JPH11302689A - 電子材料用洗浄水 - Google Patents

電子材料用洗浄水

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JPH11302689A
JPH11302689A JP10623998A JP10623998A JPH11302689A JP H11302689 A JPH11302689 A JP H11302689A JP 10623998 A JP10623998 A JP 10623998A JP 10623998 A JP10623998 A JP 10623998A JP H11302689 A JPH11302689 A JP H11302689A
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cleaning
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hydrogen gas
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JP10623998A
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Hiroshi Morita
博志 森田
Junichi Ida
純一 井田
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子材料の表面に付着した微粒子に対して優れ
た除去効果を有し、電子材料の洗浄に際して、ユースポ
イントで使用されなかった余剰の洗浄水や、汚れのない
洗浄排水を、簡略な処理により超純水と同等の水質に改
質して、洗浄やリンスに再利用することができ、電子材
料のウェット洗浄プロセスとその周辺システムを簡略化
することができる電子材料用洗浄水を提供する。 【解決手段】純水に水素ガスと酸素ガスを溶解した洗浄
水であって、溶存水素ガスと溶存酸素ガスのモル比が
2.0:1〜2.5:1であり、かつ溶存水素ガスの飽和
度と溶存酸素ガスの飽和度の和が40〜100%である
ことを特徴とする電子材料用洗浄水。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子材料用洗浄水
に関する。さらに詳しくは、本発明は、電子材料の表面
に付着した微粒子に対して優れた除去効果を有し、電子
材料の洗浄に際して、ユースポイントで使用されなかっ
た余剰の洗浄水を、触媒と接触させることのみにより、
超純水と同等の水質に改質して、洗浄やリンスに再利用
することが可能となり、電子材料のウェット洗浄プロセ
スの周辺システムを簡略化することができる電子材料用
洗浄水に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体用シリコン基板、液晶
用ガラス基板、フォトマスク用石英基板などの電子材料
に付着した微粒子汚染は、アンモニア水と過酸化水素水
と超純水の混合液を用いる、いわゆるSC1洗浄により
除去されていた。このような洗浄液を採用した場合の多
大な薬液コスト、リンス用の超純水コスト、廃液処理コ
スト、薬品蒸気を排気して新たに清浄空気を作る空調コ
ストなどを低減し、さらに水の大量使用、薬物の大量廃
棄、排ガスの放出などの環境への負荷を低減するため
に、近年ウェット洗浄工程の見直しが進められている。
本発明者らは、先に洗浄対象物及び洗浄目的に応じて、
超純水又は超純水に塩酸、アンモニア、過酸化水素、重
亜硫酸塩などを溶解した水に、オゾン、水素ガス、酸素
ガス、炭酸ガス、塩素ガス、窒素ガス、希ガスなどのガ
スを溶解した省資源型の電子材料用洗浄水を開発した。
これらの電子材料用洗浄水の中で、水素ガス又は酸素ガ
スを溶解した超純水は、電子材料に付着した微粒子汚染
を除去する効果が大きく、水素ガス又は酸素ガスを溶解
した超純水に、さらに超音波を伝達しつつ洗浄すると、
電子材料に付着した微粒子汚染を高い除去率で除去する
ことができる。水素ガス又は酸素ガスを溶解した超純水
に、アンモニアなどの薬品を微量添加すると洗浄効果は
一層高まるが、高度に汚染されていない被洗浄物に対し
ては、薬品を添加しない水素ガス又は酸素ガスを溶解し
た超純水を用いて、十分な洗浄効果を得ることができ
る。薬品を添加しない水素ガス又は酸素ガスを溶解した
超純水は、溶存ガス以外についてはこれらの機能性洗浄
水の原水である超純水と同一の水質を保持した高純度の
水である。電子材料の洗浄工程において、セントラル方
式の洗浄水給水システムを用いる場合には、複数のユー
スポイントにおいて、電子材料を洗浄するための洗浄装
置がそれぞれに設けられている。洗浄水は主配管を通し
て各ユースポイントに移送され、ユースポイントでは必
要に応じて洗浄水を消費するが、主配管には、各ユース
ポイントで不足を生じないように、十分な量の洗浄水を
移送している。このため、移送されている洗浄水の一部
は使用されることなく、余剰の洗浄水として主配管から
排出される。また、洗浄工程の最終段階に近いところ
で、清浄な被洗浄物に接触した洗浄排水は、ほとんど汚
れがない。このようなユースポイントで使用されなかっ
た余剰の洗浄水や、洗浄工程の最終段階から排出される
洗浄排水は、改めて純度向上の操作を行うことなく洗浄
やリンスに適用し得る程度の水質を有する。しかし、厳
密に見れば、還元性又は酸化性の溶存ガスは、洗浄やリ
ンス時に被洗浄物に影響を与えるおそれがある。特に、
シリコンが露出した基板の洗浄、リンスにおいては、溶
存酸素ガスは表面の酸化を引き起こすので、極めて低い
濃度まで除去しておかなければならない。このために、
水素ガス又は酸素ガスを含有する洗浄水又は洗浄排水か
ら、溶存ガスを高度に除去して超純水と同等の水質と
し、再利用することが求めらるようになった。本発明者
らは、このような要求に応えて、洗浄に使用されなかっ
た溶存水素ガス又は溶存酸素ガスを含む洗浄水に、水素
ガス又は酸素ガスと反応して水又は不活性ガスを生成す
る物質を供給し、触媒と接触させることにより水素ガス
又は酸素ガスを除去し、回収、再利用する電子材料の洗
浄方法を先に開発した。この方法により、電子材料の洗
浄工程における超純水の使用量を節減することが可能と
なったが、さらに簡略な工程により洗浄水を回収し再利
用することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子材料の
表面に付着した微粒子に対して優れた除去効果を有し、
電子材料の洗浄に際して、ユースポイントで使用されな
かった余剰の洗浄水や、汚れのない洗浄排水を、簡略な
処理により超純水と同等の水質に改質して、洗浄やリン
スに再利用することができ、電子材料のウェット洗浄プ
ロセスとその周辺システムを簡略化することができる電
子材料用洗浄水を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電子材料表面に
付着した微粒子の除去に対して、水素ガスと酸素ガスの
双方を溶解した洗浄水が、水素ガス又は酸素ガスのいず
れか一方を溶解した洗浄水と同等の洗浄効果を有し、溶
存水素ガスと溶存酸素ガスのモル比を2:1又は溶存水
素ガスをやや過剰とすることにより、洗浄水を触媒と接
触させ、溶存水素ガスと溶存酸素ガスを反応させて水に
変換することが可能であり、また、溶存水素ガスの飽和
度と溶存酸素ガスの飽和度の和を100%以下に保つこ
とにより、洗浄工程における気泡の発生を防止し得るこ
とを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、(1)純水に水素ガスと
酸素ガスを溶解した洗浄水であって、溶存水素ガスと溶
存酸素ガスのモル比が2.0:1〜2.5:1であり、か
つ溶存水素ガスの飽和度と溶存酸素ガスの飽和度の和が
40〜100%であることを特徴とする電子材料用洗浄
水、を提供するものである。さらに、本発明の好ましい
態様として、(2)高純度薬品を添加した第(1)項記載
の電子材料用洗浄水、(3)高純度薬品が、アンモニア
水である第(2)項記載の電子材料用洗浄水、(4)アン
モニア水の添加量が、NH3として100mg/リットル
以下である第(3)項記載の電子材料用洗浄水、(5)電
子材料を、第(1)項、第(2)項、第(3)項又は第(4)項
記載の電子材料用洗浄水と接触させることを特徴とする
電子材料の洗浄方法、(6)電子材料の洗浄を、電子材
料用洗浄水に超音波を伝達しつつ行う第(5)項記載の電
子材料の洗浄方法、(7)超音波の周波数が、400kH
z以上である第(6)項記載の電子材料の洗浄方法、
(8)第(1)項記載の電子材料用洗浄水の余剰水又は排
水を、触媒と接触させることにより、溶存水素ガスと溶
存酸素ガスを反応させて水に変換し、超純水の原水、洗
浄水又はリンス水として再利用することを特徴とする電
子材料の洗浄方法、(9)触媒が、パラジウム触媒であ
る第(8)項記載の電子材料の洗浄方法、及び、(10)
パラジウム触媒が、パラジウム、パラジウム合金又はパ
ラジウムを担持させたイオン交換樹脂である第(9)項記
載の電子材料の洗浄方法、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電子材料用洗浄水は、純
水に水素ガスと酸素ガスを溶解した洗浄水であって、溶
存水素ガスと溶存酸素ガスのモル比が2.0:1〜2.
5:1であり、かつ溶存水素ガスの飽和度と溶存酸素ガ
スの飽和度の和が40〜100%である洗浄水である。
本発明の洗浄水は、洗浄に使用されなかった余剰の洗浄
水又は洗浄装置から排出されるほとんど汚れのない洗浄
排水を、触媒と接触させることにより、溶存水素ガスと
溶存酸素ガスを反応させて水に変換し、超純水の原水、
洗浄水、リンス水などとして使用可能な水質まで改質
し、再利用することができる。 2H2 + O2 → 2H2O 本発明の洗浄水において、溶存水素ガスと溶存酸素ガス
のモル比は2.0:1〜2.5:1であり、より好ましく
は2.0:1〜2.2:1である。電子材料の洗浄工程に
おいては、水中の微量の水素ガスの残留が、ウェット洗
浄の面で実質的に悪影響を与える場合は少ないが、水中
に酸素ガスが残留すると悪影響を与える場合がある。溶
存水素ガスと溶存酸素ガスのモル比が2.0:1未満で
あると、余剰の洗浄水又は洗浄排水を触媒と接触させて
得られる処理水中の溶存酸素ガスの残存量が多くなる。
溶存水素ガスと溶存酸素ガスのモル比が2.5:1を超
えると、溶存水素ガス濃度の増加に見合っては洗浄効果
が向上することなく、また、余剰の洗浄水又は洗浄排水
を触媒と接触させて得られる処理水中の溶存水素ガスの
残存量が多くなる。溶存水素ガスの量を溶存酸素ガスの
量と当量又はやや過剰量とすることにより、触媒と接触
させて得られる処理水中の溶存酸素ガスの濃度を低水準
に抑え、処理水を有効に再利用することができる。
【0006】本発明の洗浄水において、溶存水素ガスの
飽和度と溶存酸素ガスの飽和度の和は40〜100%で
あり、より好ましくは60〜90%である。ここに、ガ
スの飽和度とは、水中に溶解しているガスの量の、圧力
105Pa、温度20℃におけるガスの溶解量に対する
割合である。例えば、圧力105Pa、温度20℃の空
気と接して平衡状態にある水は、窒素ガス14.9mg/
リットル及び酸素ガス9.1mg/リットルを溶解して飽
和度100%の状態となっているので、脱気によりガス
の溶解量を窒素ガス1.5mg/リットル、酸素ガス0.9
mg/リットルとした水の飽和度は10%である。また、
水が圧力105Pa、温度20℃の水素ガスと接して平
衡状態にあるとき、水への水素ガスの溶解量は1.6mg
/リットルであるので、水中に溶解しているガスが水素
ガスのみであり、その溶解量が0.8mg/リットルであ
る水の飽和度は50%である。さらに、水が圧力105
Pa、温度20℃の酸素ガスと接して平衡状態にあると
き、水への酸素ガスの溶解量は44.0mg/リットルで
あるので、水中に溶解しているガスが酸素ガスのみであ
り、その溶解量が22.0mg/リットルである水の飽和
度は50%である。溶存水素ガスの飽和度と溶存酸素ガ
スの飽和度の和が40%未満であると、溶存ガスの濃度
が低すぎて十分な洗浄効果が得られないおそれがある。
溶存水素ガスの飽和度と溶存酸素ガスの飽和度の和が1
00%を超えると、洗浄水中に電子材料の洗浄の障害と
なる気泡が発生する。
【0007】本発明の洗浄水において、溶存水素ガスの
濃度は0.7mg/リットル以上であることが好ましく、
1.0mg/リットル以上であることがより好ましい。溶
存水素ガスの濃度が0.7mg/リットル未満であると、
十分な洗浄効果が得られないおそれがある。溶存水素ガ
スの濃度が0.7mg/リットルのとき、溶存酸素ガスの
濃度は4.5〜5.6mg/リットルであり、溶存水素ガス
の飽和度と溶存酸素ガスの飽和度の和は54〜56%で
ある。溶存水素ガスの濃度が1.0mg/リットルのと
き、溶存酸素ガスの濃度は6.4〜8.0mg/リットルで
あり、溶存水素ガスの飽和度と溶存酸素ガスの飽和度の
和は77〜81%である。また、溶存水素ガスと溶存酸
素ガスのモル比が2.0:1であり、溶存水素ガスの飽
和度と溶存酸素ガスの飽和度の和が100%である洗浄
水は、溶存水素ガス濃度1.24mg/リットル、溶存酸
素ガス濃度9.9mg/リットルである。上記の濃度は、
圧力105Pa、温度20℃における値であり、使用す
る洗浄水の温度及び圧力に応じて、溶存水素ガス濃度及
び溶存酸素ガス濃度を調節することができる。本発明の
洗浄水において、純水に水素ガスと酸素ガスを溶解する
方法に特に制限はなく、例えば、純水にこれらのガスを
バブリングすることができ、純水の通水配管にこれらの
ガスを注入してインラインミキシングすることもでき、
あるいは、気体透過膜モジュールを用いて、液相側に純
水、気相側にこれらのガスを供給し、膜を介してガスの
溶解を進めることもできる。水素ガス及び酸素ガスの溶
解に先立って、純水に脱気処理を行って溶存ガスをあら
かじめ除去することにより、水素ガス及び酸素ガスを効
率よく純水に溶解することができる。適当な気体透過膜
モジュールの選択により、水素ガス、酸素ガスともに、
注入したガスをほぼ100%の効率で溶解させることが
できる。水素ガスと酸素ガスの溶解に際しては、安全確
保のために、水素ガスと酸素ガスのガス状態での混合を
避けることが好ましい。このような方法としては、例え
ば、水素ガスを溶解した水と酸素ガスを溶解した水を別
々に調製したのちに両者を混合する方法、純水に水素ガ
スを溶解したのちに酸素ガスを溶解する方法、純水に酸
素ガスを溶解したのちに水素ガスを溶解する方法などを
挙げることができる。さらに、水の電気分解により、水
から水素ガスと酸素ガスを発生させると同時に、そのガ
スを電解セルの中で水に溶解させて得られる電解カソー
ド水と電解アノード水も、水素ガスを溶解した水及び酸
素ガスを溶解した水として使用することができる。
【0008】本発明の洗浄水の使用温度に特に制限はな
く、一般的に洗浄処理においては、液温が高いほど洗浄
効果が増すが、その一方で溶解させる水素ガスと酸素ガ
スの濃度を下げる必要も生じる。本発明の電子材料用洗
浄水は、水素ガスのみを溶解した洗浄水や、酸素ガスの
みを溶解した洗浄水と同様に、室温においても十分に洗
浄効果を発揮することができる。本発明の電子材料用洗
浄水は、ユースポイントで使用されなかった余剰の洗浄
水及び洗浄の最終工程で用いられた汚れのない洗浄排水
を、触媒と接触させることにより、溶存水素ガスと溶存
酸素ガスを反応させ、水に転換して除去することができ
る。使用する触媒は、水中において水素ガスと酸素ガス
の酸化還元反応の速度を増大し得るものであれば特に制
限はなく、例えば、白金触媒、銀触媒、パラジウム触媒
などを挙げることができる。これらの中で、パラジウム
触媒を特に好適に使用することができる。本発明の洗浄
水は、パラジウム触媒と接触することにより、処理後の
水中の溶存酸素ガス濃度を10μg/リットル以下とす
ることができる。パラジウム触媒は、金属パラジウム、
酸化パラジウム、水素化パラジウムなどのほか、イオン
交換樹脂、アルミナ、活性炭、ゼオライトなどの担体に
パラジウムを担持させた触媒を用いることができる。パ
ラジウム触媒の形状に特に制限はなく、例えば、粉末
状、粒状、ペレット状など、いずれの形状でも使用する
ことができる。粉末状の触媒は、反応槽を設けて反応槽
中の水に適当量を添加することができ、あるいは、カラ
ムなどに充填して流動床として通水処理することもでき
る。粒状又はペレット状の触媒は、カラムなどに充填
し、連続的に通水処理することができる。パラジウム担
持触媒の場合、パラジウムの担持量は0.1〜10重量
%であることが好ましい。パラジウム担持触媒の中で、
アニオン交換樹脂にパラジウムを担持させた触媒は、少
ないパラジウムの担持量で優れた効果を発揮するので、
特に好適に使用することができる。アニオン交換樹脂に
パラジウムを担持させた触媒は、アニオン交換樹脂をカ
ラムに充填し、塩化パラジウムの酸性溶液を通水するこ
とにより調製することができる。さらに、このカラムに
ホルマリンなどの還元剤を加えて還元することにより、
金属パラジウムを担持した触媒とすることができる。
【0009】本発明の洗浄水は、必要に応じて、高純度
薬品を添加し、洗浄効果を高めて使用することができ
る。添加する高純度薬品に特に制限はなく、例えば、ア
ンモニアなどのアルカリや、塩酸などの酸を挙げること
ができる。これらの中で、アンモニアは、100mg/リ
ットル以下、好ましくは10mg/リットル以下の微量の
添加によっても洗浄効果の向上が顕著であり、特に好適
に使用することができる。洗浄水にアンモニアなどの薬
品を添加した場合には、余剰の洗浄水の触媒との接触に
よっても、超純水と同等の水質の水を得ることができな
いので、本発明の洗浄水は薬品を添加しない状態で主配
管を経由してユースポイントに供給し、主配管からの枝
分け後にアンモニアなどの薬品を添加することが好まし
い。本発明の電子材料用洗浄水を用いる洗浄に際して
は、超音波などの物理的な作用を併用することができ
る。被洗浄物と接触する電子材料用洗浄水に超音波を伝
達することにより、被洗浄物表面からの微粒子などの汚
染の脱離効果を高めることができる。電子材料などの極
めて微細な加工を施し、かつ清浄な表面が求められる分
野において、超音波を伝達する場合には、その周波数は
400kHz以上であることが好ましく、1MHz程度以上で
あることがより好ましい。超音波の周波数が、従来用い
られている数十kHz程度であると、超音波がもたらすキ
ャビテーション効果により、被洗浄物に損傷を与えるお
それがある。本発明の電子材料用洗浄水を被洗浄物と接
触させる方法には特に制限はなく、例えば、電子材料用
洗浄水を満たした洗浄用水槽に被洗浄物を浸漬し、電子
材料用洗浄水と被洗浄物を所定時間接触させ、必要に応
じて超音波を伝達するバッチ式洗浄を行うことができ、
あるいは、被洗浄物をスピンナーや移動架台上に載せ、
必要に応じて電子材料用洗浄水に超音波を伝達し、電子
材料用洗浄水を被洗浄物の表面に注いで処理する枚葉式
洗浄を行うこともできる。本発明の電子材料用洗浄水
は、水素ガスと酸素ガスを溶解した洗浄水の余剰分又は
汚れのない洗浄排水から、触媒と接触させるという極め
て簡単な処理により、水以外の物質を生成することな
く、超純水と同等の水質を有する水を回収することがで
きる。回収した水は、超純水の原水として、あるいは、
そのまま洗浄水又はリンス用水として再利用することが
できるので、電子材料の洗浄工程における超純水の使用
量を節減し、ウェット洗浄プロセス及びその周辺システ
ムの簡略化を図ることができる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、洗浄水の微粒子除去性能は下記の方法により評価し
た。 (1)汚染シリコン基板の調製 直径6インチの酸化膜付きのシリコン基板を、直径1μ
m以下のアルミナ微粒子を分散させた純水中に浸漬した
のち、超純水によるリンスとスピン乾燥を行って、強制
的にアルミナ微粒子で汚染したシリコン基板8枚を調製
した。この汚染シリコン基板の表面に付着した微粒子の
数を、レーザー散乱式表面異物検査装置[東京光学機械
(株)]を用いて測定したところ、直径0.2μm以上の
微粒子の付着数は、20,000〜23,000個/シリ
コン基板の範囲内にあった。 (2)スピン洗浄 汚染シリコン基板を500rpmで回転させ、洗浄水に超
音波照射ノズル[プレテック社、Fine Jet]を
用いて周波数1.6MHzの超音波を伝達しつつ、流量0.
9リットル/分で10秒間流しかけ、スピン洗浄を行っ
た。なお、この間に、シリコン基板の半径方向にノズル
を1往復スキャンさせた。次いで、シリコン基板を50
0rpmで回転させたまま、超純水を流量0.9リットル/
分で10秒間流しかけ、リンスを行った。最後に、シリ
コン基板の回転速度を1,500rpmに上げて、20秒間
保持し、乾燥を行った。 (3)微粒子除去率の測定 洗浄後のシリコン基板について、レーザー散乱式表面異
物検査装置[東京光学機械(株)]を用いて、表面に残存
する微粒子数を測定し、洗浄前の微粒子付着数に対する
除去率を算出した。 実施例1 超純水を脱気したのち、水素ガス1.05mg/リットル
及び酸素ガス8.0mg/リットルを溶解して、洗浄水を
調製した。この洗浄水を用いて汚染シリコン基板を洗浄
したところ、微粒子除去率は98%であった。この洗浄
水を、パラジウム担持イオン交換樹脂100mlを充填し
たアクリル樹脂製カラムに、流量10リットル/時で通
水した。カラムから流出する処理水の溶存水素ガス濃度
は約50μg/リットル、溶存酸素ガス濃度は10μg
/リットル以下であった。また、処理水中の有機体炭素
(TOC)は2μg/リットル以下、鉄、クロム、ニッ
ケルはそれぞれ1ng/リットル以下であり、TOC及
び金属イオンの量は、原水として用いた超純水と同等で
あり、この処理水は、そのまま洗浄用水又はリンス用水
として使用可能であることが確認された。 実施例2 実施例1において調製した水素ガス1.05mg/リット
ル及び酸素ガス8.0mg/リットルを溶解した洗浄水
に、さらに電子工業グレードのアンモニア水を添加し
て、NH3濃度を1.0mg/リットルとした洗浄水を調製
した。この洗浄水を用いて汚染シリコン基板を洗浄した
ところ、微粒子除去率は99%以上であった。 比較例1 超純水を脱気したのち、水素ガス1.2mg/リットルを
溶解して、洗浄水を調製した。この洗浄水中の溶存酸素
ガス濃度は、1.0mg/リットル以下であった。この洗
浄水を用いて汚染シリコン基板を洗浄したところ、微粒
子除去率は98%であった。 比較例2 比較例1において調製した水素ガス1.2mg/リットル
を溶解した洗浄水に、さらに電子工業グレードのアンモ
ニア水を添加して、NH3濃度を1.0mg/リットルとし
た洗浄水を調製した。この洗浄水を用いて汚染シリコン
基板を洗浄したところ、微粒子除去率は99%以上であ
った。 比較例3 超純水を脱気したのち、酸素ガス30.0mg/リットル
を溶解して、洗浄水を調製した。この洗浄水中の溶存水
素ガス濃度は、0.1mg/リットル以下であった。この
洗浄水を用いて汚染シリコン基板を洗浄したところ、微
粒子除去率は98%であった。 比較例4 比較例3において調製した酸素ガス30.0mg/リット
ルを溶解した洗浄水に、さらに電子工業グレードのアン
モニア水を添加して、NH3濃度を1.0mg/リットルと
した洗浄水を調製した。この洗浄水を用いて汚染シリコ
ン基板を洗浄したところ、微粒子除去率は99%以上で
あった。 比較例5 超純水を用いて汚染シリコン基板を洗浄したところ、微
粒子除去率は40%であった。 比較例6 超純水に電子工業グレードのアンモニア水を添加して、
NH3濃度を1.0mg/リットルとした洗浄水を調製し
た。この洗浄水を用いて汚染シリコン基板を洗浄したと
ころ、微粒子除去率は72%であった。実施例1〜2及
び比較例1〜6の結果を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表に見られるように、水素ガス1.0
5mg/リットルと酸素ガス8.0mg/リットルを溶解し
た本発明の電子材料用洗浄水は、微粒子の除去に対し
て、水素ガス1.2mg/リットルを溶解した洗浄水及び
酸素ガス30.0mg/リットルを溶解した洗浄水と全く
等しい効果を有する。また、実施例1の結果から、本発
明の電子材料用洗浄水をパラジウム担持触媒と接触させ
ることにより、溶存水素ガスと溶存酸素ガスがともに低
濃度まで除去され、処理水の有機体炭素(TOC)及び
鉄、クロム、ニッケルなどの金属イオンの量は、原水と
して用いた超純水と同等であり、そのまま洗浄用水又は
リンス用水として使用可能であることが分かる。
【0013】
【発明の効果】本発明の電子材料用洗浄水は、電子材料
表面の微粒子汚染の除去に対して、水素ガスを単独で溶
解した洗浄水及び酸素ガスを単独で溶解した洗浄水と同
等の洗浄効果を有し、余剰の洗浄水や洗浄排水は、触媒
充填塔へ通水するという簡単な操作のみにより、直ちに
洗浄やリンスに使用し得る超純水と同等の水に改質でき
るので、電子材料の洗浄工程における超純水の使用量を
節減し、ウェット洗浄プロセス及びその周辺システムの
簡略化を図ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】純水に水素ガスと酸素ガスを溶解した洗浄
    水であって、溶存水素ガスと溶存酸素ガスのモル比が
    2.0:1〜2.5:1であり、かつ溶存水素ガスの飽和
    度と溶存酸素ガスの飽和度の和が40〜100%である
    ことを特徴とする電子材料用洗浄水。
JP10623998A 1998-04-16 1998-04-16 電子材料用洗浄水 Pending JPH11302689A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001291694A (ja) * 2000-04-06 2001-10-19 Kurita Water Ind Ltd オゾン溶解水供給装置
US8956463B2 (en) 2008-10-08 2015-02-17 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method for cleaning photomask-related substrate, cleaning method, and cleaning fluid supplying apparatus

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