JPH1130571A - 構造物の健全性判定装置 - Google Patents
構造物の健全性判定装置Info
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- JPH1130571A JPH1130571A JP18705697A JP18705697A JPH1130571A JP H1130571 A JPH1130571 A JP H1130571A JP 18705697 A JP18705697 A JP 18705697A JP 18705697 A JP18705697 A JP 18705697A JP H1130571 A JPH1130571 A JP H1130571A
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Abstract
器を用いて判定することができる構造物の健全性判定装
置を得ること。 【解決手段】 本発明は、構造物3と、構造物3の内部
に同図横方向に埋設され、かつその中央部が折曲げられ
た導電性線材からなるセンサ4と、該センサ4の抵抗値
をプローブ2a、2bを介して測定するテスタ1とを有
している。
Description
判定に用いられる構造物の健全性判定装置に関する。
荷重などによって被害を受け、時には倒壊する。このこ
とから、これらの荷重を当然考慮して構造物の設計が行
われるが、それにもかかわらず被害を受ける理由は、こ
れらの荷重がもつ発生過程の不規則性、発生時点、大き
さ、継続時間等が統計的に変動するためである。
コンクリート)に生じるひび割れの有無、ひいてはひび
割れの程度等のいわゆる健全性を検知すべくひび割れ幅
を計測するための手法としては、現在までのところ次の
ようなものが実用化されている。 目視によりひび割れの有無を観察しクラックスケール
を用いてひび割れ幅を読み取るもの。 接着型抵抗線ひずみゲージ(ワイヤーストレインゲー
ジ)を構造物の表面に接着するもの。 非接触型ひずみ計(カールソン型計器)を構造物の内
部に埋設しておくもの。 金属板に打ち込んだ鋼球を標点とする押当て式ひずみ
計(コンタクト式ひずみゲージ)を構造物の表面に接着
して用いるもの。 電気的変位計(πゲージ)を用いるもの。
来の手法は、実験室において構造物たるコンクリート試
験体に対してひび割れ試験を行う場合に適用し得るもの
の、実際に構築されている屋外の構造物のひび割れを長
期にわたってモニタリングする場合にそのまま適用する
ことは以下のような理由によりいずれも無理がある。 目視観察によるものは精度の点で難があり、特に構造
物の表面が汚れているような場合には、微細なひび割れ
を検知し難い。さらに、目視観察によるものは、次のよ
うな部分、場所の健全性を確認することができない。 (a)地下部分、仕上材、天井材、カバー(屋上におけ
る防水層やトンネルの覆工等)、機器配管類の陰になっ
ている部分、作業員が立ち入ることができない程狭い部
分。 (b)高所作業を伴い、かつ安全な作業足場を確保し難
い場所。 (c)水・海水に接している構造物や水中構造物。 (d)発電所設備等のような(超)高電圧設備機器が設
置されている場所。 (e)原子力施設や放射性廃棄物の処分場等のような放
射性物質を取り扱う施設。 (f)人体に有害な気体(ガス)または刺激臭(臭い)
が発生する場所。 (g)酸素欠乏状態になり易い場所。 (h)出来れば避けたい汚物、光、騒音、粉塵、振動等
がある場所。 (i)高温度、高湿度の場所。 接着型抵抗線ひずみゲージは耐久性に難がある。 非接触型ひずみ計は高価であるので測定箇所が限定さ
れる。 押当て式ひずみ計は構造物の表面に対する接着の手間
を要し、また鋼球が錆びるという懸念がある。 電気的変位計は屋外において使用する場合は耐久性に
難があり、実用的でない。 本発明はこのような背景の下になされたもので、実際に
施工された構造物の健全性を簡単な計器を用いて判定す
ることができる構造物の健全性判定装置を提供すること
を目的とする。
は、構造物と、前記構造物の内部に埋設され、所定値以
上の引っ張り力で破断する導電性材料から構成されたセ
ンサと、前記センサにおける少なくとも2点に各々接続
された複数の端子と、前記複数の端子のうち少なくとも
2つの端子間の抵抗値を測定する抵抗測定手段とを具備
することを特徴とする。また、請求項2に記載の発明
は、構造物と、前記構造物の表面に貼着され、所定値以
上の引っ張り力で破断する導電性材料から構成されたセ
ンサと、前記センサにおける少なくとも2点に各々接続
された複数の端子と、前記複数の端子のうち少なくとも
2つの端子間の抵抗値を測定する抵抗測定手段とを具備
することを特徴とする。また、請求項3に記載の発明
は、構造物と、筒形状の筒部材と該筒部材に充填された
導電性粉末と前記筒部材の両端面を各々塞ぐ2つの封止
部材とから構成され、前記構造物の内部に埋設されたセ
ンサと、前記2つの封止部材間に存在する前記導電性粉
末の抵抗値を測定する抵抗測定手段とを具備することを
特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、構造物
と、前記構造物の内部に埋設され、第1の値以上の引っ
張り力で破断する第1の導電性材から構成された第1の
センサと、前記第1のセンサにおける少なくとも2点に
各々接続された複数の第1の端子と、前記構造物の内部
に前記第1のセンサに対して近接配置されるように埋設
され、前記第1の値と異なる第2の値以上の引っ張り力
で破断する第2の導電性材料から構成された第2のセン
サと、前記第2のセンサにおける少なくとも2点に各々
接続された複数の第2の端子と、前記複数の第1の端子
のうち少なくとも2つの第1の端子間の第1の測定値を
測定する一方、前記複数の第2の端子のうち少なくとも
2つの第2の端子間の第2の抵抗値を測定する抵抗測定
手段とを具備することを特徴とする。また、請求項5に
記載の発明は、構造物と、前記構造物の内部に各々対向
するようにして埋設された第1および第2の電極から構
成されたセンサと、前記第1の電極と前記第2の電極と
の間に介在する前記構造物の抵抗値を測定する抵抗測定
手段とを具備することを特徴とする。また、請求項6に
記載の発明は、構造物と、前記構造物の外周面に巻回さ
れ、所定値以上の引っ張り力で破断する導電性材料から
構成されたセンサと、前記センサにおける少なくとも2
点に各々接続された複数の端子と、前記複数の端子のう
ち少なくとも2つの端子間の抵抗値を測定する抵抗測定
手段とを具備することを特徴とする。また、請求項7に
記載の発明は、内部に金属部材が埋設されてなる構造物
と、前記構造物の内部に埋設されかつその一端部が前記
金属部材の一端部に接続され、所定値以上の引っ張り力
で破断する導電性材料から構成されたセンサと、前記セ
ンサの他端部に接続された端子と、前記金属部材の他端
部と前記端子との間の、前記センサの抵抗値を測定する
抵抗測定手段とを具備することを特徴とする。
施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に
よる構造物の健全性判定装置の概略構成を示す図であ
る。この図において、1は、被測定対象物の直流抵抗ま
たはインピーダンスを測定するテスタであり、その端子
1aには、プローブ2aの一端が接続されており、その
端子1bには、プローブ2bの一端が接続されている。
また、テスタ1には、図示しない切り替えスイッチが設
けられており、この切り替えスイッチの切り替えによ
り、直流抵抗測定またはインピーダンス測定の選択が行
われる。ここで、上記インピーダンス測定により、セン
サ4のキャパシタンス成分およびインダクタンス成分が
測定される。
等の補強材を内部に有しないコンクリート構造物、上記
補強材を内部に有する鉄筋コンクリート構造物、柱、
梁、壁、筋交い、階段、基礎版、フーチング、基礎杭等
である。4は、構造物3の内部に同図横方向に埋設さ
れ、かつその中央部が折曲げられた導電性線材からなる
センサであり、その一端4aおよび一端4bが構造物3
の一側面より突出している。このセンサ4は、構造物3
の健全性を検知するものである。また、測定時におい
て、センサ4の一端4aには、プローブ2aの他端が当
接され、かつ一端4bには、プローブ2bの他端が当接
される。なお、この導電性線材4の具体的構成等の詳細
については後述する。
同図に示す矢印A方向に荷重が作用していないものとす
る。従って、この場合、構造物3の形状は、同図に2点
鎖線で示すものとされている。この状態において、作業
者は、テスタ1の切り替えスイッチを直流抵抗測定側に
切り替えた後、プローブ2aおよび2bの各他端を導電
性線材4の一端4aおよび4bに当接させる。これによ
り、テスタ1には、導電性線材4の直流抵抗値が表示さ
れ、今の場合、導電性線材4に損傷、断線等が生じてい
ないものとすると、上記直流抵抗値は、ほぼゼロであ
る。従って、作業員は、直流抵抗値がゼロであるため、
導電性線材4ひいては構造物3に損傷、亀裂等が発生し
ていないものと判定する。
3に対して同図に示す矢印A方向に荷重が加えられるこ
とにより、構造物3が2点鎖線で示す形状から実線で示
す形状に変形したものとする。この変形により、障害部
分Hにおいて、構造物3に亀裂、損傷等が生じたととも
に、導電性線材4が断線したものとする。ここで、上記
荷重としては、地震の他、風圧、雪荷重、氷荷重、土荷
重、水圧、波圧、潮圧、地盤の変形、温度等の自然荷
重、付加された死荷重や活荷重、衝撃、衝突、爆発、採
鉱や近接工事による沈下等の人為的荷重等が挙げられ
る。上述した状態において、上述した動作と同様にし
て、テスタ1により導電性線材4の直流抵抗値が測定さ
れると、該直流抵抗値は、無限大とされる。これによ
り、作業員は、導電性線材4に断線が発生しており、か
つ構造物3に損傷、亀裂等が発生しているものと判定す
る。
いて、障害箇所Hに水が浸透すると、センサ4の直流抵
抗値は、無限大から有限値へと変化する。この変化の状
況を長時間に亙ってモニタリングすることにより、障害
箇所Hに水が浸透していることが判定される。
イッチが直流抵抗値測定側からインピーダンス測定側に
切り替えられると、テスタ1からは、プローブ2aおよ
びプローブ2bを介してセンサ4へ交流信号が出力され
る。これにより、テスタ1には、センサ4のインピーダ
ンス、すなわちキャパシタンス成分およびインダクタン
ス成分が表示される。作業者は、上記インピーダンスの
変化をモニタリングすることにより、障害箇所Hにおけ
るセンサ4の損傷状況を把握する。このインピーダンス
測定法によるセンサ4の健全性の判定手法は、直流抵抗
値測定法による測定結果が不安定である場合に、特に有
効である。
構造物の健全性判定装置の別の概略構成を示す平面図で
あり、図2(b)は、図2(a)に示すA−A線視断面
図である。図2(a)および(b)において、図1の各
部に対応する部分には、同一の符号を付けその説明を省
略する。図2(a)および(b)においては、図1に示
す構造物3に代えて基礎杭5が設けられている。
構造部材であり、厚肉円筒形状とされている。この基礎
杭5の厚肉部分には、杭頭5aから杭先端部5bまでに
至って、略U字形状のセンサ4が埋設されている。すな
わち、センサ4は、その中央部が折曲げられており、か
つ一端4aおよび4bが互いに近接するようにして杭頭
5aより突出している。
定方法は、図1を参照して説明した構造物の健全性判定
装置と同様である。すなわち、図2(b)に示す基礎杭
5に荷重が作用すると、例えば、同図に示す障害部分H
において、基礎杭5に亀裂、損傷等が生じるとともに、
導電性線材4が断線する。この状態において、テスタ1
によりセンサ4の直流抵抗値が測定されると、該直流抵
抗値は、相当に大きな値なる。これにより、作業者は、
基礎杭5に亀裂、損傷等が発生したものと判定する。
健全性判定装置においては、センサ4として以下に列挙
するものが、使用目的等に応じて適宜用いられる。以
下、センサ4の具体的構成およびその配置方向について
図3〜図22を参照しつつ説明する。 (A)材料としてカーボン等の導電性の繊維・粉末を用
いたもの。 この種のセンサ4は、カーボン繊維を数100本以上
(具体的には、600本以上であって、かつ1000本
単位で1000本〜12000本程度)束ねてなるも
の、またはカーボン繊維をメッシュ・マット状に編組し
てなるものである。この種のセンサ4の破断伸びは、ピ
ッチ系カーボン繊維の場合、0.38〜2.2%程度で
ある。このようなセンサ4を用いた場合、構造物3の変
形により、カーボン繊維が損傷や破断することにより引
き起こされる直流抵抗値(インピーダンス)が変化す
る。
に作用する荷重の大きさと、直流抵抗値(インピーダン
ス)との関係を予め実験等により調べておくことによ
り、実際の直流抵抗値(インピーダンス)から作用した
荷重の大きさを知ることができる。ひいては、このセン
サ4によれば、直流抵抗値(インピーダンス)の変化を
テスタ1により計測することにより、構造物3のひびわ
れ、曲げ、せん断、圧縮(圧壊)、はがれ等を検知する
ことができる。
センサ4の詳細な構成について説明する。 (S一1) カーボンの長繊維(連続糸)を束ねて糸状
もしくは紐状にしたもの(以下、総称してカーボン繊維
ストリングと称する)、またはカーボン繊維をシート状
にしたもの(以下、カーボン繊維シートと称する)。 このようなセンサ4の使用方法としては、構造物の内部
に埋設する方法(図1および図2参照)の他に、構造物
の表面に貼着する方法がある。このようにセンサ4を構
造物の表面に貼着して使用する場合には、センサ4に対
して樹脂や塗料を塗布、またはセンサ4を覆うように構
造物の表面にプラスチックス等のシートを貼付けること
により、センサ4を保護する必要がある。
ンサ10、20、30、40および50。 以下、これらセンサ10、20等の構成について説明す
る。図3(a)、(c)、(e)、(g)および(i)
は、センサ10、20、30、40、および50の各構
成を示す断面図である。また、図3(b)、(d)、
(f)、(h)および(j)は、センサ10、20、3
0、40および50の各構成を示す平面図である。
サ10は、カーボン繊維ストリング11とシート部材1
2とから構成されている。カーボン繊維ストリング11
は、上述したようにカーボンの長繊維(連続糸)を束ね
て糸状もしくは紐状にしたものである。シート部材12
は、プラスチックスが帯状に形成されてなり、このシー
ト部材12表面の中央部には、長手方向にカーボン繊維
ストリング11が貼着されている。また、用途によって
は、シート部材12は、その裏面に接着剤が塗布されて
おり、テープ状とされている。この種のシート部材12
は、構造物3(図1参照)または基礎杭5(図2参照)
の表面に貼着する場合に用いて好適である。
サ20は、カーボン繊維シート21とシート部材22と
から構成されている。カーボン繊維シート21は、上述
したようにカーボン繊維がシート状に形成されてなるも
のである。シート部材22の基本的な構成およびその材
料は、図3(b)に示すシート部材12と同様である。
長手方向にカーボン繊維シート21が貼着されている。
また、場合によっては、シート部材22は、その裏面に
接着剤が塗布されている。この種のセンサ20は、構造
物3(図1参照)または基礎杭5(図2参照)の表面に
貼着する場合に用いて好適である。
サ30は、カーボン繊維ストリング31および被覆部材
32とから構成されている。このカーボン繊維ストリン
グ31は、カーボン繊維ストリング11(図3(b)参
照)と同一構成とされている。被覆部材32は、絶縁材
料たるプラスチックスが厚肉帯状に形成されてなり、図
3(e)に示すカーボン繊維ストリング31の外周面を
被覆している。この種のセンサ30は、カーボン繊維ス
トリング31の外周面が全体に亙って絶縁されているた
め、構造物3および基礎杭5の材料がコンクリート、鉄
筋等の導電性材料である場合に、カーボン繊維ストリン
グ31と構造物3等との接触による短絡を防止すること
を目的として用いて好適である。また、センサ30を用
いた場合には、2本以上のセンサ30を重ねて用いても
カーボン繊維ストリング31同士およびカーボン繊維ス
トリング31と構造物3等との間の絶縁が確保されるの
で、設置に際して取扱いが非常に容易である。
サ40は、カーボン繊維ストリング41およびプラスチ
ックス樹脂42とから構成されている。カーボン繊維ス
トリング41は、カーボン繊維ストリング11(図3
(b)参照)と同一構成とされている。プラスチックス
樹脂42は、カーボン繊維ストリング11の外周面全体
をコーティングしている。この種のセンサ40は、セン
サ30と同様にしてカーボン繊維ストリング41および
構造物3等との接触による短絡を防止することを目的と
して用いて好適であるとともに、設置に際して取扱いが
非常に容易である。
サ50は、カーボン繊維ストリング51およびプラスチ
ックス樹脂52、53とから構成されている。カーボン
繊維ストリング51は、カーボン繊維ストリング11と
同一構成とされている。このカーボン繊維ストリング5
1の外周面は、一定長さに亙って、プラスチックス樹脂
52およびプラスチックス樹脂53によりコーティング
されている。
おいては、プラスチックス樹脂52およびプラスチック
ス樹脂53によりコーティングされている部分と、コー
ティングされていない部分とが存在する。この種のセン
サ50は、構造物3等に対する絶縁が必要な箇所のみが
部分的に絶縁可能な構成とされているので、センサ40
(図3(g)および(h))に比して製造コストが安い
という利点がある。
(S一2)項で説明したセンサとして、破断伸びが異な
る2種類以上のカーボン繊維ストリングまたはカーボン
繊維シートが用られているもの。 以下、この種のセンサについて、図4(a)〜(d)を
参照して説明する。図4(a)および(c)は、センサ
60および70の構成を示す断面図であり、図4(b)
および(d)は、センサ60および70の構成を示す平
面図である。
は、第1のカーボン繊維ストリング61A、第2のカー
ボン繊維ストリング61Bおよびシート部材62から構
成されている。上記第1のカーボン繊維ストリング61
Aおよび第2のカーボン繊維ストリング61Bの基本的
な構成は、カーボン繊維ストリング11(図3(b)参
照)の構成と同一である。但し、第1のカーボン繊維ス
トリング61Aと第2のカーボン繊維ストリング61B
とは、その破断伸び特性が異なる。
61Aは、第2のカーボン繊維ストリング61Bに比し
て、所定の引張応力に対して伸びが小さい。従って、第
1のカーボン繊維ストリング61Aおよび第2のカーボ
ン繊維ストリング61Bに一定の増加率で増加する引張
応力を徐々に作用させた場合、第1のカーボン繊維スト
リング61Aは、第2のカーボン繊維ストリング61B
よりも先に破断する。もっといえば、上述した場合にお
いて、第1のカーボン繊維ストリング61Aの抵抗値の
増加分は、第2のカーボン繊維ストリング61Bの抵抗
値の増加分に比して大きい。
1Aは、第1の値以上の引張応力が作用すると完全に破
断し、この場合には、その抵抗値が理論的に無限大、ま
たは飛躍的に大なる値となる。一方、第2のカーボン繊
維ストリング61Bは、第2の値(>第1の値)以上の
引張応力が作用すると完全に破断し、この場合には、抵
抗値が無限大または飛躍的に大なる値となる。
グ61Aおよび第2のカーボン繊維ストリング61Bに
おける伸びに対する抵抗値の増加分の関係を表す特性
は、実験等により予めわかっているものである。
Aおよび第2のカーボン繊維ストリング61Bは、一定
間隔をおいて平行配置されている。シート部材62は、
上述したシート部材12(図3(b)参照)と同一構成
とされており、このシート部材62の中央部には、長手
方向に第1のカーボン繊維ストリング61Aおよび第2
のカーボン繊維ストリング61Bが各々貼着されてい
る。
性判定装置によれば、破断伸び特性が異なる、第1のカ
ーボン繊維ストリング61Aおよび第2のカーボン繊維
ストリング61Bを用いているので、第1のカーボン繊
維ストリング61Aの抵抗値と第2のカーボン繊維スト
リング61Bの抵抗値との双方より、構造物3(図1参
照)等に作用した引張応力の大きさを詳細に知ることが
できる。
1Aの抵抗値が無限大であって、かつ第2のカーボン繊
維ストリング61Bの抵抗値が非常に小さいものである
場合には、構造物3等に作用した引張応力の大きさが第
1の値以上であってかつ第2の値より小であるものと推
測することができる。また、第1のカーボン繊維ストリ
ング61Aおよび第2のカーボン繊維ストリング61B
の各抵抗値が共に無限大である場合には、構造物3等に
作用した引張応力の大きさが第2の値以上であるものと
推測することができる。
は、第1のカーボン繊維ストリング71A、第2のカー
ボン繊維ストリング71Bおよびシート部材72から構
成されている。上記第1のカーボン繊維ストリング71
Aおよび第2のカーボン繊維ストリング71Bの各構成
は、上述した図4(b)に示す第1のカーボン繊維スト
リング61Aおよび第2のカーボン繊維ストリング61
Bの各構成と同一とされている。すなわち、第1のカー
ボン繊維ストリング71Aと第2のカーボン繊維ストリ
ング71Bとは、その破断伸び特性が異なる。
Aおよび第2のカーボン繊維ストリング71Bは、各々
一定間隔をおいて平行配置されている。シート部材72
は、シート部材62(図4(b)参照)と同質の材料か
ら構成されており、第1のカーボン繊維ストリング71
Aおよび第2のカーボン繊維ストリング71Bの各外周
面を被覆している。すなわち、第1のカーボン繊維スト
リング71Aおよび第2のカーボン繊維ストリング71
Bは、図4(c)に示すようにシート部材72により一
体に被覆されている。
性判定装置によれば、センサ60と同様にして、構造物
3(図1参照)等に作用した引張応力の大きさを詳細に
知ることができる。なお、上述したセンサ60およびセ
ンサ70においては、第1のカーボン繊維ストリング6
1A、第2のカーボン繊維ストリング61B、第1のカ
ーボン繊維ストリング71Aおよび第2のカーボン繊維
ストリング71Bに代えて、前述したカーボン繊維シー
トを用いてもよい。
ンサ80、90および100。 以下、これらセンサ80、90および100の構成につ
いて説明する。ここで、図5(a)、(c)および
(f)は、センサ80、90および100の構成を示す
断面図である。図5(b)、(d)および(g)は、セ
ンサ80、90および100の構成を示す平面図であ
る。また、図5(e)は、センサ90の構成を示す右側
面図であり、図5(h)は、センサ100の構成を示す
背面図である。
サ80は、カーボン繊維ストリング81およびシート部
材82から構成されている。カーボン繊維ストリング8
1は、その材質が図3(a)に示すカーボン繊維ストリ
ング11と同質とされており、その中央部より略U字形
状に折曲げられている。シート部材82は、シート部材
12(図3(a)参照)と同一構成とされている。この
シート部材82の表面中央部には、長手方向にカーボン
繊維ストリング81が貼着されている。
示すセンサ90は、カーボン繊維ストリング91および
シート部材92から構成されている。カーボン繊維スト
リング91は、カーボン繊維ストリング81と同一構
成、形状とされており、その中央部より略U字形状に折
曲げられている。シート部材92は、シート部材12
(図3(a)参照)と同一構成とされているが、その一
端部には、表面から裏面までを貫通する貫通孔92aが
形成されている。この貫通孔92aには、カーボン繊維
ストリング91のU字部が貫通されている。すなわち、
カーボン繊維ストリング91の一方の半部は、図5
(e)に示すシート部材92の表面に貼着されており、
またカーボン繊維ストリング91の他方の半部は、シー
ト部材92の裏面に貼着されている。
示すセンサ100は、カーボン繊維ストリング101、
シート部材102およびカーボン繊維ストリング103
から構成されている。カーボン繊維ストリング101
は、カーボン繊維ストリング81(図5(b)参照)と
同一構成、形状とされている。シート部材102は、シ
ート部材82(図5(b)参照)と同一構成とされてお
り、その表面中央部には、長手方向に図5(g)に示す
カーボン繊維ストリング101が貼着されている。カー
ボン繊維ストリング103は、カーボン繊維ストリング
101と同一構成、形状とされており、図5(h)に示
すシート部材102の裏面中央部に長手方向に貼着され
ている。
00においては、カーボン繊維ストリング81、91、
101および103に代えて、前述したカーボン繊維シ
ートをU字形状に形成したものを用いてもよい。
ンサ110、120。 以下、これらのセンサ110、120の構成について説
明する。図6(a)および(c)は、センサ110およ
び120の構成を示す断面図であり、図6(b)および
(d)は、センサ110および120の構成を示す平面
図である。まず、図6(a)および(b)に示すセンサ
110は、カーボン繊維ストリング111および複数の
円環部材112、112、・・・から構成されている。
3(b)に示すカーボン繊維ストリング11と同一構成
とされている。円環部材112、112、・・・は、プラ
スチックス樹脂が円環形状に形成されてなるものであ
り、一定間隔をおいて各々配設されている。また、円環
部材112、112、・・・の各穴には、カーボン繊維ス
トリング111が貫通されている。
(図1参照)または基礎杭5(図2参照)の材料たるモ
ルタルやコンクリートとの付着性が優れている。従っ
て、一実施形態による構造物の健全性判定装置におい
て、上述したセンサ110を用いた場合には、センサ1
10がモルタルやコンクリートと密に付着されるので、
いわゆるすっぽ抜けるという状態が発生しないという効
果が得られる。ひいては、センサ110を用いた場合に
は、構造物3等の健全性を精度良く検知することができ
るという効果が得られる。
サ120は、カーボン繊維ストリング121、シート部
材122から構成されている。カーボン繊維ストリング
121は、上述した図5(b)に示すカーボン繊維スト
リング81と同一構成とされており、略U字状の形状と
されている。シート部材122は、カーボン繊維ストリ
ング121の外周面を覆う被覆部材の役目をしており、
その中央部には、長手方向に一定間隔をおいて表面から
裏面までを貫通する複数の貫通穴122a、122a、
・・・が各々形成されている。これら貫通穴122a、1
22a、・・・は、上述したシート部材122と同様にし
て、モルタルやコンクリートに対するセンサ120の付
着性を向上させる役目をしている。
判定装置において、上述したセンサ120を用いた場合
には、センサ110と同様にして、センサ120がモル
タルやコンクリートと密に付着されるので、センサ12
0がすっぽ抜けるという状態が発生しない。ひいては、
センサ120を用いた場合には、構造物の健全性を精度
よく検知することができるという効果が得られる。
ポキシ樹脂とからなる強化プラスチックス(RP)のう
ち、引抜き成形方法でロッド状に加工されたもの(CF
RP)。この種のセンサは、カーボン繊維が直線状に配
向しているため、非常に高強度である。
ス繊維(GF)がそれぞれ束ねられてなる繊維束の補強
材と、エポキシ、ビニルエステルなどの樹脂とからなる
強化プラスチックス(IRP)との成形体(CFGFR
P)。 この種のセンサの形状は、棒形状、矩形状、シート形
状、ネット形状等とされている。また、この種のセンサ
の材料たる上述したガラス繊維は、必要に応じて、セラ
ミックス繊維やアラミド繊維、さらにはセルロース樹脂
と置換される。
せた硬化前のプラスチックス液やゾルを、ガラス繊維が
束ねられてなる繊維束に含浸させた後、硬化させたも
の。 ここで、導電性粉末(粒子)としては、カーボンの粉
末、ならびに酸化物、酸化物、窒化物および炭化物のセ
ラミックス粉末、金属粉末等が用いられる。また、導電
性粉末(粒子)は、球形状、フレーク形状、ウィスカ形
状等のものの中から任意に選択される。ここで、ウィス
カ形状の粉末は、猫のひげ状の短結晶をさし、この粉末
の材質としては、Fe、Al2O3、SiC、Si3N4等
が挙げられる。このウィスカ形状の粉末を材料として用
いたセンサは、該粉末に欠陥がないため、極めて引張強
度が高いという機械的性質を有している。
さは特に問わない。このような導電性粉末(粒子)とし
ては、例えば、カーボン(カーボンブラックや黒鉛の)
粉末や、炭化チタンや窒化チタン等のセラミックス粉末
が用いられる。また、上述したガラス繊維は、必要に応
じて、セラミックス繊維やアラミド繊維、さらにはセル
ロース樹脂と置換される。加えて、この種のセンサにお
いては、上述した導電性粉末(粒子)として、鋼または
導電性のカーボン短繊維を用いてもよい。
維を、プラスチックス材料の中に分散、混入させたも
の。 ただし、この種のセンサにおいては、プラスチックス材
料の絶縁性が高いことから、所定以上の導電率を確保す
べく、導電性粉末または導電性短繊維の混入率を高くし
て、導電性粉末同士または導電性短繊維同士が互いに密
に接触するようにする必要がある。この種のセンサを用
いた場合には、構造物3(図1参照)等に引張、圧縮、
曲げ、せん断など荷重が作用すると、該センサが変形す
る。このとき、該センサにおいては、導電性粉末同士ま
たは導電性短繊維同士の接触状況が変化することによ
り、抵抗値が変化する。
繊維をプラスチックス製のシート部材の表面に付着させ
たもの。 以下、この種のセンサの構成について図7(a)および
(b)を参照して説明する。図7(a)は、センサ13
0の構成を示す断面図であり、図7(b)は、センサ1
30の構成を示す平面図である。図7(a)に示すセン
サ130は、シート部材131と導電性粉末132とか
ら構成されている。上記シート部材131は、図3
(a)に示すシート部材12と同一構成とされており、
このシート部材131の全表面には、図7(a)に示す
導電性粉末132が塗着されている。
等の表面に貼着して用いる場合には、シート部材131
の裏面に接着剤が塗布されたものが用いられる。さら
に、この場合には、センサ130の表面を保護すべく、
センサ130の表面に、樹脂もしくは塗料が塗布される
か、またはプラスチックス等のシートが貼着される。他
方、センサ130を図1に示す基礎杭5等の内部に埋設
して用いる場合には、絶縁性を確保すべく、センサ13
0の表面全体または表面の一部がプラスチックス等によ
り被覆されたものが用いられる。
細粒子を構造物3(図1参照)または基礎杭5(図2
(b)参照)等の表面に線状に塗布したもの。 この種のセンサを構造物3等の表面に塗布形成する場合
には、導電性材料の粉末を接着剤とともに霧状に噴霧す
るカーボン・スプレーや、銀の粉末が有機溶剤に混入さ
れてなる導電性接着剤や、導電塗料等が用いられる。ま
た、この種のセンサを構造物3等の表面に塗布形成する
場合には、構造物3等の表面にエポキシ樹脂等の下地を
形成した後に、該下地の表面にセンサを塗布形成しても
よい。上記下地を形成することにより、導電性材料の定
着度が向上する。また、この種のセンサを構造物3等の
表面に塗布形成した場合には、センサの表面に樹脂もし
くは塗料を塗布するか、またはプラスチックスシートを
貼着する等してセンサの表面を保護すればよい。
してその表面にひび割れが発生すると、該表面に塗布さ
れたセンサにもひび割れが発生し、センサの抵抗値が増
大する。この抵抗値の変化を前述した手法によって、モ
ニタリングすることにより、構造物3の損傷状況を知る
ことができる。
示すセンサ140。 図8(a)は、センサ140の構成を示す断面図であ
り、図8(b)は、図8(a)に示すA−A線視断面図
である。図8(a)および(b)に示すセンサ140に
おいて、141は、硬質プラスチックスが円筒形状に形
成されてなる円筒部材である。142は、円筒部材14
1の内部に密実に封入された導電性粉末である。この導
電性粉末142としては、(S−8)項において説明し
たものと同様にして、カーボンの粉末、ならびに酸化
物、酸化物、窒化物および炭化物のセラミックス粉末、
金属粉末等が用いられる。また、導電性粉末142は、
球形状、フレーク形状、ウィスカ形状等のものの中から
任意に選択される。
部141aを封止する封止部材であり、導電性材料から
構成されている。144aは、封止部材143aに取り
付けられた端子であり、抵抗測定時においてプローブ2
a(図1参照)の他端が当接される。143bは、円筒
部材141の他方の開口部141bを封止する封止部材
であり、導電性材料から構成されている。144bは、
封止部材143bに取り付けられた端子であり、抵抗測
定時においてプローブ2b(図1参照)の他端が当接さ
れる。このセンサ140は、図1に示す構造物3の内部
または図2(b)に示す基礎杭5の内部に埋設される。
用すると、構造物3等およびセンサ140が荷重の大き
さに応じて変形する。そして、この変形量が一定以上に
なると、構造物3等、ひいてはセンサ140の円筒部材
141が破損する。これにより、導電性粉末142が円
筒部材141の破損箇所からこぼれ出し、この結果、端
子144aと端子144bとの間の抵抗値が非常に大き
な値、または無限大となる。従って、センサ140を用
いた場合には、上記抵抗値をテスタ1(図1参照)によ
り測定することにより、構造物3等の損傷状況を知るこ
とができる。
示すセンサ150。 図9(a)は、センサ150の構成を示す正断面図であ
り、図9(b)に示すB−B線視断面図である。図9
(b)は、センサ150の構成を示す側断面図であり、
図9(a)に示すA−A線視断面図である。図9(a)
および(b)に示すセンサ150において、151は、
コンクリート等の構造物であり、図9(a)に示す一端
面Taから他端面Tbまでを連通する小径の連通部15
1aを有している。
に密実に封入された導電性粉末であり、この導電性粉末
152としては、(S−8)項において説明したものと
同様にして、カーボンの粉末等が用いられる。153a
は、連通部151aの一方の開口部を封止する封止部材
であり、導電性材料から構成されている。
られた端子であり、この端子154aには、抵抗測定時
においてプローブ2a(図1参照)の他端が当接され
る。153bは、連通部151aの他方の開口部を封止
する封止部材であり、導電性材料から構成されている。
154bは、封止部材153bに取り付けられた端子で
あり、この端子154bには、抵抗測定時においてプロ
ーブ2b(図1参照)の他端が当接される。
上の荷重が作用すると、連通部151a近傍の構造物1
51に亀裂等が発生する。これにより、導電性粉末15
2が上記亀裂に入りこむことにより、端子154aと端
子154bとの間の抵抗値が非常に大きな値、または無
限大となる。従って、センサ150を用いた場合には、
上記抵抗値をテスタ1(図1参照)により測定すること
により、構造物151の損傷状況を知ることができる。
構造用鉄筋、または組立鉄筋をセンサとして利用したも
の。 この種のセンサは、構造用鉄筋の外周面にシリコン樹脂
やエポキシ樹脂等の絶縁材料が被覆されたものである。
ンクリート用鋼棒・異形棒鋼SD295Aまたは組立鉄
筋)ののびと応力との関係を図10を参照して説明す
る。この図に示す特性線K1は、構造用鉄筋ののびー応
力特性を表すものである。この特性線K1からわかるよ
うに、構造用鉄筋は、のびが0.2%〜0.5%で降伏
点に達し、さらにのびが19%になると破断点に達す
る。すなわち、構造用鉄筋は、のびが19%以上になる
と破断し、その抵抗値が非常に大きくなるかまたは無限
大となる。
タ1(図1参照)により測定することにより、測定結果
たる抵抗値が非常に大きくなるかまたは無限大となった
とき、構造用鉄筋が破断し、ひいては構造物自体に損傷
が発生したことを知ることができる。なお、上述したセ
ンサとしては、既設の構造用鉄筋以外に、新たにセンサ
用の鉄筋を用いてもよい。
構造用鉄筋のうち、少なくとも特定の1本の構造用鉄筋
(以下、構造用センサ鉄筋と称する)に対して絶縁を施
したものをセンサとして用いたもの。 具体的には、構造用センサ鉄筋は、他の構造用鉄筋と電
気的に接触する部分に絶縁材料が被覆されてなる。ま
た、別の絶縁方法としては、構造用センサ鉄筋と他の構
造用鉄筋との間に絶縁材料からなるスペーサを介挿して
もよい。すなわち、この種のセンサ(構造用センサ鉄
筋)は、他の構造用鉄筋に対して電気的に独立してい
る。また、この構造用センサ鉄筋ののびー応力特性は、
図10に示す特性線K1で表される。
重が作用して、構造用センサ鉄筋が19%(図10参
照)以上のびると、破断する。これにより、構造用セン
サ鉄筋の両端間の抵抗値が、非常に大きくなるかまたは
無限大となる。従って、構造用センサ鉄筋をセンサとし
て用いた場合には、上記抵抗値をテスタ1(図1参照)
により測定することにより、構造用センサ鉄筋自体が破
断したことを知ることができる。
5%の導電性材料を用いたセンサ。 この種のセンサは、図10に示す特性線K2、K3で表さ
れる、のびー応力特性を有するものである。すなわち、
図10に示す特性線K2、K3から判るように、この種の
センサは、そののびがG2%またはG3(>G2%)%で
破断する。上記のびG2およびG3は、上述した0.2%
〜5%の範囲に入っている。ここで、上記0.2%〜5
%は、(S−14)および(S−15)において説明し
たセンサ(構造用鉄筋)における降伏点近傍の範囲に対
応している。
ルミニュウム合金、アルミニュウム鍛造材、アルミニュ
ウム合金展伸材、マグネシウム鍛造材等が用いられる。
ここで、上記アルミニュウム合金の組成およびその破断
のびの例を以下に示す。 <組成> <破断のび> □Al−3.5Mg−2.7Li−0.3Mn 2% □Al−3Li−1.3Mn 1% □Al−3Li−3Mg−0.2Zr 3%
おいて、特性線K1(図10参照)で表されるのび−応
力特性を有する構造用鉄筋((S−14)項、(S−1
5)項参照)の近傍に配置される。
ると、構造用鉄筋およびセンサの双方が徐々にのびる。
そして、のびが図10に示す0.2%に達すると、構造
用鉄筋が降伏点に到達する。そして、さらにのびがG2
%に達すると、センサが破断する。このとき、構造用鉄
筋の抵抗値はほとんど変化しない一方、センサの抵抗値
は、非常に大きい値とされるかまたは無限大とされる。
する前に、すなわち構造用鉄筋に損傷が発生する前に構
造物に対する荷重がゼロになると、構造用鉄筋に損傷が
生じることなく、構造用鉄筋ののびは、ゼロに戻る。一
方、センサは、構造物に対する荷重がゼロになっても、
破断した状態のままである。
は、テスタ1により測定されたセンサの抵抗値が非常に
大きな値または無限大であるとき、少なくとも、構造用
鉄筋に降伏点近傍の荷重が作用したことを知ることがで
きる。なお、上述した(S−14)項または(S−1
5)項において説明したセンサでは、構造用鉄筋に降伏
点近傍の荷重が作用したことを検知することができな
い。すなわち、構造用鉄筋に降伏点近傍の荷重が作用し
た状態では、構造用鉄筋に損傷が発生しないため、構造
用鉄筋の抵抗値に変化が生じないからである。
明したセンサを2本用いたもの。 この種のセンサは、破断のびが例えば図10に示すG2
%のセンサ(以下、第1のセンサと称する)と、破断伸
びが図10に示すG3%(>G2%)のセンサ(以下、第
2のセンサと称する)とから構成されている。つまり、
第1のセンサと第2のセンサとは、各々破断伸びが異な
るものである。また、上記第1のセンサおよび第2のセ
ンサは、構造用鉄筋を有する構造物の内部に近傍配置さ
れる。
作用すると、構造用鉄筋、第1のセンサおよび第2のセ
ンサが共にのびる。そして、上記のびが図10に示すG
2%以上G3%未満であるとき、第1のセンサのみが破断
する。さらに、上記のびが図10に示すG3%以上にな
ると、第2のセンサをも破断する。そして、さらに、上
記のびが図10に示す19%以上になると、構造用鉄筋
をも破断する。
は、第1のセンサおよび第2のセンサの抵抗値をテスタ
1(図1参照)により測定することにより、構造用鉄筋
に作用した荷重を知ることができる。すなわち、第1の
センサ、第2のセンサおよび構造用鉄筋の各抵抗値が共
にほぼゼロである場合には、のびがG2%(図10参
照)に対応する荷重が構造用鉄筋に作用したことがわか
る。
いかまたは無限大であって、かつ第2のセンサおよび構
造用鉄筋の各抵抗値が非常に小さい場合には、のびがG
2%以上G3未満の範囲に対応する荷重が構造用鉄筋に作
用したことがわかる。また、第1のセンサ、第2のセン
サおよび構造用鉄筋の各抵抗値が共に非常に大きい値ま
たは無限大である場合には、のびが19%(図10参
照)に対応する荷重が構造用鉄筋に作用したことにな
る。
すセンサ160、170、180および190。 これらのセンサ160、170等は、(S−16)にお
いて説明したセンサと同様の材料から各々構成されてお
り、略棒形状とされている。また、これらのセンサ16
0、170等は、構造物3(図1参照)または基礎杭5
(図2(b)参照)の内部に埋設される。図11(a)
に示すセンサ160の両側部には、一定間隔をおいて半
円形状の切欠部160a、160a、・・・が複数形成さ
れている。このセンサ160の右側部に形成された16
0a、160a、・・・と、同左側部に形成された切欠部
160a、160a、・・・とは、各々対向する位置関係
とされている。
両側部には、三角形状の切欠部170a、170a、・・
・が複数形成されている。このセンサ170の右側部に
形成された切欠部170a、170a、・・・と、同左側
部に形成された切欠部170a、170a、・・・とは、
各々対向する位置関係とされている。
両側部には、半円形状の切欠部180a、180a、・・
・が複数形成されている。このセンサ170の右側部に
形成された切欠部180a、180a、・・・と、同左側
部に形成された切欠部180a、180a、・・・とは、
互い違いになる位置関係とされている。また、図11
(d)に示すセンサ190の両側部には、三角形状の切
欠部190a、190a、・・・が複数形成されている。
このセンサ190の右側部に形成された切欠部190
a、190a、・・・と、同左側部に形成された切欠部1
90a、190a、・・・とは、互い違いになる位置関係
とされている。
ンサ160に荷重が作用すると、切欠部160a、16
0a、・・・に上記荷重が集中する。これにより、センサ
160が切欠部160aから破断する。すなわち、セン
サ160を用いた場合には、切欠部160a、160a
・・・が形成されているため、これらが形成されていない
ときに比して破断しやすくなり、感度が向上する。な
お、センサ170、180および190を用いた場合の
作用、効果は、センサ160の場合と同様である。
サ。 (S−19) この種のセンサは、プラスチックスから
なるフィルム、テープまたはシートの表面に導電性の金
属箔が形成されたものである。この金属箔の形成方法と
しては、上記フィルム等の表面に金属箔を接着剤により
貼着する方法、メッキ、真空蒸着による方法が用いられ
る。
なるセンサ。 この種のセンサの基本的な考え方は、2つの電極間に挟
まれた構造物たるモルタルまたはコンクリートの電気抵
抗値を計測するという分極抵抗法に基づくものである。
すなわち、この種のセンサは、引張、圧縮(圧壊)、曲
げ、せん断等によって発生した、モルタルまたはコンク
リートの損傷の有無、および損傷の程度を検知するもの
である。また、このセンサの特徴は、モニタリングの対
象部位にできるだけ力学的な特性を変えるような介在物
が介在していないモルタルまたはコンクリートのみの状
態を直に把握しようとするところにある。以下、この種
のセンサについて詳述する。
サ。 この種のセンサは、第1の電極と第2の電極とから構成
されており、第1および第2の電極の材料としては、銅
(箔)、鋼、スレンレス、アルミニュウム、黒鉛等が用
いられている。さらに、第1および第2の電極の形状
は、断面円形状、断面矩形状、シート形状、断面凹形
状、円筒形状とされている。この第1の電極は、コンク
リートまたはモルタルからなる構造物の内部に埋設され
ており、一方、第2の電極は、第1の電極に対して対向
するようにして、上記構造物の内部に埋設されている。
また、第1の電極と第2の電極との間には、コンクリー
トまたはモルタルのみが介挿されているが、鉄筋等は存
在しない。
2の端子が各々設けられており、これら第1および第2
の端子は、上述した第1の電極と第2の電極との間に介
在するコンクリートまたはモルタルの抵抗値を測定する
ときに、テスタ1(図1参照)のプローブ2aおよび2
bが各々当接される。また、上記第1の端子と第1の電
極との間、および第2の端子と第2の電極との間は、リ
ード線で各々接続されている。
ていない状態では、第1の電極と第2の電極との間に介
在するコンクリートまたはモルタルに亀裂、損傷が生じ
ていないものとする。この状態において、第1および第
2の端子にプローブ2aおよび2bが当接されると、テ
スタ1によりコンクリートまたはモルタルの抵抗値が測
定される。以下、この測定結果を第1の抵抗値と称す
る。
により、コンクリートまたはモルタルに亀裂等が生じた
とすると、このときテスタ1により測定される抵抗値
は、上述した第1の測定値よりも大きい値である。従っ
て、この場合には、コンクリートまたはモルタルに亀裂
等が発生していることを知ることができる。
に示すセンサ200。 以下、上記センサ200の構成について、図12(a)
および(b)を参照して説明する。図12(a)は、図
12(b)に示すB−B線視断面図であり、図12
(b)は、センサ200の構成を示す側断面図であり、
図12(a)に示すA−A線視断面図である。
り、コンクリートにより角柱形状に形成されている。2
02、202、・・・は、構造物201の内部に長手方向
に埋設された4本の鉄筋である。203は、鉄筋20
2、202、・・・を周回するように設けられた鉄筋であ
り、構造物201の内部に埋設されている。
201の一部をなす高導電性コンクリートであり、構造
物201の中央部に略短角柱形状に形成されている。こ
の高導電性コンクリート204は、コンクリートまたは
モルタルに導電性粉末が混入されたものであり、その導
電率は、周囲の構造物201の導電率よりも高い。この
導電性粉末は、前述した(S−8)項において説明した
導電性粉末と同種のものである。また、高導電性コンク
リート204においては、上記導電性粉末に代えて鋼、
炭素等からなる導電性短繊維を用いてもよい。
の上端面に接するようにして設けられた略板形状の第1
の電極である。205bは、第2の電極であり、高導電
性コンクリート204の下端面に接し、かつ第1の電極
205aに対して対向配置されるようにして設けられて
いる。
aに取り付けられた抵抗測定用の端子であり、テスタ1
(図1参照)のプローブ2aが当接される。206b
は、構造物201の一端面201aに取り付けられた抵
抗測定用の端子であり、テスタ1のプローブ2bが当接
される。207aは、第1の電極205aと第1の端子
206aとの間に介挿された第1のリード線である。2
07bは、第2の電極205bと第2の端子206bと
の間に介挿された第2のリード線である。
ていない状態では、第1の電極と第2の電極との間に介
在する高導電性コンクリート204に亀裂、損傷が生じ
ていないものとする。この状態において、第1の端子2
06aおよび第2の端子206bにプローブ2aおよび
2bが当接されると、テスタ1により高導電性コンクリ
ート204の抵抗値が測定される。
て、構造物201、高導電性コンクリート204に亀裂
等が生じたとすると、テスタ1により測定される高導電
性コンクリート204の抵抗値が非常に大きくなる。こ
こで、高導電性コンクリート204に亀裂等が生じる前
の抵抗値と、亀裂等が生じた後の抵抗値との差は、前述
した(S−20)項の場合に比して大きい。これは、高
導電性コンクリート204が良導体であるため、半導体
的性質を有する純粋なコンクリートに比して、抵抗変化
率が大きいためである。従って、センサ200を用いた
場合には、(S−20)項の場合に比して測定感度を向
上させることができる。
に示すセンサ210Aおよび210B。 図13(a)は、センサ210Aの構成を示す断面図で
ある。この図において、212Aは、コンクリートまた
はモルタルから構成された構造物であり、略角柱形状と
されている。センサ210Aは、構造物212Aの内部
に埋設されており、3組(6つ)の電極211a1、21
1a1、電極211a2、211a2および電極211a3、2
11a3から構成されている。電極211a1、211a1
は、各々が対向配置されており、電極211a2、211
a2は、各々が対向配置されており、かつ電極211a1、
211a1に対して平行配置されている。また、電極21
1a3、211a3は、各々が対向配置されており、かつ電
極211a2、211a2に対して平行配置されている。
11a1、211a1、電極211a2、211a2および電極
211a3、211a3には、図示しない複数のリード線を
介してテスタ1(図1参照)のプローブ2a、2bが接
続される。
に亀裂等が生じていない場合、電極211a1、211a
1、電極211a2、211a2および電極211a3、21a
3の間に存在する構造物212Aの各抵抗値は、比較的
小さい値である。そして、今、構造物212Aに荷重が
作用して、同図に示す電極211a1、211a1間に存在
する構造物212Aに亀裂C1が生じたとする。この状
態において、図示しないリード線を介して電極211a
1、211a1にプローブ2a、2bが接続されると、テ
スタ1により非常に大きい抵抗値が測定される。これと
同様にして、リード線を介して電極211a2、211a2
および電極211a3、211a3が各々接続されると、テ
スタ1により比較的小さい抵抗値が測定される。したが
って、この場合には、3つの測定結果より、電極211
a1、211a1の間に存在する構造物210Aに亀裂C1
が生じているものと判定される。
同図に示す電極211a1、211a1および電極211a
2、211a2の間に存在する構造物210Aに、亀裂C1
より長い亀裂C2が生じたとする。この状態において、
図示しないリード線を介して電極211a1、211a1お
よび電極211a2、211a2にプローブ2a、2bが各
々接続されると、テスタ1により非常に大きい抵抗値が
測定される。これと同様にして、リード線を介して電極
211a3、211a3が接続されると、テスタ1により比
較的小さい抵抗値が測定される。従って、この場合に
は、これら3つの測定結果より、電極211a1、211
a1および電極211a2、211a2の間に存在する構造物
210Aに亀裂C2が生じているものと判定される。
て、同図に示す電極211a1、211a1、電極211a
2、211a2および電極211a3、211a3の間に存在
する構造物212Aに亀裂C2よりさらに長い亀裂C3が
生じたとする。この状態において、図示しないリード線
を介して電極211a1、211a1、電極211a2、21
1a2および電極211a3、211a3にプローブ2a、2
bが各々接続されると、テスタ1により非常に大きい抵
抗値が測定される。従って、この場合には、これら3つ
の測定結果より、電極211a1、211a1、電極211
a2、211a2および電極211a3、211a3の間に存在
する構造物210Aに亀裂C3が生じているものと判定
される。
示す断面図である。この図において、212Bは、コン
クリートまたはモルタルから構成された構造物であり、
略角柱形状とされている。センサ210Bは、構造物2
12Bの内部に埋設されており、2組(4つ)の電極2
11b1、211b1および電極211b2、211b2から構
成されている。電極211b1、211b1は、同図横方向
に対向配置されており、これら電極211b1、211b1
には、図示しない2本のリード線を介してテスタ1(図
1参照)のプローブ2a、2bが各々接続される。電極
211b2、211b2は、同図縦方向に対向配置されてお
り、これら電極211b2、211b2には、図示しないリ
ード線を介してプローブ2a、2bが各々接続される。
すなわち、電極211b1、211b2と電極211b2、2
11b2とは、略十字状に配置されている。
に荷重が作用していない場合、電極211b1、211b1
および電極211b2、211b2の間に存在する構造物2
12Bの抵抗値は、比較的小さい値である。そして、
今、構造物212Bに荷重が作用して、電極211b1、
211b1の間に存在し、かつ電極211b2、211b2の
間に存在しない構造物210Bに同図に示す亀裂C4が
生じたものとする。この状態において、図示しないリー
ド線を介して電極211b1、211b1にプローブ2a、
2bが接続されると、テスタ1により非常に大きい抵抗
値が測定される。これと同様にして、図示しないリード
線を介して電極211b2、211b2にプローブ2a、2
bが接続されると、テスタ1により比較的小さい抵抗値
が測定される。従って、この場合には、これら2つの測
定結果より、同図に示す位置に亀裂C4が生じているも
のと判定される。
電極211b2、211b2の間に存在し、かつ電極211
b1、211b1の間に存在しない構造物212Bに同図に
示す亀裂C5が生じたものとする。この状態において、
図示しないリード線を介して電極211b1、211b1に
プローブ2a、2bが接続されると、テスタ1により比
較的小さい抵抗値が測定される。一方、図示しないリー
ド線を介して電極211b2、211b2にプローブ2a、
2bが接続されると、テスタ1により非常に大きい抵抗
値が測定される。従って、この場合には、これら2つの
測定結果より、同図に示す位置に亀裂C5が生じている
ものと判定される。
電極211b1、211b1および電極211b2、211b2
の間に存在する構造物212Bに同図に示す亀裂C6が
生じたものとする。この状態において、図示しないリー
ド線を介して電極211b2、211b2にプローブ2a、
2bが接続されると、テスタ1により非常に大きい抵抗
値が測定される。一方、図示しないリード線を介して電
極211b1、211b1にプローブ2a、2bが接続され
ると、上記大きい抵抗値よりやや小さい抵抗値が測定さ
れる。従って、この場合には、これら2つの測定結果よ
り、同図に示す位置に亀裂C6が生じているものと判定
される。
一22)項において説明したセンサ(電極)として、次
のものを用いたセンサ。 (i) 構造用鉄筋、組立筋。 ただし、上記構造用鉄筋、組立筋を電極として用いる場
合には、必要箇所以外に絶縁を施す必要がある。例え
ば、絶縁には、樹脂の塗布やプラスチックスの被覆が考
えられる。 (ii) (S一16)項および(S一18)項におい
て説明したセンサ。 (iii) 前述したカーボン繊維シートまたはカーボ
ン繊維ストリング。 (iv) 導電性粉末や導電性短繊維を混入したモルタ
ルまたはコンクリート。 ただし、上記モルタルまたはコンクリートの抵抗値は、
電極に使用され得るほど十分に低い値とされている。
3)項において説明した各種センサの主な用途について
説明する。まず、構造物(鉄筋、コンクリート)の破
壊、損傷は、大きく分けて次の4つに分類される。 (i) 鉄筋の破断および損傷 (ii) コンクリートのびびわれ、亀裂(横方向、縦
方向、斜め方向) (iii) コンクリートの剥離 (iv) コンクリートの圧壊、折れ、座屈
場合には、例えば、(S−6)項、(S−7)項、(S
−14)項〜(S−18)項において説明したセンサが
好適である。また、上記(ii)項に示す破壊、損傷を
診断する場合には、例えば、(S−6)項、(S−7)
項、(S−9)項、(S−12)項、(S−13)項、
(S−20)項〜(S−23)項において説明したセン
サが好適である。さらに、上記(iv)項に示す破壊、
損傷を診断する場合には、例えば、(S−1)項〜(S
−5)項、(S−8)項〜(S−11)項、(S−1
8)項〜(S−23)項において説明したセンサが好適
である。
に示すセンサ220、220’。 図14(a)は、センサ220の構成およびその配設状
態を示す断面図である。この図において、221は、コ
ンクリート等から構成された構造物であり、略角柱形状
とされている。222、222、・・・は、構造物221
内部に長手方向に埋設された4本の鉄筋である。223
は、構造物221の内部に鉄筋222、222、・・・を
取り囲むように埋設されたフープ筋である。
5)項、(S−10)項、(S−18)項、(S−1
9)項において説明したセンサのうちいずれかのものと
同一構成とされている。このセンサ220は、構造物2
21内部に外周面に沿って埋設されており、その両端部
は、構造物221の一側面に取り付けられた端子224
a、224bに各々接続されている。これら端子224
a、224bには、抵抗測定時において、テスタ1(図
1参照)のプローブ2a、2bの各端部が当接される。
して荷重が作用することにより、構造物221におい
て、剥離、亀裂(縦方向、斜め方向)が生じ、最悪の場
合、圧壊、折れ、座屈が生じたものとする。これによ
り、構造物221の断面積が増加するとともに、周囲長
が伸びる。この構造物221の断面積の増加に伴って、
センサ220に引っ張り力が作用することにより、セン
サ220の抵抗値が変化する。従って、センサ220を
用いた場合には、テスタ1(図1参照)のプローブ2
a、2bを端子224a、224bに当接して、上記セ
ンサ220の抵抗値の変化を測定することにより、構造
物221の破壊、損傷等の状況を判定することができ
る。
1の弾性領域内の荷重が作用すると、構造物221は、
上記荷重が作用する方向のひずみ量に対してポアソン比
の割合で横方向にひずむ。すなわち、この場合、構造物
221には、破壊されない程度にひずみが生じる。この
ひずみ量に対応してセンサ220に引っ張り力が作用す
ることにより、センサ220の抵抗値が変化する。従っ
て、この場合には、センサ220の抵抗値の変化をテス
タ1により測定することにより、構造物221に対して
弾性領域内の荷重が作用したことを判定することができ
る。
よびその別の配設状態を示す断面図である。この図にお
いては、図14(a)の各部に対応する部分には同一の
符号を付けその説明を省略する。図14(b)において
は、図14(a)に示すセンサ220に代えてセンサ2
20’が設けられている。図14(b)に示すセンサ2
20’は、構造物221の外周面に沿って取り付けられ
ており、上述した(S−1)項〜(S−4)項、(S−
10)項、(S−11)項、(S−19)項において説
明した各種センサのうち、いずれかのものと同一構成と
されている。このセンサ220’を用いた場合の動作
は、図14(a)に示すセンサ220を用いた場合の動
作と同様である。
センサ230および240。 図15は、センサ230の構成およびその配設状態を示
す一部裁断側面図である。図15において、231は、
コンクリート等から構成された構造物であり、柱231
a、231bと梁231c、231dとが直交されてな
る。センサ230は、上記(S−24)項において説明
したセンサ220、220’と同一構成の、ひも状また
はシート状のセンサである。このセンサ230は、柱2
31aおよび柱231bの外周面に沿って巻回されてい
る。
bの側面に各々取り付けられおり、これら端子232a
および232bには、抵抗測定時にテスタ1(図1参
照)のプローブ2a、2bが各々当接される。233a
は、センサ230の一端部230aと端子232aとの
間を接続するリード線であり、233bは、センサ23
0の他端部230bと端子232bとの間を接続するリ
ード線である。
作用して、構造物231の柱231aまたは柱231b
に変形が生じることにより断面積が増加すると、センサ
230に引っ張り力が作用し、センサ230の抵抗値が
変化する。従って、テスタ1により、センサ230の抵
抗値を測定することにより、構造物231に荷重が作用
したことを判定することができる。このように、センサ
230を用いた場合には、構造物231における広い範
囲に亙って構造物231の損傷状況等を検知することが
できる。
1a、231bの外周面に沿ってセンサ230を巻回す
る例について説明したが、これに限定されることなく、
例えば、梁231c、231dの外周面に沿ってセンサ
230を巻回してもよい。また、(S−25)項におい
ては、図15に示すセンサ230と同様の配設状況で、
構造物231の内部に外周面に沿ってセンサ230を埋
設してもよい。
びその配設状況を示す側面図であり、図16(a)は、
図16(b)に示す基礎杭241の構成を示す平面図で
ある。図16(a)および(b)において、241は、
コンクリート等で形成された基礎杭であり、厚肉円筒形
状とされている。センサ240は、センサ230(図1
5参照)と同一構成とされており、基礎杭241の上部
外周面に沿って巻回されている。242aおよび242
bは、基礎杭241の一端面241aに各々取り付けら
れた端子であり、これら端子242a、242bには、
抵抗測定時において、テスタ1(図1参照)のプローブ
2a、2bが各々当接される。243aは、センサ24
0の一端部240aと端子242aとの間を接続するリ
ード線である。243bは、センサ240の他端部24
0bと端子242bとの間を接続するリード線である。
作用して、基礎杭241の断面積が増加すると、センサ
240に対して引っ張り力が作用し、センサ240の抵
抗値が変化する。従って、テスタ1により、センサ24
0の抵抗値を測定することにより、基礎杭241に荷重
が作用したことを判定することができる。
Aおよび250B。 図17は、センサ250Aおよび250Bの構成および
これらの配設状況を示す一部裁断側断面図である。図1
7に示す251は、コンクリート等から構成された構造
物であり、柱251a、251bと梁251c、251
dとが直交されてなる。上記柱251a、251bの内
部には、長手方向に複数の構造用鉄筋256、256、
および該構造用鉄筋256、256の周囲を取り囲むよ
うにして複数のフープ筋257、257、・・・が各々埋
設されている。
長手方向に構造用鉄筋258、258、および該構造用
鉄筋258、258を取り囲むようにして複数のフープ
筋259、259、・・・が各々埋設されている。
第2の電極253A、端子254Aおよびリード線25
5Aとから構成されている。このセンサ250Aは、第
1の電極252Aと第2の電極253Aとの間に介在す
る構造物251の抵抗値を検知する。上記第1の電極2
52Aは、梁251dと柱251bとの接合部分の内部
に埋設されており、隣接する構造用鉄筋258および構
造用鉄筋256に対して絶縁されている。ここで、第1
の電極252Aは、上述した(S−10)項または(S
−19)項において説明した各種センサのうちいずれか
のものと同一構成とされている。
Aに対して対向配置されており、構造物251の表面に
貼着されている。この第2の電極253Aは、上述した
(S−10)項、(S−11)項または(S−19)項
において説明した各種センサのうちいずれかのものと同
一構成とされている。端子254Aは、梁251dの表
面に取り付けられている。リード線255Aは、第1の
電極252Aと端子254Aとの間を接続するリード線
であり、梁251dの内部に埋設されている。また、端
子254Aおよび第2の電極253Aには、第1の電極
252Aと第2の電極253Aの間に介在する構造物2
51の抵抗値を測定するときに、テスタ1(図1参照)
のプローブ2aおよび2bが各々当接される。
第2の電極253B、端子254Bおよびリード線25
5Bとから構成されている。このセンサ250Bは、第
1の電極252Bと第2の電極253Bとの間に介在す
る構造物251の抵抗値を検知する。上記第1の電極2
52Bは、梁251cと柱251bとの接合部分の内部
に埋設されており、隣接する構造用鉄筋258および構
造用鉄筋256に対して絶縁されている。また、第1の
電極252Bは、上述した第1の電極252Aと同一構
成とされている。
Bに対して対向配置されており、構造物251の表面に
貼着されている。この第2の電極253Bは、上述した
第2の電極253Aと同一構成とされている。端子25
4Bは、梁251cの表面に取り付けられている。リー
ド線255Bは、第1の電極252Bと端子254Bと
の間を接続するリード線であり、梁251cの内部に埋
設されている。また、端子254Bおよび第2の電極2
53Bには、第1の電極252Bと第2の電極253B
の間に介在する構造物251の抵抗値を測定するとき
に、テスタ1(図1参照)のプローブ2aおよび2bが
各々当接される。
が生じていない場合には、第1の電極252Aと第2の
電極253Aとの間、および第1の電極252Bおよび
第2の電極253Bとの間に各々介在する構造物251
の各抵抗値は、比較的小さい値(以下、基準抵抗値と称
する)である。
作用することにより、同図に示す位置に亀裂Cが生じた
ものとする。すなわち、梁251dと柱251bとの接
合部においては、コンクリート(構造物251)の剥離
が生じている。この剥離が進行すると、該コンクリート
が構造物251本体から離脱したり、抜け落ちたりする
という事態が発生する。
の電極253Aおよび端子254Aとの間にプローブ2
aおよび2b(図1参照)が当接されると、テスタ1に
より第1の電極252Aと第2の電極253Aとの間に
介在する構造物251の抵抗値が測定される。この測定
抵抗値は、亀裂Cが生じていることから、上述した基準
抵抗値に比して大きい値である。従って、センサ250
Aを用いた場合には、上記基準抵抗値に対する測定抵抗
値の変化量、または測定抵抗値により、亀裂Cの状況す
なわちコンクリートの剥離状況を判定することができ
る。
は、第1の電極252Aおよび第1の電極252Bに代
えて、構造用鉄筋258、258の一部分を電極として
使用するようにしてもよい。また、上述した(S−2
6)項においては、センサ250Aおよびセンサ250
Bに代えて、構造用鉄筋256、258またはフープ筋
257、259を第1の電極とし、かつ前述したカーボ
ン繊維ストリングまたはカーボン繊維シートを第2の電
極としたセンサを用いてもよい。このセンサは、構造物
251の内部に、構造用鉄筋256、258またはフー
プ筋257、259の近傍にカーボン繊維ストリングま
たはカーボン繊維シートが埋設されたものである。
サ260。 図18は、センサ260の構成およびその配設状況を示
す側面図である。図18に示す261は、コンクリート
等から構成された構造物であり、柱261a、261b
と梁261c、261dとが直交されてなる。センサ2
60は、上述した(S−1)項〜(S−5)項、(S−
7)項〜(S−12)項、(S−16)項、(S−1
8)項または(S−19)項において説明した各種セン
サのうち、いずれかのものと同一構成とされており、可
とう性を有している。
線形状に形成されており、構造物261の表面に貼着さ
れている。すなわち、センサ260は、梁261cから
梁261dまでに至る広い範囲に設けられている。ま
た、センサ260は、その一端部260aと他端部26
0bが近接するように形成されている。
261eに各々取り付けられた端子であり、これら端子
262a、262bには、センサ260の抵抗測定時に
おいて、テスタ1(図1参照)のプローブ2a、2bが
各々当接される。263a、263bは、センサ260
の一端部260aおよび他端部260bと端子262a
および端子262bとの間を各々接続するリード線であ
り、柱261bの内部に埋設されている。
損傷等が発生していない状態では、テスタ1により測定
される、センサ260の抵抗値は、非常に低い値であ
る。そして、今、構造物261に荷重が作用しているも
のとすると、該荷重により、構造物261に変形、断面
積変化が生じることにより、センサ260に対して引っ
張り力が作用する。従って、このときのセンサ260の
抵抗値をテスタ1により測定すると、該抵抗値は、大き
なものとなる。
は、測定抵抗値の変化から、構造物261の広範囲に亙
って亀裂等の有無を1つのセンサにより判定することが
できる。また、センサ260を用いた場合には、一端部
260aおよび他端部260bが近接配置されているた
め、センサ260等を楽に施工することができる。
は、センサ260を平面的に配設した例について説明し
たが、これに限定されることなくセンサ260を構造物
261の表面または内部に立体的に配設するようにして
もよい。
に示すセンサ270および280。 図19(a)に示すセンサ270は、(S−1)項〜
(S−5)項、(S−7)項〜(S−12)項、(S−
16)項、(S−18)項または(S−19)項におい
て説明した直線状の各種センサ(以下、単体センサと称
する)のうちいずれかのものが複数と、該複数の単体セ
ンサ間を接続するリード線(図示略)とから構成されて
いる。
体センサが矩形線状に配設され、かつ複数の単体センサ
の各端部がリード線(図示略)により接続されたもので
ある。このセンサ270は、図18に示すセンサ260
に代えて構造物261の表面に貼着されている。また、
センサ270の一端部および他端部は、図18に示すリ
ード線263aおよび263bを介して端子262aお
よび262bに各々接続されている。なお、センサ27
0においては、リード線(図示略)を介することなく、
複数の単体センサの各端部を直接、接続してもよい。
−1)項〜(S−5)項、(S−7)項〜(S−12)
項、(S−16)項、(S−18)項または(S−1
9)項において説明した直線状の各種単体センサのう
ち、いずれかものものが複数と、該複数の単体センサ間
を接続するリード線(図示略)とから構成されている。
体センサが三角波線状に配設され、かつ複数の単体セン
サの各端部がリード線(図示略)を介して各々接続され
たものである。このセンサ280は、図18に示すセン
サ260に代えて構造物261の表面に貼着されてい
る。また、センサ280の一端部および他端部は、図1
8に示すリード線263aおよび263bを介して端子
262aおよび262bに各々接続されている。なお、
センサ28においては、リード線(図示略)を介するこ
となく、複数の単体センサの各端部を直接、接続しても
よい。
た場合には、センサ260(図18参照)と同様にして
測定抵抗値の変化から、構造物261の広範囲に亙って
亀裂等の有無を1つのセンサにより判定することができ
る。
0。 図20に示すセンサ290は、上述した(S−1)項〜
(S−5)項、(S−7)項〜(S−12)項、(S−
16)項、(S−18)項または(S−19)項におい
て説明した各種センサのうち、いずれかのものと同一構
成とされており、可とう性を有している。
線形状に形成されており、図18に示すセンサ260に
代えて構造物261の表面に貼着されている。ここで、
図18において、センサ260に代えてセンサ290を
用いる場合には、同図に示す端子262a、262bに
代えて、図20に示す端子291a、291b、291
c、291dおよび291eが、柱261bの側面26
1eに各々取り付けられる。
0の一端290aに接続されており、端子291b、2
91cおよび291dは、センサ290の中間点290
b、290cおよび290dに、リード線292b、2
92cおよび292dを介して各々接続されている。
造物261(図18参照)の損傷状況等を検知する場合
には、テスタ1(図1参照)のプローブ2a、2bが、
例えば、端子291aおよび端子291bに当接される
ことにより、センサ290のうち一部分の抵抗値が測定
される。従って、センサ290を用いた場合には、端子
291a、291b、291c、291dおよび291
eのうち、いずれか2つのものにテスタ1のプローブ2
a、2bを当接することにより、センサ290における
一部分の抵抗値を測定することができる。このことか
ら、センサ290を用いた場合には、構造物261にお
ける複数の狭範囲の損傷状況を細かく検知することがで
きる。
波線形状のセンサ290を用いた例について説明した
が、これのセンサ290の形状は直線、曲線等いずれで
あってもよい。
に示すセンサ300。 図21(a)は、センサ300の構成およびその配設状
況を示す側面図であり、図21(b)は、センサ300
の構成およびその配設状況を示す側断面図である。図2
1(a)および(b)において、301は、コンクリー
ト等から構成された構造物であり、その内部には、複数
の鉄筋302、302、・・・および複数のフープ筋30
3、303、・・・が各々埋設されている。
手方向に埋設されており、上述した(S−1)項〜(S
−3)項、(S−6)項、(S−7)項等において説明
した各種センサのうちいずれかのものと同一構成とされ
ている。このセンサ300は、構造物301の損傷状況
等を検知するものである。
と鉄筋302の他端部との間を接続するリード線であ
る。ここで、センサ300の抵抗測定時においては、テ
スタ1(図1参照)のプローブ2aおよび2bは、セン
サ300の一端部300aおよび鉄筋302の一端部に
各々当接される。すなわち、鉄筋302、303は、リ
ード線の役目をしている。
作用して亀裂等が発生すると、センサ300が破断し
て、センサ300の抵抗値が非常に大きくなる。従っ
て、センサ300を用いた場合には、テスタ1によりセ
ンサ300の抵抗値を測定することにより、測定抵抗値
の変化より構造物301の損傷状況を判定することがで
きる。また、センサ300を用いた場合には、鉄筋30
2、303がリード線の代用にされているので、施工が
楽にでき、しかも施工コストが安いという効果が得られ
る。
に示すセンサ310Aおよび310B。 図22(a)は、センサ310Aおよび310Bの構成
およびその配設状況を示す平面図であり、図22(b)
は、センサ310Aおよびセンサ310Bの構成および
その配設状況を示す図であり、図22(a)に示すA−
A線視断面図である。図22(a)および(b)におい
て、311は、コンクリート等が厚肉円筒に形成されて
なる基礎杭であり、地表312に縦方向に打設されてい
る。センサ310Aは、上述した(S−1)項〜(S−
3)項、(S−6)項、(S−7)項等において説明し
た各種センサのうちいずれかのものと同一構成とされて
いる。
部に縦方向に一端部311aから他端部311bまでに
至って埋設されており、基礎杭311の損傷状況を検知
する。センサ310Bは、基礎杭311の内部にセンサ
310Aに対して対向(図22(a)参照)するように
して埋設されている。313は、基礎杭311の他端開
口面を塞ぐ端面部材であり、導電性材料から構成されて
いる。
Aの他端部310Abおよびセンサ310Bの他端部3
10Bbが各々接続されている。すなわち、端面部材3
13は、リード線としての役目をしており、センサ31
0Aとセンサ310Bとを電気的に接続している。
310Bの抵抗値を測定する場合には、一端部310A
aおよび一端部310Baにテスタ1(図1参照)のプ
ローブ2aおよび2bが各々当接される。従って、セン
サ310Aおよび310Bを用いた場合には、基礎杭3
11に荷重等が作用したときの、センサ310Aおよび
310Bの抵抗値の変化をテスタ1により測定すること
により、基礎杭311の損傷状況を判定することができ
る。
による構造物の健全性判定装置によれば、テスタ1とい
う極めて簡易な計器により、構造物の健全性(損傷状
況)を判定することができるという効果が得られる。
て詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設
計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上述し
た一実施形態による構造物の健全性判定装置において
は、(S−1)項〜(S−31)項で複数のセンサにつ
いて説明したが、これらの複数のセンサの材料、形状、
用途等を組み合わせてもよい。
載の発明によれば、構造物に荷重が作用すると、センサ
に引っ張り力が作用することによりセンサの抵抗値が変
化する。従って、請求項1に記載の発明によれば、上記
抵抗値を簡易な抵抗測定手段により測定することによ
り、実際に施工された構造物の健全性を簡単に判定する
ことができるという効果が得られる。また、請求項1、
2に記載の発明によれば、複数の端子を設けたことによ
りセンサにおける複数の区間の抵抗値を細かく測定する
ことができるので、構造物の健全性の判定精度を向上す
ることができるという効果が得られる。
造物に荷重が作用すると、円筒部材が損傷しその内部の
導電性粉末がこぼれ、2つの封止部材間の抵抗値が変化
する。従って、請求項3に記載の発明によれば、上記抵
抗値を簡易な抵抗測定手段により測定することにより、
実際に施工された構造物の健全性を簡単に判定すること
ができる。また、請求項4に記載の発明によれば、第1
の引っ張り力以上第2の引っ張り力より小である荷重が
作用すると、第1のセンサが破断してその抵抗値が大き
くなる一方、第2のセンサが破断せずその抵抗値が小さ
いままとされる。従って、請求項4に記載の発明によれ
ば、第1のセンサおよび第2のセンサの各抵抗値を簡易
な抵抗測定手段により測定することにより、実際に施工
された構造物に作用した荷重のおよその大きさを判定す
ることができる。
造物に荷重が作用することにより構造物に亀裂等が生じ
た場合、第1の電極と第2の電極との間に介在する構造
物の抵抗値が変化する。従って、請求項5に記載の発明
によれば、上記抵抗値を簡易な抵抗測定手段により測定
することにより、実際に施工された構造物の健全性を簡
単に判定することができるという効果が得られる。
構造物に荷重が作用することにより構造物に変形が生じ
さらに断面積が増加すると、センサに対して引っ張り力
が作用して、センサの抵抗値が変化する。従って、請求
項6に記載の発明によれば、上記抵抗値を簡易な抵抗測
定手段により測定することにより、実際に施工された構
造物の健全性を簡単に判定することができるという効果
が得られる
金属部材をリード線の代用として用いているため、セン
サを楽に施工することができるとともに施工コストを安
くすることができるという効果が得られる。
定装置の概略構成を示す図である。
の別の概略構成を示す図である。
に用いられるセンサ10、20、30、40および50
の各構成を示す図である。
に用いられるセンサ60および70の各構成を示す図で
ある。
に用いられるセンサ80、90および100の各構成を
示す図である。
に用いられるセンサ110および120の構成を示す図
である。
に用いられるセンサ130の構成を示す図である。
に用いられるセンサ140の構成を示す図である。
に用いられるセンサ150の構成を示す図である。
置に用いられる構造用鉄筋ののびと応力との関係を表す
特性図である。
置に用いられるセンサ160、170、180および1
90の各構成を示す図である。
置に用いられるセンサ200の構成およびその配設状況
を示す図である。
置に用いられるセンサ210A、210Bの各構成およ
びそれらの配設状況を示す図である。
置に用いられるセンサ220の構成およびその配設状況
を示す図である。
置に用いられるセンサ230の構成およびその配設状況
を示す図である。
置に用いられるセンサ240の構成およびその配設状況
を示す図である。
置に用いられるセンサ250Aおよび250Bの構成お
よびそれらの配設状況を示す図である。
置に用いられるセンサ260の構成およびその配設状況
を示す図である。
置に用いられるセンサ270および280の各構成およ
びそれらの配設状況を示す図である。
置に用いられるセンサ290の構成を示す図である。
置に用いられるセンサ300の構成およびその配設状況
を示す図である。
置に用いられるセンサ310Aおよび310Bの各構成
およびそれらの配設状況を示す図である。
31、251、261、301 構造物 4、10、20、30、40、50、60、70、8
0、90、100、110、120、130、140、
150、160、170、180、190、200、2
10A、210B、220、230、240、250
A、250B、260、270、280、290、30
0、310A、310B センサ 5、241、311 基礎杭
Claims (7)
- 【請求項1】 構造物と、 前記構造物の内部に埋設され、所定値以上の引っ張り力
で破断する導電性材料から構成されたセンサと、 前記センサにおける少なくとも2点に各々接続された複
数の端子と、 前記複数の端子のうち少なくとも2つの端子間の抵抗値
を測定する抵抗測定手段とを具備することを特徴とする
構造物の健全性判定装置。 - 【請求項2】 構造物と、 前記構造物の表面に貼着され、所定値以上の引っ張り力
で破断する導電性材料から構成されたセンサと、 前記センサにおける少なくとも2点に各々接続された複
数の端子と、 前記複数の端子のうち少なくとも2つの端子間の抵抗値
を測定する抵抗測定手段とを具備することを特徴とする
構造物の健全性判定装置。 - 【請求項3】 構造物と、 筒形状の筒部材と該筒部材に充填された導電性粉末と前
記筒部材の両端面を各々塞ぐ2つの封止部材とから構成
され、前記構造物の内部に埋設されたセンサと、 前記2つの封止部材間に存在する前記導電性粉末の抵抗
値を測定する抵抗測定手段とを具備することを特徴とす
る構造物の健全性判定装置。 - 【請求項4】 構造物と、 前記構造物の内部に埋設され、第1の値以上の引っ張り
力で破断する第1の導電性材から構成された第1のセン
サと、 前記第1のセンサにおける少なくとも2点に各々接続さ
れた複数の第1の端子と、 前記構造物の内部に前記第1のセンサに対して近接配置
されるように埋設され、前記第1の値と異なる第2の値
以上の引っ張り力で破断する第2の導電性材料から構成
された第2のセンサと、 前記第2のセンサにおける少なくとも2点に各々接続さ
れた複数の第2の端子と、 前記複数の第1の端子のうち少なくとも2つの第1の端
子間の第1の測定値を測定する一方、前記複数の第2の
端子のうち少なくとも2つの第2の端子間の第2の抵抗
値を測定する抵抗測定手段とを具備することを特徴とす
る構造物の健全性判定装置。 - 【請求項5】 構造物と、 前記構造物の内部に各々対向するようにして埋設された
第1および第2の電極から構成されたセンサと、 前記第1の電極と前記第2の電極との間に介在する前記
構造物の抵抗値を測定する抵抗測定手段とを具備するこ
とを特徴とする構造物の健全性判定装置。 - 【請求項6】 構造物と、 前記構造物の外周面に巻回され、所定値以上の引っ張り
力で破断する導電性材料から構成されたセンサと、 前記センサにおける少なくとも2点に各々接続された複
数の端子と、 前記複数の端子のうち少なくとも2つの端子間の抵抗値
を測定する抵抗測定手段とを具備することを特徴とする
構造物の健全性判定装置。 - 【請求項7】 内部に金属部材が埋設されてなる構造物
と、 前記構造物の内部に埋設されかつその一端部が前記金属
部材の一端部に接続され、所定値以上の引っ張り力で破
断する導電性材料から構成されたセンサと、 前記センサの他端部に接続された端子と、 前記金属部材の他端部と前記端子との間の、前記センサ
の抵抗値を測定する抵抗測定手段とを具備することを特
徴とする構造物の健全性判定装置。
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