JPH11304675A - 蛍光x線分析用スラグサンプルの調整方法およびサンプラ - Google Patents
蛍光x線分析用スラグサンプルの調整方法およびサンプラInfo
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- JPH11304675A JPH11304675A JP10307985A JP30798598A JPH11304675A JP H11304675 A JPH11304675 A JP H11304675A JP 10307985 A JP10307985 A JP 10307985A JP 30798598 A JP30798598 A JP 30798598A JP H11304675 A JPH11304675 A JP H11304675A
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Abstract
グを迅速、かつ正確に分析し、得られた分析結果に基づ
き、オンラインで精錬操業に対して指示を与えることが
可能なスラグの分析を可能にする試料調整方法、および
そののサンプラを提供する。 【解決手段】 蛍光X線分析用スラグサンプルの調整方
法を、平滑な面を有する中空角柱状急冷体に溶融スラグ
を接触せしめたのち直ちに引き上げ、、該サンプルの前
記中空角柱状急冷体との接触面を蛍光X線分析の分析面
として調整する。
Description
おいて生ずるスラグの分析試料の調整方法および調整装
置に係り、特に鉄鋼の精錬工程において生ずるスラグを
オンラインで蛍光X線分析によって分析するためのスラ
グサンプルの調整方法およびサンプラに関する。
目標組成の金属を得るためスラグの組成を制御すること
が重要である。そのため、精錬過程においてスラグ分析
を行い、その結果を用いて精錬工程を適宜コントロール
することが好ましい。かかるスラグ分析には、多元素を
同時に精度よく分析することが可能であるという理由に
より、ガラスビード蛍光X線分析法が用いられる。この
方法は、いわゆるガラスビード法、すなわち粉砕したス
ラグをその10倍程度のほう酸ナトリウム等の融剤を用い
て融解することによって均質なガラス状の試料を調整
し、蛍光X線分析を行う方法であり、共存元素の影響が
小さく、分析精度が高いことが特徴であるが、試料調整
のため、粉砕、秤量、融解の作業が必要であり、通常、
分析時間が30分以上掛かるという問題がある。
ケット法が用いられることもあり、ガラスビード法に比
べると秤量や融解の作業がないため、分析時間はいくら
か短縮されるが、それでも粉砕に用いる容器の共洗いな
どを行うために、分析時間は少なくとも25〜30分を要す
る。さらに、上記ガラスビード法やブリケット法を自動
化システムとして組み上げたとしても、分析時間を20分
以下にするのは困難であり、そのためスラグ分析結果を
直ちに精錬作業に反映させることができないのが現状で
ある。
9-166589号公報には、採取したスラグ試料を直接、蛍光
X線分析に供する方法が開示されている。この方法は、
溶融スラグ層に大きな平坦面を有するサンプラーを挿入
し、スラグを平坦面に付着させ、サンプラーをスラグ層
から引き上げて固化したスラグを剥がし取り、平坦面に
付着していたスラグのサンプラーとの非接触面により蛍
光X線分析を行うものである。
する過程において、スラグ中酸化物の凝固温度の差によ
りスラグ内成分が偏析するため、最後に固化した部分で
ある上記分析面はスラグの平均組成とは大きく異なった
組成を有し、正確なスラグ平均組成を与えない。さら
に、たとえば鋼の精錬工程においては、鋼種により、あ
るいは操業段階により、スラグの粘性が変動するため、
必ずしも平坦な測定面を得ることができず、分析精度の
低下を招くという問題もある。
くとも一面に直径10mm以上の円を含む平坦面を有する、
辺の長さが20mm以上の角柱状のサンプラを、スラグ層に
挿入し速やかに引き上げた後、固化したスラグを剥がし
取り、サンプラに接していた面を蛍光X線分析に供する
技術が開示されている。
程度では精錬過程で激しく揺動しているスラグを確実に
サンプリングすることができず、実用上相当に大きく、
例えばその長さを500mm以上とせざるを得ない。その場
合、そのサンプラの重量が大となり、サンプリング現場
での操業性、実用性が著しく損なわれる。
従来技術の有する問題点を解決し、鉄鋼など溶融金属の
製錬工程において、スラグを迅速、かつ正確に分析し、
得られた分析結果に基づき、オンラインで精錬操業に対
して指示を与えることが可能なスラグの分析を可能にす
る試料調整方法、およびそのために用いる取り扱いが容
易なサンプラを提供することを目的とする。
決するために、蛍光X線分析用スラグサンプルの調整方
法を、平滑な面を有する中空角柱状急冷体に溶融スラグ
を接触せしめたのち直ちに引き上げ、該中空角柱状急冷
体に付着・固化したスラグの前記中空角柱状急冷体との
接触面を蛍光X線分析の分析面として供することとする
ものである。
の調整方法に使用する蛍光X線分析用スラグサンプラ
を、内部が中空の角柱体であり、平滑かつ平坦な面を有
するとともに、該角柱体を構成する部材が厚さ3mm以上
の急冷体からなるものとする。その際、上記角柱体の表
面にはスラグとの剥離剤が塗布されていることを好適と
する。
る。本発明においては、中空角柱状急冷体の表面に溶融
スラグを接触せしめた後、直ちに引き上げ、スラグの上
記急冷体との接触面を蛍光X線分析の分析面として調整
する。蛍光X線分析においては、スラグサンプルは急冷
され、溶融時の組成を有する状態でガラス状(非晶質状
態)で固化させることが必要であるが、蛍光X線分析に
おける分析深さは高々数μmであることを考慮すると、
急冷してガラス状としなければならないのは上記範囲に
限っても全く支障がない。そのため、本発明において
は、それ自体大きな冷却容量を有する中実の冷却体を用
いるのではなく、比較的厚さの薄い金属板からなる中空
角柱状急冷体を用いる。
構成する普通鋼熱延板製の金属板の厚さを種々変化さ
せ、温度が1550〜1650℃のスラグに1秒間浸漬したとき
得られたスラグサンプルの上記急冷体との接触面の分析
値を従来法であるガラスビード蛍光X線分析法による結
果と対比したものである。ここに示されているように、
厚さが2mmではスラグとの接触の際に溶融し、あるいは
大きく変形し平坦な面を有するサンプルを得ることがで
きないが、3mm以上の厚さがあれば、従来法と遜色のな
い結果を得ることができる。なお、厚さは5mm以上あっ
ても分析精度の向上に寄与せず、かえって重量のみを増
し、取り扱いを困難にするので、厚さは5mm以下とする
のがよい。
させる時間はきわめて短くし、スラグへの浸漬後、直ち
に引き上げるものとする。具体的には、スラグへの浸漬
時間は1秒以下となり、従来技術に示される数秒に比べ
著しく短い。これにより比較的薄い急冷体でもスラグと
接触する際の変形を伴うことなく平滑かつ平面を有する
サンプルを採取できる。なお、急冷体は薄いが、前述し
たようにスラグの急冷部位は薄くてもよいから、実用上
の支障は認められない。
に仕上げなければならない。蛍光X線分析においては試
料表面が平滑でないと、発生する蛍光X線が部分的に遮
られるため、分析精度が低下するからである。この観点
から分析精度を相対誤差10%以内に収めるためには、サ
ンプラの表面粗度をRaで20μm以下とすることが好まし
い。また、試料が平滑であることに加え、その面が平坦
であること、すなわち平面を有していることが必要であ
る。入射X線の入射角度が分析面内の位置によって変化
し、分析精度を低下させるからである。そのため、前記
急冷体の表面を蛍光X線分析に必要な程度の平滑かつ平
坦な面とし、この面に接触していた面を蛍光X線の分析
面とする。なお、この場合において、上記平滑かつ平坦
な試料面は蛍光X線分析における分析幅以上あれば十分
であり、一般的には10mm2以上あれば十分である。
整するために好適なスラグサンプラの1例を示す。本例
においては、スラグを急冷するために、周囲に平面を有
する中空の鋼製の角柱からなる中空角柱状急冷体1が紙
管4によって支持されている。上記中空角柱状急冷体1
の周囲にはスラグ剥離材2を塗布し、平滑な面が形成さ
れている。また、中空角柱状急冷体1は操業現場におけ
るサンプラの取り扱いの容易さを考慮し、さらに平滑か
つ平坦なサンプルを得ることを考慮して、厚さ3mm、1
辺が約50mmの4角柱とされている。さらに、紙管4が急
冷体1に取り付けられ、サンプラの保持を可能にしてい
る。また、上記サンプラの先端部には、サンプラの内部
に溶鋼などが進入しないようにモルタル3が詰められて
いる。
る。このスラグ剥離材は鉄、マンガンなどの金属酸化物
あるいはセラミックスからなり、スラグ採取の際にサン
プラとスラグとの濡れ性がよくなり、かつ冷却固化した
スラグがサンプラから容易に剥離するようにする機能を
有し、これにより十分な大きさを持ち、かつ、平滑な面
を持った試料が容易に得られるようにする。さらに、酸
化物種、セラミックス種をスラグ中の分析元素と重複し
ないように選択すれば、スラグ分析値の精度を低下させ
ることもない。なお、固化スラグの表面の表面平滑度は
上記剥離材の表面の平滑度で定まることに留意して、蛍
光X線分析に必要な平滑度が得られる程度に剥離材表面
を仕上げなければならない。
るいは5角柱以上の多角柱とすることは任意であり、ま
た、角柱体を構成する部材を黒皮付の熱延鋼板として、
表面に生成しているスケールによってスラグ剥離材に変
えることも可能である。また、急冷体1の長さは、500m
m以上としてスラグが揺動しても確実にスラグサンプル
が採取できるようにするのが好ましい。
の分析結果を表2に示した。なお、従来法としてガラス
ビードを作成して蛍光X線分析によって組成分析した結
果、および本発明の実施例によるサンプラを用いたがサ
ンプラとの非接触面を分析した場合の結果も併せて示
す。表2より明らかなように、本発明での分析結果は、
標準法であるガラスビード法と良好に一致しているのが
わかる。また、本発明のサンプラーを用いても従来のよ
うに非接触面を分析すると分析値は、偏析の影響によっ
てCaO、Al2O3、SiO2は低値を示し、MgOは高値と誤差を
示していることがわかる。また、本発明の方法を用いる
ことにより、従来少なくとも20分を要していたスラグの
組成分析を3分以内で行うことが可能となった。
動している精錬炉中の溶融スラグから操業性よく、かつ
確実に、偏析のない試料をきわめて迅速に調整できる。
これにより、鉄鋼などの製錬工程における精錬過程のコ
ントロールをスラグ組成をもとにして行うことが可能と
なった。
示す縦断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 平滑な面を有する中空角柱状急冷体を溶
融スラグ中に浸漬せしめたのち直ちに引き上げ、該中空
角柱状急冷体に付着・固化したスラグの前記中空角柱状
急冷体との接触面を蛍光X線分析の分析面として供する
ことを特徴とする蛍光X線分析用スラグサンプルの調整
方法。 - 【請求項2】 内部が中空の角柱体であり、平滑かつ平
坦な面を有するとともに、該角柱体を構成する部材が厚
さ3mm以上の急冷体を備えることを特徴とする蛍光X線
分析用スラグサンプラ。 - 【請求項3】 角柱体の表面にスラグとの剥離剤が塗布
されていることを特徴とする請求項2記載の蛍光X線分
析用スラグサンプラ。
Priority Applications (6)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20230169344A (ko) | 2021-05-17 | 2023-12-15 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 슬래그의 성분 분석법, 슬래그의 염기도 분석법 및 용융철의 정련 방법 |
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1998
- 1998-10-29 JP JP30798598A patent/JP3900713B2/ja not_active Expired - Fee Related
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