JPH11303267A - セメント系プレート、プレキャストコンクリート及びコンクリート平板の取付構造 - Google Patents

セメント系プレート、プレキャストコンクリート及びコンクリート平板の取付構造

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JPH11303267A
JPH11303267A JP10107857A JP10785798A JPH11303267A JP H11303267 A JPH11303267 A JP H11303267A JP 10107857 A JP10107857 A JP 10107857A JP 10785798 A JP10785798 A JP 10785798A JP H11303267 A JPH11303267 A JP H11303267A
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JP
Japan
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plate
concrete
cement
surface layer
base layer
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JP10107857A
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English (en)
Inventor
Reijiro Nishida
礼二郎 西田
Yoshiaki Kuroki
芳秋 黒木
Kozo Murata
浩三 村田
Hiroshige Suenaga
博茂 末永
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Mitsubishi Materials Corp
Mitsubishi Shoji Construction Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Mitsubishi Shoji Construction Materials Corp
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Publication date
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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みを小さくすることができ、しかもコンク
リートによってプレート貼りプレキャストコンクリート
製品にした場合、コンクリートとセメント系プレートと
の結合力を高いものとすることが可能なプレートと、こ
のプレートを用いたコンクリート平板及びその取付構造
を提供する。 【解決手段】 プレート1は、セメント系の基層2と表
面層3とからなる。1対の側面にのみ凸条4,5が厚み
方向に延設されている。短い方の凸条4は基層2の途中
で止まっているが、長い方の凸条5は基層2の前端縁に
まで達している。表面層3の表面はランダムな凹凸面と
なっており、自然石調の外観となっている。この表面層
3に酸化チタン等の光触媒を含有させることにより、N
x浄化作用、防汚作用等が奏される。また、表面層3
に顔料等の着色剤を含有させて着色することにより、美
感を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセメント系プレー
ト、プレキャストコンクリート及びコンクリート平板の
取付構造に係り、特にセメント系プレートが基層と、光
触媒又は着色剤を含んだ表面層とを備えたものである場
合に好適なセメント系プレート、プレキャストコンクリ
ート及びコンクリート平板の取付構造に関するものであ
る。
【0002】詳しくは、このセメント系プレートの後面
側がプレキャストコンクリートに対しきわめて堅固に埋
設保持されるセメント系プレート及びプレキャストコン
クリートと、このようなコンクリート平板を構築物に対
し堅固に固定された取付構造とに関する。
【0003】
【従来の技術】セメント系の基層の上に酸化チタンを含
有した表面層を一体的に形成したプレートないしブロッ
クは特開平9−250226号、同9−268509号
に記載されている。これらの公開公報においては、表面
層はセメント100重量部に対し酸化チタン5〜50重
量部、砂50〜700重量部よりなる酸化チタン含有モ
ルタル層であり、セメント系基層としてコンクリートが
例示されている。
【0004】この酸化チタンは光触媒機能を有している
ので、このプレートはNOx浄化作用を発揮する。な
お、酸化チタンが光触媒機能を有しており、コンクリー
トその他のセラミック表面に存在させることにより防汚
作用のほか、有害物質、悪臭物質、油分などの分解作
用、殺菌作用などを発現させることは特開平7−171
408号、同9−263466号、同9−77574号
などにみられる通り周知である。
【0005】ところで、このタイル等のプレートをプレ
キャストコンクリートの前面に配置して複合プレキャス
トコンクリートパネルとする場合、このプレートの裏面
に蟻足を設け、プレートとコンクリートとの結合力を高
めることは従来より行われている。
【0006】なお、上記特開平9−250226号に
は、基層の後面(裏面)に凸条よりなる蟻足を設けたプ
レートが図示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 コンクリートとプ
レートとの結合力を高めるためにプレート後面に蟻足を
設けると、この蟻足の分だけプレートの厚みが大きくな
り、この結果該プレートを前面に備えたプレキャストコ
ンクリート板の厚みも大きくなる。
【0008】本発明は、このような問題点を解決し、プ
レキャストコンクリート板の厚みを小さくしうるセメン
ト系プレートと、このプレートを備えたプレキャストコ
ンクリートを提供することを第1の目的とする。
【0009】 タイルやレンガ等のプレートあるいは
ブロックの後面側をコンクリートの表面に埋設してプレ
キャストコンクリートとする場合、タイルやレンガ等と
コンクリートとの結合力を高めるためにタイルやレンガ
等の全周囲に目地を配置するが、タイル、レンガの4周
に目地が必ず存在するデザインのものに限定されてしま
い、意匠が制約される。
【0010】本発明は、プレートの周囲の一部にのみ目
地を配置すれば足り、デザイン上の制約が少ないプレー
トとそれを用いたプレキャストコンクリートを提供する
ことを第2の目的とする。
【0011】 また、本発明は、このプレートの表面
層が酸化チタン等の光触媒あるいは着色剤を含有したり
することにより高機能ないし高装飾性を有したプレート
及びプレキャストコンクリートを提供することを第3の
目的とする。
【0012】 コンクリート平板を既存の構築物に固
定する場合、コンクリート平板に穴を貫通させ、ボルト
を通して背面に台座を固定し、この台座を擁壁に固定す
ることがある(特開平3−161617号)。この場
合、ボルトの端部又は穴の埋跡がコンクリート平板の前
面に露出し、美感が損われるという問題がある。また、
台座等が発錆し易いという短所もある。
【0013】なお、特開平8−170318号公報に
は、修景パネル背面の上下にインサートナットを設けて
接合金具を固定し、更にアンカーボルトで既設コンクリ
ート壁面と固定する方法が提案されている。この方法で
は、修景面が損なわれる事がないものの、一枚の修景パ
ネルに対して上辺、下辺の2カ所で既設コンクリート壁
面との間隙調整が必要となり、取付手間を要す問題があ
る。
【0014】本発明は、コンクリート平板を構築物に対
し取付金具によって堅固に且つ容易に固定することがで
き、しかもこの取付金具がコンクリート平板の前面側に
全く露出しないコンクリート平板の取付構造を提供する
ことを第4の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のセメント系プレ
ートは、セメント系硬化体よりなるプレートにおいて、
該プレートの側面のうちプレート後面側の部分に凸部を
設けたことを特徴とするものである。
【0016】このように凸部をプレート側面の後部側に
のみ設けることにより、この凸部全体をコンクリート中
に埋設し、凸部にアンカー効果を発揮させることができ
る。また、プレートの裏面に蟻足を設けることが不要と
なり、プレートの裏面(後面)が平坦となり、プレート
の厚みが小さくて済むようになる。
【0017】この凸部はプレートの厚み方向に延在する
凸条であることが好ましい。
【0018】このプレートは、セメント系の基層と、該
基層の前面側に該基層と一体に形成されたセメント系表
面層とを備えてなり、前記凸部は該基層の側面のうち該
プレート後面側の部分に設けられていることが好まし
い。
【0019】かかるプレートであれば、表面層に酸化チ
タンなどの光触媒を含有させてNOx浄化作用や、防汚
作用、防藻作用などを発現させることができる。また、
表面層に着色剤を含有させることによりプレートの装飾
性を高めることができる。なお、酸化チタンは白色顔料
として従来より用いられているものであり、光触媒のほ
かこの着色剤としても用いることができる。
【0020】この表面層の表面に凹凸を形成することに
より、表面層の表面積を増大させ、光触媒の触媒作用を
増大させることができる。この凹凸がランダムな凹凸で
あれば、プレート表面が天然石調のものとなり、独特の
美感が与えられる。
【0021】この表面層の厚みは1〜15mm程度が好
適である。
【0022】本発明のプレキャストコンクリートは、こ
のようなセメント系プレートの後面側(好ましくは基
層)をコンクリートに埋設したものであり、前記凸部を
コンクリートに埋設することによりプレートとコンクリ
ートとの連結強度がきわめて高いものとなる。このセメ
ント系プレートの厚みを前述の通り小さくすることがで
きるので、プレキャストコンクリートの厚みも小さくて
済むようになる。また、プレートの基層と表面層とが一
体化しているため、表面層がプレキャストコンクリート
から剥落することもない。
【0023】表層部が埋込コンクリートより飛び出すよ
うに埋め込んだプレキャストコンクリートにおいて、着
色及び表面模様の異なるプレートの配置を変化させるこ
とにより、表面模様の異なるプレキャストコンクリート
修景体を簡便に設計できる。また、プレキャストコンク
リート修景体を多数配置して構築物を構築する場合、修
景体毎の基調着色を変化させることにより、構築物全体
を対象とするデザインが可能となる。なお、方形のプレ
ートの一対の側面にのみ凸部を設けた場合、該プレート
の他の側面同士を突き合わせるようにしてプレートを配
列することができる。
【0024】本発明のコンクリート平板の取付構造は、
複数枚のコンクリート平板を構築物の外面に取付金具を
介して取り付けた構造であって、該取付金具は隣り合う
コンクリート平板の後面にまたがって配置され、且つ該
取付金具はコンクリート平板に対しアンカーボルトによ
って固定されていることを特徴とするものである。
【0025】この取付構造は、取付金具がアンカーボル
トによってコンクリート平板に連結されているため、ボ
ルトの端部が平板の前面側に露出せず、きわめて美感に
優れる。もちろん、平板の取付強度もきわめて高い。ま
た、コンクリート平板の裏側にコンクリート又はモルタ
ルを充填することにより、取付金具の防錆を図ることが
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は実施の形態に係るプレート
の斜視図、図2(a),(b),(c)はこのプレート
の平面図、側面図及び正面図であり、図3はこのプレー
トを用いたプレキャストコンクリート平板の斜視図、図
4は図3のIV-IV 線に沿う断面図である。また、図10
はこのプレキャストコンクリート平板の製造方法の説明
図である。
【0027】図1,2の通り、このプレート1は、それ
ぞれセメント系の基層2と表面層3とからなる。プレー
ト1は方形であり、1対の側面にのみ凸条4,5が厚み
方向に延設されている。凸条4,5は基層2の後端縁か
ら前面側に向って延在している。短い方の凸条4は基層
2の途中で止まっているが、長い方の凸条5は基層2の
前端縁にまで達している。プレート1の残りの2側面に
は凸条は設けられておらず、これらの2側面は平面状と
なっている。
【0028】この表面層3の表面はランダムな凹凸面と
なっており、天然石調の外観となっている。この表面層
3に酸化チタン等の光触媒を含有させることにより、N
x浄化作用、防汚作用等が奏される。また、表面層3
に顔料等の着色剤を含有させて着色することにより、美
感を高めることができる。
【0029】このプレート1の後面(裏面)は平坦とな
っており、蟻足は設けられていない。このため、プレー
ト1の厚みを小さくとることが可能となっている。
【0030】なお、この表面層の厚さは1〜15mmと
くに1〜10mmとりわけ1〜5mmであることが好ま
しい。この厚さが1mmよりも小さいと、酸化チタンの
添加効果が不十分となったり、着色剤添加による着色効
果(下地(基層)の隠蔽効果)が不十分になる。また、
厚さが15mmを超える部分には光が到達せず酸化チタ
ンの触媒作用が殆ど発揮されない。また、着色剤による
下地(基層)の隠蔽にも15mm以下の表面層厚さで十
分である。
【0031】本発明に用いられる表面層は、凹凸にする
ことにより光の吸収性と大気との接触面積を増すことが
できる。この凹凸形状としては、前記のランダムのほ
か、規則的なジグザク型、波型又は台形型等が挙げられ
るが、他の凹凸形状や適宜の模様でも前記効果を損なわ
ない限り用いることができる。凹凸の深さは2mm〜7
mmが好ましく、山と山との長さは4mm〜10mmが
好ましい。凹凸を形成するには成形時の型枠に凹凸をつ
けるのが好ましいが、研削あるいはブラスト処理によっ
て成形後に形成してもよい。
【0032】本発明のプレートを構成するセメント系の
基層及び表面層の好適な組成範囲について次に説明す
る。
【0033】基層としては、ポルトランドセメント10
0重量部、細骨材100〜600重量部、水20〜50
重量部さらに必要に応じ減水剤などの添加剤を混練した
ものが好ましい。
【0034】表面層としては、 A:酸化チタン含有配合、 B:酸化チタン及び着色剤含有配合、 C:着色剤を含有した配合 が挙げられる。A,B,Cの好ましい配合割合は次の通
りである。なお、必要に応じさらに減水剤などの添加剤
が配合されても良い。
【0035】A:酸化チタン含有系 ポルトランドセメント 100重量部 酸化チタン 5〜50重量部 細骨材 50〜700重量部 水 20〜80重量部 B:酸化チタン及び着色剤含有系 ポルトランドセメント 100重量部 酸化チタン 5〜50重量部 細骨材 50〜700重量部 顔料 1〜20重量部 水 20〜80重量部 C:着色剤含有系 ポルトランドセメント 100重量部 細骨材 50〜700重量部 顔料 1〜20重量部 水 20〜50重量部 このような水量の少ない配合であれば、型枠内に投入し
て締め固めた後、直ちに脱型(いわゆる即脱)を行うこ
とができる。
【0036】プレートを成形する場合、型枠内に基層及
び表面層用のうちの一方の上記配合物を投入し、必要に
応じ締め固めた後、その上に他方の上記配合物を投入
し、締め固め、脱型し養生する。
【0037】なお、上記A,Bの表面層配合において酸
化チタンが5重量部よりも少ないと光触媒機能が不十分
である。光触媒機能は酸化チタンが50重量部よりも多
くなっても殆ど増大しない。酸化チタンは10〜50重
量部とりわけ20〜50重量部であることが好ましい。
【0038】細骨材配合量は、過少であるとセメント量
が相対的に多くなりコスト高である。過多であるときに
はプレートの強度が低くなる。細骨材はとくに50〜3
00重量部とりわけ100〜300重量部であることが
好ましい。
【0039】この細骨材としては、砂、ガラス、珪砂等
が用いられるが、特にガラス、珪砂を用いた場合には、
十分な光が奥深くまで浸透し光触媒機能が向上する。
【0040】この表面層には、繊維を含有させて強度を
向上させてもよい。繊維としては、例えば、ワラストナ
イト、石綿、Eガラス繊維、耐アルカリガラス繊維、ス
テンレス繊維等の無機繊維又は金属繊維;パルプ等の天
然有機繊維又は合成繊維等が挙げられる。この天然有機
繊維としては、NBKパルプ、LBKパルプ、木綿パル
プ、麻パルプ等のパルプ、木粉、鋸屑、コルク粉、各種
繊維等が挙げられ、合成繊維としては、塩化ビニル、ポ
リプロピレン、ナイロン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリウレタン、ビニロン、ポリエチレン、アラミド繊
維、炭素繊維等が挙げられる。
【0041】これらの繊維は、10mm以下、好ましく
は1mm〜10mmの長さのものがよく、更には2mm
〜6mmの長さのものがよい。繊維の直径は、0.00
1mm〜2mmが好ましい。繊維の添加量は、0.1重
量部〜5.0重量部とくに1.0重量部〜4.0重量部
が好ましい。繊維の添加量が0.1重量部未満では強度
向上効果が殆どない。逆に5.0重量部を超えると、コ
スト高を招くだけでなく、繊維の付着性が悪くなるため
強度低下を招く。
【0042】表面層には、樹脂を含有させることができ
る。この樹脂としては、特に限定されるものではない
が、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アク
リル酸系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸
ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リアラミド系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
樹脂の好適な添加量は、表面層100重量部に対して5
重量部〜100重量部であり、好ましくは20重量部〜
80重量部、更に好ましくは30重量部〜80重量部で
ある。樹脂の添加量が5重量部未満では樹脂の分布が不
均一となり強度の弱い部分ができやすい。また100重
量部を超えると、コストの上昇を招くと共にマトリック
スの圧縮強度が低下する。更にはNOx浄化作用が低下
する等の不都合がある。
【0043】前記の着色剤としては顔料が好ましい。こ
の顔料としては、無機系の顔料が好ましく、例えば、白
色顔料(酸化チタン)、黒色顔料(酸化鉄)、緑色顔料
(酸化クローム)等が挙げられる。
【0044】このプレート1を用いて図3,4に示すプ
レキャストコンクリート平板6を製造する方法について
図10を参照して説明する。なお、図10の(a)図は
型枠の全体縦断面図、(b)図は(a)図のB部分の拡
大図、(c)図は(a)図のC−C線に沿う断面図、
(d)図はプレートと支持材との係合関係を示す斜視図
である。
【0045】図10(a)の通り、型枠30内に角棒状
の支持材31を複数本平行に配列し、この支持材31の
上にプレート1を裏返しにして多数枚配列する。
【0046】この場合、図10(b),(c),(d)
に示される通り、長い凸条5を支持材31の上面に係止
させる。これにより、プレート1の列同士の間に目地間
隔Sがあく。図10(c)の通り、短い凸条4は支持材
31から浮いた状態となる。
【0047】列の長手方向に隣り合うプレート1同士は
図10(c)の通り突き合わせ、必要に応じプレート
1,1の裏面にまたがってテープ32を貼り付ける。こ
れは、プレート1同士の間の隙間にコンクリートのノロ
成分が入り込むのを防ぐためである。
【0048】図10(a)〜(c)の通り支持材31の
上に裏返しにしたプレート1を配列した後、プレート1
の上側にコンクリートを打設する。コンクリートは各プ
レート1上の全体に打設されると共に、プレート1同士
の間の目地間隔Sにも入り込み、この間隔S内において
短い凸条4の下側にも入り込む。コンクリートが硬化し
た後、脱型し養生することにより図3に示すプレキャス
トコンクリート平板6が得られる。
【0049】このプレキャストコンクリート平板6にお
いては、コンクリート7がプレート1同士の間に入り込
み、短い凸条4がコンクリート7中に埋設された構成と
なるため、該凸条4によってアンカー効果が発揮され、
コンクリート7とプレート1との結合力がきわめて高い
ものとなる。
【0050】また、プレート1の列の長手方向に隣接し
たプレート1同士の間には目地は形成されておらず、目
地がタイルやレンガの全周に配置された従来のプレキャ
ストコンクリートとは趣の異なった外観のものとなって
いる。
【0051】図3,4はプレキャストコンクリート平板
6に係るものであるが、本発明では図6に示す擁壁ブロ
ック9や図5に示すL形擁壁8など各種形状のプレキャ
ストコンクリートに適用することができる。
【0052】図7〜9を参照して上記プレキャストコン
クリート平板6を構築物(この場合、既設コンクリート
壁面40)に取り付ける構造について説明する。
【0053】平板6の裏面の上辺及び下辺にそれぞれイ
ンサートナット10及びボルト11によって取付金具1
2が固定されている。この取付金具12は受板部13と
コ字形状部14とを一体にしたハット形状のものであ
り、該受板部13及びコ字形状部14にそれぞれボルト
用切欠長穴15,16が設けられている。この長穴1
5,16を互いに直交する形状(即ち、一方を縦長、他
方を横長)とすることにより、後施工アンカー17の位
置誤差を吸収可能としている。
【0054】この取付金具12は、壁面40に設けられ
た後施工アンカー17と、アンカーボルト18及びナッ
ト19とによって該壁面40に取り付けられる。
【0055】平板6を壁面40に取り付けるには、まず
最下段の平板6の下端側をコ字形取付金具20により、
また上端側を前記取付金具20によって壁面40に取り
付ける。
【0056】詳しくは、最下段の平板6の上辺と下辺に
インサートナットを埋設して取付金具12,20を固定
しておく。壁面40に後施工アンカー17を設置し、こ
の後施工アンカー17に対し最下段の平板6の取付金具
12,20をアンカーボルト18及びナット19によっ
て固定する。
【0057】次に下から2段目の平板6を取り付ける。
この2段目の平板6の下端面と最下段の平板6の上端面
とは相决り構造となっており、上側の平板6の下端を下
側の平板6の上端に係止させる。なお、上側の平板6の
上辺には取付金具12をインサートナット10及びボル
ト11によって固定しておく。そして、この上側の平板
6の上端側を該取付金具12とアンカーボルト18、ナ
ット19によって壁面40に固定する。
【0058】このように下から2段目の平板6を壁面4
0に固定した後、3段目の平板6を同様に取り付ける。
以下、同様の手順によって所定段数まで平板6を取り付
けた後、各平板6の裏側の空間部30にコンクリート又
はモルタルを充填する。このコンクリート又はモルタル
を充填することにより、金具12,20等の発錆が防止
される。なお、既設コンクリート壁面に裏込め土等の排
水用の水抜き孔がある場合は、延長ホースを接続し、最
下段のコンクリート平板6の下まで延長して排水流路を
確保する。
【0059】図7、8に示す通り、この平板取付構造に
おいては、取付金具12は上下に隣接する平板6にまた
がって配置されており、取付金具12の個数が少なくて
済む。
【0060】なお、既設コンクリート面の不陸対処法に
ついて次に説明する。壁面40に対し後付を行うコンク
リート平板は、取付面の面だしを行うことになるため、
既設コンクリート壁面40の不陸に対応する平板背面と
既設コンクリート面の間隔を調整する機能が要求され
る。この調整方法としては、既設コンクリート壁面40
と取付金具12のコンクリートとの間に座金を必要分介
在させたり、あるいは、図示の通りコンクリートを挟ん
でダブルナットにより固定高さを調整する。
【0061】
【発明の効果】以上の通り、本発明のセメント系プレー
トは厚みを小さくすることができ、しかもコンクリート
によってプレート貼りプレキャストコンクリート製品に
した場合、コンクリートとセメント系プレートとの結合
力を高いものとすることができる。また、このセメント
系プレートは光触媒又は顔料等を含んだ表面層を備える
ことができ、NOx浄化作用、防汚作用等を具備させる
ことができる。
【0062】本発明のプレキャストコンクリートは、こ
のプレートを備えたものであり、厚みを小さくすること
ができる。また、プレートの1対の平行辺同士を突き合
わせた配列とすることもでき、既存のものとは異なった
デザインを構成することができる。
【0063】本発明のコンクリート平板の取付構造によ
ると、平板を構築物の外面に堅固に取り付けることがで
きる。また、平板表面に上記表面層を有したプレートを
配設し、この表面層に表面模様と着色を施すことによ
り、デザイン性に優れた修景面を既設コンクリート構築
物に付与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るプレートの斜視図である。
【図2】実施の形態に係るプレートの3面図である。
【図3】実施の形態に係るプレキャストコンクリート平
板の斜視図である。
【図4】図3のIV-IV 線に沿う断面図である。
【図5】実施の形態に係るL形擁壁ブロックの斜視図で
ある。
【図6】実施の形態に係る擁壁ブロックの斜視図であ
る。
【図7】(a)図は実施の形態に係るプレキャストコン
クリート平板の取付構造を示す断面図、(b)図は
(a)図の要部拡大図である。
【図8】図7の構造を示す正面図である。
【図9】図7,8の構造に用いられている接合金具を示
すものであり、(a)図は側面図、(b)図は正面図で
ある。
【図10】プレキャストコンクリートの製造例を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 プレート 2 基層 3 表面層 4,5 凸条 6 プレキャストコンクリート平板 7 コンクリート 12,20 取付金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 浩三 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社セメント研究所内 (72)発明者 末永 博茂 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社セメント研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント系硬化体よりなるプレートにお
    いて、該プレートの側面のうちプレート後面側の部分に
    凸部を設けたことを特徴とするセメント系プレート。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記プレートは、セ
    メント系の基層と、該基層の前面側に該基層と一体に形
    成されたセメント系表面層とを備えてなり、前記凸部は
    該基層の側面のうち該プレート後面側の部分に設けられ
    ていることを特徴とするセメント系プレート。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記表面層は光触媒
    を含有していることを特徴とするセメント系プレート。
  4. 【請求項4】 請求項3において、光触媒は酸化チタン
    又は酸化チタン系光触媒よりなることを特徴とするセメ
    ント系プレート。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれか1項におい
    て、前記表面層は着色剤により着色されていることを特
    徴とするセメント系プレート。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれか1項におい
    て、前記表面層の厚みが1〜15mmであることを特徴
    とするセメント系プレート。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし6のいずれか1項におい
    て、前記表面層の表面が凹凸面となっていることを特徴
    とするセメント系プレート。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
    て、前記凸部はプレートの厚み方向に延在する凸条とし
    て設けられていることを特徴とするセメント系プレー
    ト。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記プレートは方形
    であり、前記凸条はこのプレートの平行な1対の側面に
    のみ設けられていることを特徴とするセメント系プレー
    ト。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項にお
    いて、前記プレートの後面は平坦であることを特徴とす
    るセメント系プレート。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか1項に
    記載のセメント系プレートの後面側が該プレートの裏側
    に打設されたコンクリートに埋設されたプレキャストコ
    ンクリートであって、各プレートの側面の凸部が該コン
    クリート中に埋設されていることを特徴とするプレキャ
    ストコンクリート。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記セメント系
    プレートは、前記表面層及び基層を有するものであり、
    該表面層がコンクリートから突出するように該セメント
    系プレートの基層がコンクリートに埋設されていること
    を特徴とするプレキャストコンクリート。
  13. 【請求項13】 複数枚のコンクリート平板を構築物の
    外面に取付金具を介して取り付けた構造であって、該取
    付金具は隣り合うコンクリート平板の後面にまたがって
    配置され、且つ該取付金具はコンクリート平板に対しア
    ンカーボルトによって固定されていることを特徴とする
    コンクリート平板の取付構造。
  14. 【請求項14】 請求項13において、該コンクリート
    平板は請求項11又は12のプレキャストコンクリート
    よりなることを特徴とするコンクリート平板の取付構
    造。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14において、コンク
    リート平板の裏側にコンクリート又はモルタルが充填さ
    れていることを特徴とするコンクリート平板の取付構
    造。
JP10107857A 1998-04-17 1998-04-17 セメント系プレート、プレキャストコンクリート及びコンクリート平板の取付構造 Pending JPH11303267A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015004199A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 日本ステップ工業株式会社 マンホール用調整リング

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