JPH11303916A - ゴム積層体 - Google Patents

ゴム積層体

Info

Publication number
JPH11303916A
JPH11303916A JP10459598A JP10459598A JPH11303916A JP H11303916 A JPH11303916 A JP H11303916A JP 10459598 A JP10459598 A JP 10459598A JP 10459598 A JP10459598 A JP 10459598A JP H11303916 A JPH11303916 A JP H11303916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
laminate
ratio
rubber laminate
breaking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10459598A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Shimada
島田  淳
Hideyuki Oishi
英之 大石
Atsushi Miyaji
淳 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP10459598A priority Critical patent/JPH11303916A/ja
Publication of JPH11303916A publication Critical patent/JPH11303916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水平剛性の面圧依存性が低く、高面圧下でも剪
断弾性率が低下せず、各種の振動エネルギー吸収装置、
特に免震装置として好適なゴム積層体の提供。 【解決手段】ゴム層と硬質板とを交互に積層したゴム積
層体であって、前記ゴム層が、破断強度と破断伸びの積
の1/2の値に対する、破断エネルギーの比が0.4以
上であり、オートグラフによる100%繰り返し変形引
張試験での5回目のモジュラスと、静的剪断弾性率Gs
の比が1.4以上であるゴム組成物よりなるゴム積層
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム積層体に関
し、詳しくは、ゴム積層体の水平方向の剛性(剪断弾性
率)が、ゴム積層体のうける面圧に対し依存性が低く、
高面圧下でも剪断弾性率が低下せず、各種の振動エネル
ギー吸収装置、特に免震装置として好適なゴム積層体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、振動エネルギー吸収装置、特に免
震装置が急速に普及しつつあり、その一形態として、鋼
板とゴム層を交互に積層したゴム積層体が挙げられる。
ゴム積層体は、建築物と基礎の間、主に基礎部分の柱の
基部に設置され、地震等の地動に共振する建築物の振動
周期を長周期に変え、建築物に入る地動を減少させる働
きをする。最近のゴム積層体は、従来品に比べ、工事作
業性、外観等を考慮してコンパクト化が進んでおり、ゴ
ム積層体1個の断面積が、従来品よりも減少する傾向に
ある。ゴム積層体にかかる建築物の荷重が同じなまま、
ゴム積層体の断面積が減少すると、ゴム積層体の断面積
当たりにかかる荷重、すなわち面圧は、断面積が大きい
ゴム積層体にかかる面圧よりも大きなものとなる。例え
ば、従来の建築物に用いられてきたゴム積層体では、面
圧がせいぜい80kg/cm2 であったが、最近のゴム
積層体のコンパクト化により、コンパクト化したゴム積
層体にかかる面圧は、2倍強の200kg/cm2 にも
達するものもある。図1に、面圧が150kg/cm2
の場合の、従来の免震装置に用いられているゴム組成物
を用いたゴム積層体の水平荷重と水平変位の関係を表す
グラフを示す。図1に示す、水平荷重と水平変位の曲線
(S−Sカーブ)から分かるように、面圧が150kg
/cm2 と比較的小さい場合、荷重と変位の関係は、ほ
ぼ線型である。すなわち、面圧が比較的小さい場合はゴ
ムの水平剛性(剪断弾性率)は、バネ弾性のような線型
性を示す。この場合、ゴム積層体が水平(剪断)方向に
力を受けると、ゴム積層体は剪断方向に変形し、剪断方
向の変位に対応したゴムの応力が生じることにより、ゴ
ム積層体は変形前の位置に戻ろうとする。なお、ゴム積
層体に水平荷重をかけ、破断に至らしめた場合の水平荷
重は破断強度と同義であり、水平変位は破断伸びと同義
である。また、水平荷重と水平変位の曲線であるS−S
カーブを示すグラフの横軸と、S−Sカーブの端点から
横軸に下ろした垂線と、S−Sカーブに囲まれた面積
は、ゴム積層体が破断に至るまでの破断エネルギーを表
す(後述の図3参照)。図2に、面圧が300kg/c
2 の場合の、上述のゴム積層体の水平荷重と水平変位
の関係を表すグラフを示す。図2に示す、水平荷重と水
平変位のS−Sカーブから分かるように、図1の場合の
面圧150kg/cm2 の2倍である300kg/cm
2 という極めて大きな面圧がかかると、ゴム積層体は剪
断方向に力を受けても、水平方向への変形に対応したゴ
ムの応力が生じることなくゴムの水平剛性(剪断弾性
率)が低下する。その結果、ゴム積層体は、従来のゴム
積層体にかかっていたような比較的小さな面圧下であれ
ば、十分に元の位置に戻ることのできたゴム積層体の剪
断方向の変形(傾き)から、面圧が増大した場合は、戻
ることができず、元の位置を回復することができなくな
る。このように、従来のゴム積層体では、水平方向の剛
性は面圧に大きく依存している。水平剛性の面圧依存性
が大きいため、上述のように、面圧が大きい場合に、面
圧が小さい場合であれば十分元の位置に戻れる範囲のゴ
ム積層体の傾きから、ゴム積層体が戻れなくなり、すな
わち、ゴム積層体が建築物の受けた地動による傾きを支
えきれないという問題が生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、水平剛性(剪断弾性率)の面圧依存性が低く、高面
圧下でも剪断弾性率が低下せず、各種の振動エネルギー
吸収装置、特に免震装置として好適なゴム積層体を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、かかる従来
の技術における問題を解消すべく鋭意研究した結果、ゴ
ム積層体のゴム層を形成するゴム組成物として、破断強
度と破断伸びの関係がより線型に比例する破断特性を有
するゴム組成物を使用することで、ゴム積層体の水平剛
性の面圧依存性が低減でき、かかるゴム積層体の特性を
ゴム組成物の配合により獲得することができることを見
出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、ゴム層と硬質板とを
交互に積層したゴム積層体であって、前記ゴム層が、破
断強度と破断伸びの積の1/2の値に対する、破断エネ
ルギーの比が0.4以上であり、さらに、オートグラフ
による100%繰り返し変形引張試験での5回目のモジ
ュラスと、静的剪断弾性率Gsの比が1.4以上である
ゴム組成物よりなるゴム積層体を提供する。
【0006】前記ゴム組成物が、体積分率でカーボンブ
ラックを7%超含有するのが好ましい。
【0007】前記カーボンブラックのCTAB吸着比表
面積が35〔m2 /g〕以下であり、24M4−DBP
吸油量が70〔cm3 /100g〕以下であるのが好ま
しい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ゴム積層体のゴム層を形成するゴム組成物の
破断強度と破断伸びの積の1/2の値に対する、破断エ
ネルギーの比、および、100%繰り返し引張り変形時
の5回目のモジュラスと静的剪断弾性率Gsの比が特定
値以上であるという破断特性を、ゴム組成物の配合を特
定なものとすることで獲得することにより、ゴム積層体
の水平剛性の面圧依存性を低減化して改善するものであ
る。
【0009】本発明は、ゴム積層体のゴム層を形成する
ゴム組成物に、破断強度と破断伸びの積の1/2の値に
対する、破断エネルギーの比が0.4以上であり、さら
に、オートグラフによる100%繰り返し変形引張試験
での5回目のモジュラスと、静的剪断弾性率Gsの比が
1.4以上であるゴム組成物を用いることにより、ゴム
積層体の水平剛性(剪断弾性率)の面圧依存性を低減化
する。図3にゴムの破断強度と破断伸びを、それぞれ縦
軸と横軸にとった場合の破断強度と破断伸びの関係を示
すS−Sカーブ(図3では、ゴムが途中で破断に至って
いる場合を表すため、S−Sカーブの全体ではなくその
一部を示すにすぎない)を概念図として示す。図中、A
は伸びがA、強度が0の点を、Bは伸びが0、強度がB
の点を、Cは破断伸びA、破断強度Bの点を、Oは原点
を表す。破断強度と破断伸び積の1/2の値は、図3で
は、直線OAと直線ACと直線OCで囲まれた三角形の
面積により表される。破断強度と破断伸びの関係を示す
S−Sカーブより得られる破断エネルギーは、斜線で示
した部分により表される。破断強度と破断伸びの積の1
/2の値に対する、破断エネルギーの比を、以下、破断
エネルギー比と記す。また、オートグラフによる100
%繰り返し変形引張試験での5回目のモジュラスと、静
的剪断弾性率Gsの比を、以下、弾性比と記す。
【0010】ゴム積層体の面圧依存性は、ゴム積層体の
水平剛性保持率により表わすことができる。ここで水平
剛性保持率とは、異なる2つの面圧下において、その内
の小さな面圧下に対する大きな面圧下における水平剛性
の比である。例えば、高面圧下でも剪断弾性率が低下せ
ず、面圧依存性が小さいとは、水平剛性保持率が大きい
ということである。ゴム組成物の破断エネルギー比、弾
性比と、そのゴム組成物をゴム層としたゴム積層体の水
平剛性保持率の関係をみてみると、以下に示す結果が得
られた。水平剛性保持率は、面圧300kg下での水平
剛性と150kg下での水平剛性の比をとった。 得られた結果より、破断エネルギー比、弾性比と、水平
剛性保持率が正に相関し、破断エネルギー比、および、
弾性比が大きければ水平剛性保持率が大きく、即ち面圧
依存性が小さく、この比が小さければ水平剛性保持率が
小さく、即ち面圧依存性が大きいことがわかった。つま
り、破断エネルギー比、および、弾性比が大きくなるに
従って、ゴム積層体の面圧依存性が改善されることがわ
かった。ここで、破断エネルギー比が大きくなるとは、
図3でいうと、曲線OCが、直線OCに近づくことをい
い、破断に至るまで、より線型に近い変形をするゴムで
あると言える。また、弾性比が大きくなるということに
ついては、ゴムは一般に50%を越えたあたりから弾性
率が低下する傾向にあるが、この低下が少ないというこ
とであり、実際の積層体において重要な変形領域である
100%変形程度まで、より線型に近い変形をするゴム
であるといえる。この結果より、ゴム組成物の破断エネ
ルギー比を大きくし、破断伸びと破断強度がより線型に
比例、つまり破断エネルギー比を1に近づけ、かつ弾性
比を大きくして、実際の積層体の変形領域で、より線型
に変形するようにすれば、このゴム組成物をゴム層に用
いたゴム積層体の面圧依存性を低減化できることがわか
った。逆に、ゴム組成物の破断伸びと破断強度が線型に
比例せず、また、100%変形時のモジュラスがGsに
対して低かったりすると、剪断弾性率が低下した状態と
なり、このゴム組成物を用いたゴム積層体の面圧依存性
が大きくなる。特に、破断エネルギー比が0.4以上、
弾性比が1.4以上であるゴム組成物で形成したゴム層
を有するゴム積層体では、水平剛性保持率は0.5を越
え非常に好ましいが、破断エネルギー比が0.4未満、
弾性比が1.4未満では水平剛性保持率が0.5を越え
ないので好ましくない。好ましくは、破断エネルギー比
が0.4〜1.0、弾性比が1.4〜4.0である。
【0011】本発明のゴム積層体のゴム層を形成するゴ
ム組成物としては、破断エネルギー比が0.4以上、弾
性比が1.4以上となるゴム組成物であれば、特に限定
されない。このようなゴム組成物としては、ゴムの他
に、充填剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止
剤、可塑剤、加工助剤、軟化剤、顔料等を含有すること
ができる。本発明のゴム積層体のゴム層を形成するゴム
組成物に含有されるゴムとしては、例えば、天然ゴム
系、イソプレンゴム系、スチレン・ブタジエン共重合ゴ
ム系、天然ゴム/スチレン・ブタジエン共重合ゴム系、
天然ゴム/ブタジエンゴム系、天然ゴム/アクリロニト
リルブタジエンゴム系等が好適に例示される。これらの
ゴムは、1種単独でも、2種以上を併用してもよい。こ
れらのゴムの中でも、天然ゴムを主成分とするのが好ま
しい。天然ゴムは、加硫後のゴム物性のバランスに優れ
るからである。
【0012】ゴム組成物には、コロイダル特性が、CT
AB吸着比表面積が35〔m2 /g〕以下であり、24
M4−DBP吸油量が70〔cm3 /100g〕以下で
あるカーボンブラックを、体積分率で7%超配合するの
が好ましい。ここで、体積分率とは、カーボンブラック
を含む組成物全体積に対する原料カーボンブラック重量
をその真比重で除した値を%で表したものをいう。この
ようなコロイダル特性のカーボンブラックを、体積分率
で7%超配合すると、本発明のゴム積層体の水平剛性保
持率が0.5を越えるので好ましい。体積分率で7〜2
5%であるのがより好ましい。
【0013】CTAB(セチルトリメチルアンモニウム
ブロミド)吸着比表面積(以下、CTABと記す)と
は、カーボンブラックがゴム分子との吸着に利用できる
表面積をセチルトリメチルアンモニウムブロミドの吸着
によって測定した値である。24M4−DBP(ジブチ
ルフタレート)吸油量(以下、24M4−DBPと記
す)とは、カーボンブラックの製造時にカーボンブラッ
クが融着して形成されるパールネックレス状のストラク
チャーの粒子の凝集状態の目安を示し、ストラクチャー
が発達しているほど、24M4−DBPが大きくなり、
ストラクチャーが発達しているほど、ゴム組成物製造時
の加工性(特に分散性、押出性)が改善され、加硫ゴム
の耐磨耗性が向上し、硬さ、引張応力が高くなる。ゴム
組成物に、CTABが35〔m2 /g〕以下であり、2
4M4−DBPが70〔cm3 /100g〕以下である
カーボンブラックを、上述の好ましい量、配合すると、
上述のように、本発明のゴム積層体の水平剛性保持率が
0.5を越えるので好ましい。CTABが35〔m2
g〕超であると、得られるゴム組成物のヒステリシスロ
スが大きくなり、破断強度と破断伸びの曲線の線型性が
低減するので好ましくない。24M4−DBPが70
〔cm3 /100g〕超であると、カーボンブラックを
7%以上配合した際のモジュラスの増加が大きく、目的
の剪断弾性率が得られないとの理由から好ましくない。
CTABが20〜35〔m2 /g〕であり、24M4−
DBPが30〜70〔cm3 /100g〕であるのがよ
り好ましい。カーボンブラックとしては、好ましくは上
述の条件を満たすものを用い、その種類は、SRF、H
AF−LS、GPF等を用いることができる。
【0014】上記ゴム組成物には、上述の特定のコロイ
ダル特性を持つカーボンブラックの他に、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー等の充填剤を含有することができ
る。加硫剤としては、硫黄、塩化硫黄、亜鉛華や、TM
TD等の有機含硫黄化合物、ジクミルペルオキシド等の
有機過酸化物等が挙げられる。加硫促進剤としては、N
−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンア
ミド(CBS)等のスルフェンアミド類、メルカプトベ
ンゾチアゾール等のチアゾール類、テトラメチルチウラ
ムモノスルフィド等のチウラム等が挙げられる。老化防
止剤としては、TMDQ等のケトン・アミン縮合物、D
NPD等のアミン類、スチレン化フェノール等のモノフ
ェノール類等が挙げられる。可塑剤としては、DBP、
DOP等のフタール酸誘導体、DBS等のセバシン酸誘
導体、といったモノエステル類が挙げられる。軟化剤と
しては、アロマオイル等が挙げられる。
【0015】本発明のゴム積層体のゴム層を形成するゴ
ム組成物の製造方法は、加硫剤、加硫促進剤以外の各成
分を、先ずバンバリーミキサー等で混練する。ついで、
混練ロール機等にて硫黄等の加硫剤、加硫促進剤を混練
し、加熱加硫することにより加硫ゴムシートとすること
ができる。このとき、加硫剤の量、加硫温度と加熱時間
による加硫の程度を、得られるゴム組成物の破断エネル
ギー比が0.4以上となるよう、カーボンブラックの配
合量とともに調整する。具体的な配合例を例示すると、
加硫剤として硫黄を用いる場合、例えば、上述のカーボ
ンブラックを体積分率で7%超、硫黄0.9〜1.9重
量部をゴム100重量部に配合し、150℃程度の加熱
下で10分、加硫を行うことで、破断エネルギー比が
0.4以上のゴム組成物を得ることができる。
【0016】本発明のゴム積層体とは、ゴム層と硬質板
とを交互に積層した積層体であって、橋梁の支承やビル
の基礎免震等に用いられる構造体である。硬質板には鉄
板、鋼板等が用いられ、ゴム層には、上述のゴム組成物
が好適に用いられる。本発明のゴム積層体の製造方法の
一例について説明する。鋼板は、予め機械的処理、化学
的処理、機械的加工等による表面処理をしてもよく、さ
らに表面を脱脂し、接着剤を塗布する。この際、プライ
マーを塗布してもよい。一方、未加硫状態のゴム組成物
を所定の厚さに圧延し、所定の形状に打ち抜いて、ゴム
シートとする。鋼板に塗布した接着剤が乾燥した後、ゴ
ムシートを積層し、ついで、鋼板とゴムシートを一体と
して加熱加硫して、ゴム積層体を得る。
【0017】本発明のゴム積層体は、以上の構成を取
り、破断エネルギー比が0.4以上であり、また、弾性
比が1.4以上とすれば、水平剛性保持率が0.5超と
なり、水平剛性の面圧依存性が小さい。また、特定量の
体積分率で、特定のコロイダル特性を持つカーボンブラ
ックを含有するゴム組成物よりなるゴム層を有する本発
明のゴム積層体では、ゴム組成物の組成を上述のごとく
選択することにより、水平剛性保持率を0.5超とする
ことができ、水平剛性の面圧依存性が小さい。そのた
め、本発明のゴム組成物は、建築物の基礎等に設置され
る各種の振動エネルギー吸収装置、免震装置として好適
に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1〜2、比較例1〜2)下記表1に示すゴム組
成物を調整し、150℃で30分間、プレス加硫を行い
加硫ゴムを得た。用いたカーボンブラックのCTAB、
および、24M4−DBPを表1に示す。CTAB、2
4M4−DBPは、ASTM D3765−80に準拠
して測定した。得られた加硫ゴムについて、表1記載の
引張り試験による各物性値、静的剪断弾性率(Gs)、
破断エネルギーを測定し、破断エネルギー比、弾性比を
算出した。また、得られたゴム組成物より加硫ゴムシー
トを作成し、これを用いて後述する方法によりゴム積層
体を作成して、水平剛性保持率を測定、算出した。結果
を表1に示す。
【0019】(1)引張り試験 JIS K 6251に準拠して、100%モジュラス
(M100 )〔%〕、300%モジュラス(M300
〔%〕、破断強度(TB )〔kgf/cm2 〕、破断伸
び(EB )〔%〕を測定した。 (2)破断エネルギー 破断伸びと破断強度の積分値より算出した。 (3)静的剪断弾性率Gs〔kgf/cm2 〕 JIS K 6254に準拠して測定した。 (4)破断エネルギー比 上述の方法により得られた破断強度と破断伸びより、破
断強度×破断伸び×1/2を算出して、破断エネルギー
比として。 (5)弾性比 オートグラフによる100%繰り返し変形引張試験での
5回目のモジュラスと、静的剪断弾性率Gsの測定値か
ら、繰り返し100%モジュラス/静的剪断弾性率を算
出し、弾性比とした。 (6)水平剛性保持率 実施例、比較例で得られた未加硫ゴムシート(厚さ2.
2mm)26枚と、鋼板(直径300mm×厚さ2.0
mm)27枚とを交互に積層し、130℃で300分加
熱加硫接着し、ゴム積層体を作成した。作成したゴム積
層体を用いて、面圧300kg、150kgにて静的剪
断弾性率を測定し、面圧300kg下における静的剪断
弾性率の、面圧150kg下における静的剪断弾性率に
対する比をとった。合格範囲は、0.5超とした。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明のゴム積層体は、水平剛性の面圧
依存性が低い。従って、防振装置、除振装置、免震装置
等の振動エネルギーの吸収を目的とする積層体として好
適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のゴム積層体の面圧150kg/cm2
下での水平荷重と水平変位の相関を示すグラフである。
【図2】 従来のゴム積層体の面圧300kg/cm2
下での水平荷重と水平変位の相関を示すグラフである。
【図3】 従来のゴムの破断強度と破断伸びの相関を示
すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム層と硬質板とを交互に積層したゴム積
    層体であって、前記ゴム層が、破断強度と破断伸びの積
    の1/2の値に対する破断エネルギーの比が0.4以上
    であるゴム組成物よりなるゴム積層体。
  2. 【請求項2】前記ゴム組成物が、さらに、オートグラフ
    による100%繰り返し変形引張試験での5回目のモジ
    ュラスと、静的剪断弾性率Gsの比が1.4以上である
    請求項1に記載のゴム積層体。
  3. 【請求項3】前記ゴム組成物が、体積分率でカーボンブ
    ラックを7%超含有する請求項1または2に記載のゴム
    積層体。
  4. 【請求項4】前記カーボンブラックのCTAB吸着比表
    面積が35〔m2 /g〕以下であり、24M4−DBP
    吸油量が70〔cm3 /100g〕以下である請求項3
    に記載のゴム積層体。
JP10459598A 1998-04-15 1998-04-15 ゴム積層体 Pending JPH11303916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10459598A JPH11303916A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 ゴム積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10459598A JPH11303916A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 ゴム積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11303916A true JPH11303916A (ja) 1999-11-02

Family

ID=14384791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10459598A Pending JPH11303916A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 ゴム積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11303916A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050616A (ja) * 1998-04-15 2008-03-06 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム免震積層体用ゴム組成物の評価方法および調製方法
CN102401084A (zh) * 2010-09-15 2012-04-04 溧阳市振大铁路设备有限公司 城市轨道列车转向架的轴箱弹簧

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050616A (ja) * 1998-04-15 2008-03-06 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム免震積層体用ゴム組成物の評価方法および調製方法
CN102401084A (zh) * 2010-09-15 2012-04-04 溧阳市振大铁路设备有限公司 城市轨道列车转向架的轴箱弹簧

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101829557B1 (ko) 개선된 천연 고무 조성물
TW201241086A (en) High decay composition
JP2015160903A (ja) 高減衰組成物、制震ダンパおよび免震支承
KR20130026967A (ko) 고감쇠 조성물
JP5714828B2 (ja) 高減衰支承用ゴム組成物および高減衰支承体
JP4595171B2 (ja) 高減衰支承用ゴム組成物
JPH11303916A (ja) ゴム積層体
JP4260100B2 (ja) 高減衰積層体用ゴム組成物
JP5043310B2 (ja) 低反撥ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
JP5250940B2 (ja) 高減衰支承用ゴム組成物および高減衰支承体
JP2000001576A (ja) 免震積層体用ゴム組成物
JP4030412B2 (ja) 高減衰積層体用ゴム組成物および該ゴム組成物を用いたゴム積層体
JP2010121033A (ja) 高減衰積層体用ゴム組成物および高減衰積層体
JP3753493B2 (ja) 高減衰ゴム支承用ゴム組成物
JP4737171B2 (ja) ゴム免震積層体用ゴム組成物の評価方法および調製方法
JP2009019076A (ja) 防振ゴム組成物および防振ゴム
JP2019031607A (ja) 高減衰ゴム組成物および粘弾性ダンパ
JP3645469B2 (ja) 破壊特性を向上させた積層体用ゴム組成物
JP2001206983A (ja) 高減衰ゴム組成物
JP2004307594A (ja) 高減衰ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
JP2006045325A (ja) 高減衰ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
JP4331003B2 (ja) 高減衰支承用ゴム組成物および高減衰支承体
JP2001310973A (ja) 振動減衰材料
JP2001019802A (ja) ゴム組成物
JPH10176083A (ja) 免震積層体用ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041013

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070614

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070619

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20070814

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080318