JPH11297490A - 自動車用除電シート材 - Google Patents

自動車用除電シート材

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JPH11297490A
JPH11297490A JP10099436A JP9943698A JPH11297490A JP H11297490 A JPH11297490 A JP H11297490A JP 10099436 A JP10099436 A JP 10099436A JP 9943698 A JP9943698 A JP 9943698A JP H11297490 A JPH11297490 A JP H11297490A
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Japan
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static elimination
sheet material
layer
parts
static eliminating
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JP10099436A
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Inventor
Osamu Yasui
理 安井
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の製造者および使用者の双方の事情を
考慮して、コスト的に有利に、しかも貼着部位の自由度
の高い自動車用除電シート材を提供する。 【解決手段】 車両における人体が接触しやすい導電部
分に貼着される車両用除電シート材Xにおいて、帯電体
が接触させられた場合に、帯電体から電荷を取り除く除
電層1と、この除電層1の一面に形成された接着層2と
を有するものとし、上記除電層1の表面抵抗率を1×1
9 〜9×1010Ω(15℃、相対湿度30%の雰囲
気)とした。好ましくは、上記除電層1の主成分を塩化
ビニル系樹脂とし、除電層1の表面抵抗率を下げるため
の少なくとも1つの導電成分、たとえば分子中に脂肪族
エーテル結合を有するエステル化合物および/またはア
ンモニウム化合物を含ませた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、自動車における
人体が接触しやすい部位に貼着され、人体に帯電した静
電気を除電することができる自動車用除電シート材に関
する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、合成樹脂は、各種日用品の
他、自動車部品などとして日常生活の場で広く活用され
ている。このような合成樹脂は、一般に、摩擦により帯
電する性質を有している。このため、衣服が帯電した状
態のまま金属などの導体に触れると、瞬間的に放電して
電撃ショックを人体に与えることがある。たとえば、人
が自動車を運転したり同乗したりした場合に、座席シー
ト上での摩擦などにより人体が帯電し、降車時などに導
体部分に触れることによって瞬時に放電し、人体が電撃
ショックを受けることがある。また、乗車時において
も、衣服どうしが摩擦によって帯電した状態では、ドア
ノブに手を触れた瞬間に、あるいは鍵穴に鍵を差し込も
うとした瞬間に電撃ショックを受けることがある。
【0003】このような問題を解決するため、座席シー
トを導電繊維で構成して座席シートにおける静電気の発
生を防止したり、アシストグリップなどの自動車用部品
をカーボンブラックやグラファイトなどの導電性材料を
練り込んだ樹脂材料を成形して除電性を有するものと
し、降車時に自動車用部品に触れることによって静電気
を逃がす方法などが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、座席シ
ートやアシストグリップなどの自動車用部品に導電性を
有する材料を含ませて構成することはコスト的に不利で
あり、製造者にとっては多大な負担が強いられる。した
がって、製造者側の立場にたてば、できれば帯電防止あ
るいは除電目的で上記したような手段を講じたくないの
が現状であり、コスト的な負担の小さい方法を採用した
いものである。
【0005】一方、製造者が何らの手段を講じない場合
には、上述した不具合を解消できず、また製造者側の都
合で適当な自動車用部品に除電性を持たせたのでは、使
用者側には選択の余地がなく使用者にとっては不利不便
な場合がある。
【0006】また、カーボンブラックやグラファイトな
どの導電性材料を使用した場合には、透明な成形品が得
られず、任意の色に着色することができないなどの問題
があり、また、成形工程が複雑になるなどの問題があっ
た。さらに、カーボンブラック、グラファイトなどの導
電性材料を塗料中に均一に分散するのが困難であるた
め、局部的に抵抗値が低くなったり、あるいは局部的に
抵抗値が高くなるなどして抵抗値が均一な成形品を得る
のが困難であった。
【0007】本願発明は、上記した事情のもとで考え出
されたものであって、自動車の製造者および使用者の双
方の事情を考慮して、コスト的に有利に、しかも貼着部
位の自由度の高い自動車用除電シート材を提供すること
をその課題とする。
【0008】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0009】すなわち、本発明により提供される自動車
用除電シート材は、車両における人体が接触しやすい導
電部分に貼着される車両用除電シート材であって、帯電
体が接触させられた場合に帯電体から電荷を取り除く除
電層と、この除電層の一面に形成された接着層とを有
し、上記除電層の表面抵抗率が15℃、相対湿度30%
の雰囲気において1×109 〜9×1010Ωであること
を特徴としている。
【0010】上記構成では、予め接着層が形成されてい
るので、接着剤などを用いずとも、上記除電シート材を
所望の導体に貼着して使用することができる。とくに、
本発明では、上記除電シート材がシート状とされて可撓
性を有するものとされているので、導体の形状に制約を
受けることなく所望の部位に貼着することができる。な
お、上記除電シート材は、自動車を製造する段階におい
て製造者側が適宜の導体部分に貼着しておいてもよく、
自動車を購入した者が自己が選択した所望の部位に貼着
してもよい。いずれにしても、上記除電シート材は、容
易かつ簡易な作業で貼着することができる。たとえば、
上記自動車用除電シート材は、自動車ドアのアウタパネ
ルに形成されたキー穴周りやドアノブの周りに貼着して
使用することできる。
【0011】一般に、自動車に乗る場合には、鍵穴に鍵
を差し込んで鍵を回転させることによってドアロックを
解除し、ドアノブを引きつけることによってドアが開け
られる。鍵穴や鍵穴が形成されたドアのアウタパネルな
どは金属によって形成されていることから、衣服などが
帯電している場合には、キーを差し込もうとしたとき
に、あるいはドアノブに触れようとしたときに帯電して
いた静電気が一気に放電されて電撃感を受けることがあ
る。
【0012】したがって、乗車時においてドアを開ける
際に人体が接触して放電しやすい導体部分に上記除電シ
ート材を貼着しておけば、たとえ衣服が帯電していたと
しても、人体が不用意に電撃感を受けることなく上記除
電シート材によって除電されることとなる。もちろん、
除電シート材に意図的に触れて静電気を除電してもよ
い。
【0013】また、上記除電シート材が貼着されている
場合には、上記除電シート材によって鍵穴周りやドアノ
ブ周りが保護されることとなる。すなわち、鍵穴周りや
ドアノブ周りは、鍵や人体の爪などによって傷が付きや
すいのであるが、上記除電シート材によってボディに傷
が付いてしまうことが回避される。
【0014】もちろん、上記除電シート材は、車両ドア
の鍵穴やドアノ周りなどばかりでなく、その他の導電部
位に貼着して使用することができる。たとえば、車室内
における座席シート周の導電部分に貼着してもよい。こ
の場合には、降車しようとする際に、上記除電シートに
意図的に触れることにより、衣服と座席シートの摩擦に
よって生じた静電気を電撃感を受けることなく除電する
ことができる。
【0015】ここで、上記除電シート材において表面抵
抗率を1×109 〜9×1010Ωとするのは、表面抵抗
率が1×109 Ωよりも小さいと、帯電した状態で人の
手指などが接触した場合には、人体に帯電していた静電
気が一気に放電されて電撃感を受け、その抵抗率が9×
1010Ωよりも大きいと、静電気の減衰時間が長くなっ
て人体に帯電した静電気が十分には除電されず、金属な
どの導体に人体が接触した際に一気に放電されて電撃感
を受けるからである。
【0016】なお、上記接着層は、たとえばアクリル系
樹脂あるいはアクリル酸系樹脂などによって形成され
る。
【0017】本発明の好ましい実施の形態においては、
上記除電層は、塩化ビニル系樹脂を主成分としており、
除電層の表面抵抗率を下げるための少なくとも1つの成
分をさらに含有している。
【0018】上記除電層は、塩化ビニル系樹脂が主成分
とされているので、透明性の高いものとされている。す
なわち、上記除電シート材全体として透明性の高いもの
とされている。このため、上記除電シート材を所望の部
位に貼着した場合には、除電シート材が違和感なく溶け
込み、上記除電シート材が目立ってしまって除電シート
材を貼着した部位の外観を損ねてしまうことはない。
【0019】また、上記除電シート材を形成する際に、
着色成分を適宜選択して添加すれば、所望色に容易に着
色することができるといった利点も得られる。
【0020】本発明で使用される塩化ビニル系樹脂は特
に限定されず、たとえばポリ塩化ビニル、塩化ビニル/
エチレン共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル/(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル
/(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げら
れ、さらに、ニトリルブタジエンゴムなどのゴム系樹脂
などを採用することができる。
【0021】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、700
〜1800とするのが好ましい。これは、平均重合度が
700未満であると、流動性および成形加工性に優れる
が、得られる樹脂成形品の機械的強度、耐磨耗性、高温
使用時の形状保持性などが低下し、一方、1800を越
えると、流動性および成形加工性が低下するとともに成
形歪みが大きくなり、得られる樹脂成形品に収縮が発生
しやすくなるからである。より好ましくは、平均重合度
は、1000〜1500とされる。
【0022】除電層の表面抵抗率を下げるための成分と
しては、分子中に脂肪族エーテル結合を有するエステル
化合物あるいはアンモニウム化合物が挙げられ、これら
のうちの少なくとも1つが使用される。もちろん、これ
らを併用してもよい。
【0023】このように、上記除電シート材では、導電
性を有する成分としてエステル化合物および/またはア
ンモニウム化合物が配合されている。エステル化合物や
アンモニウム化合物は、金属などの導体と比べれば導電
性がさほど大きくないため、帯電体を接触したり近づけ
たりしても帯電体が一気に放電してしまうようなことは
なく、帯電体やその周りの導体に電撃ショックを与える
ようなことはない。
【0024】また、このエステル化合物は、カーボンブ
ラックやグラファイトなどと比べれば分散力に優れるこ
とから、従来と比べれば除電樹脂シート材の全体に良好
に均一に分散することができる。このため、上記除電樹
脂シート材では、従来のカーボンブラックやグラファイ
トなどを用いたもののように、これらが不均一に分散さ
れて局所的に表面抵抗率が大きくなったり、小さくなっ
たりすることはなく、全体的に表面抵抗率が均一なもの
とされる。
【0025】分子中に脂肪族エーテル結合を有するエス
テル化合物としては、本発明では特に限定されず、たと
えば多価カルボン酸とグリコール類のモノアルキルエー
テルとのエステル化反応によって得られる化合物などが
挙げられる。
【0026】多価カルボン酸は特には限定されず、たと
えばフタル酸などの芳香族系多価カルボン酸やアジピン
酸などの脂肪族系多価カルボン酸などが挙げられる。
【0027】グリコール類のモノアルキルエーテルも特
には限定されず、たとえばエチレングリコール、プロピ
レングリコールなどのモノアルキルグリコールエーテル
などが挙げられ、さらに具体的には、たとえばプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
モノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコー
ル−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ
−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコール
−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテルなどが挙げられる。
【0028】エステル化反応の反応条件(反応温度や反
応圧力など)としては、公知のものを適用することがで
きる。反応温度が高すぎると反応物の熱分解が起こりや
すくなることから、反応温度は、たとえば80〜250
℃とするのが好ましく、より好ましくは160〜230
℃とされる。
【0029】分子中に脂肪族エーテル結合を有するエス
テル化合物としては、たとえば下記の式(2) で表される
化合物などが挙げられる。
【0030】
【化2】
【0031】アンモニウム塩としては、下記式(3) で表
されるアンモニウム塩などが挙げられる。
【0032】
【化3】
【0033】本発明の好ましい実施の形態におてはさら
に、上記除電層は、塩化ビニル系樹脂100重量部、分
子中に脂肪族エーテル結合を有するエステル化合物3〜
10重量部、可塑剤50〜80重量部、および下記一般
【化4】 (式中におけるR1、R2およびR3のうちの、いずれ
か1つは炭素数5〜24のアルキル基であり、他の2つ
は炭素数1〜5のアルキル基であり、R4は炭素数2〜
4のアルキレン基であり、nは1〜15の整数であり、
Xは塩酸、塩素酸または過塩素酸由来のアニオンであ
る。)で表されるアンモニウム化合物3〜10重量部を
含んでいる。
【0034】分子中に脂肪族エーテル結合を有するエス
テル化合物は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、3〜10重量部配合される。これは、上記エステル
化合物が3重量部未満であると十分な除電効果が得られ
ず、10重量部を越えると抵抗率が小さくなりすぎて除
電時に人体に電撃感を与えることとなるからである。
【0035】アンモニウム塩は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して、3〜10重量部配合される。これ
は、上記アンモニウム塩が3重量部未満であると十分な
除電効果が得られず、10重量部を越えると成形時にお
ける着色性、透明性、耐水性、耐ブリード性が低下して
樹脂成形時の外観を損ねてしまうことが懸念されるから
である。
【0036】本発明において使用される可塑剤は、リン
酸トリクレジル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、
セバシン酸ジオクチル、トリメリット酸−2−エチルヘ
キシル、ピロメリット酸テトラオクチル、ジイソデシル
フタレート(DIDP)、およびジイソノニルフタレー
ト(DINP)からなる群より選ばれる少なくとも1つ
である。
【0037】好ましくは、ジイソデシルフタレート(D
IDP)またはジイソノニルフタレート(DINP)が
採用され、塩化ビニル樹脂100重量部に対して50〜
80重量部配合される。これは、ジイソデシルフタレー
ト(DIDP)またはジイソノニルフタレート(DIN
P)が50重量部未満であると、得られる樹脂シート材
の硬度が高すぎて柔軟性が不十分となり、80重量部を
越えると耐ブリード性が低下するからである。
【0038】なお、上記除電樹脂シート材には、必要に
応じて紫外線吸収剤、充填材、着色材、難燃材、ブリー
ドアウト防止材などの各種の添加材が配合される。上記
充填材としては、たとえば炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウムなどが挙げられる。
【0039】上記除電層は、たとえば上記塩化ビニル系
樹脂、上記エステル化合物、上記可塑剤、および上記ア
ンモニウム塩などを押出し成形機などの混練装置によっ
て170〜190℃程度で溶融混練し、ローラなどによ
って圧延することよって厚さ0.5〜2.0mmのシー
ト状に形成される。
【0040】なお、上記除電層の厚みを0.5〜2.0
mmとするのは、上記除電樹脂シート材の厚みをあまり
に小さくすると機械低強度が低下し、余りに大きいと取
り扱いが不便になるとともに、使用時における体裁が悪
化するからである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0042】図1は本願発明に係る車両用除電シート材
の断面図であり、図2は上記車両用除電シート材の使用
状態を説明するための図である。
【0043】図1に示すように、上記除電シート材X
は、帯電体が触れたり、あるいは近づいた場合に、帯電
体から電気を除電する除電層1と、この除電層1の一面
10に形成された接着層2と、この接着層2における接
着面20を覆う剥離シート3と、を有している。
【0044】上記除電層1は、たとえば塩化ビニル系樹
脂100重量部、分子中に脂肪族エーテル結合を有する
エステル化合物3〜10重量部、可塑剤50〜80重量
部、およびアンモニウム化合物3〜10重量部を含んで
おり、その厚さt1 は0.5〜2.0mmとされてい
る。なお、上記除電層1の表面抵抗率は、15℃、相対
湿度30%1×109 〜9×1010Ωとされている。
【0045】上記接着層2は、たとえばアクリル系樹脂
やアクリル酸系樹脂などによって形成されており、その
厚さt2 は0.05〜0.1mmとされている。
【0046】上記剥離シート3は、使用しない状態にお
いて、上記接着層2が露出して異物などが付着すること
によって上記接着層2の接着性が低下してしまうことを
回避するためのものであり、その厚みt3 は適宜に設計
される。
【0047】このように構成された除電シート材Xは、
たとえば車両における人体が接触しやすい導電部分に貼
着して使用される。とくに、図2に良く表れているよう
にドア4のアウタパネルに形成された鍵穴40周りやド
アノブ41の下部に形成された窪み42になどに好適に
使用することができる。
【0048】上記した各部位に上記除電シート材Xを貼
着する場合には、上記除電シート材Xを各部位の形状な
どに応じて適宜の形状とされる。たとえば、鍵穴40周
りに貼着する場合には、鍵穴40を囲むようにして貼着
できるように、ドーナッツ形状とされる。
【0049】なお、除電シート材の製造者が予め貼着部
位に対応した形状に形成しておいて販売してもよく、ま
た上記除電シート材の購入者が貼着部位に応じてはさみ
などを用いて所望の形状にするようにしてもよい。この
場合には、購入者が自己が望む部位に上記除電シート材
を貼着して使用することができるといった利点がある。
もちろん、自動車メーカーが、自動車の適宜の部位に予
め貼着した状態で自動車を出荷してもよい。
【0050】いずれにしても、上記除電シート材Xを貼
着する場合には、上記剥離シート3を剥離して接着層2
の接着面20を露出させ、この面20を所望部位に接着
させるといった簡易な作業によって行うことができる。
【0051】上記除電シート材Xは、塩化ビニル系樹脂
を主成分として形成されて透明性の高いものとされてい
るとともに、シート状とされて可撓性を有するものとさ
れている。したがって、上記除電シート材Xは、様々な
形状の貼着部位に対応することができるとともに、貼着
部位の外観を損ねてしまうこともない。
【0052】このようにして除電シート材Xが貼着され
た場合には、車両に乗車すべくドアを開ける前に、鍵や
手指を除電シート材Xが貼着された部位に触れることに
よって人体に帯電した電気を除電することができる。上
記除電シート材Xの除電層1は、その表面抵抗率が1×
109 〜9×1010Ω(15℃、相対湿度30%雰囲
気)とされていることから、上記除電シート材Xに触れ
た瞬間に一気に放電してしまうようなことがないため、
人体が電撃感を受けることなく良好に除電を行うことが
できる。
【0053】また、鍵穴40周りやドアノブ41の下部
に形成された窪み42は、鍵や爪などによって傷が付き
やすいのであるが、これらの部位に上記除電シート材X
が貼着されていれば、上記した部位が保護されて、傷が
付いてしまうことを回避することができるといった利点
も得られる。
【0054】なお、本実施形態においては、鍵穴40周
りやドアノブ41の下部に形成された窪み42に上記除
電シート材Xを貼着する場合について説明したが、本発
明はこれに限定されない。たとえば、車室における人体
が接触しやすい導電部位に貼着して使用してもよく。こ
の場合には、降車しようとする際に、上記除電シートX
に触れることにより、衣服と座席シートの摩擦によって
生じた静電気を電撃感を受けることなく除電することが
できる。もちろん、車両以外の導体に対して使用しても
よいもはいうまでもない。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明していく
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない
のはいうまでもない。
【0056】実施例1〜6、比較例1〜5除電シート材の作製 塩化ビニル系樹脂(平均重合度=1300)、分子中に
脂肪族エーテル結合を有するエステル化合物として式
(2) で表される化合物、式(3) で表されるアンモニウム
塩、および耐熱性可塑剤としてのジイソデシルテレフタ
レートを、それぞれ表1に示す量を配合し、押出機にて
180℃にて溶融混練した後に、厚さ0.5mmのシー
ト状の除電層を形成した。そして、このシート材を50
×50mmの大きさに切断して除電層のみからなる除電
シート材を形成した。
【0057】評価方法 得られた除電シート材の評価を以下のようにして行い、
その結果を表1に示した。 (1) 表面抵抗率 JIS K 6911に準拠して測定した。 (3) 電撃感の有無 15℃、30%RHに調整された恒温高湿槽内に、絶縁
性シートを敷き、その上に自動車用の座席シート(シー
トの表皮はポリエステル製)を設置した。ポリエステル
製の衣服を着用した試験者が設置された座席シートに座
り、人体帯電圧測定機の受感部を握り、座席シートと背
中との間で10往復の摩擦運動を繰り返して静電気を帯
電させた。なお、除電シート材は、恒温高湿槽の側面に
取り付けた。 評価:除電シート材に触れながら座席シートから立ち
上がり、その直後にアースされた金属に触れた。 評価:除電シート材に触れずに座席シートから立ち上
がり、次に除電シート材に触れ、その直後にアースされ
た金属に触れた。
【0058】上記評価においては、試験者が電撃感を感
じた場合は×、電撃感を感じなかった場合○とし、その
結果を表1に示した。なお、表中の注1)は金属に触れ
たときの電撃感を意味し、注2)は除電シート材に触れ
たときの電撃感を意味する。また、評価の人体帯電圧
の欄の「減衰前」とは除電シート材に触れる前のことを
意味し、「減衰後」とは除電シート材に触れた後のこと
を意味している。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】実施例において明らかにされたように、
本発明の自動車用シート材は、除電性に優れており、人
体に帯電した静電気を除電するのに好適に使用すること
ができる。
【0061】また、上述したように、上記自動車用除電
シート材は、可撓性に優れるとともに透明度が高いこと
から、導体部分の形状に制約を受けることなく様々な部
位に貼着することができ、しかも貼着された状態で外観
体裁を損ねることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る車両用除電シート材の断面図で
ある。
【図2】上記車両用除電シート材の使用状態を説明する
ための図である。
【符号の説明】
X 除電シート材 1 除電層 2 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27/06 C08L 27/06 H05F 3/02 H05F 3/02 E // A61N 1/14 A61N 1/14 B60N 3/02 B60N 3/02 A B60R 16/06 B60R 16/06 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車における人体が接触しやすい導電
    部分に貼着される自動車用除電シート材であって、 帯電体が接触させられた場合に帯電体から電荷を取り除
    く除電層と、 この除電層の一面に形成された接着層と、を有し、 上記除電層の表面抵抗率が、15℃、相対湿度30%の
    雰囲気において、1×109 〜9×1010Ωであること
    を特徴とする、自動車用除電シート材。
  2. 【請求項2】 上記除電層は、塩化ビニル系樹脂を主成
    分としており、除電層の表面抵抗率を下げるための少な
    くとも1つの成分をさらに含有している、請求項1に記
    載の自動車用除電シート材。
  3. 【請求項3】 除電層の表面抵抗率を下げるための成分
    は、分子中に脂肪族エーテル結合を有するエステル化合
    物および/またはアンモニウム化合物である、請求項2
    に記載の自動車用除電シート材。
  4. 【請求項4】 上記除電層は、塩化ビニル系樹脂100
    重量部、分子中に脂肪族エーテル結合を有するエステル
    化合物3〜10重量部、可塑剤50〜80重量部、およ
    び下記一般式 【化1】 (式中におけるR1、R2およびR3のうちの、いずれ
    か1つは炭素数5〜24のアルキル基であり、他の2つ
    は炭素数1〜5のアルキル基であり、R4は炭素数2〜
    4のアルキレン基であり、nは1〜15の整数であり、
    Xは塩酸、塩素酸または過塩素酸由来のアニオンであ
    る。)で表されるアンモニウム化合物3〜10重量部を
    含んでいる、請求項3に記載の自動車用除電シート材。
  5. 【請求項5】 上記可塑剤は、ジイソデシルフタレート
    またはジイソノニルフタレートである、請求項4に記載
    の自動車用除電シート材。
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