JPH1130232A - 自動調心ころ軸受 - Google Patents

自動調心ころ軸受

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JPH1130232A
JPH1130232A JP9202668A JP20266897A JPH1130232A JP H1130232 A JPH1130232 A JP H1130232A JP 9202668 A JP9202668 A JP 9202668A JP 20266897 A JP20266897 A JP 20266897A JP H1130232 A JPH1130232 A JP H1130232A
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lubricant
containing polymer
rollers
row
inner ring
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JP9202668A
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Shunichi Yabe
俊一 矢部
Toshimi Takagi
敏己 高城
Masayuki Hosoya
眞幸 細谷
Morio Tanmachi
守男 反町
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6637Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
    • F16C33/664Retaining the liquid in or near the bearing
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過度の温度上昇が起る可能性を未然に防止す
ることができると共に、高速高荷重の使用条件に対する
信頼性を高めることができる自動調心ころ軸受を提供す
る。 【解決手段】 自動調心ころ軸受の内輪1には、2列の
軌道1aが形成されているとともに、各軌道1aの外端
部位に脱落防止つば1bがそれぞれ設けられている。外
輪2には、内輪1の各軌道1aに対向した軌道2aが形
成されている。内輪1の各軌道1aと外輪2の軌道2a
との間には2列のころ3が配置され、各列のころ3は一
体型に構成された保持器6により保持されている。内輪
1と外輪2との間に存在する空所、内輪1の各脱落防止
つば1bと各列のころ3の外端面との間の間隙および各
列のころ3の内端面と案内輪7との間の間隙には、潤滑
剤含有ポリマ8がそれぞれ充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑剤含有ポリマ
を充填した自動調心ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、潤滑剤含有ポリマを充填した自動
調心ころ軸受のひとつとして、特開平6−50330号
公報に記載のものがある。この自動調心ころ軸受は、図
7に示すように、内輪1と外輪2とを有する。内輪1に
は、2列の軌道1aが形成されているとともに、各軌道
1aの外端部位に脱落防止つば1bが、各軌道1a間の
部位に案内つば1cがそれぞれ設けられている。外輪2
には、内輪1の各軌道1aに対向した軌道2aが形成さ
れている。内輪1の各軌道1aと外輪2の軌道2aとの
間には2列のころ3が配置され、各列のころ3はそれぞ
れ対応する保持器4により保持されている。各保持器4
はころ3の各列毎にそのころ3を保持する分離型保持器
からなる。内輪1と外輪2との間に存在する空所および
内輪1の各脱落防止つば1bと各列のころ3の外端面と
の間の間隙には、プラスチックグリース(潤滑剤含有ポ
リマ)5がそれぞれ充填され、内輪1の各脱落防止つば
1bと各列のころ3の外端面との間の間隙に充填された
プラスチックグリース5により、各列のころ3はその内
端面が案内つば1cの対応する側面にそれぞれ接触する
ように保持されている。
【0003】このプラスチックグリースの充填方法に
は、外輪2の外周面に嵌合するつばを有しかつその内面
にころ3の外端面を押圧するリブが設けられている2枚
の封入焼成用型板を用い、内輪1と外輪2との間の空間
にプラスチックグリースの未焼成原料を入れた後に各封
入焼成用型板を内輪1と外輪2の各端面にそれぞれ嵌め
込み、各封入焼成用型板のリブにより各列のころ3の外
端面を押圧して各列のころ3の内端面を案内つば1cの
対応する側面にそれぞれ接触させた状態でプラスチック
グリースの未焼成原料を焼成する方法が用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した、従
来の自動調心ころ軸受では、各列のころ3の内端面と案
内つば1cの各側面とが接触してるので、この間におけ
る潤滑状態が場合によっては十分でないことが起こる可
能性がある。この場合、発生トルクが高くなったり、軸
受回転に伴い温度上昇が大きくなる可能性がある。よっ
て、温度上昇が大きくなった場合は、潤滑剤含有ポリマ
5が軟化して潤滑剤含有ポリマ5の機械的強度が低下す
る可能性がある。また、潤滑剤含有ポリマは、その温度
が高いほど含有している潤滑剤の放出速度が速くなる性
質を有し、放出可能な潤滑剤がより短時間で放出される
可能性がある。
【0005】また、保持器4にころ3の各列毎に対応す
るように分離された分離型保持器を用いていることに対
し、潤滑剤含有ポリマ5はころ3の各列を包括するよう
に一体に固化されているので、各列のころ3が保持器4
とともに各列毎にそれぞれ異なる動きをするような使用
条件例えば高速高荷重の使用条件下では、各列のころ3
の動きの違いにより潤滑剤含有ポリマ5に剪断力が作用
し、潤滑剤含有ポリマ5が各列の中間付近の位置で無理
な力が掛かる可能性がある。
【0006】本発明の目的は、過度の温度上昇が起る可
能性を未然に防止することができると共に、高速高荷重
の使用条件に対する信頼性を高めることができる自動調
心ころ軸受を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
2列の軌道が形成され、各軌道の外端に脱落防止つばを
有する内輪と、該内輪の各軌道に対向した軌道が形成さ
れている外輪と、前記内輪の各軌道と前記外輪の軌道と
の間に配置されている2列のころと、各2列のころを保
持する保持器と、該保持器と前記内輪との間に前記各列
のころを案内するように配置されている案内輪とを備え
る自動調心ころ軸受において、前記保持器を一体型に構
成すると共に、前記内輪と外輪間の空間における、少な
くとも前記各列のころの内端面と前記案内輪との間の間
隙および前記各列のころの外端面と前記内輪の脱落防止
つばとの間の間隙に潤滑剤含有ポリマを充填したことを
特徴とする。
【0008】この潤滑剤含有ポリマは、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテンな
どの基本的に同じ化学構造を有するポリオレフィン系樹
脂の群の中から選定された合成樹脂に、潤滑剤として、
ポリα−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素
油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェニ
ルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エステルの
ようなエステル油などのいずれか単独もしくは混合油の
形で混ぜて調整した原料を、合成樹脂の融点以上で加熱
して可塑化し、その後に冷却することにより固形状にし
たものである。また、酸化防止剤、錆止め剤、磨耗防止
剤、あわ消し剤、極圧剤などの各種添加剤を予め加えた
潤滑剤を用いることも可能である。
【0009】潤滑剤含有ポリマの組成比は、全重量に対
してポリオレフィン系樹脂10〜50重量%、潤滑剤9
0〜50重量%である。潤滑剤含有ポリマ8の組成比に
おいてポリオレフィン系樹脂が10重量%未満である場
合には、所定レベル以上の硬さ・強度が得られず、潤滑
剤含有ポリマに軸受の回転などによって負荷が掛かった
ときには、潤滑剤含有ポリマの初期の形状を維持するこ
とが難しく、潤滑剤含有ポリマが軸受の内部空間から脱
落するなどの不具合を生じる可能性が高くなる。また、
潤滑剤含有ポリマの組成比においてポリオレフィン系樹
脂が50重量%を超える場合(すなわち潤滑剤が50重
量%未満の場合)には、軸受けへの潤滑剤の供給量が少
なくなり、軸受寿命の延長化を期待することができな
い。
【0010】上記ポリオレフィン系樹脂の群では、基本
構造が同じでその平均分子量が異なっており、その平均
分子量は700〜5×106 の範囲に及んでいる。この
群の中から選定された合成樹脂は、平均分子量が700
〜1×104 の範囲にあるワックスに分類されるもの
(例えばポリエチレンワックス)と、平均分子量が1×
104 〜1×106 の範囲にある比較的低分子量のもの
と、平均分子量が1×106 〜5×106 の範囲にある
超高分子量のものとの内のいずれかから選定した単独物
またはそれらの混合物からなる。比較的低分子量のもの
と潤滑剤との組合わせによって、ある程度の機械的強
度、潤滑剤供給能力、保油性を有する潤滑剤含有ポリマ
が得られる。この組合わせにおいて比較的低分子量のも
のの一部をワックスに分類されるものに置き換えると、
ワックスに分類されるものと潤滑剤との分子量の差が小
さいために、潤滑剤との親和性が高くなり、結果として
潤滑剤含有ポリマの保油性が向上し、長期間に亘る潤滑
剤の供給が可能になるが、その反面機械的強度が低下す
る。ここで、使用可能なワックスに分類されるものとし
ては、ポリエチレンワックスのようなポリオレフィン系
樹脂の他、融点が100〜130℃以上の範囲にある炭
化水素系のもの(例えばパラフィン系合成ワックス)が
ある。これに対し、比較的低分子量のものの一部を超高
分子量のものに置き換えると、超高分子量のものと潤滑
剤との分子量の差が大きいために、潤滑剤との親和性が
低くなり、結果として潤滑剤含有ポリマの保油性が低下
し、潤滑剤含有ポリマからの潤滑剤の放出速度が速くな
る。その結果、潤滑剤含有ポリマから供給可能な潤滑剤
量に到達するまでの期間が短くなり、軸受寿命を長くす
ることができない。但し、機械的強度は向上する。
【0011】なお、ポリメチルペンテンを単独で用いる
と、含有する潤滑剤量を多くしようとする場合に所定の
硬さを得ることが難しく、硬さが向上するように、ポリ
メチルペンテンに高密度ポリエチレン、超高分子量ポリ
エチレンなどのポリエチレンを添加する必要がある。ポ
リメチルペンテンとポリエチレンとの比率としては、ポ
リメチルペンテン:ポリエチレン=4:6〜9:1(好
ましくは6:4〜8:2)が適当である。4:6の比率
よりポリエチレンの量が多いと、軟化温度が低くなり、
使用最高回転数がポリエチレン単独の場合と差異がほと
んどなくなり、また、9:1の比率よりポリメチルペン
テンの量が多いと、所定レベル以上の硬さ(65HDA
)を得ることが難しくなる。また、ポリメチルペンテ
ンを融解させる時点で230〜250℃にする必要があ
り、鉱油、ポリα−オレフィン油などは、前記温度でか
なりの量揮発するので、適当ではなく、耐熱性、ポリメ
チルペンテンとの相溶性を考慮すると、ジアルキルジフ
ェニルエーテルなどのアルキルポリフェニルエーテルが
好ましい。
【0012】成形性、機械的強度、保油性、潤滑剤供給
量のバランスを考慮すると、潤滑剤含有ポリマの組成比
は、ワックスに分類されるもの0〜5重量%、比較的低
分子量のもの8〜48重量%、超高分子量のもの2〜1
0重量%、これら3つの樹脂分合計10〜50重量%
(残りが潤滑剤90〜50重量%)とすることが好まし
い。
【0013】潤滑剤含有ポリマの機械的強度を表すもの
の一つとして潤滑剤含有ポリマの硬さ[HDA ]があ
り、この硬さ[HDA ]は65〜90の範囲にあること
が好ましく、より好ましくは70〜85の範囲にあるこ
とである。この硬さ[HDA ]が65未満の場合は、強
度的に弱く軸受の回転によって破損する恐れがある。こ
れに対し、硬さ[HDA ]が90を超える場合は、ころ
を拘束する力が大きく、この拘束力により軸受のトルク
が大きくなりまた軸受の回転に伴う発熱量が増して軸受
の温度が高くなる恐れがある。
【0014】潤滑剤含有ポリマの機械的強度を向上させ
るために、上述のポリオレフィン系樹脂に以下の熱可塑
性樹脂および熱硬化性樹脂を添加したものを用いること
ができる。
【0015】熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルスルホンサン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリスチ
レン、ABS樹脂などの各樹脂を使用することができ
る。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、
尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂、エポキシ樹脂などの各樹脂を使用することができ
る。また、これらの樹脂をそれぞれ単独でまたは混合し
て用いてもよい。さらに、ポリオレフィン系樹脂とそれ
以外の樹脂とをより均一な状態で分散させるために、必
要に応じて適当な相溶化剤を加えてもよい。
【0016】また、機械的強度を向上させるために充填
材を添加してもよく、この充填材としては、例えば、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウムウ
ィスカーや硼酸アルミニムウィスカーなどの無機ウィス
カー類、またはガラス繊維や金属繊維などの無機繊維類
およびこれらを布状に編組したものがあり、また、有機
化合物では、カーボンブラック、黒鉛粉末、カーボン繊
維、アラミド繊維、ポリエステル繊維などを添加しても
よい。
【0017】さらに、ポリオレフィン系樹脂の熱による
劣化を防止する目的で、N,N′−ジフェニル−P−フ
ェニルジアミン、2,2′−メチレンビス(4−エチル
−6−t−ブチフェノール)などの老化防止剤を、また
光による劣化を防止する目的で、2−ヒドロキシ−4−
n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′−t−ブチル−5′−メチル−フェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤を添加
してもよい。
【0018】以上の全ての添加剤(ポリオレフィン系樹
脂+潤滑剤以外)の添加量としては、潤滑剤の供給能力
を維持する上で、成形原料全量の20重量%以下にする
ことが好ましい。
【0019】この潤滑剤含有ポリマの充填方法として
は、充填治具を用いる方法と、水平な支持面に回転軸が
平行になるように軸受を支持した状態で潤滑剤含有ポリ
マを充填、焼成して固化させる方法とがある。なお、こ
れらの方法については、後述する実施の形態において詳
細に説明する。
【0020】請求項1記載の自動調心ころ軸受では、保
持器を一体型に構成したので、各列のころの動きが保持
器により拘束され、高速高荷重の使用条件下において各
列のころが保持器とともに各列毎にそれぞれ異なる動き
をすることはなく、ころの各列間に潤滑剤含有ポリマが
充填されている場合でも、この潤滑剤含有ポリマに剪断
力が作用することはない。よって、潤滑剤含有ポリマが
各列の中間付近の位置で無理な応力が掛る可能性もな
く、高速高荷重の使用条件に十分に耐用することが可能
である。すなわち、高速高荷重の使用条件に対する信頼
性を高めることができる。
【0021】また、内輪と外輪間の空間における、少な
くとも各列のころの内端面と案内輪との間の間隙および
各列のころの外端面と内輪の脱落防止つばとの間の間隙
に潤滑剤含有ポリマを充填したので、各列のころの内端
面と案内輪との間および各列のころの外端面と内輪の脱
落防止つばとの間における潤滑状態が良く、潤滑剤含有
ポリマを充填していない場合に比して発生トルクが低く
なるとともに、軸受回転に伴う温度上昇が小さい範囲に
抑制される。よって、この過度の温度上昇による潤滑剤
含有ポリマの不具合の発生する可能性を未然に防止する
ことができると共に、潤滑剤含有ポリマからの潤滑剤の
放出速度が小さく抑制することができ、過度の温度が起
る可能性を未然に防止することができる。
【0022】さらに、本出願人による特開平7−139
551号公報に記載されている製造方法に従い、軸受中
に潤滑剤含有ポリマを充填すると、ころ表面に形成され
る離型剤の膜によって、ころと潤滑剤含有ポリマとの間
に間隙が生じる。それによって、ころの自転がスムーズ
になり、更なる軸受の低トルク化とそれに伴う温度上昇
の抑制とが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図を参照しながら説明する。
【0024】(実施の第1形態)図1は本発明に係る自
動調心ころ軸受の実施の第1形態の主要部構成を示す断
面図、図2は図1の自動調心ころ軸受の平面図である。
【0025】自動調心ころ軸受は、図1に示すように、
内輪1と外輪2とを有する。内輪1には、2列の軌道1
aが形成されているとともに、各軌道1aの外端部位に
脱落防止つば1bがそれぞれ設けられている。外輪2に
は、内輪1の各軌道1aに対向した軌道2aが形成され
ている。内輪1の各軌道1aと外輪2の軌道2aとの間
には2列のころ3が配置され、各列のころ3は一体型に
構成された保持器6により保持されている。すなわち1
つの保持器6で各列のころ3が保持されていることにな
る。保持器6の材質は、高力黄銅、ガラス繊維などの強
化材入りのプラスチック(例えばナイロン66)などか
らなり、強度などの信頼性を考慮すると、材質を高力黄
銅にすることが好ましい。また、保持器6を、鉄製の分
離型保持器を軸受組立後に電子ビーム溶接によって一体
化して構成するようにしてもよい。保持器6と内輪1と
の間には案内輪7が各列のころ3を案内するように配置
されている。
【0026】内輪1と外輪2との間に存在する空所、内
輪1の各脱落防止つば1bと各列のころ3の外端面との
間の間隙および各列のころ3の内端面と案内輪7との間
の間隙には、潤滑剤含有ポリマ8がそれぞれ充填されて
いる。充填されている潤滑剤含有ポリマ8には、図2に
示すように、その一方の端面から保持器6に向けて伸び
る3つの貫通孔8aと該端面から案内輪7に向けて伸び
る3つの貫通孔8bとが形成され、各貫通孔8a,8b
は後述する潤滑剤ポリマ8の充填に用いられる充填治具
により形成された孔である。本実施の形態では、潤滑剤
含有ポリマ8として、高密度ポリエチレン(比較的低分
子量に分類される)20重量%と、超高分子量ポリエチ
レン(超高分子量に分類される)5重量%と、ポリエチ
レンワックス(ワックスに分類される)5重量%と、鉱
油70重量%とからなる組成を有するものが用いられ、
その硬さは83HDA である。
【0027】次に、潤滑剤含有ポリマを内輪1と外輪2
との間の空間における少なくとも内輪1の各脱落防止つ
ば1bと各列のころ3の外端面との間の間隙および各列
のころ3の内端面と案内輪7との間の間隙に充填する方
法について説明する。
【0028】この潤滑剤含有ポリマの充填方法として
は、1組の充填治具を用いる方法と、水平な支持面に回
転軸が平行になるように軸受を支持した状態で潤滑剤含
有ポリマを充填、焼成して固化させる方法とがあり、本
実施の形態では前者の方法を採用する。なお、後者の方
法については後述する実施の第2形態において詳細に説
明する。
【0029】ここで、前者の方法について図3を参照し
ながら説明する。図3は図1の自動調心ころ軸受におけ
る潤滑剤含有ポリマの充填方法を説明するための図であ
る。
【0030】前者の方法では、図3に示すように、上述
した1組の充填治具9,10を使用する。各充填治具
9,10は、一方の面すなわち内面が軸受に対向する型
板からなり、該型板の内面には、外輪2の端面を受け入
れるように環状の凹部9a,10aと、ころ3の外端面
に対向する環状の凸部9b,10bと、内輪1の端面を
受け入れる環状の凹部9c,10cとが形成されてい
る。充填治具9の凸部9bには、内面から垂直に突出す
る棒状の複数の突起11,12が設けられている。各突
起11は、対応する保持器6の部位に当接して該保持器
6を一方の列のころ3から他方の列のころ3へ向けて僅
かに移動させるような長さを有すると共に、凸部9bの
円周方向に沿って等角度間隔で配列されている。各突起
12は、対応する案内輪7の部位に当接して該案内輪7
を一方の列のころ3から他方の列のころ3へ向けて僅か
に移動させるような長さを有すると共に、凸部9bの円
周方向に沿って等角度間隔で配列されている。各突起1
2が対応する案内輪7の部位に当接して該案内輪7を移
動させることにより、一方の列のころ3の内端面と案内
輪7との間に間隙が生じ、同時に各突起11が対応する
保持器6の部位に当接して該保持器6を移動させること
により、他方の列のころ3の内端面と案内輪7との間に
間隙が生じるように、各突起11,12の長さは決定さ
れている。
【0031】本実施の形態では、各突起11の数は3で
あり、各突起11は120度の角度間隔で配列されてい
る。また、同様に、各突起12の数は3であり、各突起
12は120度の角度間隔で配列されている。
【0032】一方の充填治具9と他方の充填治具10と
はそれぞれ軸受の各端面に内輪の内径を基準にして嵌め
合わされている。締結金具13は各突起11,12を固
定、保持するための治具である。
【0033】1組の充填治具9,10を用いて潤滑剤含
有ポリマを充填するときには、まず、充填治具9が、そ
の凹部9aに外輪2の端面を、凹部9cに内輪1の端面
を受け入れるように軸受の一方の端面に嵌め込まれる。
充填治具9が嵌め込まれると、凸部9bが一方の列のこ
ろ3の外端面との間に間隙を形成しながら対向すると共
に、各突起12と対応する案内輪7の部位との当接によ
り案内輪7が移動されて一方の列のころ3の内端面と案
内輪7との間に間隙が形成され、同時に各突起11と対
応する保持器6の部位との当接により保持器6が移動さ
れて他方の列のころ3の内端面と案内輪7との間に間隙
が形成される。充填治具9が嵌め込まれたことにより、
内輪1の各脱落防止つば1bと各列のころ3の外端面と
の間の間隙が保持される。
【0034】この軸受の一方の端面に嵌め込まれた充填
治具9は、水平な支持面14に置かれる。次いで、内輪
1と外輪2との間の空間に潤滑剤含有ポリマ8の未焼成
原料が入れられ、この潤滑剤含有ポリマ8の未焼成原料
は、一方の列のころ3の内端面と案内輪7との間の間
隙、他方の列のころ3の内端面と案内輪7との間の間隙
および内輪1の各脱落防止つば1bと各列のころ3の外
端面との間の間隙を含む内輪1と外輪2との間の空所に
充填され、そして軸受の他方の端面に充填治具10を嵌
め込んだ後に、潤滑剤含有ポリマ8の未焼成原料を加
熱、冷却することにより潤滑剤含有ポリマ8が充填され
ることになる。この場合、凸部9b,10bところ3の
外端面との間には若干の隙間が形成されるように構成さ
れている。すなわち、潤滑剤含有ポリマ8が各列のころ
3の内端面と案内輪7との間の間隙および内輪1の各脱
落防止つば1bと各列のころ3の外端面との間の間隙を
含む内輪1と外輪2との間の空所に充填されることにな
る。
【0035】潤滑剤含有ポリマ8の充填後に各充填治具
9,10は取り外されるが、充填治具9を取り外す際に
各突起11,12は潤滑剤含有ポリマ8から引き抜かれ
るので、充填治具9が嵌め込まれた軸受の端面には、上
述したように、該端面から保持器6に向けて伸びる3つ
の貫通孔8aと該端面から案内輪7に向けて伸びる3つ
の貫通孔8bとが形成されることになる(図2を参
照)。また、ころ3の外端面に形成された潤滑剤含有ポ
リマの余肉は、必要に応じて適宜除去される。
【0036】このように、本実施の形態では、保持器6
を一体型に構成したので、各列のころ3の動きが保持器
6により拘束され、高速高荷重の使用条件下において各
列のころ3が保持器6とともに各列毎にそれぞれ異なる
動きをすることはなく、ころ3の各列間に充填されてい
る潤滑剤含有ポリマ8に剪断力が作用することはない。
よって、潤滑剤含有ポリマ8が各列の中間付近の位置で
無理な応力を受ける恐れはなく、高速高荷重の使用条件
に対する信頼性を十分に高めることができる。
【0037】また、内輪1と外輪2間の空間における、
少なくとも各列のころ3の内端面と案内輪7との間の間
隙および各列のころ3の外端面と内輪1の脱落防止つば
1bとの間の間隙に潤滑剤含有ポリマ8を充填したの
で、各列のころ3の内端面と案内輪7との間および各列
のころ3の外端面と内輪1の脱落防止つば1bとの間に
おける潤滑状態が良く、潤滑剤含有ポリマ8を充填して
いない場合に比して発生トルクが低くなるとともに、軸
受回転に伴う温度上昇が小さい範囲に抑制される。よっ
て、この過度の温度上昇による潤滑剤含有ポリマ8の不
具合の発生する可能性を未然に防止することができると
共に、潤滑剤含有ポリマ8からの潤滑剤の放出速度が小
さく抑制することができ、過度の温度上昇が起る可能性
を未然に防止することができる。
【0038】なお、本実施の形態においては、案内つば
に代えて案内輪を用いることにより、充填作業に対する
信頼性を高めることができる。
【0039】(実施の第2形態)次に、本発明の実施の
第2形態について図4を参照しながら説明する。図4は
本発明に係る自動調心ころ軸受の実施の第2形態に用い
られている潤滑剤含有ポリマの充填方法を説明するため
の図である。
【0040】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、潤滑剤含有ポリマの充填方法として、水平な支持
面に回転軸が平行になるように軸受を支持した状態で潤
滑剤含有ポリマを充填、焼成して固化させる方法を用い
た点および異なる組成の潤滑剤含有ポリマを用いた点で
異なる。
【0041】この充填方法では、水平な支持面に回転軸
が平行になるように軸受を支持することにより、ころ3
の内端面が案内輪7に押し付けられていないので、ころ
3の内端面と案内輪7との間の間隙が保持され、この間
隙に潤滑剤含有ポリマが充填されることになる。
【0042】この方法を実施するための具体的な方法と
しては、図4に示すように、1組の金型20の内部空間
に回転軸が平行になるように軸受を保持し、外部の射出
成形機から各金型20の軸受のころ3に対向する部位2
0aに設けられた複数のピンゲートを介して内輪1と外
輪2との間の空間に可塑化された潤滑剤含有ポリマを射
出して充填し、該潤滑剤含有ポリマを金型20中で冷却
固化させる射出成形方法がある。この方法に用いられる
射出成形機としては、本出願人による特開平8−309
793号公報に記載のものがある。
【0043】また、この射出成形方法により充填された
潤滑剤含有ポリマは、ポリメチルペンテン(比較的低分
子量に分類される)20重量%と、高密度ポリエチレン
(比較的低分子量に分類される)7重量%と、超高分子
量ポリエチレン(超高分子量に分類される)3重量%
と、ジアルキルジフェニルエーテル70重量%とからな
る組成を有し、その硬さは80HDA である。
【0044】(実施の第3形態)次に、本発明の実施の
第3形態について説明する。
【0045】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、異なる組成の潤滑剤含有ポリマを用いた点で異な
る。なお、この潤滑剤含有ポリマの充填方法は実施の第
1形態に同じである。具体的には、潤滑剤含有ポリマと
して、高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類され
る)20重量%と、超高分子量ポリエチレン(超高分子
量に分類される)10重量%と、鉱油70重量%とから
なる組成を有するものが用いられ、その硬さは92HD
A である。
【0046】(実施の第4形態)次に、本発明の実施の
第4形態について説明する。
【0047】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、異なる組成の潤滑剤含有ポリマを用いた点で異な
る。なお、この潤滑剤含有ポリマの充填方法は実施の第
1形態に同じである。具体的には、潤滑剤含有ポリマと
して、高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類され
る)20重量%と、超高分子量ポリエチレン(超高分子
量に分類される)8重量%と、ポリエチレンワックス
(ワックスに分類される)2重量%と、鉱油70重量%
とからなる組成を有するものが用いられ、その硬さは8
8HDA である。
【0048】(実施の第5形態)次に、本発明の実施の
第5形態について説明する。
【0049】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、異なる組成の潤滑剤含有ポリマを用いた点で異な
る。なお、この潤滑剤含有ポリマの充填方法は実施の第
1形態に同じである。具体的には、潤滑剤含有ポリマと
して、高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類され
る)10重量%と、超高分子量ポリエチレン(超高分子
量に分類される)2重量%と、ポリエチレンワックス
(ワックスに分類される)8重量%と、鉱油80重量%
とからなる組成を有するものが用いられ、その硬さは6
3HDA である。
【0050】次に、上述の各実施の形態(第1形態から
第3形態まで)および比較例1について軸受回転試験を
実施し、内輪近傍温度および軸受トルクの測定結果につ
いて図5および図6を参照しながら説明する。図5は各
実施の形態(第1形態から第3形態まで)および比較例
1における回転数に対する内輪近傍温度の測定結果を表
す図、図6は各実施の形態(第1形態から第3形態ま
で)および比較例1における回転数に対する軸受トルク
の測定結果を表す図である。
【0051】ここで、軸受回転試験は、内径55mm×
外径120mm×幅430mmの自動調心ころ軸受(形
番−22311)を用いて実施され、荷重条件としてF
r=2000kgf、Fa=250kgfが設定されて
いる。また、比較例1は、従来技術に基づいた構成であ
り、実施の第1形態と同じ組成の潤滑剤含有ポリマを用
い、一体型保持器に代えて分離型の保持器を用いてい
る。
【0052】図5および図6から明らかなように、25
0〜1000rpmの回転数範囲において上述の各実施
の形態は、比較例1に比して内輪近傍温度および軸受ト
ルクが低いレベルにあることを示している。このこと
は、ころの内端面と案内輪との間の間隙に潤滑剤含有ポ
リマが充填されているか否かの違いによるものと考えら
れる。また、比較例1においては、1000rpmの回
転数を保持しながら回転を継続させると、さらに内輪近
傍温度が上昇し、軸受トルクの急激な増加が見られた。
その時点で軸受の回転を停止させて軸受を観察すると、
潤滑剤含有ポリマがころ列の中間付近で切断され、軸受
から完全に離脱していることが確認された。この現象は
保持器が一体型に構成された各実施の形態においては見
られない現象であった。
【0053】潤滑剤含有ポリマの硬さ[HDA ]が90
を超える実施の第3形態では、65〜90の範囲にある
実施の第1形態および第2形態に比して、内輪近傍温度
および軸受トルクが僅かに高いことが分かる。このこと
から、内輪近傍温度および軸受トルクに潤滑剤含有ポリ
マの硬さが影響していることが分かり、ひいては軸受寿
命にも影響することが予想される。
【0054】また、実施の第1形態と実施の第2形態と
を比較してみると、内輪近傍温度がかなり高い温度まで
上昇している1000rpmの回転数において、実施の
第1形態では、温度上昇に伴う潤滑剤含有ポリマの軟化
による軸受トルクの上昇傾向が見られるが、実施の第2
形態では、この傾向は特に見られない。これは、実施の
第2形態の潤滑剤含有ポリマを構成している樹脂分の2
/3を占めているポリメチルペンテンの融点が230〜
240℃と高いので、ポリエチレンを含有しても70〜
80℃程度の温度では軟化現象を抑制していることが予
想される。このことから、ポリメチルペンテンをベース
とした潤滑剤含有ポリマを充填することによって、より
温度上昇が見込まれる回転数(dmn)までの使用が可
能であると考えられる。
【0055】次に、上述の実施の第1形態から実施の第
5形態までの各実施の形態および比較例1〜3に対する
耐久試験を実施し、それぞれの耐久性について説明す
る。
【0056】ここで、耐久試験は、前記自動調心ころ軸
受(22311)を用いて実施され、この耐久試験で
は、荷重条件としてFr=2000kgf、Fa=25
0kgfを、回転数として200,300,400,5
00,600,700,800,900,1000,1
100,1200,1300rpmの各回転数を設定
し、軸受を各回転数で200時間連続して回転させ、異
常なく回転した回転数を最高回転数として測定する。
【0057】比較例2は、実施の第3形態と同じ組成の
潤滑剤含有ポリマを用い、一体型の保持器に代えて分離
型の保持器を用いている。また、比較例3は、実施の第
2形態と同じ組成の潤滑剤含有ポリマを用い、一体型の
保持器に代えて分離型の保持器を用いている。
【0058】各実施の形態および比較例1〜3において
は、表1に示すように、実施の第2形態の最高回転数が
1200rpmと最も高い。このことは、上述したよう
に、実施の第2形態の潤滑剤含有ポリマを構成している
樹脂分の2/3を占めているポリメチルペンテンの融点
が230〜240℃と高いので、ポリエチレンを含有し
ても70〜80℃程度の温度では軟化現象を抑制してい
るためと考えられ、実施の第2形態がより高速高荷重条
件下での使用に耐え得ることが示している。
【0059】また、同じような組成の潤滑剤含有ポリマ
を充填した実施の第1形態、第3形態、第4形態、第5
形態の各実施の形態の最高回転数に対し、これらの実施
の形態と同じまたはほぼ同じ組成の潤滑剤含有ポリマを
充填した比較例1および比較例2の最高回転数は低い回
転数を示している。このことは、保持器を一体型に構成
し、ころの内端面と案内輪との間の間隙に潤滑剤含有ポ
リマを充填することによって、高速高荷重条件下での使
用に耐え得る、すなわち高速高荷重の使用条件に対する
信頼性が十分に高い軸受を得られることを示している。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の自
動調心ころ軸受によれば、保持器を一体型に構成したの
で、各列のころの動きが保持器により拘束され、高速高
荷重の使用条件下において各列のころが保持器とともに
各列毎にそれぞれ異なる動きをすることはなく、ころの
各列間に潤滑剤含有ポリマが充填されている場合でも、
この潤滑剤含有ポリマに剪断力が作用することはない。
よって、潤滑剤含有ポリマが各列の中間付近の位置で無
理な応力を受ける恐れはなく、高速高荷重の使用条件に
十分に耐用することが可能である。すなわち、高速高荷
重の使用条件に対する信頼性を高めることができる。
【0062】また、内輪と外輪間の空間における、少な
くとも各列のころの内端面と案内輪との間の間隙および
各列のころの外端面と内輪の脱落防止つばとの間の間隙
に潤滑剤含有ポリマを充填したので、各列のころの内端
面と案内輪との間および各列のころの外端面と内輪の脱
落防止つばとの間における潤滑状態が良く、潤滑剤含有
ポリマを充填していない場合に比して発生トルクが低く
なるとともに、軸受回転に伴う温度上昇が小さい範囲に
抑制される。よって、この過度の温度上昇による潤滑剤
含有ポリマの不具合の発生する可能性を未然に防止する
ことができると共に、潤滑剤含有ポリマからの潤滑剤の
放出速度が小さく抑制することができ、過度の温度上昇
が起る可能性を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動調心ころ軸受の実施の第1形
態の主要部構成を示す断面図である。
【図2】図1の自動調心ころ軸受の平面図である。
【図3】図1の自動調心ころ軸受における潤滑剤含有ポ
リマの充填方法を説明するための図である。
【図4】本発明に係る自動調心ころ軸受の実施の第2形
態に用いられている潤滑剤含有ポリマの充填方法を説明
するための図である。
【図5】各実施の形態(第1形態から第3形態まで)お
よび比較例1における回転数に対する内輪近傍温度の測
定結果を表す図である。
【図6】各実施の形態(第1形態から第3形態まで)お
よび比較例1における回転数に対する軸受トルクの測定
結果を表す図である。
【図7】従来の自動調心ころ軸受の主要部構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 内輪 1a,2a 軌道 1b 脱落防止つば 2 外輪 3 内輪 6 保持器 7 案内輪 8 潤滑剤含有ポリマ 9,10 充填治具 11,12 突起 20 金型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】上記ポリオレフィン系樹脂の群では、基本
構造が同じでその平均分子量が異なっており、その平均
分子量は700〜5×10 6 の範囲に及んでいる。この
群の中から選定された合成樹脂は、平均分子量が700
〜1×10 4 の範囲にあるワックスに分類されるもの
(例えばポリエチレンワックス)と、平均分子量が1×
10 4 〜1×10 6 の範囲にある比較的低分子量のもの
と、平均分子量が1×10 6 〜5×10 6 の範囲にある
超高分子量のものとの内のいずれかから選定した単独物
またはそれらの混合物からなる。比較的低分子量のもの
と潤滑剤との組合わせによって、ある程度の機械的強
度、潤滑剤供給能力、保油性を有する潤滑剤含有ポリマ
が得られる。この組合わせにおいて比較的低分子量のも
のの一部をワックスに分類されるものに置き換えると、
ワックスに分類されるものと潤滑剤との分子量の差が小
さいために、潤滑剤との親和性が高くなり、結果として
潤滑剤含有ポリマの保油性が向上し、長期間に亘る潤滑
剤の供給が可能になるが、その反面機械的強度が低下す
る。ここで、使用可能なワックスに分類されるものとし
ては、ポリエチレンワックスのようなポリオレフィン系
樹脂の他、融点が100〜130℃以上の範囲にある炭
化水素系のもの(例えばパラフィン系合成ワックス)が
ある。これに対し、比較的低分子量のものの一部を超高
分子量のものに置き換えると、超高分子量のものと潤滑
剤との分子量の差が大きいために、潤滑剤との親和性が
低くなり、結果として潤滑剤含有ポリマの保油性が低下
し、潤滑剤含有ポリマからの潤滑剤の放出速度が速くな
る。その結果、潤滑剤含有ポリマから供給可能な潤滑剤
量に到達するまでの期間が短くなり、軸受寿命を長くす
ることができない。但し、機械的強度は向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 反町 守男 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2列の軌道が形成され、各軌道の外端に
    脱落防止つばを有する内輪と、該内輪の各軌道に対向し
    た軌道が形成されている外輪と、前記内輪の各軌道と前
    記外輪の軌道との間に配置されている2列のころと、該
    各列のころを保持する保持器と、該保持器と前記内輪と
    の間に前記各列のころを案内するように配置されている
    案内輪とを備える自動調心ころ軸受において、前記保持
    器を一体型に構成すると共に、前記内輪と外輪間の空間
    における、少なくとも前記各列のころの内端面と前記案
    内輪との間の間隙および前記各列のころの外端面と前記
    内輪の脱落防止つばとの間の間隙に潤滑剤含有ポリマを
    充填したことを特徴とする自動調心ころ軸受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007314729A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Ntn Corp 固形潤滑剤および固形潤滑剤封入転がり軸受
CN102305239A (zh) * 2011-09-14 2012-01-04 瓦房店工业冶金轴承制造有限公司 特大型调心滚子轴承
US10001164B2 (en) 2015-01-08 2018-06-19 Aktiebolaget Skf Double-row spherical roller bearing

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