JPH11295658A - 液晶プロジェクタ装置 - Google Patents

液晶プロジェクタ装置

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JPH11295658A
JPH11295658A JP10094581A JP9458198A JPH11295658A JP H11295658 A JPH11295658 A JP H11295658A JP 10094581 A JP10094581 A JP 10094581A JP 9458198 A JP9458198 A JP 9458198A JP H11295658 A JPH11295658 A JP H11295658A
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JP
Japan
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light
lens array
liquid crystal
lens
color
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JP10094581A
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Yoshihisa Sato
能久 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学薄膜に対する入射角度特性を補正する。 【解決手段】 座標軸における一方の軸方向のみに偏芯
したレンズ2a、2b、2c、2dを備えた第一マルチ
レンズアレー2と、第一マルチレンズアレー2の各レン
ズによって前記一方の軸方向に屈折された光を集光する
ことができるレンズ3a、3b、3cによって構成され
ている第二マルチレンズアレー3を備え、色分離/合成
や偏光分離を行なう光学薄膜に対する入射角度を補正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源からの光を液
晶パネルで変調して画像を形成して投写することができ
る液晶プロジェクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ランプなどの光源と、空間光変調素子と
される液晶パネルを用いて、液晶プロジェクタ装置を構
成する場合、ランプからの出射光を液晶パネルにたいし
て効率良く照明する光学系が必要とされている。以下、
この光学系を照明光学系という。
【0003】ところで、液晶プロジェクタ装置として
は、ランプから出射された白色光を、ダイクロイックミ
ラーやダイクロイックプリズムなどを用いてRGB各色
光に分離し、RGB各色に対応した3枚の液晶パネルを
用いた3板式の液晶プロジェクタ装置が知られている。
【0004】図11はRGB各色毎に1枚の液晶パネル
を用いて構成される3板式液晶プロジェクタ装置(以
下、単に液晶プロジェクタ装置という)の照明光学型の
構成例を説明する平面図である。
【0005】この図に示されている液晶プロジェクタ装
置は、ランプ41から出射した光を、IR/UVカット
フィルタ42を介して集光レンズ43で集光したのちに
色分離を行なう構成とされる。すなわち集光レンズ43
を介した光(白色光)は、まず赤色光Rを透過するダイ
クロイックミラー44に入射する。そしてここで赤色光
Rが透過し緑色光G及び青色光Bが反射する。このダイ
クロイックミラー44を透過した赤色光Rはミラー45
により進行方向を例えば90゜曲げられてフィールドレ
ンズ46Rを介して液晶パネル47Rに導かれる。
【0006】一方、ダイクロイックミラー44で反射し
た緑色光G及び青色光Bは青色光を透過するダイクロイ
ックミラー48により分離されることになる。すなわ
ち、緑色光Gは反射することにより進行方向を例えば9
0゜曲げられて、フィールドレンズ46Gを介して液晶
パネル47Gに導かれる。そして青色光Bはダイクロイ
ックミラー48を透過して直進し、リレーレンズ49、
ミラー50、リレーレンズ51、ミラー52、フィール
ドレンズ46Bを介して液晶パネル47Bに導かれる。
【0007】液晶パネル47R、47G、47Bで空間
光変調されたRGB各色光は、光合成手段としてのクロ
スダイクロイックプリズム53に入射して、赤色光Rは
反射面53aで、また青色光Bは反射面53bで投写レ
ンズ54が配置されている方向に反射される。そして緑
色束Gは反射面53a、53bを透過することにより、
ここで各色光が1つの光軸に合成されるようになる。そ
して、投写レンズ54によって、例えば壁などに掛けら
れているスクリーン55にカラー画像が拡大投影され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成された、液晶プロジェクタ装置によって形成される
画像の高輝度化は、例えば液晶パネル47(R、G、
B)の被照射領域に集光する光量を増やすことで実現す
ることができる。液晶パネル47(R、G、B)のサイ
ズを同じとした状態で輝度を上げようとすると、被照射
領域に対してより大きな入射角度(画角)で光を集光す
る構成を採らなければならない。すなわちFナンバが小
さい照明光学系を形成することが必要とされる。しか
し、液晶パネル47(R、G、B)に対する光の入射角
度(以下、光の入射角度を単に入射角度という)を大き
くすると、以下に示すような問題が生じる。
【0009】1.色分離、合成を行なう場合の問題 ランプ41からの光に対して色分離/合成を行なうダイ
クロイックミラー44、48やダイクロイックプリズム
53は入射角度依存性があるため、その原理上入射角度
によって波長特性に対する反射/透過特性が変化する。
すなわち、液晶パネル47(R、G、B)に対する入射
角度を大きくするとこのような特性変化が現れる。
【0010】図12(a)(b)は一般的なダイクロイ
ックミラーの特性を示す図であり、図12(a)は短波
長側反射型ダイクロイックミラーの波長特性、図12
(b)は長波長側反射型ダイクロイックミラーの波長特
性を示している。なお、これらの図は、例えば45°の
入射角度で光が入射した場合に効率良く色分離を行なう
ことができるように設定されている例を示している。こ
れらの図に示されているように、45°入射(実線)の
場合と、この45°の入射角度よりも大きい50°入射
(破線)の場合、或いは45°の入射角度よりも小さい
40°入射の場合では、反射と透過によって入射した光
を分離する波長の境目が異なる。これは、ダイクロイッ
クミラーに形成される光学薄膜が、光の干渉現象を利用
して色分離/合成を行なっているためである。したがっ
て、例えば図13に示されているように、ダイクロイッ
クミラーに対して同じ波長の光λ1が入射する場合で
も、その光学薄膜に予め設定されている入射角度とは異
なる角度で入射した場合、実効的な波長がλa、λbと
して示されているように変化する。このため、光の干渉
現象を利用して色分離/合成を行なうダイクロイックミ
ラーなどでは、本質的に入射角度依存を有する。なお、
この他にも光の干渉現象を利用した光学薄膜としては、
後述する偏光分離薄膜や、その他にも高反射ミラーなど
が挙げられる。
【0011】ここで、図14にしたがい、図11に示し
た液晶プロジェクタ装置のダイクロイックミラー44に
入射した後に液晶パネル47Rに入射する光を例に挙げ
て説明する。液晶パネル47Rに入射する光は、例えば
ランプ41の特性などから完全な平行光ではなく、略平
行光として若干の拡がりを持っているので、図14
(a)に示されているように例えば45°+θ、また図
14(b)に示されているように例えば45°−θでダ
イクロイックミラー44に入射する。なお、θは光軸O
aと入射光の主光線Prによって形成される角度であ
る。すなわち、ダイクロイックミラー44では光軸Oa
と主光線Prが平行になっていない。このため、同図
(a)(b)に示すように液晶パネル47Rの両端部分
では、それぞれダイクロイックミラー44に異なる角度
で入射した光束が入射することになる。
【0012】したがって、各液晶パネル47(R、G、
B)に対して供給される各色光の色特性が、その両端部
分、すなわち右側(図面上では上方)と左側(図面上で
は下方)で変ってくる。このため、各液晶パネル47
(R、G、B)に入射する光はそれぞれ、規定されてい
るR、G、B各色光に分離されていないことになり、こ
れらの光が空間光変調されてスクリーン55に投写され
た場合、色むらが生じる。
【0013】また、高輝度化を図るために、液晶パネル
47(R、G、B)に対する光の入射角度φが大きくす
るように構成する場合にも同様の問題が生じる。図14
(a)において、液晶パネル47Rの左側に入射する光
束の最大角度は45+θ+φ、また図14(b)におい
て、液晶パネルの右側に入射する最小角度は45−θ−
φとされる。このため、入射角度φが大きくなった場
合、液晶パネル47Rの左側、右側に入射する光の角度
差が大きくなり、スクリーン53に投写される画像の色
むらが大きくなる。
【0014】また入射角度が大きくなるに連れてダイク
ロイックミラー44の分離/合成波長帯域が広くなり、
液晶パネル47(R、G、B)にそれぞれに入射される
波長帯域が重なってしまうようになる。図15は、図1
4(a)(b)に示したダイクロイックミラー44に入
射する光束の入射角度分布を説明する摸式図である。図
示されているように、光軸Oaと主光線Prが傾きθを
有している場合、ダイクロイックミラー44に対する入
射角度45+θと入射角度45−θで入射された光の、
液晶パネル47Rに対する入射角度φが一致しないこと
がわかる。すなわち、この図でそれぞれの傾き角度θに
よる光が重なっていない部分(φr)が色むらにつなが
っている。つまり、傾きθと入射角度φを小さくするこ
とができるほど、液晶パネル47Rにおける上下の波長
帯域が小さくなり、色むらを抑制することができるよう
になる。
【0015】また、傾きθを「0」として主光線Prが
光軸0aを平行にすることで色むらの抑制を実現するこ
とができるが、図11に示した液晶プロジェクタ装置で
は、2枚のダイクロイックミラー44、48を用いてい
るので、2箇所において平行を保つことは困難である。
【0016】さらに、液晶パネルに対する入射光量を増
加させるために、液晶パネルに対する入射角度φを大き
く設定すると、光路の断面が必然的に大きくなる。さら
に、ある程度入射角度φを大きく設定した状態で、主光
線Prと光軸Oaを平行にした場合は、さらに、光路の
断面が大きくなる。図16(a)は主光線Prが光軸0
aと平行ではない、図15に示した場合に相当する光路
を示す摸式図である。これに対して図16(b)は主光
線Prと光軸0aが平行である場合の例とされ、色むら
を解消した状態に相当する。これらの図を比較して解る
ように、入射角度φが同等であった場合でも主光線Pr
と光軸Oaを平行とした場合、光路の断面が大きくな
る。したがって、この光を全て利用する場合、各種レン
ズ、ミラー、プリズムなどの光学部品も大型化する必要
が有り、コストアップ、装置自体の大型化といった問題
が生じてくる。
【0017】このため、例えば装置自体の小型化を図る
場合、ダイクロイックミラーの入射角依存性やその他照
明光学系の光学設計などの条件により、投写される画像
において色むらが目立たないようにすることは困難であ
った。なお、液晶パネル47(R、G、B)に空間光変
調されたRGB各色光をダイクロイックブロック53に
おいて色合成を行なう場合にも、主光線と光軸が平行で
ない場合は同様の問題が生じることになる。
【0018】2.偏光を用いる光学部品の場合 例えば、偏光ビームスプリッタなどとされる偏光変換素
子により、光の利用効率の向上を図ることが知られてい
る。図17は、1枚の反射型液晶パネルを用いた単板式
液晶プロジェクタ装置の基本構造を説明する図である。
ランプ60から出射した光は集光レンズ61で集光さ
れ、偏光ビームスプリッタ62に入射する。偏光ビーム
スプリッタ62はその偏光分離面において光の偏光成分
とされる例えばP偏光波(またはS偏光波)を透過し
て、S偏光波(またはP偏光波)を反射するようにされ
ている。したがって、偏光ビームスプリッタ62を例え
ば透過したS偏光波が反射型液晶パネル63に入射す
る。
【0019】反射型液晶パネル63は、図示されていな
い経路から供給される所要の駆動信号に基づいて、偏光
ビームスプリッタ62からのP偏光波が照射される被照
射領域において選択的に光空間変調を行なう。つまり、
前記駆動信号によって駆動される画素に相当する領域で
光空間変調された光がP偏光波の画像光として出射さ
れ、偏光ビームスプリッタ62に供給される。ここで、
画像光は偏光ビームスプリッタ62の偏光分離面で反射
されて投写レンズ64に導かれ、例えば壁などに掛けら
れているスクリーン65に拡大投影される。スクリーン
65上に拡大投影される画像において良好なコントラス
トを得るためには、偏光ビームスプリッタ62における
P偏光波の透過とS偏光波の反射の比(消光比という)
の高さが要求される。
【0020】ところで、偏光ビームスプリッタ62にお
いてもダイクロイックミラーと同様に、各偏光の透過
率、反射率は偏光分離面に対する光の入射角度に依存し
ている。図18に偏光分離面の一般的な波長特性を示
す。この図に示す例は、偏光分離面に対する入射角度θ
1が例えば45°となるように設定されているものとす
る。例えば入射角度θ1が45°からはずれると、P偏
光波については透過率が下がり(反射率が上がり)、ま
たS偏光波については透過率が上がる(反射率が下が
る)。つまり、非偏光をS偏光波とP偏光波に分離する
偏光ビームスプリッタの性能が低下していることにな
る。
【0021】例えば図19(a)に示されているよう
に、主光線Prと光軸Oaが平行とされていない場合、
偏光分離膜62aに入射する光の角度が異なるようにな
り、偏光分離膜62aを通過して、液晶パネル63に到
達する光の量が被照明領域内で均等ではなくなる。これ
により、液晶パネル63、スクリーン65上で輝度むら
が発生する。このため、一般的には、図19(b)に示
されているように、主光線Prと光軸Oaを平行にし
て、液晶パネル63、スクリーン65上において輝度の
均一化を図る必要がある。
【0022】しかし、先述したように液晶プロジェクタ
装置の輝度を上げるために、液晶パネル63に対する入
射角度θ1を大きくしなければならない。この場合、偏
光分離膜62aに対する光の入射角度は45−θ1°乃
至45+θ1°となる。これにより、図18で説明した
ように透過特性が変化し、入射角度θ1が大きくなるほ
ど、本来透過するはずのP偏光波が反射し、反射するは
ずのS偏光波は透過するようになってしまう。特に、図
17に示したような反射型液晶プロジェクタ装置では、
照明光学系を設計する段階で、偏光ビームスプリッタ6
2の特性によって液晶パネル63に対する入射角度θ1
が決定される場合があり、これにより当該装置の輝度が
決定されてしまう。したがって、照明光学型の設計状態
によってスクリーン65上における輝度の劣化、コント
ラストの減少が生じる。
【0023】上述したように、薄膜における光の干渉を
利用した光学素子(ダイクロイックミラー、偏光ビーム
スプリッタなど)においては、光を光軸に対して傾斜さ
せた状態で入射させると、このときの入射角度による波
長特性が問題になることがある。このため、例えばマル
チレンズアレーなどの光学素子を用いて液晶パネルに対
する入射角度を小さくすることが知られている。このマ
ルチレンズアレーは液晶パネルの被照明領域における輝
度の均一化を図る光学素子とされ、その形状から例えば
フライアイレンズとも呼ばれている。
【0024】図20はマルチレンズアレーの構成例を示
す図であり、図20(a)は正面図、図20(b)は側
面図、図20(c)は下方から示す図である。マルチレ
ンズアレー70は、図20(a)に示す正面から見た形
状が、照明対象とされる液晶パネルの被照明領域に相似
形とされる複数のレンズ71(例えば24個)が例えば
正方配列されている。
【0025】図20に示すマルチレンズアレー70を一
対組み合わせるとともに、集光レンズを組み合わせて構
成した照明光学系の例を図21に示す。なお、図21に
おいて図示していないランプ側に配置される第一のマル
チレンズアレー70に沿え字『a』、液晶パネル側に配
置される第二のマルチレンズアレーに沿え字『b』を付
して示している。図21(a)に示されているように、
ランプから出射した光は、第一のマルチレンズアレー7
0aにおけるレンズ71、71、71・・・において一
旦光源像として結像し、第二のマルチレンズアレー70
bで拡散されて集光レンズ72、フィールドレンズ73
を介して液晶パネル74の被照明領域を照明することが
できるようにされている。第二マルチレンズアレー70
bでは、第一のマルチレンズアレー70aによって分割
された複数の光源像が、図21(b)に示されているよ
うに集光され、このように集光された光が、液晶パネル
74上でが合成されるようにして照明されるので、ほぼ
均一の輝度を得ることが可能とされる。
【0026】ところで、図21に示した一対のマルチレ
ンズアレー70a、70bでは、前段(ランプ側)に配
置されるマルチレンズアレー70aによって光が集光さ
れるので、マルチレンズアレー70bにおいて光が当た
らない間隙部分が生じるようになる。そこで、このよう
な間隙部分を狭くしていくことにより、液晶パネル73
に入射する光の角度を小さくすることが行なわれてい
る。
【0027】図22は、このような一対のマルチレンズ
アレーの構成例を説明する図であり、図22(a)
(b)(c)はそれぞれ第一マルチレンズアレーの正
面、側面、下面、また図22(d)(e)(f)はそれ
ぞれ、第二マルチレンズアレーの正面、側面、下面を示
している。
【0028】図22(a)(b)(c)に示されている
第一マルチレンズアレー75に形成されるレンズ75
a、75a、75a・・・は、通過した光が第一マルチ
レンズアレー75その中心部分(光軸)に向かって屈折
するように偏芯した形状とされ、そのレンズが配置され
ている位置よりも中心部分に近い位置で集光することが
できるようにされている。図22(d)(e)(f)に
示されている第二マルチレンズアレー76に形成される
レンズ76a、76a、76a・・・は、第一マルチレ
ンズアレー75のレンズ75a、75a、75a・・・
にそれぞれ対応して形成されており、その集光点の大き
さに応じた小型形状とされている。さらに、レンズ76
a、76a、76a・・・は、レンズ75a、75a、
75aとは逆方向に偏芯させている。
【0029】このような第一マルチレンズアレー76、
第二マルチレンズアレー77を用いた照明光学系を図2
3に示す。図23(a)に示されているように、ランプ
から出射した光は、第一のマルチレンズアレー75にお
けるレンズ75a、75a、75a・・・において一旦
光源像として結像し、この光源像を第一マルチレンズア
レー75の中心部分側に屈折させながら第二マルチレン
ズアレー76のレンズ76a、76a、76a・・・に
集光する。第二マルチレンズアレー76では、第一のマ
ルチレンズアレー75によって分割された複数の光源像
が、図23(b)に示されているように集光され、この
ように集光された光が、液晶パネル74上でが合成され
るようにして照明されるので、ほぼ均一の輝度を得るこ
とが可能とされる。この場合、図21(b)に示したマ
ルチレンズアレー70bの場合よりも光源像が密集して
いることがわかる。さらに、レンズ76a、76a、7
6a・・・は、レンズ75a、75a、75a・・・と
逆側に偏芯しているので、液晶パネル74に入射する角
度は小さくなる。なお、このようなマルチレンズアレー
75、76を縮小投影マルチレンズアレーという。
【0030】このような縮小投影マルチレンズアレーを
用いることにより、同じ光量で液晶パネル74に対する
光の入射角度を小さくすることができる。これにより、
図23における図示は省略しているが、色分離/合成部
分における色むらを低減することができ、さらに照明光
学系を小型化することができる。
【0031】また、縮小投影マルチレンズアレーとして
は、例えば図24(a)(b)(c)に示されているよ
うに、例えばレンズ77a、77b、77cによってく
さび型状を形成する第一マルチレンズアレー77、及び
図24(d)(e)(f)に示されているように、レン
ズ78a、78b、78cによって形成される同じくく
さび型の第二マルチレンズアレー78を用いても同様の
効果を得ることができる。
【0032】ところで、液晶パネルを用いる照明光学系
の場合、先に、図17で説明したように、P偏光波また
は S偏光波のいずれか一方の偏光を選択して利用する
ことになる。つまり、ランプからの出射光は非偏光とさ
れているので、他方の偏光を捨ててしまうことになる。
そこで、本来捨てられる他方の偏光の偏光方向を回転さ
せて一方の偏光に変換する偏光変換素子を用いることに
より光の利用効率を向上した照明光学系を構成すること
ができる。また、この偏光変換素子とマルチレンズアレ
ーを組み合わせて利用することで、さらに利用効率を向
上することが可能になる。
【0033】図25は偏光変換素子の構成例を説明する
斜視図であり、光の入射側から示している。偏光変換素
子83は、断面が台形状とされている短冊状のPBS素
子84a乃至84hを張り合わせて外観が形成されてい
る。このうち、PBS素子84a、84c、84e、8
4gが非偏光の入射面を形成する。各PBS素子84
(a〜h)の間には、偏光を分離するPBS膜85a乃
至85d、ミラー86a乃至86eが形成されている。
なお、ミラー86a乃至86eをPBS膜で形成しても
よい。PBS素子85a、85c、85e、85gの出
射側には、それぞれ1/4波長板87a、87b、87
c、87dが貼り付けられている。
【0034】図26は、偏光変換素子83の一部を側面
から示し、分離される偏光の光路を説明する図である。
PBS素子84aから入射した非偏光(黒塗り矢印)は
PBS膜85aでP偏光波とS偏光波に分離されるが、
ここでP偏光波(白抜き矢印)はPBS膜85aを透過
してPBS素子84bの出射面から出射する。また、S
偏光波(斜線矢印)はPBS膜85aで反射し、さらに
ミラー86aに反射される。そして、1/4λ板87a
を通過することでP偏光波に変換される。このように、
偏光変換素子83は入射した非偏光を、例えばP偏光波
に変換して出射側から出射する。なお、この図ではPB
S素子84aに入射した非偏光についてのみ説明した
が、PBS素子84b、84e、84gについても同様
である。
【0035】図27はこの偏光変換素子83を一対のマ
ルチレンズアレーの後段に配置した例を説明する図であ
る。図示していないランプ90から出射された非偏光
は、第一マルチレンズアレー91で集光されたのち、第
二マルチレンズアレー92を介して偏光変換素子83に
入射する。偏光変換素子83において、PBS素子84
a乃至84hの短手方向の幅は例えばマルチレンズアレ
ー92におけるレンズ92a、92a、92a、92a
のピッチの1/2となるように形成されている。そし
て、配置状態としては、各レンズ92aとPBS素子8
4a、84c、84e、84gが対向するようにされ
る。これにより、各レンズ92aから出射する非偏光が
PBS素子84a、84c、84e、84gに入射する
ことができるようになる。
【0036】PBS素子84a、84c、84e、84
gに入射した非偏光は、図26で説明したようにしてP
偏光波に変換されて出射される。そして偏光変換素子8
3から出射されたP偏光波は集光レンズ72、フィール
ドレンズ73を介して液晶パネル74に入射する。
【0037】しかし、マルチレンズアレーと偏光変換素
子83を用いるためには、第二マルチレンズアレーの光
の集光点において光が当たらない、すなわち上述した間
隙部分が必要になる。したがって、縮小投影マルチレン
ズアレーは光の利用効率には優れているが、図23
(b)に示されているように集光点の間隙が小さいため
に、偏光変換素子83と組み合わせても、P偏光波とS
偏光波を分離スペースを得ることができず、第二マルチ
レンズアレーから出射した光がPBS素子84a、84
c、84e、84gに効率良く入射することができない
という問題があった。
【0038】このため、偏光変換を行なう場合は、縮小
投影マルチレンズアレーを利用することができないの
で、液晶パネルに対する入射角度を小さくすることが困
難である。すなわち、偏光変換素子と縮小投影マルチレ
ンズアレーを同時に用いて輝度の向上を図ることができ
ないという問題があった。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解決するために、光源からの光を分割集光すること
ができる複数のレンズを有して形成されている第一のレ
ンズアレーと、前記レンズアレーの焦点距離近傍に配置
され、前記第一のレンズアレーの複数のレンズそれぞれ
に対応した複数のレンズを備え、前記第一のレンズアレ
ーによって分割集光された光を、それぞれ集光すること
ができるようにされている第二のレンズアレーと、前記
第二のレンズアレーの前段、または後段に配置され、前
記光源から出射された非偏光を一方の偏光に変換する偏
光変換手段と、前記偏光変換手段によって変換された一
方の偏光に対して色分離を行なう色分離手段と、所要の
駆動信号に基づいて前記色分離手段で分離された各色光
に対して空間光変調を行なう液晶パネルと、前記液晶パ
ネルで空間光変調された各色光を合成する色合成手段
と、前記色合成手段によって合成された光を投写するこ
とができる投写レンズを備えて構成されている液晶プロ
ジェクタ装置において、前記第一のレンズアレーに形成
される各レンズは、座標軸における一方の軸方向のみに
偏芯するように構成され、前記第二のレンズアレーは前
記第一のレンズアレーによって前記一方の軸方向に屈折
された光を集光することができるように構成する。
【0040】本発明は、座標軸における一方の軸方向の
みに偏芯したレンズを備えた第一マルチレンズアレー
と、この第一マルチレンズアレーの各レンズによって前
記一方の軸方向に屈折された光を集光することができる
レンズによって構成されている第二マルチレンズアレー
を備えることにより、色分離/合成や偏光分離を行なう
光学薄膜に対する入射角度を補正することができるの
で、前記光学薄膜の入射角度に依存する特性を補正する
ことができる。これにより、色むら、輝度むらを抑制し
て良好な画像を形成することができるようになる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本実施の形態の3板式液晶プロジェクタ装
置(以下、単に液晶プロジェクタ装置という)の構成例
を説明する図である。
【0042】この図に示されている液晶プロジェクタ装
置は、ランプ1から出射された光の光源像は、第一のマ
ルチレンズアレー2を形成する各レンズ2a、2a、2
a・・・において、一旦光源像として結像し、この光源
像を例えばX軸方向にのみ屈折させ第二マルチレンズア
レー3のレンズ3a、3a、3a・・・に集光する。な
お、この図に示す座標系として、光軸をZ軸、例えば光
軸に垂直な軸をY軸、例えば光軸に水平な軸をX軸とし
ている。
【0043】第二マルチレンズアレー3では、第一のマ
ルチレンズアレー2によって分割された複数の光源像が
集光され、後述する液晶パネル9(R、G、B)上で合
成されるようにして照明される。第二マルチレンズアレ
ー3から出射した光、すなわち非偏光波は偏光変換素子
4によって例えばP偏光波に偏光される。この偏光変換
素子4は、先に図25、図26で説明した構成と同様と
されている。
【0044】偏光変換素子4によって例えばP偏光波に
偏光された光(白色光)は、集光レンズ5を介して、ま
ず赤色光Rを透過するダイクロイックミラー6に入射す
る。そしてここで赤色光Rが透過し緑色光G及び青色光
Bが反射する。このダイクロイックミラー6を透過した
赤色光Rはミラー7により進行方向を例えば90゜曲げ
られてフィールドレンズ8Rを介して液晶パネル8Rに
導かれる。
【0045】一方、ダイクロイックミラー10で反射し
た緑色光G及び青色光Bは青色光を透過するダイクロイ
ックミラー10により分離されることになる。すなわ
ち、緑色光Gは反射することにより進行方向を例えば9
0゜曲げられて、フィールドレンズ8Gを介して液晶パ
ネル9Gに導かれる。そして青色光Bはダイクロイック
ミラー10を透過して直進し、リレーレンズ11、ミラ
ー12、反転用リレーレンズ13、ミラー14、フィー
ルドレンズ8Bを介して液晶パネル9Bに導かれる。
【0046】液晶パネル9(R、G、B)で空間光変調
された各色光は、光合成手段としてのクロスダイクロイ
ックプリズム15に入射して、赤色光Rは反射面15a
で、また青色光Bは反射面15bで投射レンズ16の方
向に反射される。そして緑色束Gは反射面15a、15
bを透過することにより、ここで各色光が1つの光軸に
合成されるようになる。そして、投写レンズ16によっ
て、例えば壁などに掛けられているスクリーン(図示せ
ず)にカラー画像が拡大投影される。
【0047】図2(a)(b)は図1に示した液晶プロ
ジェクタ装置の照明光学系において、本発明の構成に関
わる要部を説明する展開図である。なおこれらの図に示
されている座標は図1に示す座標と一致している。例え
ば色分離/合成や偏光分離など、光の干渉を利用した薄
膜素子を光軸Oaに対して、すべてY軸方向またはX軸
方向のいずれかの軸方向に平行になるように配置する。
図2においては、ダイクロイックミラー6、10はY軸
方向と平行となる配置である。また、図2には示してい
ないがダイクロイックプリズム15の反斜面15a、1
5bについてもY軸方向と平行になるように配置されて
いる。すなわち、入射角度依存性を有している薄膜は、
同じ軸方向(例えばY軸方向)について平行となるよう
に配置する。以降、この軸を『薄膜回転軸』という。
【0048】ここで、図3にしたがい、第一マルチレン
ズアレー2及び第二マルチレンズアレー3の構成を説明
する。なお、図3(a)(b)(c)はそれぞれ第一マ
ルチレンズアレー2の正面、側面、下面、また図3
(d)(e)(f)はそれぞれ、第二マルチレンズアレ
ー3の正面、側面、下面を示している。
【0049】第一マルチレンズアレー2を構成している
レンズ2a、2b、2c、2dを、本発明では、一方の
軸方向とされる例えばX軸方向に偏芯させた形状とされ
ている。また、同様に第二マルチレンズアレー3を構成
しているレンズ3a、3b、3c、3dも、例えばX軸
方向に偏芯させた形状とされている。さらに、第二のマ
ルチレンズアレー3はX軸方向に偏芯した第一マルチレ
ンズアレー2のレンズ2aに結像される光源像を集光す
ることができる、すなわちその出射領域に対応した、Y
軸方向が長くX軸方向が短い縦長の外形で形成される。
これらのマルチレンズアレーを片側縮小投影マルチレン
ズアレーという。これらのマルチレンズアレー2、3に
よって縮小される方向は、前記薄膜回転軸とは異なる軸
方向とされる、X軸方向となる。
【0050】第二マルチレンズアレー3の後段には、図
2に示されているように偏光変換素子4が配置される。
偏光分離を行なう方向、すなわち、PBS膜4aにおい
てS偏光波が反射される方向を、薄膜回転軸の方向(Y
軸方向)と平行となるように配置する。片側縮小投影マ
ルチレンズアレーでは、X軸方向に関しては偏芯を行な
って縮小投影を行なうが、Y軸方向は縮小投影を行なわ
ない。このため、第二マルチレンズアレー3の集光点
は、X軸方向は縮小投影によって間隙部分が減って密集
するようになるが、Y軸方向に対しては間隙を維持した
状態とされる。
【0051】また、液晶パネル9に対する入射角度につ
いても、図2(a)に示すY軸方向と図2(b)に示す
X軸方向を比較して解るように、X軸方向に入射する角
度が小さくなっている。
【0052】図4に第二マルチレンズアレー3における
集光の状態を摸式的に示す。この図に示すように、第一
のマルチレンズアレー2によってX軸方向のみに縮小が
行なわれているので、X軸方向に対しては間隙が狭くな
り各レンズ3a、3b、3c、3dに対して集光される
(実線丸)。また、Y軸方向には縮小が行なわれないの
で間隙が形成される(破線丸)。したがって、偏光変換
を行なうスペースを確保することができ、偏光変換素子
4に対して効率良く光を供給することができるようにな
る。
【0053】このように、本発明は第一のマルチレンズ
アレー2及び第二マルチレンズアレー3を用いて片側縮
小を行なっているので、光軸Oaに対して所定の角度で
配置された平面への入射角度がX軸方向とY軸方向で異
なる。そこで、図5(a)(b)に示されているように
Y軸方向を中心として例えば45°回転した薄膜とされ
るダイクロイックミラー6に対する入射角度もX軸方
向、Y軸方向で異なるようになる。ダイクロイックミラ
ー6に入射する光は、X軸、Y軸ともに光軸Oaと液晶
パネル9に対する入射角度φ、広がり角度θx=θyと
する。また、光軸Oaに対して傾斜した状態とされてい
るダイクロイックミラー6に対する入射角度は、ダイク
ロイックミラー6の法線ベクトルと入射光の作る角度と
される。このため、X軸方向に角度θxを有している光
が入射した場合は45+θx±φ°となる。しかし、図
5(a)に示されているようにY軸方向に広がり角度θ
yを有した光が入射した場合、ダイクロイックミラー6
に対する入射角度は(45+θx±φ)°とはならな
い。つまり、Y軸方向に関してはダイクロイックミラー
に対する入射位置が変っても、入射角度は45°からほ
ぼ変化しない。
【0054】図6は、X軸方向、Y軸方向の光軸Oaと
の角度と、ダイクロイックミラー6に対する入射角度を
グラフで示す図である。この図に示すグラフから解るよ
うに、薄膜回転軸の方向に広がり角度θyとされる光が
入射しても、実際にダイクロイックミラー6との角度
は、広がり角度θyの影響を殆ど受けない。薄膜回転軸
と直交する軸(X軸)の方向角度は、ダイクロイックミ
ラー6の角度依存性を受けてしまうので、大きな入射角
度を形成することはできない。
【0055】つまり、X軸方向については、液晶パネル
に対する入射角度が小さくなるように縮小投影を行な
い、Y軸方向については偏光変換を行なうことで、輝度
の効率を向上することができる。Y軸方向については偏
光変換素子4で偏光変換を行なうため、縮小投影を行な
うことができず、入射角度が大きくなるが、ダイクロイ
ックミラー6に入射する角度に与える影響は非常に小さ
いので無視することができる。
【0056】液晶パネルに対する入射角度は、従来では
図7(a)に示されているようにX軸方向、Y軸方向を
ともに縮小することで、ほぼ円に近い領域とされていた
が、本発明では図7(b)に示されているようにX軸方
向を縮小してY軸方向を拡大して、Y軸方向に縦長の楕
円状の領域を照明することができるようにしている。こ
れにより、Y軸方向の入射角度を大きくすることができ
高輝度化を実現することができ、さらに、X軸方向に関
しては、縮小された状態とすることができるので、ダイ
クロイックミラー6などの薄膜光学素子の入射角度依存
性による色むら、輝度むらの影響を抑制することができ
る。
【0057】以下、本実施の形態の変形例を説明する。
図8は偏光ビームスプリッタ及び反射型の液晶パネルを
用いた反射型液晶プロジェクタ装置の構成例を示す図で
ある。なお、ランプ1乃至集光レンズ5に至る経路を構
成する光学部品は図1で説明した構成と同様とされる。
また、偏光ビームスプリッタ25、反射型液晶パネル2
6、及び投写レンズ20は、図17で説明した偏光ビー
ムスプリッタ62、反射型液晶パネル63、及び投写レ
ンズ64に対応している。そして、偏光ビームスプリッ
タ62においては、反射型液晶パネル26で空間光変調
されて供給されるS偏光波はY軸方向に対して反射され
投写レンズ64に供給されるようになる。
【0058】集光レンズ5で集光された光は偏光ビーム
スプリッタ25に入射して、ここで例えばP偏光波が透
過して反射型の液晶パネル26に入射するようにされ
る。このとき、偏光ビームスプリッタ25の偏光分離面
の回転軸がX軸方向と平行になるように配置し、第一マ
ルチレンズアレー2、第二マルチレンズアレー3におけ
る、縮小投影をY軸方向、偏光変換素子4の偏光分離方
向(例えばS波の反射方向)がY軸方向となるようにす
る。この場合、偏光ビームスプリッタ25の反射または
透過特性は、例えば集光レンズ5から供給される光のX
軸方向の入射角度に対して依存するものではない。した
がって、偏光ビームスプリッタ25に対するX軸方向の
入射角度は大きく、Y軸方向の入射角度を小さく(縮小
投影)することで、偏光透過分離特性の入射角度依存性
の影響を抑えて、高輝度化を図ることができる。
【0059】なお、図8に示す例では、1枚の反射型液
晶パネル26を用いた単板式の構成を例に上げて説明し
たが、RGB各色に対応した3枚の液晶パネルを備えて
構成するようにしても良い。この場合、偏光ビームスプ
リッタと各液晶パネルの間の所要の位置に例えば2枚の
ダイクロイックミラーを配置することになるが、ダイク
ロイックミラーの配置方向としては、偏光ビームスプリ
ッタ25の偏光分離面と同様に、色分離/合成を行なう
薄膜面をX軸方向と平行になるように配置する。これに
より、ダイクロイックミラーにおいても片側縮小マルチ
レンズアレー(2、3)の作用によって、入射角度に依
存されない効率の良い色分離/合成を行なうことができ
うようになる。
【0060】ところで、プロジェクタ装置などで使用さ
れるランプとしては、例えば電極とされているアーク間
で放電(アーク放電)を行ない、この放電によって光源
としての光を得るものである。このため、アーク配置間
隔に応じて光源が点状態とすることができず、ある程度
の大きさを有することになり、すなわち、光はほぼ放射
状に出力されるので、平行光を得ることができない。し
たがって、例えば放物面鏡などによって構成されるリフ
レクタを用いて集光を行なった場合でも、平行光を形成
することは難しく、ある程度の拡がりを有した光束とさ
れる。
【0061】このため、例えば図1、図8に示した第一
マルチレンズアレー2によって集光、されて、第二マル
チレンズアレー3に形成される光源像は、1点に集まら
ずある大きさを有するようになる。また、例えば図9に
示すように、ランプ30のアーク31形状やリフレクタ
32の形状などの構成上の問題により、リフレクタ32
の開口におけるアーク31付近(中心部分)と、外周部
分では出射角度が異なるようになる場合がある。
【0062】この場合、第一マルチレンズアレー2によ
って第二マルチレンズアレー3の各レンズ2a、2b、
2c、2dに集光される光の像は、例えば図9(b)に
示されているように、その中心部分が大きくなり、外側
に行くに連れて小さくなる。そこで、この集光像の大き
さに対応させて、各レンズの開口面積が異なる異型マル
チレンズアレーを形成する。
【0063】図10は、このような一対のマルチレンズ
アレーの構成例を説明する図であり、図10(a)
(b)(c)はそれぞれ第一マルチレンズアレー2の正
面、側面、下面、また図10(d)(e)(f)はそれ
ぞれ、第二マルチレンズアレーとされる異型マルチレン
ズアレーの正面、側面、下面を示している。なお、第一
マルチレンズアレー2に関しては図3(a)(b)
(c)に示した構成と同様であるが、異型マルチレンズ
アレーと比較するために示している。
【0064】異型マルチレンズアレー33を形成する各
レンズのY軸方向の長さは、図10(e)に例えばレン
ズ33a、33a、33a、33aとして示されている
ように同等である。つまり、図10(a)(b)(c)
に示されてる第一マルチレンズアレー2と同等とされ
る。また、異型マルチレンズアレー33はX軸方向に関
しては縮小投影を行なうので、例えばレンズ33a、3
3b、33c、33dとして示されているように、外側
のレンズ33a、33dは内側のレンズ33b、33c
よりも小さく形成する。すなわち、レンズの偏芯を行な
う方向と同じ方向に対して、その集光面積に応じてレン
ズの面積を変更する。これにより、第一マルチレンズア
レー2で結像されて、第二マルチレンズアレー(異型マ
ルチレンズアレー33)に集光する光を効率良く取り込
むことができ、画像を形成することができる光の量を増
加することができるようになる。
【0065】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、例えば
Y軸方向またはX軸方向のいずれか一方を縮小すること
ができるマルチレンズアレーを備えることにより、例え
ば色分離/合成、偏光変換などを行なう光学薄膜に対す
る入射角度特性に依存されることなく輝度を向上するこ
とができる。また、偏光変換および縮小投影することが
できる一対のマルチレンズアレーを併用することが可能
になる。これにより、同じ光量の光源を利用した場合で
も画像の色むら、輝度むらを抑制するとともにコントラ
ストの向上を図ることができる。さらに、前記光学薄膜
に光を入射させる場合、その主光線と光軸を平行に近づ
ける必要がないので、照明光学型の小型化を実現するこ
とができる。したがって、各光学部品を小型化すること
ができるので、低コスト化及び軽量化を実現することが
できる。また、第二マルチレンズアレーに形成される各
レンズを異形開口で形成することにより、ランプの特性
によって異なる角度で出射される光を有効に利用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の液晶プロジェクタ装置の
照明光学系の構成例を説明する図である。
【図2】本実施の形態の照明光学系の要部を示す展開図
である。
【図3】本実施の形態の片側縮小投影マルチレンズアレ
ーを説明する図である。
【図4】第2マルチレンズアレーによる集光状態を説明
する摸式図。
【図5】X軸方向とY軸方向で所定の角度を持つ光が光
軸に対して45°で配置されたダイクロイックミラーに
対する入射角度を説明する図である。
【図6】ダイクロイックミラーに対するX軸方向、Y軸
方向の入射角度を説明する図である。
【図7】本発明と従来例における液晶パネルに対する入
射角度の違いを説明する図である。
【図8】本発明の変形例としての反射型液晶プロジェク
ターの構成例を示す。
【図9】ランプのアーク放電による出力光分布を説明す
る図である。
【図10】片側縮小投影・異型開口マルチレンズアレー
の構成を説明する。
【図11】従来の3板式液晶プロジェクタ装置の照明光
学系の構成例を説明する。
【図12】ダイクロイックミラーの入射角度に依存する
透過率の波長特性である。
【図13】光が薄膜に入射する際の実効的な波長を説明
する図である。
【図14】ダイクロイックミラーに入射する光の入射角
度を説明する図である。
【図15】液晶パネルの端部に入射する光のダイクロイ
ックミラーに対する入射角度分布を説明する図である。
【図16】主光線と光軸の関係を説明する図である。
【図17】従来の反射型液晶プロジェクタの照明光学系
の構成例を説明する図である。
【図18】偏光変換素子の入射角度に応じた透過率(反
射率)を説明する図である。
【図19】偏光変換素子の入射する光と光軸の関係を説
明する図である。
【図20】従来のマルチレンズアレイの構成を説明する
図である。
【図21】図20に示したマルチレンズアレーを用いた
照明光学系の構成例を示す図である。
【図22】縮小投影マルチレンズアレイの構成を説明す
る図である。
【図23】縮小投影マルチレンズアレイをくさび型の断
面形状で形成した例を示す図である。
【図24】縮小投影マルチレンズアレーを用いた照明光
学系の構成例を示す図である。
【図25】偏光変換素子の構成例を説明する図である。
【図26】図25に示す偏光変換素子において行なわれ
る偏光変換の概要を説明する図である。
【図27】従来例としての、偏光変換素子とマルチレン
ズアレーを併用した照明光学系の構成例を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1,30 ランプ、2 第一マルチレンズアレー、2
a,2b,2c,2d,3a,3b,3c レンズ、3
第二マルチレンズアレー、4 偏光変換素子、6,1
0 ダイクロイックミラー、9 液晶パネル、31 ア
ーク、32 リフレクタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を分割集光することができ
    る複数のレンズを有して形成されている第一のレンズア
    レーと、 前記第一のレンズアレーの焦点距離近傍に配置され、前
    記第一のレンズアレーの複数のレンズそれぞれに対応し
    た複数のレンズを備え、前記第一のレンズアレーによっ
    て分割集光された光を、それぞれ集光することができる
    ようにされている第二のレンズアレーと、 前記第二のレンズアレーの前段、または後段に配置さ
    れ、前記光源から出射された非偏光を一方の偏光に変換
    する偏光変換手段と、 前記偏光変換手段によって変換された一方の偏光に対し
    て色分離を行なう色分離手段と、 所要の駆動信号に基づいて前記色分離手段で分離された
    各色光に対して空間光変調を行なう液晶パネルと、 前記液晶パネルで空間光変調された各色光を合成する色
    合成手段と、 前記色合成手段によって合成された光を投写することが
    できる投写レンズを備えて構成されている液晶プロジェ
    クタ装置において、 前記第一のレンズアレーに形成される各レンズは、座標
    軸における一方の軸方向のみに偏芯するように構成さ
    れ、 前記第二のレンズアレーに形成される各レンズは、前記
    第一のレンズアレーによって前記一方の軸方向に屈折さ
    れた光を集光することができるようにされていることを
    特徴とする液晶プロジェクタ装置。
  2. 【請求項2】 前記偏光変換手段における偏光分離膜の
    偏光反射方向と前記光源の光軸方向で構成される平面に
    垂直な方向と、前記色分離手段及び色合成手段の薄膜面
    が平行になるようにされていることを特徴とする請求項
    1に記載の液晶プロジェクタ装置。
  3. 【請求項3】 前記第二のレンズアレーは、前記第一の
    レンズアレーに対応する各レンズが異型で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶プロジェクタ
    装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1000790A2 (en) 1998-11-16 2000-05-17 Aisin Aw Co., Ltd. Arrangement of driving apparatus in hybrid vehicle
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