JPH11301030A - ドット記録方法およびドット記録装置、並びに、そのための記録媒体 - Google Patents

ドット記録方法およびドット記録装置、並びに、そのための記録媒体

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JPH11301030A
JPH11301030A JP3671299A JP3671299A JPH11301030A JP H11301030 A JPH11301030 A JP H11301030A JP 3671299 A JP3671299 A JP 3671299A JP 3671299 A JP3671299 A JP 3671299A JP H11301030 A JPH11301030 A JP H11301030A
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dot
sub
recording
nozzle
dots
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JP3671299A
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English (en)
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Shigeaki Sumiya
繁明 角谷
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融通性のあるドット記録方式を採用すること
のできる技術を提供する。 【解決手段】 使用する複数のノズルを、Neff 個(N
eff は2以上の整数)のノズルをそれぞれ含むM組(M
は2以上の整数)のノズル群に分類する。また、各ラス
タ上の複数のドットも、M種類のドット位置に分類され
る。同じ組のノズル群に含まれるNeff 個のノズルは、
同じ1種類のドット位置を記録し、また、異なる組のノ
ズル群は互いに異なる種類のドット位置を記録する。ノ
ズルの分類方法としては、副走査方向に沿って順次並ぶ
M組のノズル群に区分する方法と、副走査方向に沿って
1ノズルずつ順番にM組のノズル群に割り当てる方法等
がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドット記録ヘッ
ドを用いて記録媒体の表面にドットの記録を行う技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】記録ヘッドが主走査方向と副走査方向に
走査しながら記録を行う記録装置としては、シリアルス
キャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ等があ
る。この種のプリンタ、特にインクジェットプリンタ、
における画質向上のための技術の一つとして、米国特許
第4,198,642号や特開昭53−2040号公報
等に開示されている「インターレース方式」と呼ばれる
技術がある。
【0003】図35は、インターレース方式の一例を示
す説明図である。この明細書では、記録方式を規定する
パラメータとして、以下のものを用いている。
【0004】N:ノズル個数[個], k:ノズルピッチ[ドット], s:スキャン繰り返し数, D:ノズル密度[個/インチ], L:副走査送り量[ドット]または[インチ], w:ドットピッチ[インチ]。
【0005】ノズル個数N[個]は、ドットの形成に使
用されるノズルの個数である。図35の例ではN=3で
ある。ノズルピッチk[ドット]は、記録ヘッドにおけ
るノズルの中心点間隔が、記録画像のピッチ(ドットピ
ッチw)の何個分であるかを示している。図35の例で
は、k=2である。スキャン繰り返し回数s[回]は、
何回の主走査で各主走査ラインをドットで埋めつくす
か、を示す回数である。なお、以下では主走査ラインを
「ラスタ」と呼ぶ。図35の例では、1回の主走査で各
ラスタが埋めつくされているので、s=1である。後述
するように、sが2以上の時には、主走査方向に沿って
間欠的にドットが形成される。ノズル密度D[個/イン
チ]は、記録ヘッドのノズルアレイにおいて、1インチ
当たり何個のノズルが配列されているかを示している。
副走査送り量L[ドット]または[インチ]は、1回の
副走査で移動する距離を示している。ドットピッチw
[インチ]は、記録画像におけるドットのピッチであ
る。なお、一般に、w=1/(D・k)、k=1/(D
・w)が成立する。
【0006】図35において、2桁の数字を含む丸は、
それぞれドットの記録位置を示している。図35左下の
凡例に示されているように、丸の中の2桁の数字の中
で、左側の数字はノズル番号を示しており、右側の数字
は記録順番(何回目の主走査で記録されたか)を示して
いる。
【0007】図35に示すインターレース方式は、記録
ヘッドのノズルアレイの構成と、副走査の方法とに特徴
がある。即ち、インターレース方式では、隣り合うノズ
ルの中心点間隔を示すノズルピッチkは2以上の整数に
設定され、かつ、ノズル個数Nとノズルピッチkとが互
いに素の関係にある整数に選ばれる。また、副走査送り
量Lは、N/(D・k)で与えられる一定の値に設定さ
れる。
【0008】このインターレース方式には、ノズルのピ
ッチやインク吐出特性等のばらつきを、記録画像上で分
散させることができるという利点がある。従って、ノズ
ルのピッチや吐出特性にばらつきがあっても、これらの
影響を緩和して画質を向上させることができるという効
果を奏する。
【0009】カラーインクジェットプリンタにおける画
質改善を目指した別の技術として、特開平3−2076
65号公報や特公平4−19030号公報等に開示され
た「オーバーラップ方式」又は「マルチスキャン方式」
と呼ばれる技術がある。
【0010】図36は、オーバーラップ方式の一例を示
す説明図である。このオーバーラップ方式では、8個の
ノズルを2組のノズル群に分類している。1組目のノズ
ル群は、ノズル番号(丸の中の左側の数字)が偶数であ
る4個のノズルで構成されており、2組目のノズル群
は、ノズル番号が奇数である4個のノズルで構成されて
いる。1回の主走査では、各組のノズル群をそれぞれ間
欠的タイミングで駆動することにより、主走査方向に
(s−1)ドットおきにドットを形成する。図36の例
では、s=2なので、1ドットおきにドットが形成され
る。また、各組のノズル群は、主走査方向にそれぞれ異
なる位置にドット形成するように、それぞれの駆動タイ
ミングが制御されている。すなわち、図36に示すよう
に、第1のノズル群のノズル(ノズル番号8,6,4,
2)と、第2のノズル群のノズル(ノズル番号7,5,
3,1)とは、記録位置が主走査方向に1ドットピッチ
分だけずれている。そして、このような主走査を複数回
行い、その都度各ノズル群の駆動タイミングをずらすこ
とにより、ラスタ上の全ドットの形成を完成させる。
【0011】オーバーラップ方式においても、インター
レース方式と同様に、ノズルピッチkは2以上の整数に
設定される。ただし、ノズル個数Nとノズルピッチkと
は互いに素の関係には無く、この代わりに、ノズル個数
Nをスキャン繰り返し数sで割った値N/sと、ノズル
ピッチkとが互いに素の関係にある整数に選ばれる。ま
た、副走査送り量Lは、N/(s・D・k)で与えられ
る一定の値に設定される。
【0012】このオーバーラップ方式では、各ラスタ上
のドットが同一のノズルで記録されず、複数のノズルを
用いて記録される。従って、ノズルの特性(ピッチや吐
出特性等)にばらつきがある場合にも、特定のノズルの
特性の影響が1つのラスタの全体に及ぶことを防止で
き、この結果、画質を向上させることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のドット記録方式では、ノズル個数Nやノズルピッチk
にかなり厳格な制約があり、融通性に乏しいという問題
があった。
【0014】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、融通性のあるド
ット記録方式を採用することのできる技術を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装
置は、ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表面にドッ
トの記録を行うドット記録装置において、前記ドット記
録ヘッドの前記記録媒体に対面する箇所に設けられた複
数のドット形成要素を有するドット形成要素アレイと、
前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方
を駆動して主走査を行う主走査駆動手段と、前記主走査
の最中に前記複数のドット形成要素のうちの少なくとも
一部を駆動してドットの形成を行わせるヘッド駆動手段
と、前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前
記記録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副
走査駆動手段と、前記の各手段を制御するための制御手
段と、を備え、前記複数のドット形成要素は、副走査方
向に沿ってほぼ一直線上に並ぶ同一色の複数個のドット
を形成し得るものであり、前記複数のドット形成要素
は、Neff 個(Neff は2以上の整数)のドット形成要
素をそれぞれ含むM組(Mは2以上の整数)の要素群に
分類されており、主走査方向に沿った各ラスタ上の複数
のドットは、M種類のドット位置に分類されており、前
記制御手段は、各組の要素群に含まれるNeff 個のドッ
ト形成要素が前記M種類のうちの同じ1種類のドット位
置を記録し、かつ、前記M組の要素群が各要素群毎に互
いに異なる種類のドット位置を記録することによって、
前記記録媒体の有効記録範囲に含まれるすべてのドット
位置を記録し得るように前記ヘッド駆動手段および前記
副走査駆動手段を制御することを特徴とする。
【0016】複数のドット形成要素をM種類に分類し、
かつ、各ラスタ上のドット位置をM種類に分類するよう
な組合せは、かなり多数のものが考えられる。従って、
画質や記録速度などの種々の観点から好ましいドット記
録方式を選択できるので、融通性のあるドット記録方式
を実現することができる。
【0017】なお、ドット記録ヘッドに実装されている
すべてのドット形成要素を使用する必要は無く、そのう
ちの一部のみを実際の記録に使用してもよい。上記の
「複数のドット形成要素」とは、実際に使用されるもの
を意味している。
【0018】上記装置において、各組の要素群に含まれ
るNeff 個のドット形成要素は、一定のピッチで配列さ
れているとともに、前記M組の要素群における前記ピッ
チが互いに等しい値に設定されているようにすることが
好ましい。
【0019】こうすれば、共通の副走査送りによって、
M組の要素群のそれぞれが、有効記録範囲内のすべての
ラスタを記録し得るような副走査送りを実現することが
できる。従って、無駄の無い走査を行うことができると
いう効果がある。
【0020】前記複数のドット形成要素は、副走査方向
に沿って順次並ぶM組の要素群に区分されているように
してもよい。
【0021】こうすれば、各組のドット形成要素のピッ
チを、実現可能な最小値に設定できるので、副走査送り
の累積誤差を小さくすることができる。
【0022】あるいは、前記複数のドット形成要素は、
副走査方向に沿って1要素ずつ順番にM組の要素群に割
り当てられていくように分類されているようにしてもよ
い。
【0023】こうすれば、各組のドット形成要素のピッ
チを、実現可能な最小値よりも大きな値に設定できるの
で、有効記録範囲内のすべてのラスタを記録し得るよう
な副走査送りを実現するようなパラメータを選択する自
由度が大きくなる可能性がある。この結果、より融通性
のあるドット記録方式を実現できる可能性が高い。
【0024】前記制御手段は、前記M組の要素群への前
記複数のドット形成要素の分類を切り換えるための切換
手段を備えるようにしてもよい。
【0025】こうすれば、同じドット形成要素アレイを
用いて、複数種類のドット形成要素の分類を実現できる
ので、より融通性のあるドット記録方式を実現できる。
【0026】本発明の方法は、複数のドット形成要素を
有するドット記録ヘッドを用いて、前記副走査方向とほ
ぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ記録媒体の表面
にドットの記録を行う方法において、(a)前記ドット
記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して
主走査を行う工程と、(b)前記主走査の最中に前記複
数のドット形成要素のうちの少なくとも一部を駆動して
ドットの形成を行わせる工程と、(c)前記主走査が終
わる度に前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なく
とも一方を駆動して副走査を行う工程と、を備え、前記
複数のドット形成要素は、副走査方向に沿ってほぼ一直
線上に並ぶ同一色の複数個のドットを形成し得るもので
あり、前記複数のドット形成要素は、Neff 個(Neff
は2以上の整数)のドット形成要素をそれぞれ含むM組
(Mは2以上の整数)の要素群に分類されており、主走
査方向に沿った各ラスタ上の複数のドットは、M種類の
ドット位置に分類されており、前記工程(a)、
(b)、および、(c)は、各組の要素群に含まれるN
eff 個のドット形成要素が前記M種類のうちの同じ1種
類のドット位置を記録し、かつ、前記M組の要素群が各
要素群毎に互いに異なる種類のドット位置を記録するこ
とによって、前記記録媒体の有効記録範囲に含まれるす
べてのドット位置を記録し得るように実行されることを
特徴とする。
【0027】この方法においても、上記装置と同様に、
融通性のあるドット記録方式を実現することができる。
【0028】本発明による記録媒体は、複数のドット形
成要素を有するドット記録ヘッドとコンピュータとを備
えたドット記録装置に用いられ、前記ドット記録ヘッド
を用いて記録媒体の表面にドットの記録を行うためのコ
ンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り
可能な記録媒体であって、前記コンピュータプログラム
は、前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも
一方を駆動して主走査を行う主走査駆動手段と、前記主
走査の最中に前記複数のドット形成要素のうちの少なく
とも一部を駆動してドットの形成を行わせるヘッド駆動
手段と、前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッド
と前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行
う副走査駆動手段と、前記の各機能を制御するための制
御手段と、の各機能をコンピュータに実現させるための
プログラムであり、前記複数のドット形成要素は、副走
査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶ同一色の複数個のド
ットを形成し得るものであり、前記複数のドット形成要
素は、Neff 個(Neff は2以上の整数)のドット形成
要素をそれぞれ含むM組(Mは2以上の整数)の要素群
に分類されており、主走査方向に沿った各ラスタ上の複
数のドットは、M種類のドット位置に分類されており、
前記制御手段は、各組の要素群に含まれるNeff 個のド
ット形成要素が前記M種類のうちの同じ1種類のドット
位置を記録し、かつ、前記M組の要素群が各要素群毎に
互いに異なる種類のドット位置を記録することによっ
て、前記記録媒体の有効記録範囲に含まれるすべてのド
ット位置を記録し得るように前記主走査駆動手段と前記
ヘッド駆動手段と前記副走査駆動手段とを制御するもの
である。
【0029】この記録媒体に記録されたコンピュータを
コンピュータに実行させることによって、上記装置や方
法と同様に、融通性のあるドット記録方式を実現するこ
とができる。
【0030】なお、記録媒体としては、フレキシブルデ
ィスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、
ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの
符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置
(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等
の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用でき
る。
【0031】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、コンピュータに上記の発
明の各工程または各手段の機能を実現させるコンピュー
タプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供
給装置としての態様である。こうした態様では、プログ
ラムをネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を
介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロー
ドし、これを実行することで、上記のドット記録装置や
ドット記録方法を実現することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】A.装置の構成:図1は、本発明
の実施例としてのカラー画像処理システムの構成を示す
ブロック図である。このカラー画像処理システムは、ス
キャナ12と、パーソナルコンピュータ90と、カラー
プリンタ22とを有している。パーソナルコンピュータ
90は、カラーディスプレイ21を備えている。スキャ
ナ12は、カラー原稿からカラー画像データを読み取
り、R,G,Bの3色の色成分からなる原カラー画像デ
ータORGをコンピュータ90に供給する。
【0033】コンピュータ90の内部には、図示しない
CPU,RAM,ROM等が備えられており、所定のオ
ペレーティングシステムの下で、アプリケーションプロ
グラム95が動作している。オペレーティングシステム
には、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組
み込まれており、アプリケーションプログラム95から
はこれらのドライバを介して、最終カラー画像データF
NLが出力されることになる。画像のレタッチなどを行
なうアプリケーションプログラム95は、スキャナから
画像を読み込み、これに対して所定の処理を行ないつつ
ビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ93に
画像を表示している。このアプリケーションプログラム
95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90のプ
リンタドライバ96が、画像情報をアプリケーションプ
ログラム95から受け取り、これをプリンタ22が印字
可能な信号(ここではCMYKの各色についての2値化
された信号)に変換している。図1に示した例では、プ
リンタドライバ96の内部には、アプリケーションプロ
グラム95が扱っているカラー画像データをドット単位
の画像データに変換するラスタライザ97と、ドット単
位の画像データに対してプリンタ22が使用するインク
色CMYおよび発色の特性に応じた色補正を行なう色補
正モジュール98と、色補正モジュール98が参照する
色補正テーブルCTと、色補正された後の画像情報から
ドット単位でのインクの有無によってある面積での濃度
を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成する
ハーフトーンモジュール99と、後述するモード指定情
報をカラープリンタ22内のメモリに書き込むためのモ
ード指定情報書込モジュール110とが備えられてい
る。
【0034】図2は、プリンタ22の概略構成図であ
る。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモー
タ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモ
ータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方
向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された
印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形
成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23,キャ
リッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル3
2との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成さ
れている。
【0035】このプリンタ22のキャリッジ31には、
黒インク用のカートリッジ71とシアン,マゼンタ,イ
エロの3色のインクを収納したカラーインク用カートリ
ッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の印
字ヘッド28には計4個のインク吐出用ヘッド61ない
し64が形成されており、キャリッジ31の底部には、
この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導
入管65(図3参照)が立設されている。キャリッジ3
1に黒インク用のカートリッジ71およびカラーインク
用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリ
ッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各インク
カートリッジから吐出用ヘッド61ないし64へのイン
クの供給が可能となる。
【0036】インクが吐出される機構を簡単に説明す
る。図3に示すように、インク用カートリッジ71,7
2がキャリッジ31に装着されると、毛細管現象を利用
してインク用カートリッジ内のインクが導入管65を介
して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字
ヘッド28の各色ヘッド61ないし64に導かれる。な
お、初めてインクカートリッジが装着されたときには、
専用のポンプによりインクを各色のヘッド61ないし6
4に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引の
ためのポンプ、吸引時に印字ヘッド28を覆うキャップ
等の構成については図示および説明を省略する。
【0037】各色のヘッド61ないし64には、図3に
示したように、各色毎に32個のノズルnが設けられて
おり、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優
れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PE
とノズルnとの構造を詳細に示したのが、図4である。
図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルnまでイン
クを導くインク通路68に接する位置に設置されてい
る。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加によ
り結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの
変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子P
Eの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加
することにより、図4下段に示すように、ピエゾ素子P
Eが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側
壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積は、
ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相
当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルnの先端か
ら高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン2
6に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行
なわれることになる。
【0038】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26そ
の他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッ
ジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時
に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし64のピエゾ
素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙
P上に多色の画像を形成する。各色のヘッド61〜64
におけるノズルの具体的な配列に関してはさらに後述す
る。
【0039】用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ2
3の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬
送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省
略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プ
ラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動
可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24と
の間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、
キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ3
9等から構成されている。
【0040】制御回路40の内部には、図示しないCP
Uやメインメモリ(ROMやRAMU)のほかに、書き
換え可能な不揮発性メモリとしてのプログラマブルRO
M(PROM)42が備えられている。PROM42に
は、複数のドット記録モードのパラメータを含むドット
記録モード情報が格納されている。ここで、「ドット記
録モード」とは、各ノズルアレイにおいて実際に使用す
るノズル個数Nや、使用ノズルのM組のノズル群への分
類方法、各ラスタ上のドット位置の分類方法、副走査送
り量L等で規定されるドットの記録方式を意味してい
る。この明細書では、「記録方式」と「記録モード」は
ほぼ同じ意味で用いられている。具体的なドット記録モ
ードの例や、それらのパラメータについては後述する。
PROM42には、さらに、複数のドット記録モードの
中から好ましいモードを指定するためのモード指定情報
も格納されている。例えば、PROM42に16種類の
ドット記録モード情報を格納可能な場合には、モード指
定情報は4ビットのデータで構成されている。
【0041】ドット記録モード情報は、コンピュータ9
0の起動時にプリンタドライバ96(図1)がインスト
ールされる際に、プリンタドライバ96によってPRO
M42から読み出される。すなわち、プリンタドライバ
96は、モード指定情報で指定された好ましいドット記
録モードに対するドット記録モード情報をPROM42
から読み込む。ラスタライザ97とハーフトーンモジュ
ール99における処理や、主走査および副走査の動作
は、このドット記録モード情報に応じて実行される。
【0042】なお、PROM42は、書き換え可能な不
揮発性メモリであればよく、EEPROMやフラッシュ
メモリなどの種々の不揮発性メモリを使用することがで
きる。また、モード指定情報は書き換え可能な不揮発性
メモリに格納することが好ましいが、ドット記録モード
情報は、書き換えができないROMに格納するようにし
てもよい。また、複数のドット記録モード情報は、PR
OM42ではなく、他の記憶手段に格納されていてもよ
く、また、プリンタドライバ96内に登録されていても
よい。
【0043】図5は、インク吐出用ヘッド61〜64に
おけるインクジェットノズルの配列を示す説明図であ
る。第1のヘッド61には、ブラックインクを噴射する
ノズルアレイが設けられている。また、第2ないし第4
のヘッド62〜64にも、シアン、マゼンタ及びイエロ
ーのインクをそれぞれ噴射するノズルアレイが設けられ
ている。これらの4組のノズルアレイの副走査方向の位
置は、互いに一致している。
【0044】4組のノズルアレイは、副走査方向に沿っ
て一定のノズルピッチkで千鳥状に配列された32個の
ノズルnをそれぞれ備えている。なお、各ノズルアレイ
に含まれる32個のノズルnは、千鳥状に配列されてい
る必要はなく、一直線上に配置されていてもよい。但
し、図5(A)に示すように千鳥状に配列すれば、製造
上、ノズルピッチkを小さく設定し易いという利点があ
る。
【0045】図5(B)は、1つのノズルアレイによっ
て形成される複数のドットの配列を示している。この実
施例では、インクノズルの配列が千鳥状か直線状かに関
わらず、1つのノズルアレイによって形成される複数の
ドットは、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶよう
に、各ノズルのピエゾ素子PE(図4)に駆動信号が供
給される。例えば、図5(A)のようにノズルアレイが
千鳥状に配列されている場合において、図の右方向にヘ
ッド61が走査されてドットを形成していく場合を考え
る。この時、先行するノズル群100,102…は、後
追するノズル群101,103…よりも、d/v[秒]
だけ早いタイミングで駆動信号が与えられる。ここで、
d[インチ]は、ヘッド61における2つのノズル群の
間のピッチ(図5(A)参照)であり、v[インチ/
秒]はヘッド61の走査速度である。この結果、1つの
ノズルアレイによって形成される複数のドットは、副走
査方向に沿って一直線上に配列される。なお、後述する
ように、各ヘッド61〜64に設けられている32個の
ノズルは、常に全数が使用されるとは限らず、ドット記
録方式によっては、その一部のノズルのみが使用される
場合もある。
【0046】なお、図5に示す各インク吐出用ヘッド内
のノズルアレイは、本発明におけるドット形成要素アレ
イに相当する。また、図2に示すキャリッジモータ24
を含むキャリッジ31の送り機構は、本発明における主
走査駆動手段に相当し、紙送りモータ23を含む用紙の
送り機構は本発明における副走査駆動手段に相当する。
さらに、各ノズルのピエゾ素子PEを含む回路は、本発
明におけるヘッド駆動手段に相当する。また、制御回路
40とプリンタドライバ96(図1)とは、本発明にお
ける制御手段に相当する。
【0047】B.一般的なドット記録方式の基本的条
件:本発明の実施例におけるドット記録方式を説明する
前に、以下ではまず、一般的なドット記録方式に要求さ
れる基本的な条件について説明する。
【0048】図6は、スキャン繰り返し数sが1のとき
の一般的なドット記録方式の基本的条件を示すための説
明図である。図6(A)は、4個のノズルを用いた場合
の副走査送りの一例を示しており、図6(B)はそのド
ット記録方式のパラメータを示している。図6(A)に
おいて、数字を含む実線の丸は、各副走査送り後の4個
のノズルの副走査方向の位置を示している。丸の中の数
字0〜3は、ノズル番号を意味している。4個のノズル
の位置は、1回の主走査が終了する度に副走査方向に送
られる。但し、実際には、副走査方向の送りは紙送りモ
ータ23(図2)によって用紙を移動させることによっ
て実現されている。
【0049】図6(A)の左端に示すように、この例で
は副走査送り量Lは4ドットの一定値である。従って、
副走査送りが行われる度に、4個のノズルの位置が4ド
ットずつ副走査方向にずれてゆく。スキャン繰り返し数
sが1の場合には、各ノズルは、それぞれのラスタ上の
すべてのドット(「画素」とも呼ぶ)を記録可能であ
る。図6(A)の右端には、各ラスタ上のドットを記録
するノズルの番号が示されている。なお、ノズルの副走
査方向位置を示す丸印から右方向(主走査方向)に伸び
る破線で描かれたラスタでは、その上下のラスタの少な
くとも一方が記録できないので、実際にはドットの記録
が禁止される。一方、主走査方向に伸びる実線で描かれ
たラスタは、その前後のラスタがともにドットで記録さ
れ得る範囲である。このように実際に記録を行える範囲
を、以下では有効記録範囲(有効印刷範囲)と呼ぶ。ま
た、ノズルは走査されるがドットの記録は行えない範囲
を非有効記録範囲(非有効印刷範囲)と呼ぶ。さらに、
ノズルが走査される全範囲(有効記録範囲と非有効記録
範囲を含む)をノズル走査範囲と呼ぶ。
【0050】図6(B)には、このドット記録方式に関
する種々のパラメータが示されている。ドット記録方式
のパラメータには、ノズルピッチk[ドット]と、使用
ノズル個数N[個]と、スキャン繰り返し数sと、実効
ノズル個数Neff [個]と、副走査送り量L[ドット]
とが含まれている。
【0051】図6の例では、ノズルピッチkは3ドット
である。使用ノズル個数Nは4個である。なお、使用ノ
ズル個数Nは、実装されている複数個のノズルの中で実
際に使用されるノズルの個数である。スキャン繰り返し
数sは、一回の主走査において(s−1)ドットおきに
間欠的にドットを形成することを意味している。従っ
て、スキャン繰り返し数sは、各ラスタ上のすべてのド
ットを記録するために使用されるノズルの数にも等し
い。図6の場合には、スキャン繰り返し数sは1であ
る。実効ノズル個数Neff は、使用ノズル個数Nをスキ
ャン繰り返し数sで割った値である。この実効ノズル個
数Neff は、一回の主走査で記録され得るラスタの正味
の本数を示しているものと考えることができる。実効ノ
ズル数Neff の意味についてはさらに後述する。
【0052】図6(B)の表には、各副走査送り毎に、
副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後
のノズルのオフセットFとが示されている。ここで、オ
フセットFとは、副走査送りが行われていない最初のノ
ズルの周期的な位置(図6では4ドットおきの位置)を
オフセット0の基準位置と仮定した時に、副走査送り後
のノズルの位置が基準位置から副走査方向に何ドット離
れているかを示す値である。例えば、図6(A)に示す
ように、1回目の副走査送りによって、ノズルの位置は
副走査送り量L(4ドット)だけ副走査方向に移動す
る。一方、ノズルピッチkは3ドットである。従って、
1回目の副走査送り後のノズルのオフセットFは1であ
る(図6(A)参照)。同様にして、2回目の副走査送
り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=8ドット移
動しており、そのオフセットFは2である。3回目の副
走査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=12
ドット移動しており、そのオフセットFは0である。3
回の副走査送りによってノズルのオフセットFは0に戻
るので、3回の副走査を1サイクルとして、このサイク
ルを繰り返すことによって、有効記録範囲のラスタ上の
すべてのドットを記録することができる。
【0053】上記の例からも解るように、ノズルの位置
が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置
にある時には、オフセットFはゼロである。また、オフ
セットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッ
チkで割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、
「%」は、除算の余りをとることを示す演算子である。
なお、ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれば、オ
フセットFは、ノズルの初期位置からの位相のずれ量を
示しているものと考えることもできる。
【0054】スキャン繰り返し数sが1の場合には、有
効記録範囲においてラスタの抜けや重複が無いようにす
るためには、以下のような条件を満たすことが必要であ
る。
【0055】条件c1:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkに等しい。
【0056】条件c2:1サイクル中の各回の副走査送
り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範囲
のそれぞれ異なる値となる。
【0057】条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/
k)は、使用ノズル数Nに等しい。換言すれば、1サイ
クル当たりの副走査送り量Lの累計値ΣLは、使用ノズ
ル数Nとノズルピッチkとを乗算した値(N×k)に等
しい。
【0058】上記の各条件は、次のように考えることに
よって理解できる。隣接するノズルの間には(k−1)
本のラスタが存在するので、1サイクルでこれら(k−
1)本のラスタ上で記録を行ってノズルの基準位置(オ
フセットFがゼロの位置)に戻るためには、1サイクル
の副走査送りの回数はk回となる。1サイクルの副走査
送りがk回未満であれば、記録されるラスタに抜けが生
じ、一方、1サイクルの副走査送りがk回より多けれ
ば、記録されるラスタに重複が生じる。従って、上記の
第1の条件c1が成立する。
【0059】1サイクルの副走査送りがk回の時には、
各回の副走査送りの後のオフセットFの値が0〜(k−
1)の範囲の互いに異なる値の時にのみ、記録されるラ
スタに抜けや重複が無くなる。従って、上記の第2の条
件c2が成立する。
【0060】上記の第1と第2の条件を満足すれば、1
サイクルの間に、N個の各ノズルがそれぞれk本のラス
タの記録を行うことになる。従って、1サイクルではN
×k本のラスタの記録が行われる。一方、上記の第3の
条件c3を満足すれば、図6(A)に示すように、1サ
イクル後(k回の副走査送り後)のノズルの位置が、初
期のノズル位置からN×kラスタ離れた位置に来る。従
って、上記第1ないし第3の条件c1〜c3を満足する
ことによって、これらのN×k本のラスタの範囲におい
て、記録されるラスタに抜けや重複を無くすることがで
きる。
【0061】図7は、スキャン繰り返し数sが2以上の
場合の一般的なドット記録方式の基本的条件を示すため
の説明図である。スキャン繰り返し数sが2以上の場合
には、同一のラスタがs本の異なるノズルで記録され
る。以下では、スキャン繰り返し数sが2以上のドット
記録方式を「オーバーラップ方式」と呼ぶ。
【0062】図7に示すドット記録方式は、図6(B)
に示すドット記録方式のパラメータの中で、スキャン繰
り返し数sと副走査送り量Lとを変更したものである。
図7(A)からも解るように、図7のドット記録方式に
おける副走査送り量Lは2ドットの一定値である。但
し、図7(A)においては、奇数回目の副走査送りの後
のノズルの位置を、菱形で示している。図7(A)の右
端に示すように、奇数回目の副走査送りの後に記録され
るドット位置は、偶数回目の副走査送りの後に記録され
るドット位置と、主走査方向に1ドット分だけずれてい
る。従って、同一のラスタ上の複数のドットは、異なる
2つのノズルによってそれぞれ間欠的に記録されること
になる。例えば、有効記録範囲内の最上端のラスタは、
1回目の副走査送り後に2番のノズルで1ドットおきに
間欠的に記録された後に、4回目の副走査送り後に0番
のノズルで1ドットおきに間欠的に記録される。一般
に、オーバーラップ方式では、各ノズルは、1回の主走
査中に1ドット記録した後に(s−1)ドット記録を禁
止するように、間欠的なタイミングでノズルが駆動され
る。
【0063】なお、オーバーラップ方式では、同一ラス
タを記録する複数のノズルの主走査方向の位置が互いに
ずれていればよいので、各主走査時における実際の主走
査方向のずらし量は、図7(A)に示すもの以外にも種
々のものが考えられる。例えば、1回目の副走査送りの
後には主走査方向のずらしを行わずに丸で示す位置のド
ットを記録し、4回目の副走査送りの後に主走査方向の
ずらしを行なって菱形で示す位置のドットを記録するよ
うにすることも可能である。
【0064】図7(B)の表の最下段には、1サイクル
中の各回の副走査後のオフセットFの値が示されてい
る。1サイクルは6回の副走査送りを含んでおり、1回
目から6回目までの各回の副走査送りの後のオフセット
Fは、0〜2の範囲の値を2回ずつ含んでいる。また、
1回目から3回目までの3回の副走査送りの後のオフセ
ットFの変化は、4回目から6回目までの3回の副走査
送りの後のオフセットFの変化と等しい。図7(A)の
左端に示すように、1サイクルの6回の副走査送りは、
3回ずつの2組の小サイクルに区分することができる。
このとき、副走査送りの1サイクルは、小サイクルをs
回繰り返すことによって完了する。
【0065】一般に、スキャン繰り返し数sが2以上の
整数の場合には、上述した第1ないし第3の条件c1〜
c3は、以下の条件c1’〜c3’のように書き換えら
れる。
【0066】条件c1’:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkとスキャン繰り返し数sとを乗じた
値(k×s)に等しい。
【0067】条件c2’:1サイクル中の各回の副走査
送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範
囲の値であって、それぞれの値がs回ずつ繰り返され
る。
【0068】条件c3’:副走査の平均送り量{ΣL/
(k×s)}は、実効ノズル数Neff (=N/s)に等
しい。換言すれば、1サイクル当たりの副走査送り量L
の累計値ΣLは、実効ノズル数Neff と副走査送り回数
(k×s)とを乗算した値{Neff ×(k×s)}に等
しい。
【0069】上記の条件c1’〜c3’は、スキャン繰
り返し数sが1の場合にも成立する。従って、条件c
1’〜c3’は、スキャン繰り返し数sの値に係わら
ず、ドット記録方式に関して一般的に成立する条件であ
る。すなわち、上記の3つの条件c1’〜c3’を満足
すれば、有効記録範囲において、記録されるドットに抜
けや重複が無いようにすることができる。但し、オーバ
ーラップ方式(スキャン繰り返し数sが2以上の場合)
を採用する場合には、同じラスタを記録するノズルの記
録位置を互いに主走査方向にずらすという条件も必要で
ある。
【0070】なお、記録方式によっては、部分的なオー
バーラップが行われる場合もある。「部分的なオーバー
ラップ」とは、1つのノズルで記録されるラスタと、複
数のノズルで記録されるラスタとが混在しているような
記録方式のことを言う。このような部分的なオーバーラ
ップを用いた記録方式においても、実効ノズル数Neff
を定義することができる。例えば、4個のノズルのうち
で、2個のノズルが協力して同一のラスタを記録し、残
りの2個のノズルはそれぞれ1本のラスタを記録するよ
うな部分的なオーバーラップ方式では、実効ノズル数N
eff は3個である。このような部分的なオーバーラップ
方式の場合にも、上述した3つの条件c1’〜c3’が
成立する。
【0071】なお、実効ノズル数Neff は、一回の主走
査で記録され得るラスタの正味の本数を示しているもの
と考えることもできる。例えば、スキャン繰り返し数s
が2の場合には、2回の主走査で使用ノズル数Nと等し
い本数のラスタを記録することができるので、一回の主
走査で記録することができるラスタの正味の本数は、N
/s(すなわちNeff )に等しい。
【0072】C.ドット記録方式の実施例:図8は、本
発明の第1実施例のドット記録方式を示す説明図であ
る。このドット記録方式の走査パラメータは、図8の左
下に示す通りであり、ノズルピッチkが4ドット、使用
ノズル個数Nが10、ノズル群数Mが2、実効ノズル個
数Neff が5である。ノズル群数Mは、使用ノズルの分
類の数を示すための新たなパラメータである。各ラスタ
上の画素は、ノズル群数Mと同じ値のM回の走査で記録
されるので、ノズル群数Mは、スキャン繰り返し数sと
等しい値になる。
【0073】図8における記録開始ラスタ番号は32で
ある。記録開始ラスタ番号は、非有効記録範囲の最初の
ラスタのラスタ番号を「0」と仮定したときの、有効記
録範囲のラスタ番号を示す。従って、第1実施例のドッ
ト記録方式では、非有効記録範囲が32本のラスタを含
み、有効記録範囲は33番目のラスタから開始されてい
る。
【0074】図8に示す第1実施例おいては、10個の
使用ノズルに対して上から順に@0〜@4,$5〜$9
のノズル番号が割り当てられている。番号の数字の前に
符号「@」が付されているノズルは、各ラスタ上の画素
アドレスが偶数である画素を記録し、番号の数字の前に
符号「$」が付されているノズルは各ラスタ上の画素ア
ドレスが奇数である画素を記録する。以下では、画素ア
ドレスが偶数である画素を「偶数画素」と呼び、画素ア
ドレスが奇数である画素を「奇数画素」と呼ぶ。すなわ
ち、第1実施例のドット記録方式では、10個の使用ノ
ズルが副走査方向に順次並ぶ2組のノズル群に区分され
ている。
【0075】この第1実施例のドット記録方式は、4回
の副走査送りで1サイクルが構成されており、副走査送
り量Lは5,5,5,5ドットである。第1実施例のド
ット記録方式はスキャン繰り返し数s(ノズル群数Mに
等しい)が2であるが、スキャン繰り返し数sの意味が
図7に示すオーバーラップ方式とは多少異なる。すなわ
ち、図8に示す第1実施例では、第1組の5個のノズル
と第2組の5個のノズルが、スキャン繰り返し数s=1
の場合の3つの条件c1〜c3をそれぞれ満たすよう
に、副走査送りが行われている。従って、1サイクルの
副走査送りの回数は、上記条件c1から、4回(ノズル
ピッチkに等しい回数)となる。このように、本発明の
各実施例ではスキャン繰り返し数sが通常のオーバーラ
ップ方式とは多少異なる意味にも解釈できるので、スキ
ャン繰り返し数sの代わりにノズル群数Mを走査パラメ
ータとして使用する。なお、副走査送りの考え方につい
てはさらに後述する。
【0076】上述したように、第1実施例における有効
記録範囲は、ノズル走査範囲の上端から33番目のラス
タから開始される。ところで、1回目の主走査時のノズ
ル位置は、印刷用紙の上端から一定の距離に設定され
る。従って、有効記録範囲の開始位置が早いほど、印刷
用紙の上端により近い位置からドットの記録を開始でき
る。
【0077】図9は、第1実施例のドット記録方式にお
ける走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ
番号とを示す説明図である。図9(A)の第1の表に
は、各ノズルによって記録される画素位置の種類が示さ
れている。画素位置「even」は偶数画素を意味してお
り、画素位置「 odd」は奇数画素を示している。図9
(A)の第2の表には、各副走査送り毎に、副走査送り
量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後のノズルの
オフセットFとが示されている。
【0078】第1組のノズル群@0〜@4と第2組のノ
ズル群$5〜$9は、それぞれ5個のノズルを含んでお
り、各組の中でのノズル間のピッチ(「実効ノズルピッ
チkeff 」と呼ぶ)は4ドットである。オフセットFの
値は、副走査送り量Lの累算値ΣLを実効ノズルピッチ
keff で割った余りで与えられる。このように、第1組
と第2組に含まれるノズルの数はそれぞれ実効ノズル数
Neff (=5)に等しく、また、各組の実効ノズルピッ
チも4ドットにそれぞれ等しい。換言すれば、2組のノ
ズル群は、同じ実効ノズルピッチkeff で規則的に配列
されたNeff 個のノズルをそれぞれ含んでいる。
【0079】第1組と第2組のノズル群は、異なる画素
位置をそれぞれ記録するので、各組のノズル群が有効記
録範囲のすべてのラスタを記録するように副走査送りが
行われる。このように、使用される複数のノズルが複数
組のノズル群に分類されており、かつ、各組のノズル群
がそれぞれ有効記録範囲のすべてのラスタを記録するよ
うな場合には、各組のノズル群が以下の条件c1”〜c
3”を満足するように副走査送りが決定される。
【0080】条件c1”:1サイクルの副走査送り回数
は、実効ノズルピッチkeff に等しい。
【0081】条件c2”:1サイクル中の各回の副走査
送り後のノズルのオフセット{ΣL)%keff }は、0
〜(keff −1)の範囲の値である。
【0082】条件c3”:副走査の平均送り量(ΣL/
keff )は、実効ノズル数Neff に等しい。換言すれ
ば、1サイクル当たりの副走査送り量Lの累計値ΣL
は、実効ノズル数Neff と副走査送り回数keff とを乗
算した値(Neff ×keff )に等しい。
【0083】これらの条件c1”〜c3”は、上述した
最初の3つの条件c1〜c3と実質的に同じである。従
って、各組のノズル群が、上述した最初の3つの条件c
1〜c3をそれぞれ満たしていると考えることもでき
る。
【0084】図9(A)に示すパラメータは、上述した
3つの条件c1”〜c3”を満たしている。すなわち、
1サイクルの副走査送り回数は、実効ノズルピッチkef
f (=4)に等しい(第1の条件c1”)。また、1サ
イクル中の各回の副走査送り後のノズルのオフセットF
は、0〜(keff −1)(すなわち0〜3)の範囲の値
である(第2の条件c2”)。副走査送りの平均送り量
(ΣL/keff )は、実効ノズル数Neff (=5)に等
しい(第3の条件c3”)。従って、第1実施例のドッ
ト記録方式は、有効記録範囲において、記録されるラス
タの抜けや重複が無い、という基本的な要求を満足して
いる。なお、後述する他の実施例の走査パラメータも、
これらの3つの条件c1”〜C3”を満足するように決
定されている。
【0085】第1実施例のドット記録方式は、第1組の
ノズル群@0〜@4が各ラスタ上の偶数画素を常に記録
し、第2組のノズル群$0〜$4は各ラスタ上の奇数画
素を常に記録するという第1の特徴を有する。図7に示
すようなオーバーラップ方式では、各ノズルが、或る主
走査では偶数画素を記録し、他の主走査では奇数画素を
記録していた。これに対して、第1実施例のドット記録
方式では、各ノズルが、各ラスタ上の所定の位置(偶数
位置または奇数位置)の画素を常に記録するように予め
決められているという点で、通常のオーバーラップ方式
とは大きな違いがある。また、第1実施例のドット記録
方式では、使用される10個のノズルが、副走査方向に
沿って順次並ぶ複数組のノズル群に区分されている、と
いう第2の特徴も有している。これらの特徴による利点
については後述する。
【0086】図9(B)は、第1実施例のドット記録方
式において、各副走査送り後の主走査時に各ノズルで記
録される有効ラスタ番号を示している。図9(B)の左
端には、ノズル番号@0〜@4,$5〜$9が示されて
おり、その右側には、0回目から15回目の副走査送り
の後に、これらのノズルが有効記録範囲の何番目のラス
タを記録するかが数字で示されている。例えば、0回の
副走査送り後の主走査(すなわち最初の主走査)では、
ノズル$8,$9が、それぞれ0番目および4番目の有
効ラスタ上の奇数画素を記録する。また、1番目の副走
査送り後の主走査では、ノズル$7〜$9が、1番目、
5番目、および9番目の有効ラスタ上の奇数画素を記録
する。ここで、「有効ラスタ」とは、有効記録範囲の中
のラスタという意味である。なお、図9(B)におい
て、符号「’」が付されている有効ラスタ番号は、その
ラスタ上の奇数画素が記録されることを意味している。
また、この符号「’」が付されていない有効ラスタ番号
は、そのラスタ上の偶数画素が記録されることを意味し
ている。
【0087】1サイクルの走査では、Neff 個のノズル
を用いてkeff 回の走査が行われるので、Neff ×kef
f 本(すなわち20本)のラスタが記録される。但し、
図8からも解るように、1サイクルで20本の連続した
ラスタが記録されるわけではない。図9(B)からは、
有効記録範囲の最初の20本のラスタの各画素位置が、
どのノズルで記録されるかが理解できる。例えば、ラス
タ番号0のラスタ(有効記録範囲の最初のラスタ)の奇
数画素は、最初の主走査においてノズル番号$8のノズ
ルで記録され、一方、その偶数画素は、4回の副走査送
り後の主走査においてノズル番号@3のノズルで記録さ
れる。
【0088】なお、図9(B)における階段状の境界線
は、20本の連続したラスタの境界を示している。有効
ラスタ番号が20ずつ異なるラスタは、互いに等価なラ
スタである。例えば、ノズル@0が最初に記録を行う有
効ラスタ番号3のラスタは、有効ラスタ番号23および
43のラスタと走査条件の上で等価な位置にある。
【0089】図10は、第1実施例のドット記録方式に
おいて、各有効ラスタを記録するノズル番号を示してい
る。図10の左端の欄の0〜28の数字は有効ラスタ番
号を示している。また、図10の右端には、各副走査送
り後の主走査において10個のノズル@0〜@4,$5
〜$9が記録する有効ラスタの位置が示されている。例
えば、0番目の副走査送り後の主走査では、ノズル$
8,$9が、それぞれ0番目と4番目の有効ラスタを記
録する。図10と、図9(B)とを比較すれば、有効ラ
スタとノズル番号との関係がより明瞭に理解できる。
【0090】また、図10の左から2番目の欄には、各
ラスタの偶数画素(「even」)と奇数画素(「 odd」)
が、何回の副走査送りの後に記録されるかが示されてい
る。例えば、ラスタ番号0のラスタの偶数画素は、4回
の副走査送り後の主走査で記録され、その奇数画素は最
初の主走査で記録される。また、この欄の括弧内の数字
は、そのラスタを記録するときの副走査送り回数から、
その直前のラスタを記録するときの副走査送り回数を引
いた値を示している。この括弧内の数字を、以下では
「副走査送り回数差」と呼ぶ。例えば、ラスタ番号0の
ラスタの偶数画素は、4回の副走査送り後に記録される
が、ラスタ番号1のラスタの偶数画素は、5回の副走査
送り後に記録される。従って、ラスタ番号1のラスタの
偶数画素に対する副走査送り回数差は1である。同様
に、ラスタ番号3のラスタの偶数画素は7回の副走査送
り後に記録され、ラスタ番号4のラスタの偶数画素は4
回の副走査送り後に記録される。従って、ラスタ番号3
のラスタの偶数画素に対する副走査送り回数差は−3で
ある。
【0091】副走査送り回数差の絶対値が大きいと、上
下に並ぶ2つの画素が記録されるまでの時間差、およ
び、副走査方向の紙送り量の差が大きいことを意味す
る。第1実施例では、偶数画素に関しても、また、奇数
画素に関しても、副走査送り回数差の絶対値は3が最大
である。
【0092】副走査送りは、ドットピッチの整数倍に等
しい量で厳密に行われることが理想的であるが、実際に
は多少の送り誤差を含んでいる。また、副走査送りの誤
差は、副走査送りの度に累積される。従って、隣接する
ラスタを記録する間に多数回の副走査送りが挟まれてい
ると、それらのラスタの間に副走査送りの累積誤差によ
る位置ずれが発生する可能性がある。図10の括弧内の
数字で示される副走査送り回数差は、副走査送りの累積
誤差に起因する隣接ラスタ同士の位置ずれを小さくする
という意味からは、小さいほど好ましい。図10に示す
第1実施例のドット記録方式では、副走査送り回数差が
3以下であり、後述する他の実施例や比較例に比べて小
さな値なので、この点からも好ましい方式である。
【0093】第1実施例の副走査送り回数差が小さいこ
との理由は、各組のノズル群がそれぞれまとまって配置
されるように、10個のノズルを中央で2組に区分して
いることに関連している。副走査送りは、1サイクルの
繰り返しで各組のノズル群がすべてのラスタ上の特定の
画素を記録し得るように行われ、また、1回のサイクル
にはkeff (=4)回の副走査送りが含まれている。従
って、副走査送り回数差は、各組のノズル群の実効ノズ
ルピッチkeff 以下になる。第1実施例では、各組のノ
ズル群における実効ノズルピッチkeff が4ドットであ
って、これは実現可能な最小値(実装されているノズル
のノズルピッチ)であり、後述する他の実施例に比べて
小さい。換言すれば、第1実施例では、各組のノズル群
がそれぞれまとまって配置されるように、10個のノズ
ルを中央で2組に区分しているので、各組の実効ノズル
ピッチkeff が実現可能な最小値にある。従って、副走
査送り回数差が小さくなり、この結果、副走査送りの累
積誤差を小さくできるという利点がある。
【0094】図10の左から3番目の欄に記された隣接
関係の「・」、「×」、「↑」、および「↓」の4種類
の記号は、各ラスタ上の偶数画素および奇数画素が記録
される時に、その上下に隣接する画素が既に記録されて
いるか否かを示している。これらの各記号の意味は次の
通りである。
【0095】↓:自分よりひとつ下の画素だけが既に記
録されている。 ↑:自分よりひとつ上の画素だけが既に記録されてい
る。 Χ:自分の上下の両画素が既に記録されている。 ・:自分の上下の両画素がどちらもまだ記録されていな
い。
【0096】また、これらの記号の後に付されている符
合「*」は、偶数画素と奇数画素とで同じ記号が割り当
てられているラスタを示している。
【0097】上記のような、各画素を記録する際の上下
の画素の記録の有無は、記録される画素を含むラスタの
画質に影響を与える。このような画質への影響は、隣接
する既に記録された画素のインクの乾燥の程度や、副走
査送りの誤差等に起因するものである。上記の4種類の
記号のパターンが比較的大きな周期的で印刷紙上に現れ
ると、画像全体の画質を劣化させる原因となることがあ
る。但し、図10に示す第1実施例のドット記録方式で
は、4種類の記号のパターンが4ドットの小さな周期を
有している。例えばドット解像度が300dpiである
場合には、この周期は約0.3mmでありあまり目立た
ない大きさである。第1実施例は、このような比較的小
さい周期で規則的にドットを記録するので、副走査送り
の累積誤差がこの小さな周期で発生したとしても、画質
の劣化として認識される可能性が小さいという利点があ
る。
【0098】図11は、第1比較例のドット記録方式に
おける走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラス
タ番号とを示す説明図である。この第1比較例のドット
記録方式の基本的な走査パラメータ(ノズルピッチk,
使用のズル個数N,スキャン繰り返し数s、実効ノズル
個数Neff )は、第1実施例(図9)と同じである。但
し、各ノズルは、走査の度に、偶数画素を記録したり、
奇数画素を記録したりする。各副走査送り後に各ノズル
が偶数画素を記録するか奇数画素を記録するかは、図1
1(A)の表の最下部および、図11(B)に示されて
いる。例えば、最初の主走査ではすべてのノズルが偶数
画素を記録し、1回の副走査送り後の主走査ではすべて
のノズルが奇数画素を記録している。すなわち、第1比
較例は、前述した図7と同様な、通常のオーバーラップ
方式である。
【0099】図12は、第1比較例のドット記録方式に
おいて、各有効ラスタを記録するノズル番号を示してい
る。左から2番目の欄の副走査送り回数差(括弧内の数
字)の絶対値の最大値は7である。この値は、第1実施
例(図10)における副走査送り回数差の絶対値の最大
値3に比べて大きい。従って、第1実施例は、第1比較
例に比べて副走査送りの累積誤差が小さい。
【0100】図13は、第2比較例のドット記録方式に
おける走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラス
タ番号とを示す説明図である。この第2比較例のドット
記録方式の基本的な走査パラメータ(ノズルピッチk,
使用のズル個数N,スキャン繰り返し数s、実効ノズル
個数Neff )も、第1実施例(図9)および第1比較例
(図11)と同じである。図13(A)の表の最下部お
よび、図13(B)に示されているように、最初の4回
の主走査では、すべてのノズルが偶数画素を記録し、次
の4回の主走査ではすべてのノズルが奇数画素を記録し
ている点が、第1比較例と異なる。
【0101】図14は、第2比較例のドット記録方式に
おいて、各有効ラスタを記録するノズル番号を示してい
る。左から2番目の欄の副走査送り回数差(括弧内の数
字)の絶対値の最大値は7以下である。この最大値は、
第1実施例(図10)における副走査送り回数差の絶対
値の最大値3に比べて大きい。従って、第1実施例は、
第2比較例に比べても、副走査送りの累積誤差が小さ
い。
【0102】なお、図12の第1比較例の隣接関係(左
から3番目の欄)と、図14の第2比較例の隣接関係と
を比較すると、第2比較例では、偶数画素と奇数画素の
隣接関係が等しいラスタ(*が付されている)が、より
大きな周期で(すなわちより低周波数で)出現してい
る。このように、比較的大きな周期で規則的なパターン
が発生すると、肉眼では画質の劣化として認識される可
能性がある。この点では、第1比較例の方が第2比較例
よりも優れている。
【0103】以上のように、第1実施例のドット記録方
式では、10個のノズルを中央で2組のノズル群に区分
しているので、各ノズル群における実効ノズルピッチk
effが、全ノズルのピッチkに等しい最小値となる。従
って、副走査送りの累積誤差を小さくすることができる
という利点を有している。
【0104】図15は、第1実施例のドット記録方式に
おいて、各組のノズル群の記録タイミングを調整するた
めの駆動回路を示す等価回路図である。この駆動回路
は、10個のノズルのアクチュエータ120〜129
(図4のピエゾ素子PEに相当する)と、1つおきの5
つのアクチュエータ121,123,…129の前にそ
れぞれ設けられた5つの遅延回路131,133,…1
39と、各ノズルに関連して設けられた3入力アンドゲ
ート140〜149と、1つのインバータ160とを備
えている。アクチュエータ120〜129以外の図15
の回路要素は、制御回路40(図2)に含まれている。
本実施例におけるインクジェットプリンタのノズルのア
クチュエータ120〜129はピエゾ素子(圧電素子)
なので、この等価回路ではコンデンサに置き換えられて
いる。バブルジェットプリンタでは、アクチュエータ1
20〜129は抵抗発熱素子となる。
【0105】10個のアンドゲート140〜149に
は、各ノズルのオン/オフをドット毎に示すドットパタ
ーンデータD0〜D9がそれぞれ与えられている。各ノ
ズルのドットパターンデータD0〜D9は、各ラスタ上
の画像の内容に応じてそれぞれ異なるオン/オフのパタ
ーンを表しているのが普通である。しかし、以下の説明
では簡単のために、すべてのドットパターンデータD0
〜D9がすべて同じオン/オフパターンを表していると
仮定する。
【0106】偶数画素を記録するノズルに関連する5つ
のアンドゲート140〜144には偶数画素選択信号S
evenが共通に入力されており、また、奇数画素を記録す
るノズルに関連する5つのアンドゲート145〜149
には奇数画素選択信号Soddが共通に入力されている。
奇数画素選択信号Sodd は、制御回路40内の他の回路
で生成されて図15に示す駆動回路に供給される。奇数
画素選択信号Sodd は、インバータ160で反転されて
偶数画素選択信号Sevenとなる。10個のアンドゲート
140〜149には、さらに、ノズル駆動クロック信号
CLKが共通に入力されている。
【0107】図16は、図15の回路の動作を示すタイ
ミングチャートである。図16(a)は、コンピュータ
90のハーフトーンモジュール99(図1)から与えら
れたドットパターンデータD0〜D9を示している。前
述したように、この実施例では、すべてのアンドゲート
140〜149に、この同じドットパターンデータが入
力されるものと仮定する。図16(b)は、偶数画素選
択信号Sevenを示し、図16(c)はノズル駆動ドット
クロック信号CLKを示している。5つのアンドゲート
140〜144は、ノズル駆動クロック信号CLKがH
レベルであるタイミングで、ドットパターンデータD0
〜D9の偶数画素位置のレベルに対応したパターンを有
するノズル駆動信号を選択的に出力する。図16(d)
は、アンドゲート140〜144から出力される偶数画
素ノズル駆動信号S0〜S4を示している。
【0108】図15の5個の遅延回路131,133,
…139は、図5に示すように、千鳥状に配列された2
つのノズル列のうちで、後追する列のノズル101,1
03によって記録されるドットと、先行する列のノズル
100,102によって記録されるドットとが、一直線
上に並ぶようにするためである。これらの遅延回路の遅
延量は、主走査の速度に応じて調整可能である。
【0109】図16(e)〜(h)は、他の5つのアン
ドゲート145〜149への入力信号と、その出力信号
である奇数画素ノズル駆動信号S5〜S9とを示してい
る。すなわち、5つのアンドゲート145〜149は、
ノズル駆動クロック信号CLKがHレベルであるタイミ
ングで、ドットパターンデータD0〜D9の奇数画素位
置のレベルに対応したパターンを有するノズル駆動信号
を選択的に出力する。
【0110】なお、各アンドゲート140〜149に、
偶数画素と奇数画素の両方の画素位置のパターンを含む
ドットパターンデータを入力する代わりに、偶数画素に
関連するアンドゲート140〜144には偶数画素のド
ットパターンのみを含むドットパターンデータを入力
し、奇数画素に関連するアンドゲート145〜149に
は奇数画素のドットパターンのみを含むドットパターン
データを入力するようにしてもよい。この場合には、図
16(a)に示すドットパターンデータを、偶数画素用
のドットパターンデータと奇数画素用のドットパターン
データとに分離するようにすればよい。この場合には、
偶数画素用のドットパターンデータと、奇数画素用のド
ットパターンデータの周波数を1/2に低減する(周期
を2倍にする)ようにしてもよい。例えば、プリンタド
ライバ96内でこのような分離を行う場合には、出力す
るドットパターンデータの周波数を1/2に低減するこ
とができるので、処理を高速化できるという利点があ
る。一方、図15、図16に示す駆動方法では、ドット
パターンデータを分離する必要が無いという利点があ
る。
【0111】図17は、第2実施例のドット記録方式に
おける走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラス
タ番号とを示す説明図である。この第2実施例のドット
記録方式は、実効ノズルピッチkeff 以外の基本的な走
査パラメータ(ノズルピッチk,使用ノズル個数N,ノ
ズル群数M、実効ノズル個数Neff )が第1実施例(図
9)と同じである。図17(A)の第1の表および図1
7(B)に示されているように、使用する10個のノズ
ルは、1つおきに2組のノズル群に交互に分類されてい
る。第1組の5個のノズル@0,@2,…@8の実効ノ
ズルピッチkeff は8ドットであり、また、第2組の5
個のノズル@1,@3,…@9の実効ノズルピッチkef
f も8ドットである。図17の第2の表には、1サイク
ル分の副走査送り量Lと、そのオフセットFとが示され
ている。
【0112】図18は、第2実施例のドット記録方式に
おいて、各有効ラスタを記録するノズル番号を示してい
る。左から2番目の欄の副走査送り回数差(括弧内の数
字)の絶対値の最大値は5である。この最大値は、第1
実施例(図10)における副走査送り回数差の絶対値の
最大値3に比較すれば大きいが、第1比較例と第2比較
例の最大値7(図12,図14)に比較すれば小さい。
従って、第2実施例は、第1比較例や第2比較例に比べ
て副走査送りの累積誤差が小さいという利点がある。な
お、第1実施例よりも第2実施例における副走査送り回
数差の方が大きい理由は、第2実施例の実効ノズルピッ
チkeff (=8ドット)が第1実施例の実効ノズルピッ
チkeff (=4ドット)よりも大きいからであると考え
られる。すなわち、副走査送り量の累積誤差を小さくす
るという意味からは、実効ノズルピッチkeff が小さく
なるようなノズルの分類が好ましい。
【0113】逆に、実効ノズルピッチkeff がより大き
いと、上述した条件c1”〜c3”を満たすための走査
パラメータの選択の自由度が増すという利点がある。こ
の利点を生かして走査パラメータをうまく選択すれば、
より高画質が得られるようなドット記録方式を実現する
ことができる可能性がある。この観点からは、実効ノズ
ルピッチkeff が大きい方が好ましい。特に、実効ノズ
ルピッチkeff が8ドットになるような分類方法は、高
画質を得られるドット記録方式を達成できる可能性が高
いので、特に好ましい。
【0114】図18の左から3番目の欄の隣接関係(上
下の画素が事前に記録されているか否かを示す)は、4
画素程度の規則正しい短い周期を有している。この周期
は、第1比較例や第2比較例(図12,図14)の周期
に比べて小さいので、画像にむらが出る恐れが少ない。
その上、副走査方向に同じマーク(「・」、「×」等)
が連続することがなく、その変化が高い周波数を有して
いるので、副走査方向に沿って画像のむらが生じにく
い。また、偶数画素に関するマークと、奇数画素に関す
るマークとが一致しないので、偶数画素と奇数画素とで
周期的な特徴が分散され、この結果、副走査方向の画像
のむらがより生じにくいという特徴がある。
【0115】図19は、第3実施例のドット記録方式に
おける走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラス
タ番号とを示す説明図である。第3実施例では、ノズル
ピッチkが4ドット、使用ノズル数Nが14、ノズル群
数Mが2であり、実効ノズル個数Neff は7である。ま
た、図19(A)の第1の表に示されているように、1
4個のノズルは1つおきに2組のノズル群に交互に分類
されている。第1組のノズル群のノズル@0,@2,…
@8の実効ノズルピッチkeff は8ドットであり、ま
た、第2組のノズル群のノズル@1,@3,…@9の実
効ノズルピッチkeff も8ドットである。従って、1サ
イクルの走査は、8回(実効ノズルピッチkeff の値に
等しい回数)の副走査送りを含んでいる。
【0116】第3実施例の特徴は、図19(A)の第2
の表に示されているように、副走査送り量Lが常に一定
ではなく、5ドットと13ドットの2種類の副走査送り
量が使用されている点にある。この特徴は、以下のよう
な利点を有している。従来技術の部分で説明したよう
に、従来のドット記録方式では、ノズル個数Nとノズル
ピッチkとが互いに素の関係にある整数に選ばれてい
た。従って、多数のノズルが実装されていても、実際に
使用できるノズル個数Nはノズルピッチkと互いに素で
ある数に限られていた。換言すれば、従来は、実装され
ているノズルを十分に利用できない場合が多いという問
題があった。この問題を本発明の実施例に当てはめる
と、実効ノズルピッチkeff と実効ノズル個数Neff と
が互いに素である場合に限定されてしまうことになり、
この場合には、実装されているノズルを十分に利用でき
ないことになる。これに対して、「副走査送り量Lとし
て異なる複数の値を使用する」ようにすれば、実効ノズ
ルピッチkeff と実効ノズル個数Neff とが互いに素で
ない場合にも、上述した基本的な3つの条件c1”〜c
3”を満たすことができる。従って、実装されたノズル
を可能な限り多数使用するようなドット記録方式を容易
に実現することができるという利点がある。
【0117】図20は、第3実施例のドット記録方式に
おいて、各有効ラスタを記録するノズル番号を示してい
る。左から2番目の欄の副走査送り回数差(括弧内の数
字)の絶対値の最大値は5ある。この最大値は、第2実
施例(図18)における副走査送り回数差の絶対値の最
大値と同じである。従って、第3実施例も、第2実施例
と同様に、第1,第2比較例に比べて副走査送りの累積
誤差が小さいという利点がある。
【0118】図20の左から3番目の欄の隣接関係は、
図18に示す第2実施例とほぼ同じである。従って、第
3実施例も、第2実施例と同様に、第1比較例や第2比
較例に比べて画像にむらが生じにくいという利点があ
る。
【0119】図21は、第4実施例のドット記録方式に
おける走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラス
タ番号とを示す説明図である。第4実施例では、ノズル
ピッチkが4、使用ノズル数Nが15、ノズル群数Mが
3であり、実効ノズル個数Neff は5である。また、図
21(A)の第1の表に示されているように、15個の
ノズルは3組のノズル群に交互に分類されている。第1
組のノズル群@0〜@4は、画素アドレスを3で除した
余りが0である画素位置(図21(A)の第1の表では
記号「%3=0」で示す)を記録する。また、第2組の
ノズル群$5〜$9は、画素アドレスを3で除した余り
が1である画素位置(図21(A)の第1の表では記号
「%3=1」で示す)を記録し、第3組のノズル群#1
0〜#14は、画素アドレスを3で除した余りが2であ
る画素位置(図21(A)の第1の表では記号「%3=
3」で示す)を記録する。このように、第4実施例で
は、3組のノズル群に対して3つの異なる種類のドット
位置が割り当てられている。第4実施例のドット記録方
式は、複数のノズルが、副走査方向に並ぶ複数の組に区
分されているという点で、第1実施例と類似している。
【0120】第4実施例における各組のノズル群の実効
ノズルピッチkeff は4ドットである。従って、1サイ
クルの走査は、4回(実効ノズルピッチkeff の値に等
しい回数)の副走査送りを含んでいる。
【0121】図22は、第4実施例のドット記録方式に
おいて、各有効ラスタを記録するノズル番号を示してい
る。左から2番目の欄の副走査送り回数差(括弧内の数
字)の絶対値の最大値は3であり、この最大値は、第1
実施例(図10)における副走査送り回数差の絶対値の
最大値と同じである。従って、第4実施例も、第1実施
例と同様に、比較例や他の実施例に比べて副走査送りの
累積誤差が小さいという利点がある。
【0122】図22の左から3番目の欄の隣接関係も、
図10に示す第1実施例とほぼ同じである。従って、第
4実施例も、第1実施例と同様に、比較例に比べて画像
にむらが生じにくいという利点がある。
【0123】図23は、第5実施例のドット記録方式に
おける走査パラメータと各ノズルで記録される有効ラス
タ番号とを示す説明図である。第5実施例では、ノズル
ピッチkが4、使用ノズル数Nが20、ノズル群数Mが
4であり、実効ノズル個数Neff は5である。また、図
21(A)の第1の表に示されているように、25個の
ノズルは、3つおきに4組のノズル群に順番に分類され
ている。第1組のノズル群@0,@4,…@16は、画
素アドレスを4で除した余りが0である画素位置(図2
3(A)の第1の表では記号「%4=0」で示す)を記
録する。また、第2組のノズル群$1,$5,…$17
は、画素アドレスを4で除した余りが1である画素位置
(図22(A)の第1の表では記号「%4=1」で示
す)を、第3組のノズル群#2,#6,…#18は、画
素アドレスを4で除した余りが2である画素位置(図2
2(A)の第1の表では記号「%4=2」で示す)を、
第4組のノズル群&3,&7,…&19は、画素アドレ
スを4で除した余りが3である画素位置(図22(A)
の第1の表では記号「%4=3」で示す)を、それぞれ
記録する。このように、第5実施例では、4組のノズル
群に対して4つの異なる種類の画素位置が割り当てられ
ている。第5実施例のドット記録方式は、複数のノズル
が副走査方向に沿って1つずつ順番に複数の組に割り当
てられているという点で、第2実施例および第3実施例
と類似している。また、副走査送り量Lが常に一定であ
るという点では、第2実施例により近い。
【0124】第5実施例における各組のノズル群の実効
ノズルピッチkeff は16ドットである。従って、1サ
イクルの走査は、16回(実効ノズルピッチkeff の値
に等しい回数)の副走査送りを含んでいる。図23で
は、図示の便宜上、8回の副走査の送り量Lのみを示し
ている。
【0125】図24は、第5実施例のドット記録方式に
おいて、各有効ラスタを記録するノズル番号を示してい
る。左から2番目の欄の副走査送り回数差(括弧内の数
字)の絶対値の最大値は5であり、この最大値は、第2
実施例(図18)における副走査送り回数差の絶対値の
最大値と同じである。従って、第5実施例も、第2実施
例と同様に、比較例に比べて副走査送りの累積誤差が小
さいという利点がある。
【0126】図24の左から3番目の欄の隣接関係(上
下の画素が事前に記録されているか否かを示す)も、第
2実施例(図18)と類似しており、4画素程度の規則
正しい短い周期を有している。従って、第5実施例も、
第2実施例と同様に、副走査方向の画像のむらが生じに
くいという利点がある。
【0127】図25は、第6実施例のドット記録方式に
おける走査パラメータを示す説明図である。第6実施例
では、ノズルピッチkが8ドット、使用ノズル数Nが1
0、ノズル群数Mが2であり、実効ノズル個数Neff は
5である。また、図25(A)の第1の表に示されてい
るように、10個のノズルは、1つおきに2組のノズル
群に交互に分類されている。第1組のノズル群@0,@
2,…@8は偶数画素を記録し、第2組のノズル群$
1,$3,…$9は奇数画素を記録する。第6実施例
は、図17に示す第2実施例において、ノズルピッチk
を8ドットに変更したものである。
【0128】第6実施例における各組のノズル群の実効
ノズルピッチkeff は16ドットである。従って、1サ
イクルの走査は、16回(実効ノズルピッチkeff の値
に等しい回数)の副走査送りを含んでいる。
【0129】図26は、第6実施例において、各ノズル
で記録される有効ラスタ番号を示す説明図である。ま
た、図27は、第6実施例のドット記録方式において、
各有効ラスタを記録するノズル番号を示している。図2
7の左から2番目の欄の副走査送り回数差(括弧内の数
字)の絶対値の最大値は5であり、この最大値は、第2
実施例(図18)や第5実施例(図24)における副走
査送り回数差の絶対値の最大値と同じである。従って、
第6実施例も、第2実施例や第5実施例と同様に、比較
例に比べて副走査送りの累積誤差が小さいという利点が
ある。
【0130】図26の左から3番目の欄の隣接関係(上
下の画素が事前に記録されているか否かを示す)も、規
則正しい短い周期を有しており、副走査方向の画像のむ
らが生じにくいという利点がある。特に、第6実施例で
は、他の実施例よりも記録パターンの規則性がより正確
なので、よりきれいな画像記録を行える可能性がある。
【0131】以上の各実施例のように、使用する複数の
ノズルを、それぞれ等しい数Neffのノズルを含む複数
組のノズル群に分類し、各組のノズル群が互いに異なる
種類の画素位置を記録するようにすれば、それぞれ利点
の異なる種々のドット記録方式を実現することができ
る。
【0132】D.ノズルとドット位置の分類方法の種
類:ノズルの分類方法と、ドット位置の分類方法とに関
しては、上述した実施例以外にも種々の方法が考えられ
る。図28は、ノズルの各種の分類方法を示す説明図で
ある。図28(a)に示す第1の分類方法では、副走査
方向に沿って等ピッチで一直線上に並ぶ10個のドット
を記録するための10個のノズルを、1本の仮想的な境
界線BRで、副走査方向に並ぶ2組のノズル群に区分し
ている。実効ノズル数Neff は5個、実効ノズルピッチ
keff は4ドットである。また、2組のノズル群同士の
副走査方向の距離d(オフセット)は40ドットであ
る。この第1の分類方法を一般化すると、「副走査方向
に沿って等ピッチで一直線上に並ぶ複数のドットを記録
し得る複数のノズルを、(M−1)本の境界線でM組
(Mは2以上の整数)のノズル群に区分する方法」であ
ると言うことができる。上述した第1実施例および第4
実施例は、この第1の分類方法を採用している。この第
1の分類方法では、実効ノズルピッチkeff が最小とな
るので、副走査送りの累積誤差が小さいという利点があ
る。
【0133】図28(b)に示す第2の分類方法では、
副走査方向に沿って等ピッチで一直線上に並ぶ10個の
ドットを記録するための10個のノズルを、1つずつ交
互に2組のノズル群に割り当てている。実効ノズル数N
eff は5個、実効ノズルピッチkeff は8ドットであ
る。また、2組のノズル群同士の副走査方向の距離d
(オフセット)は4ドットである。この第2の分類方法
を一般化すると、「副走査方向に沿って等ピッチで一直
線上に並ぶ複数のドットを記録し得る複数のノズルを、
1ノズルずつ順番にM組(Mは2以上の整数)のノズル
群に割り当てる方法」であると言うことができる。上述
した第2実施例、第3実施例、第5実施例、および第6
実施例は、この第2の分類方法を採用している。この第
2の分類方法では、実効ノズルピッチkeff がノズル同
士の最小ピッチkよりも大きくなるので、上述した条件
c1”〜c3”を満たすための走査パラメータの選択の
自由度がより大きいという利点がある。この利点を生か
して走査パラメータをうまく選択すれば、より高画質が
得られるようなドット記録方式を実現することができる
可能性がある。
【0134】図28(c)に示す第3の分類方法は、図
28(a)に示す第1の分類方法における2組のノズル
群同士の距離dを42ドットに変更したものである。図
28(d)に示す第4の分類方法は、図28(b)に示
す第2の分類方法における2組のノズル群同士の距離d
を6ドットに変更したものである。このように、一般
に、M組のノズル群同士の距離は、実効ノズルピッチk
eff やノズルの最小ピッチkとは無関係に、任意に設定
することができる。換言すれば、ノズルの分類方法とし
ては、互いに等しい実効ノズル個数Neff と互いに等し
い実効ノズルピッチkeff とを有するような、M組のノ
ズル群に分類する種々の方法を採用することができる。
なお、使用される複数のノズルは、副走査方向に沿って
一直線上に配列されている必要は無く、例えば図5に示
すように千鳥状に配列されていてもよい。但し、M組の
ノズル群が主走査方向に重なる位置に配置されているよ
うな場合(すなわちノズル群同士の距離dが実効ノズル
ピッチkeff の整数倍(d=0を含む)の場合)には、
同じ主走査時に同じラスタ上の異なるドット位置を、異
なる組に属するノズルが記録することになるので、ドッ
ト同士の滲みの問題が発生する可能性がある。この意味
では、M組のノズル群同士が主走査方向に沿って重なら
ない位置に配置されていることが好ましい。
【0135】図29は、ドット位置の2つの分類方法を
示す説明図である。図29(a)に示す第1の分類方法
では、同一ラスタ上の複数のドットが、1ドットおきに
2組のドット位置に分類されている。この第1の分類方
法を一般化すると、「同一ラスタ上の複数のドットを、
1ドットずつ順番にM組(Mは2以上の整数)に分類す
る方法」であると言うことができる。このようなドット
の分類は、ドットアドレスをMで除した余りの値に応じ
て容易に実行することができる。上述した6つの実施例
は、この第1の分類方法を採用している。
【0136】図29(b)に示す第2の分類方法では、
同一ラスタ上の複数のドットが、2ドットずつ2ドット
おきに2組のドット位置に分類されている。このような
第2の分類方法は、主走査方向に並ぶ2ドットで1画素
を構成するような場合にも適用することができる。この
第2の分類方法を一般化すると、「同一ラスタ上の複数
のドットを、mドット(mは1以上の整数)ずつ(M−
1)×mドットおきに(Mは2以上の整数)順番にM組
に分類する方法」であると言うことができる。なお、こ
の例からも解るように、1ドットは必ずしも1画素に対
応している必要はなく、複数のドットの固まりで1画素
を構成するようにしてもよい。この場合には、上述した
各実施例における「画素アドレス」や「偶数画素」「奇
数画素」等の用語は、「ドットアドレス」や「偶数ドッ
ト」「奇数ドット」と読み替えられる。
【0137】以上のように、ドット位置の分類方法とし
ては、各ラスタ上の複数のドットを規則的にM組のドッ
ト位置に分類するような種々の方法を採用することがで
きる。
【0138】図30は、ノズル分類とドット位置の分類
との対応関係の一例を示す説明図である。ここでは、図
30(a)に示すように、複数のノズルはノズルアレイ
のほぼ中央で第1のノズル群G1と第2のノズル群G2
とに区分されていると仮定している。図30(b)〜
(e)は、4回の主走査(パス)で記録対象となる同じ
ラスタラインRL上のドット位置をそれぞれを示してい
る。ここでは、スキャン繰り返し数sは4である。図3
0(b)に示す1パス目では、第1のノズル群G1のノ
ズルによって、3ドットおきに1ドットが記録対象とな
る。2パス目ないし4パス目も同じである。但し、各パ
スでは、記録対象となるドット位置が互いにずれてい
る。この結果、図30(f)に示すように、1本の同じ
ラスタラインRLのすべてのドットが4回のパスによっ
て記録される。図30(f)をみれば解るように、この
ラスタライン上のすべてのドット位置は、隣接する2ド
ットずつの2つのグループに分類されている。すなわ
ち、第1のノズル群G1で記録される2つのドット位置
と、第2のノズル群G2で記録される2つのドット位置
とが、1ラスタライン上に交互に配列されている。
【0139】なお、図30は、図28(a)に示したノ
ズル分類と、図29(b)に示したドット位置の分類と
を組合せたものである。ノズル分類とノズル位置の分類
との組合せは、これ以外にも種々のものが可能である。
【0140】図30(b)〜(e)の例では、1回のパ
スでは、同じラスタラインRL上で記録対象となるドッ
ト位置は間欠的である。このようなドットの間欠的な記
録は、1画素に形成されるドットの大きさを変更するこ
とのできるドット記録方式(「バリアブルドット記録方
式」と呼ぶ)において多用される。
【0141】図31は、バリアブルドット記録方式で形
成される複数種類のドットの例を示す説明図である。図
31の例では、吐出されるインクの量を画素毎に調整す
ることによって、サイズの異なる3種類のドットのいず
れかを1画素の領域に形成することができる。すなわ
ち、比較的少量のインク滴を1画素の領域内に吐出する
ことによって小ドットを形成することができ、比較的多
量のインク滴を1画素の領域内に吐出することによって
中ドットを形成することができる。また、大ドットは、
小ドットを形成するためのインク滴と中ドットを形成す
るためのインク滴との双方を1画素の領域内に吐出する
ことによって形成することができる。この結果、各画素
を4つの階調(ドット無し、小ドット、中ドット、大ド
ット)で再現可能である。
【0142】図32は、図31に示す3種類のドットを
形成するための駆動信号波形を示す説明図である。駆動
波形W1が小ドットを形成するための波形(小ドットパ
ルス)であり、駆動波形W2が中ドットを形成するため
の波形(中ドットパルス)である。なお、1画素分の主
走査期間内において小ドットパルスW1と中ドットパル
スW2とを図32のように連続して発生させると、小ド
ットのインク滴と中ドットのインク滴とが同じ1画素の
領域内に着弾するので、大ドットを形成することができ
る。
【0143】ところで、インクの吐出量は、駆動信号の
周波数に依存することが知られている。すなわち、駆動
信号の周波数と、インク吐出のためのアクチュエータ
(すなわちピエゾ素子回路)の固有振動数との関係によ
っては、駆動信号の周波数をある程度以上高くすると所
望の量のインクを吐出できないことがある。具体的に
は、同じラスタライン上の連続した画素位置にドットを
形成しようとすると、駆動信号の周波数が高くなりすぎ
て、所望の大きさのドットを形成できないことがある。
このため、バリアブルドット記録方式では、同じラスタ
ライン上の間欠的な画素位置にしかドットを形成できな
いことがある。バリアブルドット記録方式においてこの
ような制約が特に生じやすい理由は、一定サイズのドッ
トを形成する記録方式よりも駆動信号波形が複雑なため
である。従って、図30に示したような間欠的なドット
の記録は、このようなバリアブルドット記録方式におい
て利用されることが多い。この例からも理解できるよう
に、ノズルと画素位置とをそれぞれ分類する本発明のド
ット記録方式は、バリアブルドット記録方式にも有効に
適用することが可能である。
【0144】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0145】(1)図33は、図15に示す駆動回路と
同様な他の駆動回路を示す等価回路図である。図33の
駆動回路は、図15に示す駆動回路のアンドゲート14
0〜149の前に、EXOR回路150〜159をそれ
ぞれ追加した構成を有している。各EXOR回路150
〜159の第1の入力端子には、奇数画素選択信号Sod
d が共通に与えられており、また、第2の入力端子には
切換信号V0〜V9がそれぞれ与えられている。周知の
ように、EXOR回路150〜159は、一方の入力が
Hレベルの時には他方の入力信号を反転して出力し、ま
た、一方の入力がLレベルの時には他方の入力信号を反
転せずにそのまま出力する反転切換回路としての機能を
有している。従って、各EXOR回路150〜159に
独立に与えられる入力信号V0〜V9のレベルを切り換
えることによって、奇数画素選択信号Sodd をそのまま
各アンドゲート140〜149に供給するか、この信号
Sodd を反転した偶数画素選択信号Sevenとして各アン
ドゲート140〜149に供給するか、を切り換えるこ
とができる。例えば、最初の5つの切換信号V0〜V4
をHレベルに設定し、他の5つの切換信号V5〜V9を
Lレベルに設定すれば、図15と同じ動作を示す回路と
なるので、第1実施例のドット記録方式(図8〜図1
0)を実現することができる。また、偶数番目の切換信
号V0,V2,…V8をHレベルに設定し、奇数番目の
切換信号V1,V3,…V9をLレベルに設定すれば、
第2実施例のドット記録方式(図17,図18)を実現
することができる。すなわち、EXOR回路150〜1
59は、複数のノズルの分類方法を切り換えるための切
換手段としての機能を有する。このような切換手段を用
いた数種類のドット記録方式の切り換えは、モード指定
情報書込モジュール110(図1)を用いて実行するこ
とができる。
【0146】複数のノズルをM組(Mは2以上の整数)
のノズル群に分類する分類方法を切り換えるための切換
手段としては、EXOR回路150〜159以外の種々
の構成が可能である。例えば、3組以上のM組のノズル
群に分類する分類方法を切り換えるための切換回路とし
ては、アクチュエータにM種類の駆動信号を発生する種
々の回路を利用することができる。この時、M種類の駆
動信号は、各駆動信号のパルスがそれぞれMドットにつ
いて1回の頻度で発生し、かつ、各駆動信号のパルスの
発生タイミングが1ドットずつ互いにずれているような
信号となる。
【0147】このように、複数のノズルをM組(Mは2
以上の整数)のノズル群に分類する分類方法を切り換え
るための切換手段を設けるようにすれば、同じハードウ
ェア構成で、異なる種類のドット記録方式を容易に実現
することができるという利点がある。
【0148】(2)上述した各実施例では、1色につい
てのドット記録方式について説明したが、各色について
上述のドット記録方式を適用することによって、複数色
を用いたカラー印刷を実現することができる。なお、近
年では、色相と彩度が同じで明度(濃度)が異なる複数
のインクを使用する場合も多い。例えば、シアンとマゼ
ンタについて、濃度が高い農インクと、濃度が低い淡イ
ンクとを用いる場合がある。この明細書においては、色
相と彩度と明度(濃度)がすべて同じであるインクを
「同一色」のインクと見なしている。例えば、YMCK
の4つの濃インクと、シアンとマゼンタの2つの淡イン
クを用いる場合には、これらの6色のインクについて、
それぞれ上述のドット記録方式を適用することができ
る。
【0149】(3)この発明はカラー印刷だけでなくモ
ノクロ印刷にも適用できる。また、1画素を複数のドッ
トで表現することにより多階調を表現する印刷にも適用
できる。また、ドラムスキャンプリンタにも適用でき
る。尚、ドラムスキャンプリンタでは、ドラム回転方向
が主走査方向、キャリッジ走行方向が副走査方向とな
る。また、この発明は、インクジェットプリンタのみで
なく、一般に、複数のドット形成要素アレイを有する記
録ヘッドを用いて記録媒体の表面に記録を行うドット記
録装置に適用することができる。ここで、「ドット形成
要素」とは、インクジェットプリンタにおけるインクノ
ズルのように、ドットを形成するための構成要素を意味
する。
【0150】(4)上記いくつかの実施例では、ドット
の形成を制御するプログラムは、プリンタ20側ではな
くコンピュータ90のプリンタドライバ96側に用意し
たが、プリンタ20内に用意することも可能である。例
えば、コンピュータ90からは、ポストスクリプトなど
の言語により印刷する画像情報が送られてくる場合に
は、プリンタ20側にハーフトーンモジュール99など
を持つことになる。また、これらの機能を実現するソフ
トウェアプログラムは、本実施例では、コンピュータ9
0内のハードディスク等に記憶されており、コンピュー
タ90が起動する際にプリンタドライバの形態でオペレ
ーティングシステムに組み込まれるが、フロッピディス
クやCD−ROM等の携帯型記録媒体(可搬型記録媒
体)に格納され、携帯型記録媒体からコンピュータシス
テムのメインメモリまたは外部記憶装置に転送されるも
のとすることも可能である。また、コンピュータ90か
らプリンタ20の内部に転送して利用する形態とするこ
とも可能である。なお、通信回線を介して、これらのソ
フトウェアプログラムを提供する装置を設け、上記ハー
フトーンモジュールの処理内容を、通信回線を介して、
このコンピュータやプリンタ20に転送して利用する形
態とすることもできる。
【0151】これらの構成を実現するには、コンピュー
タ90は、次の構成をとればよい。図34は、コンピュ
ータ90の内部構成を示すブロック図である。図示する
ように、このコンピュータ90は、プログラムに従って
画像処理に関わる動作を制御するための各種演算処理を
実行するCPU81を中心に、バス80により相互に接
続された次の各部を備える。ROM82は、CPU81
で各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデー
タを予め格納しており、RAM83は、同じくCPU8
1で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログラム
やデータが一時的に読み書きされるメモリである。入力
インターフェイス84は、スキャナ12やキーボード7
4からの信号の入力を司り、出力インタフェース85
は、プリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC8
6は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御
し、ディスクコントローラ(DDC)87は、ハードデ
ィスク76やフレキシブルドライブ75あるいは図示し
ないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御
する。ハードディスク76には、RAM83にロードさ
れて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形
式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。
このほか、バス80には、シリアル入出力インタフェー
ス(SIO)88が接続されている。このSIO88
は、モデム78に接続されており、モデム48を介し
て、公衆電話回線PNTに接続されている。画像処理装
置30は、このSIO88およびモデム78を介して、
外部のネットワークに接続されており、特定のサーバー
SVに接続することにより、画像処理に必要なプログラ
ムをハードディスク76にダウンロードすることも可能
である。また、必要なプログラムをフレキシブルディス
クFDやCD−ROMによりロードし、コンピュータ9
0に実行させることも可能である。
【0152】したがって、上述した実施例で実行された
各種プログラムは、記録媒体としてのフレキシブルディ
スクやCD−ROMに記録しておくことができる。コン
ピュータ90は、これをディスクドライブ75などによ
り読み取ることにより、上述したドット記録方式を実現
することができる。
【0153】なお、この明細書において、コンピュータ
とは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを
含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で
動作するハードウェア装置を意味している。また、オペ
レーションシステムが不要でアプリケーションプログラ
ム単独でハードウェア装置を動作させるような場合に
は、そのハードウェア装置自体がコンピュータに相当す
る。ハードウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッ
サと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを
読み取るための手段とを少なくとも備えている。コンピ
ュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述
の各手段の機能を実現させるプログラムコードを含んで
いる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプ
ログラムでなく、オペレーションシステムによって実現
されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理システムの概略構成を示すブ
ロック図。
【図2】画像出力装置20の一例としてのカラープリン
タ22の構成を示す概略構成図。
【図3】印字ヘッド28の構造を例示する説明図。
【図4】インクの吐出の原理を説明する説明図。
【図5】インク吐出用ヘッド61〜64におけるインク
ジェットノズルの配列を示す説明図。
【図6】スキャン繰り返し数sが1のときの一般的なド
ット記録方式の基本的条件を示すための説明図。
【図7】スキャン繰り返し数sが2以上のときの一般的
なドット記録方式の基本的条件を示すための説明図。
【図8】本発明の第1実施例のドット記録方式を示す説
明図。
【図9】第1実施例のドット記録方式における走査パラ
メータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示す
説明図。
【図10】第1実施例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図11】第1比較例のドット記録方式における走査パ
ラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示
す説明図。
【図12】第1比較例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図13】第2比較例のドット記録方式における走査パ
ラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示
す説明図。
【図14】第2比較例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図15】第1実施例のドット記録方式において、各組
のノズル群の記録タイミングを調整するための回路を示
す等価回路図。
【図16】図15の回路の動作を示すタイミングチャー
ト。
【図17】第2実施例のドット記録方式における走査パ
ラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示
す説明図。
【図18】第2実施例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図19】第3実施例のドット記録方式における走査パ
ラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示
す説明図。
【図20】第3実施例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図21】第4実施例のドット記録方式における走査パ
ラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示
す説明図。
【図22】第4実施例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図23】第5実施例のドット記録方式における走査パ
ラメータと各ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示
す説明図。
【図24】第5実施例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図25】第6実施例のドット記録方式における走査パ
ラメータを示す説明図。
【図26】第6実施例のドット記録方式において、各ノ
ズルで記録される有効ラスタ番号とを示す説明図。
【図27】第6実施例のドット記録方式において、各有
効ラスタを記録するノズル番号を示す説明図。
【図28】ノズルの分類方法を示す説明図。
【図29】ドット位置の分類方法を示す説明図。
【図30】ノズル分類とドット位置分類との対応関係の
一例を示す説明図。
【図31】バリアブルドット記録方式で形成される複数
種類のドットの例を示す説明図。
【図32】サイズの異なるドットを形成するための駆動
信号波形を示す説明図。
【図33】図15の他の駆動回路を示す等価回路図。
【図34】コンピュータ90の内部構成と共に、ネット
ワークとの接続について説明する説明図。
【図35】従来のインターレース記録方式の一例を示す
説明図。
【図36】従来のオーバーラップ記録方式の一例を示す
説明図。
【符号の説明】
12…スキャナ 20…プリンタ 21…カラーディスプレイ 22…カラープリンタ 22…プリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 30…画像処理装置 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 42…PROM 48…モデム 61〜64…インク吐出用ヘッド 65…導入管 68…インク通路 71,72…インク用カートリッジ 74…キーボード 75…ディスクドライブ 75…フレキシブルドライブ 76…ハードディスク 78…モデム 80…バス 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェイス 85…出力インタフェース 86…CRTC 88…SIO 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 93…CRTディスプレイ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…ラスタライザ 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 110…モード指定情報書込モジュール 120〜129…アクチュエータ 131,133,135,137,139…遅延回路 140〜149…アンドゲート 150〜159…EXOR回路 160…インバータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表
    面にドットの記録を行うドット記録装置において、 前記ドット記録ヘッドの前記記録媒体に対面する箇所に
    設けられた複数のドット形成要素を有するドット形成要
    素アレイと、 前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方
    を駆動して主走査を行う主走査駆動手段と、 前記主走査の最中に前記複数のドット形成要素のうちの
    少なくとも一部を駆動してドットの形成を行わせるヘッ
    ド駆動手段と、 前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前記記
    録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査
    駆動手段と、 前記の各手段を制御するための制御手段と、を備え、 前記複数のドット形成要素は、副走査方向に沿ってほぼ
    一直線上に並ぶ同一色の複数個のドットを形成し得るも
    のであり、 前記複数のドット形成要素は、Neff 個(Neff は2以
    上の整数)のドット形成要素をそれぞれ含むM組(Mは
    2以上の整数)の要素群に分類されており、 主走査方向に沿った各ラスタ上の複数のドットは、M種
    類のドット位置に分類されており、 前記制御手段は、 各組の要素群に含まれるNeff 個のドット形成要素が前
    記M種類のうちの同じ1種類のドット位置を記録し、か
    つ、前記M組の要素群が各要素群毎に互いに異なる種類
    のドット位置を記録することによって、前記記録媒体の
    有効記録範囲に含まれるすべてのドット位置を記録し得
    るように前記ヘッド駆動手段および前記副走査駆動手段
    を制御することを特徴とするドット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のドット記録装置であっ
    て、 各組の要素群に含まれるNeff 個のドット形成要素は、
    一定のピッチで配列されているとともに、前記M組の要
    素群における前記ピッチが互いに等しい値に設定されて
    いる、ドット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のドット記録装置
    であって、 前記複数のドット形成要素は、副走査方向に沿って順次
    並ぶM組の要素群に区分されている、ドット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のドット記録装置
    であって、 前記複数のドット形成要素は、副走査方向に沿って1要
    素ずつ順番にM組の要素群に割り当てられていくように
    分類されている、ドット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のド
    ット記録装置であって、 前記制御手段は、 前記M組の要素群への前記複数のドット形成要素の分類
    を切り換えるための切換手段を備える、ドット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 複数のドット形成要素を有するドット記
    録ヘッドを用いて、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に
    沿って主走査を行いつつ記録媒体の表面にドットの記録
    を行う方法において、(a)前記ドット記録ヘッドと前
    記記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う工
    程と、(b)前記主走査の最中に前記複数のドット形成
    要素のうちの少なくとも一部を駆動してドットの形成を
    行わせる工程と、(c)前記主走査が終わる度に前記ド
    ット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動
    して副走査を行う工程と、を備え、 前記複数のドット形成要素は、副走査方向に沿ってほぼ
    一直線上に並ぶ同一色の複数個のドットを形成し得るも
    のであり、 前記複数のドット形成要素は、Neff 個(Neff は2以
    上の整数)のドット形成要素をそれぞれ含むM組(Mは
    2以上の整数)の要素群に分類されており、 主走査方向に沿った各ラスタ上の複数のドットは、M種
    類のドット位置に分類されており、 前記工程(a)、(b)、および、(c)は、 各組の要素群に含まれるNeff 個のドット形成要素が前
    記M種類のうちの同じ1種類のドット位置を記録し、か
    つ、前記M組の要素群が各要素群毎に互いに異なる種類
    のドット位置を記録することによって、前記記録媒体の
    有効記録範囲に含まれるすべてのドット位置を記録し得
    るように実行されることを特徴とするドット記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のドット記録方法であっ
    て、 各組の要素群に含まれるNeff 個のドット形成要素は、
    一定のピッチで配列されているとともに、前記M組の要
    素群における前記ピッチが互いに等しい値に設定されて
    いる、ドット記録方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のドット記録方法
    であって、 前記複数のドット形成要素は、副走査方向に沿って順次
    並ぶM組の要素群に区分されている、ドット記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項6または7記載のドット記録方法
    であって、 前記複数のドット形成要素は、副走査方向に沿って1要
    素ずつ順番にM組の要素群に割り当てられていくように
    分類されている、ドット記録方法。
  10. 【請求項10】 複数のドット形成要素を有するドット
    記録ヘッドとコンピュータとを備えたドット記録装置に
    用いられ、前記ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表
    面にドットの記録を行うためのコンピュータプログラム
    を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっ
    て、 前記コンピュータプログラムは、 前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方
    を駆動して主走査を行う主走査駆動手段と、 前記主走査の最中に前記複数のドット形成要素のうちの
    少なくとも一部を駆動してドットの形成を行わせるヘッ
    ド駆動手段と、 前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前記記
    録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査
    駆動手段と、 前記の各機能を制御するための制御手段と、の各機能を
    コンピュータに実現させるためのプログラムであり、 前記複数のドット形成要素は、副走査方向に沿ってほぼ
    一直線上に並ぶ同一色の複数個のドットを形成し得るも
    のであり、 前記複数のドット形成要素は、Neff 個(Neff は2以
    上の整数)のドット形成要素をそれぞれ含むM組(Mは
    2以上の整数)の要素群に分類されており、 主走査方向に沿った各ラスタ上の複数のドットは、M種
    類のドット位置に分類されており、 前記制御手段は、 各組の要素群に含まれるNeff 個のドット形成要素が前
    記M種類のうちの同じ1種類のドット位置を記録し、か
    つ、前記M組の要素群が各要素群毎に互いに異なる種類
    のドット位置を記録することによって、前記記録媒体の
    有効記録範囲に含まれるすべてのドット位置を記録し得
    るように前記主走査駆動手段と前記ヘッド駆動手段と前
    記副走査駆動手段とを制御するものである、コンピュー
    タ読み取り可能な記録媒体。
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