JP2008274406A - スポンジチタン選別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 チタンインゴット中の不純物濃度を下げる。特に鉄濃度を下げる。
【解決手段】 クロール法にて製造されたスポンジチタン塊の中心部から採取したスポンジチタン1に対して、磁気センサ3により残留磁気を検知する。検知された磁気レベルがしきい値より高いものを不合格品として除外し、他を合格品として真空溶解に供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体用の配線材料等として使用される高純度チタンインゴットを製造するのに有効なスポンジチタン選別方法に関する。
従来より、金属チタンインゴットは、クロール法によりスポンジチタンを製造し、これを溶解原料粒へ加工した後、不活性雰囲気中で溶解することにより製造される。半導体用の配線材料等に使用されるチタンインゴットの場合、何よりも不純物の少ないことが求められる。このため、この高純度チタンインゴットの製造原料として使用されるスポンジチタンの製造工程においても、各工程で次のような各種対策が講じられている。
クロール法によるスポンジチタンの製造では、まず反応容器内の溶融MgにTiCl4 を滴下しMgにて還元することにより、スポンジチタン塊が製造される。次いで、スポンジチタン塊中の残留溶融物が真空分離により除去される。高純度化対策の一つは、反応容器の内面を鉄にしてスポンジチタン塊のCr、Ni等による重金属汚染を防止することである。
二つ目は、製造されたスポンジチタン塊から、特に不純物汚染が少ない中心部を採取して使用する中心採りである。スポンジチタン塊の中心採り技術は、例えば特許文献1に詳しく説明されている。採取された中心部は、他の部分から区別して、切断により細粒化され、高純度のスポンジチタン粒とされる。得られたスポンジチタン粒は、押し固めてコンパクトとされ、更にこれを溶接で繋いで真空溶解用の棒状の消耗電極とされる。
特開平9−111361号公報
このような工夫の積み重ねにより、O2 やFe、Ni、Crなどの不純物濃度は非常に低く抑えられるようになった。しかしながら、半導体用の配線材料に要求される純度に関しては、今もなお厳しさが増しており、これに応えるために、これまでとは別の観点からの新しい高純度化対策が必要とされ始めた。このような状況下で提案された対策の一つが、本出願人から特許文献2により提示された、スポンジチタン粒表面に付着する金属微粉の除去である。これの思想的背景は以下のとおりである。
特開2005−97674号公報
クロール法での還元反応工程に続く真空分離工程では、1000℃以上の加熱で溶融物(溶融Mg及びMgCl2 )は蒸気となって分離除去される。しかし、溶融物中に混入している「鉄」は蒸気とならず、除去されずにスポンジチタンの表面に残る。真空分離時の加熱温度はチタンと鉄の共晶点より低いので、残留した鉄はスポンジチタンとは反応せず、鉄粉のような状態でスポンジチタンの表面に付着する。
一方、スポンジチタンは多孔質体である。このため、還元反応が進行している間は、溶融物が多孔質体の空隙に満たされており、真空分離工程で溶融物が除去された後も、微量がその空隙の内面に金属不純物として付着残存する。そして、真空分離後にスポンジチタン塊を破砕することにより、金属不純物がスポンジチタン粒の表面に付着する形で露出する。そして、その金属不純物はスポンジチタン粒の表面に付着しているだけであるで、攪拌、振動といった物理的な刺激を与えるだけで比較的容易に脱離する。このようにして金属不純物を分離した後のスポンジチタン粒から製造したチタンインゴットの鉄濃度を測定したところ、明らかな鉄濃度の低下が確認された。
これが、特許文献2により提案された高純度化対策の骨子であり、スポンジチタン塊から破砕により得られたスポンジチタン粒を攪拌したり振動させることにより、粒表面に付着する微粉を除去し、チタンインゴットの主に鉄濃度の低下を図る。
この微粉除去対策によると、そのスポンジチタン粒から製造されるチタンインゴットの鉄濃度を確実に下げることができる。現在、出願人は、最高純度のチタンインゴットに使用されるスポンジチタン粒の全量に対して微粉分離対策を施している。すなわち、最高純度品は、微粉分離対策を受けたスポンジチタン粒のみから溶製されている。しかしながら、微粉分離対策による鉄濃度低下の効果は、全てのスポンジチタン粒が対策を受けていることから考えると、期待されるほど大きくはない。
別の高純度化対策として、スポンジチタンを酸によるリーチングで処理して、多孔質体であるスポンジチタンの内部表面に残留する金属不純物を溶解除去する技術は、特許文献3に記載されている。この対策はNiなどの重金属の除去には効果的である。しかし、その一方で酸素濃度を高めるという欠点があり、結果として採用が困難である。
特開2004−169139号公報
すなわち、スポンジチタンの内部表面にはNiなどの重金属と共に、金属Mg及び副生物であるMgCl2 が残留している。スポンジチタンの内部表面に残留する金属Mg及びMgCl2 は、酸によるリーチングの際にMgの水酸化物となる。この水酸化物は水に殆ど溶けず、その後の乾燥時にMgOとなってスポンジチタン中に残留する。そして、このMgOは、その酸素が真空溶解時にチタン中に取り込まれるため、チタンインゴットの酸素濃度を高める原因になるのである。
本発明の目的は、スポンジチタン粒から製造されるチタンインゴットの鉄濃度を、酸素濃度の上昇といった二次的な弊害を伴うことなく、効果的に低下させることにある。
上記目的を達成するために、本発明者は金属微粉が付着するスポンジチタン粒の分布に着目した。すなわち、特許文献2では、スポンジチタン塊の空隙に残留する不純物はスポンジチタン塊中に均一に分布し、その結果、金属微粉もスポンジチタン粒の全てに均等に付着するとの観点から、最高純度品に使用するスポンジチタン粒の全てに微粉分離対策が施されている。しかし、その効果は期待されるより小さい。この原因として、本発明者はスポンジチタン塊における鉄分の偏在を考えた。
すなわち、クロール法によるスポンジチタンの製造、特にその還元工程においては、還元反応終了後に、反応容器内の溶融物(溶融Mg、副生MgCl4 )の抜き出しを行ってから、真空分離工程へ移行するが、特許文献4の記載にもあるように、溶融物の抜き出し操作終了後も、その溶融物は容器内のスポンジチタン塊中を垂れ落ち、流下するほどに、相当量残留している。
特開2001−181751号公報
一方、反応容器内に生成されたスポンジチタン塊は、極めて不均一な多孔質体であるため、形状、空隙率、気孔径などが部位によって大きく異なる。このため、溶融物の流下過程で、部位による表面張力の差による溶融物の偏在が避けられない。また、部位によっては溶融物が流下せずに滞留することも考えられる。このような状態で真空分離が開始され進行すると、溶融物中の不純物もスポンジチタン塊中に偏って残留することになる。
また、本発明者は、真空分離後もスポンジチタン塊の内部に残留する不純物、特に鉄分の実態について検討したことろ、酸化鉄のような非磁性体ではなく、磁性体である金属鉄として存在する可能性が大であることを突き止めた。
スポンジチタン中に残留する鉄分が磁性体であるならば、その鉄分は多かれ少なかれ磁気を帯びている。この残留磁気のレベルは極めて微弱であり、検出は容易でないが、前述したようにその鉄分が偏在して特定箇所に集中して存在するならば、その磁気レベルも検出可能なレベルまで上昇している可能性がある。ちなみに、スポンジチタンは金属チタンなので非磁性体である。
このような事前検討結果をもとに、本発明者は予備実験として、複数個のスポンジチタン粒に対して磁気センサにより残留磁気の検査を行った。その結果、殆どのスポンジチタン粒からは磁気を検知することができなかったが、稀に磁気を検知できるスポンジチタン粒が存在することを突き止めた。
スポンジチタン粒の内部に磁気を帯びた、すなわち磁性を有する金属微粉が残留していることを突き止めた本発明者は、特許文献1に記載の振動・攪拌による金属微粉除去処理を実施した後のスポンジチタン粒に対して、強力な永久磁石ローラを使用する磁気選別を実施した。しかし、その永久磁石ローラに吸着されるスポンジチタン粒は皆無であった。スポンジチタン粒の内部に残留する金属微粉は、磁気吸着による磁気選別(いわゆる磁選)では分離不能なほどに微量であり、かつスポンジチタン粒としての磁性度は低いためと考えられる。
また、前述の強力な永久磁石ローラを使用する磁気選別では、磁力で吸着除去される金属粉末なども観察されなかった。これは、スポンジチタン粒の表面に付着していた金属微粉が、振動・攪拌による微粉除去処理で既に分離除去されていたためと考えられる。換言すれば、振動・攪拌による微粉除去処理では、スポンジチタン粒の内部に残留する金属微粉は十分に除去されないということである。
これらの解明事項から、本発明者は次のような総合的な判断を下した。スポンジチタン粒に対して磁気センサによる磁気検査を行えば、主に鉄分からなる金属微粉を高濃度に含むスポンジチタン粒を非破壊検査にて検出できる。磁気検査に反応したものを不良品として除外して使用しない方が、全てのスポンジチタン粒を微粉除去操作して使用するよりも、結果的に製品の鉄濃度を低減できる可能性がある。微粉除去操作後のスポンジチタン粒に磁気検査を実施して不良品を除外すれば、鉄濃度の更なる低下を期待できる。このような予想のもとで種々の実験を行ったところ、磁気検査により、合格品と不合格品を分け、不合格品を除外して合格品のみ使用する選別使用の有効性を確認できた。
また、磁気検査により不合格品を除外しても、その除外率はそれほど高くなく、インゴット製品の純度向上のメリットと比べれば、不合格品の除外による歩留り低下は致命的な障害にならない。すなわち、不合格品を除外すれば、その時点での歩留りは下がるが、製品インゴットの合格確率が大幅に向上するため、高純度チタンインゴットの最終歩留りは向上する。また、不合格品といえども、スポンジチタン塊の中心部から採取した高純度品であるので、O2 やNi、Crなどの不純物濃度は非常に低く、展伸材用としては十分な品質であるので、使用可能である。このことも、不合格品の除外に伴う歩留り低下を補うことになる。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、スポンジチタンの残留磁気を検知し、検知した磁気レベルによって合否判定を行い、不合格品を除外するスポンジチタン選別方法を要旨とする。
本発明のスポンジチタン選別方法においては、スポンジチタンの残留磁気強度を測定する磁気検査により、磁気を強く帯びたスポンジチタンを検出する。その結果、高Fe分の金属微粉を伴うスポンジチタンを検出できる。また異物として混入した微細な鉄片等も検出できる。これらを排除して使用することにより、製品であるチタンインゴットの鉄濃度を顕著に低下させることができる。また、前述したとおり、不合格品といえども、スポンジチタン塊の中心部から採取した高純度品であるので、O2 やNi、Crなどの不純物濃度は非常に低く、展伸材用として使用可能である。このような磁気検査選別が、磁石による吸着を用いた磁気選別とは全く別のものであることは前述したとおりである。
本発明のスポンジチタン選別方法は、実施容易とはいえ、選別の手間を伴う。このため、高純度チタンインゴットの製造に使用される高純度スポンジチタンに対して適用するのが採算上、効果的であり、具体的には、クロール法で製造されたスポンジチタン塊の中心部から採取された高純度スポンジチタンであって、合格品が不活性雰囲気で溶解されて高純度チタンインゴットとされるための溶解原料とされるスポンジチタンに実施するのが有効である。
本発明のスポンジチタン選別方法における磁気検査は、切断による細粒化後のスポンジチタン粒に対して行うのが一般的であるが、これを更に細かくしたスポンジチタン粉や、スポンジチタン粒を押し固めて作製したコンパクト等に対して行ってもよく、その形態、工程を問うものではない。この磁気検査は又、所定量ずつ測定を行うバッチ方式でもよいし、スポンジチタン又はセンサ若しくはその両方を移動させながら検査を行う連続方式でもよい。この磁気検査は、測定感度を上げるためには出来るだけ少量ずつ実施するのがよいが、余りに測定単位を少なくすると効率低下が問題となる。
本発明のスポンジチタン選別方法における磁気検査では、合否判定を行うための磁気レベルが重要である。このしきい値を低く設定すると不合格品が増え、これを除外することによる歩留り低下が問題になる。逆にこのしきい値を高く設定すると、不合格品は減るものの、スポンジチタン中に残留する鉄分が増え、品質向上の効果が十分に上がらないおそれがある。このようなことから、このしきい値は、不合格品除外率で表して0.5〜10%となるように設定するのが好ましい。
合否判定を行うための磁気レベルは、磁性検査に使用する磁気センサの種類の影響も受ける。高感度センサはしきい値を低くできるが、感度の低いセンサではしきい値を低くすることができない。この点から、磁性検査に使用する磁気センサとしては、超高感度磁気センサであるSQUID(Superconduction Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)磁気センサが好ましい。
SQUID磁気センサはジョセフィン結合と超伝導インダクタンスを結合したもので、この場合に観測される磁束の量子化と呼ばれる量子効果を利用することにより、磁気レベルを電圧変化として検出する。高価であるが、感度が非常に高いので(通常感度レンジ:10-7〜10-13 テスラ)、検査精度を高めることができるのみならず、検査単位量を少なくできる。スポンジチタン塊中の鉄分は、鉄系異物は別として、スポンジチタンの特定部位に比較的広く存在している。感度が低いと、スポンジチタン量を多くしないと検査可能レベルに達しないが、感度が高いと、スポンジチタン量が少なくても検査可能レベルに達する。このため、検査単位量を少なくでき(少量ずつの検査が可能で、スポンジチタンの粒塊や粒粉中の鉄分も検知でき)、鉄分検知に伴うスポンジチタンの除外量を少なくできる。
SQUID以外の磁気センサとしてはフラックスゲートセンサがあり、その使用も可能である。SQUIDを除けば、相当に高感度であり(通常感度レンジ:10-4〜10-10 テスラ)且つ比較的安価であるが、検査単位量が少ない場合(例えば、スポンジチタン粒単位の検査の場合)、比較的大きな鉄系異物が混入している場合を除き、検知困難である。このため、検査精度を上げるためには、検査単位量を多くする必要があり(例えば塊や粒、粉をコンテナに入れて検査単位量を増やす必要があり)、その結果として、鉄分検知に伴うスポンジチタンの除外量が増加し、SQUIDによる検査と比べると歩留りが低下する。また歩留りを同程度とするならば、鉄分の除去率が低下する。
本発明のスポンジチタン選別方法は、スポンジチタンに磁気検査を行って、合否判定を行うことにより、鉄分が残留付着したスポンジチタンを効率的に選択排除でき、経済的損失を少なく抑制しつつ、チタンインゴットの鉄濃度を効果的に低下させることができる。また、酸素濃度の上昇といった二次汚染のごとき二次的な弊害を伴う危険性がない。したがって、金属チタンインゴットの高純度化に多大の効果を奏する。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のスポンジチタン選別方法を実施するのに適した一装置の構成図である。
本実施形態のスポンジチタン選別方法では、大割り後のスポンジチタン塊を切断し篩分けして得られた様々な大きさ、形状の粒状スポンジチタン1がコンベア2で搬送される。搬送ライン中にSQUID方式の磁気センサ3が設けられており、磁気センサ3内を搬送されるスポンジチタン1に対して残留磁気の強さを測定する。測定データは表示器を備える制御器4に送られる。コンベア2の下流側には選別機5が設けられている。
作業では、コンベア2で搬送される粒状のスポンジチタン1を磁気センサ3にて全個連続的に磁気検査する。制御器4は、検査で測定された磁気レベルが、しきい値を超えるスポンジチタン1を記憶しておき、そのスポンジチタン1がコンベア2から排出された時点で選別機5を制御して、そのスポンジチタン1を不合格品として排除する。他のスポンジチタン1は合格品とされ、コンパクト用の高純度スポンジチタンとされる。
このようにして、小割り、篩分け後の粒状のスポンジチタン1を全個磁気検査し、検査で測定された磁気レベルに応じて不合格品の排除、合格品の選出を行う。なお、不合格品を選別するための磁気レベル(しきい値)は、前述したとおり、不合格品の除外率が0.5〜10%となるように設定され、より詳しくは、磁気センサ3の機種ごとに反応レベルと鉄濃度との関係を予め調査しておき、その関係を考慮しつつ、除外率が0.5〜10%を満足する範囲内で設定される。
合格品として選出された粒状のスポンジチタン1がコンパクトに加工され、更に消耗電極式真空溶解法に供される棒状の消耗電極に加工され、その消耗電極を真空溶解することによりチタンインゴットが得られる。得られたチタンインゴットは、スポンジチタン塊の中心部から採取された高純度のスポンジチタンを原料としており、且つ、そのスポンジチタンのなかでも磁気測定により合格品として選出されたものだけを使用している。このため、このチタンインゴットはO2 、Fe、Ni、Crの全てが極低レベルに抑制された最高純度の製品となる。
磁気センサ3がSQUIDの場合、高感度であり、上述した全個検査のような少量単位の検査が可能であるので、インゴットの高品質を維持しながら、不良品の除外率を0.5〜5%程度まで下げることができる。
図2は本発明のスポンジチタン選別方法を実施するのに適した別の装置の構成図である。
本実施形態のスポンジチタン選別方法では、スポンジチタン塊から得られた小割り、篩分け後の粒状のスポンジチタン1が一定重量ずつ非磁性のコンテナ6に収容されてコンベア2で搬送される。搬送ラインの下方にフラックスゲートセンサからなる磁気センサ3が設けられており、その上を搬送されるコンテナ6内のスポンジチタン1に対して残留磁気の強さを測定する。測定データは表示器を備える制御器4に送られる。コンベア2の下流側には選別機5が設けられている。
作業では、所定重量ずつコンテナ6に収容されてコンベア2で搬送される粒状のスポンジチタン1を、磁気センサ3にてコンテナ6ごとに全量連続的に磁気検査する。制御器4は、検査で測定された磁気レベルが、しきい値を超えるスポンジチタン1をコンテナ6ごとに記憶しておき、そのスポンジチタン1がコンベア2から排出された時点で選別機5を制御して、そのスポンジチタン1を不合格品として排除する。他のスポンジチタン1は合格品とされ、次の篩分け工程に送られ、コンパクト用の高純度スポンジチタン粒とされる。
このようにして、小割り、篩分け後の粒状のスポンジチタン1を全量磁気検査し、検査で測定された磁気レベルに応じて不合格品の排除、合格品の選出を行う。不合格品を選別するための磁気レベル(しきい値)は、前述したとおり、不合格品の除外率が0.5〜10%となるように設定される。
本発明の有効性を以下の実験により確認した。表1は実験結果をまとめて示したものである。
Figure 2008274406
(実験1)
クロール法により、内面が鉄の反応容器を使用して高純度スポンジチタン塊を製造した。製造されたスポンジチタン塊を大割りし、周囲を切除して特に高純度の中心部を採取した。ここにおける中心部は、円柱状のスポンジチタン塊の底部から厚さが塊高さの15%以上の部分、頂部から厚さが塊高さの5%以上の部分、及び外周から厚さが塊半径の8%以上の部分を除去したものが好ましく、本実施例でもこの条件を満たす中心部を採取した。
スポンジチタン塊の中心部が採取されると、その中心部をプレス切断により小割りした。この段階でのスポンジチタン粒の大きさは概ね300mm以下である。本実験で使用する磁気センサがSQUIDであり、その被検査材の最大高さが80mmに制限されているためと、スポンジチタン粉末を除去するために、目開き60mmと20mmの篩で小割り後のスポンジチタン粒を篩分けした。
篩分け後の粒径が60〜20mmのスポンジチタン粒を磁気検査せず、全量をコンパクトにして消耗電極式真空溶解に供し、チタンイゴットを製造した。製造されたチタンインゴットのFe濃度は平均で6.0%であった。
(実験2)
篩分け後の粒径が60〜20mmのスポンジチタン粒を、ゴム製コンベアにより、SQUID磁気センサ内に順番に通過させ、磁気センサに反応したスポンジチタン粒を不合格品として排除した(図1参照)。センサ感度は、事前に全スポンジチタン粒をSQUID磁気センサで測定し、不合格品の除外率が重量%で5%となる値にセットした。
合格品のみ消耗電極式真空溶解に供し、チタンインゴットを製造した。製造されたチタンインゴットのFe濃度は平均で4.0ppmであった。一方、不合格品のみを溶解して得たチタンインゴットのFe濃度は平均で44.0ppmであった。検査での歩留りをそれほど下げずに製品インゴットのFe濃度を劇的に低下させることが可能なことを確認できた。
なお、表中の全原料の平均Fe濃度は、(不合格品の除外率×不合格品のFe濃度)+(合格率×合格品のFe濃度)により求めた計算値である。
(実験3) 実験2において、SQUID磁気センサの感度を、不合格品の除外率が重量%で10%となる値に上げた。合格品から製造されたチタンインゴットのFe濃度は平均で3.5ppmと更に低下した。一方、不合格品のみを溶解して得たチタンインゴットのFe濃度は平均で28.0ppmであった。歩留りは低下するが、超低Fe濃度の高純度チタンが必要な場合には有効な方法である。
(実験4)
磁気センサをフラックスゲートセンサに変更した。篩分け後の粒径が60〜20mmのスポンジチタン粒の個々の重量は概ね0.5〜0.02kgの範囲内である。磁気センサがフラックスゲートセンサの場合、SQUIDに比べて感度が低いために、そのスポンジチタン粒の個々の磁気検査は困難である。そこで、この篩分け後の粒径が60〜20mmの粒塊状スポンジチタンを樹脂製のコンテナに2kg±10%ずつ無作為に投入した。
ゴム製コンベアの真下に非磁性体であるチタン板を配置し、その真下にフラックスゲートセンサを上向きに配置した。コンベア上にコンテナを順番に並べ、等速移動させながらコンテナ毎に磁気検査を行った(図2参照)。センサ感度は、不合格品の除外率が重量%で10%となる値に設定した。合格したコンテナ内のスポンジチタンから消耗電極式真空溶解により製造したチタンインゴットの平均Fe濃度は5.0%であった。不合格品として除外されたコンテナ内のスポンジチタンから製造したチタンインゴットの平均Fe濃度は14.0%であった。
SQUIDを使用したスポンジチタン粒の個別検査を実施した場合と比べると、チタンインゴットのFe濃度は高いが、実験1の無検査の場合と比べるならば、チタンインゴットのFe濃度の低下は明らかであり、フラックスゲートセンサによる磁気検査も方法次第では有効である。何よりもフラックスゲートセンサはSQUIDと比べて安価である。
(実験5)
実験4において、小割り後のスポンジチタン粒を篩分け後、攪拌してスポンジチタン表面の鉄粉を分離し、その後に再び篩にかけてスポンジチタンから鉄粉を分離した後にコンテナ詰めした。攪拌は、チタンを内張りした小型ブレンダーにより50回転実施した。合格したコンテナ内のスポンジチタンから消耗電極式真空溶解により製造したチタンインゴットの平均Fe濃度は4.8%であった。不良品の除外率が実験4と同じであるにもかかわらず、チタンインゴットの平均Fe濃度は4.8%と、若干低下した。
篩分け、攪拌後の粒径が60〜20mmの粒状スポンジチタン全体の平均Fe濃度は5.6%となる。6.0%からの低下分が、攪拌による鉄分除去効果である。磁気選別によりこれが4.8%となったということは、小割り後のスポンジチタンの攪拌で除去できていなかった鉄分を、磁気選別で効果的に除去できたいうことである。また、攪拌を行わなかった実験4での製品インゴットのFe濃度が5.0%であったということは、攪拌と磁気選別の組合せが、製品チタンのFe濃度低下に有効であるということでもある。
実験4及び5ではスポンジチタン粒を2kg単位で磁気検査したが、これより少なくすれば歩留りは上がるが検査感度は下がり、多くすれば検査感度は上がるが歩留りは下がる。消耗電極式真空溶解に使用する消耗電極作製用コンパクト単位の検査も可能であるが、その重量は30〜110kgである。
本発明のスポンジチタン選別方法を実施するのに適した一装置の構成図である。 本発明のスポンジチタン選別方法を実施するのに適した別の装置の構成図である。
符号の説明
1 スポンジチタン
2 コンベア
3 磁気センサ
4 制御器
5 選別機
6 コンテナ

Claims (3)

  1. スポンジチタンの残留磁気を検知し、検知した磁気レベルによって合否判定を行い、不合格品を除外するスポンジチタン選別方法。
  2. 請求項1に記載のスポンジチタン選別方法において、前記スポンジチタンが、クロール法で製造されたスポンジチタン塊の中心部から採取された高純度スポンジチタンであり、合格品が不活性雰囲気で溶解されて高純度チタンインゴットとされるための溶解原料とされるスポンジチタン選別方法。
  3. 請求項1又は2に記載のスポンジチタン選別方法において、スポンジチタンの残留磁気を検知するセンサとしてSQUIDを用いるスポンジチタン選別方法。
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