JPH11300206A - 気相酸化触媒及びそれを用いた無水フタル酸の製造方法 - Google Patents
気相酸化触媒及びそれを用いた無水フタル酸の製造方法Info
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- JPH11300206A JPH11300206A JP10107232A JP10723298A JPH11300206A JP H11300206 A JPH11300206 A JP H11300206A JP 10107232 A JP10107232 A JP 10107232A JP 10723298 A JP10723298 A JP 10723298A JP H11300206 A JPH11300206 A JP H11300206A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Catalysts (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 触媒活性を下げることなく、十分高いo−キ
シレン転換率においては高い選択率で無水フタル酸を製
造することができる改良バナジウム−チタン系複合酸化
物触媒及びそれを用いる無水フタル酸の製造方法の提
供。 【解決手段】 1.o−キシレンを分子状酸素含有ガス
により気相接触酸化して無水フタル酸を製造するための
触媒であって、バナジウム、チタン及びテルルを活性成
分として含有する複合酸化物からなることを特徴とする
無水フタル酸製造用触媒。 2.1項に記載の触媒を用いて、o−キシレンを分子状
酸素含有ガスにより気相接触酸化することを特徴とする
無水フタル酸の製造方法。
シレン転換率においては高い選択率で無水フタル酸を製
造することができる改良バナジウム−チタン系複合酸化
物触媒及びそれを用いる無水フタル酸の製造方法の提
供。 【解決手段】 1.o−キシレンを分子状酸素含有ガス
により気相接触酸化して無水フタル酸を製造するための
触媒であって、バナジウム、チタン及びテルルを活性成
分として含有する複合酸化物からなることを特徴とする
無水フタル酸製造用触媒。 2.1項に記載の触媒を用いて、o−キシレンを分子状
酸素含有ガスにより気相接触酸化することを特徴とする
無水フタル酸の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相接触酸化触媒
及びそれを用いた無水フタル酸の製造方法に関する。詳
しくは、バナジウム、チタン及びテルルを活性成分とし
て含有する複合酸化物からなる気相接触酸化触媒及びそ
れを用いたo−キシレンの気相接触酸化による無水フタ
ル酸の製造方法に関する。無水フタル酸は、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレー
トとして可塑剤、潤滑剤に使用される他、ポリエステル
樹脂、アルキッド樹脂等に用いられる重要な原料化合物
である。
及びそれを用いた無水フタル酸の製造方法に関する。詳
しくは、バナジウム、チタン及びテルルを活性成分とし
て含有する複合酸化物からなる気相接触酸化触媒及びそ
れを用いたo−キシレンの気相接触酸化による無水フタ
ル酸の製造方法に関する。無水フタル酸は、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレー
トとして可塑剤、潤滑剤に使用される他、ポリエステル
樹脂、アルキッド樹脂等に用いられる重要な原料化合物
である。
【0002】
【従来の技術】酸化バナジウム及び酸化チタンを活性成
分として含有する無水フタル酸製造用触媒は従来から知
られている(特公昭46−6975号、特開昭47−1
8785号各公報)。また、これらの二成分を主要成分
とする触媒であって、組成の異なる触媒を二層で用いる
ことを特徴とする無水フタル酸の製造方法も開示されて
いる(特公昭51−42096号、特開昭51−437
32号公報)。また、無水フタル酸製造用触媒として酸
化バナジウム−酸化チタンの基本成分の他に、助触媒成
分の元素として、ニオブ、リン、カリウム、セシウムを
加えたもの(特公昭49−41036号公報)や助触媒
成分の元素として、セシウム、ルビジウムを加えたもの
(特開昭51−49189号公報)も知られている。
分として含有する無水フタル酸製造用触媒は従来から知
られている(特公昭46−6975号、特開昭47−1
8785号各公報)。また、これらの二成分を主要成分
とする触媒であって、組成の異なる触媒を二層で用いる
ことを特徴とする無水フタル酸の製造方法も開示されて
いる(特公昭51−42096号、特開昭51−437
32号公報)。また、無水フタル酸製造用触媒として酸
化バナジウム−酸化チタンの基本成分の他に、助触媒成
分の元素として、ニオブ、リン、カリウム、セシウムを
加えたもの(特公昭49−41036号公報)や助触媒
成分の元素として、セシウム、ルビジウムを加えたもの
(特開昭51−49189号公報)も知られている。
【0003】以上のようにこれらの公知触媒はそれぞれ
特徴点を備え、工業的にも極めて有効なものもある。し
かし、触媒性能の向上の余地は未だに残されており、選
択率1%の向上であっても製造規模を考慮するとその経
済的効果は大きい。更に選択率の向上により高品質の製
品を安価に製造できる効果も有しており、原料を有効に
用いるためにも重要である。その他に生産性の向上及び
触媒活性の維持による安定した生産の確保等も重要であ
る。生産性を上げる方法の一つは原料濃度を上げる等高
負荷反応条件下で反応を行うことである。しかし、無水
フタル酸を得る酸化反応は著しい発熱を伴うため、高濃
度条件下ではホットスポット部における温度上昇が著し
く過度の酸化反応が起こり、無水フタル酸の収率が低下
するばかりでなく同時に触媒の劣化が促進されることに
なる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記
の触媒を用いた場合、高い原料濃度の高負荷反応条件下
においては無水フタル酸の収率が低いばかりでなく、触
媒性能の安定性の面でも不十分であることが判明した。
特徴点を備え、工業的にも極めて有効なものもある。し
かし、触媒性能の向上の余地は未だに残されており、選
択率1%の向上であっても製造規模を考慮するとその経
済的効果は大きい。更に選択率の向上により高品質の製
品を安価に製造できる効果も有しており、原料を有効に
用いるためにも重要である。その他に生産性の向上及び
触媒活性の維持による安定した生産の確保等も重要であ
る。生産性を上げる方法の一つは原料濃度を上げる等高
負荷反応条件下で反応を行うことである。しかし、無水
フタル酸を得る酸化反応は著しい発熱を伴うため、高濃
度条件下ではホットスポット部における温度上昇が著し
く過度の酸化反応が起こり、無水フタル酸の収率が低下
するばかりでなく同時に触媒の劣化が促進されることに
なる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記
の触媒を用いた場合、高い原料濃度の高負荷反応条件下
においては無水フタル酸の収率が低いばかりでなく、触
媒性能の安定性の面でも不十分であることが判明した。
【0004】酸化バナジウム−酸化チタン系触媒の性能
改良のために、その他の第三成分を添加した触媒がその
後もいろいろと提案されている。例えば、テルル酸化物
を添加した触媒が特公昭46−15287号、特公昭4
9−41274号、特開昭61−90737号各公報等
に提案されている。また、無水フタル酸の選択率を改良
するために、助触媒成分の元素として、セシウム等のア
ルカリ金属、又はアンチモン等の添加が有効であること
も知られている。
改良のために、その他の第三成分を添加した触媒がその
後もいろいろと提案されている。例えば、テルル酸化物
を添加した触媒が特公昭46−15287号、特公昭4
9−41274号、特開昭61−90737号各公報等
に提案されている。また、無水フタル酸の選択率を改良
するために、助触媒成分の元素として、セシウム等のア
ルカリ金属、又はアンチモン等の添加が有効であること
も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、テルル
酸化物については、特公昭46−15287号公報又は
同49−41274号公報に開示された触媒は、テルル
酸化物に加えてそれぞれピロ硫酸カリウム又は硫酸カリ
ウムが必須であり、テルル酸化物単独の効果は不明であ
る。また、特開昭61−90737号公報には、テルル
が添加元素の一つとして挙げられているに過ぎず、その
添加効果については何の説明もなく、実施例も示されて
いない。また、セシウム等アルカリ金属の場合、高い選
択率で無水フタル酸を得るにはオルトキシレン転換率を
低く抑えなければならず、反応を押し切ることができな
い。また、その添加により触媒活性が下がり無水フタル
酸の生産量が下がってします。一方、アンチモンの場
合、高濃度反応条件ではもはやその添加効果が認められ
ない。本発明は、触媒活性を下げることなく、十分高い
o−キシレン転換率においても高い選択率で無水フタル
酸を製造することができる改良バナジウム−チタン系複
合酸化物触媒を提供することを目的とする。
酸化物については、特公昭46−15287号公報又は
同49−41274号公報に開示された触媒は、テルル
酸化物に加えてそれぞれピロ硫酸カリウム又は硫酸カリ
ウムが必須であり、テルル酸化物単独の効果は不明であ
る。また、特開昭61−90737号公報には、テルル
が添加元素の一つとして挙げられているに過ぎず、その
添加効果については何の説明もなく、実施例も示されて
いない。また、セシウム等アルカリ金属の場合、高い選
択率で無水フタル酸を得るにはオルトキシレン転換率を
低く抑えなければならず、反応を押し切ることができな
い。また、その添加により触媒活性が下がり無水フタル
酸の生産量が下がってします。一方、アンチモンの場
合、高濃度反応条件ではもはやその添加効果が認められ
ない。本発明は、触媒活性を下げることなく、十分高い
o−キシレン転換率においても高い選択率で無水フタル
酸を製造することができる改良バナジウム−チタン系複
合酸化物触媒を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み鋭意検討した結果、バナジウム−チタン系複合酸
化物触媒にテルルを導入することにより、上記課題が解
決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
に鑑み鋭意検討した結果、バナジウム−チタン系複合酸
化物触媒にテルルを導入することにより、上記課題が解
決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、 1.o−キシレンを分子状酸素含有ガスにより気相接触
酸化して無水フタル酸を製造するための触媒であって、
バナジウム、チタン及びテルルを活性成分として含有す
る複合酸化物からなることを特徴とする無水フタル酸製
造用触媒、 2.1項に記載の触媒を用いて、o−キシレンを分子状
酸素含有ガスにより気相接触酸化することを特徴とする
無水フタル酸の製造方法、にある。 以下、本発明を詳細に説明する。
酸化して無水フタル酸を製造するための触媒であって、
バナジウム、チタン及びテルルを活性成分として含有す
る複合酸化物からなることを特徴とする無水フタル酸製
造用触媒、 2.1項に記載の触媒を用いて、o−キシレンを分子状
酸素含有ガスにより気相接触酸化することを特徴とする
無水フタル酸の製造方法、にある。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】(1)気相酸化触媒 本発明の気相酸化触媒は、バナジウム、チタン及びテル
ルを活性成分として含有する複合酸化物からなるもので
ある(以下、バナジウム、チタン及びテルルを活性成分
として含有する複合酸化物を「触媒活性物質」というこ
ともある)。ここで、触媒成分としては、酸化バナジウ
ムをV2 O5 として1〜30重量部、酸化チタンをTi
O2 として99〜70重量部(但し、V2 O5 又はTi
O2の量は、V2 O5 とTiO2 との合計100重量部
に対するものである)、且つこれら二成分(即ち、V2
O5 としての酸化バナジウム及びTiO2 としての酸化
チタン)の合計100重量部に対して、酸化テルルをT
eO3 として通常0.01〜10重量部、好ましくは
0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部
含有することが好ましい。また、触媒活性物質中のテル
ル/バナジウムのモル比は、通常0.005〜0.5、
好ましくは0.01〜0.4である。テルル/バナジウ
ムのモル比が小さすぎるとテルル添加による触媒活性の
向上の効果が不十分であり、一方、大きすぎると酸化活
性が不十分となる惧れがある。
ルを活性成分として含有する複合酸化物からなるもので
ある(以下、バナジウム、チタン及びテルルを活性成分
として含有する複合酸化物を「触媒活性物質」というこ
ともある)。ここで、触媒成分としては、酸化バナジウ
ムをV2 O5 として1〜30重量部、酸化チタンをTi
O2 として99〜70重量部(但し、V2 O5 又はTi
O2の量は、V2 O5 とTiO2 との合計100重量部
に対するものである)、且つこれら二成分(即ち、V2
O5 としての酸化バナジウム及びTiO2 としての酸化
チタン)の合計100重量部に対して、酸化テルルをT
eO3 として通常0.01〜10重量部、好ましくは
0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部
含有することが好ましい。また、触媒活性物質中のテル
ル/バナジウムのモル比は、通常0.005〜0.5、
好ましくは0.01〜0.4である。テルル/バナジウ
ムのモル比が小さすぎるとテルル添加による触媒活性の
向上の効果が不十分であり、一方、大きすぎると酸化活
性が不十分となる惧れがある。
【0009】本発明に用いる酸化チタンは比表面積が通
常7〜60m2 /g、好ましくは7〜20m2 /gのア
ナターゼ型酸化チタンである。このアナターゼ型酸化チ
タンは通常、イルメナイト鉱を原料鉱石とする“硫酸
法”により得ることができる。従って、このアナターゼ
型酸化チタンは製造工程に由来する、鉄、亜鉛、アルミ
ニウム、マンガン、クロム、カルシウム、鉛、カリウ
ム、ニオビウム等が混入する場合があるが、酸化チタン
に対して酸化物として0.1重量%以下程度であれば触
媒性能上実質的に特に問題はない。本発明における触媒
活性物質の調製法としては、最終的な使用形態において
本発明の元素の組み合わせと量比を満足させうるもので
あり、且つ使用に耐えうる形態のものであれば如何なる
方法をも採用することができる。例えば、沈殿法、蒸発
乾固法、スラリー法、含浸法、CVD法等が例示され
る。このような調製法により得た組成物を所定の温度で
焼成し反応に供する。焼成は通常350〜700℃、1
〜24時間、好ましくは400〜600℃、2〜10時
間で空気、酸素、窒素等のガス存在下、或いは非存在下
で、通常の炉を用いて行うことができる。例えば本触媒
を調製する際のバナジウム及びテルルの出発原料として
は、V2O5 、TeO3 等の酸化物が挙げられる。この
他に、シュウ酸バナジル、蟻酸バナジル、酒石酸バナジ
ル、バナジン酸アンモニウム、テルル酸塩、各元素の硝
酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩、水酸化物等を
使用することができる。
常7〜60m2 /g、好ましくは7〜20m2 /gのア
ナターゼ型酸化チタンである。このアナターゼ型酸化チ
タンは通常、イルメナイト鉱を原料鉱石とする“硫酸
法”により得ることができる。従って、このアナターゼ
型酸化チタンは製造工程に由来する、鉄、亜鉛、アルミ
ニウム、マンガン、クロム、カルシウム、鉛、カリウ
ム、ニオビウム等が混入する場合があるが、酸化チタン
に対して酸化物として0.1重量%以下程度であれば触
媒性能上実質的に特に問題はない。本発明における触媒
活性物質の調製法としては、最終的な使用形態において
本発明の元素の組み合わせと量比を満足させうるもので
あり、且つ使用に耐えうる形態のものであれば如何なる
方法をも採用することができる。例えば、沈殿法、蒸発
乾固法、スラリー法、含浸法、CVD法等が例示され
る。このような調製法により得た組成物を所定の温度で
焼成し反応に供する。焼成は通常350〜700℃、1
〜24時間、好ましくは400〜600℃、2〜10時
間で空気、酸素、窒素等のガス存在下、或いは非存在下
で、通常の炉を用いて行うことができる。例えば本触媒
を調製する際のバナジウム及びテルルの出発原料として
は、V2O5 、TeO3 等の酸化物が挙げられる。この
他に、シュウ酸バナジル、蟻酸バナジル、酒石酸バナジ
ル、バナジン酸アンモニウム、テルル酸塩、各元素の硝
酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩、水酸化物等を
使用することができる。
【0010】本発明の触媒活性物質はこれを単独で使用
しても、或いは担体に担持させて使用してもよい。担体
としては反応温度よりも十分高い温度で安定であり、触
媒活性成分と反応しない耐熱性無機質担体が用いられ
る。このような耐熱性無機質担体の例としては、シリコ
ンカーバイド、アルミナ、溶融又は焼結珪酸塩等を使用
することができる。この担体の形状については特に制限
はないが、球状、円柱状のものが取り扱い上好適であ
り、その平均直径が2〜15mm程度のものが好適に使
用される。担持量は担体の大きさによって異なるが、触
媒活性物質は担体に対して通常2〜140重量%、好ま
しくは2〜30重量%の量で担持される。上記触媒活性
物質を担持させる方法については特に制限はなく、一般
に用いられている方法によって担持することができる。
特に外部から加熱可能な回転ドラムに担体を入れ、20
0℃以上の一定温度に加熱しつつ触媒活性物質を含有す
るスラリーを噴霧し担持させる方法が簡便である。
しても、或いは担体に担持させて使用してもよい。担体
としては反応温度よりも十分高い温度で安定であり、触
媒活性成分と反応しない耐熱性無機質担体が用いられ
る。このような耐熱性無機質担体の例としては、シリコ
ンカーバイド、アルミナ、溶融又は焼結珪酸塩等を使用
することができる。この担体の形状については特に制限
はないが、球状、円柱状のものが取り扱い上好適であ
り、その平均直径が2〜15mm程度のものが好適に使
用される。担持量は担体の大きさによって異なるが、触
媒活性物質は担体に対して通常2〜140重量%、好ま
しくは2〜30重量%の量で担持される。上記触媒活性
物質を担持させる方法については特に制限はなく、一般
に用いられている方法によって担持することができる。
特に外部から加熱可能な回転ドラムに担体を入れ、20
0℃以上の一定温度に加熱しつつ触媒活性物質を含有す
るスラリーを噴霧し担持させる方法が簡便である。
【0011】(2)気相酸化反応 本発明の触媒を用いたo−キシレンの無水フタル酸への
酸化反応については常用の反応器及び反応条件にて実施
することができる。原料のo−キシレンは、通常、酸素
含有ガス、例えば空気と混合されて反応器に導入され、
反応に供される。空気を用いる場合、供給原料中のo−
キシレン濃度は通常5〜200g/Nm 3 である。な
お、供給原料は反応に実質的に不活性な、窒素、炭酸ガ
ス、ヘリウム等により希釈してもよい。
酸化反応については常用の反応器及び反応条件にて実施
することができる。原料のo−キシレンは、通常、酸素
含有ガス、例えば空気と混合されて反応器に導入され、
反応に供される。空気を用いる場合、供給原料中のo−
キシレン濃度は通常5〜200g/Nm 3 である。な
お、供給原料は反応に実質的に不活性な、窒素、炭酸ガ
ス、ヘリウム等により希釈してもよい。
【0012】反応温度は、通常、300〜500℃、好
ましくは320〜400℃であり、また、反応時間は、
原料ガスの接触時間として0.05〜10秒、好ましく
は0.1〜5秒の範囲である。なお、反応圧力は、大気
圧、大気圧超、又は大気圧未満で行うことができ通常は
1〜20p.s.i.gの圧力が好ましい。得られた無
水フタル酸は、当業者によく知られている種々の方法に
よって回収することができる。
ましくは320〜400℃であり、また、反応時間は、
原料ガスの接触時間として0.05〜10秒、好ましく
は0.1〜5秒の範囲である。なお、反応圧力は、大気
圧、大気圧超、又は大気圧未満で行うことができ通常は
1〜20p.s.i.gの圧力が好ましい。得られた無
水フタル酸は、当業者によく知られている種々の方法に
よって回収することができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
りこれらの実施例に限定されるものではない。
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0014】実施例1 (触媒調製)メタバナジン酸アンモニウムをシュウ酸溶
液に溶解させ、更にテルル酸を加え均一な水溶液を得
る。この溶液に比表面積10m2 /gの粉末状アナター
ゼ型酸化チタンを加えスラリーを得た。このスラリーを
攪拌下蒸発乾固し、空気流通下450℃、4時間焼成し
て触媒活性物質を得た。得られた触媒活性物質の仕込み
組成は、TiO2 :V2 O5 :TeO3 =100:6.
0:0.23(重量比)、Te/V(モル比)=0.0
2である。 (酸化反応)内径6mm、高さ40mmの触媒床を有す
るパイレックス製反応管に重量で10倍量の石英で希釈
した活性物質1.2mlを充填した。オルトキシレンを
空気に対して100g/Nm3 の割合で混合した原料ガ
スを反応器上部から導入しオルトキシレンの酸化反応を
行った。反応温度の制御は電気炉を用いて行った。反応
生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いてオンカ
ラム方式で行った。反応温度400℃、GHSV=23
00h-1で反応した結果、オルトキシレン転換率99.
5%、無水フタル酸選択率79.1%であった。
液に溶解させ、更にテルル酸を加え均一な水溶液を得
る。この溶液に比表面積10m2 /gの粉末状アナター
ゼ型酸化チタンを加えスラリーを得た。このスラリーを
攪拌下蒸発乾固し、空気流通下450℃、4時間焼成し
て触媒活性物質を得た。得られた触媒活性物質の仕込み
組成は、TiO2 :V2 O5 :TeO3 =100:6.
0:0.23(重量比)、Te/V(モル比)=0.0
2である。 (酸化反応)内径6mm、高さ40mmの触媒床を有す
るパイレックス製反応管に重量で10倍量の石英で希釈
した活性物質1.2mlを充填した。オルトキシレンを
空気に対して100g/Nm3 の割合で混合した原料ガ
スを反応器上部から導入しオルトキシレンの酸化反応を
行った。反応温度の制御は電気炉を用いて行った。反応
生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いてオンカ
ラム方式で行った。反応温度400℃、GHSV=23
00h-1で反応した結果、オルトキシレン転換率99.
5%、無水フタル酸選択率79.1%であった。
【0015】実施例2 実施例1(触媒の調製)において加えたテルル酸の量を
代えた以外は実施例1(触媒の調製)と同様にして触媒
活性物質を調製した。得られた触媒活性物質の仕込み組
成は、TiO2 :V2 O5 :TeO3 =100:6.
0:2.33(重量比)、Te/V(モル比)=0.2
0である。この活性物質を実施例1(酸化反応)と同様
にして酸化反応を行った。反応温度360℃、GHSV
=280h -1で反応した結果、オルトキシレン転換率9
9.6%、無水フタル酸選択率77.8%であった。
代えた以外は実施例1(触媒の調製)と同様にして触媒
活性物質を調製した。得られた触媒活性物質の仕込み組
成は、TiO2 :V2 O5 :TeO3 =100:6.
0:2.33(重量比)、Te/V(モル比)=0.2
0である。この活性物質を実施例1(酸化反応)と同様
にして酸化反応を行った。反応温度360℃、GHSV
=280h -1で反応した結果、オルトキシレン転換率9
9.6%、無水フタル酸選択率77.8%であった。
【0016】比較例1 実施例1(触媒の調製)において加えたテルル酸の代わ
りに炭酸カシウムを用いた以外は実施例1(触媒の調
製)と同様にして触媒活性物質を調製した。得られた触
媒活性物質の仕込み組成は、TiO2 :V2 O5 :Cs
2 O=100:6.0:0.14(重量比)、Cs/V
(モル比)=0.015である。この活性物質を実施例
1(酸化反応)と同様にして酸化反応を行った。反応温
度400℃、GHSV=400h-1で反応した結果、オ
ルトキシレン転換率98.8%、無水フタル酸選択率7
7.4%であった。
りに炭酸カシウムを用いた以外は実施例1(触媒の調
製)と同様にして触媒活性物質を調製した。得られた触
媒活性物質の仕込み組成は、TiO2 :V2 O5 :Cs
2 O=100:6.0:0.14(重量比)、Cs/V
(モル比)=0.015である。この活性物質を実施例
1(酸化反応)と同様にして酸化反応を行った。反応温
度400℃、GHSV=400h-1で反応した結果、オ
ルトキシレン転換率98.8%、無水フタル酸選択率7
7.4%であった。
【0017】比較例2 実施例1(触媒の調製)において加えたテルル酸の代わ
りに五酸化アンチモンゾルを用いた以外は実施例1(触
媒の調製)と同様にして触媒活性物質を調製した。得ら
れた触媒活性物質の仕込み組成は、TiO2 :V
2 O5 :Sb2 O5 =100:6.0:2.24(重量
比)、Sb/V(モル比)=0.20である。この活性
物質を実施例1(酸化反応)と同様にして酸化反応を行
った。反応温度370℃、GHSV=300h-1で反応
した結果、オルトキシレン転換率98.2%、無水フタ
ル酸選択率72.3%であった。
りに五酸化アンチモンゾルを用いた以外は実施例1(触
媒の調製)と同様にして触媒活性物質を調製した。得ら
れた触媒活性物質の仕込み組成は、TiO2 :V
2 O5 :Sb2 O5 =100:6.0:2.24(重量
比)、Sb/V(モル比)=0.20である。この活性
物質を実施例1(酸化反応)と同様にして酸化反応を行
った。反応温度370℃、GHSV=300h-1で反応
した結果、オルトキシレン転換率98.2%、無水フタ
ル酸選択率72.3%であった。
【0018】比較例3 実施例1(触媒の調製)において加えたテルル酸を用い
ない以外は実施例1(触媒の調製)と同様にして触媒活
性物質を調製した。得られた触媒活性物質の仕込み組成
は、TiO2 :V2 O5 =100:6.0(重量比)で
ある。この活性物質を実施例1(酸化反応)と同様にし
て酸化反応を行った。反応温度380℃、GHSV=1
000h-1で反応した結果、オルトキシレン転換率10
0%、無水フタル酸選択率75.6%であった。
ない以外は実施例1(触媒の調製)と同様にして触媒活
性物質を調製した。得られた触媒活性物質の仕込み組成
は、TiO2 :V2 O5 =100:6.0(重量比)で
ある。この活性物質を実施例1(酸化反応)と同様にし
て酸化反応を行った。反応温度380℃、GHSV=1
000h-1で反応した結果、オルトキシレン転換率10
0%、無水フタル酸選択率75.6%であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、触媒活性を下げること
なく、十分高いo−キシレン転化率においても高い選択
率で無水フタル酸を製造することができる改良バナジウ
ム−チタン系複合酸化物触媒が得られる。
なく、十分高いo−キシレン転化率においても高い選択
率で無水フタル酸を製造することができる改良バナジウ
ム−チタン系複合酸化物触媒が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 o−キシレンを分子状酸素含有ガスによ
り気相接触酸化して無水フタル酸を製造するための触媒
であって、バナジウム、チタン及びテルルを活性成分と
して含有する複合酸化物からなることを特徴とする無水
フタル酸製造用触媒。 - 【請求項2】 酸化バナジウムをV2 O5 として1〜3
0重量部、酸化チタンをTiO2 として99〜70重量
部、且つこれら二成分の合計100重量部に対し、酸化
テルルをTeO3 として0.01〜10重量部含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の無水フタル酸製造用
触媒。 - 【請求項3】 テルル/バナジウムのモル比が0.00
5〜0.5であることを特徴とする請求項1又は2に記
載の無水フタル酸製造用触媒。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の触
媒を用いて、o−キシレンを分子状酸素含有ガスにより
気相接触酸化することを特徴とする無水フタル酸の製造
方法。 - 【請求項5】 反応温度が300〜500℃、且つ供給
原料中のo−キシレン濃度が5〜200g/Nm3 であ
ることを特徴とする請求項3に記載の無水フタル酸の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10107232A JPH11300206A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 気相酸化触媒及びそれを用いた無水フタル酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10107232A JPH11300206A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 気相酸化触媒及びそれを用いた無水フタル酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11300206A true JPH11300206A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14453849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10107232A Pending JPH11300206A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 気相酸化触媒及びそれを用いた無水フタル酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11300206A (ja) |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP10107232A patent/JPH11300206A/ja active Pending
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