JPH11294214A - 自動車の走行制御装置 - Google Patents

自動車の走行制御装置

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JPH11294214A
JPH11294214A JP10111422A JP11142298A JPH11294214A JP H11294214 A JPH11294214 A JP H11294214A JP 10111422 A JP10111422 A JP 10111422A JP 11142298 A JP11142298 A JP 11142298A JP H11294214 A JPH11294214 A JP H11294214A
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JP
Japan
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rotation speed
seat belt
warning
wearing
vehicle
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JP10111422A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Nakatani
俊晴 中谷
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NAKAHYO KK
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NAKAHYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後退走行などの低速走行時における運転のし
やすさを損なうことなく、シートベルト着用の周知徹底
を図る。 【解決手段】 自動車10は、駆動輪26の回転速度を
調整する動力源としてのエンジン1と、運転者により操
作されるアクセルペダル16と、車速を検出する車速セ
ンサ27と、シートベルト28の着用状態を検出するベ
ルト着用センサ29と、センサ27,29を含む各種セ
ンサの検出値に基づきエンジン1への噴射燃料量を制御
する制御装置32とを備える。制御装置32は、駆動輪
26がアクセルペダル16の踏込み量に応じた回転速度
で回転するように燃料噴射量を制御する。制御装置32
は、ベルト着用センサ29によるシートベルト未着用検
出時に、車速センサ27による車速が所定値を越える
と、アクセルペダル16の踏込み量に応じた燃料噴射制
御を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗員を座席に拘束
するためのシートベルトを備えた自動車において、その
シートベルトの着用状態に応じた走行制御を行うように
した自動車の走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な自動車においては、乗員を座席
に拘束するためのシートベルトが取付けられているが、
これを着用するかどうかは乗員の意志に委ねられてい
る。このため、着用が周知徹底されていないのが実情で
ある。そこで、従来は、着用を促す工夫を種々行ってい
る。例えば、シートベルトが着用されているかどうかを
センサによって検出し、未着用時には警告灯を点灯させ
たり、ブザーやスピーカを作動させて警告音または音声
を発生させるようにした技術がある。また、シートベル
トが着用されているかどうかをセンサによって検出し、
未着用時には、イグニションスイッチをオンしてもエン
ジンが始動しないようにした技術も提案されている。な
お、本明細書ではこれらの技術を区別するために、前者
を「従来技術1」といい、後者を「従来技術2」とい
う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術1
では、警告灯の点灯やブザーなどの作動によって、乗員
にシートベルトの着用を促すことができるものの、運転
者がこれらの警告内容を無視すれば、シートベルトを着
用していなくても、着用時と同様に自動車を走行させる
ことができてしまう。このため、シートベルトの着用を
徹底させるには限度がある。
【0004】また、従来技術2では、シートベルトを着
用していないとエンジンを始動できないことから、従来
技術1とは異なり、運転者はシートベルトを着用するこ
とになり、前述した目的を一応は達成できる。反面、シ
ートベルトの未着用時に常にエンジンが始動しないので
は次に示す問題が起る。縦列駐車、車庫入れなどに際し
自動車を後退させる場合には、シートベルトを着用した
ままでは運転しづらい。この場合には、自動車は低速で
しか走行しないため、シートベルトを外していてもさほ
ど問題にはならない。しかし、前述したように従来技術
2では、このような低速走行時であってもシートベルト
を着用しなければならず、運転をしにくいものにしてし
まう。
【0005】そこで、本発明は、後退走行などの低速走
行時における運転のしやすさを損なうことなく、シート
ベルト着用の周知徹底を図ることのできる自動車の走行
制御装置の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の第1の
発明は、車輪の回転速度を調整する回転速度調整手段
と、運転者により操作されるアクセル操作部材と、前記
車輪が前記アクセル操作部材の操作量に応じた回転速度
で回転するように前記回転速度調整手段を制御する制御
手段とを備える自動車の走行制御装置において、シート
ベルトの着用状態を検出するベルト着用検出手段と、前
記車輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記
ベルト着用検出手段によるシートベルト未着用検出時
に、前記回転速度検出手段による回転速度が所定値を越
えると、前記制御手段による前記アクセル操作部材の操
作量に応じた前記回転速度調整手段の制御を禁止する禁
止手段とを備えている。
【0007】上記第1の発明によると、ベルト着用検出
手段はシートベルトが着用されているかどうかを検出
し、回転速度検出手段は車輪の回転速度を検出する。ベ
ルト着用検出手段によってシートベルトの着用状態が検
出されると、制御手段は、車輪が、運転者によって操作
されるアクセル操作部材の操作量に応じた回転速度で回
転するように回転速度調整手段を制御する。また、ベル
ト着用検出手段によってシートベルトの未着用が検出さ
れても、回転速度検出手段による車輪の回転速度が所定
値以下であると、前記と同様に制御手段は、アクセル操
作部材の操作量に応じた回転速度調整手段の制御を行
う。一方、ベルト着用検出手段によってシートベルトの
未着用が検出され、かつ回転速度検出手段による車輪の
回転速度が所定値を越えていると、禁止手段は、前述し
た制御手段によるアクセル操作部材の操作量に応じた回
転速度調整手段の制御を禁止する。
【0008】従って、シートベルトの未着用時には、車
輪が所定値以下の回転速度で回転している限りは、自動
車の走行(低速走行)が可能であるが、所定値を越えた
回転速度での走行は不可能となる。所定値を越える回転
速度で車輪を回転させて、通常時と同様に自動車を走行
させるには、シートベルトの着用が必要となる。
【0009】請求項2に記載の第2の発明は、第1の発
明の構成に加え、前記禁止手段は、前記制御手段による
前記回転速度調整手段の制御禁止時には、前記回転速度
調整手段を制御して、前記車輪を強制的に前記所定値で
回転させる回転制限手段を含んでいる。
【0010】上記第2の発明によると、禁止手段によ
り、アクセル操作部材の操作量に応じた回転速度調整手
段の制御が禁止されているとき、回転制限手段はその回
転速度調整手段を制御して車輪を強制的に所定値で回転
させる。従って、運転者はアクセル操作部材を操作する
ことにより、車輪を所定値で回転させ続けることが可能
である。
【0011】請求項3に記載の第3の発明は第2の発明
の構成に加え、前記禁止手段は、前記回転制限手段によ
る制御に先立ち、前記回転速度調整手段を制御して前記
車輪の回転速度を徐々に低下させる回転徐変手段を含ん
でいる。
【0012】第3の発明によると、回転制限手段により
車輪の回転速度が強制的に所定値にされる前に、回転徐
変手段は、その回転速度調整手段を制御して車輪の回転
速度を徐々に低下させる。従って、シートベルト着用時
において車輪が所定値よりも高い回転速度で回転してい
る際に、そのシートベルトが外されても車輪の回転速度
は時間の経過に従い徐々に低下し、所定値に収束する。
【0013】請求項4に記載の第4の発明は、第1乃至
第3のいずれか1つの発明の構成に加え、前記ベルト着
用検出手段によるシートベルト未着用検出時において、
少なくとも前記禁止手段による制御禁止時にシートベル
ト未着用を警告する警告手段をさらに備えている。
【0014】第4の発明によると、ベルト着用検出手段
によるシートベルト未着用検出時において、少なくとも
制御手段による回転速度調整手段の制御が禁止手段によ
って禁止されているとき、警告手段はシートベルトが着
用されていないことを警告する。従って、禁止手段によ
る制御禁止に基づき、車輪が所定値を越えた回転速度で
回転しなくなるという現象が起るが、運転者は前記現象
がシートベルト未着用に起因するものであることを知ら
される。
【0015】請求項5に記載の第5の発明は、第4の発
明の構成に加え、前記警告手段は、前記ベルト着用検出
手段によるシートベルト未着用検出時において、前記回
転速度検出手段による回転速度が所定値以下であるとき
シートベルト未着用を警告する初期警告手段と、前記禁
止手段による制御禁止時の警告内容を、前記初期警告手
段による警告内容とは異なるものに変更する警告内容変
更手段とを含んでいる。
【0016】第5の発明によると、警告手段における初
期警告手段は、ベルト着用検出手段によるシートベルト
未着用検出時において、前記回転速度検出手段による回
転速度が所定値以下であるとシートベルト未着用を警告
する。この警告により、運転者には、シートベルトが着
用されていないことが知らされる。また、警告手段にお
ける警告内容変更手段は、禁止手段による制御禁止時の
警告内容を、初期警告手段による警告内容とは異なるも
のに変更する。この変更により、運転者にはシートベル
トが着用されていないことが、再び異なる態様で知らさ
れる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態について、図1乃至図3に従っ
て説明する。
【0018】図1に示すように、自動車10には、回転
速度調整手段としてのガソリンエンジン(以下、単にエ
ンジンという)1が搭載されている。エンジン1内には
ピストン2が往復動可能に収容されている。ピストン2
はコネクティングロッド3を介して出力軸としてのクラ
ンク軸4に連結されている。ピストン2の往復動はコネ
クティングロッド3によって回転運動に変換された後、
クランク軸4に伝達される。ピストン2の上方には燃焼
室5が形成され、ここに吸気通路6及び排気通路7がそ
れぞれ接続されている。エンジン1には、吸気通路6を
開閉するための吸気バルブ8と、排気通路7を開閉する
ための排気バルブ9とがそれぞれ往復動可能に設けられ
ている。エンジン1には、クランク軸4の回転速度(エ
ンジン回転速度)を検出するための回転速度センサ11
が取付けられている。
【0019】吸気通路6は、エアクリーナ12、主スロ
ットル弁13、副スロットル弁14及び吸気マニホルド
15を備えている。エンジン1の外部の空気は、吸気通
路6の各部材12,13,14,15を順に通過して燃
焼室5に取込まれる。主スロットル弁13は吸気通路6
内に軸により支持されている。主スロットル弁13はワ
イヤなどを介して、車室内に設けられたアクセル操作部
材としてのアクセルペダル16に連結されており、その
アクセルペダル16の踏込み操作に連動して回動する。
【0020】副スロットル弁14は、吸気通路6内の主
スロットル弁13よりも下流に支持されている。副スロ
ットル弁14は、吸気通路6の軸線に平行になる開弁位
置と、同軸線に対し大きく傾斜する閉弁位置(図1参
照)との間で回動する。副スロットル弁14には、通電
により作動してその副スロットル弁14を回動させるア
クチュエータ17が駆動連結されている。ここでは、ア
クチュエータ17として、ケーブル、リンク機構などを
介して副スロットル弁14に連結されたプランジャと、
通電状態に応じてプランジャを往復動(出没)させるソ
レノイドコイルとを備えたものが用いられている。ケー
ブル、リンク機構などは、プランジャの往復運動を回転
運動に変換し副スロットル弁14に伝達する。その結
果、副スロットル弁14は、プランジャの突出により開
弁させられ、没入により閉弁させられる。なお、副スロ
ットル弁14は主スロットル弁13の上流に設けられて
もよい。
【0021】吸気通路6を流れる空気の量、すなわち吸
入空気量は、主スロットル弁13及び副スロットル弁1
4の各回動角度に応じて決定される。より詳しくは、副
スロットル弁14が開弁位置に保持されている場合、吸
入空気量は、アクセルペダル16の踏込み量に応じた主
スロットル弁13の回動角度によって決定される。副ス
ロットル弁14が閉弁位置に保持されている場合、吸入
空気量は、主スロットル弁13の回動角度にかかわらず
その副スロットル弁14によって決定される。吸気通路
6には、ここを通過する空気の量(吸入空気量)を検出
するためのエアフロメータ18が取付けられている。エ
アフロメータ18に代えて、吸気通路6内の吸気管負圧
(吸気圧)を検出するための吸気圧センサを用いてもよ
い。
【0022】吸気マニホルド15には、ニードルバルブ
と、これを作動させるためのソレノイドコイルとを備え
たインジェクタ19が取付けられている。インジェクタ
19には、給油パイプ21を介して燃料ポンプ22が接
続されており、この燃料ポンプ22からインジェクタ1
9に燃料が圧送されている。ソレノイドコイルへの通電
によりニードルバルブが開く(開弁する)と、インジェ
クタ19は燃焼室5へ向けて燃料を噴射する。通電が停
止されるとニードルバルブが閉じ(閉弁し)、燃料噴射
が停止される。インジェクタ19から噴射される燃料の
量(燃料噴射量)は、ニードルバルブの開弁時間、すな
わちソレノイドコイルへの通電時間によって決定され
る。インジェクタ19から噴射される燃料と、吸入空気
とからなる混合気は、燃焼室5内へ導入される。
【0023】この混合気に着火するためにエンジン1に
点火プラグ23が取付けられている。燃焼室5内へ導入
された混合気は点火プラグ23の点火によって爆発・燃
焼される。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスにより
ピストン2が往復動され、クランク軸4が回転されて、
エンジン1の駆動力が得られる。排気通路7は排気マニ
ホルド24、触媒コンバータ(図示略)などを備えてい
る。燃焼室5で生じた燃焼ガスは排気通路7の各部材2
4を順に通ってエンジン1の外部へ排出される。
【0024】エンジン1には、動力伝達装置25を介し
て、車輪としての左右一対の駆動輪26が連結されてい
る。動力伝達装置25はエンジン1によって発生された
動力、すなわち、クランク軸4の回転を効果的に両駆動
輪26に伝達するためのものである。動力伝達装置25
は、トランスミッション、プロペラシャフト、ディファ
レンシャル、アクセルシャフトなどによって構成されて
いる。トランスミッションには、自動車10の走行速度
(車速)Vを検出するための車速センサ27が取付けら
れている。車速センサ27は、駆動輪26の回転速度を
検出する回転速度検出手段に相当する。車速センサ27
の取付け位置は、エンジン1から駆動輪26に至る動力
伝達経路の途中であればよく、前述したトランスミッシ
ョン以外にも、ドライブシャフト、スピードメータケー
ブル、車輪(駆動輪26及び/または従動輪)などであ
ってもよい。
【0025】自動車10の車室内には、乗員を座席に拘
束するためのシートベルト28と、その着用状態(着用
の有無)を検出するための、ベルト着用検出手段として
のベルト着用センサ29とが設けられている。ここでの
ベルト着用センサ29は、タングプレートとバックルと
の連結(ロック)の有無に基づき、シートベルト28の
着用状態を検出する。そのほかにも、未着用時にベルト
部分が巻き取られるタイプのシートベルト(3点式シー
トベルトなど)の場合には、巻き取り部分が伸ばされる
かどうかによってシートベルトの着用状態を検出するタ
イプのベルト着用センサを用いてもよい。もちろん、こ
れ以外のタイプであってもよい。さらに、計器類の組込
まれたインストルメントパネルには、シートベルト28
の未着用時に点灯し着用時に消灯する警告灯31が設け
られている。なお、警告灯31に代えて、あるいは加え
て、シートベルト28の未着用時に警告音や音声を発
し、着用時にその発生を停止するブザー、スピーカなど
を設けてもよい。
【0026】前述した回転速度センサ11、エアフロメ
ータ18、車速センサ27及びベルト着用センサ29に
よる各検出値に基づきインジェクタ19、アクチュエー
タ17及び警告灯31をそれぞれ制御するために制御装
置32が設けられている。制御装置32は読出し専用メ
モリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムア
クセスメモリ(RAM)などを備えている。ROMは所
定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、
CPUはROMの制御プログラムなどに従って各種演算
処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時
的に記憶する。CPUは各センサ11,18,27,2
9の検出信号を入力し、それらの入力に基づきインジェ
クタ19、アクチュエータ17及び警告灯31を作動さ
せ、燃料噴射制御、副バルブ制御などを実行する。
【0027】次に、前記のように構成された本実施形態
の作用及び効果について説明する。図2に示すフローチ
ャートは、制御装置32によって実行される各処理のう
ち、インジェクタ19の作動を制御して燃料を噴射させ
るためのルーチンを示している。図3のフローチャート
は、副スロットル弁14及び警告灯31の作動を制御す
るためのルーチンを示している。これらのルーチンは、
エンジン1の始動のためにイグニションスイッチがオン
された後、それぞれ所定のタイミングが到来する毎、例
えば所定時間毎に実行される。
【0028】図2の燃料噴射制御ルーチンでは、制御装
置32はまずステップS1において、エアフロメータ1
8による吸入空気量、回転速度センサ11によるエンジ
ン回転速度などの各種データを読み込む。ステップS2
において、予め準備された制御マップなどを参照し、吸
入空気量及びエンジン回転速度に対応する基本噴射時間
を求める。この基本噴射時間を、他の要素、例えば、吸
入空気の温度、冷却水の温度などによって補正し、噴射
時間Tを算出する。そして、ステップS3において、予
め定めた噴射時期が到来すると、インジェクタ19のソ
レノイドコイルに通電し、ニードルバルブを噴射時間T
にわたり開弁させる。この開弁によりインジェクタ19
から燃料が噴射される。混合気の爆発・燃焼によりクラ
ンク軸4が回転され、その回転が動力伝達装置25を介
して駆動輪26に伝えられることは前述した通りであ
る。燃料噴射時間Tが長くなるに従い燃料噴射量が増大
し、駆動輪26の回転速度、すわわち、車速Vが上昇す
る。ステップS3の処理を実行した後、このルーチンを
終了する。
【0029】次に、図3の副スロットル弁制御ルーチン
では、ステップD1においてベルト着用センサ29によ
るシートベルト28の着用の有無、及び車速センサ27
による車速Vをそれぞれ読み込む。ステップD2におい
て、シートベルト28が着用されているかどうかを判定
し、この判定条件が満たされている(着用されている)
とステップD3において、警告灯31を消灯させる。ス
テップD4において、アクチュエータ17への通電を停
止して副スロットル弁14を開弁させ、このルーチンを
終了する。
【0030】これに対し、ステップD2の判定条件が満
たされていない(シートベルト未着用)と、ステップD
5において警告灯31を点灯させる。この点灯により、
シートベルト28を着用していないことが視覚的に報知
される。次に、ステップD6において前記ステップD1
での車速Vが所定値αよりも高いか否かを判定する。所
定値αは、縦列駐車、車庫入れなどの際に行われる後退
走行に必要な車速であり、例えば5乃至20km/hの
範囲における任意の値である。この判定条件が満たされ
ていない(V≦α)と、前述したステップD4へ移行す
る。一方、ステップD6の判定条件が満たされている
(V>α)と、ステップD7においてアクチュエータ1
7に通電して副スロットル弁14を閉弁させ、このルー
チンを終了する。
【0031】本実施形態では、燃料噴射制御ルーチンに
おけるステップS1,S2,S3の処理が制御手段に相
当し、副スロットル弁制御ルーチンにおけるステップD
6,D7の処理が禁止手段に相当する。また、警告灯3
1と、副スロットル弁制御ルーチンにおけるステップD
2,D3,D5の処理とが警告手段に相当する。
【0032】本実施形態によると、従来技術2とは異な
り、シートベルト28の装着状態にかかわらず、エンジ
ン1を始動させることができる。運転者がシートベルト
28を着用していると、ステップD1→D2→D3→D
4→リターンの順に処理が行われ、副スロットル弁14
が開弁状態となる。アクセルペダル16の踏込み操作に
より作動する主スロットル弁13の角度に応じた量の空
気が燃焼室5に取込まれ、その空気量に応じた量の燃料
噴射、混合気の爆発・燃焼、クランク軸4の回転、駆動
輪26の回転がそれぞれ行われる。従って、自動車10
は運転者によるアクセルペダル16の踏込み量に応じた
車速Vで走行することとなる。
【0033】一方、運転者がシートベルト28を着用し
ないで、所定値α以下の車速Vで自動車10を走行させ
ようとすると、ステップD1→D2→D5→D6→D4
→リターンの順に処理が行われ、副スロットル弁14が
開弁状態となる。上述したシートベルト28の着用時と
同様にアクセルペダル16の踏込み量に応じた車速Vで
自動車10が走行する。このため、運転者はシートベル
ト28を着用しなくても、縦列駐車、車庫入れなどに際
し、自動車10を低速で後退走行させることができる。
シートベルト28を着用した状態でなければ後退走行で
きない従来技術2とは異なり、後退走行のための運転の
しやすさが損なわれることがない。なお、低速での走行
が許容されるだけなので、一時的に行われる後退走行の
際にシートベルト28によって乗員を座席に拘束しなく
てもさほど問題とならない。また、このときには警告灯
31の点灯により、シートベルト28が着用されていな
いことが運転者に警告される。運転者に対し、後退走行
を終えたらシートベルト28を着用すべきことを知らせ
ることができる。
【0034】運転者がシートベルト28を着用しない
で、所定値αを越える車速Vで自動車10を走行させよ
うとすると、ステップD1→D2→D5→D6→D7→
リターンの順に処理が行われ、副スロットル弁14が閉
弁状態となり、空気の流通を大きく制限する。運転者が
中・高速で自動車10を走行させようとしてアクセルペ
ダル16を大きく踏込んでも吸入空気量は低く抑えられ
る。これにともない燃料噴射量が減少し、クランク軸4
及び駆動輪26の各回転速度が低下し、車速Vが低下す
る。アクセルペダル16の踏込み操作に応じた車速Vの
変化が、シートベルト着用時のものと大きく異なる。こ
のときには、警告灯31が点灯しており、視覚的にシー
トベルト未着用を警告している。この警告により、車速
Vの上昇しない現象がシートベルト28の未着用による
ものであることに気付いた運転者は、シートベルト28
を着用することになる。従って、警告灯やブザーのみに
よってシートベルトの着用を促すようにした従来技術1
とは異なり、運転者は警告内容を無視することができ
ず、シートベルト28を着用せざるを得ないので、シー
トベルト着用の周知徹底を図ることができる。また、警
告灯31の点灯により、運転者が、故障などの異常が発
生したと誤認識するのを防止できる。
【0035】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態について説明する。第2実施形態はエン
ジン1、警告手段及びベルト着用検出手段の各構成が変
更されている点と、副スロットル弁制御ルーチンが省略
されている点と、燃料噴射制御ルーチンの処理内容が変
更されている点とが第1実施形態と相違している。な
お、図4は自動車10の概略構成を示しているが、同図
において第1実施形態と同様の部材に関しては同一の符
号を付して説明を省略する。
【0036】図4に示すように、吸気通路6の途中には
スロットル弁35が軸により回動可能に支持されてい
る。このスロットル弁35は、第1実施形態での主スロ
ットル弁13に相当するものであり、ケーブルなどによ
ってアクセルペダル16に連結されている。副スロット
ル弁14及びアクチュエータ17は省略されている。ま
た、車室内の任意の箇所、例えばドアにはスピーカ36
が組込まれている。
【0037】さらに、本実施形態では、乗員の全員がシ
ートベルトを着用しているかどうかを検出するために、
4つのベルト着用センサ29A,29B,29C,29
Dと、3つの乗員着座センサ37B,37C,37Dと
が用いられている。ここで、運転者以外の乗員を区別す
るために、助手席に着座する人を乗員Bとし、左後部座
席に着座する人を乗員Cとし、右後部座席に着座する人
を乗員Dとする。ベルト着用センサ29A乃至29D
は、運転者、乗員B、乗員C及び乗員Dがそれぞれシー
トベルトを着用しているかどうかを検出するためのもの
である。ベルト着用センサ29A乃至29Dとしては、
第1実施形態で説明したものと同様のタイプを用いるこ
とができる。
【0038】乗員着座センサ37B,37C,37Dは
助手席、左後部座席及び右後部座席に乗員が着座してい
るかどうかを検出するためのものである。これらの乗員
着座センサ37B乃至37Dとしては、例えば、赤外線
センサ、光電管式スイッチ、重量センサ、プッシュスイ
ッチ(ストロークスイッチ)などを用いることができ
る。赤外線センサは各座席の上方、例えば天井などに設
置され、乗員が放射している赤外線を感知することによ
り、着座の有無を検出する。
【0039】光電管式スイッチには透過型光電管及び反
射型光電管がある。前者のタイプは投光器と受光器とか
らなり、投光器から放射された光が乗員により遮断され
るかどうかにより、着座状態を検出する。投光器及び受
光器のいずれか一方は例えば各座席の近傍に設置され、
他方は天井に設置される。後者のタイプは投・受光器と
鏡などの反射部材とからなり、投・受光器から放射され
た光が乗員により遮断されるかどうかにより、着座状態
を検出する。このタイプの場合にも、投・受光器及び反
射部材のいずれか一方は例えば各座席の近傍に設置さ
れ、他方は天井に設置される。重量センサは各座席に組
込まれ、座席に加わる荷重を感知し、その荷重に基づき
乗員の着座状態を検出する。プッシュスイッチは接触子
が直線上を往復行程することによりオン・オフ動作を行
うスイッチであり、各座席や床に組込まれる。
【0040】上記のように、ベルト着用センサ29B乃
至29Dだけでなく乗員着座センサ37B乃至37Dを
用いたのは、次の理由による。すなわち、自動車10の
走行時には運転者は必ず着座するのに対し、ほかの乗員
B,C,Dは全員が着座するとは限らない。また、乗員
が着座していない状態で、シートベルトにおけるタング
プレートとバックルとが連結された場合、ベルト着用セ
ンサ29B,29C,29Dが、シートベルト着用を検
出するからである。
【0041】なお、乗員着座センサ37B,37C,3
7Dとしては、前述した赤外線センサ、光電管式スイッ
チ、重量センサ、プッシュスイッチなどの種々のタイプ
が単独で用いられてもよいし、複数組合わせて用いられ
てもよい。複数種類の組合わせの場合、全種類の乗員着
座センサが乗員B,C,Dの着座状態を検出した場合
に、「着座している」としてもよい。仮に、1種類の乗
員着座センサ、例えば重量センサのみを用いた場合に
は、乗員以外のもの、例えば重い荷物が座席に載せられ
た場合であっても「着座している」と誤検出するおそれ
がある。しかし、複数種類を組合わせて用いれば、検出
精度を上げ、前述したような誤検出を防止できる。この
場合の乗員着座センサの数は2つ以上であればよい。
【0042】また、複数種類の乗員着座センサを用いる
場合、各々の検出値を一様に扱うのではなく、重み付け
をしてもよい。例えば、種類毎に異なる定数を設定して
おき、各検出値にこの定数を乗算してもよい。そして、
この乗算結果を加算または乗算したものが、設定値を越
えるかどうかによって「着座状態」を決定してもよい。
【0043】前述したスピーカ36、ベルト着用センサ
29A乃至29D、乗員着座センサ37B乃至37Dは
いずれも制御装置32に接続されている。これらのセン
サ29A乃至29D及び37B乃至37Dの各検出値
は、制御装置32による燃料噴射制御の実行に際し用い
られる。また、スピーカ36の作動は、燃料噴射制御の
実行に際し制御装置32により制御される。
【0044】次に、制御装置32による具体的な処理内
容について説明する。図5のフローチャートは燃料噴射
制御ルーチンを示している。図6は、燃料噴射制御ルー
チンにおいて実行されるサブルーチンを示している。両
ルーチンの処理はフラグFに基づいて実行される。フラ
グFは運転者を含む乗員全員がシートベルトを着用して
いるかどうかを判別するためのものである。
【0045】図5の燃料噴射制御ルーチンが開始される
と、制御装置32はまずステップS10において、エア
フロメータ18による吸入空気量、回転速度センサ11
によるエンジン回転速度、車速センサ27による車速V
などの各種データを読み込む。ステップS20におい
て、予め準備された制御マップなどを参照し、吸入空気
量及びエンジン回転速度に対応する基本噴射時間を求め
る。この基本噴射時間を他の要素によって補正して噴射
時間Tを算出する。ステップS30において、シートベ
ルト着用検出処理を実行する。
【0046】詳しくは、図6のステップS31におい
て、乗員検出に関するデータとして、ベルト着用センサ
29A乃至29Dによるシートベルトの着用の有無と、
乗員着座センサ37B乃至37Dによる乗員B,C,D
の着座状態とをそれぞれ読み込む。読み込んだデータに
基づき以下の判定処理を行い、その判定結果に応じてス
テップS39またはS40でフラグFを設定する。
【0047】まず、ステップS32において、運転者に
よってシートベルトが着用されているかどうかを判定す
る。この判定条件が満たされていない(未着用)とステ
ップS40へ移行し、満たされている(着用)とステッ
プS33において乗員Bが助手席に着座しているかどう
かを判定する。この判定条件が満たされていない(非着
座)とステップS35へ移行し、満たされている(着
座)とステップS34において、その乗員Bがシートベ
ルトを着用しているかどうかを判定する。ステップS3
4の判定条件が満たされていない(未着用)とステップ
S40へ移行し、満たされている(着用)とステップS
35へ移行する。
【0048】ステップS35では、乗員Cが左後部座席
に着座しているかどうかを判定する。この判定条件が満
たされていない(非着座)とステップS37へ移行し、
満たされている(着座)とステップS36において、そ
の乗員Cがシートベルトを着用しているかどうかを判定
する。ステップS36の判定条件が満たされていない
(未着用)とステップS40へ移行し、満たされている
(着用)とステップS37へ移行する。
【0049】ステップS37では、乗員Dが右後部座席
に着座しているかどうかを判定する。この判定条件が満
たされていない(非着座)とステップS39へ移行し、
満たされている(着座)とステップS38において、そ
の乗員Dがシートベルトを着用しているかどうかを判定
する。ステップS38の判定条件が満たされていない
(未着用)とステップS40へ移行し、満たされている
(着用)とステップS39へ移行する。そして、ステッ
プS39ではフラグFを「1」に設定し、ステップS4
0では「0」に設定する。
【0050】このように、シートベルト着用検出ルーチ
ンでは、運転者を含め、自動車10に乗っている人の全
てがシートベルトを着用している場合にのみフラグFが
「1」に設定される。それ以外の場合、一人でもシート
ベルトを着用していない人がいると、フラグFは「0」
に設定される。ステップS39またはS40の処理を行
った後、図5のステップS50へ移行する。
【0051】ステップS50では、フラグFが「1」で
あるか否かを判定する。この判定条件が満たされている
(F=1)と、ステップS60において警告灯31を消
灯させ、ステップS70においてスピーカ36からの警
告音または音声を停止させ、ステップS80へ移行す
る。一方、ステップ50の判定条件が満たされていない
(F=0)と、ステップS90において警告灯31を点
灯させる。次に、ステップS100において前記ステッ
プS10での車速Vが所定値αよりも高いかどうかを判
定する。所定値αは第1実施形態で説明したものと同じ
値である。この判定条件が満たされていない(V≦α)
と、前述したステップS70へ移行し、満たされている
(V>α)と、ステップS110においてスピーカ36
を作動させて警告音または音声を発生させる。
【0052】次に、ステップS120及びS130にお
いて噴射時間Tのガード処理を行う。すなわち、ステッ
プS120において、前記ステップS20での噴射時間
Tが、予め設定された制限値Aよりも大きいか否かを判
定する。制限値Aは自動車10を所定値αで走行させる
のに必要な噴射時間であり、一定値であってもよいし、
他の要素、例えば道路の勾配などに応じて変化する値で
あってもよい。ステップS120の判定条件が満たされ
ている(T>A)と、ステップS130で制限値Aを噴
射時間Tとして設定し、ステップS80へ移行する。こ
れに対し、ステップS120の判定条件が満たされてい
ない(T≦A)と、ステップS130の処理を行うこと
なくステップS80へ移行する。
【0053】なお、ステップS120,S130の処理
は、所定値αを越える車速Vでの走行中にシートベルト
が外され、かつ、アクセルペダル16が緩められたとき
(この状況を以下、「現象X」という)に、自動車10
が適切でない挙動を示すのを防止する役目も果たしてい
る。このような挙動としては、例えば、噴射時間Tを短
縮して燃料噴射量を減少させているときに、エンジンブ
レーキが効きにくくなることである。すなわち、仮にス
テップS120の処理を省略して、ステップS110の
次に必ずステップS130の処理を行うと、現象Xが起
きた場合、常にT>Aであれば問題ない。しかし、T≦
Aであると、シートベルトを外さないでアクセルペダル
16を緩めた場合に比べ、瞬間的にエンジン1の回転速
度が高くなるおそれがある。こうなると、ステップS1
20の処理を行わなったにもかかわらず、行わない場合
よりも、所定の速度まで減速するのに時間がかかる不具
合がある。これに対し、本実施形態ではステップS12
0の判定処理を加え、この判定条件が満たされない場合
には、ステップS130の処理を行わないようにしてい
る。このため、前述した不適切な挙動を未然に防止でき
る。
【0054】ステップS70,S120,S130から
移行したステップS80では、予め定めた噴射時期が到
来すると、インジェクタ19のソレノイドコイルに通電
し、ニードルバルブを噴射時間Tにわたり開弁させる。
この開弁によりインジェクタ19から燃料が噴射され
る。ステップS80の処理を実行した後、このルーチン
を終了する。
【0055】本実施形態では、燃料噴射制御ルーチンに
おけるステップS10,S20,S80の処理が制御手
段に相当し、ステップS100,S120,S130の
処理が禁止手段に相当する。特に、禁止手段中のステッ
プS130の処理は回転制限手段に相当する。また、警
告灯31及びスピーカ36と、燃料噴射制御ルーチンに
おけるステップS50,S60,S70,S90,S1
00,S110の処理とが警告手段に相当する。特に、
警告手段中のステップS50,S60,S70,S90
の処理が初期警告手段に相当し、ステップS70,S1
00,S110の処理が警告内容変更手段に相当する。
【0056】本実施形態によると、全ての乗員がシート
ベルトを着用している場合には、ステップS10→S2
0→S30→S50→S60→S70→S80→リター
ンの順に処理が行われ、アクセルペダル16の踏込み操
作に応じた量の燃料噴射、駆動輪26の回転などが行わ
れる。少なくとも一人の乗員がシートベルトを着用して
いない状態で、運転者が所定値α以下の車速Vで自動車
10を走行させようとする場合には、ステップS10→
S20→S30→S50→S90→S100→S70→
S80→リターンの順に処理が行われ、上述したシート
ベルト着用時と同様にアクセルペダル16の踏込み量に
応じた速度で自動車10が走行する。このため、運転者
は自動車10を低速で後退走行させることができる。
【0057】少なくとも一人の乗員がシートベルトを着
用していない状態で、所定値αを越えた車速Vで自動車
を走行させようとする場合には、ステップS10→S2
0→S30→S50→S90→S100→S110→S
120(→S130)→S80→リターンの順に処理が
行われる。噴射時間Tが制限値Aよりも長い場合には、
噴射時間Tが強制的に制限値Aに設定される。運転者が
中・高速で自動車10を走行させようとしてアクセルペ
ダル16を大きく踏込んでも、自動車10を所定値αで
低速走行させるのに必要な量の燃料しか噴射されない。
これにともないクランク軸4及び駆動輪26の各回転速
度が低下し、車速Vが低下する。この現象がシートベル
トの未着用によるものであることに気付いた運転者及び
/または他の乗員B,C,Dは、シートベルトを着用す
ることになる。
【0058】このように本実施形態によっても、第1実
施形態と同様にして、シートベルトの着用を徹底させる
ことができる。そのほかにも、運転者はアクセルペダル
16を操作することにより、駆動輪26を一定の値で回
転させ続け、縦列駐車、車庫入れなどのための後退走行
に際し、自動車10を必要最低限の速度で走行させるこ
とができる。その後退走行に際し、運転者が不都合や不
便さを感じることはない。
【0059】また、シートベルトを着用せずに、自動車
を停止させている場合、及び所定値α以下の車速Vで自
動車を走行させる場合と、同じくシートベルトを着用せ
ずに、所定値αを越える車速Vで自動車を走行させる場
合とで警告内容を異ならせている。すなわち、前者の場
合には警告灯31を点灯させるのみの警告とし、後者の
場合には警告灯31の点灯に加え、スピーカ36から警
告音または音声を発生させるようにしている。このよう
に車速Vの上昇に応じて警告内容が変更されるので、シ
ートベルトを着用すべきことをより効果的に運転者など
に訴えることができる。警告箇所が増えることや、視覚
に訴えるもの(警告灯31点灯)に、聴覚に訴えるもの
(警告音発生)が加わることは、警告内容の重要度が小
さなものから大きなものに変わったことを知らせるうえ
で有効である。
【0060】(第3実施形態)次に、本発明を具体化し
た第3実施形態について、図7を参照して説明する。第
3実施形態は、燃料噴射制御ルーチンの処理内容の一部
が変更されている点において第2実施形態と相違してい
る。以下には相違点を中心に説明し、第2実施形態と同
様の処理に関しては同一のステップ数を付して説明を省
略する。
【0061】詳しくは、ステップS120,S130に
代わる処理として、ステップS110の処理の後にステ
ップS125,S135を実行する。両ステップS12
5,S135は、噴射時間Tを補正により徐々に短縮す
るための処理である。すなわち、ステップS125にお
いて、前記ステップS20での噴射時間Tが、前回の制
御周期で記憶した噴射時間T1に補正係数f1を乗算し
たものよりも大きいか否かを判定する。補正係数f1は
「1.0」よりも小さく「0」よりも大きな値である
が、噴射時間Tを時間の経過に従い徐々に短くするとい
う観点からは、「1.0」にできるだけ近い値であるこ
とが望ましい。ステップS125の判定条件が満たされ
ている(T>T1*f1)と、ステップS135におい
て、前記乗算結果(T1*f1)を新たな噴射時間Tと
して設定し、ステップS75へ移行する。これに対し、
ステップS125の判定条件が満たされていないと、ス
テップS135の処理を行うことなくステップS75へ
移行する。
【0062】また、ステップS70,S125,S13
5とステップS80との間にステップS75の処理を追
加する。ステップS75では、ステップS20及びS1
35でそれぞれ設定した噴射時間Tを噴射時間T1とし
てメモリに記憶する。この噴射時間T1は次回制御周期
でのステップS125,S135の処理に用いられる。
それ以外の処理に関しては第1実施形態と同じである。
本実施形態では、燃料噴射制御ルーチンにおけるステッ
プS135の処理が回転徐変手段に相当する。
【0063】本実施形態によると、乗員の全員がシート
ベルトを着用している場合、少なくとも一人の乗員がシ
ートベルトを着用しないで、所定値α以下の車速Vで自
動車10を走行させようとする場合に関しては、噴射時
間TがステップS75で記憶される点を除き、第2実施
形態と同様の順で処理が行われる。少なくとも一人の乗
員がシートベルトを着用していない状態で、運転者が所
定値αを越える車速Vで自動車10を走行させようとす
ると、ステップS10→S20→S30→S50→S9
0→S100→S110→S125(→S135)→S
75→S80→リターンの順に処理が行われる。噴射時
間Tが補正により短縮され、燃料噴射量が減量され、駆
動輪26の回転速度ひいては車速Vが若干低下する。次
回の制御周期において、前記回転速度の低下にもかかわ
らずステップS100の判定条件が満たされる(V>
α)と、ステップS125,S135の処理が再度行わ
れる。前回の制御周期で記憶した噴射時間T1が補正係
数f1によってさらに補正される。この補正により、燃
料噴射量が前回の値よりも減量され、回転速度がさらに
低下する。車速VはステップS100での判定条件が満
たされなくなるまで徐々に低下してゆく。
【0064】従って、第3実施形態によると、第2実施
形態と同様の作用及び効果を奏するほか、所定値αを越
えた車速Vで自動車10を走行させている際に、そのシ
ートベルトが外されても駆動輪26の回転速度を時間の
経過に従い徐々に低下させ、車速Vを所定値αに収束さ
せることができる。車速Vが急激に低下する不具合を防
止できる。
【0065】(第4実施形態)次に、本発明を電気自動
車50に具体化した第4実施形態について説明する。図
8に示すように、電気自動車50では、回転速度調整手
段として、ガソリンエンジン1に代えてモータ51が用
いられている。モータ51には、これを回転させるのに
必要な電流を供給するための電池52が接続されてい
る。モータ51の出力軸には、差動機構、変速機構など
を含む動力伝達装置53を介して駆動輪54が連結され
ている。モータ51の出力軸は、動力伝達装置53を介
さずに駆動輪54に直接連結されてもよい。モータ51
から駆動輪54に至る動力伝達経路の途中には、駆動輪
54の回転速度、すなわち車速Vを検出するための、回
転速度検出手段としての車速センサ55が設けられてい
る。
【0066】車室内には、アクセル操作部材としてのア
クセルペダル56の踏込み量を検出するアクセルセンサ
57が配置されている。また、車室内には、第1実施形
態で説明したものと同様に座席毎にシートベルト、ベル
ト着用センサ59A,59B,59C,59D、乗員着
座センサ60B,60C,60D、警告灯61及びスピ
ーカ62が設けられている。車速センサ55、アクセル
センサ57、ベルト着用センサ59A乃至59D、及び
乗員着座センサ60B乃至60Dの各検出値に基づきモ
ータ51、警告灯61及びスピーカ62の各作動をそれ
ぞれ制御するために制御装置63が設けられている。
【0067】次に、前記のように構成された第4実施形
態の作用及び効果について説明する。図9に示すフロー
チャートは、制御装置63によって実行される各処理の
うち、モータ51、警告灯61及びスピーカ62の各作
動を制御するためのルーチンを示している。このルーチ
ンは、所定のタイミングが到来する毎、例えば所定時間
毎に実行される。
【0068】モータ制御ルーチンでは、制御装置63は
まずステップE10において、アクセルセンサ57によ
るアクセル踏込み量、車速センサ55による車速Vなど
の各種データを読み込む。ステップE20において、予
め準備された制御マップを参照し、あるいは所定の演算
式に従い、アクセル踏込み量に基づき電流Iを算出す
る。ステップE30において、シートベルト着用検出処
理を実行する。この処理は、第2実施形態で説明したも
の(図6のシートベルト着用検出ルーチン)と同じであ
る。
【0069】ステップE50においてフラグFが「1」
であるか否かを判定し、この判定条件が満たされている
(F=1)と、ステップE60において警告灯31を消
灯させ、ステップE70においてスピーカ36からの警
告音または音声を停止させる。ステップE75におい
て、前記ステップE20での電流Iを電流I1としてメ
モリに記憶する。ステップE80において、記憶された
量の電流I1をモータ51に供給して出力軸を回転さ
せ、このルーチンを終了する。
【0070】一方、ステップE50の判定条件が満たさ
れていない(F=0)と、ステップE90において警告
灯31を点灯させる。ステップE100において前記ス
テップE10での車速Vが所定値αよりも高いかどうか
を判定する。所定値αは第1実施形態で説明したものと
同じ値である。この判定条件が満たされていない(V≦
α)と、前述したステップE70へ移行し、満たされて
いる(V>α)と、ステップE110においてスピーカ
36を作動させて警告音または音声を発生させる。
【0071】続いて、ステップE125,E135にお
いて、電流Iを補正により徐々に少なくする。詳しく
は、ステップE125において、前記ステップE20で
の電流Iが、前回の制御周期で記憶した電流I1に補正
係数f2を乗算したものよりも大きいか否かを判定す
る。補正係数f2は「1.0」よりも小さく「0」より
も大きな値であるが、電流Iを時間の経過に従い徐々に
少なくするという観点からは、「1.0」にできるだけ
近い値であることが望ましい。ステップE125の判定
条件が満たされている(I>I1*f2)と、ステップ
E135において、前記乗算結果(I1*f2)を新た
な電流Iとして設定し、ステップE75へ移行する。こ
れに対し、ステップE125の判定条件が満たされてい
ないと、ステップE135の処理を行うことなくステッ
プE75へ移行する。
【0072】本実施形態では、モータ制御ルーチンにお
けるステップE10,E20,E80の処理が制御手段
に相当し、ステップE100,E135の処理が禁止手
段に相当する。特に、禁止手段中のステップE135は
回転制限手段及び回転徐変手段に相当する。また、警告
灯61及びスピーカ62と、モータ制御ルーチンにおけ
るステップE50,E60,E70,E90,E10
0,E110の処理とが警告手段に相当する。特に、警
告手段中のステップE50,E60,E70,E90の
処理が初期警告手段に相当し、ステップE70,E10
0,E110の処理が警告内容変更手段に相当する。
【0073】本実施形態によると、乗員の全てがシート
ベルトを着用している場合には、ステップE10→E2
0→E30→E50→E60→E70→E75→E80
→リターンの順に処理が行われ、アクセルペダル56の
踏込み操作に応じた速度でモータ51が回転され、電気
自動車50が走行する。少なくとも一人の乗員がシート
ベルトを着用していない状態で、運転者が所定値α以下
の車速Vで電気自動車50を走行させようとする場合に
は、ステップE10→E20→E30→E50→E90
→E100→E70→E75→E80→リターンの順に
処理が行われ、上述したシートベルトの着用時と同様に
アクセルペダル56の踏込み量に応じた速度で電気自動
車50が走行する。このため、乗員の中にシートベルト
を着用しない人がいても、運転者は電気自動車50を低
速で後退走行させることができる。このときには、シー
トベルトが着用されていないことが、警告灯61の点灯
により運転者に警告される。
【0074】シートベルトを着用しない乗員がいる状態
で、運転者が所定値αを越える車速Vで電気自動車50
を走行させようとする場合には、ステップE10→E2
0→E30→E50→E90→E100→E110→E
125(→E135)→E75→E80→リターンの順
に処理が行われ、電流Iが補正係数f2を用いた補正に
より減量され、モータ51の回転速度が低下し、車速V
が若干低下する。この速度低下にもかかわらず、次回の
制御周期において、ステップE100の判定条件が満た
される(V>α)と、ステップE125,E135の処
理が再度行われる。前回の制御周期で記憶した電流Iが
補正係数f2によって補正される。この補正により、電
流Iが前回の値よりも減量され、モータ51の回転速度
がさらに低下する。車速Vは、ステップE100での判
定条件が満たされなくなるまで徐々に低下してゆく。
【0075】従って、運転者が中・高速で電気自動車5
0を走行させようとしてアクセルペダル56を大きく踏
込んでも、モータ51には電気自動車50を所定値αで
低速走行させるのに必要な量の電流しか流されない。こ
れにともない駆動輪54の回転速度が低下し、車速Vが
低下する。この現象がシートベルトの未着用によるもの
であることに気付いた運転者及び/または他の乗員は、
シートベルトを着用することになる。
【0076】このように本実施形態によっても、第1乃
至第3実施形態と同様の作用及び効果が得られる。すな
わち、(a)シートベルトの着用を徹底させることがで
きる。(b)後退走行に際し、電気自動車50を必要最
低限の速度で走行させることができる。(c)電気自動
車50が所定値αを越える車速Vで走行している際に、
シートベルトが外されても車速Vが急激に低下する不具
合を防止できる。(d)警告灯61の点灯及びスピーカ
62の作動によりシートベルト未着用を警告できる。
(e)警告灯61及びスピーカ62による警告内容を段
階的に異ならせて、シートベルトを着用すべきことを効
果的に知らせることができる。
【0077】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具
体化することができる。
【0078】(1)第1実施形態における主スロットル
弁13及び副スロットル弁14を1つのスロットル弁に
よって構成してもよい。すなわち、主スロットル弁13
及びアクセルペダル16をケーブルなどによって連結す
るのではなく、主スロットル弁13をアクチュエータ1
7に連結するとともに、アクセルペダル16の踏込み量
をアクセルセンサによって検出し、その検出結果に基づ
きアクチュエータ17を駆動制御して主スロットル弁1
3を回動させてもよい。このスロットル弁は、リンクレ
スタイプと呼ばれているものである。また、第2実施形
態のスロットル弁35を前記リンクレスタイプに変更し
てもよい。
【0079】(2)第1実施形態におけるアクチュエー
タとしてモータを用いてもよい。この場合、モータの回
転角度を調整することにより、副スロットル弁14の回
動角度を多段階に変化させてもよい。
【0080】(3)第4実施形態におけるステップE1
25,E135の処理に代えて、所定値で駆動輪54を
回転させるために必要な量の電流を電流Iとして設定し
てもよい。この処理は、第2実施形態におけるステップ
S120,S130の処理に対応するものである。
【0081】(4)回転速度調整手段としては、インジ
ェクタ付きエンジン以外にもキャブレタ付きエンジン、
ロータリエンジンなどを用いてもよい。また、回転速度
調整手段として、ガソリン以外(軽油、天然ガスなど)
を燃料とするエンジン、例えば、ディーゼルエンジンを
用いてもよい。さらに、回転速度調整手段は、エンジン
とモータなど、2種類以上の動力源を組合わせたもので
あってもよい。このような2種類以上の動力源を搭載し
た自動車は、ハイブリッド自動車と呼ばれているもので
ある。
【0082】(5)回転速度調整手段は、駆動輪26,
54の回転速度を調整するものであればどのような要素
でもよい。例えば、自動変速機を搭載した自動車であれ
ば、その変速を司るソレノイドバルブを回転速度調整手
段としてもよい。この場合、乗員がシートベルトを着用
せず、所定値αを越えた車速Vで自動車を走行させよう
とすると、ソレノイドバルブを制御してシフトアップを
禁止してもよい。
【0083】また、ブレーキなどの制動装置を回転速度
調整手段の少なくとも一部としてもよい。特に、電気自
動車、ハイブリッド自動車などでは、モータ及び制動装
置によって回転速度調整手段を構成するとよい。これ
は、モータのみによって回転速度調整手段を構成して電
流Iを制限するのみでは、車速Vを十分に低下させるこ
とのできないおそれがあるからである。なお、減速によ
って失われた運動エネルギの一部は電気エネルギに変換
されるので、制動装置を回転速度調整手段としてもさほ
ど無駄がなく問題ないと考えられる。
【0084】(6)前記各実施形態では、エンジン1、
モータ51などの回転速度調整手段と駆動輪26,54
との間に動力伝達装置25,53を介在させる構成とし
たが、回転速度調整手段を駆動輪26,54に直接装着
してもよい。
【0085】(7)第3及び第4実施形態における補正
係数f1,f2の乗算に代えて、予め定めた補正値を減
算することにより噴射時間Tや電流Iを補正してもよ
い。
【0086】(8)警告灯31,61及び/またはスピ
ーカ36,62を用いた警告を適宜省略してもよい。
【0087】(9)第1実施形態において吸入空気量を
制限(調整)するための手段は、吸気口から吸気マニホ
ルド15までの吸入空気の通路(吸気通路6)内であれ
ば、どのような場所に、どのような形態で設けられても
よい。この手段には、吸気バルブの開閉タイミングやバ
ルブリフト量を変化させて吸入空気量を調整するものも
含まれる。
【0088】(10)第2及び第3実施形態において燃
料量を調整するための手段は、燃料タンクから吸気マニ
ホルドまでの燃料の通路であれば、どのような場所に、
どのような形態で設けられてもよい。
【0089】(11)第4実施形態において電流Iを調
整するための手段は、電池52からモータ51までの電
流の流れる回路であれば、どのような場所に、どのよう
な形態で設けられてもよい。
【0090】(12)第2乃至第4実施形態において、
シートベルトが着用されていない状態で、車速Vが所定
値αを越えた場合に、警告灯31を消灯させ、スピーカ
36による警告音または音声の発生のみによって警告を
行うようにしてもよい。
【0091】(13)各実施形態における制御装置3
2,63の処理手順は一例であり、適宜変更可能であ
る。シートベルト着用検出ルーチンにおいて、シートベ
ルトの着用が困難な人、例えば妊婦などが着座している
場合には、シートベルトが連結されている状態のみによ
って、すなわち、妊婦が着用していなくてもタングプレ
ートとバックルとが連結されていれば、着用状態とみな
すような処理に変更してもよい。
【0092】また、自動車10,50の走行中に乗員が
いなくなることは通常起り得ないことから、乗員検出の
タイミングとして、エンジン1の始動時、停車時、発進
時、ドアの開閉時などに限ってもよい。特に第2乃至第
4実施形態では、シートベルト着用検出ルーチンの中で
乗員B,C,Dの検出を行ったが、この検出を別の独立
したルーチンで行ってもよい。
【0093】さらに、自動車10の走行中にシートベル
トが外され、エンジンブレーキによって急激に減速する
ことは、通常は運転者が予測しないことである。従っ
て、このような状況下では燃料噴射量の減量を行わない
ようにするために、シートベルトの着用状態検出のタイ
ミングとして、エンジン1の始動時、停車時、発進時、
ドアの開閉時などに限ってもよい。また、同様の目的を
達成するために、禁止手段による処理を実行する期間を
制限してもよい。例えば、(a)イグニションスイッチ
がオン操作されたときを期間の始期とし、シートベルト
が着用されたときを終期とする。(b)自動車の発進時
を期間の始期とし、終期を(a)と同じにする。(c)
ドアが閉められたときを期間の始期とし、終期を(a)
と同じにする。
【0094】(14)警告灯31,61に代えて、CR
T、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置を用い
て視覚的な警告を行ってもよい。
【0095】(15)各実施形態において、禁止手段に
よる制御禁止が開始される前に、その旨を伝える警告音
または音声を発生させてもよい。この際、制御禁止の開
始前と制御禁止中とにおいて、警告音(または音声)を
異なる内容の警告音(または音声)に切替えてもよい
し、切替えなくてもよい。切替えない場合としては、例
えば、所定値αを越える車速Vでの走行中(高速走行
中)にシートベルトが外されたとき、制御禁止を開始す
るタイミングを少し遅らせることが挙げられる。このよ
うにすれば、警告音(または音声)を聞いた運転者など
は、制御禁止の少し前の時点で、次にその制御禁止が行
われて自動車が通常時とは異なる挙動(車速低下)を示
すのを容易に推測できる。運転者などに対し、警告音
(または音声)の発生後、すぐにシートベルトを着用す
べきことを知らせることができる。この報知によりシー
トベルトが着用されれば、制御禁止にともなう車速低下
を回避できる。
【0096】また、所定値α以下の車速Vでの走行中
(低速走行中)であり、かつシートベルトが着用されて
いない場合には、高速走行中にシートベルトが外された
場合と同様に、または所定値αよりも多少低い車速Vで
警告音または音声を発生させてもよい。例えば、シート
ベルトが着用されていない状態で自動車が発進された場
合、車速Vが所定値αよりも若干低い値(α=20km
/hであれば、例えば15km/h)になったときに、
「シートベルトが未着用です。このまま加速を続ける
と、通常の走行制御が行われなくなり、強制的に車速が
下げられます。シートベルトを着用して下さい。」など
の音声を発生させてもよい。このような予告報知を行う
ことによりシートベルトが着用されれば、制御禁止にと
もなう車速低下を回避できる。
【0097】(16)禁止手段による車速の急激な低下
を回避するために、その禁止手段による制御禁止を一時
的に無効化するための機構、例えばリセットスイッチ、
切替えスイッチなどを設けてもよい。これらのスイッチ
があると便利な状況としては、例えば、シートベルトが
故障して着用不能となった場合、ベルト着用センサが不
調な場合、シートベルト着用義務を免除されている特殊
業務中(例えば、宅配便の配達中)などが挙げられる。
無効期間の終期としては、(a)無効化開始から一定時
間が経過したとき、(b)自動車が停発車されたとき、
(c)ドアが開閉されたとき、(d)シートベルトが着
用されたとき、(e)リセットスイッチが再度操作され
た(押された)ときなどが挙げられる。
【0098】(17)前記各実施形態では、禁止手段に
よる制御禁止を行うか否かの判断を車速Vに基づいて行
っているが、これに代えて、車速Vに関連する要素(車
速相当値)に基づいて判断してもよい。この要素として
は、エンジン回転速度、その他の部位の回転速度などが
挙げられる。このように変更した場合、シートベルトの
未着用時に、車速Vを制限する代わりにエンジン回転速
度やそのほかの部位の回転速度を制限することとなる。
【0099】(18)前記各実施形態では、禁止手段に
よる制御禁止として、吸入空気量、燃料量、電流、変
速、制動(ブレーキ)力のうちの1つを調整したが、こ
れらの要素からなる群(さらに別の要素を加えてもよ
い)の中から2つ以上を適宜選択して組合わせ、その組
合わせに係るものを調整してもよい。
【0100】(19)シートベルト未着用者がいる場合
に単に警告を行うだけではなく、その者が誰であるかを
識別し、報知するようにしてもよい。この場合、警告音
や音声の内容を異ならせてもよい。例えば、「後部右座
席乗員、シートベルト未着用です。」など、具体的に音
声で報知してもよい。また、各座席の付近、例えば座席
前方に個別に警告装置を設けてもよい。このようにする
と次の利点がある。仮に、シートベルトを着用している
つもりでいても、完全に所定の着用状態になっていない
(例えば、タングプレートとバックルとが確実にロック
されていない)ことがある。この場合には、シートベル
ト未着用者に自覚がないので、一見しただけでは乗員の
誰がシートベルトを着用していないのかがすぐにわかり
にくい。これに対し上記のように個別に報知すれば、未
着用者が誰であるかを即座に知ることができる。
【0101】(20)自動車走行のために運転者の採る
状況の1つとして、シートベルトが着用されずにアクセ
ルペダルが踏込まれているときに、そのシートベルトが
着用される状況が考えられる。例えば、運転者が、乗員
(運転者を含む)がシートベルトを着用していないこと
に気付かずに自動車を発進させた場合、車速Vは所定値
αを越えない。運転者は、この現象が禁止手段によるも
のであることに気付かないと、車速Vを上げようとして
アクセルペダルをより多く踏込む。このようしても加速
しないことから、その原因がシートベルトの未着用にあ
ることに気付いた乗員(運転者を含む)は、シートベル
トを着用する。このとき、アクセルペダルが多く踏込ま
れていると、禁止手段による禁止処理の解除に応じ急激
な加速が起るおそれがある。
【0102】そこで、急加速のおそれがある場合には、
たとえシートベルトが着用されても、その急加速の原因
が取り除かれるまでは、禁止処理を解除しないようにし
てもよい。このとき、音声などにより、その旨(禁止処
理を解除しないこと)を報知してもよい。報知内容の一
例として、「アクセルペダルの踏込み量が多いため、こ
のまま通常走行に戻すと自動車が急加速するおそれがあ
ります。アクセルペダルを緩めて下さい。」などが挙げ
られる。また、急加速のおそれがある場合には、アクセ
ルペダルの踏込み量に適合する車速まで徐々に加速する
ようにしてもよい。このときにも上記と同様に、音声な
どにより、その旨を通知してもよい。
【0103】(21)自動車の走行状況を細分化し、そ
の細分化された状況毎に、警告手段による警告内容を異
ならせてもよい。細分化の一例としては、例えば、自動
車の停止時(V=0)、低速走行時(0<Vα)、禁止
処理実行の直前(V<αかつVα)、高速走行時(V>
α)などが挙げられる。
【0104】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、後
退走行などの低速走行時における運転のしやすさを損な
うことなく、シートベルト着用の周知徹底を図ることが
できる。
【0105】第2の発明によれば、第1の発明の効果に
加え、シートベルトを装着していない状態でも、後退走
行に必要な最低限の速度で自動車を走行させることがで
きる。
【0106】第3の発明によれば、第2の発明の効果に
加え、着用状態のシートベルトが外されたときに車速が
急激に低下する不具合を防止できる。
【0107】第4の発明によれば、第1乃至第3のいず
れか1つの発明の効果に加え、車輪が所定値を越えた回
転速度で回転しなくなった場合、その原因がシートベル
ト未着用であることを運転者に知らせることができる。
運転者が、故障などの異常が発生したと誤認識するのを
防止できる。
【0108】第5の発明によれば、第4の発明の効果に
加え、シートベルト未着用での車速に応じて警告内容が
変化するので、シートベルトを着用すべきことを運転者
などに効果的に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態における自動
車の概略構成図である。
【図2】第1実施形態での燃料噴射制御ルーチンを説明
するフローチャートである。
【図3】第1実施形態での副スロットル弁制御ルーチン
を説明するフローチャートである。
【図4】第2実施形態における自動車の概略構成図であ
る。
【図5】第2実施形態での燃料噴射制御ルーチンを説明
するフローチャートである。
【図6】第2実施形態でのシートベルト着用検出ルーチ
ンを説明するフローチャートである。
【図7】第3実施形態での燃料噴射制御ルーチンを説明
するフローチャートである。
【図8】第4実施形態における電気自動車の概略構成図
である。
【図9】第4実施形態でのモータ制御ルーチンを説明す
るフローチャートである。
【符号の説明】
1 回転速度調整手段としてのエンジン 10 自動車 16,56 アクセル操作部材としてのアクセルペダル 26,54 車輪としての駆動輪 27,55 回転速度検出手段としての車速センサ 28 シートベルト 29,29A,29B,29C,29D,59A,59
B,59C,59Dベルト着用検出手段としてのベルト
着用センサ 31,61 警告手段の一部を構成する警告灯 32,63 制御手段、禁止手段、回転制限手段及び回
転徐変手段を構成するとともに、警告手段の一部、初期
警告手段、警告内容変更手段を構成する制御装置 36,62 警告手段の一部を構成するスピーカ 50 電気自動車 51 回転速度調整手段としてのモータ α 所定値 V 車輪の回転速度によって決定される車速
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/22 310 F02D 41/22 310E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転速度を調整する回転速度調整
    手段と、 運転者により操作されるアクセル操作部材と、 前記車輪が前記アクセル操作部材の操作量に応じた回転
    速度で回転するように前記回転速度調整手段を制御する
    制御手段とを備える自動車の走行制御装置において、 シートベルトの着用状態を検出するベルト着用検出手段
    と、 前記車輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、 前記ベルト着用検出手段によるシートベルト未着用検出
    時に、前記回転速度検出手段による回転速度が所定値を
    越えると、前記制御手段による前記アクセル操作部材の
    操作量に応じた前記回転速度調整手段の制御を禁止する
    禁止手段とを備えることを特徴とする自動車の走行制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記禁止手段は、前記制御手段による前
    記回転速度調整手段の制御禁止時には、前記回転速度調
    整手段を制御して、前記車輪を強制的に前記所定値で回
    転させる回転制限手段を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の自動車の走行制御装置。
  3. 【請求項3】 前記禁止手段は、前記回転制限手段によ
    る制御に先立ち、前記回転速度調整手段を制御して前記
    車輪の回転速度を徐々に低下させる回転徐変手段を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の自動車の走行制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ベルト着用検出手段によるシートベ
    ルト未着用検出時において、少なくとも前記禁止手段に
    よる制御禁止時にシートベルト未着用を警告する警告手
    段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1つに記載の自動車の走行制御装置。
  5. 【請求項5】 前記警告手段は、前記ベルト着用検出手
    段によるシートベルト未着用検出時において、前記回転
    速度検出手段による回転速度が所定値以下であるときシ
    ートベルト未着用を警告する初期警告手段と、前記禁止
    手段による制御禁止時の警告内容を、前記初期警告手段
    による警告内容とは異なるものに変更する警告内容変更
    手段とを含むことを特徴とする請求項4に記載の自動車
    の走行制御装置。
JP10111422A 1998-04-06 1998-04-06 自動車の走行制御装置 Pending JPH11294214A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001072562A1 (en) * 2000-03-24 2001-10-04 Volvo Lastvagnar Ab An apparatus and a method for inducing seat belt usage by a driver of a vehicle
EP1575274A1 (en) * 2004-03-10 2005-09-14 Samsung Electronics Co., Ltd. A camera apparatus
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US7093515B2 (en) 2002-10-09 2006-08-22 Nissan Motor Co., Ltd. Accelerator pedal device for a vehicle
JP2007514584A (ja) * 2003-10-31 2007-06-07 ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド 乗員拘束システム
JP2021513827A (ja) * 2019-01-07 2021-05-27 ナイン インテリジェント (チャンジョウ) テック カンパニー リミテッドNine Intelligent(Changzhou)Tech Co.,Ltd. モータ制御信号の処理方法、装置、電動車両、記憶媒体

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