JPH11296163A

JPH11296163A - 電子ピアノの鍵盤蓋機構

Info

Publication number: JPH11296163A
Application number: JP10111532A
Authority: JP
Inventors: Akio Ikuma; 彰男伊熊
Original assignee: Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1998-04-07
Filing date: 1998-04-07
Publication date: 1999-10-29

Abstract

(57)【要約】【課題】実質的に低コスト化を図りながら、簡素かつ
コンパクトな構成で適正かつ円滑作動を実現する電子ピ
アノの鍵盤蓋機構を提供する。【解決手段】鍵盤蓋２が、鍵盤１上部で進退するよう
にピアノ本体にスライド自在に支持される。鍵盤蓋２の
前部をガイドする第１のガイド手段と、鍵盤蓋２の後部
をガイドする第２のガイド手段とを備える。鍵盤蓋２が
所定軌道に沿ってスライドする際、鍵盤蓋２の前部が鍵
盤１後部付近に落ち込むようにする。第１のガイド手段
は、鍵盤２両端の腕木３の内側に設けた凹溝１０と、鍵
盤蓋２の先端付近に突設したガイドピン１２とを含んで
いる。凹溝１０はほぼスライド方向に延設されると共
に、その前後端部に落込み部１０ａ，１０ｂを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鍵盤蓋を簡易な構
成でスライドまたは移動自在に支持する電子ピアノの鍵
盤蓋機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子ピアノにおいて、鍵盤を覆う鍵盤蓋
がピアノ本体に格納されるようになっている。鍵盤蓋を
ピアノ本体から出し入れする場合、たとえばピアノ本体
と鍵盤蓋の間にラック・アンド・ピニオン機構を装着
し、鍵盤蓋を前後に移動可能に支持したものがある。

【０００３】ラック・アンド・ピニオン式の鍵盤蓋機構
は構成が複雑であり、コストも高くなる。一方ラック・
アンド・ピニオン機構を用いない比較的簡易なものとし
て、従来たとえば図５に示したように腕木の内側にスラ
イドガイドを設け、このスライドガイドに沿って鍵盤蓋
をスライドさせるようにした低コストのスライド式鍵盤
蓋機構が知られている。

【０００４】すなわち、図５において左右（紙面垂直方
向）に配列された鍵盤１は、鍵盤蓋２によって覆われ
る。鍵盤１の両端に位置する一対の腕木３の内側には、
この例では前後に延設されたほぼ山形のスライドガイド
４が固着されている。なお、鍵盤１を含む鍵盤ユニット
は棚板５上に支持され、棚板５からは下方へ脚６が出て
いる。また上部の天屋根７には譜面台８等が設けられる
とともに、ピアノ本体内の所定部位に楽音発生用のスピ
ーカ等が配置される。

【０００５】このスライド式鍵盤蓋機構によれば、鍵盤
蓋２がスライドガイド４によって支持されながら前後に
スライドすることができる。これにより鍵盤蓋２を実線
で示すように手前に引き出すことで鍵盤１に蓋がされ
る。また、２点鎖線で示すように鍵盤蓋２を奥（後方）
へ押し込むことにより鍵盤１が露呈し、これを使用する
ことができるというものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、鍵盤蓋２を
奥へ押し込んだ際、そのままでは鍵盤蓋２の下側の隙間
から内部が見えてしまうため、図５に示されるように鍵
盤１の後部に鍵押えもしくは目隠し板９を設けている。
しかしながら、従来の電子ピアノにおいて、上述のよう
に目隠し板９が必要になり、部品点数が多く構造が複雑
化せざるを得なかった。また、目隠し板９を設けている
ため、少なくともその分だけ嵩高になってしまう等の問
題があった。

【０００７】本発明はかかる実情に鑑み、実質的に低コ
スト化を図りながら、簡素かつコンパクトな構成で適正
かつ円滑作動を実現する電子ピアノの鍵盤蓋機構を提供
することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の電子ピアノの鍵
盤蓋機構は、鍵盤蓋が、鍵盤上部で進退するようにピア
ノ本体にスライド自在に支持される電子ピアノの鍵盤蓋
機構であって、鍵盤蓋の前部をガイドする第１のガイド
手段と、鍵盤蓋の後部をガイドする第２のガイド手段と
を備え、鍵盤蓋が所定軌道に沿ってスライドする際、鍵
盤蓋の前部が鍵盤後部付近に落ち込むようにしたもので
ある。

【０００９】また、本発明の電子ピアノの鍵盤蓋機構に
おいて、前記第１のガイド手段は、鍵盤両端の腕木の内
側に設けた凹溝と、鍵盤蓋の先端付近に突設したガイド
ピンとを含んでいることを特徴とする。また、本発明の
電子ピアノの鍵盤蓋機構において、前記凹溝はほぼスラ
イド方向に延設されると共に、その前後端部に落込み部
を有することを特徴とする。

【００１０】また、本発明の電子ピアノの鍵盤蓋機構に
おいて、前記第１のガイド手段は、腕木の内側に突設し
たガイド突片でなり、その後端部に落込み部を有するこ
とを特徴とする。

【００１１】また、本発明の電子ピアノの鍵盤蓋機構に
おいて、前記第２のガイド手段は、腕木の内側に突設し
たガイド突片を含んでいることを特徴とする。

【００１２】本発明によれば、鍵盤蓋の前部をガイドす
る第１のガイド手段と、鍵盤蓋の後部をガイドする第２
のガイド手段とを備える。典型的には第１のガイド手段
は、鍵盤両端の腕木の内側に設けた凹溝と、鍵盤蓋の先
端付近に突設したガイドピンとを含み、凹溝の前後端部
に落込み部を有する。鍵盤蓋がスライドする際、ガイド
ピンが凹溝の後端部の落込み部に入ることにより鍵盤蓋
の前部が鍵盤後部付近に落ち込む。このように鍵盤蓋の
前部が落ち込むことで、何ら特別の部材を用いることな
く鍵盤蓋自体により目隠し板の作用をさせるとともに、
その分だけ高さを低くすることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図４に基づき従来例
と実質的に同一または対応する部材には同一符号を用い
て、本発明による電子ピアノの鍵盤蓋機構の好適な実施
の形態を説明する。本発明において、鍵盤１を覆う鍵盤
蓋２がピアノ本体に格納されるようになっており、鍵盤
蓋２をピアノ本体から出し入れする場合、鍵盤蓋２を簡
易な構成でスライド自在に支持する鍵盤蓋機構を備える
ものとする。

【００１４】図１は、この実施形態における電子ピアノ
の外観構成を示している。図１に示されるように左右に
配列された鍵盤１は、鍵盤蓋２によって覆われるが、鍵
盤蓋２がピアノ本体に押し込まれることで鍵盤１が露呈
し、これを使用することができる。鍵盤蓋２は、後述す
るようにガイド手段によって所定軌道に沿ってスライド
する。

【００１５】図２は、本発明の要部構成を示している。
本発明において鍵盤蓋２の前部をガイドする第１のガイ
ド手段と、鍵盤蓋の後部をガイドする第２のガイド手段
とを備えている。第１のガイド手段は、鍵盤１両端の腕
木３の内側に設けた凹溝１０と、鍵盤蓋２の先端付近に
突設したガイドピン１２とを含んでいる。

【００１６】凹溝１０は図２のように異形の鍵型状に形
成され、ガイドピン１２が嵌入し得る一定幅で延設され
る。凹溝１０の内表面には、ガイドピン１２に対する適
度な滑り性と耐磨耗性を確保するために適宜の表面被材
１１を施すとよい。また特に、凹溝１０は鍵盤蓋２のほ
ぼスライド方向に沿って前後に延設されると共に、その
前後端部に落込み部１０ａ，１０ｂを有する。

【００１７】ガイドン１２は、図３（Ａ）にも示すよう
に鍵盤蓋前付２ａのて側端から腕木３に向け突出形成さ
れる。ガイドピン１２は好適には、鉄等の金属製あるい
はプラスチック等の材料に形成することができる。図示
のようにガイドピン１２が凹溝１０ぴったりと、かつ摺
動可能に嵌入することで鍵盤蓋２の前部が第１のガイド
手段によってスライド自在に適正に支持される。

【００１８】また、本発明の鍵盤蓋機構において第２の
ガイド手段は、腕木３の内側に突設したガイド突片１３
を含んでいる。このガイド突片１３は図２に示されるよ
うに天屋根７の下方にほぼ対応配置され、この場合僅か
に前上がりに傾斜させるとよい。ガイド突片１３の前端
部および上表面には、鍵盤蓋２（の下面）に対する適度
な滑り性と耐磨耗性を確保するために適宜の表面被材
（図示せず）を施すとよい。図３（Ｂ）にも示すように
鍵盤蓋２の両端部は、左右一対のガイド突片１３に載置
され、第２のガイド手段によりスライド自在に支持され
る。

【００１９】上記構成において、鍵盤蓋２の前部をガイ
ドする第１のガイド手段と、鍵盤蓋の後部をガイドする
第２のガイド手段とを備える。第１のガイド手段によれ
ば、凹溝１０およびガイドピン１２の嵌合構造により鍵
盤蓋２の動きを規制する。また第２のガイド手段によれ
ば、鍵盤蓋２がガイド突片１３上でスライド自在に支持
される。これらのガイド手段により鍵盤蓋２が所定軌道
に沿ってスライドするようにガイドし、これにより鍵盤
蓋２の適正かつ円滑なスライド作動を保証することがで
きる。

【００２０】特に本発明によれば、鍵盤蓋２がスライド
する際、鍵盤蓋２を押し込むとガイドピン１２が凹溝１
０の後端部の落込み部１０ｂに入る。これにより図２の
２点鎖線により示すように、鍵盤蓋２の前部が鍵盤蓋２
の後部付近に落ち込む。このように鍵盤蓋２の前部が落
ち込むことで、何ら特別の部材を用いることなく鍵盤蓋
２自体により目隠し板の作用をさせることができる。ま
た、このように鍵盤蓋２の前部を落ち込ませるようにし
たことで、その分だけ高さを低くすることができる。

【００２１】つぎに、図４を用いて本発明による電子ピ
アノの鍵盤蓋機構の第２の実施形態を説明する。この例
では第１のガイド手段として、腕木３の内側に突設した
ガイド突片１４を有する。このガイド突片１４は図４に
示されるように鍵盤１にほぼ対応配置され、特に後端部
を切り欠いてなる落込み部１４ａが設けられている。

【００２２】第２の実施形態において、鍵盤蓋２を押し
込むとガイド突片１４にガイドされながらスライドし、
落込み部１４ａにくると図４の２点鎖線により示すよう
に、鍵盤蓋２の前部が鍵盤蓋２の後部付近に落ち込むよ
うになっている。この場合にも鍵盤蓋２自体により目隠
し板の作用をさせるとともに、高さを低くすることがで
きる。

【００２３】なお、上記実施形態においてはスライド式
鍵盤蓋機構による簡易な構成の例を説明したが、スライ
ド式のみならずラック・アンド・ピニオンによる駆動式
の鍵盤蓋機構に対しても本発明を有効に適用可能であ
る。

【００２４】たとえば鍵盤蓋２の下面にて側端部に沿っ
てラックを敷設するとともに、腕木３にはこのラックと
噛合するピニオンを配置することで、鍵盤蓋２をラック
・アンド・ピニオン式に移動可能に支持する。また、第
１のガイド手段として第１または第２の実施形態で説明
した凹溝１０またはガイド突片１４を組み合わせて設
け、これによりラック・アンド・ピニオンによる駆動式
において上記実施形態と同様な作用効果を得ることがで
きる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、こ
の種の電子ピアノにおいて典型的には凹溝およびガイド
ピンの嵌合構造により鍵盤蓋の動きを規制することで、
鍵盤蓋の適正かつ円滑なスライド作動を保証する。この
場合、スライドの際鍵盤蓋の前部が落ち込むことで、特
別の部材を用いることなく鍵盤蓋自体に目隠し板の作用
を持たせ、また鍵盤蓋の前部を落ち込ませることで、高
さを低くすることができる。したがって、実質的に低コ
スト化を図りながら、簡素かつコンパクトな構成の鍵盤
蓋機構を提供することができる等の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子ピアノの鍵盤蓋機構に係る電子ピ
アノの外観構成を示す斜視図である。

【図２】本発明の電子ピアノの鍵盤蓋機構の実施形態に
おける要部構成を示す断面図である。

【図３】本発明の電子ピアノの鍵盤蓋機構に係る第１お
よび第２のガイド手段を示すそれぞれ正面断面図であ
る。

【図４】本発明の電子ピアノの鍵盤蓋機構の第２の実施
形態を示す部分断面図である。

【図５】従来の電子ピアノの鍵盤蓋機構の要部構成を示
す断面図である。

【符号の説明】

１鍵盤２鍵盤蓋３腕木５棚板６脚７天屋根８譜面台９目隠し板１０凹溝１２ガイドピン１３ガイド突片１４ガイド突片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鍵盤蓋が、鍵盤上部で進退するようにピ
アノ本体にスライド自在に支持される電子ピアノの鍵盤
蓋機構であって、鍵盤蓋の前部をガイドする第１のガイド手段と、鍵盤蓋
の後部をガイドする第２のガイド手段とを備え、鍵盤蓋
が所定軌道に沿ってスライドする際、鍵盤蓋の前部が鍵
盤後部付近に落ち込むようにしたことを特徴とする電子
ピアノの鍵盤蓋機構。
【請求項２】前記第１のガイド手段は、鍵盤両端の腕
木の内側に設けた凹溝と、鍵盤蓋の先端付近に突設した
ガイドピンとを含んでいることを特徴とする請求項１に
記載の電子ピアノの鍵盤蓋機構。
【請求項３】前記凹溝はほぼスライド方向に延設され
ると共に、その前後端部に落込み部を有することを特徴
とする請求項２に記載の電子ピアノの鍵盤蓋機構。
【請求項４】前記第１のガイド手段は、腕木の内側に
突設したガイド突片でなり、その後端部に落込み部を有
することを特徴とする請求項１に記載の電子ピアノの鍵
盤蓋機構。
【請求項５】前記第２のガイド手段は、腕木の内側に
突設したガイド突片を含んでいることを特徴とする請求
項１〜４のいずれか１項に記載の電子ピアノの鍵盤蓋機
構。