JPH11294155A - 車両用エンジンの排気装置 - Google Patents

車両用エンジンの排気装置

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JPH11294155A
JPH11294155A JP9472798A JP9472798A JPH11294155A JP H11294155 A JPH11294155 A JP H11294155A JP 9472798 A JP9472798 A JP 9472798A JP 9472798 A JP9472798 A JP 9472798A JP H11294155 A JPH11294155 A JP H11294155A
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徹 服部
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Sankei Giken Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば自動車等の車両用エンジンの排気装
置、特に多気筒エンジンの排気装置に係り、構造簡単か
つ製作が容易で、しかも排気洩れ等の生じるおそれの少
ない排気装置を提供する。 【解決手段】 エンジンの排気マニホルドMの下流側に
接続される排気管10を、少なくとも内外二重に形成
し、その内管11をそれよりも外側の管12内に偏心さ
せて溶接等で一体的に固着したことを特徴とする。この
場合、内管11内の横断面積は、その内管11とそれよ
りも外側の管12との間の空間の横断面積と略同等もし
くはやや小さく形成するとよい。また内管11の排気マ
ニホルドM側の端部は略半円形に形成するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車両用エンジ
ンの排気装置、特に多気筒エンジンの排気装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記のような排気装置は、一般にエンジ
ンの排気マニホルドに、いわゆるフロントパイプと称す
る排気管を接続し、その排気管の下流側に、排気ガスを
浄化するための触媒コンバータや消音用のマフラ等を接
続した構成である。この場合、多気筒エンジンにあって
は排気マニホルドから直接1本の排気管に合流させる
と、エンジンにバックプレッシャが掛かって出力が低下
するため、排気管を気筒数に対応して複数本設けたり、
あるいは各気筒からの排気のうち互いに干渉するおそれ
の少ない排気をマニホルド内で合流させて複数本の排気
管に導いたのち1本の排気管に合流させる等の方法が採
られている。
【0003】例えば4気筒のエンジンにおいては、その
4つの気筒からの排気のうち、互いに干渉するおそれの
少ない2気筒ずつをマニホルド内で合流させて2本の排
気管に導き、その2本の排気管を1本の排気管に合流さ
せて触媒コンバータやマフラに導くようにしている。
【0004】ところが、上記のように排気管を複数本並
べて配置するものは、大きな設置スペースを必要とし、
自動車等の車両用エンジンの排気装置にあっては、車体
底部の限られた空間内に設置するのが困難である場合が
少なくない。しかも、表面積が大きいため、下流に設置
する触媒コンバータに至るまでに排気温度が低下して排
気浄化性能が低下する等の不具合がある。
【0005】そこで、例えば排気マニホルドから触媒コ
ンバータに至る排気管内を仕切板で仕切ったり、あるい
は排気管自体を断面S字状に形成することによって、1
つの排気管内に複数個の排気通路を形成することが提案
されている(例えば実開昭63−196425号、特開
平9−264128号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ように排気管内を仕切板で仕切るものは、例えば図4お
よび図5に示すように仕切板51の幅方向両端部51a
・51bを互いに反対方向に折り曲げて排気管の内面に
溶接等で固着するのが一般的であり、図4・図5の場合
は排気管50を内外二重に形成し、その内管52の内面
に仕切板51の両端折曲部51a・51bを溶接してい
る。この場合、上記仕切板51は図5に示すように左右
非対称であるため安定性が悪く、溶接時はその不安定な
状態で排気管内に治具等を挿入して溶接しなけらばなら
ないので作業性が悪い等の不具合がある。
【0007】しかも上記のような車両用の排気管は、車
体への配置形状等に合わせて適宜屈曲形成するもので、
その曲げ加工は上記仕切板等を予め排気管内に装填した
状態で行うのが一般的である。その場合、上記仕切板の
厚さ方向への曲げ加工は比較的容易であるが、板面方向
への曲げ加工は難しく、往々にして仕切板の曲げ方向内
側には、しわが発生したり、曲げ方向外側には板材が延
びきれずに亀裂が生じたり、溶接箇所が剥離する等のお
それがある。そのため、歩留まりが悪く、また曲げ角度
にも制約が多い等の問題がある。
【0008】さらに前記のように板材を断面S字状に屈
曲させて複数個の排気通路を形成するものは、その成形
作業が面倒であると共に、そのS字状板材の両端部を溶
接等で固着する必要があり、製作に多大な時間と労力を
要する。また上記いずれの場合にも溶接箇所に往々にし
て隙間が生じて排気洩れが生じたり、消音性能が低下す
る等の問題があった。
【0009】本発明は上記従来の問題点に鑑みて提案さ
れたもので、構造簡単かつ製作が容易で、しかも排気洩
れ等の生じるおそれの少ない排気装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による車両用エンジンの排気装置は、以下の
構成としたものである。
【0011】即ち、エンジンの排気マニホルドの下流側
に接続される排気管を、少なくとも内外二重に形成し、
その内管をそれよりも外側の管内に偏心させて溶接等で
一体的に固着したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用エンジ
ンの排気装置を、図に示す実施形態に基づいて具体的に
説明する。
【0013】図1は本発明による排気装置の一実施形態
を示す縦断面図、図2はその一部の拡大図、図3(a)
および(b)はそれぞれ図2におけるA−AおよびB−
B線断面図である。
【0014】図示例の排気装置は、排気管10を内管1
1と中管12とで内外二重に形成すると共に、その中管
12の外周にそれと略同心状に保温用の外管13を設け
たものである。その外管13と中管12との間には略全
長にわたって断熱用の空間Gが形成され、それによって
図に省略した触媒コンバータに至るまでに排気温度が低
下するのを極力防止するようにしている。その空間G内
には断熱材等を充填することもある。
【0015】上記内管11は、図2および図3(b)に
示すように、その長手方向略全長にわたって中管12の
一側方に偏心させて密着させた状態で溶接等により一体
的に固着されている。なお上記管11〜13の曲げ加工
を行う際には、例えば曲げ加工前の直線状態で内管11
の長手方向略全長にわたって中管12の一側方に偏心さ
せ、内管11を簡易治具等で中管12の内面に押し付け
密着させた状態でレーザー溶接やシーム溶接等により一
体的に固着し、その後、中管12の外周に外管13を嵌
合固着して曲げ加工を施す。
【0016】上記内管11内の横断面積Pと、内管11
と中管12との間の横断面積Qとは略等しく形成する
か、あるいは横断面積Pの方がQよりもやや小さめにな
るようにするとよい。その横断面積PをQよりもやや小
さめに形成するのは、両横断面積P、Qがたとえ同じで
あっても、横断面積P側の流路、すなわち図3(b)にお
ける内管11内の略円形の流路の方が、横断面積Q側の
流路、すなわち内管11と中管12との間の略三日月形
の流路よりも抵抗が小さくて流れがよく、単位面積当た
りの流量が増すためであり、その流量があまり問題にな
らない場合は上記の横断面積P・Qは同等でよいが、問
題になる場合には横断面積PはQよりもやや小さめにな
るようにするとよい。
【0017】また内管11の排気マニホルドM側の端部
11aは、図3(a)に示すように略半円形に形成さ
れ、その半円弧状の周面は、円形に形成した中管12の
排気マニホルドM側の端部12aの内面に密着固定され
ている。その半円弧状の内管11内を除く中管12の端
部内空には、上記内管11の半円形端部11aと略等し
い面積の半円形の排気通路Sが形成されている。
【0018】その半円形の排気通路Sと上記内管11の
半円形端部11aとを排気マニホルドMを介して図に省
略したエンジンに連通接続する。図の実施形態は4気筒
エンジンに適用したもので、その4つの気筒からの排気
のうち互いに干渉等のおそれの少ない2つの気筒からの
排気を上記半円形の内管11内に導き、残り2つの気筒
からの排気を上記中管12内の半円形排気通路S内に導
入する構成である。
【0019】図中、M1および14は上記マニホルドM
と排気管10との接続用フランジ、15は排気管10の
下流側端部に設けた触媒コンバータ(不図示)との接続
用フランジで、その触媒コンバータの下流側には更にマ
フラ等が接続されるが図には省略した。また内管11の
排気マニホルドMと反対側の端部11bは、本実施形態
においては図1に示すように中管12の下流側端部より
も上流側で開口させているが、中管12の下流側端部ま
で延長してもよい。
【0020】なお上記実施形態においては、図に省略し
たエンジンから触媒コンバータに至るまでに排気温度が
低下するのを極力防止するために排気管10の外周に保
温用の外管13を設けたものであるが、その外管13は
必ずしも設けなくてもよい。
【0021】
【実施例】本発明による具体的な実施例として上記実施
形態に対応する排気装置を実際に作成すると共に、その
比較例として前記従来の排気管内を仕切板で仕切った排
気装置を作成して排気流量等の比較を行った。
【0022】〔実施例1〕内管11として外径42.7
mm、板厚0.6mmのステンレス管を、また中管12
として外径60.5mm、板厚0.6mmのステンレス
管をそれぞれ用い、外管13を省略した以外は前記図1
〜図3と同様の構成の排気管10を作成した。
【0023】〔比較例1〕上記実施例1に対する比較例
として図4に示すように上記中管12と同様に外径6
0.5mm、板厚0.6mmのステンレス管よりなる中
管52内に、板厚1.2mmのステンレス板よりなる仕
切板51を挿入し、その幅方向両端部を略L字状に屈曲
させて溶接W1・W2により固着して排気管50を作成
した。
【0024】上記実施例1で作成した排気管10と比較
例1の排気管50に、それぞれ200mmHO、40
0mmHO、600mmHO、800mmHOの
背圧で排気を導入し、各排気管10・50の下流側端部
10b・50bでの流量を測定した。その結果を下記表
1に示す。
【0025】表1 (単位;リットル/sec)
【0026】上記の表からも明らかなように本発明によ
る実施例1の排気管10は、いずれの背圧においても従
来の比較例1の排気管50よりも高い流量が得られ、エ
ンジンへのバックプレッシャーが少ないことが分かっ
た。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明による車両用
エンジンの排気装置は、エンジンの排気マニホルドMの
下流側に接続される排気管10を、少なくとも内外二重
に形成し、その内管11をそれよりも外側の管12内に
偏心させて溶接等で一体的に固着したから、前記従来の
ように排気管内を仕切板で仕切ったり、板材を断面S字
状に屈曲形成して排気管を構成するものに比べ、溶接加
工・曲げ加工等製作が容易であり、しかも溶接箇所に隙
間が生じて排気洩れが生じたり、消音性能が低下する等
の従来技術の問題点を良好に解消できる等の効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用エンジンの排気装置の一実
施形態を示す縦断面図。
【図2】上記排気装置の一部の拡大図。
【図3】(a)および(b)は図2におけるA−Aおよ
びB−B線断面図。
【図4】従来の排気装置の一例を示す縦断面図。
【図5】図4におけるC−C線拡大断面図。
【符号の説明】
10 排気管 11 内管 12 中管 13 外管 M マニホルド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気マニホルドの下流側に接
    続される排気管を、少なくとも内外二重に形成し、その
    内管をそれよりも外側の管内に偏心させて溶接等で一体
    的に固着したことを特徴とする車両用エンジンの排気装
    置。
  2. 【請求項2】 前記内管内の横断面積を、その内管とそ
    れよりも外側の管との間の空間の横断面積と略同等もし
    くはやや小さく形成してなる請求項1記載の車両用エン
    ジンの排気装置。
  3. 【請求項3】 前記内管の排気マニホルド側の端部を略
    半円形に形成してなる請求項2記載の車両用エンジンの
    排気装置。
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