JPH11304181A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 消音ダクトの設置を省いて全体をコンパクト
に構成しながら、騒音を従来以下に低減することができ
る空気調和機を提供する。 【解決手段】 ケーシング１に設けられた還気口２と給
気口３とを連通するようにケーシング１内に形成された
給気通風路４に設けられるエアフィルタ５と熱交換器６
とを略逆Ｖ字状になるように傾斜姿勢に設置し、これら
斜設されたエアフィルタ５と熱交換器６との間の下部に
形成される略三角形状の空間Ｓに給気ファン８を設置し
た構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に関
し、例えばオフィスビルや病院等、床面積を有効に利用
した建物で静寂な室内空間を空調する場合に適用される
コンパクトな空気調和機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１２及び図１３は、従来より一般的に
使用されている空気調和機の構成を示す正面図及び平面
図である。この空気調和機は、ケーシング１の長手方向
両側の天面に還気口２及び給気口３が設けられ、これら
両口２，３を連通する給気通風路４がケーシング１内に
形成されているとともに、この給気通風路４内にエアフ
ィルタ５、加熱コイル６Ａ及び冷却コイル６Ｂからなる
熱交換器６、加湿器７及び給気ファン８が順に配置さ
れ、エアフィルタ５、熱交換器６及び加湿器７はそれぞ
れ垂直姿勢に設置されている。前記給気ファン８として
は、両吸込遠心式多翼ファンが使用されており、この両
吸込遠心式多翼給気ファン８を該給気ファン８よりも下
部のケーシング１内に配置したモータ９に図示省略のベ
ルトを介して連動連結させ、かつ、前記給気ファン８の
吐出口部から給気口３に至るまでの間に給気ファン８の
作動に伴い発生する風切り音等の騒音を低減するための
消音ダクト１０を設置して構成されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構成の従来の空気調和機においては、騒音低減のため
に給気ファン８とその直上部の給気口３との間に、その
内面に吸音材などを貼った消音専用の消音ダクト１０を
設置しなければならないので、製作コストが高くつくだ
けでなく、高い消音効果を得るためには消音ダクト１０
の長さを長くしなければならず、その結果、空気調和機
全体の背丈や横幅などが大きくなり、それだけ所要設置
スペースが大きくなるという問題があった。

【０００４】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、消音ダクトの設置を省いて全体をコンパクトにして
設置スペースの節減を図ることができ、しかも、従来以
下の騒音に抑制することができる空気調和機を提供する
ことを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に係る本発明の空気調和機は、ケーシング
の長手方向の両側に還気口と給気口とを設けるととも
に、ケーシング内に前記還気口と給気口を連通する給気
通風路を形成し、この給気通風路内にエアフィルタ、熱
交換器、加湿器及び給気ファンを配置して、前記還気口
から給気通風路に流入した還気をエアフィルタ、熱交換
器、加湿器及び給気ファンを経て前記給気口から流出さ
せるように構成した空気調和機において、前記エアフィ
ルタと熱交換器とを略逆Ｖ字状になるようにそれぞれ傾
斜姿勢に設置し、これら斜設されたエアフィルタと熱交
換器との間の下部に形成される略三角形状の空間に前記
給気ファンを設置したことを特徴とするものである。

【０００６】上記構成の請求項１に係る本発明によれ
ば、エアフィルタと熱交換器とを略逆Ｖ字状に斜設する
ことで、それらの気流通過面積を大きく確保して通風抵
抗を低減し、給気ファンにおける消費エネルギーの抑制
を図れるのみならず、騒音の低い片吸込遠心式多翼ファ
ンやプラグファンの使用を可能とすることができる。

【０００７】また、斜設されたエアフィルタと熱交換器
との間の下部に十分に広い略三角形状空間が形成される
ことを利用して、この空間に給気ファンを設置すること
で、該給気ファンを給気口から遠ざけて給気口から空調
対象室内への給気の際に最も多く生じる風切り音等の騒
音を低く抑えることができる。これらによって、ケーシ
ング内に専用の消音ダクトを設置しなくても、騒音を従
来構造のもの以下に低減することができ、消音ダクトの
設置を省けることで、空気調和機全体の外形寸法を従来
構造のものに比べて小さくし、所要設置スペースの節減
が図れる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１及び図２は本発明の第１の実
施の形態による空気調和機の正面図及び平面図である。

【０００９】この第１の実施の形態では、エアフィルタ
５と熱交換器６及び加湿器７とを正面視において略Ｖ字
状になるようにそれぞれ傾斜姿勢に配置した点と、両吸
込遠心式多翼給気ファン８及びこれをベルト駆動するモ
ータ９を前記のように斜設されたエアフィルタ５と熱交
換器６との間の下部に形成される略三角形状の空間Ｓに
設置した点と、消音ダクトの設置を省略している点で、
図１２及び図１３に示す従来例と相違しており、その他
の構成は図１２及び図１３に示す従来例と同一であるた
め、該当部分または相当部分に同一の符号を付して、そ
れらの説明を省略する。

【００１０】上記構成の空気調和機においては、給気フ
ァン８をモータ９を介して駆動することにより、空調対
象室内に連通する還気系から還気口２を通って給気通風
路４内に還気ＲＡが流入する。この給気通風路４内に流
入した還気ＲＡは、エアフィルタ５、給気ファン８、熱
交換器６及び加湿器７を経て給気口３から空調対象室内
への給気ＳＡとして空調対象室内の給気系に流出され
る。

【００１１】ここで、上記のようにエアフィルタ５と熱
交換器６とが略Ｖ字状になるようにそれぞれ傾斜姿勢に
配置されていることから、それらの気流通過面積が大き
く確保されて通風抵抗が低減され、それだけ給気ファン
８における消費エネルギーの抑制を図れる。また、斜設
されたエアフィルタ５と熱交換器６との間の下部に形成
される十分に広い略三角形状空間Ｓに給気ファン８を設
置することで、該給気ファン８を給気口３から遠ざけて
給気口３から空調対象室内への給気の際に生じる風切り
音等の騒音を低く抑えることができる。

【００１２】上記のように、ケーシング１内への消音ダ
クトの設置を省いても、空気調和機全体の外形寸法を従
来構造のものに比べて小さくしつつ、騒音を従来構造の
もの以下に低減することができる。

【００１３】本発明の第２の実施の形態による空気調和
機は、図３〜図５に示すように、給気ファンとして、片
吸込遠心式多翼ファン８を使用し、この片吸込遠心式多
翼給気ファン８を前記給気通風路４内における還気気流
の流れ方向と平行なファン軸８ａを介してモータ９に直
結した構成である。その他の構成は、第１の実施の形態
による空気調和機と同一であるため、該当部分または相
当部分に同一の符号を付して、それらの説明を省略す
る。

【００１４】この第２の実施の形態による空気調和機で
は、両吸込遠心式ファンよりも羽根車径を大きくして給
気性能が高いことから低い回転数に設定することが可能
な片吸込遠心式多翼給気ファン８の使用によって、該給
気ファン８自体が発生する騒音を低く抑えて一層高い騒
音低減効果を得ることができる。

【００１５】本発明の第３の実施の形態による空気調和
機は、図６に示すように、給気ファンとして、上記第２
の実施の形態と同様な片吸込遠心式多翼給気ファン８を
使用し、これをモータ９によりベルト駆動するように構
成したもので、その他の構成は第２の実施の形態による
空気調和機と同一であるため、該当部分または相当部分
に同一の符号を付して、それらの説明を省略する。

【００１６】本発明の第４の実施の形態による空気調和
機は、図７及び図８に示すように、給気ファンとして、
プラグファン８を使用し、このプラグファン８を給気通
風路４内における還気気流の流れ方向と平行なファン軸
８ａを介してモータ９に直結した構成である。その他の
構成は、第１〜第３の実施の形態による空気調和機と同
一であるため、該当部分または相当部分に同一の符号を
付して、それらの説明を省略する。

【００１７】なお、この第４の実施の形態による空気調
和機における給気ファンとして使用するプラグファン８
は、図９に明示するように、ハウジングを持たない片吸
込遠心式ターボファンであり、ファン羽根車８Ａに連な
る吸込コーン８Ｂをエアフィルタ５と熱交換器６との間
を区画する仕切壁１０に貫通状態に支持させてなり、こ
のプラグファン８は遠心式多翼ファンよりも高い給気性
能が得られ、したがって、ファン８自体が発生する騒音
を抑制することができる。

【００１８】本発明の第５の実施の形態による空気調和
機は、図１０及び図１１に示すように、給気ファンとし
て、上記第４の実施の形態と同様なプラグファン８を使
用し、これをモータ９によりベルト駆動するように構成
したもので、その他の構成は第４の実施の形態による空
気調和機と同一であるため、該当部分または相当部分に
同一の符号を付して、それらの説明を省略する。

【００１９】なお、第２〜第５の実施の形態による空気
調和機のいずれも、消音ダクトの設置を省いて空気調和
機全体の外形寸法を従来構造のものに比べて小さくしつ
つ、騒音を従来構造のもの以下に低減できるのは、第１
の実施の形態による空気調和機と同様である。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１に係る発明
によれば、エアフィルタと熱交換器とを略逆Ｖ字状に斜
設することで、それらの気流通過面積を大きく確保して
通風抵抗を低減し、給気ファンにおける消費エネルギー
の抑制を図ることができる。

【００２１】しかも、斜設されたエアフィルタと熱交換
器との間の下部に形成した十分に広い略三角形状空間を
利用し、この空間に高い給気効率を確保しつつ、騒音の
発生の少ない片吸込遠心式多翼ファンやプラグファンな
どの各種の給気ファンを組込み設置することが可能とな
り、このことと、給気ファンを給気口から遠ざけて給気
口から空調対象室内への給気の際に最も多く生じる風切
り音等の騒音を低く抑えることとによって、ケーシング
内に専用の消音ダクトを設置しなくても、騒音を従来構
造のもの以下に低減することができる。また、消音ダク
トの設置を省けることで、空気調和機全体をその外形寸
法が従来構造のものに比べて小さいコンパクトなものに
でき、その所要設置スペースの節減を図ることができる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態による空気調和機の
正面図である。

【図２】同第１の実施の形態による空気調和機の平面図
である。

【図３】本発明の第２の実施の形態による空気調和機の
正面図である。

【図４】同第２の実施の形態による空気調和機の平面図
である。

【図５】図３のＡ−Ａ矢視方向の縦断側面図である。

【図６】本発明の第３の実施の形態による空気調和機の
正面図である。

【図７】本発明の第４の実施の形態による空気調和機の
正面図である。

【図８】同第４の実施の形態による空気調和機の平面図
である。

【図９】同第４の実施の形態による空気調和機で使用す
るプラグファンの拡大詳細図である。

【図１０】本発明の第５の実施の形態による空気調和機
の正面図である。

【図１１】同第５の実施の形態による空気調和機の平面
図である。

【図１２】従来の空気調和機の正面図である。

【図１３】同従来の空気調和機の平面図である。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ 還気口 ３ 給気口 ４ 給気通風路 ５ エアフィルタ ６ 熱交換器 ７ 加湿器 ８ 給気ファン ９ モータ ＲＡ 還気 ＳＡ 給気

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 正明 栃木県宇都宮市平出工業団地28 クボタ空 調株式会社栃木工場内 (72)発明者 渡辺 圭二 栃木県宇都宮市平出工業団地28 クボタ空 調株式会社栃木工場内 (72)発明者 清水 利壽 栃木県宇都宮市平出工業団地28 クボタ空 調株式会社栃木工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングの長手方向の両側に還気口と
   給気口とを設けるとともに、ケーシング内に前記還気口
   と給気口を連通する給気通風路を形成し、この給気通風
   路内にエアフィルタ、熱交換器、加湿器及び給気ファン
   を配置して、前記還気口から給気通風路に流入した還気
   をエアフィルタ、熱交換器、加湿器及び給気ファンを経
   て前記給気口から流出させるように構成した空気調和機
   において、 前記エアフィルタと熱交換器とを略逆Ｖ字状になるよう
   にそれぞれ傾斜姿勢に設置し、 これら斜設されたエアフィルタと熱交換器との間の下部
   に形成される略三角形状の空間に前記給気ファンを設置
   したことを特徴とする空気調和機。