JPH11298037A - 発光素子 - Google Patents
発光素子Info
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- JPH11298037A JPH11298037A JP10450598A JP10450598A JPH11298037A JP H11298037 A JPH11298037 A JP H11298037A JP 10450598 A JP10450598 A JP 10450598A JP 10450598 A JP10450598 A JP 10450598A JP H11298037 A JPH11298037 A JP H11298037A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 GaAs基板上で1μm以上の発光波長をも
つ材料を実現し、温度特性に優れた発光ダイオードやレ
ーザダイオード等の発光素子を実現する。 【解決手段】 活性層を、GaAs1-y-zSbyNz層
(GaAs0.86Sb0.1N0.04層4)をGaAs層5で
挟んだダブルへテロ構造で構成する。
つ材料を実現し、温度特性に優れた発光ダイオードやレ
ーザダイオード等の発光素子を実現する。 【解決手段】 活性層を、GaAs1-y-zSbyNz層
(GaAs0.86Sb0.1N0.04層4)をGaAs層5で
挟んだダブルへテロ構造で構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体によって形
成された発光素子に関し、特に発振波長が1μm以上の
光通信用光源として使用される発光素子に関するもので
ある。
成された発光素子に関し、特に発振波長が1μm以上の
光通信用光源として使用される発光素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、1.3μmや1.5μm波長
帯のレーザとしては、InP基板上のInGaAsP/
InPダブルヘテロ構造が用いられてきた。ところが、
このような構造のレーザを実現するには、温度特性の改
善が必要であり、そのためには注入キャリアを効率よく
閉じ込めることが要求される。
帯のレーザとしては、InP基板上のInGaAsP/
InPダブルヘテロ構造が用いられてきた。ところが、
このような構造のレーザを実現するには、温度特性の改
善が必要であり、そのためには注入キャリアを効率よく
閉じ込めることが要求される。
【0003】一方、面発光レーザを実現する場合、従来
においてはInP基板上に適当なDBR(Distributed
Bragg Reflector )多層膜を製造することが困難である
ことから、代替手法として、GaAs基板上にInGa
AsN混晶を製造する方法が提案され(近藤,応用物
理,Vol.65(1996)148)、 波長1.3μmの室温パルス
発振が既に実現されている。
においてはInP基板上に適当なDBR(Distributed
Bragg Reflector )多層膜を製造することが困難である
ことから、代替手法として、GaAs基板上にInGa
AsN混晶を製造する方法が提案され(近藤,応用物
理,Vol.65(1996)148)、 波長1.3μmの室温パルス
発振が既に実現されている。
【0004】この系においては、AlGaAs混晶との
ダブルヘテロ構造で300meVを超える伝導帯不連続
値が期待でき、注入キャリアの閉じ込め効率が優れてい
るといえる。また、AlGaAs/GaAs多層構造に
よるDBR多層膜が使えるという利点があるため、面発
光レーザヘの展開に有利である。
ダブルヘテロ構造で300meVを超える伝導帯不連続
値が期待でき、注入キャリアの閉じ込め効率が優れてい
るといえる。また、AlGaAs/GaAs多層構造に
よるDBR多層膜が使えるという利点があるため、面発
光レーザヘの展開に有利である。
【0005】さらに、原理的にはInGaAsNはGa
As基板と格子整合可能な組成範囲を持つことがわかっ
ており、格子整合のもとで1.3μm以上の発光波長を
得るためには、Inの割合を0.1とすると、4%以上
のN組成が必要とされる。
As基板と格子整合可能な組成範囲を持つことがわかっ
ており、格子整合のもとで1.3μm以上の発光波長を
得るためには、Inの割合を0.1とすると、4%以上
のN組成が必要とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
おいては、In0.1Ga0.9AsへのNの固溶度は低く、
最大でも1%程度で飽和してしまう。これは、In−N
の結合力が非常に弱く、InGaAsN混晶に溶解度ギ
ャップが存在し、ある一定量以上のN組成を増やすこと
ができないことによるものである。したがって、実際の
レーザ構造においては、上述のInGaAsN混晶によ
るダブルへテロ構造の実現は困難であり、そのため圧縮
歪みInGaAsN/GaAsもしくはInGaAsN
/AlGaAs量子井戸構造を採用しているのが実状で
ある。
おいては、In0.1Ga0.9AsへのNの固溶度は低く、
最大でも1%程度で飽和してしまう。これは、In−N
の結合力が非常に弱く、InGaAsN混晶に溶解度ギ
ャップが存在し、ある一定量以上のN組成を増やすこと
ができないことによるものである。したがって、実際の
レーザ構造においては、上述のInGaAsN混晶によ
るダブルへテロ構造の実現は困難であり、そのため圧縮
歪みInGaAsN/GaAsもしくはInGaAsN
/AlGaAs量子井戸構造を採用しているのが実状で
ある。
【0007】また、InGaAsNからなる活性層の膜
厚は、臨界膜厚のため高々10nmと薄く、N組成はも
ちろんのことIn組成の膜厚も増加させることができな
いので、このようなヘテロ構造でGaAs基板に格子整
合しかつ1.3μm以上の波長を有する発光素子を実現
することは非常に困難であった。本発明は、このような
課題を解決するためのものであり、GaAs基板上で1
μm以上の発光波長をもつ材料を実現し、温度特性に優
れた発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子を
提供することを目的とする。
厚は、臨界膜厚のため高々10nmと薄く、N組成はも
ちろんのことIn組成の膜厚も増加させることができな
いので、このようなヘテロ構造でGaAs基板に格子整
合しかつ1.3μm以上の波長を有する発光素子を実現
することは非常に困難であった。本発明は、このような
課題を解決するためのものであり、GaAs基板上で1
μm以上の発光波長をもつ材料を実現し、温度特性に優
れた発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係る発光素子は、GaAs基板上に
活性層を備えた発光素子において、上記活性層は、Ga
As1-y-zSbyNz層をGaAs層で挟んだダブルへテ
ロ構造である。このように構成することにより本発明
は、InPよりも低コストなGaAs基板を用いて発光
素子を製造することができるため、発光素子を安価で提
供することができる。また、このような発光素子と、G
aAs系材料で構成された電子素子とのモノリシック化
が可能であり、様々な光機能素子の実現に有効である。
るために、本発明に係る発光素子は、GaAs基板上に
活性層を備えた発光素子において、上記活性層は、Ga
As1-y-zSbyNz層をGaAs層で挟んだダブルへテ
ロ構造である。このように構成することにより本発明
は、InPよりも低コストなGaAs基板を用いて発光
素子を製造することができるため、発光素子を安価で提
供することができる。また、このような発光素子と、G
aAs系材料で構成された電子素子とのモノリシック化
が可能であり、様々な光機能素子の実現に有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。本実施の形態は、GaAs基板上におい
て、GaAs1-y-zSbyNz層 をGaAs層で挟んだダ
ブルへテロ構造を活性層に有する点に特徴がある。そし
て、GaAs層の両サイドには、n−AlxGa1-xAs
およびp−AlxGa1-xAsを形成するか、または、n
形のDBR多層膜およびp形のDBR多層膜を形成する
とよい。
て説明する。本実施の形態は、GaAs基板上におい
て、GaAs1-y-zSbyNz層 をGaAs層で挟んだダ
ブルへテロ構造を活性層に有する点に特徴がある。そし
て、GaAs層の両サイドには、n−AlxGa1-xAs
およびp−AlxGa1-xAsを形成するか、または、n
形のDBR多層膜およびp形のDBR多層膜を形成する
とよい。
【0010】ところで、GaAs基板上に形成されたG
aAsN混晶には、N組成が4%まで入ることが本願の
発明者らによって確認されている。そして、この場合に
おける発光波長は1.29μmである。このような混晶
に対して、さらにSbを添加していくと、この混晶中に
はIn−N結合は含まれていないことから、SbはN原
子と同じV族サイトに独立して取り込まれる。そのた
め、InGaAsNの場合とは異なり、Sbは飽和傾向
を示すことなく取り込まれる。また、このときのGaA
sNのひっぱり歪みは、Sb導入によってGaAsの格
子定数に近づくため、歪みが減少して格子整合が可能と
なる。そして、バンドギャップは、Sb添加によってさ
らに長波長化する。
aAsN混晶には、N組成が4%まで入ることが本願の
発明者らによって確認されている。そして、この場合に
おける発光波長は1.29μmである。このような混晶
に対して、さらにSbを添加していくと、この混晶中に
はIn−N結合は含まれていないことから、SbはN原
子と同じV族サイトに独立して取り込まれる。そのた
め、InGaAsNの場合とは異なり、Sbは飽和傾向
を示すことなく取り込まれる。また、このときのGaA
sNのひっぱり歪みは、Sb導入によってGaAsの格
子定数に近づくため、歪みが減少して格子整合が可能と
なる。そして、バンドギャップは、Sb添加によってさ
らに長波長化する。
【0011】ここで、GaAsN混晶のボーイングパラ
メータを−11.5eV、GaAsSb混晶のボーイン
グパラメータを−1.9eVとそれぞれ仮定すると、G
aAs1-y-zSbyNz のバンドギャップは、室温におい
て、 1.42−11.5z−1.9y(eV) となる。
メータを−11.5eV、GaAsSb混晶のボーイン
グパラメータを−1.9eVとそれぞれ仮定すると、G
aAs1-y-zSbyNz のバンドギャップは、室温におい
て、 1.42−11.5z−1.9y(eV) となる。
【0012】また、GaSb、GaAs、GaNの格子
定数をそれぞれ0.61nm、0.565nm、0.4
5nmと仮定すると、GaAs1-y-zSbyNz の格子定
数は、 0.565−0.115z+0.045y(nm) となる。そのため、GaAs基板と格子整合させるため
には、 y=(0.115÷0.045)・z≒2.56z の関係を満たせばよいことがわかる。
定数をそれぞれ0.61nm、0.565nm、0.4
5nmと仮定すると、GaAs1-y-zSbyNz の格子定
数は、 0.565−0.115z+0.045y(nm) となる。そのため、GaAs基板と格子整合させるため
には、 y=(0.115÷0.045)・z≒2.56z の関係を満たせばよいことがわかる。
【0013】そこで、本願の発明者らは実験により、G
aAs基板上に格子整合したGaAs0.89Sb0.08N
0.03を用いれば波長1.3μmの発光光を得られ、同様
に格子整合したGaAs0.86Sb0.1N0.04 を用いれば
波長1.5μmの発光光を得られることを確認した。こ
のように、本実施の形態に係る発光素子は、4%程度の
N組成によって1.3μm以上の長波長の発光が可能で
あり、しかもGaAs基板に対する格子整合を可能とす
るものである。
aAs基板上に格子整合したGaAs0.89Sb0.08N
0.03を用いれば波長1.3μmの発光光を得られ、同様
に格子整合したGaAs0.86Sb0.1N0.04 を用いれば
波長1.5μmの発光光を得られることを確認した。こ
のように、本実施の形態に係る発光素子は、4%程度の
N組成によって1.3μm以上の長波長の発光が可能で
あり、しかもGaAs基板に対する格子整合を可能とす
るものである。
【0014】特に、As組成を86%、Sb組成を10
%、N組成を4%とした場合に得られる1.5μm帯の
波長は、光通信分野において重要なものである。したが
って、このような波長の得られる発光素子を、GaAs
基板上に容易に作製することができることは、本実施の
形態における大きな利点である。
%、N組成を4%とした場合に得られる1.5μm帯の
波長は、光通信分野において重要なものである。したが
って、このような波長の得られる発光素子を、GaAs
基板上に容易に作製することができることは、本実施の
形態における大きな利点である。
【0015】一方、図3は従来のInP/InGaAs
Pと本願のGaAsSbN/GaAsとのバンド不連続
を定量的に示したグラフである。同図において、横軸は
伝導帯不連続ΔEc(meV)、縦軸は特性温度T
0 (K)を示す。同図から明らかなように、従来のIn
P/InGaAsP系を用いた1.5μmで発光する素
子においては、伝導帯不連続が約200meVと小さい
ため、動作電流による発熱や周囲温度の上昇の影響によ
って、素子特性が劣化するという問題がある。
Pと本願のGaAsSbN/GaAsとのバンド不連続
を定量的に示したグラフである。同図において、横軸は
伝導帯不連続ΔEc(meV)、縦軸は特性温度T
0 (K)を示す。同図から明らかなように、従来のIn
P/InGaAsP系を用いた1.5μmで発光する素
子においては、伝導帯不連続が約200meVと小さい
ため、動作電流による発熱や周囲温度の上昇の影響によ
って、素子特性が劣化するという問題がある。
【0016】それに対して、本実施の形態に係る構成を
用いた場合、GaAsとの伝導帯不運続を約500me
Vと十分大きくとることができ、注入キャリアの効率の
良い閉じこめが可能となる。したがって、特性温度の大
きい(すなわち、温度変動に対する特性変化が少ない)
優れた発光素子を実現することができる。また、発光素
子の閾値を低減させる効果もある。ここで、本発明に係
る実施例について図を参照して説明する。
用いた場合、GaAsとの伝導帯不運続を約500me
Vと十分大きくとることができ、注入キャリアの効率の
良い閉じこめが可能となる。したがって、特性温度の大
きい(すなわち、温度変動に対する特性変化が少ない)
優れた発光素子を実現することができる。また、発光素
子の閾値を低減させる効果もある。ここで、本発明に係
る実施例について図を参照して説明する。
【0017】
【実施例】[第1の実施例]図1に、本発明に係る第1
の実施例、すなわち発振波長が1.5μm帯のGaAs
0.86Sb0.1N0.04 /GaAsからなるダブルヘテロ構
造の活性層を有する半導体レーザ層構造を示す。本実施
例においては、MOVPE(Metal Organic Vapor Phas
e Epitaxy )法を用いて各層の成長を行ったが、MOV
PE法に限られるものではなく、ガスソースMBE(Mo
lecular Beam Epitaxy)等の他の手法を用いてもよい。
の実施例、すなわち発振波長が1.5μm帯のGaAs
0.86Sb0.1N0.04 /GaAsからなるダブルヘテロ構
造の活性層を有する半導体レーザ層構造を示す。本実施
例においては、MOVPE(Metal Organic Vapor Phas
e Epitaxy )法を用いて各層の成長を行ったが、MOV
PE法に限られるものではなく、ガスソースMBE(Mo
lecular Beam Epitaxy)等の他の手法を用いてもよい。
【0018】同図に示すように、n−GaAsからなる
基板1の上には、順次、n−Al0.3Ga0.7As層2
(膜厚は1.5μm)、GaAs層3(膜厚は0.3μ
m)、GaAs0.86Sb0.1N0.04層4(膜厚は0.1
μm)、GaAs層5(膜厚は0.3μm)、p−Al
0.3Ga0.7As層6(膜厚は1.5μm)が形成されて
いる。
基板1の上には、順次、n−Al0.3Ga0.7As層2
(膜厚は1.5μm)、GaAs層3(膜厚は0.3μ
m)、GaAs0.86Sb0.1N0.04層4(膜厚は0.1
μm)、GaAs層5(膜厚は0.3μm)、p−Al
0.3Ga0.7As層6(膜厚は1.5μm)が形成されて
いる。
【0019】ここで、GaAsとGaAs0.86Sb0.1
N0.04 のエネルギーギャップ差は600meV以上あ
り、伝導帯不運続も約500meVと十分大きく、注入
キャリアの効率のよい閉じ込めが可能である。
N0.04 のエネルギーギャップ差は600meV以上あ
り、伝導帯不運続も約500meVと十分大きく、注入
キャリアの効率のよい閉じ込めが可能である。
【0020】また、活性層の両サイドにあるAl0.3G
a0.7Asは光閉じ込めに有効であり、実際、この素子
構造によって1.5μmの室温発振を確認することがで
きた。さらに、発光素子の温度に対する安定性の指標で
ある特性温度は、従来のInP/InGaAsP系にお
いて120K程度であったものが、本実施例の素子では
約180Kとなり、顕著な向上が見られた。
a0.7Asは光閉じ込めに有効であり、実際、この素子
構造によって1.5μmの室温発振を確認することがで
きた。さらに、発光素子の温度に対する安定性の指標で
ある特性温度は、従来のInP/InGaAsP系にお
いて120K程度であったものが、本実施例の素子では
約180Kとなり、顕著な向上が見られた。
【0021】[第2の実施例]次に、本発明のその他の
実施例について説明する。図2に、第2の実施例による
1.5μm帯の格子整合 GaAs0.86Sb0.1N0.04/
GaAsダブルヘテロ構造の活性層を有する面発光レー
ザ層構造を示す。本実施例においては、第1の実施例と
同様に、MOVPE法を用いて各層の成長を行ったが、
MOVPE法に限られるものではなく、ガスソースMB
E等の他の手法を用いてもよい。
実施例について説明する。図2に、第2の実施例による
1.5μm帯の格子整合 GaAs0.86Sb0.1N0.04/
GaAsダブルヘテロ構造の活性層を有する面発光レー
ザ層構造を示す。本実施例においては、第1の実施例と
同様に、MOVPE法を用いて各層の成長を行ったが、
MOVPE法に限られるものではなく、ガスソースMB
E等の他の手法を用いてもよい。
【0022】同図に示すように、n−GaAsからなる
基板1の上には、順次、n−AlAs(126nm)/
GaAs(107nm)を一対とする膜を20対形成し
たDBR多層膜7、GaAs層3(膜厚は0.3μ
m)、 GaAs0.86Sb0.1N0. 04層4(膜厚は0.1
μm)、GaAs層5(膜厚は0.3μm)、p−Al
As(126nm)/GaAs(107nm)を一対と
する膜を18対形成したDBR多層膜8が形成されてい
る。
基板1の上には、順次、n−AlAs(126nm)/
GaAs(107nm)を一対とする膜を20対形成し
たDBR多層膜7、GaAs層3(膜厚は0.3μ
m)、 GaAs0.86Sb0.1N0. 04層4(膜厚は0.1
μm)、GaAs層5(膜厚は0.3μm)、p−Al
As(126nm)/GaAs(107nm)を一対と
する膜を18対形成したDBR多層膜8が形成されてい
る。
【0023】なお、n−AlAs(126nm)/Ga
As(107nm)とは、膜厚が126nmのn形Al
Asと、膜厚が107nmのn形GaAsとを積層した
ものである。p−AlAs(126nm)/GaAs
(107nm)についても同様である。また、上記のA
lAsの代わりにAlGaAsを用いることもできる。
As(107nm)とは、膜厚が126nmのn形Al
Asと、膜厚が107nmのn形GaAsとを積層した
ものである。p−AlAs(126nm)/GaAs
(107nm)についても同様である。また、上記のA
lAsの代わりにAlGaAsを用いることもできる。
【0024】このように本実施例は、GaAs0.86Sb
0.1N0.04 /GaAsダブルヘテロ構造を、AlAs/
GaAsのDBR多層膜で挟み込んだ面発光構造であ
り、DBR多層膜は波長1.5μmで反射率が最大にな
るように設計されている。そして、実験の結果、この素
子構造では波長1.5μmの室温発振が確認され、温度
特性も実施例1の場合と同様の良好なものが得られた。
すなわち、本実施例2を用いることにより、GaAs基
板上に、1.5μm帯の面発光レーザーを容易に作製す
ることができた。
0.1N0.04 /GaAsダブルヘテロ構造を、AlAs/
GaAsのDBR多層膜で挟み込んだ面発光構造であ
り、DBR多層膜は波長1.5μmで反射率が最大にな
るように設計されている。そして、実験の結果、この素
子構造では波長1.5μmの室温発振が確認され、温度
特性も実施例1の場合と同様の良好なものが得られた。
すなわち、本実施例2を用いることにより、GaAs基
板上に、1.5μm帯の面発光レーザーを容易に作製す
ることができた。
【0025】さらに、第1および第2の実施例の何れに
おいても、GaAs基板に格子整合する他の材料系、例
えばAlGaAs/GaAs系、AlGaAs/InG
aAs系、AlGaInP/GaAs系等を用いること
により、可視光から赤外光を含む様々な異なる発光波長
を有する発光素子や、化合物半導体では最も技術が進歩
して広範な分野で実用に供されているGaAs系材料で
構成された電子素子とのモノリシック化等が可能とな
る。したがって、光・電子集積回路(以下、OEICと
いう:Opto-ElectronicIntegrated Circuits)を始めと
した様々な機能素子を、良好な特性を実現しつつ低コス
トで提供することができる。
おいても、GaAs基板に格子整合する他の材料系、例
えばAlGaAs/GaAs系、AlGaAs/InG
aAs系、AlGaInP/GaAs系等を用いること
により、可視光から赤外光を含む様々な異なる発光波長
を有する発光素子や、化合物半導体では最も技術が進歩
して広範な分野で実用に供されているGaAs系材料で
構成された電子素子とのモノリシック化等が可能とな
る。したがって、光・電子集積回路(以下、OEICと
いう:Opto-ElectronicIntegrated Circuits)を始めと
した様々な機能素子を、良好な特性を実現しつつ低コス
トで提供することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明は次のよう
なような効果を奏する。 (1)伝導帯不運続が大きいので、優れた温度特性や低
閾値特性を実現することができる。
なような効果を奏する。 (1)伝導帯不運続が大きいので、優れた温度特性や低
閾値特性を実現することができる。
【0027】(2)光通信分野で重要な1.5μm帯波
長を有する発光素子を、従来用いられてきたInP基板
の代わりに、GaAs基板上に作製することができる。
したがって、InPよりも製造コストが低く、かつ機械
的な強度にも優れて大口径化が可能という優れた効果を
得ることができる。
長を有する発光素子を、従来用いられてきたInP基板
の代わりに、GaAs基板上に作製することができる。
したがって、InPよりも製造コストが低く、かつ機械
的な強度にも優れて大口径化が可能という優れた効果を
得ることができる。
【0028】(3)また、本発明に係る発光素子はGa
As基板上に作製されるため、AlGaAs/GaAs
系材料を用いたDBR多層膜を利用することができる。
すなわち、本発明においては、半導体材料からなるDB
R多層膜を形成することができる。そのため、金属膜
(Au、AgまたはNi等)からなる反射膜を形成した
場合のように、チャンバ内から一旦取り出して別のチャ
ンバに移し替える必要がなく、同一チャンバ内で各層の
膜を連続して形成することができる。したがって、界面
の汚染を防止でき、特性の優れたDBR多層膜を得るこ
とができる。これは、面発光レーザの特性向上に大きく
貢献するものである。
As基板上に作製されるため、AlGaAs/GaAs
系材料を用いたDBR多層膜を利用することができる。
すなわち、本発明においては、半導体材料からなるDB
R多層膜を形成することができる。そのため、金属膜
(Au、AgまたはNi等)からなる反射膜を形成した
場合のように、チャンバ内から一旦取り出して別のチャ
ンバに移し替える必要がなく、同一チャンバ内で各層の
膜を連続して形成することができる。したがって、界面
の汚染を防止でき、特性の優れたDBR多層膜を得るこ
とができる。これは、面発光レーザの特性向上に大きく
貢献するものである。
【0029】(4)GaAs基板に格子整合しかつ他の
材料系であるAlGaAs/GaAs系、AlGaAs
/InGaAs系、AlGaInP/GaAs系等で構
成され可視光から赤外光を含む様々な異なる発光波長を
有する発光素子と、1.5μm帯の波長を有する発光素
子とのモノリシック化が可能となるため、様々な光機能
素子を実現することができる。
材料系であるAlGaAs/GaAs系、AlGaAs
/InGaAs系、AlGaInP/GaAs系等で構
成され可視光から赤外光を含む様々な異なる発光波長を
有する発光素子と、1.5μm帯の波長を有する発光素
子とのモノリシック化が可能となるため、様々な光機能
素子を実現することができる。
【0030】(5)化合物半導体では最も製造技術が進
歩しており、広範な分野で大規模回路まで実用に供され
ているGaAs系材料で構成された電子素子とのモノリ
シック化が可能となり、OEICを始めとした様々な機
能素子を歩留まりよくすなわち低コストで実現すること
ができる。
歩しており、広範な分野で大規模回路まで実用に供され
ているGaAs系材料で構成された電子素子とのモノリ
シック化が可能となり、OEICを始めとした様々な機
能素子を歩留まりよくすなわち低コストで実現すること
ができる。
【図1】 本発明の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施例を示す断面図である。
【図3】 従来のInP/InGaAsPと本願のGa
AsSbN/GaAsとのバンド不連続を定量的に示し
たグラフである。
AsSbN/GaAsとのバンド不連続を定量的に示し
たグラフである。
1…基板、2…n−Al0.3Ga0.7As層、3,5…G
aAs層、4…GaAs0.86Sb0.1N0.04 層、6…p
−Al0.3Ga0.7As層、7,8…DBR多層膜。
aAs層、4…GaAs0.86Sb0.1N0.04 層、6…p
−Al0.3Ga0.7As層、7,8…DBR多層膜。
Claims (9)
- 【請求項1】 GaAs基板上に活性層を備えた発光素
子において、 前記活性層は、GaAs1-y-zSbyNz 層をGaAs層
で挟んだダブルへテロ構造であることを特徴とする発光
素子。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記活性層は、第1の導電型のAlxGa1-xAsと、第
2の導電型のAlxGa1-xAsとによって挟まれている
ことを特徴とする発光素子。 - 【請求項3】 請求項1において、 前記yおよび前記zは、y=2.56zの関係にあるこ
とを特徴とする発光素子。 - 【請求項4】 請求項1において、 As組成を86%、Sb組成を10%、N組成を4%と
したことを特徴とする発光素子。 - 【請求項5】 請求項1において、 As組成を89%、Sb組成を8%、N組成を3%とし
たことを特徴とする発光素子。 - 【請求項6】 請求項1において、 第1の導電型のGaAsからなる基板と、 この基板の上に形成された第1の導電型のAl0.3Ga
0.7As層と、 このAl0.3Ga0.7As層の上に形成された第1のGa
As層と、 この第1のGaAs層の上に形成されたGaAs0.86S
b0.1N0.04 層と、 このGaAs0.86Sb0.1N0.04 の上に形成された第2
のGaAs層と、 この第2のGaAs層の上に形成された第2の導電型の
Al0.3Ga0.7As層とを少なくとも有することを特徴
とする発光素子。 - 【請求項7】 請求項6において、 前記第1の導電型のAl0.3Ga0.7As層は、その厚さ
が1.5μmであり、 前記第1のGaAs層は、その厚さが0.3μmであ
り、 前記GaAs0.86Sb0.1N0.04 層は、その厚さが0.
1μmであり、 前記第2のGaAs層は、その厚さが0.3μmであ
り、 前記第2の導電型のAl0.3Ga0.7As層は、その厚さ
が1.5μmであることを特徴とする発光素子。 - 【請求項8】 請求項1において、 第1の導電型のGaAsからなる基板と、 この基板の上に形成されかつ第1の導電型のAlAs層
と第1の導電型のGaAs層とが交互に形成された第1
のDBR多層膜と、 この第1のDBR多層膜の上に形成されたGaAs0.86
Sb0.1N0.04 層と、 このGaAs0.86Sb0.1N0.04 層の上に形成されかつ
第2の導電型のAlAs層と第2の導電型のGaAs層
とが交互に形成された第2のDBR多層膜とを少なくと
も有することを特徴とする発光素子。 - 【請求項9】 請求項8において、 前記第1のDBR膜は、厚さが126nmの第1の導電
型のAlAs層と厚さが107nmの第1の導電型のG
aAs層とを一対とする膜を20対形成して構成され、 前記第1のGaAs層は、その厚さが0.3μmであ
り、 前記GaAs0.86Sb0.1N0.04 層は、その厚さが0.
1μmであり、 前記第2のGaAs層は、その厚さが0.3μmであ
り、 前記第2のDBR膜は、厚さが126nmの第2の導電
型のAlAs層と厚さが107nmの第2の導電型のG
aAs層とを一対とする膜を18対形成して構成されて
いることを特徴とする発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10450598A JPH11298037A (ja) | 1998-04-15 | 1998-04-15 | 発光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10450598A JPH11298037A (ja) | 1998-04-15 | 1998-04-15 | 発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11298037A true JPH11298037A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=14382365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10450598A Pending JPH11298037A (ja) | 1998-04-15 | 1998-04-15 | 発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11298037A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100837404B1 (ko) | 2006-10-18 | 2008-06-12 | 삼성전자주식회사 | 반도체 광전 소자 |
-
1998
- 1998-04-15 JP JP10450598A patent/JPH11298037A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100837404B1 (ko) | 2006-10-18 | 2008-06-12 | 삼성전자주식회사 | 반도체 광전 소자 |
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