JPH11303729A - 流体供給ポンプ - Google Patents

流体供給ポンプ

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JPH11303729A
JPH11303729A JP10111825A JP11182598A JPH11303729A JP H11303729 A JPH11303729 A JP H11303729A JP 10111825 A JP10111825 A JP 10111825A JP 11182598 A JP11182598 A JP 11182598A JP H11303729 A JPH11303729 A JP H11303729A
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JP
Japan
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cylinder
pump
cam ring
drive shaft
collective
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JP10111825A
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English (en)
Inventor
Takafumi Yamada
貴文 山田
Yutaka Tauchi
豊 田内
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧プランジャポンプの各シリンダの流体通
路長さを短縮する。 【解決手段】 ハウジング9に対して固定されたポンプ
ヘッド7、ポンプヘッドと同軸に配置された駆動軸3を
設け、ポンプヘッド中心軸線に対してカムリング9を偏
心して配置し、駆動軸3から偏心カム31を介して駆動
する。カムリングは自転を制限されている。ポンプヘッ
ドの各シリンダ13のプランジャ15とカムリングに設
けられた平坦部91とはタペット17を介して面接触す
る。駆動軸の回転により、カムリングは揺動運動を行な
いプランジャはシリンダ内を往復動する。これにより、
タペットをカムと面接触させながらシリンダのポンプ室
131を中心軸側に配置することが可能となり、ポンプ
吐出圧を高圧にしながら各シリンダへの個別流体通路長
さを短縮することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体供給ポンプに関
し、詳細には高圧燃料噴射等に使用可能な高圧プランジ
ャポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】駆動軸のまわりに放射状にシリンダを配
置し、駆動軸によりシリンダ内のプランジャを往復動さ
せるラジアルピストンポンプが一般に使用されている。
この種のポンプでは通常、駆動軸により駆動されるカム
によりプランジャを押動しシリンダ内の流体の吸入と吐
出とを行なっている。このようなラジアルピストンポン
プでは、吐出圧力が高くなると、それに応じてプランジ
ャとカムとの接触面圧が高くなるため、カムまたはプラ
ンジャの耐久性が低下する問題が生じる。
【0003】この問題を解決するため例えば特開平6−
249134号公報は、プランジャ端面とカムとを面接
触させるようにしたラジアルピストンポンプを提案して
いる。同公報のポンプは、駆動軸まわりに配置され駆動
軸の回転に伴って揺動するカムと、該カムの外側に駆動
軸まわりに所定の角度間隔で配置された複数のシリンダ
と、シリンダ内を摺動可能なプランジャとを備えてい
る。各プランジャの駆動軸側端部はパッドを介してカム
の外周上に形成された平坦部と係合しており、パッドは
カム平坦部と面接触しつつ摺動するようにされている。
このように、パッドとカムとを面接触させることによ
り、パッドとカムとの接触面圧を低く維持することが可
能となるため、吐出圧を高く設定した場合でもカムやプ
ランジャ(パッド)の耐久性が低下することが防止され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
6−249134号公報のポンプでは各シリンダの流体
流入通路と吐出通路との長さを短縮できない問題が生じ
る。すなわち、上記公報のポンプはプランジャの駆動軸
側端部をカムで駆動しているため、構造上流体の吸入吐
出を行なうポンプ室はシリンダの外側端に位置すること
になり、各シリンダのポンプ室間の距離が大きくなる。
複数のシリンダを有するポンプでは、共通の集合吸入通
路から各シリンダのポンプ室に流体を供給する個別吸入
通路と、各ポンプ室からの吐出流体を共通の集合吐出通
路に集約す個別吐出通路とが必要となる。しかし、上記
公報のポンプのように各シリンダのポンプ室が互いに離
れていると、上記集合吸入通路や集合吐出通路をどの位
置に配置しても個別吸入通路と個別吐出通路の長さが長
くなるシリンダが生じてしまう。このため、各個別通路
の配置が複雑になるとともに、例えばポンプヘッド内に
上記通路を形成するような場合には通路形成のための機
械加工が困難になる場合が生じる。
【0005】更に、上記公報のポンプでは、ポンプ吐出
流量や圧力を制御するために集合吐出通路に制御弁を設
け各シリンダからの流体吐出量が所定量以上になったと
き、または吐出圧力が所定値以上になったときに制御弁
から集合吐出通路内の流体を外部に逃がすようにした場
合には、個別吐出通路の長さが長くなるためにデッドボ
リュームが大きくなり、流量や圧力の制御精度が悪化し
たりポンプ効率が低下したりする場合が生じる。
【0006】一方、従来シリンダ外側に内周面にカムを
形成したインナカムリングを配置し、各プランジャの外
側の端部がカムと係合するようにしたインナカム式プラ
ンジャポンプが知られている。インナカム式ポンプでは
各シリンダの駆動軸中心軸線側の端部がポンプ室となる
ため、中心軸線近傍にポンプ室が配置され各ポンプ室間
距離を大幅に縮小することが可能となる。このため、中
心軸線近傍に集合吸入通路と集合吐出通路を配置すれば
各ポンプ室からの個別吸入通路と個別吐出通路との長さ
を大幅に短縮することができ上記問題は解決する。
【0007】しかし、従来のインナカム式ポンプはシリ
ンダが形成されるポンプヘッドとインナカムリングとが
相対的に回転する構造であり、プランジャがカム上を摺
動する摺動速度が比較的大きくなる。このため、従来イ
ンナカム式ポンプではプランジャ端部に回転可能なロー
ラシューを配置し、ローラシューがカム面を転動するよ
うにしてカム面とプランジャ端部との摩擦を低減する必
要があった。しかし、この場合、ローラシューとカム面
との接触は線接触となるため接触応力が高くなり、ポン
プ吐出圧を高く設定するとローラシューやカム面の耐久
性が低下する問題が生じてしまう。
【0008】本発明は上記問題に鑑み、カム面とプラン
ジャとの接触面圧を低下させることにより吐出圧力を高
圧化することを可能としつつ、しかも吸入と吐出の個別
通路の長さを短縮可能な流体供給ポンプを提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、ポンプ駆動軸と、該駆動軸中心軸線と同心に配
置されたポンプヘッドと、該ポンプヘッドの外側を包囲
するように前記駆動軸の軸線から偏心した位置に配置さ
れ、前記駆動軸から偏心カムを介して駆動され駆動軸の
回転に応じて揺動するカムリングと前記ポンプヘッド内
に前記中心軸線に対してほぼ放射状に形成された複数の
シリンダと、各シリンダ内に配置されるとともに、前記
カムリング側端部がタペット部材を介して前記カムリン
グ内周面と面接触し、前記カムリングの揺動に応じてシ
リンダ内を往復動するプランジャと、各シリンダ内の前
記プランジャの前記中心軸線側端部とシリンダ端部との
間に形成され、前記プランジャの往復動に応じて容積が
変化するポンプ室と、前記ポンプヘッド内の前記中心軸
線近傍に、それぞれほぼ前記中心軸線に平行に形成され
たポンプ流体の集合吸入通路と集合吐出通路と、前記ポ
ンプヘッド内に形成され、前記集合吸入通路と各シリン
ダのポンプ室とを接続し、各シリンダの吸入行程時に前
記集合吸入通路から各シリンダポンプ室に流体を供給す
る個別吸入通路と、前記ポンプヘッド内に形成され、各
シリンダのポンプ室と前記集合吐出通路とを接続し、各
シリンダの吐出行程時に各シリンダのポンプ室から前記
集合吐出通路に流体を吐出する個別吐出通路と、を備え
た流体供給ポンプが提供される。
【0010】すなわち、請求項1の発明では流体供給ポ
ンプは、カムリングが駆動軸中心軸線に対してプランジ
ャ外側に配置されたインナカム式ポンプとされる。この
ため、各ポンプ室はシリンダの駆動軸中心軸線側端部に
位置するようになり、駆動軸中心軸線まわりに互いに近
接して配置されるようになる。このため、個別の吸入、
吐出通路長さが短縮される。
【0011】また、本発明ではカムリングは駆動軸に対
して偏心して配置されており自転が制限されており、駆
動軸とともに回転はしないが、上記偏心のために揺動運
動(振れ回り運動)を行なう。このため、プランジャと
カムリング内周との摺動速度は従来のインナカム式ポン
プにおけるものより大幅に小さくなり、ローラシューの
ような転動部材を用いずに、カムリング内周面とプラン
ジャ端面双方と面接触しつつカムリング内周面上を摺動
するタペット部材を介してプランジャとカムリングとを
係合させることが可能となる。これにより、タペット部
材とカムリング(およびタペット部材とプランジャ端
面)との接触面圧を大幅に低減することが可能となり、
ポンプ吐出圧力を高圧に設定した場合の部材の耐久性低
下が生じない。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、ポンプ駆
動軸と、該駆動軸中心軸線と同心に配置されたポンプヘ
ッドと、該ポンプヘッドの外側を包囲するように前記駆
動軸の軸線から偏心した位置に配置されるとともに、前
記駆動軸から偏心カムを介して駆動され駆動軸の回転に
伴って自転と揺動とを行なう、真円状の内面を有するカ
ムリングと、前記ポンプヘッド内に前記中心軸線に対し
てほぼ放射状に形成された複数のシリンダと、各シリン
ダ内に配置されるとともに、前記カムリング側端部がタ
ペット部材を介して前記カムリング内周面と摺動接触
し、前記カムリングの揺動に応じてシリンダ内を往復動
するプランジャと、各シリンダ内の前記プランジャの前
記中心軸線側端部とシリンダ端部との間に形成され、前
記プランジャの往復動に応じて容積が変化するポンプ室
と、それぞれ前記ポンプヘッド内の前記中心軸線近傍
に、ほぼ前記中心軸線に平行に形成されたポンプ流体の
集合吸入通路と集合吐出通路と、前記ポンプヘッド内に
形成され、前記集合吸入通路と各シリンダのポンプ室と
を接続し、各シリンダの吸入行程時に前記集合吸入通路
から各シリンダポンプ室に流体を供給する個別吸入通路
と、前記ポンプヘッド内に形成され、各シリンダのポン
プ室と前記集合吐出通路とを接続し、各シリンダの吐出
行程時に各シリンダのポンプ室から前記集合吐出通路に
流体を吐出する個別吐出通路と、を備えた流体供給ポン
プが提供される。
【0013】すなわち、請求項2の発明ではカムリング
内周面は真円とされ、プランジャはカムリング内周面と
摺動するタペット部材を介してカムリングと係合してい
る。このため、カムリングは偏心カムの摺動面に作用す
る摩擦力により駆動軸の回転に伴って自転するもののタ
ペット部材との摩擦力により自転速度は駆動軸回転速度
より大幅に低くなる。このため、本発明ではカムリング
は低い速度で自転しつつ揺動運動を行なう。この場合、
自転速度(すなわちタペット部材とカム内周面との摺動
速度)は比較的小さくなるため、タペット部材とカムリ
ング内周面との接触面積はローラシューを使用した場合
に比べてはるかに大きく設定することが可能となる。従
って、本発明においてもタペット部材とカムリング内周
面との接触面圧が小さくなりポンプ吐出圧力を高く設定
してもタペット部材やカムリングの耐久性の低下が生じ
ない。また、請求項1の発明と同様本発明においてもポ
ンプ室は駆動軸中心軸線まわりに互いに近接して配置可
能となるため、個別の吸入、吐出通路の長さを大幅に短
くすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は本発明の流体供給ポ
ンプの一実施形態を示す断面図、図2は図1のII−I
I線に沿った断面図である。図1において、参照符号1
は流体供給ポンプ全体を示す。また、3は図示しない駆
動機により回転駆動されるポンプ1の駆動軸、5はポン
プ1のハウジングを示す(なお、図1ではハウジング5
は明示のためにその一部のみを図示している)。図1、
図2において7はハウジング5に固定されたポンプヘッ
ド、9はハウジング5、ポンプヘッド7に対して相対運
動可能に配置されたカムリングである。
【0015】本実施形態では、カムリング9はほぼ円筒
状の形状とされ、外周は真円形状となっているが、内周
面には一部に後述する平坦なカム面91が形成されてい
る。本実施形態では、カムリング9の中心軸線(図2に
Oで示す)は駆動軸3の中心軸線(図2にO′で示す)
に対してε(図2)だけ偏心して配置されている。図1
に示すように、駆動軸3のカムリング側端部は上記偏心
量εだけ駆動軸軸線O′に対して偏心した真円形状の偏
心カム31とされている。また、カムリング9の駆動軸
3側の端部の内周面93は真円形状をしており、この端
部内周面93は駆動軸の偏心カム31と係合している。
回転軸3が回転すると、偏心カム31は偏心カム自身の
中心軸線周りの回転(自転)と駆動軸3の中心軸線O′
に対する偏心量εの揺動(振れ回り)運動とを合成した
ものとなる。また、偏心カム31の揺動運動は、カムリ
ング9端部内周面93と偏心カム31外周面との係合に
よりカムリング9に伝達される。また、偏心カム31の
自転もカムリング9端部内周面93と偏心カム31外周
面との摩擦接触によりカムリングに伝達されるが、後述
するようにカムリング9は自転を制限されているため、
カムリング9は自転せず、駆動軸3の中心軸線O′まわ
りの揺動(振れ回り)運動のみを行なうようになる。
【0016】ポンプヘッド7は駆動軸3と同一軸線上に
配置されているため、この結果カムリング9はポンプヘ
ッド7のまわりを揺動運動する。ポンプヘッド7内には
複数(本実施形態では3つ)のシリンダ13が放射状に
等間隔に形成されており、各シリンダ内にはシリンダ内
を摺動可能にプランジャ15が配置されている。また、
プランジャ15の外側端面151は、タペット17を介
してカムリング9の平坦部91と係合している。タペッ
ト17は、底部171を有する有底円筒形状をしてお
り、この底部171の外面で平坦部91と、内面でプラ
ンジャ端面151とそれぞれ接触している。本実施形態
ではタペット17の底部171内外面は両方とも平面と
されているため、タペット底部外面は平坦部91と、内
面はプランジャ端面151と、それぞれ面接触してい
る。また、タペット17の側面173はポンプヘッド7
の外周に設けられた円周溝71に嵌合され、円周溝71
のの外側の内周面711と摺動するようにされている。
すなわち、円周溝71はタペット17のガイドとして機
能する。また、円周溝71内にはタペット17を常時カ
ムリング平坦面91に対して押圧付勢する圧縮コイルス
プリング713が配置されている。
【0017】図2から判るように、本実施形態では駆動
軸3が回転すると、カムリング9はポンプヘッド7およ
び駆動軸3の中心軸線O′周りに半径εの振れ回り運動
を行なう。また、駆動軸の回転に伴って偏心カム31と
カムリング端部内周面93との間の摩擦によりカムリン
グ9を自転させようとする力が生じる。しかし、本実施
形態では、カムリング9の平坦部91にはタペット17
がスプリング713の付勢力により押圧されており、タ
ペットと平坦部との3箇所における係合によりカムリン
グ9の自転が制限される。より詳細には、本実施形態で
は平坦部91はそれぞれ対応するシリンダ13の中心軸
線に対して垂直な平面として形成されている。このた
め、タペット17が平坦部91に押圧され面接触を維持
しているかぎりカムリング9は3箇所の平坦部がそれぞ
れのシリンダ軸線に対して垂直になる位置しかとること
ができず、揺動中はそれぞれのプランジャの伸縮に伴っ
てわずかな角度範囲を回動することになる。また、この
回動に伴うタペット17と平坦部91との摺動速度は、
駆動軸3の回転速度に比べて極めて小さい速度となる。
【0018】図1、図2に131で示すのは、シリンダ
13の中心軸側端部に形成されたポンプ室である。後述
するようにポンプ室131には逆止弁215を介して吸
入通路21から低圧の加圧流体が供給されているためプ
ランジャ15は常時タペット17に押圧されている。こ
のため、前述したように、駆動軸3の回転に伴ってカム
リング9が半径εの揺動(振れ回り)運動を行なうとプ
ランジャ15はシリンダ13内を偏心量εの2倍のスト
ロークで往復動するようになる。このため、ポンプ室1
31の容積はプランジャの往復動に応じて変動し、流体
の吸入、吐出が行なわれる。
【0019】本実施形態では、図1に示すように駆動軸
3の中心には軸線方向に外部の低圧流体供給源(図示せ
ず)に接続された集合吸入通路21が穿設されており、
各シリンダ13のポンプ室131はそれぞれ個別吸入通
路217と逆止弁215とを介してこの集合吸入通路2
1に接続されている。図1に219で示すのは、それぞ
れの個別吸入通路217と集合吸入通路との接続部に介
挿されたガスケットである。ガスケット217は逆止弁
215のチェックボールの座としての機能を有してい
る。また、本実施形態では、ポンプヘッド7には、中心
軸線に沿って集合吐出通路41が穿設されており、逆止
弁415を介して外部の吐出配管(図示せず)に接続さ
れている。各シリンダ13のポンプ室131はそれぞれ
個別吐出通路417と逆止弁415とを介して集合吐出
通路41に接続されている。また、各個別吐出通路41
7と集合吐出通路41との間には、ガスケット217と
同様に逆止弁415のチェックボールの座として機能す
るガスケット417が設けられている。
【0020】更に、本実施形態では集合吐出通路41に
は制御弁50が設けられている。制御弁50はソレノイ
ドアクチュエータ55に駆動される弁体53を有してお
り、ソレノイドアクチュエータ55により弁体53を開
弁位置に移動させることにより集合吐出通路41と、低
圧供給源または集合吸入通路21に接続する逃がし通路
51とが連通する。制御弁50は、ポンプ1の吐出圧
力、吐出流量等の制御に用いられる。すなわち、制御弁
50が開弁すると集合吐出通路41内の吐出流体は逃が
し通路51を通して低圧供給源または集合吸入通路に還
流するため、集合吐出通路41内の圧力が低下するとと
もに、外部への流体吐出量が低下する。従って、制御弁
50の開閉を適宜制御することによりポンプ1の吐出圧
力および吐出流量を制御することができる。
【0021】本実施形態のポンプ1では、駆動軸3が回
転しカムリング9が揺動運動を行なうと、各シリンダ1
3のプランジャ15がカムリング9の揺動位置に応じた
往復運動を行なう。これにより、プランジャがポンプヘ
ッド中心軸線から離れる方向に移動するシリンダは吸入
行程となり、ポンプ室131には集合吸入通路21、逆
止弁215及び個別吸入通路217を通じて流体が供給
される。また、プランジャがポンプヘッド中心軸線に向
かう方向に移動するシリンダは吐出行程となり、ポンプ
室131内の流体が逆止弁415、個別吐出通路417
から集合吐出通路41に吐出される。
【0022】上述のように、本実施形態ではカムリング
9を大きな速度で自転させることなく揺動運動を行なわ
せており、タペット17とカムリング9との摺動速度を
極めて低くすることが可能となっている。これにより、
本実施形態ではカムリング9に平坦部91を形成し、平
坦部91とタペット17とを面接触させることが可能と
なり、タペット17と平坦部91との接触面圧を非常に
小さな値とすることができる。従って、本実施形態では
ポンプ1の吐出圧力を高圧に設定した場合でもタペット
17、カムリング9等の耐久性が低下することが防止さ
れる。
【0023】また、本実施形態では、インナカムリング
9の採用により、各シリンダのポンプ室は駆動軸中心軸
線まわりに互いに近接して配置されるようになる。これ
により、中心軸線周りに集合吸入通路と集合吐出通路を
集約して、個別吸入通路217と個別吐出通路417と
の長さを短縮することが可能となるとともに各シリンダ
への個別通路の配置の複雑化を防止することが可能とな
る。
【0024】また、このように中心軸線周りに個別吸入
通路217と個別吐出通路417とを集約したことによ
り、ガスケット219と419を各シリンダに共通とし
て、それぞれ1つにすることが可能となっている。更
に、本実施形態ではタペット17のガイドとして機能す
る円周溝71が設けられている。従来カムリングと摺動
するタペットを用いてプランジャを駆動する場合にはタ
ペットとカムリングとの摩擦によりプランジャ側圧が大
きくなりプランジャの耐久性が低下する問題があった。
しかし、本実施形態ではタペット17とカムリング9と
の摩擦により生じる側圧は円周溝71の外側壁面711
とタペット17側面173とで受承されるため、プラン
ジャ15の側圧が低減され、プランジャ15の耐久性が
向上する効果がある。
【0025】次に、図3を用いて本発明の別の実施形態
について説明する。図3は、本実施形態を説明する図2
と同様な断面図である。本実施形態では、図1、図2の
実施形態と以下の点が相異するのみであり、他の構造は
図1、図2と同様である。また、図3において、図1、
図2と同一の参照符号は同様な要素を示している。
【0026】本実施形態では、図2に示すようにカムリ
ング109には平坦部(図1、91)が設けられておら
ず、内周面は真円形状とされている。本実施形態におい
てもカムリング中心軸線Oは駆動軸中心軸線O′からε
だけ偏心して配置されている。また、本実施形態では、
タペット117の底面1171は平面ではなく円筒面と
されている点、及びポンプヘッド7の円周溝71内には
タペットをカムリングに向けて押圧付勢するスプリング
(図1、173)が設けられていない点が図1の実施形
態と相異する。
【0027】前述のように、カムリングは駆動軸の偏心
カム31との摩擦によりカムリングを自転させようとす
る力を受ける。図1の実施形態ではカムリング9と平坦
部91との係合によりカムリング9の自転が制限されて
いたため、例えばタペット17が平坦部91から離反す
るとカムリング9が自転してしまう。例えば、各シリン
ダの吸入行程中にポンプ室131に供給する流体の量を
制御することによりポンプ吐出流量を制御する吸入調量
を行なう場合などでは、吐出流量を低下させると吸入行
程中にプランジャが吸入行程の中途の位置から上昇しな
いため、スプリング173でタペット17を平坦部91
に押圧していないとカムリング9が自転してしまうこと
になる。この場合、カムリングが大きく自転すると、各
シリンダの吐出行程時にはタペット17が平坦部91の
端部の角に衝突し、損傷を生じる恐れがあるため図1の
実施形態ではタペット17を平坦部91に向けて押圧す
る付勢スプリング173が必要となっていた。
【0028】本実施形態では、カムリング109の形状
を真円として平坦部をなくしたことにより、上記問題を
なくしている。すなわち、本実施形態ではカムリング1
09の自転を許容するようにしたことにより、タペット
を押圧付勢するスプリング173を省略可能としてい
る。但し、この場合も偏心カム31からカムリング10
9に伝達される摩擦力は大部分が圧縮行程にあるシリン
ダのタペット117とカムリング109との摩擦力によ
り相殺されるため、カムリング109の自転速度は極め
て小さくなり、カムリング109と摺動するタペット1
17を使用することが可能となっている。
【0029】図3から判るように、本実施形態ではカム
リング109を真円形状としたことにより、カムリング
109とタペット117の底面1171とを平面で接触
させることができなくなっているため、タペット底面1
171は円筒形状とされている。従って、図1の実施形
態と比較して本実施形態のタペットとカムリングとの接
触面圧は多少高くなっている。しかし、本実施形態では
ローラシューを使用した場合に比べてタペットの底面1
171の半径をはるかに大きく設定することができるた
め、タペット底面1171に生じる接触応力(ヘルツ応
力)はローラシューを使用した場合に較べてはるかに小
さくなる。このため、ポンプ1の吐出圧を高く設定した
場合でもタペット117の耐久性の低下は生じない。
【0030】本実施形態では、上記のようにカムリング
109の自転を許容したことにより、スプリング(図
1、173)が不要となる他に、カムリング109の自
転によりカムリング109のタペット117との接触部
位が常時変化するようになり、カムリング109の偏磨
耗を防止することが可能となっている。
【0031】
【発明の効果】各請求項に記載の発明では、カム面とプ
ランジャとの接触面圧を低下させることにより吐出圧力
を高圧化することを可能としながら、しかも各シリンダ
の吸入と吐出の個別通路の長さを短縮することが可能と
なるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体供給ポンプの一実施形態を説明す
る断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の流体供給ポンプの別の実施形態を説明
する図2と同様な断面図である。
【符号の説明】
1…ポンプ 3…駆動軸 7…ポンプヘッド 9、109…カムリング 13…シリンダ 15…プランジャ 17、117…タペット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、回転するポンプ駆動軸と、該駆動軸中心軸線と
同心に固定配置された非回転のポンプヘッドと、該ポン
プヘッドの外側を包囲するように前記駆動軸の軸線から
偏心した位置に配置され、前記駆動軸から偏心カムを介
して駆動され駆動軸の回転に応じて揺動するカムリング
と前記ポンプヘッド内に前記中心軸線に対してほぼ放射
状に形成された複数のシリンダと、各シリンダ内に配置
されるとともに、前記カムリング側端部がタペット部材
を介して前記カムリング内周面と面接触し、前記カムリ
ングの揺動に応じてシリンダ内を往復動するプランジャ
と、各シリンダ内の前記プランジャの前記中心軸線側端
部とシリンダ端部との間に形成され、前記プランジャの
往復動に応じて容積が変化するポンプ室と、前記ポンプ
ヘッド内の前記中心軸線近傍に、それぞれほぼ前記中心
軸線に平行に形成されたポンプ流体の集合吸入通路と集
合吐出通路と、前記ポンプヘッド内に形成され、前記集
合吸入通路と各シリンダのポンプ室とを接続し、各シリ
ンダの吸入行程時に前記集合吸入通路から各シリンダポ
ンプ室に流体を供給する個別吸入通路と、前記ポンプヘ
ッド内に形成され、各シリンダのポンプ室と前記集合吐
出通路とを接続し、各シリンダの吐出行程時に各シリン
ダのポンプ室から前記集合吐出通路に流体を吐出する個
別吐出通路と、を備えた流体供給ポンプが提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項2に記載の発明によれば、回転する
ポンプ駆動軸と、該駆動軸中心軸線と同心に固定配置さ
れた非回転のポンプヘッドと、該ポンプヘッドの外側を
包囲するように前記駆動軸の軸線から偏心した位置に配
置されるとともに、前記駆動軸から偏心カムを介して駆
動され駆動軸の回転に伴って自転と揺動とを行なう、真
円状の内面を有するカムリングと、前記ポンプヘッド内
に前記中心軸線に対してほぼ放射状に形成された複数の
シリンダと、各シリンダ内に配置されるとともに、前記
カムリング側端部がタペット部材を介して前記カムリン
グ内周面と摺動接触し、前記カムリングの揺動に応じて
シリンダ内を往復動するプランジャと、各シリンダ内の
前記プランジャの前記中心軸線側端部とシリンダ端部と
の間に形成され、前記プランジャの往復動に応じて容積
が変化するポンプ室と、それぞれ前記ポンプヘッド内の
前記中心軸線近傍に、ほぼ前記中心軸線に平行に形成さ
れたポンプ流体の集合吸入通路と集合吐出通路と、前記
ポンプヘッド内に形成され、前記集合吸入通路と各シリ
ンダのポンプ室とを接続し、各シリンダの吸入行程時に
前記集合吸入通路から各シリンダポンプ室に流体を供給
する個別吸入通路と、前記ポンプヘッド内に形成され、
各シリンダのポンプ室と前記集合吐出通路とを接続し、
各シリンダの吐出行程時に各シリンダのポンプ室から前
記集合吐出通路に流体を吐出する個別吐出通路と、を備
えた流体供給ポンプが提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本実施形態では、カムリング9はほぼ円筒
状の形状とされ、外周は真円形状となっているが、内周
面には一部に後述する平坦なカム面91が形成されてい
る。本実施形態では、カムリング9の中心軸線(図2に
Oで示す)は駆動軸3の中心軸線(図2にO′で示す)
に対してε(図2)だけ偏心して配置されている。図1
に示すように、駆動軸3のカムリング側端部は上記偏心
量εだけ駆動軸軸線O′に対して偏心した真円形状の偏
心カム31とされている。また、カムリング9の駆動軸
3側の端部の内周面93は真円形状をしており、この端
部内周面93は駆動軸の偏心カム31と係合している。
回転軸3が回転すると、偏心カム31は偏心カム自身の
中心軸線周りの回転(自転)と駆動軸3の中心軸線O′
に対する偏心量εの揺動(振れ回り)運動とを合成した
運動を行う。また、偏心カム31の揺動運動は、カムリ
ング9端部内周面93と偏心カム31外周面との係合に
よりカムリング9に伝達される。また、偏心カム31の
自転もカムリング9端部内周面93と偏心カム31外周
面との摩擦接触によりカムリングに伝達されるが、後述
するようにカムリング9は自転を制限されているため、
カムリング9は自転せず、駆動軸3の中心軸線O′まわ
りの揺動(振れ回り)運動のみを行なうようになる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】ポンプヘッド7は駆動軸3と同一軸線上に
配置されているため、この結果カムリング9はポンプヘ
ッド7のまわりを揺動運動する。ポンプヘッド7内には
複数(本実施形態では3つ)のシリンダ13が放射状に
等間隔に形成されており、各シリンダ内にはシリンダ内
を摺動可能にプランジャ15が配置されている。また、
プランジャ15の外側端面151は、タペット17を介
してカムリング9の平坦部91と係合している。タペッ
ト17は、底部171を有する有底円筒形状をしてお
り、この底部171の外面で平坦部91と、内面でプラ
ンジャ端面151とそれぞれ接触している。本実施形態
ではタペット17の底部171内外面は両方とも平面と
されているため、タペット底部外面は平坦部91と、内
面はプランジャ端面151と、それぞれ面接触してい
る。また、タペット17の側面173はポンプヘッド7
の外周に設けられた円周溝71に嵌合され、円周溝7
外側の内周面711と摺動するようにされている。す
なわち、円周溝71はタペット17のガイドとして機能
する。また、円周溝71内にはタペット17を常時カム
リング平坦面91に対して押圧付勢する圧縮コイルスプ
リング713が配置されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F04B 9/04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ駆動軸と、 該駆動軸中心軸線と同心に配置されたポンプヘッドと、 該ポンプヘッドの外側を包囲するように前記駆動軸の軸
    線から偏心した位置に配置され、前記駆動軸から偏心カ
    ムを介して駆動され駆動軸の回転に応じて揺動するカム
    リングと、 前記ポンプヘッド内に前記中心軸線に対してほぼ放射状
    に形成された複数のシリンダと、 各シリンダ内に配置されるとともに、前記カムリング側
    端部がタペット部材を介して前記カムリング内周面と面
    接触し、前記カムリングの揺動に応じてシリンダ内を往
    復動するプランジャと、 各シリンダ内の前記プランジャの前記中心軸線側端部と
    シリンダ端部との間に形成され、前記プランジャの往復
    動に応じて容積が変化するポンプ室と、 それぞれ前記ポンプヘッド内の前記中心軸線近傍に、ほ
    ぼ前記中心軸線に平行に形成されたポンプ流体の集合吸
    入通路と集合吐出通路と、 前記ポンプヘッド内に形成され、前記集合吸入通路と各
    シリンダのポンプ室とを接続し、各シリンダの吸入行程
    時に前記集合吸入通路から各シリンダポンプ室に流体を
    供給する個別吸入通路と、 前記ポンプヘッド内に形成され、各シリンダのポンプ室
    と前記集合吐出通路とを接続し、各シリンダの吐出行程
    時に各シリンダのポンプ室から前記集合吐出通路に流体
    を吐出する個別吐出通路と、 を備えた流体供給ポンプ。
  2. 【請求項2】 ポンプ駆動軸と、 該駆動軸中心軸線と同心に配置されたポンプヘッドと、 該ポンプヘッドの外側を包囲するように前記駆動軸の軸
    線から偏心した位置に配置されるとともに、前記駆動軸
    から偏心カムを介して駆動され駆動軸の回転に伴って自
    転と揺動とを行なう、真円状の内面を有するカムリング
    と、 前記ポンプヘッド内に前記中心軸線に対してほぼ放射状
    に形成された複数のシリンダと、 各シリンダ内に配置されるとともに、前記カムリング側
    端部がタペット部材を介して前記カムリング内周面と摺
    動接触し、前記カムリングの揺動に応じてシリンダ内を
    往復動するプランジャと、 各シリンダ内の前記プランジャの前記中心軸線側端部と
    シリンダ端部との間に形成され、前記プランジャの往復
    動に応じて容積が変化するポンプ室と、 それぞれ前記ポンプヘッド内の前記中心軸線近傍に、ほ
    ぼ前記中心軸線に平行に形成されたポンプ流体の集合吸
    入通路と集合吐出通路と、 前記ポンプヘッド内に形成され、前記集合吸入通路と各
    シリンダのポンプ室とを接続し、各シリンダの吸入行程
    時に前記集合吸入通路から各シリンダポンプ室に流体を
    供給する個別吸入通路と、 前記ポンプヘッド内に形成され、各シリンダのポンプ室
    と前記集合吐出通路とを接続し、各シリンダの吐出行程
    時に各シリンダのポンプ室から前記集合吐出通路に流体
    を吐出する個別吐出通路と、 を備えた流体供給ポンプ。
JP10111825A 1998-04-22 1998-04-22 流体供給ポンプ Pending JPH11303729A (ja)

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