JPH1129837A - 耐熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品 - Google Patents

耐熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品

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JPH1129837A
JPH1129837A JP18876597A JP18876597A JPH1129837A JP H1129837 A JPH1129837 A JP H1129837A JP 18876597 A JP18876597 A JP 18876597A JP 18876597 A JP18876597 A JP 18876597A JP H1129837 A JPH1129837 A JP H1129837A
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龍一 石井
Yoichi Tsuda
陽一 津田
Masayuki Yamada
政之 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸気タービン車室や蒸気タービン弁等のように
過酷な蒸気条件下に曝される部品においても、高温強度
などの機械的性質、溶接性などの製造性および経済性を
確保することができ、長時間にわたり高い信頼性を発揮
することができる耐熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品を提供す
る。 【解決手段】重量%で、C:0.04〜0.15%、S
i:0.1〜0.4%、Mn:0.1〜0.5%、N
i:0.01〜0.5%、Cr:2.0〜4.0%、
V:0.15〜0.3%、W:2.0〜5.0%、N
b:0.04〜0.15%、N:0.005〜0.03
%、O:0.01%未満、Al:0.002〜0.02
%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温で長期間使用
される部品、例えば蒸気タービン車室等の蒸気タービン
部品に適用される耐熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電設備の高温部品材料とし
て、低合金耐熱鋳鋼が使用されていた。低合金耐熱鋳鋼
には、Crを重量%で1〜2%含有させて、特に高温強
度を高めた2.25Cr−1Mo鋳鋼や1Cr−1Mo
−0.25V鋳鋼などがある。
【0003】しかし、近年の火力発電設備においては、
蒸気タービンの熱効率を向上させるため、蒸気温度の高
温化が急速に進められている。そのため、蒸気タービン
部品やそれに関連する周辺部品は、従来以上高温環境下
に曝される。また、発電用の蒸気タービンなどでは、重
油系の不純物の多い燃料を使うために、それだけ腐食環
境が厳しい。さらに、連続運転期間が格段に長く、点検
の間隔が非常に長いために、コーティングが剥離した場
合の腐食進行速度が特に重要となる。そこで、高強度で
耐環境特性等に優れた9〜12Cr系耐熱鋳鋼が使用さ
れている。9〜12Cr系耐熱鋳鋼は、Crを重量%で
9〜12%程度含有させることにより耐酸化性を高めて
いるが、高温強度は小さい。そのため、9〜12Cr系
耐熱鋳鋼においては、Mo、V、Nbなどを添加するこ
とにより、高温強度を大きくしている。9〜12Cr系
耐熱鋳鋼などの高強度鋳鋼は、部材の肉厚増を抑制する
ことができ、タービンの起動停止にともなう熱応力の低
減も可能になるため、タービンの運用性向上にも貢献し
ている。
【0004】現在、火力発電プラントにおいては、前記
した特性とともに優れた経済性が要求される傾向にあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た9〜12Cr系耐熱鋳鋼などの高強度鋳鋼は、部材の
肉厚増を抑制することができ、またタービンの起動停止
に伴う熱応力の低減をすることができるなど、タービン
の運用性の向上にも貢献しているが、高温強度や衝撃抵
抗などの機械的性質、溶接性などの製造性および経済性
を同時に満足させることができなかった。
【0006】本発明はこのような課題に対処するために
なされたものであり、従来の9〜12Cr系耐熱鋳鋼な
どの高強度鋳鋼に匹敵する高温強度などの機械的性質を
有し、高温の蒸気環境中で安定な運用ができる耐熱鋳鋼
および耐熱鋳鋼部品を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明の化学組成範囲の耐熱鋳鋼を
用いることにより、蒸気タービン車室および蒸気タービ
ン弁箱などの耐熱鋳鋼部品を製造する際に、溶接性など
の製造性を向上させた耐熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品を提
供することを目的とする。
【0008】さらに、本発明の化学組成範囲の耐熱鋳鋼
を用いることにより、経済性に優れた耐熱鋳鋼および耐
熱鋳鋼部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、9〜12
Cr系耐熱鋳鋼などの高強度鋳鋼に匹敵する高温強度を
有する耐熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品を開発すべく研究を
行った結果、本発明に至ったものである。
【0010】即ち、請求項1記載の耐熱鋳鋼は、重量%
で、C:0.04〜0.15%、Si:0.1〜0.4
%、Mn:0.1〜0.5%、Ni:0.01〜0.5
%、Cr:2.0〜4.0%、V:0.15〜0.3
%、W:2.0〜5.0%、Nb:0.04〜0.15
%、N:0.005〜0.03%、O:0.01%未
満、Al:0.002〜0.02%を含み、残部がFe
および不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の耐熱鋳鋼は、重量%で、
C:0.05〜0.12%、Si:0.1〜0.3%、
Mn:0.1〜0.3%、Ni:0.01〜0.3%、
Cr:2.0〜4.0%、V:0.15〜0.3%、
W:2.0〜4.0%、Nb:0.04〜0.1%、
N:0.005〜0.03%、O:0.01%未満、A
l:0.002〜0.01%、B:0.0005〜0.
005%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物から
なることを特徴とする。
【0012】請求項3記載の耐熱鋳鋼は、重量%で、
C:0.04〜0.15%、Si:0.1〜0.4%、
Mn:0.1〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、
Cr:2.0〜4.0%、Mo:0.4〜1.0%、
V:0.15〜0.3%、W:2.0〜5.0%、N
b:0.04〜0.15%、N:0.005〜0.03
%、O:0.01%未満、Al:0.002〜0.02
%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする。
【0013】請求項4記載の耐熱鋳鋼は、重量%で、
C:0.05〜0.12%、Si:0.1〜0.3%、
Mn:0.1〜0.3%、Ni:0.01〜0.3%、
Cr:2.0〜4.0%、Mo:0.4〜1.0%、
V:0.15〜0.3%、W:2.0〜4.0%、N
b:0.04〜0.1%、N:0.005〜0.03
%、O:0.01%未満、Al:0.002〜0.01
%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項5記載の耐熱鋳鋼は、重量%で、
C:0.04〜0.15%、Si:0.1〜0.4%、
Mn:0.1〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、
Cr:2.0〜4.0%、Mo:0.4〜1.0%、
V:0.15〜0.3%、W:2.0〜5.0%、N
b:0.04〜0.15%、B:0.0005〜0.0
08%、N:0.005〜0.03%、O:0.01%
未満、Al:0.002〜0.02%を含み、残部がF
eおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0015】請求項6記載の耐熱鋳鋼は、重量%で、
C:0.05〜0.12%、Si:0.1〜0.3%、
Mn:0.1〜0.3%、Ni:0.01〜0.3%、
Cr:2.0〜4.0%、Mo:0.4〜1.0%、
V:0.15〜0.3%、W:2.0〜4.0%、N
b:0.04〜0.1%、B:0.0005〜0.00
5%、N:0.005〜0.03%、O:0.01%未
満、Al:0.002〜0.01%を含み、残部がFe
および不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0016】請求項7記載の耐熱鋳鋼は、請求項1〜6
記載の耐熱鋳鋼において、重量%で、Pを0.01%未
満、Sを0.01%未満とすることを特徴とする。
【0017】請求項8記載の耐熱鋳鋼は、請求項1〜7
記載の耐熱鋳鋼において、重量%で、Coを0.01〜
0.4%含有することを特徴とする。
【0018】請求項9記載の耐熱鋳鋼部品は、請求項1
〜8記載のいずれかの耐熱鋳鋼によって、蒸気タービン
車室および蒸気タービン弁箱等の蒸気タービン部品を構
成したことを特徴とする。
【0019】本発明において、上記のように成分を限定
した理由について説明する。
【0020】C(炭素)は、Fe(鉄)、Cr(クロ
ム)、Nb(ニオブ)およびV(バナジウム)等と結合
して炭化物を形成して、析出強化に寄与する。また、C
は焼入れ性を確保するために必要な元素である。Cの含
有量を0.04〜0.15%と規定したが、0.15%
を超えると溶接性が低下し、また炭化物の粗大化が促進
してクリープ破断強度が低下する。含有量が0.04%
未満においては、十分なクリープ破断強度が得られず、
また焼入れ性を確保することができない。さらに、Cの
含有量を0.05〜0.12%と規定することにより、
析出強化と焼き入れ効果を向上させることができる。
【0021】Si(ケイ素)は脱酸剤として有用であ
り、また良好な鋳造性を確保するために不可欠な元素で
ある。Siの含有量を0.1〜0.4%と規定したが、
含有量が0.4%を超えると、著しく介在物量が増加し
て組織清浄度が低下し、著しい靭性の低下と脆化が起こ
る。一方、含有量が0.1%未満においては十分な脱酸
効果と鋳造性が得られない。さらに、Siの含有量を
0.1〜0.3%と規定したが、その上限を0.3%に
制限することにより、十分な脱酸効果と鋳造性を得るこ
とができる。
【0022】Mn(マンガン)は、脱硫剤として有用な
元素である。Mnの含有量を0.1〜0.5%と規定し
たが、含有量が0.5%を超えると、クリープ抵抗が低
下し、含有量が0.1%未満においては十分な脱硫効果
が得られない。さらに、Mnの含有量を0.1〜0.3
%と規定したが、その上限を0.3%に制限することに
より、十分な脱硫効果を得ることができる。
【0023】Ni(ニッケル)には、焼入れ性と靭性を
向上させる作用がある。Niの含有量を0.01〜0.
5%と規定したが、含有量が0.5%を超えると、クリ
ープ抵抗が著しく低下してしまい、含有量が0.01%
未満においては、焼入れ性と靭性を向上させる効果が得
られない。さらに、Niの含有量を0.01〜0.3%
と規定したが、その上限を0.3%に制限することによ
り、焼入れ性と靭性を向上させることができる。
【0024】Cr(クロム)は、耐酸化性と耐食性を向
上させ、また析出強化に寄与する析出物の構成元素とし
て必要不可欠である。Crの含有量を2.0〜4.0%
と規定した理由は、含有量が4.0%を超えると、靭性
と溶接性が悪化し、含有量が2.0%未満においては、
耐酸化性と耐食性が得られないためである。
【0025】V(バナジウム)は固溶強化を行い、また
微細炭窒化物を形成する元素である。Vの含有量を0.
15〜0.3%と規定したが、含有量が0.3%を超え
ると、靭性とクリープ破断強度が低下し、含有量が0.
15%未満においては微細析出物が粒内に析出し、回復
を抑制してしまう。
【0026】W(タングステン)は固溶強化を行い、ま
た炭化物中へ置換して析出強化を行う元素である。Wの
含有量を2.0〜5.0%と規定したのは、含有量が
5.0%を超えると靭性と加熱脆化特性が著しく低下
し、含有量が2.0%未満においては固溶量を長時間に
わたり高く維持することができない。さらに、Wの含有
量を2.0〜4.0%と規定して、その上限を4.0%
に制限することにより、より固溶強化と析出強化の効果
を得ることができる。
【0027】Nb(ニオブ)は、CとN等と結合して微
細な炭窒化物Nb(C、N)を形成し、析出分散強化を
行う元素である。Nbの含有量が0.15%を超えると
偏析が起きたり、また未固溶である粗大な炭窒化物Nb
(C、N)の体積率が急激に増加し、また微細なNb
(C、N)の凝集粗大化が加速する。これらにより、含
有量が0.15%を超えると介在物量が増えて組織清浄
度が低下し、著しく靭性が低下し脆化が促進してしま
う。一方、含有量が0.04%未満の場合には炭窒化物
Nb(C、N)の析出密度が低いために、析出分散強化
の効果を得られず、クリープ強度が低下してしまう。従
って、Nbの含有量を0.04〜0.15%と規定し
た。
【0028】N(窒素)は、窒化物と炭窒化物を形成し
て析出強化を行う元素であり、また、母相中に残存する
Nは固溶強化に寄与する元素である。Nの含有量を0.
005〜0.03%と規定したが、含有量が0.03%
を超えると、窒化物と炭窒化物の粗大化が促進され、ク
リープ強度が低下し粗大生成物の生成を促進してしま
う。一方、含有量が0.005%未満においては析出強
化と固溶強化の効果が得られない。
【0029】O(酸素)は、鋳鋼を製造する際の鋳込み
時に不可避的に混入する元素であり、Oの含有量を0%
とすることは極めて難しい。Oの含有量を0.01%未
満と規定したが、含有量が0.01%を超えると、Oが
他の金属元素との間で酸化物を形成する傾向が著しいた
めである。
【0030】Al(アルミニウム)は、脱酸剤として有
用な元素である。含有量を0.002〜0.02%と規
定したが、含有量が0.02%を超えると、粗大生成物
の形成を促進して、加熱後の脆化を促進してしまう。含
有量が0.002%未満においては、脱酸効果が得られ
ない。
【0031】B(ホウ素)は微量の添加で焼入れ性を高
め、また炭窒化物の高温長時間安定化を可能にする元素
である。しかし、Bの含有量が0.008%を超える
と、溶接性が著しく低下し、粗大生成物の形成が促進す
る。Bの含有量を0.0005〜0.005%と規定し
たのは、Bの含有量を0.005%に制限することで溶
接性をさらに高め、粗大生成物の形成を抑制するためで
ある。また、含有量が0.0005%未満においては、
結晶粒界とその近傍に析出する炭化物の粗大化抑制効果
が発揮されない。
【0032】Mo(モリブデン)は固溶強化元素および
炭化物の構成元素として有用な元素である。そして、W
との複合添加により固溶強化の効果が大きくなる。Mo
の含有量を0.4〜1.0%と規定したが、含有量が
1.0%を超えると、靭性が著しく低下し、含有量が
0.4%未満においては固溶強化の効果が得られないた
めである。さらに、Moの含有量を0.4〜1.0%と
規定した理由は、含有量が1.0%を超えると靭性が著
しく低下して、含有量が0.4%においては固溶強化の
効果が得られない。
【0033】P(リン)とS(硫黄)は、鋳鋼を製造す
る際に不純物元素として不可避的に混入する元素であ
る。Pの含有量を0.01%未満に規定したが、これは
脆化の程度を小さく抑制するためである。
【0034】またSについても、Sの含有量を0.01
%未満に規定したが、これは脆化の程度を小さく抑制
し、介在物の形成を抑制するためである。
【0035】Co(コバルト)は微量添加で高温延性の
向上に寄与する元素である。Coの含有量を0.01〜
0.4%と規定したが、含有量が0.4%を超えると靭
性が低下し、含有量が0.01%未満においては上記効
果が得られない。
【0036】なお、請求項1〜8までの耐熱鋳鋼におい
て、上記成分ならびに主成分であるFeを添加する際に
付随的に混入する不純物は極力低減することが望まし
い。
【0037】以上のことから、本発明で得られる耐熱鋳
鋼を蒸気タービン車室および蒸気タービン弁箱等に用い
ることにより、高温下においても高強度を有し、さらに
脆化しにくい耐熱鋳鋼部品を得ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐熱鋳鋼およ
び耐熱鋳鋼部品の実施形態について、実施例と比較例と
ともに説明する。
【0039】第1実施形態(表1〜4、図1〜4) 第1実施形態では、本発明の組成範囲にある耐熱鋳鋼が
優れたクリープ破断強度を有することの確認を行った。
即ち、クリープ破断強度に影響を与える成分としては、
C、Mn、Ni、V、Nb、N、Cr等が挙げられる
が、本実施形態では、表1〜4に示すように、C、N
i、Cr、Vについての化学組成範囲を変化させた耐熱
鋳鋼の試料を作成して、強度試験を行った。
【0040】表1は、Cの含有量を重量%で0〜0.1
9%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を示してい
る。
【0041】なお、他の成分組成については、重量%
で、Si:0.18〜0.19%、Mn:0.2%、
P:0.006〜0.008%、S:0.004〜0.
005%、Ni:0.02%、Cr:2.4〜2.6
%、V:0.25%、Mo:0.5%、W:2.8〜
3.0%、Nb:0.08%、N:0.01〜0.01
5%、O:0.005%、Al:0.003〜0.00
5%、B:0.006〜0.007%の範囲で略同一と
した。
【0042】
【表1】
【0043】このような化学組成範囲にある耐熱鋳鋼材
料を電気炉で溶解後、炉外精錬にて不純物を低減させ
た。その後、砂型に鋳込んだ鋳塊を焼鈍後徐冷し、続い
て焼ならしを行って組織を標準化させた。その後、Ms
点以下まで強制冷却による焼入れを行い、さらに焼戻し
を行った後、いずれも750〜800MPaの引張強さ
に調整した。
【0044】得られた耐熱鋳鋼の試料についてクリープ
破断試験を行い、クリープ破断試験結果より内挿で求め
た580℃における10万時間破断強度を調査した。そ
の結果を図1に示す。なお図中においては、本発明の実
施例を○、比較例を●、本発明の化学組成範囲を破線で
表した。
【0045】図1に示すように、Cの含有量が本発明の
化学組成範囲である0.04〜0.15%にある耐熱鋳
鋼は、炭化物の粗大化が抑制され、いずれの実施例試料
も100MPa以上の優れた破断強度を示した。特にC
の含有量が0.05〜0.12%の場合には、破断強度
が向上することが認められた。これに対し、Cの含有量
が0.04%未満または0.15%を超える比較例試料
では破断強度が低かった。
【0046】表2は、Niの含有量を重量%で0.01
5〜0.7%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を
示している。
【0047】なお他の成分組成については、重量%で、
C:0.07〜0.09%、Si:0.18〜0.21
%、Mn:0.19〜0.2%、P:0.007〜0.
008%、S:0.004〜0.005%、Cr:2.
4〜2.6%、V:0.25%、Mo:0.5%、W:
2.8〜3.0%、Nb:0.08%、N:0.01〜
0.015%、O:0.005%、Al:0.003〜
0.005%、B:0.006〜0.007%の範囲で
略同一とした。
【0048】
【表2】
【0049】このような化学組成範囲にある耐熱鋳鋼材
料を上記した方法と同様の処理を施した試料を作成し
た。
【0050】得られた耐熱鋳鋼の試料についてクリープ
破断試験を行い、クリープ破断試験結果より内挿で求め
た580℃における10万時間破断強度を調査した。そ
の結果を図2に示す。なお図中においては、本発明の実
施例を○、比較例を●、本発明の化学組成範囲を破線で
表した。
【0051】図2に示すように、Niの含有量が本発明
の化学組成範囲である0.01〜0.5%にある耐熱鋳
鋼は、焼入れ性と靭性が向上するため、いずれの実施例
試料も100MPaを超え、優れた破断強度を示した。
特にNiの含有量が0.01〜0.3%の場合には、破
断強度が向上することが認められた。これに対し、Ni
の含有量が0.01%未満または0.3%を超える比較
例試料では破断強度が低かった。
【0052】表3は、Crの含有量を重量%で1.0〜
5.1%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を示し
ている。
【0053】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.07〜0.1%、Si:0.18〜0.2
1%、Mn:0.19〜0.2%、P:0.006〜
0.008%、S:0.004〜0.005%、Ni:
0.02%、V:0.25%、Mo:0.5%、W:
2.8〜3.0%、Nb:0.08%、N:0.01〜
0.015%、O:0.005%、Al:0.003〜
0.005%、B:0.006〜0.007%の範囲で
略同一とした。
【0054】
【表3】
【0055】このような化学組成範囲にある耐熱鋳鋼材
料を上記した方法と同様の処理を施した試料を作成し
た。
【0056】得られた耐熱鋳鋼の試料についてクリープ
破断試験を行い、クリープ破断試験結果より内挿で求め
た580℃における10万時間破断強度を調査した。そ
の結果を図3に示す。なお図中においては、本発明の実
施例を○、比較例を●、本発明の化学組成範囲を破線で
表した。
【0057】図3に示すように、Crの含有量が本発明
の化学組成範囲である2.0〜4.0%にある耐熱鋳鋼
は、析出強化に寄与するために、いずれの実施例試料も
110MPaを超え、優れた破断強度を示した。これに
対し、Crの含有量が2.0%未満または4.0%を超
える比較例試料では破断強度が低かった。
【0058】表4は、Vの含有量を重量%で0.08〜
0.39%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を示
している。
【0059】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.07〜0.09%、Si:0.18〜0.
21%、Mn:0.19〜0.2%、P:0.006〜
0.008%、S:0.004〜0.005%、Ni:
0.02%、Cr:2.4〜2.6%、Mo:0.5
%、W:2.8〜3.0%、Nb:0.08%、N:
0.01〜0.015%、O:0.005%、Al:
0.003〜0.005%、B:0.006〜0.00
7%の範囲で略同一とした。
【0060】
【表4】
【0061】図4に示すように、Vの含有量が本発明の
化学組成範囲である0.15〜0.3%にある耐熱鋳鋼
は、固溶強化され、また析出強化にも寄与するために、
いずれの実施例試料も110MPaを超え、優れた破断
強度を示した。これに対し、Vの含有量が0.15%未
満または0.3%を超える比較例試料では破断強度が低
かった。
【0062】第2実施形態(表5〜10、図5〜10) 第2実施形態では、本発明の組成範囲にある耐熱鋳鋼が
高い組織清浄度を有することの確認を行った。即ち、組
織清浄度に影響を与える成分としては、B、N、O、A
l、Mn、Nb等が挙げられるが、本実施形態では、表
5〜10に示すように、B、N、O、Al、Mn、Nb
についての化学組成範囲を変化させた耐熱鋳鋼の試料を
作成して組織清浄度試験を行った。
【0063】表5は、Bの含有量を重量%で0〜0.0
11%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を示して
いる。
【0064】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.07%、Si:0.1%、M
n:0.19〜0.22%、P:0.007〜0.00
8%、S:0.004〜0.005%、Ni:0.02
%、Cr:2.9〜3.2%、V:0.2%、W:2.
9〜3.0%、Nb:0.07%、N:0.019〜
0.022%、O:0.008%、Al:0.005〜
0.008%の範囲で略同一とした。
【0065】
【表5】
【0066】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0067】得られた耐熱鋳鋼について、耐熱鋳鋼中に
生成する介在物の量をJIS G 0555に従って測定した。そ
の結果を図5に示す。
【0068】また、図5には、表5の化学組成を有する
耐熱鋳鋼について、クリープ破断試験を行い、クリープ
破断試験結果より内挿で求めた580℃における10万
時間破断強度を調査した結果を介在物の量とともに示
す。
【0069】図5に示すように、Bの含有量が本発明の
化学組成範囲である0.0005〜0.005%にある
耐熱鋳鋼は、介在物量がいずれの実施例試料においても
0.025%以下であり、高い組織清浄度を示した。こ
れに対し、Bの含有量が0.0005%未満の比較例試
料は破断強度が低下した。また、含有量が0.008%
を超える比較例試料は著しく介在物量が増加し、組織清
浄度が低下した。
【0070】表6は、Nの含有量を重量%で、0.00
2〜0.04%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成
を示している。
【0071】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.12〜0.14%、Si:0.18〜0.
21%、Mn:0.19〜0.2%、P:0.006〜
0.008%、S:0.004〜0.006%、Ni:
0.3〜0.32%、Cr:3.5〜3.7%、V:
0.25%、W:3.7〜3.9%、Nb:0.1%、
O:0.006%、Al:0.01%、B:0.001
〜0.002%の範囲で略同一とした。
【0072】
【表6】
【0073】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0074】得られた耐熱鋳鋼について、耐熱鋳鋼中に
生成する介在物の量をJIS G 0555に従って測定した。そ
の結果を図6に示す。
【0075】また、図6には、表6の化学組成を有する
耐熱鋳鋼について、クリープ破断試験を行い、クリープ
破断試験結果より内挿で求めた580℃における10万
時間破断強度を調査した結果を介在物の量とともに示
す。
【0076】図6に示すように、Nの含有量が本発明の
化学組成範囲である0.002〜0.04%にある耐熱
鋳鋼は、介在物量がいずれの実施例試料も0.02%以
下であり、高い組織清浄度を示した。これに対し、Nの
含有量が0.005%未満の比較例試料は、破断強度が
低下した。また、含有量が0.03%を超える比較例試
料は著しく介在物量が増加し、組織清浄度が低下した。
【0077】表7は、Oの含有量を重量%で、0.00
6〜0.016%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組
成を示している。
【0078】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.07〜0.09%、Si:0.11〜0.
13%、Mn:0.42〜0.45%、P:0.007
〜0.008%、S:0.004〜0.005%、N
i:0.4%、Cr:3.4〜3.6%、V:0.21
%、Mo:0.5%、W:2.1〜2.3%、Nb:
0.06%、N:0.01〜0.015%、Al:0.
015〜0.018%、B:0.001%の範囲で略同
一とした。
【0079】
【表7】
【0080】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0081】得られた耐熱鋳鋼について、耐熱鋳鋼中に
生成する介在物の量をJIS G 0555に従って測定した。そ
の結果を図7に示す。
【0082】図7に示すように、Oの含有量が本発明の
化学組成範囲である0.01%未満にある耐熱鋳鋼は、
介在物量がいずれの実施例試料も0.015%以下であ
り、高い組織清浄度を示した。特に、Oの含有量が少な
い程、介在物量が減少して組織清浄度が向上した。これ
に対し、Oの含有量が0.01%を超える比較例試料で
は組織清浄度が低下した。
【0083】表8は、Alの含有量を重量%で、0.0
01〜0.029%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分
組成を示している。
【0084】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.07%、Si:0.28〜0.
31%、Mn:0.48〜0.49%、P:0.006
〜0.008%、S:0.004〜0.005%、N
i:0.45〜0.47%、Cr:2.2〜2.3%、
V:0.28%、Mo:0.8〜0.9%、W:2.1
〜2.2%、Nb:0.05%、N:0.02〜0.0
25%、O:0.008%、B:0.001〜0.00
2%の範囲で略同一とした。
【0085】
【表8】
【0086】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0087】得られた耐熱鋳鋼について、耐熱鋳鋼中に
生成する介在物の量をJIS G 0555に従って測定した。そ
の結果を図8に示す。
【0088】また、図8には、表8の化学組成を有する
耐熱鋳鋼について、クリープ破断試験を行い、クリープ
破断試験結果より内挿で求めた580℃における10万
時間破断強度を調査した結果を介在物の量とともに示
す。
【0089】さらに、図8には、表8の化学組成を有す
る耐熱鋳鋼について、焼戻し後の状態における20℃衝
撃値と600℃で10、000h時効後の衝撃値の比を
測定し、その結果を介在物の量とともに示す。
【0090】図8に示すように、Alの含有量が本発明
の化学組成範囲である0.001〜0.029%にある
耐熱鋳鋼は、介在物量がいずれの実施例試料も0.01
5%以下であり、高い組織清浄度を示した。これに対
し、Alの含有量が0.002%未満の比較例試料は脱
酸効果が十分ではなかった。また、Alの含有量が0.
02%を超える比較例試料では、著しく介在物量が増加
して組織清浄度が低下し、さらに時効後の脆化が著しか
った。
【0091】表9は、Mnの含有量を重量%で、0.0
2〜0.59%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成
を示している。
【0092】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.07〜0.08%、Si:0.2%、P:
0.006〜0.008%、S:0.004〜0.00
5%、Ni:0.02%、Cr:2.8〜3.0%、
V:0.2%、W:2.5〜2.7%、Nb:0.05
%、N:0.01〜0.02%、O:0.005%、A
l:0.003〜0.007%の範囲で略同一とした。
【0093】
【表9】
【0094】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0095】得られた耐熱鋳鋼について、耐熱鋳鋼中に
生成する介在物の量をJIS G 0555に従って測定した。そ
の結果を図9に示す。
【0096】図9に示すように、Mnの含有量が0.1
〜0.5%にある耐熱鋳鋼は、介在物量がいずれの実施
例試料も0.02%以下であり、高い組織清浄度を示し
た。特に、Mnの含有量が0.1〜0.3%にある耐熱
鋳鋼は、介在物量が少なく高い組織清浄度を示した。こ
れに対し、Mnの含有量が0.1%未満の比較例試料で
は脱硫効果が十分ではなかった。
【0097】表10は、Nbの含有量を重量%で、0〜
0.19%の範囲に変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を示
している。
【0098】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.06%、Si:0.18〜0.
2%、Mn:0.1%、P:0.006〜0.008
%、S:0.004〜0.005%、Ni:0.3〜
0.4%、Cr:2.5%、V:0.18〜0.2%、
W:2.5%、N:0.02〜0.03%、O:0.0
07%、Al:0.003〜0.005%の範囲で略同
一とした。
【0099】
【表10】
【0100】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0101】得られた耐熱鋳鋼について、耐熱鋳鋼中に
生成する介在物の量をJIS G 0555に従って測定した。そ
の結果を図10に示す。
【0102】また、表10の化学組成を有する耐熱鋳鋼
について、クリープ破断試験を行い、クリープ破断試験
結果より内挿で求めた580℃における10万時間破断
強度を調査した。その結果を介在物の量とともに、図1
0に示す。
【0103】図10に示すように、Nbの含有量が0.
04〜0.15%にある耐熱鋳鋼は、介在物量がいずれ
の実施例試料も0.015%以下であり、高い組織清浄
度を示した。これに対し、Nbの含有量が0.04%未
満の比較例試料ではクリープ強度が低下した。
【0104】第3実施形態(表11〜16、図11〜1
6) 第3実施形態では、本発明の組成範囲にある耐熱鋳鋼が
優れた耐脆化性を有することの確認を行った。即ち、耐
脆化性に影響を与える成分としては、Si、P、S、
W、Fe、Mo、Co等が挙げられるが、表11〜16
に示すように、Si、P、S、W、Fe、Mo、Coに
ついての化学組成範囲を変化させた耐熱鋳鋼の試料を作
成して、耐脆化性試験を行った。
【0105】表11は、Siの含有量を重量%で、0.
11〜0.52%の範囲に変化させた耐熱鋳鋼の成分組
成を示している。
【0106】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.07〜0.09%、Mn:0.22〜0.
23%、P:0.006〜0.008%、S:0.00
4〜0.005%、Ni:0.5%、Cr:3.5〜
3.6%、V:0.2%、Mo:0.4〜0.6%、
W:2.5〜2.7%、Nb:0.06%、N:0.0
2〜0.025%、O:0.007%、Al:0.00
5〜0.009%、B:0.001%の範囲で略同一と
した。
【0107】
【表11】
【0108】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0109】得られた耐熱鋳鋼について、焼戻し後の状
態における20℃衝撃値と600℃で10、000h時
効後の衝撃値の比を測定した。その結果を図11に示
す。
【0110】図11に示すように、Siの含有量が本発
明の化学組成範囲である0.1〜0.4%にある耐熱鋳
鋼は、20℃衝撃値の比がいずれの実施例試料も0.8
%以上であり、脆化が抑制された。これに対し、Siの
含有量が0.1%未満の比較例試料では脱酸効果と鋳造
性が十分ではなかった。
【0111】表12は、Pの含有量を重量%で、0.0
06〜0.019%の範囲に変化させた耐熱鋳鋼の成分
組成を示している。
【0112】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.07%、Si:0.11〜0.
13%、Mn:0.18〜0.21%、S:0.004
〜0.006%、Ni:0.5%、Cr:2.9〜3.
0%、V:0.2〜0.22%、Mo:0.5〜0.6
%、W:2.4〜0.07%、Nb:0.07%、N:
0.02〜0.025%、O:0.008%、Al:
0.004〜0.007%、B:0.007〜0.01
%の範囲で略同一とした。
【0113】
【表12】
【0114】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0115】得られた耐熱鋳鋼について、焼戻し後の状
態における20℃衝撃値と600℃で10、000h時
効後の衝撃値の比を測定した。その結果を図12に示
す。
【0116】図12に示すように、Pの含有量が本発明
の化学組成範囲である0.01%未満にある耐熱鋳鋼
は、20℃衝撃値の比がいずれの実施例試料も0.9%
以上であり、脆化が抑制された。
【0117】表13は、Sの含有量を重量%で、0.0
04〜0.017%の範囲に変化させた耐熱鋳鋼の成分
組成を示している。
【0118】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.07%、Si:0.11〜0.
13%、Mn:0.18〜0.21%、P:0.006
〜0.008%、Ni:0.5%、Cr:2.9〜3.
0%、V:0.2〜0.22%、Mo:0.5〜0.6
%、W:2.4〜2.7%、Nb:0.07%、N:
0.02〜0.025%、O:0.008%、Al:
0.004〜0.007%、B:0.007〜0.01
%の範囲で略同一とした。
【0119】
【表13】
【0120】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0121】得られた耐熱鋳鋼について、焼戻し後の状
態における20℃衝撃値と600℃で10、000h時
効後の衝撃値の比を測定した。その結果を図13に示
す。
【0122】図13に示すように、Sの含有量が本発明
の化学組成範囲である0.01%未満にある耐熱鋳鋼
は、20℃衝撃値の比がいずれの実施例試料も0.8%
以上であり、脆化が抑制された。
【0123】表14は、Wの含有量を重量%で、1.0
9〜5.51%の範囲に変化させた耐熱鋳鋼の成分組成
を示している。
【0124】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.1〜0.12%、Si:0.18〜0.2
%、Mn:0.02〜0.03%、P:0.006〜
0.008%、S:0.004〜0.005%、Ni:
0.05%、Cr:2.3〜2.5%、V:0.2〜
0.23%、Mo:0.5〜0.7%、Nb:0.08
〜0.1%、N:0.02〜0.03%、O:0.00
7%、Al:0.003〜0.005%の範囲で略同一
とした。
【0125】
【表14】
【0126】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0127】得られた耐熱鋳鋼について、焼戻し後の状
態における20℃衝撃値と600℃で10、000h時
効後の衝撃値の比を測定した。その結果を図14に示
す。
【0128】さらに、図14には、表14の化学組成を
有する耐熱鋳鋼について、クリープ破断試験を行い、ク
リープ破断試験結果より内挿で求めた580℃における
10万時間破断強度を調査した結果を20℃衝撃値の比
とともに示す。
【0129】図14に示すように、Wの含有量が本発明
の化学組成範囲である2.0〜4.0%にある耐熱鋳鋼
は、20℃衝撃値の比がいずれの実施例試料も0.7%
以上であり、脆化が抑制された。これに対し、Wの含有
量が2.0%未満の比較例試料では、クリープ強度が低
下した。
【0130】表15は、Moの含有量を重量%で、0.
2〜1.5%の範囲に変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を
示している。
【0131】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.07%、Si:0.18〜0.
2%、Mn:0.42〜0.45%、P:0.006〜
0.008%、S:0.004〜0.005%、Ni:
0.45%、Cr:3.8〜3.9%、V:0.16
%、W:2.0〜2.1%、Nb:0.04〜0.05
%、N:0.01%、O:0.007%、Al:0.0
13〜0.016%の範囲で略同一とした。
【0132】
【表15】
【0133】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0134】得られた耐熱鋳鋼について、焼戻し後の状
態における20℃衝撃値と600℃で10、000h時
効後の衝撃値の比を測定した。その結果を図15に示
す。
【0135】また、図15には、表15の化学組成を有
する耐熱鋳鋼について、クリープ破断試験を行い、クリ
ープ破断試験結果より内挿で求めた580℃における1
0万時間破断強度を調査した結果を、20℃衝撃値の比
とともに示す。
【0136】図15に示すように、Moの含有量が本発
明の化学組成範囲である0.4〜1.0%にある耐熱鋳
鋼は、20℃衝撃値の比がいずれの実施例試料も0.7
%以上であり、脆化が抑制された。これに対し、Moの
含有量が0.4%未満の比較例試料では、クリープ強度
が低下した。
【0137】表16は、Coの含有量を重量%で、0〜
0.6%の範囲に変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を示し
ている。
【0138】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.07%、Si:0.11〜0.
13%、Mn:0.18〜0.2%、P:0.006〜
0.019%、S:0.004〜0.006%、Ni:
0.5%、Cr:2.5%、V:0.2〜0.22%、
Mo:0.5〜0.6%、W:2.1〜2.3%、N
b:0.05%、N:0.01〜0.02%、O:0.
009%、Al:0.031〜0.033%、B:0.
001%の範囲で略同一とした。
【0139】
【表16】
【0140】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0141】得られた耐熱鋳鋼について、焼戻し後の状
態における20℃衝撃値と600℃で10、000h時
効後の衝撃値の比を測定した。その結果を図16に示
す。
【0142】なお、図16には、表16の化学組成を有
する耐熱鋳鋼について、600℃における引張延性を調
査し、その結果を20℃衝撃値の比とともに示す。
【0143】図16に示すように、Coの含有量が本発
明の化学組成範囲である0.01〜0.4%にある耐熱
鋳鋼は、20℃衝撃値の比がいずれの実施例試料も0.
8%以上であり、脆化が抑制された。これと反対に、C
oの含有量が0.4%を超える比較例試料は、引張延性
が低下した。
【0144】第4実施形態(表17、図17) 第4実施形態では、本発明の組成範囲にある耐熱鋳鋼が
優れた溶接性を有することの確認を行った。即ち、溶接
性に影響を与える成分としては、B等が挙げられるが、
本実施形態では、表17に示すようにBについての化学
組成範囲を変化させた耐熱鋳鋼の試料を作成して、溶接
性試験を行った。
【0145】表17は、Bの含有量を重量%で、0〜
0.015%の範囲で変化させた耐熱鋳鋼の成分組成を
示している。
【0146】なお、他の成分組成については、重量%
で、C:0.05〜0.07%、Si:0.1%、M
n:0.19〜0.22%、P:0.006〜0.00
8%、S:0.004〜0.017%、Ni:0.2
%、Cr:2.9〜3.2%、V:0.2%、W:2.
9〜3.0%、Nb:0.07%、N:0.019〜
0.022%、O:0.008%、Al:0.005〜
0.008%の範囲で略同一とした。
【0147】
【表17】
【0148】なお、鋳鋼の製造方法および引張強さの設
定は第1実施形態と同様である。
【0149】得られた耐熱鋳鋼について、各鋳鋼につい
て5つのサンプルを用いて、ビードオンプレート法によ
る割れ発生頻度を測定した。その結果を図17に示す。
【0150】図17に示すように、Bの含有量が本発明
の化学組成範囲である0.0005〜0.005%にあ
る耐熱鋳鋼は、いずれの実施例試料においても溶接割れ
が認められなかった。これと反対に、Bを含有させない
比較例試料は、破断強度が低かった。
【0151】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明による耐
熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品によれば、蒸気タービン車室
や蒸気タービン弁箱等のように過酷な蒸気条件下に曝さ
れる部品においても、高温強度などの機械的性質、溶接
性などの製造性および経済性を確保することができ、長
時間にわたり高い信頼性を発揮する蒸気タービンを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する図で、Cの含
有量を変化させて耐熱鋳鋼のクリープ試験結果について
示すグラフ。
【図2】本発明の第1実施形態を説明する図で、Niの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼のクリープ試験結果につい
て示すグラフ。
【図3】本発明の第1実施形態を説明する図で、Crの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼のクリープ試験結果につい
て示すグラフ。
【図4】本発明の第1実施形態を説明する図で、Vの含
有量を変化させて耐熱鋳鋼のクリープ試験結果について
示すグラフ。
【図5】本発明の第2実施形態を説明する図で、Bの含
有量を変化させて耐熱鋳鋼内に生成する介在物量とクリ
ープ試験結果について示すグラフ。
【図6】本発明の第2実施形態を説明する図で、Nの含
有量を変化させて耐熱鋳鋼内に生成する介在物量とクリ
ープ試験結果について示すグラフ。
【図7】本発明の第2実施形態を説明する図で、Oの含
有量を変化させて耐熱鋳鋼内に生成する介在物量につい
て示すグラフ。
【図8】本発明の第2実施形態を説明する図で、Alの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼内に生成する介在物量と時
効前後の衝撃値の比について示すグラフ。
【図9】本発明の第2実施形態を説明する図で、Mnの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼内に生成する介在物量につ
いて示すグラフ。
【図10】本発明の第2実施形態を説明する図で、Nb
の含有量を変化させて耐熱鋳鋼内に生成する介在物量と
クリープ試験結果について示すグラフ。
【図11】本発明の第3実施形態を説明する図で、Si
の含有量を変化させて耐熱鋳鋼の時効前後の衝撃値の比
について示すグラフ。
【図12】本発明の第3実施形態を説明する図で、Pの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼の時効前後の衝撃値の比に
ついて示すグラフ。
【図13】本発明の第3実施形態を説明する図で、Sの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼の時効前後の衝撃値の比に
ついて示すグラフ。
【図14】本発明の第3実施形態を説明する図で、Wの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼の時効前後の衝撃値の比と
クリープ試験結果について示すグラフ。
【図15】本発明の第3実施形態を説明する図で、Mo
の含有量を変化させて耐熱鋳鋼の時効前後の衝撃値の比
とクリープ試験結果について示すグラフ。
【図16】本発明の第3実施形態を説明する図で、Co
の含有量を変化させて耐熱鋳鋼の時効前後の衝撃値の比
と高温引張延性結果について示すグラフ。
【図17】本発明の第4実施形態を説明する図で、Bの
含有量を変化させて耐熱鋳鋼の溶接割れ発生頻度につい
て示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 一昭 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.04〜0.15%、
    Si:0.1〜0.4%、Mn:0.1〜0.5%、N
    i:0.01〜0.5%、Cr:2.0〜4.0%、
    V:0.15〜0.3%、W:2.0〜5.0%、N
    b:0.04〜0.15%、N:0.005〜0.03
    %、O:0.01%未満、Al:0.002〜0.02
    %を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるこ
    とを特徴とする耐熱鋳鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.05〜0.12%、
    Si:0.1〜0.3%、Mn:0.1〜0.3%、N
    i:0.01〜0.3%、Cr:2.0〜4.0%、
    V:0.15〜0.3%、W:2.0〜4.0%、N
    b:0.04〜0.1%、N:0.005〜0.03
    %、O:0.01%未満、Al:0.002〜0.01
    %、B:0.0005〜0.005%を含み、残部がF
    eおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐熱
    鋳鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.04〜0.15%、
    Si:0.1〜0.4%、Mn:0.1〜0.5%、N
    i:0.01〜0.5%、Cr:2.0〜4.0%、M
    o:0.4〜1.0%、V:0.15〜0.3%、W:
    2.0〜5.0%、Nb:0.04〜0.15%、N:
    0.005〜0.03%、O:0.01%未満、Al:
    0.002〜0.02%を含み、残部がFeおよび不可
    避的不純物からなることを特徴とする耐熱鋳鋼。
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.05〜0.12%、
    Si:0.1〜0.3%、Mn:0.1〜0.3%、N
    i:0.01〜0.3%、Cr:2.0〜4.0%、M
    o:0.4〜1.0%、V:0.15〜0.3%、W:
    2.0〜4.0%、Nb:0.04〜0.1%、N:
    0.005〜0.03%、O:0.01%未満、Al:
    0.002〜0.01%を含み、残部がFeおよび不可
    避的不純物からなることを特徴とする耐熱鋳鋼。
  5. 【請求項5】 重量%で、C:0.04〜0.15%、
    Si:0.1〜0.4%、Mn:0.1〜0.5%、N
    i:0.01〜0.5%、Cr:2.0〜4.0%、M
    o:0.4〜1.0%、V:0.15〜0.3%、W:
    2.0〜5.0%、Nb:0.04〜0.15%、B:
    0.0005〜0.008%、N:0.005〜0.0
    3%、O:0.01%未満、Al:0.002〜0.0
    2%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
    ことを特徴とする耐熱鋳鋼。
  6. 【請求項6】 重量%で、C:0.05〜0.12%、
    Si:0.1〜0.3%、Mn:0.1〜0.3%、N
    i:0.01〜0.3%、Cr:2.0〜4.0%、M
    o:0.4〜1.0%、V:0.15〜0.3%、W:
    2.0〜4.0%、Nb:0.04〜0.1%、B:
    0.0005〜0.005%、N:0.005〜0.0
    3%、O:0.01%未満、Al:0.002〜0.0
    1%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
    ことを特徴とする耐熱鋳鋼。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の耐熱鋳鋼において、
    重量%で、Pを0.01%未満、Sを0.01%未満と
    することを特徴とする耐熱鋳鋼。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載の耐熱鋳鋼において、
    重量%で、Coを0.01〜0.4%含有することを特
    徴とする耐熱鋳鋼。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8記載のいずれかの耐熱鋳鋼
    によって、蒸気タービン車室および蒸気タービン弁箱な
    どの蒸気タービン部品を構成したことを特徴とする耐熱
    鋳鋼部品。
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