間には磁石62が設けられ、
被検査物の磁化を揃えるようにしている。しかし、この
時の磁石622より形成される磁界や空間に存在する電
磁波のような環境磁界が、SQUID44に影響を与え
るおそれがある。そこで、このような影響を抑制するた
め、検査領域42及びSQUID44を、第1実施形態
で述べた電磁シールド材からなる筒状の電磁シールド容
器64が覆って、それらの電磁気的な遮蔽を行ってい
る。
【0027】このような構成では、銅線Wが繰り出しリ
ール14及び巻き取りリール16によりコイル状に巻か
れているため、かかる部分がアンテナとして機能する。
その結果、コイル状の銅線Wが、空間に存在する電磁波
のような環境磁界を受け取り、検査領域42に置かれた
銅線Wの検査部分70に電流が流れるおそれがある。そ
こで、本実施形態では、繰り出しリール14及び巻き取
りリール16を、上述の電磁シールド材からなる筒状の
電磁シールド容器84a,84b(第1のシールド、第
2シールド)が収容し、電磁気的な遮蔽を行っている。
その結果、コイル状に巻かれた銅線Wがアンテナとして
機能するのが抑えられ、電磁シールド容器84a,84
bが電流阻止手段として機能するようになる。したがっ
て、検査部分70を取り囲む検査領域42には、検査部
分70に流れる電流に起因して誘起される磁界の発生が
防止され、バックグラウンドの磁界が低減される。
【0028】また、本実施形態では、電磁シールド容器
64,84a,84bによって十分に遮蔽をしえなかっ
た環境磁界について低減を図るため、デュワー瓶82の
外面(第3のシールド)には、上述の電磁シールド材が
含まれている。その結果、SQUID44に及ぼす環境
磁界の影響がさらに低減され、SQUID44は、銅線
W中の磁性体のみを容易に且つ精度よく検出することが
できるようになる。
【0029】以上、好適な実施形態にしたがって本発明
の導体非破壊検査用装置を説明したが、本発明はこれら
に限定されるものではない。電気リードを介して接地さ
れるダイス及びキャプスタンの位置は、線条体の検査部
分に流れる電流を阻止するところであれば、上記に限定
されず、例えば電解研磨槽の上流側及び下流側等でもよ
い。また、それらが設置される数量も、線条体の検査部
分に流れる電流を阻止することができるのであれば、上
記に限定されない。
【0030】また、上記各実施形態では、電磁シールド
容器がいずれも接地されていないけれども、電磁シール
ド容器は接地されてもよい。導体非破壊検査用装置に近
接して比較的強い電磁波発生源や比較的大きな電力を消
費する装置がある場合には、接地箇所を通して当該検査
用装置に影響を与えるからである。
【0031】また、線条体は上述したような銅からなる
ものに限定されず、アルミニウムからなるものでもよ
い。また、線条体が、鉄線等のように、磁性を有してい
てもよい。この場合には、鉄線表面上に形成された漏れ
磁束を検出することにより、欠陥等の有無の非破壊検査
をすることもできる。
【0032】さらに、導体非破壊検査用装置の検査対象
物である導体を、銅線のような線条体に限って説明をし
たが、このように限定しなくても本発明の範囲を逸脱し
ない。
【0033】なお、銅線のような導体の検査部分に流れ
る電流を多重阻止する観点から、第1実施形態及びその
変形例で述べたダイス及びキャプスタンと、第2実施形
態で述べた容器とを組み合わせることも有効である。
【0034】また、第1実施形態の電解研磨槽がない場
合、何らかの原因で導体の検査部分に電流が流れるとき
でも、導電部材により検査部分に電流が流れることが阻
止されることは当業者ならば容易に想到することができ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の導体非破壊検査用装置によれ
ば、所定の検査領域に位置する導体の検査部分に流れる
電流が、電流阻止手段によって阻止されるので、この電
流に起因する磁界が検査部分の周囲にバックグラウンド
として誘起されることはない。したがって、S/N比が
向上し、導体の検査部分上に形成された磁界を、磁界検
出手段により精度よく検出することができる。この結
果、導体の品質管理の質が向上するようになる。
【0036】また、本発明の導体非破壊検査装置が、導
体を繰り出す繰り出し部と、導体を巻き取る巻き取り部
とを有し、検査領域が繰り出し部から巻き取り部まで送
られる送り経路の一部を含む場合は、導体の磁気的検査
を連続的に行うことができる。その結果、かかる検査の
迅速化・効率化を図ることができる。
【0037】検査部分への通電を好適に阻止することが
できる電流阻止手段の一つである導電部材は、導体の検
査部分に向かう電流を大地に流すことができる。したが
って、導体の検査部分上に形成された磁界を磁界検出手
段により精度よく容易に検出することができ、導体の品
質管理の質が向上する。
【0038】また、繰り出し部から繰り出される導体が
巻き取り部で巻き取られるまでに電解研磨の処理がなさ
れる場合、本発明の導体非破壊検査装置が、磁界検出手
段と電解研磨部との間に導電部材を備えるとき、電解研
磨の処理時に導体の検査部分に電流が流れるのが容易に
阻止され、検査への影響が低減される。
【0039】また、繰り出し部又は巻き取り部において
コイル状になっている導体が、特定の周波数領域につい
て電磁気的に遮蔽されていれば、その部分がその領域で
環境磁界を受け取ることが抑制される。したがって、磁
界検出手段は、導体中の磁性体のみを精度よく検出する
ことができるようになる。
【0040】また、磁界検出手段に対する環境磁界の影
響をさらに低減させるため、磁界検出手段が特定の周波
数領域について電磁気的に遮蔽されているのがよい。そ
の結果、磁界検出手段が、場合によっては、特定の帯域
の周波数を有する磁界のみを実質的に検出することもで
きるようになり、所望の信号のみを容易に取り出すこと
ができ、導体の品質管理の質がさらに向上するようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導体非破壊検査用装置の第1実施形態
を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の導体非破壊検査用装置の第1実施形態
の変形例を概略的に示す構成図である。
【図3】本発明の導体非破壊検査用装置の第2実施形態
を概略的に示す構成図である。
【符号の説明】
W…銅線、10…伸線設備、12,80…導体非破壊検
査用装置、14…繰り出しリール、16…巻き取りリー
ル、18a,18b…送りローラ、20…伸線機、2
2,24…ダイス、26…電解研磨槽、28…水洗槽、
30…電解液、32…電極板、34a,34b,68
a,68b,74…電気リード、36…直流電源、38
…治具、40…水、42…検査領域、44…SQUI
D、46…低温液体、48,82…デュワー瓶、50…
処理装置、52…SQUID駆動回路、54…A/Dコ
ンバータ、56…CPU、58…表示装置、60…記憶
装置、62…磁石、64,84a,84b…電磁シール
ド容器、66a,66b…ダイス、68a,68b,7
4…電気リード、70…検査部分、72…キャプスタ
ン。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体を磁気的に検査するための導体非破
    壊検査用装置において、 所定の検査領域における磁界を検出する磁界検出手段
    と、 前記検査領域に置かれた前記導体の検査部分に、電流が
    流れることを阻止する電流阻止手段と、を備えることを
    特徴とする導体非破壊検査用装置。
  2. 【請求項2】 前記導体を繰り出す繰り出し部と、 前記導体を巻き取る巻き取り部と、を有し、 前記検査領域が、前記繰り出し部から前記巻き取り部ま
    で送られる前記導体の送り経路の一部を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の導体非破壊検査用装置。
  3. 【請求項3】 前記電流阻止手段が、前記検査領域の外
    部で前記導体に電気的に接続されて前記導体を接地する
    導電部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の導体非破壊検査用装置。
  4. 【請求項4】 前記繰り出し部と前記巻き取り部との間
    に配置され、前記送り経路に沿って送られる前記導体の
    電解研磨を行う電解研磨部を含み、 前記電流阻止手段が、前記磁界検出手段と前記電解研磨
    部との間で、前記導体に電気的に接続されて前記導体を
    接地する導電部材を備えることを特徴とする請求項2に
    記載の導体非破壊検査用装置。
  5. 【請求項5】 前記電流阻止手段が、前記繰り出し部を
    電磁気的に遮蔽する第1の電磁シールドを備えることを
    特徴とする請求項2又は4に記載の導体非破壊検査用装
    置。
  6. 【請求項6】 前記電流阻止手段が、前記巻き取り部を
    電磁気的に遮蔽する第2の電磁シールドを備えることを
    特徴とする請求項2,4又は5に記載の導体非破壊検査
    用装置。
  7. 【請求項7】 前記磁界検出手段を、電磁気的に遮蔽す
    る第3の電磁シールドを有することを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の導体非破壊検査用装置。
JP18401497A 1997-07-09 1997-07-09 導体非破壊検査用装置 Pending JPH1130607A (ja)

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