JPH11300716A - コンクリート型枠用加振装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート製品成形時に良い製品を効率的に
製造するためには、型込め時に型枠を振動したり揺動す
る必要があるが、騒音を発生したり、装置が大型にな
る。これを解決するためには、色々な型枠に簡単に取り
付けられる加振装置を作り、振動を上下方向に与えてコ
ンクリートを充填する成形法で製造するのが良い。 【解決手段】上記の課題を解決する方法として、型枠に
連続水平移動機構を介設した加振装置を発明した。加振
装置は基本的には次のような構成である。コンクリート
型枠１に車輪２を設け、その下部には連続水平移動機
構、即ち連続的に水平移動する凹凸部４付きのコンベヤ
ー装置３を設ける。一方、型枠の側部にガイドローラー
５を設けて、凹凸部４で上下に移動した型枠１を案内さ
せる。このようにして型枠の両端部または片端部を上下
に振動させてコンクリートを充填すると、ほとんど騒音
なしで、効率的に、良好な製品ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、型枠にコンクリートを
流し込んで成形するコンクリート製品の製造に際し、色
々な型枠に取り付けて使用する加振装置とその成形方法
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コンクリート製品成形時の締固め用振動
装置には、従来は型枠自体または型枠用テーブルに偏心
錘付電動モーターを取り付けたり、型枠内部のコンクリ
ートに振動を与える低周波又は高周波振動法や、型枠に
電磁石を取り付けて振動させる方法がある。

【０００３】しかしこれらの方法は型枠を移動させて一
定位置で停止させるため、ストッパー部で騒音を発生す
るものや、または型枠を打撃して騒音や振動が発生する
ものがある。このような装置では作業環境の悪化は勿
論、型枠や駆動の損傷および摩耗が著しい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】棒バイブレーターによ
る型込めは作業工数がかかるし、低周波や高周波振動を
かける成形法は型枠の継目部にダレができやすい。又振
動モーターで型枠を叩くものや電磁石で型枠を移動させ
るものは騒音が大きい。一方、大ストロークかつ長周期
の成形法は装置が大きく、省エネルギー型ではないし、
型込め成形時間がかかり、また流動化剤や混和剤も必要
である。

【０００５】本発明の目的は、構造が簡単で使いやすい
コンクリート成形用の加振装置を提供することである。
生産性が高く、かつ省エネルギー型の本発明の加振装置
は新規の型枠ばかりでなく、既存の型枠にも容易に取り
付けることができ、コンクリート製品成形の作業性と品
質の向上が図れ、かつ騒音の発生も防止することができ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】一般にコンクリートの成
形時に棒バイブレーターで振動を加えたり、型枠自体を
振動すると、生コンクリートが型枠との境界層に移動す
るわけであるが、この原理の応用の１つとして型枠を水
平方向にスライド、揺動、またはツイストする方法など
がある。

【０００７】型込め成形時に発生する騒音を解決するた
めには、型枠自体を振動モーター等で振動させないこと
であるが、型枠を移動させる方式では停止させるため
に、ストッパーが必要であり、ここでの衝突音が騒音と
なる場合が多い。本発明ではこのような騒音源をなくす
ために、型枠を一定位置に取付け、水平方向にスライド
しないで上下方向に移動している。

【０００８】コンクリートの型込めで重要のは型枠の上
下方向移動量、すなわち振幅と振動の周期言い換えると
振動数をいかに設定するかということである。この設定
値を容易に設定するために、本発明の加振装置では振幅
を一定にして、振動数を変える方式を採用している。

【０００９】

【作用】上記目的を達するために、本発明では図１に示
すように型枠に車輪を設け、その下部には水平移動体、
すなわち連続的に水平移動する凹凸付きのコンベアーか
スライド板を設ける。一方、型枠の側部には型枠が上下
に移動するためのガイドローラーとガイド取付用の支柱
を設け、またこの支柱の下部にはコンベヤー用の駆動装
置かクランク装置を設けて、凹凸付きのコンベヤーかス
ライド板と連動する。。

【００１０】上記の構造において、コンベヤーかスライ
ド板の凹凸部に型枠の車輪が乗ると型枠はガイドローラ
ーに沿って上昇してから下降する、この状態を示したの
が図２であるが、この運動を繰返すと型枠に上下の振動
が発生する。このようにして型枠を振動させながら生コ
ンクリートを型枠に注入すると、成形性が良くなり、良
好なコンクリート製品ができる。

【００１１】次に型枠とガイドレールの間に隙間を設け
た実施例を図３に示す。図３の（１）は型枠が上昇する
前の状態を示し、コンベヤーの駆動により型枠の片側の
車輪が凹部または凸部に移ると、型枠は図３の（２）の
ように傾く。しかしガイドローラーで止まるために一定
以上には傾かない。そして更にコンベヤーが移動すると
凹凸部から車輪が外れ、型枠は元の水平状態に戻る。こ
の運動の連続により、型枠の端側が上下振動を繰返す。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例にもとずいて図面を参照して説明する。本発明の締固
め用振動装置の適用対象であるコンクリート成形装置
は、たとえば図１に示すように、型枠１に車輪２を設
け、その下部には、水平移動体の一例、即ち連続的に水
平移動する凹凸部４付きのコンベアー装置３を設ける。
一方型枠１の側部には型枠が上下に移動するためのガイ
ドローラー５とガイド取り付け用の支柱６を設ける。ま
たこの支柱６にはコンベヤー用の駆動装置（図示せず）
が設けられていて凹凸部４付きのコンベヤー３と連動し
ている。

【００１３】上記の構造において、コンベヤー３の凹凸
部４に型枠１の車輪２が乗ると型枠１はガイドローラー
５に沿って上昇してから下降する、この状態を示したの
が図２であるが、この運動を繰返すと型枠は上下の振動
を生ずる。このようにして型枠１を振動させながら生コ
ンクリートを型枠１に注入すると、型枠１での成型性が
良くなり、良好なコンクリート製品ができる。

【００１４】次に型枠１とガイドローラー５の間に隙間
７を設けた実施例を図３に示す。図３の（１）は型枠１
が上昇する前の状態を示し、コンベヤー３の駆動により
型枠１の片側の車輪２が凸部に乗り上げると、型枠１は
図３の（２）のように傾く。しかしガイドローラー５で
止まるため、これ以上は型枠１が傾かない。そして、更
にコンベヤー３が移動すると凹凸部４から車輪２が外
れ、型枠１は元の水平状態に戻る。この運動の繰り返し
により、型枠１の片側が上下振動して型枠内の生コンク
リートを揺動する。

【００１５】本発明の別の実地例を図４に示す。図４の
（１）はコンベヤーの代わりに凹凸部４付きのスライド
板８を設けたもので、スライド板は駆動装置と連結し、
ガイドローラー５上を水平方向に往復運動させると、型
枠１の端部は図４の（２）のように振動する。

【００１６】

【考案の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、次に記載する効果がある。この発明は駆動が水平移
動方式の加振装置であり、型枠をその上に置くことによ
り型枠を上下方向に容易に振動させることができる。ま
た凹凸部のピッチを変えることにより型枠の端側だけが
上下に振動するようになる。

【００１７】本発明の加振装置は型枠に小ストロークの
周期的な振動を上下方向に連続して加えるものであり、
この製造方法によれば、型枠を水平方向に動かすよりも
動力を少なくできるし、設備も簡単になる。また大スト
ロークで長周期の成形方法よりもはるかにコンクリート
製品の成形性がよく、短時間で効率的にコンクリート製
品を製造できる。

【００１８】本発明の型枠用加振装置は、構造が簡単で
取扱いやすく、また小型であるため持ち運びが容易であ
り、型枠の移動を止めるストッパーが必要ないのでほと
んど騒音無しで高品質のコンクリート製品を成形でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】型枠を載せた加振装置の実施例の正面図

【図２】加振装置の上下振動を示す正面図

【図３】水平移動体がコンベヤーの正面図

【図４】水平移動体がスライド板の正面図

【符号の説明】

１ コンクリート型枠 ２ 車輪 ３ コンベヤー ４ 凹凸部 ５ ガイドローラー ６ 支柱 ７ 隙間 ８ スライド板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 型枠の両端部または片端部を水平移動体
   に同期して上下に振動さぜながら生コンクリートを注
   入、充填して成形する製造方法。
2. 【請求項２】型枠の両端部または片端部を水平移動体に
   同期して上下に振動させる構造を有することを特徴とす
   る型枠用加振装置。
3. 【請求項３】連続移動運動又は往復運動をする水平移動
   体を有する請求項１および請求項２の型枠用加振装置。