JPH11300207A - エタノール合成用触媒 - Google Patents

エタノール合成用触媒

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JPH11300207A
JPH11300207A JP10123921A JP12392198A JPH11300207A JP H11300207 A JPH11300207 A JP H11300207A JP 10123921 A JP10123921 A JP 10123921A JP 12392198 A JP12392198 A JP 12392198A JP H11300207 A JPH11300207 A JP H11300207A
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ethylene
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Teruyo Koyanagi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転化率、選択率ともに優れ、かつ長期の連続
使用においても劣化しないエチレンの気相水和反応によ
るエタノールの合成触媒を提供する。 【解決手段】 タングステン、リン、およびケイ素を触
媒の必須活性成分とし、これらを、0.1≦γW≦0.9
8、0.05≦γP≦0.96、0.005≦γSi≦0.
8、(ここで、γW、γP、γSiは触媒の活性成分を
構成する酸素以外の元素の合計に対する組成モル分率を
示す)で表される割合で含有する、エチレンの気相水和
反応によるエタノール合成用触媒。ならびにこの触媒を
使用するエタノールの合成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレンの水和反応
によるエタノールの製造方法に関する。さらに詳しく
は、エチレンの水和反応によるエタノール製造に使用さ
れる触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エタノールは溶剤、医薬品、香料、化学
品の中間原料などとして工業的に重要な化学製品であ
る。従来から、一般にオレフィンは硫酸、スルホン酸な
どの液体の酸、タングストリン酸、タングストケイ酸な
どのヘテロポリ酸、ニオブやタンタルなどの金属の含水
酸化物、ゼオライト触媒などの存在下で比較的容易に水
と反応し、相当する二級または三級アルコールを生成す
ることはよく知られている。しかしながら、エチレンは
炭素数が3個以上のオレフィンに比較して活性化されに
くく、相当するアルコールであるエタノールを生成させ
るためには相当過酷な反応条件を必要とする。
【0003】このため従来、エチレンの水和触媒とし
て、液相反応では高濃度の硫酸や一部のヘテロポリ酸、
気相反応ではシリカまたは珪藻土に担持されたリン酸触
媒などが有効であることが知られている。しかしなが
ら、液相反応では反応に使用された酸の後処理が必要で
ある、反応操作が煩雑である、酸の流出がある、装置の
腐食、あるいは活性が低いなどの問題があり改善が必要
である。特に、最近の製造プロセスでは、気相反応がほ
とんどであり、これまでに多くの触媒が提案されている
が、現在工業的に使用されている触媒は担持リン酸触媒
のみである。
【0004】この担持リン酸触媒は、これまでに選択性
などはかなり改善されているが、エタノール合成反応の
平衡において有利な低温での活性が低く、長期間の連続
運転を実施した場合、連続的に活性成分であるリン酸の
流出が起こり、その結果活性および選択性が低下するた
め継続的にリン酸の供給が必要である。このため、操作
が煩雑になるばかりでなく、リン酸による腐食に耐えう
る材質により反応器および周辺の装置設備を製作するこ
とが必要になる。さらに、近年この問題点は反応操作の
みでなく、特に環境保全の上から廃水処理の必要性など
の問題点が指摘されている。
【0005】このため、これら問題点を解決するため新
規の触媒開発が鋭意行われ、ゼオライト触媒(特公平3-
80136号公報、第76回触媒討論会講演予稿集272(1995)参
照)、担体に担持されたヘテロポリ酸触媒(特開平7-21
7160号公報)の使用などが提案されている。これらの触
媒においては、酸の流出は回避しうるが、エチレンの重
合による副生成物のためエタノール選択率が低い、炭素
析出のため急激な活性の低下があるなどの欠点があり、
未だ工業的に使用しうる段階の触媒には至っていない。
本発明者らもこれまで、タングステンとニオブを主成分
とする金属酸化物触媒(特開平9-263554号公報)、タン
グステンとリンを必須成分とする金属酸化物触媒(特開
平7-330642号公報)がエチレンと水とを気相で接触水和
反応させてエタノールを効率よく合成することを報告し
ている。さらに後者の触媒系についてはあらかじめシリ
カ上に酸化タングステンおよび/またはその前駆体の微
細な粒子をリン酸の共存下、500〜1100℃の温度
で加熱処理することにより活性、選択性が高まることを
見いだしている(特開平9-262475号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の先行技術においても、触媒活性やその経時的な安定性
が未だ不充分であり、工業的に用いるためには更に改良
が必要である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するため、タングステンとリンを必須活性成
分とする酸化物触媒についてさらに研究を継続した結
果、驚くべきことに、特定の量のケイ素を存在させるこ
とにより、活性、選択性、寿命などの性能が著しく改善
されることを見いだし本発明に至ったものである。
【0008】すなわち、本発明は、タングステン、リ
ン、およびケイ素を触媒の必須活性成分とし、これら
を、 0.1≦γW≦0.98 0.05≦γP≦0.96 0.005≦γSi≦0.8 (ここで、γW、γP、γSiは触媒の活性成分を構成
する酸素以外の元素の合計に対する組成モル分率を示
す)で表される割合で含有する、エチレンの気相水和反
応によるエタノール合成用触媒を提供するものである。
また本発明は、加水分解および/または焼成により酸化
物に変換されるタングステン化合物、リン酸類および粒
子の平均直径が100μm以下の酸化ケイ素を原料とし
て製造される、上記のエタノール合成用触媒を提供する
ものである。さらにまた本発明は、上記に記載のエタノ
ール合成用触媒を使用し、エチレンと水を水/エチレン
モル比が0.1〜30の範囲で供給し、100〜400
℃の温度範囲、大気圧〜100Kg/cm2以下の圧力
範囲の気相で水和反応させることを特徴とする、エタノ
ールの合成方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】<触媒構成成分>本発明による触
媒の必須活性成分は、タングステン、リン、およびケイ
素である。このうちのケイ素はシリカとして触媒の表面
積や細孔容量を増大させる物理的な効果ではなくて、タ
ングステン、リンと化学的な相互作用を有し、これら3
種の元素を必須活性成分とする新規の酸化物触媒を形成
するものと推定される。したがって、本発明において活
性成分とは、単なる担体のごとき成分ではなく、各元素
が化学的相互作用で活性を発現するものである。また、
エチレンと水との気相接触水和反応に好適に作用するた
めには、触媒の必須活性成分であるタングステン、リ
ン、ケイ素の各構成元素が、 0.1≦γW≦0.98、好ましくは0.1≦γW≦0.9 0.05≦γP≦0.96、好ましくは0.1≦γP≦0.
6 0.005≦γSi≦0.8、好ましくは0.01≦γS
i≦0.6 (ここで、γW、γP、γSiは触媒の活性成分を構成
する酸素以外の元素の合計に対する組成モル分率を示
す)の割合で含有されていることが必要である。
【0010】<触媒の製造>触媒を構成する元素のうち
のタングステン、リンの供給源としては、加水分解及び
その後の焼成により酸化物に変換される化合物であり、
例えば、各種のタングステン酸塩、具体的にはメタタン
グステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニ
ウム;各種のリン酸、具体的には正リン酸、メタリン
酸、無水リン酸などが使用される。また、ケイ素の供給
源としては、酸化ケイ素、あるいは加水分解及びその後
の焼成により酸化物に変換されるケイ素の化合物、具体
的にはテトラメトキシケイ素、テトラエトキシケイ素、
テトライソプロポキシケイ素などのアルコキシド、四塩
化ケイ素などのハロゲン化物、あるいは、タングステ
ン、リン、ケイ素を含むヘテロポリ酸およびその塩、具
体的にはケイタングステン酸およびそれらのアンモニウ
ム塩や有機アミン塩などを原料に使用することも可能で
ある。ここで酸化ケイ素をケイ素の供給源として用いる
際には、粒子の平均直径が100μm以下であるのが好
ましい。これは、タングステンおよびリンとケイ素が触
媒活性成分を速やかに形成させるためであろうと推察さ
れる。酸化ケイ素の粒径は好ましくは70μm以下、よ
り好ましくは50μm以下である。このような酸化ケイ
素としては、コロイダルシリカやこの粒径を満足するシ
リカゾル、ケイ素のアルコキシドを気相で分解させて調
製した微粉状の酸化ケイ素などが具体的に例示される。
【0011】タングステンの供給源としては、タングス
テン酸、たとえばパラタングステン酸またはそれの塩、
たとえばパラタングステン酸アンモニウム、あるいはタ
ングステン、リン、ケイ素を含むヘテロポリ酸およびそ
の塩、具体的にはリンタングステン酸、ケイタングステ
ン酸およびそれらのアンモニウム塩や有機アミン塩など
を原料に使用することも可能である。また、タングステ
ンの原料として酸化タングステンを使用する場合、触媒
活性成分の形成を促進させるためには、酸化タングステ
ンの平均粒子直径が1000μm以下であることが好ま
しい。
【0012】触媒の製法としては、タングステンの酸化
物および/またはその前駆体とリン酸類とケイ素の酸化
物および/またはその前駆体を従来から行われている沈
殿法、共沈法、含浸法、混練法などにより製造する方法
を採用することができる。さらに詳しくは、例えば、パ
ラタングステン酸アンモニウムの熱分解で得た酸化タン
グステン、リン酸、平均粒子直径が100μm以下のコ
ロイダルシリカを十分に混合した後成型し焼成して製造
することができる。なお、成型が円滑に行われるように
セルロースや炭水化物を添加することも可能である。こ
こで有効な触媒活性成分を得るためにはタングステン、
リン、ケイ素の化合物を共存させた後の加熱処理温度が
重要であり、400〜1100℃、好ましくは500〜
900℃の範囲で実施される。この加熱処理操作の雰囲
気は特に制限されず、ヘリウム、アルゴンなどの不活性
ガス、空気、窒素、二酸化炭素、水蒸気などの雰囲気
下、あるいは真空中で実施可能である。
【0013】本発明で提案される触媒活性成分に本発明
の効果を損なわない範囲で他の元素を添加することもで
きる。また、本発明で提案される触媒活性成分を周知の
担体に担持させて使用することも可能である。具体的に
は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、アルミ
ノケイ酸塩、炭化ケイ素、珪藻土、活性炭などが例示さ
れるが、これらのうち、シリカが最も良好である。
【0014】ここで担体成分として存在されるシリカを
構成するケイ素と、触媒活性成分を構成するケイ素とは
明らかにその役割が異なる。すなわち本発明で提案する
活性成分においてはケイ素がタングステンおよびリンと
化学的な相互作用を有し、その状態の詳細は未だ明らか
ではないが、シリカを構成するケイ素とは化学的な状態
が異なる。この様子は例えば、29Si-固体NMR測定を
行い、シリカ担体中のケイ素と、タングステン、リンお
よびケイ素からなる活性成分中のケイ素の化学的な状態
が異なることから確認することができる。なお上記の担
体成分は、触媒活性成分を調製する際に共存させてもよ
く、あるいは触媒活性成分を調製後、さらに担体成分と
混合希釈して使用することも可能である。本発明による
触媒の形状は特に制限されず、柱状、錠剤、球状、粒
状、顆粒状、板状などで使用することができる。
【0015】本発明による触媒は、エチレンの水和反応
に対し活性および選択性が高く、しかも従来の触媒の欠
点である酸の流出がなく、このためなんら性能維持のた
めの物質を補給することなしで経時的な安定性が優れ
る。このため、エタノール合成工程が大幅に合理化され
るとともに、環境への負荷が大きく改善される。
【0016】本発明による触媒の前記したような効果
は、活性成分であるタングステン、リンおよびケイ素や
これらに化学結合する酸素が密に相互作用し新たな触媒
活性成分を構成することで生起されていると考えられる
が、その詳細な内容は明らかではない。従来、タングス
テンはリン、およびケイ素と典型的なヘテロポリ酸であ
るリンタングステン酸、ケイタングステン酸を生成する
ことがよく知られているが、これらヘテロポリ酸は40
0℃以上の高温では安定に存在せず、本発明のような、
例えば600℃以上の温度での加熱処理では構造が破壊
されることが知られており、本反応の触媒活性点が従来
から知られているヘテロポリ酸とは異なる新規の活性成
分を生成していることが示唆される。さらに、この触媒
活性成分はこれまで報告しているタングステンとリンか
ら形成される触媒やシリカを物理的な担体として使用し
たタングステンとリンから成る酸化物触媒とは、活性、
選択性、寿命の上で格段の向上が見られる。
【0017】<エチレンの気相水和反応>本発明の方法
により調製された触媒の効果を最もよく享受することが
できるのは、エチレンと水を原料とする気相の水和反応
において、該触媒を100〜400℃の温度範囲、特に
150〜350℃の温度範囲で使用する場合である。反
応圧力は一般に高くするほど高い転化率が得られ好まし
いが、過度の圧力の増大は副生成物を増大する恐れがあ
るので、反応は通常100Kg/cm2以下、好ましく
は20〜80Kg/cm2の圧力範囲で実施される。反
応器に供給されるエチレンと水とのモル比は、反応条件
下で水の凝縮が起こらないようにエチレン:水=1:
0.1〜30、好ましくは1:0.1〜5の範囲内で設定
することができる。
【0018】この反応に使用される反応装置について
は、特に制限はなく、固定床、流動層、移動床などの反
応器を備えた通常の気相流通型反応装置を使用すること
ができる。エチレンと水からのエタノール合成反応の主
たる副生成物は、エチレンの重合反応により生成する炭
化水素類、アセトアルデヒド、エチルエーテル等の含酸
素化合物であるが、エチルエーテルはエタノールが逐次
的に脱水縮合したものであり、水和反応器へ再循環する
ことでエタノールとして回収することが可能である。
【0019】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。また、触媒の性能を適切
に表すため、触媒の性能のうちの目的物質の選択性につ
いては、エタノール+エチルエーテルの総和で表示す
る。 (参考例 触媒の調製)パラタングステン酸アンモニウ
ム・5水和物を空気中500℃で加熱処理して得た酸化
タングステンに、ケイ素の原料としてコロイダルシリカ
(シリカの平均粒子径 約20μm;水分散液中のシリ
カの含有量20重量%)およびリン酸水溶液(リン酸含
有量75重量%)をそれぞれ所定の量はかりとり、ここ
に少量の水を添加してペースト状に混練した。さらにこ
のペースト状混合物に成型助剤として結晶性セルロース
(旭化成(株)製アビセルTG-101)を前記のタングステ
ン、リン、ケイ素の混合酸化物(乾燥後の相当重量)の
5%を加え、さらに十分に混練した。次に85℃まで昇
温し、この温度のもとで混練を継続し粘土状とした。こ
の物質を押し出し成型機により直径3mm、長さ5mm
の円柱状に成型した。得られた成型体を空気中150℃
で15時間乾燥させた後、700℃で3時間焼成した。
このような方法により各元素の添加量を変化させて表−
1に掲げた組成の触媒1〜8、および比較触媒2を調製
した。なお、表−1においては触媒組成をγW、γP、
γSiで表示しているが、これらは触媒の活性成分を構
成する酸素以外の元素の合計に対する組成モル分率を示
す。なお、比較触媒−1はケイ素を添加しない他は前記
と同様に調製した。
【0020】
【表1】
【0021】本発明の触媒−3、ならびに比較触媒−1
及び2の29Si−NMR測定結果を図1に示す。図1か
ら見られるように、本発明の触媒−3ではSiO2中のS
iとは異なる化学シフトを有するシグナルが現れてい
る。比較触媒−1では何のシグナルも現れず、比較触媒
−2ではSiO2中のSiによるシグナルが現れている。
【0022】(実施例 1〜8)参考例に記したように
して調製された触媒-1〜8の各々10mlをステンレ
ス製固定床流通型反応器(内径16mm)に充填し、水
蒸気/エチレンモル比0.4の混合ガスを反応温度200
℃、反応圧力5Kg/cm2−G、空間速度900hr-1
(常圧換算)で供給し気相接触水和反応を行った。反応
開始後5時間経過し反応が安定化したことを確認した
後、反応器出口から得られた物質全量をガスクロマトグ
ラフにより定量分析を行った。分析結果をもとに反応成
績を算出した結果を表-2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】(比較例 1)参考例に記したようにして
調製された比較触媒−1を10ml用いて実施例1と同
様にエチレンの気相水和反応を行った。反応結果を表-
3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】表2および表3の結果から、本発明の触媒
は、ケイ素を含有しない触媒に比較してエチレン転化率
が優れていることが判る。
【0027】(実施例 9)参考例に記したようにして
調製された触媒-3を30mlSUS製固定床流通型反
応器(内径27.2mm)に充填し、水蒸気/エチレンモ
ル比0.4の混合ガスを反応温度250℃、反応圧力5
0Kg/cm2−G、空間速度900hr-1(常圧換算)
で供給し気相接触水和反応を行った。反応開始後5時間
経過し反応が安定化したことを確認した後、反応器出口
から得られた物質全量をガスクロマトグラフにより定量
分析を行った。分析結果をもとに反応成績を算出した結
果を表-4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】(比較例 2)市販のシリカにリン酸水溶
液(約85重量%)を含浸させて担持量を約50重量%
とし、得られた比較触媒−3の10mlを使用し、実施
例9と同様にしてエチレンの気相水和反応を行った。反
応結果を表-5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】表4および表5の結果から、本発明の触媒
は、比較触媒−3に比べて、高圧反応下においてエチレ
ン転化率が優れていることが判る。
【0032】(実施例 10)参考例に記されたように
調製された触媒-3を用いて、実施例3の反応条件のも
とで900時間反応を継続した。反応成績の変化を表-
6に示す。
【0033】
【表6】
【0034】(比較例 3)参考例に記したようにして
調製された比較触媒2を用いて、実施例10と同様の反
応条件のもとで900時間反応を継続した。反応成績の
変化を表-7に示す。
【0035】
【表7】
【0036】表6および表7の結果から、本発明の触媒
は900時間でも劣化しないのに対し、比較触媒−2は
急激に劣化していることが判る。
【0037】(実施例 11)参考例に記した触媒-3
とタングステン、リン、ケイ素の組成は同様であるが、
ケイ素の原料として平均粒子径が150μmのシリカを
使用して触媒−9を調製した。このようにして調製され
た触媒を用いて実施例3と同様にエチレンの気相水和反
応を行った。結果を表-8に示す。
【0038】
【表8】
【0039】表2における実施例−3の結果および表8
の結果から、本発明触媒においてはシリカ粒径の細かい
ものの方が、エチレン転化率および選択率ともに優れて
いることが判る。
【0040】
【発明の効果】本発明の触媒は上記のように構成したの
で、エチレンの気相水和反応によるエタノールの合成に
おいて、転化率、選択率ともに優れ、かつ長期の連続使
用においても劣化しない触媒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒−3、比較触媒−1および2の29
Si−NMR測定結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 すなわち、本発明は、焼成により酸化物
に変換されるタングステン化合物、リン酸類、および粒
子の平均直径が100μm以下の酸化ケイ素を共存させ
た後、400〜1100℃の範囲の温度で加熱処理して
製造されるエチレンの気相水和反応によるエタノール合
成用触媒であって、タングステン、リン、およびケイ素
を触媒の必須活性成分とし、これらを、 0.1≦γW≦0.9 0.05≦γP≦0.960.01 ≦γSi≦0.6 (ここで、γW、γP、γSiは触媒の活性成分を構成
する酸素以外の元素の合計に対する組成モル分率を示
す)で表される割合で含有する、エチレンの気相水和反
応によるエタノール合成用触媒を提供するものである。
また本発明は、上記に記載のエタノール合成用触媒を使
用し、エチレンと水を水/エチレンモル比が0.1〜3
0の範囲で供給し、100〜400℃の温度範囲、大気
圧〜100Kg/cm以下の圧力範囲の気相で水和反
応させることを特徴とする、エタノールの合成方法を提
供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明の実施の形態】<触媒構成成分>本発明による触
媒の必須活性成分は、タングステン、リン、およびケイ
素である。このうちのケイ素はシリカとして触媒の表面
積や細孔容量を増大させる物理的な効果ではなくて、タ
ングステン、リンと化学的な相互作用を有し、これら3
種の元素を必須活性成分とする新規の酸化物触媒を形成
するものと推定される。したがって、本発明において活
性成分とは、単なる担体のごとき成分ではなく、各元素
が化学的相互作用で活性を発現するものである。また、
エチレンと水との気相接触水和反応に好適に作用するた
めには、触媒の必須活性成分であるタングステン、リ
ン、ケイ素の各構成元素が、 0.1≦γW≦0.9 0.05≦γP≦0.96、好ましくは0.1≦γP≦
0.60.01 ≦γSi≦0.6 (ここで、γW、γP、γSiは触媒の活性成分を構成
する酸素以外の元素の合計に対する組成モル分率を示
す)の割合で含有されていることが必要である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】<触媒の製造>触媒を構成する元素のうち
のタングステン、リンの供給源としては、加水分解及び
その後の焼成により酸化物に変換される化合物であり、
例えば、各種のタングステン酸塩、具体的にはメタタン
グステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニ
ウム;各種のリン酸、具体的には正リン酸、メタリン
酸、無水リン酸などが使用される。また、ケイ素の供給
源としては、酸化ケイ素が使用される。ここで用いる
化ケイ素、粒子の平均直径が100μm以下のものを
用いる。これは、タングステンおよびリンとケイ素が触
媒活性成分を速やかに形成させるためであろうと推察さ
れる。酸化ケイ素の粒径は好ましくは70μm以下、よ
り好ましくは50μm以下である。このような酸化ケイ
素としては、コロイダルシリカやこの粒径を満足するシ
リカゾル、ケイ素のアルコキシドを気相で分解させて調
製した微粉状の酸化ケイ素などが具体的に例示される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】触媒の製法としては、タングステンの酸化
物および/またはその前駆体とリン酸類と平均粒子直径
が100μm以下のケイ素の酸化物を従来から行われて
いる沈殿法、共沈法、含浸法、混練法などにより製造す
る方法を採用することができる。さらに詳しくは、例え
ば、パラタングステン酸アンモニウムの熱分解で得た酸
化タングステン、リン酸、平均粒子直径が100μm以
下のコロイダルシリカを十分に混合した後成型し焼成し
て製造することができる。なお、成型が円滑に行われる
ようにセルロースや炭水化物を添加することも可能であ
る。ここで有効な触媒活性成分を得るためにはタングス
テン、リン、ケイ素の化合物を共存させた後の加熱処理
温度が重要であり、400〜1100℃、好ましくは5
00〜900℃の範囲で実施される。この加熱処理操作
の雰囲気は特に制限されず、ヘリウム、アルゴンなどの
不活性ガス、空気、窒素、二酸化炭素、水蒸気などの雰
囲気下、あるいは真空中で実施可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小柳 照代 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 渡辺 芳久 茨城県牛久市南4丁目27−1

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステン、リン、およびケイ素を触
    媒の必須活性成分とし、これらを、 0.1≦γW≦0.98 0.05≦γP≦0.96 0.005≦γSi≦0.8 (ここで、γW、γP、γSiは触媒の活性成分を構成
    する酸素以外の元素の合計に対する組成モル分率を示
    す)で表される割合で含有する、エチレンの気相水和反
    応によるエタノール合成用触媒。
  2. 【請求項2】 必須活性成分を、 0.1≦γW≦0.9 0.1≦γP≦0.6 0.01≦γSi≦0.6 で表される割合で含有する、請求項1に記載のエタノー
    ル合成用触媒。
  3. 【請求項3】 加水分解および/または焼成により酸化
    物に変換されるタングステン化合物、リン酸類および粒
    子の平均直径が100μm以下の酸化ケイ素を原料とし
    て製造される、請求項1または2に記載のエタノール合
    成用触媒。
  4. 【請求項4】 焼成により酸化物に変換されるタングス
    テン、リンおよび酸化ケイ素の化合物を共存させた後、
    400〜1100℃の範囲の温度で加熱処理することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエ
    タノール合成用触媒。
  5. 【請求項5】 平均粒子直径が1000μm以下の酸化
    タングステンを原料として製造される請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載のエタノール合成用触媒。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    エタノール合成用触媒を使用し、エチレンと水を水/エ
    チレンモル比が0.1〜30の範囲で供給し、100〜
    400℃の温度範囲、大気圧〜100Kg/cm2以下
    の圧力範囲の気相で水和反応させることを特徴とする、
    エタノールの合成方法。
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