JP2004124785A - 排気管及び排気システム - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンルームが狭い場合であっても、エンジンの近くに触媒を配置することを可能として排気浄化の効率を向上させる。
【解決手段】エンジン(10)後方から傾斜して下り、車室(3)の前方側下端部を曲がって床下に至る排気路を形成する排気システムにおいて、排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネント(12)と、車室の床下に第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネント(13)と、第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管(17)と、を含み、この湾曲管の一端側を第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に形成し、その他端側を湾曲部を経て第2の排気コンポーネントに接続する。それにより、湾曲した短い連結管管の形成を容易とする。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン(10)後方から傾斜して下り、車室(3)の前方側下端部を曲がって床下に至る排気路を形成する排気システムにおいて、排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネント(12)と、車室の床下に第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネント(13)と、第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管(17)と、を含み、この湾曲管の一端側を第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に形成し、その他端側を湾曲部を経て第2の排気コンポーネントに接続する。それにより、湾曲した短い連結管管の形成を容易とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の排気レイアウトに関し、特に、近接して配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管とこれを使用した排気システムに関する。
【従来の技術】
車両の排出ガスを浄化するための一般的な手段として触媒コンバータが使用されている。触媒コンバータは所定の温度以上になると触媒の浄化性能が向上する。このため、エンジンの排気(エキゾースト)マニホルドの近くに触媒コンバータを配置することが望ましい。
しかし、車両の前後長(全長)を抑制しつつ相対的に車室寸法を大きく確保しようとするとエンジンルームの容積が狭くなり、エンジン近傍に所要の容積の触媒コンバータを配置することは難しくなる。また、エンジン始動直後の暖気運転状態では触媒コンバータが所定の温度になるまでの間、触媒の所望の浄化能力を発揮しない。そこで、触媒コンバータを2つに分けて第1の触媒コンバータの容積を小さくし、熱容量を小とすると共に、エンジンの近くに配置することをより容易とする。それにより、触媒コンバータの温度が短時間で所定温度になるようにして触媒の暖気特性を改善する。更に、暖気運転時に第1の触媒が十分に浄化能力を発揮するまでの間、排出ガスの浄化を確保するために第2の触媒コンバータを設けて排気ガスを所要のクリーンさに保つ。その際に、第2の触媒コンバータに流入する排気ガスの温度低下を極力防止するために第1の触媒コンバータと第2の触媒コンバータとを連結する排気管を二重構造とすることが考えられる。例えば、特開平7−34865号公報には排気マニホルド及び触媒コンバータ間を二重構造の湾曲排気管とした例が開示されている。また、特開平10−141053号公報には触媒コンバータのケースをパイプ材のプレス加工によって構成した例が開示されている。
【特許文献1】
特開平7−34865号公報、図6
【特許文献2】
特開2000−265829号公報、図1
【特許文献3】
特開平10−141053号公報、図1
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、触媒コンバータ相互間の距離が短い場合、相互間を連結接続する排気管の長さも短くなるが、短いパイプの曲げ加工は困難である。また、曲げたとしても曲げ半径が小さくなり、圧損が生じやすい。そこで、長いパイプで曲げた後に曲げた部分の前後を切り取り、湾曲した短いパイプを触媒コンバータに溶接することになる。このやり方では、材料のロスや加工工程の増加が生じる。また、触媒コンバータ相互間を連結する二重構造の排気管の曲げ加工は、例えば、内管と外管とのクリアランスを確保するため、砂などのショットを内管と外管との間に入れた後に曲げ加工が行われている。この場合には、内管に消音などのためのパンチング(穴あけ)加工を施すことができない。パンチ孔から内管内に砂が漏れてしまい、内管と外管とを一定に保てなくなるからである。
また、湾曲した二重管を消音室として使用する場合、内管と外管のクリアランスを大きく取る必要があるので、曲げの半径Rを大きくとる必要がある。通常、曲げの対象となる管の直径の2倍程度の曲げの半径Rが必要である。このため、長さの短い二重管では、湾曲した二重管を形成することは困難である。
また、触媒コンバータの傾斜した一方側の端面である後ろ側コーン部は、触媒担体を通過した高温の排気ガスが直接あたり、高温になるので当該部分を他から隔離することが望まれる。
このようなことは、互いに近接した、触媒コンバータとサブマフラ間、あるいはサブマフラ相互間等の排気コンポーネント相互間を連結する湾曲(あるいは屈曲)管の場合にも言える。
なお、上述した特開平7−34865号公報には、排気マニホルドと触媒コンバータ間を接続する二重排気管の例が開示されている。特開2000−265829号公報には、多気筒エンジンの排気管を集合して触媒コンバータに連結する例が開示されている。特開平10−141053号公報には、排気マニホルドに触媒コンバータを連結する例が開示されている。しかし、いずれの公報にも、互いに近接し、しかも配置方向の異なる2つの触媒コンバータ同士を連結する湾曲した排気管の構造については開示がない。
本発明は、近接して配置される排気コンポーネント同士を湾曲した排気管で連結する車両の排気システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、近接して配置される排気コンポーネント同士を湾曲した二重構造の排気管で連結する車両の排気システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、近接して配置される排気コンポーネント同士を湾曲した一重又は二重構造の短い排気管で連結する排気管を提供することを目的とする。
【課題を解決する手段】
上記目的を達成するため本発明の排気システムは、エンジンの排気部から斜めに下って車室の床下に至る排気路を形成する排気システムにおいて、上記排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネントと、上記排気路の上記車室の床下に上記第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネントと、上記第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管と、を含み、上記湾曲管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に形成され、その他端側は湾曲部を経て前記第2の排気コンポーネントに接続される。かかる構成とすることによって、例えば、エンジンを横置きとし、エンジンの車両後方側に排気マニホルドを設けた場合のように、エンジンと車室相互の空間が狭い車両においても、エンジンルーム内のエンジンの近くに第1の排気コンポーネント(例えば、触媒コンバータ)を配置し、第2の排気コンポーネント(例えば、触媒コンバータ)を第1の排気コンポーネントの近くのエンジンルーム外である車室下部(床下)に配置することが可能となる。それにより、狭い場所に排気コンポーネントを近接して収容しつつその性能を確保することが可能となる。
また、本発明の排気システムは、エンジンの排気部から斜めに下って車室の床下に至る排気路を形成する排気システムにおいて、上記排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネントと、上記排気路の上記車室の床下に上記第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネントと、上記第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管と、を含み、上記湾曲管は内管及び外管からなる二重管構造を有し、上記内管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に成形され、その他端側は湾曲部を経て上記第2の排気コンポーネント内に至り、上記外管の一端側は上記第2の排気コンポーネントの外殻と一体的に成形され、その他端側は湾曲部を経て上記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される。
上記作用に加え、また、二重管構造によって第1の排気コンポーネントから高温の排気ガスを第2の排気コンポーネントに提供する。それにより、狭い空間に排気コンポーネントを収容しつつその性能を確保することが可能となる。
好ましくは、上記内管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻にテーパ面を介して連なり、上記外管の他端側は上記テーパ面を覆って上記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される。
それにより、内管と外管との間に大きな容積を確保して消音性能を向上させることが可能となる。また、第1の排気コンポーネントの外殻の高温のテーパ面を露出させないようにすることが可能となる。
好ましくは、上記内管の壁面に複数の穴を形成している。それにより、内管と外管の二重構造排気管部分において消音をはかることが可能となる。
好ましくは、上記内管の他端側は、上記第2の排気コンポーネントの入り口側の略中央を向いている。それにより、第1の排気コンポーネントからの排気ガスを第2の排気コンポーネントに偏りなく均一に導入することが可能となり、第2の排気コンポーネントの一部が極端に高温になることを回避可能となる。
好ましくは、上記排気コンポーネントは、触媒コンバータ、サブマフラ、メインマフラのいずれかを含む。
本発明の排気管は、ケースの軸方向を異にして配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管において、一方のコンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して、他方のコンポーネントに接続される。それにより、連結部分の長さが比較的に短い場合であっても連結部分及びコンポーネントの排気管全体としては曲げ加工に必要な長さを確保することが可能となる。
また、本発明の排気管は、ケースの軸方向を異にして配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管において、内管と外管とを含む二重管構造を有し、上記内管は、一方の排気コンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して、他方の排気コンポーネントに接続され、上記外管は、上記他方の排気コンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して上記一方の排気コンポーネントに接続される。それにより、排気コンポーネント相互間を連結する二重管(内管及び外管)の長さが比較的に短い場合であっても連結部分(内管又は外管)及びコンポーネントの排気管全体としては曲げ加工に必要な長さを確保することが可能となる。
好ましくは、上記内管の壁面に複数の穴を形成している。それにより、消音効果を高める。
好ましくは、上記内管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻にテーパ面を介して連なり、上記外管の他端側は上記テーパ面を覆って上記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される。それにより、上記成形条件の緩和に加えて、内管と外管間に比較的に大きい空間を形成して消音効果の向上や、外管温度の低下などを図ることが可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図6は、車両の排気系の例を説明する説明図である。この車両1は、車両進行方向に対して図示しないエンジンのクランク軸を略直角な方向に配置する、いわゆるエンジン横置きとし、このエンジンの車両後方側に排気系を配置する後方排気レイアウトを採用している。エンジン横置後方排気のレイアウト系は排気系の全長が短くなり、排気系の重量を軽減し易い。また、狭いエンジンルームに搭載可能であり、車両長に対する車室の割合を相対的に大きく確保することができるなどの利点を有する。
排気系は、エンジンの排気部と車両のテールとの間に配置された排気コンポーネント11〜15とこれ等を連結する排気管16とによって構成される。排気系は、例えば、ステンレス製の部材を用いており、耐熱性、耐食性、軽量性などを向上させている。
排気コンポーネントには、排気マニホルド11、第1及び第2の三元触媒コンバータ12及び13、サブマフラ14、メインマフラ15等が含まれる。排気マニホルド11はシリンダヘッドに結合されてエンジンの排気部である複数のシリンダの排気口から排出される排気を枝管で集めて三元触媒コンバータ12に導出する。三元触媒は白金、ロジウム、パラジウムなどを含み、排気ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)を減少する。三元触媒は、吸蔵還元型の触媒など各種タイプのものを含む。
前述したように、触媒コンバータを2つに分けて第1の触媒コンバータ12の容積を少なくし、熱容量を小とすると共に、エンジンの近くに配置することをより容易とする。それにより、狭い空間への触媒コンバータの配置を可能とし、該触媒コンバータの温度が短時間で高温になるようにして始動時の触媒の暖気特性を改善する。更に、暖気運転時に第1の触媒コンバータ12が十分に浄化性能を発揮するまでの間、排出ガスの浄化を確保するために第1の触媒コンバータ12に近接して第2の触媒コンバータ13を設けて排気ガスを所要のクリーンさに保つ。本実施例では、第2の触媒コンバータ13への排気ガスの温度低下を極力防止するために両触媒コンバータを短い湾曲した二重管構造の排気管17で連結している。
サブマフラ14及びメインマフラ15は、浄化された排気を膨張させて排気音を低下させ、また、排気ガスの大気中への排出温度を低下させる。マフラを分割して構成することによって所要の容積のマフラを車両の床下(車室下部)の狭い空間に配置することをより容易とする。
図1は、図6に示した排気マニホルド11、第1及び第2の触媒コンバータ12及び13部分を拡大して車両側方から見た例を示す説明図である。
同図に示すように、エンジンルーム2内に搭載された横置エンジン10と車室3の前方を画定するダッシュパネル4との間に残された空間は狭く、サスペンションメンバ31、ステアリングギアボックス32、タイヤ33、図示しない補機類等も存在する。この狭い空間2内に排気マニホルド、触媒コンバータを配置するため、エンジン10を車両の後方よりに傾けて搭載して排気口(エンジンの排気部)を下向きに傾斜する。この排気口に連結する排気マニホルド11は側方から見て排気の出口方向に傾斜して下り、車室の床下に向かうようになされている。このようにすることで、占有する空間が増大する排気マニホルド11の枝管の曲げを少なくしてすむようにする。また、触媒コンバータを2つに分割し、第1の触媒コンバータ12をエンジンの背後に配置して排気マニホルド11に連結すると共に「く」の字状の湾曲排気管17を介して第2の触媒コンバータ13を車室3の床下に配置する。湾曲排気管17を介することにより、触媒コンバータ12及び13相互間は各々の筒状ケースの中心軸方向を異にした配置となる。触媒コンバータ12及び13を近接して配置し、更に、排気マニホルド11、湾曲排気管17を二重管構造として排気温度の低下を抑制して三元触媒の活性を保つ。例えば、第2の触媒コンバータ13内は350℃以上の温度に保たれる。
図2は、排気コンポーネントとしての第1及び第2の触媒コンバータ間の連結例を示している。この例では、第1及び第2の触媒コンバータ12及び13間を連結する湾曲排気管17を第1の触媒コンバータ12の外殻と一体的に成形し、湾曲排気管17の下流側端部を第2の触媒コンバータ13の入り口に溶接している。触媒コンバータ12の外殻と湾曲排気管17を一体的に成形加工することによって連結排気管部分の長さが比較的に短い場合であっても、触媒コンバータ12の外殻及び連結管17の管全体としては曲げ加工に必要な長さを確保可能となる。
管の曲げ加工には、例えば、後述のスピニング加工を使用すると管材料にテーパ面や湾曲した湾曲排気管17を連続的に成形することができて具合がよい。
図3は、第1及び第2の触媒コンバータ間の第2の連結例を示している。この例でも、第1の触媒コンバータ12の外殻と湾曲した排気管(内管)17aを一体的に形成しているが、更に、連結管17aにはその開口端に向かって管径を徐々に減少する絞り加工を施している。また、第2の触媒コンバータ13の上流側端部にも湾曲した排気管(外管)17bを一体的に形成する。触媒コンバータ12の湾曲排気管17aを触媒コンバータ13の湾曲排気管17b内に挿入して触媒コンバータ13の上流側端部を触媒コンバータ12と溶接する。このようにして、湾曲した排気管17を内管17aと外管17bとの二重管構造とすることによって触媒コンバータ13に流入する排気ガスの温度低下を抑制することが可能となる。
図4は、第1及び第2の触媒コンバータ間の第3の連結例を示している。この例では、図3に示す構成において、更に、湾曲部の内管17a側に複数のパンチング(打抜き孔)を形成し、二重管構成の湾曲排気管17の部分を消音マフラとしても機能させている。パンチング孔は、予め管材料にパンチング孔を形成したものを塑性加工することにより、あるいは一体性成形後にパンチング加工することによって、触媒コンバータ12の湾曲排気管17aに複数の孔を形成することができる。
図5は、第1及び第2の触媒コンバータ間の第4の連結例を示している。この例では、第1の触媒コンバータ12の下流側端部に湾曲した排気管17aに絞りを入れて一体的に形成する。図4に示した場合と同様に、予め管材料にパンチング孔を形成することにより、あるいは一体性成形後にパンチング加工することによって、触媒コンバータ12の湾曲排気管17aに複数の孔を形成することができる。第2の触媒コンバータ13の上流側端部に湾曲した排気管17bを一体的に形成する。この際、排気管17bを太径に成形する。例えば、触媒コンバータ12の略最外形と同じ径とし、それにより、触媒コンバータ13の上流側端部が触媒コンバータ12のコーン(傾斜)部をも覆うようにする。この場合には、湾曲した排気管17における内管17aと外管17bとの間により大きい空間を形成することができ、より消音性能を向上することが可能となる。また、外管17aが熱遮蔽の役割を果たし、外部マフラ温度を下げることが可能となる。内管17aには、図4に示したようにパンチング孔を設けても良い。
なお、図2乃至図5に示した各実施例において、第1の触媒コンバータ12の湾曲排気管17、17aの出口は、第2の触媒コンバータ13の入り口中央部に位置するようにするのがよい。それにより、排気ガスを触媒コンバータの触媒13aに均等に当てて触媒13aを効率よく機能させる。
図7は、偏心傾斜スピニング加工を概略的に説明する説明図である。
同図に示すように、スピニング加工機50は、例えば、5軸の制御を行うことができる。すなわち、マフラ材料(パイプ)61はワーククランプによって保持され、パイプ回転軸、パイプ反転軸、パイプ移動軸、によって駆動される。また、マフラ材料61に当接して塑性加工するツール(ローラ)51はツール回転軸、ツールスライド軸周りに駆動される。
図8は、スピニング加工工程を概略的に説明する工程図である。まず、同図(a)に示すように、マフラ材料61をクランプ52に取り付ける。次に、同図(b)に示すように、目的の形状に対応して5軸を適宜に制御し、自転するマフラ材料61に公転するツール51を押圧して塑性加工し、触媒コンバータ12、13の外殻と湾曲管17とを一体的に成形する。成形後、同図(c)に示すように、余分の材料をカットする。
同様に、マフラ材料61を反転してクランプ52に取り付け、マフラ材料61の反対側のパイプの塑性加工を行う。余分の材料をカットする。目的の成形品を得る。
なお、図8では図示を簡略化したため、湾曲排気管17の部分が示されていないが、この加工法によって上述した排気コンポーネントである触媒コンバータ12、13の外殻と湾曲排気管17とを一体的に形成することができる。
このように、上述した実施例の排気管及び排気システムによれば、連結部分の排気管の長さが短いためにこれに曲げ加工を施すことが困難である場合に、排気コンポーネントの外殻と当該排気管とを一体的に形成することによって実質的に連結部分の排気管の長さを長くし、これに曲げ加工を加えることによって、湾曲した排気管をより容易に得ることが可能となる。
また、従来のような長いパイプの曲げ加工、所要部分の切り出し、切出した湾曲パイプの溶接などの一連の工程が不要となり、材料のロスの発生、加工工程増加を回避可能となる。
また、実施例によれば、短い長さの湾曲排気管を形成できるので、2つの排気コンポーネントを近接して「く」の字状に配置することができる。それにより、第1の触媒コンバータを直接排気マニホルドに連結し、第2の触媒コンバータを床下に配置することが可能となる。それにより、各触媒コンバータの効率の良い触媒作用を期待できる。特に、エンジンルームの狭い小型車両にエンジン横置き後方排気レイアウトを採用した場合に好適である。尤も、本発明はこのようなエンジンレイアウトに限定されるものではなく、2つの排気コンポーネントを湾曲部を介して配置するような構成に用いることが可能である。
また、更に、湾曲した排気管を二重管構造とすることによって、下流側触媒に流入する排気ガス温度低下の抑制、消音効果、マフラ外部温度の低下などの利点が加わる。
また、曲げ加工に砂を使用しないので、二重管の内管にパンチ孔を有する構成となるものについても曲げ加工を施すことができる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排気コンポーネントの外殻と湾曲排気管とを一体的に形成するので排気コンポーネント相互の連結部分が短い場合にも、排気管を湾曲させることが可能となって好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例を説明する説明図である。
【図2】図2は、2つの排気コンポーネントを連結する第1の例を説明する説明図である。
【図3】図3は、2つの排気コンポーネントを連結する第2の例を説明する説明図である。
【図4】図4は、2つの排気コンポーネントを連結する第3の例を説明する説明図である。
【図5】図5は、2つの排気コンポーネントを連結する第4の例を説明する説明図である。
【図6】図6は、車両の排気系を説明する説明図である。
【図7】図7は、偏心スピニング加工を説明する説明図である。
【図8】図8は、偏心スピニング加工機による加工工程を説明する説明図を
【符号の説明】
10 エンジン
11 排気マニホルド
12 第1の触媒コンバータ
12a 触媒
13 第2の触媒コンバータ
13a 触媒
17 湾曲した排気管
17a 排気管の内管
17b 排気管の外管
本発明は車両の排気レイアウトに関し、特に、近接して配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管とこれを使用した排気システムに関する。
【従来の技術】
車両の排出ガスを浄化するための一般的な手段として触媒コンバータが使用されている。触媒コンバータは所定の温度以上になると触媒の浄化性能が向上する。このため、エンジンの排気(エキゾースト)マニホルドの近くに触媒コンバータを配置することが望ましい。
しかし、車両の前後長(全長)を抑制しつつ相対的に車室寸法を大きく確保しようとするとエンジンルームの容積が狭くなり、エンジン近傍に所要の容積の触媒コンバータを配置することは難しくなる。また、エンジン始動直後の暖気運転状態では触媒コンバータが所定の温度になるまでの間、触媒の所望の浄化能力を発揮しない。そこで、触媒コンバータを2つに分けて第1の触媒コンバータの容積を小さくし、熱容量を小とすると共に、エンジンの近くに配置することをより容易とする。それにより、触媒コンバータの温度が短時間で所定温度になるようにして触媒の暖気特性を改善する。更に、暖気運転時に第1の触媒が十分に浄化能力を発揮するまでの間、排出ガスの浄化を確保するために第2の触媒コンバータを設けて排気ガスを所要のクリーンさに保つ。その際に、第2の触媒コンバータに流入する排気ガスの温度低下を極力防止するために第1の触媒コンバータと第2の触媒コンバータとを連結する排気管を二重構造とすることが考えられる。例えば、特開平7−34865号公報には排気マニホルド及び触媒コンバータ間を二重構造の湾曲排気管とした例が開示されている。また、特開平10−141053号公報には触媒コンバータのケースをパイプ材のプレス加工によって構成した例が開示されている。
【特許文献1】
特開平7−34865号公報、図6
【特許文献2】
特開2000−265829号公報、図1
【特許文献3】
特開平10−141053号公報、図1
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、触媒コンバータ相互間の距離が短い場合、相互間を連結接続する排気管の長さも短くなるが、短いパイプの曲げ加工は困難である。また、曲げたとしても曲げ半径が小さくなり、圧損が生じやすい。そこで、長いパイプで曲げた後に曲げた部分の前後を切り取り、湾曲した短いパイプを触媒コンバータに溶接することになる。このやり方では、材料のロスや加工工程の増加が生じる。また、触媒コンバータ相互間を連結する二重構造の排気管の曲げ加工は、例えば、内管と外管とのクリアランスを確保するため、砂などのショットを内管と外管との間に入れた後に曲げ加工が行われている。この場合には、内管に消音などのためのパンチング(穴あけ)加工を施すことができない。パンチ孔から内管内に砂が漏れてしまい、内管と外管とを一定に保てなくなるからである。
また、湾曲した二重管を消音室として使用する場合、内管と外管のクリアランスを大きく取る必要があるので、曲げの半径Rを大きくとる必要がある。通常、曲げの対象となる管の直径の2倍程度の曲げの半径Rが必要である。このため、長さの短い二重管では、湾曲した二重管を形成することは困難である。
また、触媒コンバータの傾斜した一方側の端面である後ろ側コーン部は、触媒担体を通過した高温の排気ガスが直接あたり、高温になるので当該部分を他から隔離することが望まれる。
このようなことは、互いに近接した、触媒コンバータとサブマフラ間、あるいはサブマフラ相互間等の排気コンポーネント相互間を連結する湾曲(あるいは屈曲)管の場合にも言える。
なお、上述した特開平7−34865号公報には、排気マニホルドと触媒コンバータ間を接続する二重排気管の例が開示されている。特開2000−265829号公報には、多気筒エンジンの排気管を集合して触媒コンバータに連結する例が開示されている。特開平10−141053号公報には、排気マニホルドに触媒コンバータを連結する例が開示されている。しかし、いずれの公報にも、互いに近接し、しかも配置方向の異なる2つの触媒コンバータ同士を連結する湾曲した排気管の構造については開示がない。
本発明は、近接して配置される排気コンポーネント同士を湾曲した排気管で連結する車両の排気システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、近接して配置される排気コンポーネント同士を湾曲した二重構造の排気管で連結する車両の排気システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、近接して配置される排気コンポーネント同士を湾曲した一重又は二重構造の短い排気管で連結する排気管を提供することを目的とする。
【課題を解決する手段】
上記目的を達成するため本発明の排気システムは、エンジンの排気部から斜めに下って車室の床下に至る排気路を形成する排気システムにおいて、上記排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネントと、上記排気路の上記車室の床下に上記第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネントと、上記第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管と、を含み、上記湾曲管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に形成され、その他端側は湾曲部を経て前記第2の排気コンポーネントに接続される。かかる構成とすることによって、例えば、エンジンを横置きとし、エンジンの車両後方側に排気マニホルドを設けた場合のように、エンジンと車室相互の空間が狭い車両においても、エンジンルーム内のエンジンの近くに第1の排気コンポーネント(例えば、触媒コンバータ)を配置し、第2の排気コンポーネント(例えば、触媒コンバータ)を第1の排気コンポーネントの近くのエンジンルーム外である車室下部(床下)に配置することが可能となる。それにより、狭い場所に排気コンポーネントを近接して収容しつつその性能を確保することが可能となる。
また、本発明の排気システムは、エンジンの排気部から斜めに下って車室の床下に至る排気路を形成する排気システムにおいて、上記排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネントと、上記排気路の上記車室の床下に上記第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネントと、上記第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管と、を含み、上記湾曲管は内管及び外管からなる二重管構造を有し、上記内管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に成形され、その他端側は湾曲部を経て上記第2の排気コンポーネント内に至り、上記外管の一端側は上記第2の排気コンポーネントの外殻と一体的に成形され、その他端側は湾曲部を経て上記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される。
上記作用に加え、また、二重管構造によって第1の排気コンポーネントから高温の排気ガスを第2の排気コンポーネントに提供する。それにより、狭い空間に排気コンポーネントを収容しつつその性能を確保することが可能となる。
好ましくは、上記内管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻にテーパ面を介して連なり、上記外管の他端側は上記テーパ面を覆って上記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される。
それにより、内管と外管との間に大きな容積を確保して消音性能を向上させることが可能となる。また、第1の排気コンポーネントの外殻の高温のテーパ面を露出させないようにすることが可能となる。
好ましくは、上記内管の壁面に複数の穴を形成している。それにより、内管と外管の二重構造排気管部分において消音をはかることが可能となる。
好ましくは、上記内管の他端側は、上記第2の排気コンポーネントの入り口側の略中央を向いている。それにより、第1の排気コンポーネントからの排気ガスを第2の排気コンポーネントに偏りなく均一に導入することが可能となり、第2の排気コンポーネントの一部が極端に高温になることを回避可能となる。
好ましくは、上記排気コンポーネントは、触媒コンバータ、サブマフラ、メインマフラのいずれかを含む。
本発明の排気管は、ケースの軸方向を異にして配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管において、一方のコンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して、他方のコンポーネントに接続される。それにより、連結部分の長さが比較的に短い場合であっても連結部分及びコンポーネントの排気管全体としては曲げ加工に必要な長さを確保することが可能となる。
また、本発明の排気管は、ケースの軸方向を異にして配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管において、内管と外管とを含む二重管構造を有し、上記内管は、一方の排気コンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して、他方の排気コンポーネントに接続され、上記外管は、上記他方の排気コンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して上記一方の排気コンポーネントに接続される。それにより、排気コンポーネント相互間を連結する二重管(内管及び外管)の長さが比較的に短い場合であっても連結部分(内管又は外管)及びコンポーネントの排気管全体としては曲げ加工に必要な長さを確保することが可能となる。
好ましくは、上記内管の壁面に複数の穴を形成している。それにより、消音効果を高める。
好ましくは、上記内管の一端側は上記第1の排気コンポーネントの外殻にテーパ面を介して連なり、上記外管の他端側は上記テーパ面を覆って上記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される。それにより、上記成形条件の緩和に加えて、内管と外管間に比較的に大きい空間を形成して消音効果の向上や、外管温度の低下などを図ることが可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図6は、車両の排気系の例を説明する説明図である。この車両1は、車両進行方向に対して図示しないエンジンのクランク軸を略直角な方向に配置する、いわゆるエンジン横置きとし、このエンジンの車両後方側に排気系を配置する後方排気レイアウトを採用している。エンジン横置後方排気のレイアウト系は排気系の全長が短くなり、排気系の重量を軽減し易い。また、狭いエンジンルームに搭載可能であり、車両長に対する車室の割合を相対的に大きく確保することができるなどの利点を有する。
排気系は、エンジンの排気部と車両のテールとの間に配置された排気コンポーネント11〜15とこれ等を連結する排気管16とによって構成される。排気系は、例えば、ステンレス製の部材を用いており、耐熱性、耐食性、軽量性などを向上させている。
排気コンポーネントには、排気マニホルド11、第1及び第2の三元触媒コンバータ12及び13、サブマフラ14、メインマフラ15等が含まれる。排気マニホルド11はシリンダヘッドに結合されてエンジンの排気部である複数のシリンダの排気口から排出される排気を枝管で集めて三元触媒コンバータ12に導出する。三元触媒は白金、ロジウム、パラジウムなどを含み、排気ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)を減少する。三元触媒は、吸蔵還元型の触媒など各種タイプのものを含む。
前述したように、触媒コンバータを2つに分けて第1の触媒コンバータ12の容積を少なくし、熱容量を小とすると共に、エンジンの近くに配置することをより容易とする。それにより、狭い空間への触媒コンバータの配置を可能とし、該触媒コンバータの温度が短時間で高温になるようにして始動時の触媒の暖気特性を改善する。更に、暖気運転時に第1の触媒コンバータ12が十分に浄化性能を発揮するまでの間、排出ガスの浄化を確保するために第1の触媒コンバータ12に近接して第2の触媒コンバータ13を設けて排気ガスを所要のクリーンさに保つ。本実施例では、第2の触媒コンバータ13への排気ガスの温度低下を極力防止するために両触媒コンバータを短い湾曲した二重管構造の排気管17で連結している。
サブマフラ14及びメインマフラ15は、浄化された排気を膨張させて排気音を低下させ、また、排気ガスの大気中への排出温度を低下させる。マフラを分割して構成することによって所要の容積のマフラを車両の床下(車室下部)の狭い空間に配置することをより容易とする。
図1は、図6に示した排気マニホルド11、第1及び第2の触媒コンバータ12及び13部分を拡大して車両側方から見た例を示す説明図である。
同図に示すように、エンジンルーム2内に搭載された横置エンジン10と車室3の前方を画定するダッシュパネル4との間に残された空間は狭く、サスペンションメンバ31、ステアリングギアボックス32、タイヤ33、図示しない補機類等も存在する。この狭い空間2内に排気マニホルド、触媒コンバータを配置するため、エンジン10を車両の後方よりに傾けて搭載して排気口(エンジンの排気部)を下向きに傾斜する。この排気口に連結する排気マニホルド11は側方から見て排気の出口方向に傾斜して下り、車室の床下に向かうようになされている。このようにすることで、占有する空間が増大する排気マニホルド11の枝管の曲げを少なくしてすむようにする。また、触媒コンバータを2つに分割し、第1の触媒コンバータ12をエンジンの背後に配置して排気マニホルド11に連結すると共に「く」の字状の湾曲排気管17を介して第2の触媒コンバータ13を車室3の床下に配置する。湾曲排気管17を介することにより、触媒コンバータ12及び13相互間は各々の筒状ケースの中心軸方向を異にした配置となる。触媒コンバータ12及び13を近接して配置し、更に、排気マニホルド11、湾曲排気管17を二重管構造として排気温度の低下を抑制して三元触媒の活性を保つ。例えば、第2の触媒コンバータ13内は350℃以上の温度に保たれる。
図2は、排気コンポーネントとしての第1及び第2の触媒コンバータ間の連結例を示している。この例では、第1及び第2の触媒コンバータ12及び13間を連結する湾曲排気管17を第1の触媒コンバータ12の外殻と一体的に成形し、湾曲排気管17の下流側端部を第2の触媒コンバータ13の入り口に溶接している。触媒コンバータ12の外殻と湾曲排気管17を一体的に成形加工することによって連結排気管部分の長さが比較的に短い場合であっても、触媒コンバータ12の外殻及び連結管17の管全体としては曲げ加工に必要な長さを確保可能となる。
管の曲げ加工には、例えば、後述のスピニング加工を使用すると管材料にテーパ面や湾曲した湾曲排気管17を連続的に成形することができて具合がよい。
図3は、第1及び第2の触媒コンバータ間の第2の連結例を示している。この例でも、第1の触媒コンバータ12の外殻と湾曲した排気管(内管)17aを一体的に形成しているが、更に、連結管17aにはその開口端に向かって管径を徐々に減少する絞り加工を施している。また、第2の触媒コンバータ13の上流側端部にも湾曲した排気管(外管)17bを一体的に形成する。触媒コンバータ12の湾曲排気管17aを触媒コンバータ13の湾曲排気管17b内に挿入して触媒コンバータ13の上流側端部を触媒コンバータ12と溶接する。このようにして、湾曲した排気管17を内管17aと外管17bとの二重管構造とすることによって触媒コンバータ13に流入する排気ガスの温度低下を抑制することが可能となる。
図4は、第1及び第2の触媒コンバータ間の第3の連結例を示している。この例では、図3に示す構成において、更に、湾曲部の内管17a側に複数のパンチング(打抜き孔)を形成し、二重管構成の湾曲排気管17の部分を消音マフラとしても機能させている。パンチング孔は、予め管材料にパンチング孔を形成したものを塑性加工することにより、あるいは一体性成形後にパンチング加工することによって、触媒コンバータ12の湾曲排気管17aに複数の孔を形成することができる。
図5は、第1及び第2の触媒コンバータ間の第4の連結例を示している。この例では、第1の触媒コンバータ12の下流側端部に湾曲した排気管17aに絞りを入れて一体的に形成する。図4に示した場合と同様に、予め管材料にパンチング孔を形成することにより、あるいは一体性成形後にパンチング加工することによって、触媒コンバータ12の湾曲排気管17aに複数の孔を形成することができる。第2の触媒コンバータ13の上流側端部に湾曲した排気管17bを一体的に形成する。この際、排気管17bを太径に成形する。例えば、触媒コンバータ12の略最外形と同じ径とし、それにより、触媒コンバータ13の上流側端部が触媒コンバータ12のコーン(傾斜)部をも覆うようにする。この場合には、湾曲した排気管17における内管17aと外管17bとの間により大きい空間を形成することができ、より消音性能を向上することが可能となる。また、外管17aが熱遮蔽の役割を果たし、外部マフラ温度を下げることが可能となる。内管17aには、図4に示したようにパンチング孔を設けても良い。
なお、図2乃至図5に示した各実施例において、第1の触媒コンバータ12の湾曲排気管17、17aの出口は、第2の触媒コンバータ13の入り口中央部に位置するようにするのがよい。それにより、排気ガスを触媒コンバータの触媒13aに均等に当てて触媒13aを効率よく機能させる。
図7は、偏心傾斜スピニング加工を概略的に説明する説明図である。
同図に示すように、スピニング加工機50は、例えば、5軸の制御を行うことができる。すなわち、マフラ材料(パイプ)61はワーククランプによって保持され、パイプ回転軸、パイプ反転軸、パイプ移動軸、によって駆動される。また、マフラ材料61に当接して塑性加工するツール(ローラ)51はツール回転軸、ツールスライド軸周りに駆動される。
図8は、スピニング加工工程を概略的に説明する工程図である。まず、同図(a)に示すように、マフラ材料61をクランプ52に取り付ける。次に、同図(b)に示すように、目的の形状に対応して5軸を適宜に制御し、自転するマフラ材料61に公転するツール51を押圧して塑性加工し、触媒コンバータ12、13の外殻と湾曲管17とを一体的に成形する。成形後、同図(c)に示すように、余分の材料をカットする。
同様に、マフラ材料61を反転してクランプ52に取り付け、マフラ材料61の反対側のパイプの塑性加工を行う。余分の材料をカットする。目的の成形品を得る。
なお、図8では図示を簡略化したため、湾曲排気管17の部分が示されていないが、この加工法によって上述した排気コンポーネントである触媒コンバータ12、13の外殻と湾曲排気管17とを一体的に形成することができる。
このように、上述した実施例の排気管及び排気システムによれば、連結部分の排気管の長さが短いためにこれに曲げ加工を施すことが困難である場合に、排気コンポーネントの外殻と当該排気管とを一体的に形成することによって実質的に連結部分の排気管の長さを長くし、これに曲げ加工を加えることによって、湾曲した排気管をより容易に得ることが可能となる。
また、従来のような長いパイプの曲げ加工、所要部分の切り出し、切出した湾曲パイプの溶接などの一連の工程が不要となり、材料のロスの発生、加工工程増加を回避可能となる。
また、実施例によれば、短い長さの湾曲排気管を形成できるので、2つの排気コンポーネントを近接して「く」の字状に配置することができる。それにより、第1の触媒コンバータを直接排気マニホルドに連結し、第2の触媒コンバータを床下に配置することが可能となる。それにより、各触媒コンバータの効率の良い触媒作用を期待できる。特に、エンジンルームの狭い小型車両にエンジン横置き後方排気レイアウトを採用した場合に好適である。尤も、本発明はこのようなエンジンレイアウトに限定されるものではなく、2つの排気コンポーネントを湾曲部を介して配置するような構成に用いることが可能である。
また、更に、湾曲した排気管を二重管構造とすることによって、下流側触媒に流入する排気ガス温度低下の抑制、消音効果、マフラ外部温度の低下などの利点が加わる。
また、曲げ加工に砂を使用しないので、二重管の内管にパンチ孔を有する構成となるものについても曲げ加工を施すことができる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排気コンポーネントの外殻と湾曲排気管とを一体的に形成するので排気コンポーネント相互の連結部分が短い場合にも、排気管を湾曲させることが可能となって好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例を説明する説明図である。
【図2】図2は、2つの排気コンポーネントを連結する第1の例を説明する説明図である。
【図3】図3は、2つの排気コンポーネントを連結する第2の例を説明する説明図である。
【図4】図4は、2つの排気コンポーネントを連結する第3の例を説明する説明図である。
【図5】図5は、2つの排気コンポーネントを連結する第4の例を説明する説明図である。
【図6】図6は、車両の排気系を説明する説明図である。
【図7】図7は、偏心スピニング加工を説明する説明図である。
【図8】図8は、偏心スピニング加工機による加工工程を説明する説明図を
【符号の説明】
10 エンジン
11 排気マニホルド
12 第1の触媒コンバータ
12a 触媒
13 第2の触媒コンバータ
13a 触媒
17 湾曲した排気管
17a 排気管の内管
17b 排気管の外管
Claims (10)
- エンジンの排気部から斜めに下って車室の床下に至る排気路を形成する排気システムであって、
前記排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネントと、
前記排気路の前記車室の床下に前記第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネントと、
前記第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管と、を含み、
前記湾曲管の一端側は前記第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に形成され、その他端側は湾曲部を経て前記第2の排気コンポーネントに接続される、排気システム。 - エンジンの排気部から斜めに下って車室の床下に至る排気路を形成する排気システムであって、
前記排気路の傾斜領域に配置される第1の排気コンポーネントと、
前記排気路の前記車室の床下に前記第1の排気コンポーネントに近接して配置される第2の排気コンポーネントと、
前記第1及び第2の排気コンポーネント間を連結する湾曲管と、を含み
前記湾曲管は内管及び外管からなる二重管構造を有し、前記内管の一端側は前記第1の排気コンポーネントの外殻と一体的に成形され、その他端側は湾曲部を経て前記第2の排気コンポーネント内に至り、
前記外管の一端側は前記第2の排気コンポーネントの外殻と一体的に成形され、その他端側は湾曲部を経て前記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される、排気システム。 - 前記内管の一端側は前記第1の排気コンポーネントの外殻にテーパ面を介して連なり、
前記外管の他端側は前記テーパ面を覆って前記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される請求項2記載の排気システム。 - 前記内管の壁面に複数の穴を形成していることを特徴とする請求項2又は3に記載の排気システム。
- 前記内管の他端側は、前記第2の排気コンポーネントの入り口側の略中央を向いている請求項1乃至4のいずれかに記載の排気システム。
- 前記排気コンポーネントは、触媒、サブマフラ、メインマフラを含む請求項1乃至5のいずれかに記載の排気システム。
- ケースの軸方向を異にして配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管であって、
一方のコンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して、他方のコンポーネントに接続される排気管。 - ケースの軸方向を異にして配置される排気コンポーネント相互間を連結する排気管であって、
内管と外管とを含む二重管構造を有し、
前記内管は、一方の排気コンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して、他方の排気コンポーネントに接続され、
前記外管は、前記他方の排気コンポーネントの外殻と一体に成形された湾曲部を介して前記一方の排気コンポーネントに接続される、排気管。 - 前記内管の壁面には複数の穴が形成されている請求項8に記載の排気管。
- 前記内管の一端側は前記第1の排気コンポーネントの外殻にテーパ面を介して連なり、
前記外管の他端側は前記テーパ面を覆って前記第1の排気コンポーネントの外殻に接続される請求項8又は9に記載の排気管。
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JP2002288630A JP2004124785A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 排気管及び排気システム |
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---|---|---|---|---|
JP2009144636A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp | 排気浄化装置 |
JP2010031718A (ja) * | 2008-07-28 | 2010-02-12 | Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp | 排気浄化装置 |
JP2016125416A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | フタバ産業株式会社 | 連結管及びそれを用いた排気系構造 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002288630A patent/JP2004124785A/ja active Pending
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